カキィーン カキィーン
魔戦士「ちっ きりがねえ」
ワータイガー「ぐるらぁ!」
魔戦士「ぐぁ! しまった!」ザシュッ
魔戦士「ぐっ……爆発中級魔法!」
ドガァーン
魔戦士「はぁ、はぁ、やったか」グラリ
魔戦士(まずいな……血を流しすぎた……意識が……)バタッ
ーーーーーーーーーーーー
魔戦士「つっ……あれ? 生きてる……これは……毛布?」パサッ
魔戦士「誰かが通ったのか?」キョロキョロ
僧侶「」ビクッ
僧侶「ゆ、勇者! 起きましたよ!」
魔戦士「あ、おい ちょっと! 行っちまった……ん? 勇者?」
元スレ
魔法使い「それでも、私は」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1339636084/
1 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/14 10:08:04 O94GRqbA 2/103注意書き
この話にででくるモンスターは
ドラクエのものを使っていますが、
世界観はドラクエではありません。
ご了承ください。
主人公 魔戦士は魔法戦士の略でもあります
ユウシャー! オキマシタヨー! イマイクー!
ガサガサ ヒョコッ
勇者「おはよう! 調子はどう?」」
魔戦士「え、ああ、おはよう
傷はまだ少し痛むけど、ふさがっているな」
勇者「そっか! さっすが僧侶ちゃん!」
僧侶「えへへ」
勇者「そうだ! 紹介が遅れたね! 私は勇者! 魔王を倒す旅をしてるんだ!」
魔戦士「(テンションたけーな)そうなのか 俺は魔戦士、助けてくれてありがとう」
勇者「いいってことよ! 旅は道ずれ世は情けってね!」
魔法使い「……」ジー
魔戦士「あそこでこっちを睨んでるのはだれだ?」
勇者「ああ、あの子は魔法使いちゃんだよ! 信用ができないって監視してるんだって」
魔戦士「……」フッ
勇僧魔「消えた!?」
魔戦士「」チョイチョイ
魔法使い「きゃっ! な、なんで後ろにいるの!?」
魔戦士「ちょこっと高速移動を」ニヤニヤ
勇者「す、凄い! いまのどうやっ」
ゴァァァ!
ワータイガーABCDEがあらわれた!
勇者「魔物! 怪我人は下がってて!
」
魔戦士「え、いや、怪我人っていって
も……」
魔法使い「足手まといよ、下がりなさい」ザッ
魔戦士「足手まとい……まあ、そこまでいうなら……」ストッ
エイ! ヤア! ゴアァ! アブナイ! ホノオテイキュウマホウ! カイフクテイキュウマホウ!
魔戦士「」イライラ
勇者「一匹そっちに! 魔戦士危ない!」
魔戦士「……」スッ
ワータイガーD「ゴァ……ア?」ズルッ
ワータイガーDだったもの「」
勇者「え?」
魔戦士「もう我慢できねえ……」スタスタ
ワータイガーABCE「グォォ!」
魔戦士「オラァァァ!」ズバッズバッ
ワータイガーABCEだったもの「」
魔法使い「うそ……つよすぎ……」
魔戦士「ふぅ……」スチャ
勇者「凄い……凄すぎるよ! ねえ! 私たちの仲間になって!」
魔戦士「は?」
勇者「そして、私たちに剣と魔法を教えてほしいの」
魔戦士「なんだよいきなり……ていうか俺はいいとしてもあいつらはどうなんだよ」
魔法使い「私は強くなれるなら……このレベルだと魔王には絶対に勝てないと思ってたからね」
僧侶「私も、強くなりたいです!」
勇者「ね! みんな賛成だよ! あとはあなただけ」
魔戦士「わかった、仲間になるよ」
勇者「やったー!」
魔戦士「でも、教えるんだったら厳しくいくぞ」
勇魔僧「よろしくおねがいします!」
魔戦士「魔戦士の戦闘教室ー」
勇魔僧「」パチパチ
魔戦士「まずは勇者だな」
魔戦士「お前は切るときの降りかぶりがでかい 恐らく剣が重すぎるんだ」
勇者「でもこれは勇者の剣でこれでしか魔王を倒せないから……」
魔戦士「使いこなせかったら意味ないだろ とりあえず鉄の剣で練習しろ」
勇者「はーい」
魔戦士「5kgのアンクルをつけて素振り100回だ」
勇者「」
9 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/14 20:25:40 ZMPL7TQ6 8/103アンクルって足に着けるんだけど…
10 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/14 21:33:33 O94GRqbA 9/103>>9
まじでか
アンクレットだっけ
11 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/14 21:39:47 AcXZrOh6 10/103アンクレットも足
つーか同じ意味じゃねーの
12 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/14 23:24:28 105Jc9ss 11/103リストウェイトだね。
勇者にはこれを追加で素振りを。
支援
13 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/06/15 09:45:55 lRuq1Bis 12/103>>11、>>12
ありがとう
調子にのって外国語?使ったのが悪かった
という訳で分かりやすく『おもり』にする
魔戦士「と、言うのは嘘で2kgのおもりをおもりをつけて素振りだ いきなり5kgは辛いからな」
勇者「しつもーん なんでおもりって二回言ったんですか?」
魔戦士「大事なことだからだ」
魔戦士「次は魔法使いだ お前はノーコンだからこの石に10回当たったら報告しろ」ヒョイ
魔法使い「その石は何?」
魔戦士「魔収石だ 周りの魔力をすいとり持ち主に渡す これなら魔力が尽きない」
魔法使い「そんな石があるのね」
魔戦士「最後は僧侶だな お前は魔法の詠唱が遅い 簡略化しろ」
僧侶「なぜか私だけ雑なような……」
魔戦士「気のせいだ さっさと始めろ 周りの魔物は俺が倒す」
勇魔僧「はーい」
一時間後
勇者「10kgのおもりで素振り300回終わったよー!」
魔法使い「10回どころか30回当ててやったわ!」
僧侶「詠唱時間が10分の1になりましたー!」
魔戦士「」
魔戦士「凄えなお前ら……一時間でそこまで上達するとは……」
勇者「そりゃそうだよ! 元がいいんだもん!」
魔戦士「自分で言うな……(だが本当に凄え……こりゃ鍛えがいがありそうだな……)」
ワータイガーABC「グガァ!」
ワーウルフAB「アォーン!」
魔戦士「おっちょうどいい、こいつらがとりあえず魔戦士の戦闘教室の卒業試験だ 3分で倒せ」
勇者「楽勝楽勝!」スチャ
魔法使い「パワーアップしたから大したことなさそうに見えるわね」スッ
僧侶「が、がんばります!」
カエンギリ! ホノオテイキュウマホウ! グォァ! アオーン!
ボウギョキョウカマホウ! ウリャア! グアアァ!
勇者「終わったよ!」
魔戦士「おし、さすがに楽だったな じゃあお前ら全員卒業だ!」
勇魔僧「やったー!」
魔戦士「次は魔戦士の戦闘教室その2~魔物を効率的に倒そう~だけどな」
魔法使い「え……まだあるの?」
魔戦士「当たり前だ その5まであるぞ」
僧侶「そ、そんなぁ……」
勇者「魔戦士の授業厳しいんだもん」
魔戦士「最初にそう言ったはずだが」
勇者「そ、そうだった……」
魔戦士「まあいい、次の町に行こう」
工業国アリオルト(国名は作者が記憶などから適当に選んでいるのでどこかで聞いたような名前になることがあります ご注意ください)
ガコーン! ガコーン! オウリャ! ソウリャ!
勇者「でっかい町だなぁ……」ウワー
魔法使い「見て見て! あんなでっかいトンカチ初めて見た!」キャッキャッ
僧侶「男の作業場って感じ……」ホワワ
魔戦士「はしゃぎすぎてはぐれるなよー」
魔法使い「この年になってはぐれる訳ないでしょ?」フン
魔戦士「そうでもないぞ」ユビサシ
僧侶「」フラフラ~
魔法使い「そ、僧侶! フラフラしないの!」
僧侶「あぅ~」ショボーン
魔法使い「まったく……」ハァ
魔戦士「おっ見えてきたぞ」
『じじいの工房』
魔戦士「おう! じいさん! 久しぶりだな!」
爺「おー! 魔戦士! 今度は何のようだ?」
僧侶「え……あの人って……」ワナワナ
僧侶「世界最高ランクの武具屋! 工業神じゃないですか!」
勇魔「工業神!?」
勇者「私、そういえば聞いたことがあるよ! あの人が作った武具は絶対に壊れないって噂の……」
爺「ははっ わしゃ人気者じゃな」
僧侶「ど、どうしてそんな人と魔戦士さんが知り合いなんですか!?」
魔戦士「昔、ちょっとあってな」
爺「そうじゃ、ちょっとだけな……それにしても、いい乳じゃの」モミッ
僧侶「ひゃうっ! な、なにするんですか!?」
爺「いい乳があったら揉むのは当然じゃ」カカカ
爺「そっちのお嬢ちゃんは乳は無いが尻がいい感じじゃの」ワキワキ
勇者「なっ……!?」サッ
爺「ほりゃ」ヒュッ モミモミ
勇者「きゃっ! ってあれ? 今のって……?」
魔戦士「ああ、このジジイに教えてもらったんだ」
爺「そのとおり 次はそっちのエロイ嬢ちゃんを……ほれっ」ヒュッ
魔戦士「いい加減にしろジジイ」ゲシッ
爺「ぐえっ」
魔戦士「頼んだものは出来たのか?」
爺「おー痛え……ああ、出来とるよ」
魔戦士「大げさに痛がりやがって……さっさとよこせ」
爺「ほいほい ついてこい」
魔戦士「おし 行くぞ」
勇者「はーい」
僧侶「工業神の作業場……楽しみです!」オラワクワクシテキタゾ
魔法使い「……」
魔戦士「どうした?」
魔法使い「あ、あのね……さ、さっきは……あ、ありがとう///」
魔戦士「ああ、胸揉まれそうになった時のことか まあ、これに懲りたらそんな露出の多い服じゃなくて魔法使いらしくローブでも着るんだな」
魔法使い「もう! 馬鹿!」プンプン
魔戦士「な、何怒ってるんだよ」
魔法使い「……ふん!」スタスタ
魔戦士「何なんだいったい……」
爺「早くこい!」
魔戦士「あー悪い悪い」
ーーーーーーーーーーーーーー
爺「ほれ、わしの最高傑作じゃ」スチャ
魔戦士「凄え……刀身が輝いてるみたいだ……」
勇者「かっこいい……」
魔戦士「ジジイ いくらだ?」
爺「金はいらんよ わしが引退前に作る最後の武器だ 大事に使ってくれるだけで充分じゃ」
魔戦士「そうか、ありがとう 大事にするよ(これならあいつを……)」
僧侶「ええ!? 工業神引退するんですか!?」
爺「そうだ、わしもいい加減年だからな」
僧侶「そうなんですか……残念です」
爺「それと、魔戦士 その剣は使えば使うほど切れ味が増す。だからすぐには『奴』は倒せないぞ」
魔戦士「ジジイ、余計なこと言うんじゃねえ」
爺「いやいや、言っとかないとすぐにでも戦いを挑みそうだったからな」
勇者「? 奴って誰?」
魔戦士「お前には関係ない」ギロッ
勇者「」ビクッ
勇者「僧侶ちゃん~魔戦士が怖いよ~」グスグス
僧侶「私も……ちょっと怖かったです……」
魔戦士「ああ、悪かったな だが、奴のことは聞かないでくれ」
勇者「わ、わかった……」
魔戦士「さあ、今日は宿屋で休んで明日出発しよう」
勇者「う、うん」
魔法使い「……」
次の日
宿屋店主「勇者ご一行様! 魔王軍が来ました!」
勇者「え!? 敵はどれくらい!?」
宿屋店主「ざっと見ただけでキラーマシン、キラーアーマー、リカントマムル、りゅう兵士、ゴーレム、影の騎士がそれぞれ10体ずついました!」
勇者「そんな! 凄くいっぱいいるよ! どうしよう、魔戦士!」オロオロ
魔戦士「心配すんな この町にはジジイがいる」
勇者「あのおじいちゃんじゃ無理だよ! 助けないと!」
魔戦士「大丈夫だって ほら、外見てみろ」
勇者「え……?」ガチャ
爺「おらおらおらー!」バキッドガッ
勇者「」バタム
勇者「何……あれ……」
魔戦士「言っただろ? 心配ないって あのジジイはかなり強い」
勇者「ふぇぇ……強すぎるよ……」
リカントマムル「」チーン
りゅう兵士「」チーン
キラー/アーマー「」チーン
魔牛ミノロス「来たな、ジジイ! 今日こそは貴様を血祭りにしてやる!」
爺「お前も懲りない奴じゃな」
魔牛「死ねえぇぇぇぇー!」ブオン
バキッ
牛「」チーン
魔戦士「流石だな、ジジイ」
爺「遅いじゃねえか 死んだらどうする気だ」
魔戦士「お前は殺しても死なねえよ」
爺「まあ、そのとおりじゃがな」ハハ
僧侶「知らなかったです! 工業神がこんなに強いなんて……」
魔戦士「じゃあお前は工業神ファンとしてまだまだだな」ニヤニヤ
僧侶「そんなぁ~」ガックリ
爺「まあ、これからも俺のフアンとして頑張ってくれ」ハハハ
僧侶「は! 工業神に直接ファンと言われたということは……私は公式ファンということですね!」ヤター
魔戦士「良かったな」ハハハ
魔法使い「」チョイチョイ
魔戦士「ん? 何だ?」
魔法使い「あなた、目はいい? あの黒い雲みたいなのが何か分かる?」
魔戦士「ん? あれは……」ブッ
魔戦士「魔物の群れだ! しかも、さっきジジイが蹴散らした数とは桁が違うぞ!」
勇者「う……うそ! さっきのもかなりの数だったのに…… どうしよう!? 魔戦士!」
魔戦士「く……全員で戦っても厳しいぐらいの数だな……」
魔法使い「でもやるしかないわよね……」
魔戦士「ああ……皆! 気を引き締めるんだ!」
勇者「うん!」
僧侶「はい!」
魔戦士「そうだ、実戦で魔戦士の戦闘教室その2~魔物を効率的に倒そう~をするぞ」
勇者「えぇ!? 実戦でするの!?」
魔戦士「ああ、このままじゃきついからな まずは勇者! お前は必殺技を覚えろ! 俺の動きをよく見ておけ」
ブラッドアーゴン×3「グギャギャギャ!」
リビングスタチュー×3「ギョギョギャ!」
アロダイタス×5「ヌボーン」
魔戦士「いくぞ! ギガァ……スラァーッシュ!!」バシュウウ
ブラッド/アーゴン×3 リビング/スタチュー×3 アロ/ダイタス×5「」マップタツ
勇者「一気に11匹も……こんなの覚えられるかな……」
魔戦士「覚えるしかないんだ! 魔力を剣の2倍の長さまで伸ばせ!」ズバッ
勇者「う、うん やってみる」
勇者「はあぁぁぁ……ギガ! スラッシュ!」
雲の/大王×2 フロスト/ギズモ×7 レッド/サイクロン×3「」マップタツ
勇者「やった! できたよ魔戦士!」
魔戦士「俺でも3日かかったのに……さすがだな! 勇者!」ズバッ
勇者「えへへ///」ズバッ
魔戦士「次は魔法使いだ! お前は爆発魔法を覚えるんだ! 魔力を周りに拡散させるように……爆発中級魔法!」ズガーン
魔法使い「こ、こうかしら……爆発中級魔法!」ポム
魔法使い「あ、あれ? きゃっ!」
魔戦士「大丈夫か!? 魔法使い!」
魔法使い「え、ええ かすっただけだから……でもなんでうまくいかないのかしら……えいっ!」ポムッ
魔戦士「俺たちを巻き添えにしないようにって自分で無意識に制御してるんじゃないか?」ザン
魔法使い「そ、そうなのかな……」
魔戦士「多分な だから俺達に遠慮せずおもいっきりやれ……ぐっ!?」バキッ
魔法使い「あっ……魔戦士! 炎中級魔法!」ゴウッ
魔戦士「サンキュー ちっ……囲まれてるな 魔法使い爆発魔法を!」ザシュ
魔法使い「うん……爆発中級魔法!」
魔法使い「きゃっ! 魔力が暴走して……」ズオォォ
魔戦士「魔法使いっ!」ガバッ
ドガァーン(爆発AA)
魔牛「死ねえぇぇぇぇー!」ブオン
バキッ
牛「」チーン
偉そうなくせに脆すぎてワロタ
魔法使い「うーん……何が起こったの……?」ケホケホ
魔戦士「」グッタリ
魔法使い「え……うそ……魔戦士! 目を開けて! 魔戦士!」
魔戦士(ヤバいな……さっきまで身体中が痛かったのに今はなにも感じない……)
魔戦士(俺はこのまま死ぬのか……あいつを倒せないまま……)
魔戦士(勇者、僧侶、そして魔法使い……俺はここでリタイアだ……最後まで付き合えなくて悪いな……)
シ…ンシ…
魔戦士(自分で言うのもなんだがやけに落ち着いてるな……死を悟ったからかな……)
センシ…マセンシ! シッカリシテ!
魔戦士(あれ……俺を呼ぶ声がする……この声は……魔法使い?)
魔戦士(そうだ……こんなところで死んでられねえ……俺は魔法使いに言わなきゃいけないことがあるんだ…… ぐっ……クソ……意識が……)ガクッ
マセンシ!? マセンシーーー!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔戦士(ん……? ここは……俺、生きてるのか?)トナリチラ
魔法使い「」スゥスゥ
魔戦士「」
魔戦士(あれ!? 何で魔法使いが俺の腕にしがみついて寝てるんだ……!?)
魔法使い「ん……むにゃ……」モゾモゾ
魔戦士(……酷いくまだ……ずっと起きててくれたのか? ありがとな)ナデナデ
魔法使い「ん……魔戦士ぃ……」スリスリ
魔戦士「」ブハッ
魔戦士(な、なんだこの可愛い生物は! こいつこんなに可愛かったっけ?)ドキドキ
魔法使い「ふぁ……ま、魔戦士! 良かった、やっと起きた……」
魔法使い「魔戦士、あなた3日も寝てたんだよ……うぅ……」ポロポロ
魔戦士「ど、どうした!?何で泣いてるんだ!?」オロオロ
魔法使い「だ、だって……もう二度と起きないかもしれないと思って……うえーん!」ダキツキ
魔戦士「おふっ……そっか、心配してくれてたんだな ありがとう」ヨシヨシ
魔法使い「うぅ~魔戦士~」ギュ
魔法使い「………………はっ! 私は何を!?」
魔法使い「ま、魔戦士! いや、今のは違くて……今のは……そう! て、徹夜明けのテンションなの!」
魔戦士「そ、そうなのか……?」
魔法使い「そう! そうなの! だから忘れて! 忘れてね!」ニゲッ
魔戦士「行っちまった……何なんだ? ていうか忘れろってのは無理だよな あんな可愛いの」
[部屋の外]
魔法使い「か、可愛いなんて……うぅ~でも恥ずかしいよ~///」マッカッカ
勇者「あれ? 魔法使いちゃん、部屋の前で何してるの?」
魔法使い「な、何でもないよ! あ、そうだ! 魔戦士起きたから見に行けば? じゃ、じゃあね」ニゲッ
勇者「?」
勇者「魔戦士~入るよ~」ガチャ
魔戦士「おう、勇者 心配かけたな」
勇者「ほんとだよ~ 僧侶ちゃんもすっごい心配してたよ~」
勇者「僧侶ちゃんはね魔戦士を回復出来る限界まで魔法をかけててくれたんだよ」
魔戦士「そっか、僧侶にもお礼言っとかないとな」
勇者「……」
魔戦士「どうした?」
勇者「ん? ああ、魔戦士変わったなぁと思って」
魔戦士「変わった?」
勇者「うん、会ってすぐのときは仲間の私たちにも警戒してたでしょ? でも、今は全然敵意を感じないもん」
魔戦士「な……そんなことまで分かってたのか? お前本当は凄い奴……」
勇者「そうだよ! だって私は勇者だもん!」ニコッ
魔戦士「そうだな、勇者さまには敵いません」ハハー
勇者「アハハハ! 頭が高い! 控えよろう!」ババーン
魔戦士「それは黄門様だろ」ハハハ
勇者「そだったね」アハハハハ
僧侶?「魔戦士さん! 起きたんですか!?」バタン
魔戦士「おう、僧侶?」
僧侶?「はぁ……良かった……はぁ……ゼエ……ウプッ」
勇者「ちょ、ちょっと! 僧侶ちゃん、大丈夫!?」
僧侶?「きゅ、急に走ったから……で、でも……もう大丈夫です……」フゥ
ユウシャー! チョットキテー!
勇者「はーい! 今行くー! じゃ お大事に!」トテトテ
魔戦士「ああ、ありがとう なぁ」
僧侶?「はい、何ですか?」
魔戦士「お前、化けるならもう少しうまくやれ」
僧侶「な、なんのことですか?」アセ
魔戦士「大方、大怪我した俺を殺そうって魂胆だろ 恐らく、勇者を呼んだのもお前の仲間だ 違うか?」
僧侶?「う、うぅ~魔戦士さんに魔物と間違われるなんて……うぅ……うー……うがー!」
魔戦士「……」ズバッ
悪魔「」ゴロン
僧侶「魔戦士さーん きゃっ! 悪魔!?」
魔戦士「おう、今度は本物の僧侶だ」
僧侶「? 何の話ですか?」
魔戦士「こいつがお前に化けて俺を殺そうとして来たんだよ 返り討ちにしたけどな それと、こいつの浄化をしてくれ」ゲシッ
僧侶「はい! 浄化魔法!」プワー
魔戦士「サンキュ 座れよ お礼も言いたいし」
僧侶「お礼、ですか?」スト
魔戦士「ああ、勇者に聞いたんだ 回復魔法を限界までかけてくれたんだって? お前は俺の命の恩人だな、おりがとう」フカブカ
僧侶「か、顔を上げてください! 私は大したことしてないし、そもそも仲間だったらあたりまえです!」
魔戦士「仲間、か」
僧侶「はい! 仲間です!」
魔戦士「そっか、でもお礼はしなきゃな 何かしてほしいことはあるか?」
僧侶「えと……あ、でもこんなこと頼んでいいのかな……?」
魔戦士「何だ? 俺に出来ることなら何でも言ってくれ」
僧侶「じゃ、じゃあギュッてしてほしいです///」
魔戦士「ギュッって……ハグのことか? それくらいでいいのか?」
僧侶「はい、それがいいんです 私、お父さんっ子でいつもギュッてしてもらってたんですけど、10年前に死に別れてからしてもらってなくて……だから、体型がお父さんと似てる魔戦士さんにギュッてしてほしいんです」
魔戦士「そうだったのか……わかった、俺でよければいつでもするよ」ギュ
僧侶「はふぅ……魔戦士さぁん……///」スリスリ
魔戦士(なんだ……この可愛さは……魔法使いの隣に並びたい感じと違って、僧侶のは守ってやりたい感じだ!)
僧侶「んん~///」ギュウ
魔戦士(やばい! やばいぞこれは!)
ーーーーーーーーーーーー
僧侶「ありがとうございます 10年ぶりにお父さんにギュッてしてもらった感じです!」ニコニコ
魔戦士「そうか、よかった(あと1分長かったら理性がもたなかった……)」
僧侶「あ、そういえば 魔戦士さんが起きたら城に来いと王様がおっしゃってました」
魔戦士「まじか……もしかして、広場を爆発魔法で吹っ飛ばしたことのお咎めでもあるんだろうか……」
僧侶「大丈夫だと思いますよ? 魔物はやっつけたんですし」
魔戦士「それならいいけどな……」
ーーーーーー4日後ーーーーーー
王「よく来たな勇者一行 呼んだのはほかでもない 一週間前の広場爆発の件についてだ」
魔法使い「……」
王「その件に関してはお咎めなしだ!」ニカッ
魔戦士「へ?」
王「あの工房のジジイが言っておった あれは紛れもない事故だ、とな」
王「それに、噴水やいくつかのベンチは吹っ飛んだが、民家には何の被害もない! ……まあ、お咎めなしの変わりに、魔王を倒したら一番にこの町へ来ると約束してくれ」
勇者「わかりました! 魔王を倒したら、一番にここへ戻ってくると約束します!」
王「うむ では、旅の資金と食料をやろう 出発するときにまた城にこい」
勇者「ありがとうございます!」
ーーーーーーーーーーーー
勇者「では、行ってきます!」
王「魔王討伐、よろしく頼む」
勇者「はい!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
僧侶「いい国でしたね 王様もいい人でしたし」
勇者「そうだね! こんなにいっぱいお金と食べ物もらったし」
魔戦士「次の行き先はどこだ?」
勇者「えっとね、『商業国ハリスエル』だって」
魔法使い「工業国の次は商業国かぁ」
魔戦士「そういえばその二つの国は仲が悪いって噂があるな」ソレトナクキョリトリッ
魔法使い(……なんかあれ以来少し避けられてる気がする……)
おどるほうせきABCが現れた!
勇者「おっモンスターだ」
魔戦士「あのモンスターの中には宝石がたくさん入ってるらしいぞ」
勇者「ほんとに!? よーし頑張るぞ!」チャキ
踊宝ABC「」ギクッ
ーーーーーーーーーーーーーーー
勇者「大漁大漁!」ザックザック
踊宝ABC「」ペラペラ
僧侶「そういえば魔戦士さん、戦闘教室最近してないですね? 私だけその2をまだしてないので、個人レッスンを……」
魔戦士「こ、個人レッスン!?(個人レッスン! なんてエロい響きなんだ!)」モンモン
魔法使い「だ、だめ! 個人レッスンなんて絶対にだめ!」
僧侶「な、何ですか!? 私一人だけ遅れてるなんて嫌です!」
魔法使い「わ、私もまだ爆発魔法ちゃんと使えてないから一緒にやろ? ね?」
魔戦士(3P……)
僧侶「わかりました、じゃあ魔法使いさんと一緒にします 魔戦士さん、お願いします」
魔戦士「ああ、任せろ」
勇者「私はそのあいだ暇だなー」
魔戦士「てなわけで、魔戦士の戦闘教室その2~魔物を効率よくぶち殺そう~だ」
魔法使い「なぜか柄が悪い気がするのだけど……」
魔戦士「気のせいだ まずは魔法使いだな この前は状況的に爆発魔法だけだったが、今回は同時に氷魔法も覚えてもらう」
魔戦士「知ってると思うが、魔法はイメージだ 周囲を凍らすイメージで練習しろ」
魔法使い「わかったわ」
魔戦士「次は僧侶 お前は回復魔法の他に補助魔法も覚えろ とりあえず防御強化魔法だ 防御強化魔法のコツは魔法をかける相手の周りに薄い壁を纏わせるイメージだ 頑張れよ」
僧侶「はい!」
ーーーーーーーーーーーーーー
コオリマホウ! ヒュオオォ ボウギョキョウカマホウ! フワーン
勇者「ねえ、魔戦士」
魔戦士「何だ?」
勇者「どうしてあなたは私の……いや、人間の味方をするの?」
魔戦士「!? 気づいてたのか……」
勇者「うん、この前も言ったけど私は勇者だもん それくらいわかるよ」
魔戦士「……気づいてどうするんだ? 俺を殺すか? まあ、お前一人じゃ無理でも三人で来られるときついかもな」
勇者「やってみなきゃわからないよ?」スチャ
魔戦士「へぇ……勇者なのにそんなこともわからないのか?」ジャキ
勇者「たぁぁ!」ガキィン
魔戦士「ははっ 俺が教えたとおりにちゃんと小振りに振ってるな」
勇者「……」スッ
魔戦士「? なぜ剣を納めた」
勇者「あなたと戦う理由がないからね」
魔戦士「理由なんて俺が魔族であることで充分だろ」
勇者「そんな訳ないよ、自分と違うだけで争うだなんて愚者の考えだよ」
魔戦士「愚者、か 可愛い顔してなかなか言うな」
勇者「私可愛い?」
魔戦士「あー可愛い可愛い」
勇者「なげやりに言われた!?」
魔戦士「とりあえずそれは置いといて、どうする気だ?」
勇者「そりゃもちろん今までのままだよ」
魔戦士「俺が魔族とわかっているのにか?」
勇者「うん、別に私達を殺そうとかは思ってないでしょ?」
魔戦士「当たり前だ」
勇者「それに、この前言ってた『奴』ってのも魔物か魔族でしょ?」
魔戦士「そこまで分かってるのかよ……ホントにお前何者だ?」
勇者「私は勇者だよ? それ以上でもそれ以下でもない」フフ
勇者「ともかく! あなたの目的が人間じゃないなら問題ナッシング! それに、魔戦士は強くて頼りになる上にカッコいいからね!」ウデニダキツキッ
魔戦士「そ、そういう問題か? まあ、お前がいいならいいけどな(む、胸が……)」
魔法使い「魔戦士ー! どっちも使えた……ってちょっと! なにしてるのよ!」ビックリ!
僧侶「私も出来ました……って勇者さん!? 何してるんですか!?」オドロキ!
勇者「えっへへ~うらやましい?」
魔法使い「ふ、ふん! うらやましくなんてないわよ!(なによ……あんなにデレデレしちゃって……)」プイッ
僧侶「私はうらやましいです……」
魔法使い「え!? そ、僧侶!?」
魔戦士(なん……だと……)
僧侶「わ、私も……えい!」ギュ
魔戦士(俺死んだんだっけ? ここは天国?)
魔法使い「そ、僧侶! あなたまで……(うぅ~私もギュッてしたいけどもう腕がない……)」グスン
魔戦士(理性? 何それおいしいの?)
ポンポコだぬきABCDEが現れた!
勇者「敵!」バッ
魔戦士(助かったようながっかりなような……)ジャキ
魔戦士「こいつらはこんな見た目だが強力な魔法を使う! 気を付けろ!」
魔法使い「5匹ね……だったら! 爆発中級魔法!」ズガァン
ポンポコだぬきABCDEを倒した!
魔法使い「どう? 修業の成果は?」
魔戦士「凄いじゃねえか! 5匹同時に倒すなんて」
魔法使い「でしょ!? 私頑張ったからね!(えへへ! 魔戦士に誉められちゃった!)」エッヘン
僧侶(私の出番なかった……)ショボン
ーーーーーーーーーーーーーーーー
勇者「着いた! ここが『商業国ハリスエル』ね!」
ガヤガヤワイワイ ヤスイヨー ヨッテッテー
僧侶「活気のある国ですね」
魔戦士「ああ、この辺りで一番栄えている国と言われるぐらいだからな」
魔法使い「魔戦士! 見て見て! 魔法薬がこんなに安いよ!」
魔戦士「本当だ すげえなほかの国の半額以下だ(最近やけに魔法使いが可愛く見えるんだが)」
店主「そりゃあ当たり前さ! この国は栄えてるからな! ここまで安くできるのさ! お嬢ちゃん達カップルかい? カップル割引してやるよ! これ10個で1000ゴールドでどうだ!」
魔法使い「そ、そんな……カップルだなんて……」テレテレ
魔戦士「それ買います! はい1000ゴールド」つ1000
店主「まいどあり! お幸せにな!」
魔戦士「ありがとうございます! さ、いくぞ」ギュ
魔法使い「う、うん……って ええ!? な、何で手握ってるの///」
魔戦士「せっかくカップル割引してもらったからカップルぽく振る舞わなきゃなと思って……嫌だったか?」
魔法使い「そ、そうね! 仕方ないわよね///」スタスタ
魔戦士「おい、どこにいくつもりだ……ってここラブホ街じゃねえか!」
魔法使い「あ……間違えた……(想像した)/////////////」
魔戦士「は、早くここから出るぞ……って何してんだ! そっちはラブホ……(想像した)//////////」
魔法使い(テレビで言ってた! 据え膳置かぬは女の恥だって/////)グイグイ
魔戦士「おい、ちょ待てって! こ、心の準備がー!」
魔法使い(…………恥ずかし過ぎてもう無理/////////)フラッバタッ
魔戦士「魔法使い! こ、こんなところで倒れんなー!」アタフタ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
魔戦士「(いろんな意味で)死ぬかと思った……」グッタリ
魔法使い「ごめんね……私ちょっと混乱しちゃってて……」
魔戦士「何で混乱してたんだ……?」
魔法使い「え、それは、あの、えーと、あはは」アセアセ
勇者「あ! こんなところにいた!」
魔戦士「勇者! 僧侶! どこ行ってたんだ?」
僧侶「おいしそうな匂いがしたのでついふらっと……お二人のも買いましたよ どうぞ!」つ
魔戦士「なんだこれ? 初めて見た」
勇者「食べてみなよ!」
魔法魔戦「……」パク
魔法使い「……! おいしい!」
勇者「でしょ! クレープって言うんだって!」
魔戦士「確かにうまい さすが商業の国、いろいろあるな」モグモグ
勇者「ねえ、せっかくだからいろいろ見て回ろうよ」
魔法使い「あ、私さっき可愛いアクセサリー売ってる店見つけた!」
勇者「じゃあそこ行こ! ほら、僧侶ちゃんも!」タタッ
僧侶「あ! 待ってください!」タタタ
魔戦士「ちょ……おい!……行っちまった……まあいいか、俺もふらふらしてよう」
ガヤガヤ
魔戦士「何だ? ここだけやけに騒がしいな」
魔戦士「なあ、何があるんだ?」
見物客A「ああ、腕試しだよ ここの腕試しは勝ち抜きでね 勝てば勝つほど賞金が上がる」
魔戦士「へぇ、面白そうだな 俺も挑戦してみるか」コキッ
見物客A「腕に自信があるのか?」
魔戦士「まぁな」
見物客A「だが今いるのは9人連勝してる強敵だぞ?」
魔戦士「やってみないとわかんねえって」ニヤニヤ
格闘家「次の挑戦者はお前か?」
魔戦士「ああ」
格闘家「くく、お前が俺の10連勝記念の相手になるんだな」ゴキッゴキッ
レディー…ファイト!
格闘家「ぬおりゃあぁぁぁ!」ブゥン
魔戦士「……」ヒョイッ バキッ
格闘家「な……」ガクッ
ケー! オー!
ワァァァァァ!
見物客A「凄いな! あいつを一撃で倒すなんて!」
魔戦士「腕に自信があるって言っただろ?」
見物客A「だが本当に勝っちまうとはな……(こいつなら……)」
ーーーーーーーーーーーーーー
勇者「あーあ、いっぱいいいのあったのに少ししか買えなかったなー」チェッ
魔法使い「しょうがないわよ、私は旅をしてるんだから そんなにいっぱい買っても持ちきれないでしょ?」
勇者「まぁ、確かにね……あれ? あそこ特に騒がしい……行ってみよ!」
ケーオー! オオー! ニジュウレンショウメダ! スゲーツエー!
勇者「うーん、見えない……」ピョン
僧侶「あの、何をしてるんですか?」
見物客B「腕試しだよ 今戦ってる奴がもの凄く強くてね 20連勝中なんだ……おっ21連勝目」
ワー!
勇者「へー どんな人だろ」ピョンピョン
魔法使い「うーもうちょっと……あっ見えた! ……って魔戦士!?」
僧侶「ええ!? 魔戦士さんが戦ってるんですか!?」
魔法使い「うん……多分……すいません、ちょっと通してください……」
魔法使い「あ! やっぱり魔戦士!(魔戦士の半裸……ハァハァ)」
バキッ ワー!
魔戦士「ふぅ、22連勝っと……おっ魔法使い いたのか」
魔法使い「ええ、今来たのよ それにしても22連勝なんて凄いわね でも何でこんなところで戦ってるの?」
魔戦士「ああ、自分の力がどこまで通用するか試してみようかと思ってな でもここには大した奴はいなかった」
僧侶「流石です魔戦士さん!(魔戦士さんの半裸……カッコいい……)」ポー
見物客A「22連勝とは……見事だ、魔戦士」パチパチ
見物客A「そして、君の強さを見込んで頼みがある」
魔戦士「お前……さっきの……どういうことだ? お前は何者だ?」
見物客A(王宮兵士)「失礼、私は王宮兵士と言う 王からの名を受け、王子を救える者をここで探していたのだ」
魔戦士「王子を救う……ねえ……」
王宮兵士「とりあえず、詳しい話は王宮でしよう ついてこい」
勇者「どうするの?」
魔戦士「まあ、行ってみるしかねえよな」
ーーーーーーーーーーーーーー
王「よく来てくれた、勇者一行よ」
王「早速で悪いが、王宮兵士から聞いた通り、王子を助けてほしい」
王「王子はな、この国の外で遊んでいたところ、ゴブリンに連れ去られたのじゃ だから、ゴブリンのアジトを探しだし、王子を助けてほしいのじゃ」
魔戦士「その依頼受けましょう」
王「おお! やってくれるか!」
魔戦士「もちろん、報酬はもらえるんですよね?」
王「ああ、もちろんだ あと、この姫と執事を連れていってくれぬか」
魔戦士「!? いえ、戦場に一般人を連れていくことはできません」
王「大丈夫だ 姫は剣術と魔術を使えるし、執事は兵士長よりも強い いざというときは自分の身は自分で守れる 心配はいらぬ」
姫「よ、よろしくお願い致します」ビクビク
魔戦士「わかりました、そこまで言うなら……自分の身は自分で守れるのですね?」ジロッ
姫「ひ、ひぃっ」ビクッ
執事「魔戦士様 あまり姫様を怖がらせるのはお止めください」
魔戦士「あー悪かったな」
王「とりあえず今日は休んでくれ 宿屋の一番いい部屋を用意している」
魔戦士「ありがとうございます」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
魔戦士「ふざけんな! 戦場に少し腕がいいだけの一般人を連れていけなんて……あの王は何を考えてるんだ!」ダンッ
勇者「落ち着いて魔戦士 飲みすぎだよ 明日戦うんだよ?」
魔戦士「そうは言ってもなあ……これが飲まずにいられるかって話だ!」グイッ
魔法使い「そうよ! どっかのバカ王子を助けるだけじゃなくてあの姫様の人生経験の護衛までしなきゃならないなんて……」
勇者「まぁまぁ魔法使いちゃんも落ち着いて……」
魔法使い「前から思ってたんだけどさぁ~勇者って魔戦士だけ呼び捨てじゃん? それってどういうこと? 魔戦士のことどう思ってるわけ?」ズイッ
僧侶「私も気になります! 魔戦士さんのことどう思ってるんですか!?」ズズイッ
魔戦士「」グー
勇者「えっと……あの……うぅ~それは……」
魔法僧「それは?」ズズズイッ
勇者「魔法使いちゃん僧侶ちゃんごめん! 眠り魔法!」フワーン
魔法僧「」パタ
勇者「ふぅ危なかった …………魔戦士のことかぁ……」
勇者「私は恋するだけ無駄だからなぁ……恋するぐらいならもっともっと強くならなくちゃ」
ーーーーーーーーーーーーーー
魔法使い「ふわぁ……あれ? 昨日の夜の記憶がない……」
僧侶「私もです……ふぁぁ」
勇者「飲みすぎじゃないの? 昨日あんなに止めたのに」アセアセ
僧侶「私は飲んでないはずですが……」ウーン
勇者「の、飲んでたよ! 魔法使いちゃんが無理矢理飲ませてた!」アワアワ
魔法使い「そーだったかしら……ごめんね……うぅ 二日酔いだわ」ウプ
僧侶「だ、大丈夫ですか!?」
魔戦士「まったく 二日酔いになるほど飲むなよ」
勇者「あれ? 魔戦士魔法使いちゃんより飲んでたなずなのに……全然二日酔いしてない」
魔戦士「ああ、俺はいくら飲んでも二日酔いにならねえんだ」
魔法使い「いいなぁ……私すぐ二日酔いになっちゃうんだよね……」
勇者「大丈夫? 部屋で休んでたほうが……」
魔法使い「ううん……毒消し魔法! ……ふぅ これで大丈夫」
魔戦士「毒消し魔法って二日酔いにも効くんだな……」
執事「おはようございます 昨夜は良く眠れましたでしょうか」
勇者「おはようございます! はい、とっても良く眠れました」
姫「お、おはようございます……」ビクビク
僧侶「おはようございます姫さん 大丈夫ですよ 魔戦士さんは雰囲気は怖いですが、とっても優しい方なんです!」
姫「そうなのですか……?」チラ
魔戦士「……チッ」
姫「ひぃっ!」ビクッ
僧侶「ま、魔戦士さん! 姫さんを怖がらせちゃ駄目ですよ!」ヨシヨシ
魔戦士「チッ 行くぞ」スタスタ
僧侶「魔戦士さん! どうしたんですか! あなたらしくないですよ!」
魔法使い(魔戦士……何かあったのかな……? 出来るなら、私にみんな打ち明けて吐き出してほしいな……)
ーーーーーーーーーーーーーーー
『魔物の洞窟』
僧侶「わぁ……いかにも何か出そうな洞窟ですね……」
魔戦士「気を付けろよ 足下ぬかるんでるぞ」
僧侶「は、はい……(あれ? 元の魔戦士さんに戻ってる)
タホドラキーABCDEが現れた!
魔戦士「いきなり敵か」チャキ
魔戦士「オラァ!」ズバッ
勇者「てやぁ!」ザシュ
魔法使い「炎低級魔法!」ボワァ
姫「皆さん凄いです……私も頑張らないと……」
タホドラキーCの攻撃!
僧侶「あっ! 姫さん!」
姫「きゃあっ!」
タホ/ドラキー「」マップタツ
執事「大丈夫ですか、姫様」
姫「ええ……ありがとう」
魔戦士「ふぅ……よし、先に進むぞ」
姫(あ……私、全然役にたてなかった
……)
そして姫は全然戦わないままゴブリンのもとへ……
ゴブリンABC「何者だ!?」
魔戦士「へぇ、ゴブリンって喋るんだな」
勇者「だねー、知らなかった」
ゴブリンABC「何者だと聞いているだろ! 答えろ!」
魔戦士「ああ、悪い悪い 俺達は王子を助けに来たんだ」
ゴブリンA「王子? 王子なら」
ゴブリンB「とっくの昔に」
ゴブリンC「喰われて死んだ」
姫「う、うそ……お兄さまが……」
魔戦士「何? お前らが喰ったのか?」
ゴブリンA「いいや違う」
ゴブリンB「俺達はただ」
ゴブリンC「こいつにエサを運んだだけさ」
ビックスパイダー「フシュルルル…」ギチギチ
魔法使い「げ……蜘蛛……」ウェ
僧侶「でっかいです……」
姫「こいつが……兄さまを……?」
ゴブリンA「こいつは人間を」
ゴブリンB「喰えば喰うほど」
ゴブリンC「でかく強くなる」
大蜘蛛「フシュゥゥ…グワァァァ!」
ゴブリンABC「ギャアー!!!」
大蜘蛛「グシュル…グゲギ」バキバキ
魔戦士「おお、ホントだ でかくなったな」ジャキ
ダダダダ
魔戦士「獄炎斬!」ズバァ
大蜘蛛「フシュ? ゲギャギャ!」ギチャギチャ
魔戦士「あれ……? 全然効いてねえな……?」ギョッ
魔法使い「うげぇ……気持ち悪」
魔戦士「よし魔法使い炎魔法だ」
魔法使い「い、いやよ! あんなのが燃えるなんて……考えただけで気持ち悪くなるわ」
魔戦士「まぁまぁそう言わずに ちょっと試したいことがあるんだ」
魔法使い「試したいこと? うー わかったわよ……炎中級魔法!」ボワァ
大蜘蛛「グシャア! ジョルジョル…」
魔法使い「あいつ炎を吸ってる!?」
魔戦士「やっぱりか……あいつはファイアスパイダーだ 何故こんなところに……?」
炎蜘蛛「ギョルブアァ!」ガサガサ
魔法使い「うわこっち来たあ!」
魔戦士「どうやって倒す……? 奴の体は固い……魔力を込めないと……そうだ! 魔法使い!」
魔法使い「な、何!?」マリョクノカベー
魔戦士「こいつを倒すには氷魔法だ! 俺の剣に氷魔法を纏わせる 当てろよ!」
魔法使い「え、でも氷魔法は覚えたてですぐには出せないし剣に当てるなんて高度なことできないわ!」
魔戦士「大丈夫だ お前なら出来る 俺は信じてる」
魔法使い「! わかった、やってみるわ……でも、魔力を込めてる間はどうする気?」
姫「わ、私があれを止めます」ビクビク
魔戦士「何!? 無茶だ、やめろ!」
姫「だ、大丈夫です あ、あれぐらい止められなくては一国を背負うことはできません」ブルブル
姫「執事、手伝ってくれますか?」
執事「もちろんです、姫様(姫様……ご立派です……)」
姫「たあぁぁ!」ザシュ
執事「はぁ!」ザク
炎蜘蛛「グシュルゥ? ゲルシャア!」ブン
執事「ぐっ……」
姫「執事! 回復中級魔法!」ホワー
魔法使い「あと少し……頑張って、二人とも」
姫「しまった!」コケ
炎蜘蛛「グシャシャア!」ブウン
姫「ひっ……」
執事「姫様!」バッ
ザシュ!
執事「がふ……」バタ
姫「執事!? しっかりして!」
魔戦士「まずいっ! 魔法使い、まだなのか!?」
魔法使い「いけるわ! 氷中級魔法!」ヒュオォォ
魔戦士「来た! オラァ! 氷結斬ぃ!」ズバァァ!
炎蜘蛛「ギシャアァ!」ビクンビクン
魔戦士「ふぅ……やれやれ……」
姫「執事ぃ……やだよぅ 起きてよぉ……死なないでぇ……」ヒグッ
執事「姫様……私は約束を破ることになりそうです……」
姫「ダメ! 絶対破っちゃ駄目! ずっと一緒に居てくれるって言ったじゃない!」ボロボロ
執事「ごめんなさい……でも、私は……最後に……姫様の……勇敢なお姿を……見れて……良かったです……」
執事「そんな勇敢な…… 姫様だったら……国王さまも安心ですね……」
姫「うぅ……私、頑張るから……だから一緒に居てよ……」
執事「それは無理そうです……もう……意識が……魔戦士さん……姫様を……よろしく……お願いします……」
魔戦士「ああ、任せろ だから、安心して眠れよ」
執事「」ガク
姫「執事!? 執事ー!!!」ウワーン
僧侶「姫さん……」
勇者「姫ちゃん……」
魔戦士「王子は死亡、執事も死亡 さあ、執事の亡骸を拾って帰るぞ」ヒョイ
魔法使い「うん……」
姫「待ってください! 何で皆さんそんなに淡々としてるんですか!? 人が死んでるんですよ!?」グスッ
魔戦士「……」ジロッ
姫「ひっ……」ビクッ
魔戦士「……」スタスタ
姫「あ、あなたたちは人が死んだのに悲しくないんですか!?」ビクビク
魔戦士「よく聞け姫サマ 俺達はこの旅で、そして子供の頃も人が死んだのを何度も見てる」
魔戦士「家族が、友達が、名も知らない人が、魔物で、事故で、戦争で死んだのを何回もだ」
魔戦士「言っておくが俺は人が死ぬのは悲しいし、死んだ人を見るのはつらい」
魔戦士「でもそんなのではいちいち泣かない 何故だか分かるか?」
姫「」フルフル
魔戦士「疲れるからだ」
姫「!?」
魔戦士「そりゃあ昔は見るたびに泣いた それこそ涙が渇れるまでな」
魔戦士「だがこの旅で見たのは昔の比じゃない」
魔戦士「恐らく、100人は見た」
魔戦士「そんなのを見るたびにいちいち泣いてたら涙が渇れるぐらいじゃすまないからな」
魔戦士「だから、今更人が死んでも俺達は泣かない」
魔戦士「でもな、姫サマ お前は死ぬとこ見るのは初めてだろ?」
姫「」コクコク
魔戦士「だから、今はおもいっきり泣け 涙が渇れるまでな」
姫「うう……執事ー!」ウワーン
魔戦士「」ナデナデ
姫「うぅ……ひぐっ うえーん!」エグエグ
魔戦士「辛いよな……人が死ぬのは……」ヨシヨシ
姫「執事ぃ……執事ぃ……」グスッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
姫「皆さん、お見苦しいところを見せてすみませんでした」
魔法使い「気にしないで 若いときはそういうのを経験して大人になっていくのよ(いいなぁ……私も魔戦士にギュってしてナデナデしてほしいな……)」
僧侶「そうですよ 気にすることありません!(魔戦士さんに頼んだらまたギュってしてくれるかな……)」
勇者「さ、帰ろ」スタスタ
魔戦士「ああ」スタスタ
姫「あの……魔戦士さんって僧侶さんが言ったとおり優しい方でしたね///」
僧侶「え、あ、はい そうですよね!(あれ……もしかして……?)」
僧侶「ま、魔戦士さんは渡しませんよ!」
姫「えっ!?(何でばれてるの!?)///」カァ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
王「そうか……王子と執事は死んでしまったか……」
姫「はい……兄さまは既に洞窟の魔物に食べられ、執事は私を庇ってその魔物に……」
王「よし、王子と姫を命懸けで守った執事の葬式を開こう 勇者一行殿、参列してくれるか?」
勇者「もちろんです」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔戦士「葬式は終わったけど次は通夜らしいな」
魔法使い「私少し疲れたわ 宿屋に行ってましょう」
僧侶「私はお祈りがあるので先に行っててください」
勇者「私もまだ残るよ 王様と話さなきゃいけないこともあるし」
魔戦士「……わかった、先に行く」
魔戦士「行くぞ、魔法使い」スタスタ
魔法使い「ええ じゃあ二人共、後でね」スタスタ
魔法使い(ってあれ? これ二人きり!?)ヤター
魔法使い(これは魔戦士と親密になるチャンス! がんばるのよ私!)フンス
魔法使い「ま……ましぇんしっ!」
魔法使い(噛んだー!)ウエーン
魔戦士「ぷっ! お前今ましぇんしって言ったか!?」ハハハ
魔法使い「あ、あははっ 噛んじゃった(あれ? なんかいい感じ?)」
ゴオッ
魔戦士「危ないっ!」バッ
魔法使い「きゃっ!」ドテ
ドン!
???『ありゃ、避けられたか』チェッ
魔法使い「まままましぇんしっ!? そういうのはまだ早いっていうかこんな外でなんて恥ずかしいよぉ……でも魔戦士がこういうのが好きなら私は受け入れるよ? 子供は何人欲しい? 私は男の子と女の子一人ずつがいいな あ、でも二人の時間を大切にするためにすぐにはつくらないほうがいいかな? 魔戦士はどう思う?」
魔戦士「何言ってるんだお前……」
???『おーいぼくを無視するなー』
魔戦士「おっとそうだった」ムクッ
魔戦士「お前は何もんだ? 姿を現せ!」
魔術師?「ふっふっふっ ぼくは魔術師! 君達を殺すために魔王様直々に命を受けたのさ!」ジャジャーン
魔術師?「見たところ二人しかいないようだね その方が都合がいいけど」
魔戦士 ブン
魔術師?「わわわっ! 何するんだ! 人が話してるのに卑怯だぞ!」
魔戦士「お前だってさっき不意討ちしてきたじゃねえか」ギロッ
魔術師?「ああ、その眼……いいねぇ、濡れちゃうよ」ゾクゾク
魔戦士「変態かよ……」アトズサリッ
魔術師?「ああ、もっと言ってぇ……」ゾクゾクゾクゥッ
魔法使い「魔戦士! そいつ敵よね」
魔戦士「正気に戻ったか……ああ、魔術を使う、気をつけろ」
魔戦士「後あのとおり変態だ そこも気をつけろよ」
魔法使い「変態……わかったわ」
魔戦士「援護は任せたぞ」タタタ
魔戦士「オラァ!」ブン
魔術師?「当たらないよ~♪」ヒョイ
魔法使い「炎中級魔法!」ゴアァ
魔術師?「おっとと」ヒョヒョイ
魔法使い「ぐっ……どうして当たらないのよ!?」
魔戦士「落ち着け! 爆発魔法だ!」
魔法使い「そうだったわね! 魔戦士下がって! 爆発中級魔法!」グオオ
ズガァーン
魔法使い「これならっ!」
魔術師?「ふう、危なかったー」
魔法使い「嘘……」
魔戦士(おかしいな……)
魔術師?「今度はこっちの番だね! 火炎魔法×3!」ボワァッ
魔法使い「きゃっ! あんな強力な魔法を3つも!?」
魔戦士(もしかしたら……)
魔法使い「魔戦士! 危ない!」
魔戦士「……」
ゴァッ!
魔法使い「魔戦士っ!?」
魔術師?「……」チッ
魔戦士「やっぱりか……」
魔法使い「あれ? 魔戦士当たったはずじゃ……?」
魔戦士「この魔法はな、当たっても痛くねえんだ」
魔戦士「何故なら……こいつは魔術師ではなく幻術師だからだ」
幻術師「ピンポンピンポ~ン 正解~ でも残念だなぁ、もうちょっと遊びたかったのに」
幻術師「まあいいや……えいっ!」
魔法使い「あうっ!」
魔法使い「え……いや……何これ…… うあ、あああああ!」
魔戦士「魔法使いっ!? てめえ、何をした!」
幻術師「大したことはしてないよ~ただぼくの術でその子のトラウマをパワーアップして見せてるだけさ~」
魔戦士「ぐ……だが幻術だったらお前を倒せば消えるはず!」チャキ
幻術師「それはそーだけど~ ぼくを倒す前にその子は喉をかきむしって死んじゃうよ~?」ニヤニヤ
魔法使い「いやぁ! パパぁ! ママぁ! あああああ!」ガクガク
魔戦士「なっ……屑がっ!」ギュウ
幻術師「そうそう、そうやって抑えてないとね~」
魔法使い「うあああ! こないでぇ!」ビクッ
魔戦士「大丈夫だ……大丈夫だぞ……今は俺がいるから……」ギュウゥ
幻術師「ふふふ~いつまでそうしていられるかな~?」ガシャン
幻術師「これはね~質量を持った幻術なんだ~ 当たると痛いよ~」ニヤニヤ
幻術師「どれぐらい耐えられるかな~ えいっ!」ゴスッ
魔戦士「ぐぁっ!」グラァ
魔戦士「ぐ……」ギュウッ
幻術師「お~さすがに一回目は耐えられたね~ それっ!」ガスッ
魔戦士「がふっ……!」
魔戦士「大丈夫……心配すんな……俺が守ってやるから……」
魔法使い「いやあああ! 助けてぇ! 魔戦士ぃ!」
魔戦士「! ああ! 俺が絶対助けてやる!」
幻術師「な……!? 記憶にない奴の名前を呼んだ!? くっ、早く殺さないと……」ゴスッガスッ
魔戦士「あ……が……」ドサ
幻術師「やった! ぼくの勝ちだ!」
魔戦士「ぐ……負けるかよ……」フラフラ
魔戦士「いい加減……目を覚ませよ……魔法使いっ!」
魔法使い「あ、ああ……魔戦士っ……来てくれたの……?」
幻術師「ぐっ……幻術がとけかけている……だったら、力ずくで殺す!」
魔戦士「させねーよ……」ガシッ
魔戦士「質量をもった幻術なら……掴めるだろ……?」ギリギリ
魔法使い「魔戦士……助けてくれてありがとう……大好きだよ……」
魔法使い スースー
魔戦士「よかった……とけたか……」
幻術師「バカなっ! 幻術がとけるなんてっ!?」
幻術師(いや……落ち着くんだ……そうだ、こいつのトラウマを刺激すれば、止められる者はいない! そのあとであいつもゆっくりと殺せばいい)
幻術師(こいつのトラウマは……)
ーーーーーーーーーーーー
ザ…ザザ…
『何だこいつ、傷がどんどん治っていくぞ 気持ち悪っ』
『化け物だ! あっち行け!』ガンガン
ザザ…ザ…
『てめーみたいな化け物の飯は虫がお似合いだぜ』
『虫が嫌ならいくらでも生えてくる指でも食ってな』ギャハハ
ザーザザザー
『なあ、こいつ何回指が生えてくるか試してみようぜ』
『おおーすげえな これで十回目だ』
『今度は腕にしよう』ザクッ
ああああああああああ!!!
ーーーーーーーーーーーー
幻術師「なんだよこれぇっ!」
幻術師「こんなトラウマ……視たこと……ひぃっ!」ビクッ
幻術師「や、やだ……こないでぇっ! いやああああ!」ガクッ
魔戦士「……」
魔戦士「あんまり人のトラウマは覗くもんじゃないよな……」チャキ
ザシュ!
魔戦士「さあ、魔法使い 宿屋に戻るぞ」ヨイショ
魔法使い「ふにゃ~魔戦士ぃ……」ムニャムニャ
魔戦士「……」スタスタ
魔法使い「大好きだよぉ……」スリスリ
魔戦士「…………///」スタスタ
ーーーーーー宿屋ーーーーーー
魔戦士「ふぅ……」オロシ
魔戦士「……」チャキ
ブシュ!
魔戦士「……」ポタポタ
魔戦士「回復低級魔法」パアァ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
勇者「さ、そろそろ次の国へ行こう」
僧侶「はい!」
魔戦士「次は……娯楽国エーデンパークだな」
魔法使い「へえ、娯楽国……楽しそうな国ね」
勇者「忘れ物はないね? じゃあ、出発!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とつげきホーンを倒した!
勇者「ふぅ、なかなか手強かったね」
魔法使い「……!」ドクン
魔法使い「……ダメよ勇者、そんなんじゃ」
勇者「え?」
魔法使い「魔物にはこれくらいしなくちゃ……炎中級魔法」ボワァ
僧侶「ま、魔法使いさん!? そんなにしなくても……」
魔法使い「あら、僧侶ったら何を言ってるのかしら 魔物なんかにはこれくらい当然でしょ?」ガスッ
魔戦士「魔法使い……? どうした、お前おかしいぞ」
魔法使い「おかしくなんかないわ、私は思い出しただけよ 魔物への憎しみをね」
魔戦士「憎しみ……」
魔法使い「ええ、そうよ 私は両親と村の皆を魔物の軍によって殺された」
魔法使い「でもその恨みをしばらく忘れてしまってたけど、昨日の幻術師の術で思い出せた」
魔法使い「その点では、あの幻術師に感謝しなきゃね」ウフフ
魔法使い「さ、行きましょ」スタスタ
魔戦士「……」
勇者「どうするの魔戦士……」ボソボソ
魔法使い「どうしたの? みんな、早く進みましょう」
勇者「う、うん! そうだね」スタスタ
僧侶「戦っていないときは普通に見えますね……」スタスタ
魔戦士「そうだな……」スタスタ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
娯楽国エーデンパーク
フォーカード! フルハウス! ウアー!
勇者「へー国全体が巨大なカジノになってるんだ」
僧侶「とりあえず宿屋で休みませんか? 私少し疲れてしまいました……」
魔戦士「俺は少し遊んでいくかな」
魔法使い「じゃあ私も」
勇者「わかった 行こ、僧侶ちゃん」
僧侶「はい」スタスタ
魔戦士(さて、どうするかな)
魔法使い「あ、あそこに引き換え場があるからメダルもらってきましょう」
魔戦士「ああ、そうだな」
チャリーン アリガトウゴザイマスー オタノシミクダサーイ
魔戦士「まずは何するんだ?」
魔法使い「そうねぇ……あ! スロットがあるわ あれをしましょ」
魔戦士「運試しにもなるな」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔戦士「ちっ 全然駄目だな」
魔戦士「魔法使いはどうだ?」
魔法使い「あ、魔戦士 凄くいっぱい出てきたわ」ジャラジャラ
魔戦士「」アゼン
魔法使い「これだけあればいろいろゲームができるわね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔法使い「けっこう楽しかったわね」
魔戦士「ああ、そうだな しかしお前はかなりの強運だな 最初の金の五十倍にはなってるんじゃねえか?」
魔法使い「ふふ、昔から賭け事には強かったのよ」
魔戦士「へー そうなのk
マモノダー! ニゲロー!
魔法使い「魔物! 行きましょう、魔戦士!」ガシッ
魔戦士「行かせねえよ」グイッ
魔法使い「魔戦士、何をするの!? 私達が行かないと国の人が!」
魔戦士「駄目だ、このままではお前を戦わせることはできない」
魔法使い「……」
魔戦士「今のお前は憎悪に囚われている そんな状態で魔法を使えば暴走して国の人に被害が出る」
魔戦士「落ち着くんだ 俺はお前があんなやつに惑わされるほど弱くないと知っている」
魔法使い「……」
魔戦士「……その気持ちは仇に会った時までとっておけ そして、そいつと戦う時開放するんだ いいな?」
魔法使い「……うん」
魔戦士「さあ、勇者達が戦ってるだろ、急ぐぞ」タタッ
魔法使い「魔戦士」
魔戦士「何だ?」
魔法使い「ううん、何でもない。行こっ」
魔戦士(……そろそろ潮時だな)ハア
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
デモンキング「クカカ……」
僧侶「ぐっ……こいつ、強い!」
勇者「きっともうすぐ魔戦士たちが来るはず! 頑張ろう!」
魔戦士「勇者! 僧侶! 無事か!?」
勇者「魔戦士! 遅いよっ!」
魔戦士「悪い、道に迷ってな」
魔法使い「ごめんね」
デキン「クカ? キサマハ……」
魔法使い「!? う、嘘……」
魔法使い「あ、ああ……」ヘタッ
魔戦士「魔法使い!? どうした!?」
魔法使い「あ、あいつ……私の村をめちゃくちゃにしたやつ……」ガクガク
魔戦士「おいおい、マジかよ……タイミング悪すぎだろ」
魔戦士「まあ来てしまったもんはしょうがねえ ほら立て魔法使い」スッ
魔法使い「う、うん……」ブルブル
魔戦士「頑張れ魔法使い 仇をとるんだろ?」
魔法使い「で、でも……」
魔戦士「大丈夫だ 俺も、勇者も僧侶もついてる」
勇者「そうだよ!」
僧侶「頑張ってください!」
魔法使い「みんな……うん、私は仇をとる! みんな協力してくれる?」
勇僧魔戦『もちろん!』
デキン「ヤットタタカウキニナッタカ……コンドハシッカリトミナゴロシニシテヤル」
魔法使い「そんなことはさせない……私は、あの時とは違う!」
魔法使い「氷中級魔法!」ピキーン
デキン「フン、コンナモノカ……」
魔法使い「ぐっ……効いてない」
魔戦士「魔法使い、俺達が時間を稼ぐ お前は力を溜めてとどめをさせ」
魔法使い「わかった、お願い」
勇者「任せといて!」
デキン「ツギハコッチカライクゾ!」ダッ
魔戦士「オラァ!」ガキィン
勇者「たあっ!」
デキン「コザカシイ!」バキッ
勇者「きゃあっ!」
僧侶「勇者さん! 回復低級魔法!」
勇者「僧侶ちゃんありがと!」
魔戦士「チッ……強いな」
デキン「クカカ! コンナモノカ!」
魔戦士「爆発低級魔法!」ゴッ
デキン「フン、メクラマシナドキカン」ブン
魔戦士「がっ……」バキィ
勇者「魔戦士!」
勇者(このままじゃ……やっぱりあれを……?)
僧侶「回復中級魔法! 防御強化魔法!」
魔戦士「げほっ……」
僧侶「魔戦士さん、大丈夫ですか!?」
魔戦士「ああ、なんとかな」
勇者(もしばれても……仲間を守るためなら許してくれるよね)
勇者「いくよ! 光中級魔法!」
デキン「グギャアァァァ! カ、カラダガ!」
デキン「ヒカリマホウダト……キサマ、ナニモノダ!」
勇者「わ、私? 私は勇者だよ!」アセアセ
デキン「グオオ……カイフクマホウ!」
勇者「嘘……これでも駄目なの!?」
魔戦士「いや、充分だ」ザシュ
デキン「グギャッ! キサマ、イツノマニ!」
魔戦士「いけるか? 魔法使い」
魔法使い「うん……でも、これくらいじゃ倒せるかな?」
魔戦士「問題ない、俺の魔力を使え」ギュッ
魔法使い「ひゃっ!(手、手が!)///」
魔戦士「やれ! 魔法使い!」
魔法使い「はあぁ……炎最上級魔法!」
ゴアアァァァ!
デキン「グアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
デキン「カラダガ、カラダガ、アツイ!」
魔法使い「こ、これでも倒れないの!?」
魔戦士「いや、もう虫の息だ これでとどめをさせ」チャキ
魔法使い「う、うん」
魔戦士「行け! 仇をとるんだ!」
魔法使い「やああぁぁ!」ズバァ
デキン「ガッ……コノオレガ、コンナコムスメニ……」バタ
デキン「」シュウウウ
魔法使い「やった! やったよ! みんなの仇をとったんだ!」
魔法使い「魔戦士っ! ありがとう!」ギュウ
魔戦士「お、おい」
魔法使い「ちょっとだけ、このままでいさせて……」ギュウウ
魔戦士「……(役得過ぎる)」
魔法使い「仇をとったよ……パパ、ママ……ひっく、うえぇ……」
魔戦士「……(役得過ぎる)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔法使い「んぅ……むにゃ」
僧侶「寝てしまいましたね……」
勇者「気が抜けちゃったんだろうね」
魔戦士「……(役得過ぎる)」
勇者「おーい魔戦士? いい加減戻ってこーい」ブンブン
魔戦士「はっ……! 何だ夢……じゃないだと!?」
勇者「ほら魔法使いちゃんを宿に連れていくよ」
魔戦士「お、おう」
ーーーーーー宿屋ーーーーーー
魔戦士「よっと」トス
勇者「私達はお風呂に行ってくるから魔法使いちゃん起きたら伝えといて」
魔戦士「ああ」
僧侶「では行ってきます」パタン
魔戦士「ふぅ、やっぱり言わなきゃな……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔法使い「ん……ふあぁ……あ、魔戦士 おはよ」ムニャムニャ
魔戦士「……もう夕方だけどな」
魔法使い「そうなんだ……ふあぁぁ……」
魔戦士「魔法使い、お前に言わなきゃいけないことがある」
魔法使い「な、何?(まさか告白!? そうだとしたら……///)」カクセイッ
魔戦士「俺は……半分魔族なんだ」
魔法使い「………………へ?」
魔法使い「ど、どういうこと!? 魔戦士が半分魔族って!」
魔戦士「どういうことも何もそのままの意味だ 俺は人間と魔族の混血なんだ」
魔法使い「そんな……魔戦士が、魔族!?」
魔戦士「ああ、俺はお前の大嫌いな魔族なんだ」
魔戦士「だからな、お前が嫌ならこのパーティーから出ていこうと思っているんだ」
魔法使い「な、何で私に言ったの? 言わなきゃ分からなかったのに……」
魔戦士「お前が嫌いなことを知っておきながら隠したままじゃ罪悪感があるからな」
魔戦士「それで、どうなんだ? お前が拒絶するなら俺は出ていく 決めてくれ(まあ、結果は分かりきっているけどな)」
魔法使い「うん……確かに、私は魔族が嫌い……一緒になんかいたくない」
魔戦士「だよな……じゃあ、俺は出ていく 今まで楽しかった」スッ
魔法使い「待って」キュッ
魔戦士「え?」
魔法使い「まだ続きがあるの 座って」
魔戦士「……」
魔法使い「……私はさっきも言ったように魔族が嫌い 大嫌いよ」
魔法使い「でも、」
魔法使い「それでも、私は」
魔法使い「あなたと一緒にいたい」
魔法使い「だって……私はあなたのことを……」
魔法使い「……ううん、やっぱり何でもない」
魔戦士「?」
魔法使い「……だからね、出ていくなんて言わないで?」
魔戦士「……ああ、ありがとう 魔法使い」
魔戦士「そうだ、勇者たちは先に風呂に行ったぞ」
魔法使い「あ、私も行かないと」
ガチャ バタン
魔法使い(……)
魔法使い(恥ずかしいからすぐには言えないから、心の中だけで言うね)
魔法使い(好きだよ、魔戦士)
魔法使い「それでも、私は」終わり
139 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2012/08/28 14:58:50 juSJnfyo 103/103とりあえず一部?終わった
僧侶可愛いよ僧侶
てなわけで僧侶の可愛さが詰まった
僧侶「やっぱり、私は」
書くかも
期待せずに待ってて