ほむら(巴マミは無事お菓子の魔女を撃破)
ほむら(それに伴い美樹さやかはQBと契約)
ほむら(いつもどおり上条恭介の腕を治すことを願いに、彼女は魔法少女となった)
ほむら(まどかは未契約、うっかり口を滑らせた魔法少女の真実も信じて受け入れてくれた……)
ほむら(ワルプルギスの夜のことも話してある)
ほむら(ただし、いつものループと違うことが一つ……)
ほむら「それはっ!」
ほむら「上条恭介のバイオリンの『音』が、魔法少女の必殺技を強化するということ!」
元スレ
さやか「上条王子」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1314788878/
ほむら「――というわけで、来たるワルプルギスの夜との戦いに向けて上条恭介に魔女退治への同行を求めたいのだけれど…
ほむら「何か意見はあるかしら?」
さやか「ハイッ!絶対に反対っ!!」
ほむら「ないわね。それじゃあさっそく――」
さやか「スルーかよ!?」
マミ「コホン…冗談は置いといて、私も賛成できないわね」
さやか「いいぞマミさん言ったれー」
マミ「美樹さんや鹿目さんは魔法少女の素質があったから同行してもらったけれど、その上条君とやらは一般人でしょ?」
マミ「強くなるのは嬉しいけれど、むやみに戦いに巻き込むわけにはいかないわ」
さやか「右に同じ」
ほむら「大丈夫、彼には絶対の守りをつければいいのよ」
さやか「……まさかあたしが?」
ほむら「ええ、あなたが…それともまさか自信がないとでもいうのかしら?あなたは大切なものを守るために魔法少女となったのでしょ?」
ほむら「その力を愛する人のために使わないで、一体いつ使うと言うのかしら!?そう…それはこの時を置いてないわ、他には!(反語)」
さやか「ヌヌゥ…恭介を連れていかなければ問題ない気もするけれど……そこまで言われて黙っちゃおれん!やってみる!」
ほむら「決まりね…上条恭介を連れてくるのもお願いできるかしら?」
さやか「まあ、なんとかしてみる」
マミ「仕方ないわね…私もできるだけ協力するわ」ソワソワ
ほむら(明らかに強化版ティロ・フィナーレが見たくてうずうずしているわね……)
さやか「っていうか、ほむらの必殺技って何?私はスクワルタトーレ、マミさんはティロ・フィナーレ……」
ほむら「時間を止めることよ」
さやか「じゃあどうやって恭介のバイオリン聞くの?」
ほむら「それは……考えとくわ」
マミ「あら?必殺技なのに名前がないのね。それじゃあ私が名前を――」
ほむら「それはまた今度」
マミ「マミーン…」
ほむら「とにかく上条恭介のことは頼んだわよ、さやか」
ほむら(なんとしてもワルプルギスの夜までにバイオリンと状況に慣れてもらわないと…)
ほむら(それに、魔女退治が楽になればQBもまどかの勧誘に手が出しづらくなるはず)
さやか(あたしが恭介を……あたしが恭介と……)
翌日、さやかは学校でまどかに経緯を説明
その夜、見滝原病院にて恭介に魔法少女物の劇をするという切り口で説明をする
そこでは周りを気にせずバイオリンの練習ができる場所があるから、まどかと三人で一緒に行こうと言う
早くリハビリがしたかった恭介はそれに応じた
恭介「バイオリンの練習か…こんなに早くできるなんて、楽しみだよ」
まどか「上条君は相変わらずバイオリン一筋だね」
恭介「鹿目さんも久しぶりだけど、あんまり変わってないね。鹿目さんも劇をやるのかい?さやかはなんだかへんてこな格好だけど…」
まどか「あたし?あたしは見学だけなんだー」
さやか「そうそう、誰かに見てもらってた方が緊張感出るでしょ?」
まどか(さやかちゃん大丈夫?結界に入ったら車いす押すの変わるね)
さやか(ありがとう…ほむらの言うとおり本当に強くなるんだったら、きっと大丈夫だよ……あっ、マミさん達だ)
魔女の間
さやか「さあ恭介、ここで練習しよっか」
恭介「こんなところでかい?確かに広いけど、落ち着かないなあ」
さやか「じゃあ、周りが見えないようにこうやって…」パァァ
恭介の周りに結界ができる
それは景色がぼやけ騒音が聞こえなくなるというもの
勿論バイオリンの音は外に聞こえるようになっている
さやか(魔法の力ってすごい!やってみるもんだね……)
恭介「?……なんだかよく分からないけど、静かになったしさっそく弾いてみようかな。鹿目さんも聴いててよ」
恭介のバイオリンが響き渡る
いつだったか病院の屋上で演奏したような、それは間違いなく上条恭介の奏でる『音』だった
ほむら「さて……ちょっと肩を借りるわよ。気にせず演奏を続けてくれて構わないから」
恭介「えっ?うん、分かったよ……」(馴れ馴れしいな…)
カチリ
ほむら「さて、何が起こるのかしら」
マミ「あら?もう時間止まってるの?」
さやか「私達動けるよ?…あ、でもまどかは止まってるみたい」
ほむら「……なるほど、どうやら私に一定の範囲に近づくと時間停止中にも動けるみたいね」
さやか「!!じゃあもう恭介に触れる必要ないでしょ!離れた離れた!」グイグイ
恭介(なんだなんだ?……まあ、集中集中)
マミ「それじゃあ私も――ティロ・フィナーレ!」
シャキーン シャキーン
ズガーン ズガーン
マミ「!二つの砲台で二発撃てる!?」
~♪~♪
ほむら「およそ半径10mの範囲までなら時間停止中に動かせるみたいね。それも私の許可した人のみ動けるみたい」
ほむら「現にまどかは動いてほしくないと思っていたからなのか動けていない…」
ほむら(それに…いつもより時間停止の時間も長いみたい)
ほむら「時間停止解除」
どがあああああああああああん しゅわーん
マミ「本当に威力が上がってるわね…これはすごいわ」
さやか「すごい……一瞬で終わっちゃった…」
まどか「あれ?もう終わり?何が起こったの?」キョトン
ほむら「やはり間違いないわね。上条恭介のバイオリンの『音』は、私達魔法少女の救世主と言ってもいいわ」
まどか「救世主……」
マミ「そろそろ結界が解けるみたい。けど、せっかく来てもらったのにもう帰ってもらうのも悪いわね」
さやか「…ほむら、頼みたいことがあるんだけど」
ほむら「分かってるわ。彼には今後も世話になるから、これくらいなら」
カチリ
それからしばらく、崩れる結界の時を何度も止め、みんなで恭介のバイオリンを聞いた
そして解散、さやかと恭介二人だけの帰り道
さやか「恭介、今日はありがとね。わざわざ来てもらっちゃって」
恭介「礼を言うのは僕だよ、さやか。久しぶりにバイオリンが弾けて楽しかった。また連れて行ってくれないかな」
さやか「うん!恭介のことは、この魔法少女さやかちゃんがしっかり守ってあげますからねー!」
恭介「はは、こんなとこでも役になりきらなくてもいいのに」
さやか「たはは、まあいいじゃんいいじゃん」
さやか「それから悪いんだけどさ、今日のこのことはみんなには秘密にしといてくれないかな…」
さやか「その…いろいろと大変なことがあってさ……」
恭介「……分かったよ。これからもよろしくね」
さやか「ありがと…あたし頑張るよ」
恭介の病室
恭介「それにしてもすごい特撮だったなー」
恭介「なんだかあそこに行くと……気分がいいっていうか、すごく練習が捗る気がする」
恭介「さやか…また連れて行ってくれるかな…?」
QB「あれが暁美ほむらの切り札上条恭介……」
QB「どうやら彼をワルプルギスの夜に備えて訓練しているようだね」
QB「……なるほど。詳しく調べてみる必要がありそうだ」
翌日放課後
まどか「上条君、お家でもう少し療養してから学校に来るんだってー」
仁美「まあ、そうなんですの?残念ですわ…」
さやか「元気になってから来てほしいもんだよ、ほんと。じゃあね、仁美。また明日」
まどか「ばいば~い」
仁美「ええ、さようならですわ」
さやか「……あ、マミさんからメール……あそこの廃ビルか…」
ピッポッパッ
さやか「あ、もしもし?恭介?今日も練習できるところに連れてってあげられそうなんだけど…ほんと!?じゃあ今から迎えに行くね!」
結界内 ~♪~♪
マミ「中々頑丈な魔女ね…」
ほむら「上条恭介の周りにいては巴マミのサポートが……」
ほむら「さやか、ここは任せるわ。私も前に出る」
さやか「……」ウットリ
まどか「!さやかちゃん危ない!!」
さやか「へっ?ウグゥッ!?!?」ドギャァ
ほむら「バカっ、上条君が…!」カチリ バババババババ
ほむら「…これでよし。マミさん!」
マミ「オーケー!ティロ・フィナーレV(ヴィットリア)!」
どっがああああああん しゅわーん
マミ「何とか倒せたわね…」
恭介「あれ?今日の練習はもう終りなのかい?…ってさやか、怪我してるじゃないか!」
さやか「いやあ、ちょっとへまっちゃってさー…平気平気!」
ほむら「何が平気よ!?あなたが上条恭介を守らなければならないのよ?ボーっとしないで!」
さやか「そうだね…ごめん」
まどか「まあまあほむらちゃん…二人とも無事だったんだし…ね?」
恭介「?よくわからないけど、また練習ができるんなら呼んでください。えっと、暁美さんと巴さん」
ほむら「!あなた…そんな呑気なことを…!」
マミ「暁美さん落ち着いて」
さやか「……まっかせといてよ恭介!次も連れてってあげるからさ!」ブイ
まどか「じゃあ帰ろっか。マミさんほむらちゃん、また明日~」
マミ「……まあ暁美さんの気持ちも分かるけれど、もう少し優しくしてあげないとね」
ほむら「そうね……ところで巴マミ、ヴィットリアってなんなの?」
マミ「あら?せっかくパワーアップしたんですもの、新しい名前をつけないと行けないでしょ?」
マミ「左右二つの砲台から放たれ、一点を貫く攻撃…まさに勝利のVそのものよね!」
ほむら「そ、そうね……」
マミ「あ、そうそう。暁美さんの必殺技も考えてあげたんだけど」
ほむら「えっ」
マミ「『黒い天国の歌姫』(ディヴァニーロ・デルチェロ)…ってどうかしら?」
ほむら「……」ゴクリ
それからしばらく魔女退治には恭介が加わった
徐々にうまくなる恭介と、それに伴い強くなっていく魔法少女たち
しかし、もっと結界内で練習がしたい恭介に反して魔女が現れる頻度はそう多くない
いたと思えば使い魔で必殺技いらずと、結界内で練習できない恭介は少しイライラしていた
そんなある日、まどかが魔女の口付けをつけた仁美を見つける
まどか「仁美ちゃん駄目だよこんなの!早く逃げなきゃ!」
仁美「待ちやがれですの……」
まどか「はぁ、ここなら安心…って!?」
魔女「ケタタタタタ」
まどか「あっ…死ぬかも……」
~♪~♪
まどか「!この『音』は…!」
さやか「これでとどめだあああああ!スクワルタトーレェェェ!!」
ズシャズシャァズババババーーン
さやか「すごい!動きが速くなったし切れ味も良くなってる。ここまでのものとはねー…」
さやか「大丈夫まどか?怪我はない?」
まどか「うん、ありがとうさやかちゃん。それに上条君も」
恭介「びっくりしたよ。突然こんな工場でバイオリンを弾けだなんて…それにしてもなんでみんな倒れてるんだろう?」
まどか「そうだ!仁美ちゃん!」
さやか「仁美がいるの!?大丈夫?」
まどか「気を失ってるみたい…」
さやか「そっか。なら安心だね」
恭介「志筑さん?さやか!志筑さんは無事なのかい!?」
さやか「えっ?うん、大丈夫みたい…」
恭介「そうかあ、よかった~」ホッ
さやか「警察に電話もしたし、あたしらはそろそろ帰ろっか」
恭介「ええっ?志筑さんを置いて行くのかい!?いくらなんでもそれはひどいよさやか」
さやか「だ、大丈夫だってー。もうすぐ警察も来るしさ…」
恭介「だからってこのまま放っておけないだろう!それに状況を話す人がいないと」
さやか「で、でも……」
ほむら「その必要はないわ、上条恭介」
まどか「あ、ほむらちゃん」
ほむら「警察には私が話しをつけておくから。余計な心配はしなくても大丈夫よ」
恭介「……分かったよ。とりあえず帰ろっか、さやか」
さやか「うん……」
さやか(そんなに仁美が心配なの……?)
翌日
さやか「仁美大丈夫?なんだか疲れてるみたい」
仁美「それがなにやら工場で倒れていたみたいで…あんまり記憶がございませんの」
まどか「あ、上条君今日から学校来れるようになったんだね」
恭介「志筑さん、昨日は大丈夫だった?」
仁美「あら?どうしてそのことを御存じですの?」
恭介「だって、昨日はその場に――」
さやか「あああたしがメールで伝えたんだ!ね、恭介そうだよね?ね?」
恭介「何を言ってるんだいさや――」
ほむら「上条君、その話はしなくてもいいと言ったはず」ボソリ
恭介「!?暁美さん?まさか同じクラスだったのか…」
さやか「まあ、そんなわけだからさ!もういいでしょ!この話終わり!」
仁美「……」
その日の夕方
まどか「ごめんねー、今日委員会で一緒に魔女退治ついていけないみたい」
さやか「――と、まどかが言ってたので、今日はあたしが恭介の補助ね」
さやか(だから迷惑かけちゃうけど、二人ともお願い)
マミ(任せといて) ほむら(……)
魔女の間
マミ「さあ行くわよ!」
恭介(今日は鹿目さんもいないし、今までの曲もだいぶ勘が戻ってきた)
恭介(新しい課題曲に挑戦してみようかな)
~♪、・ニ♪あそfひわmsp♪nアfぺ~♪
ほむら「どうしたの上条恭介!?いつもの曲を弾いてくれないと困るわ!」
マミ「今日に限ってなかなか手ごわい…」
さやか「ねえ恭介、なんでいつもの曲じゃないの?」
恭介「だって練習だよ?あの曲は完璧にマスターしたし、次の課題曲を練習するのは当たり前じゃないか」
さやか「だからって~…」
マミ「くっ…!」 ほむら「うっ!」
さやか「やばい!助けに行かなきゃ…はああああああ!!!」
ザシュズバーン
マミ「ハァハァ…危なかったわね」
恭介「あれ、あんまり練習できてないんだけどなあ…ってなんで二人とも怪我してるの!?」
ほむら「くっ!あなた、戦いを舐めてるの!?」ガシィ
恭介「?待ってよ暁美さん、意味が分からない。だって、君たちは劇団員で、これは劇の練習だって…」
ほむら「本気でそんなこと信じていたの?この状況を見ても信じられないの?」
ほむら「私達は、本物の魔法少女なの。凶悪な魔女を倒すために戦っているのよ」
ほむら「さやか!どうしてしっかり説明しなかったの!?」
さやか「……言えるわけ…ないじゃない…」
さやか「言えるわけないじゃない!魔法少女だなんて、そんなの…」
ほむら「だからって…!」
恭介「待ってよ二人とも!話がさっぱり見えてこない」
ほむら「そうね、説明してあげるわ。どうしてあなたが必要なのかを」
ほむらは魔法少女について、恭介の出す『音』について説明をした
初めは信じられなかった恭介も、今までの出来事やほむらたちの態度を見て信じることにした
恭介「……なんだよ、僕は利用されてたってことなのかい?君たちの戦いのために」
さやか「ちがっ、利用だなんてそんな――」
恭介「言い訳なんて聞きたくないよ!さやかは僕を騙してたんだろ。そうやって自分たちのために…!」
さやか「そんな風になんて思ってない!あたしは、ただ、恭介の『音楽』が聞きたくて…」
恭介「……もう僕は帰る。一人にしてくれないか」
恭介「……さやか、君は願いを叶えて魔法少女になったんだろ?どうせそれだって自分勝手な願いなんだろ」
マミ「上条君、それは違うわ!美樹さんは、あな」
さやか「マミさん!……それは、言わないでください……お願いします」
恭介「…じゃあね。ほんの少しだけど練習をさせてくれてありがとう。さよなら」
さやか「うぅ、グス、ううぅぅぁぁ……」
QB「やれやれ、結局上条恭介を仲間に引き込めなかったのかい?」
ほむら「QB!いえ、インキュベーター!」
QB「そう構えないでくれよ。さっきの現象を見て気がついたんだ。なぜ上条恭介の『音』なのに強くならなかったのか」
マミ「…どういうこと?」
QB「ただ、あれが『音楽』になっていなかったからだけじゃない。上条恭介の心境も深く関わっているみたいなのさ」
ほむら「つまり?」
QB「つまり……ノリさ!」
マミ「……海苔?」 ほむら「……糊?」
QB「こんなとこで茶化さないでくれよ。ノリっていったらノリだよ」
QB「今までの上条恭介はノリノリで演奏していた。リハビリできる喜び、鹿目まどかというオーディエンスの存在、落ち着く結界の空間」
QB「全て彼はノリに乗っていたんだ!」
ほむら「ならば今日の演奏は……まどかの不在、そして上手くなってきたことへの安心から別の曲に手を出したことが原因で駄目だったというの」
ほむら「あなたの言葉を信じられるとでも?」
QB「それは自由さ」
マミ「とにかく、こんなことになった以上、もう上条君には頼れないわね。また三人で頑張りましょう」
ほむら「くっ、せっかくワルプルギスの夜を倒せると思ったのに…」
さやか「ワルプルギス…?」
さやか「あんたがあんなこと言わなければ!恭介は!恭介はぁ!」ガシィ
ほむら「仕方がないでしょ!ようやく、ようやくまどかを契約させずに倒せるチャンスだったんだから!」
さやか「だからってあんな言い方しなくたっていいでしょ!恭介を道具みたいに…」
マミ「落ち着いて二人とも!とにかく、今日は解散よ」
さやか「やっぱりあたし、あんたとは仲良くできそうにないわ…」
マミ「帰っちゃった…暁美さんも、帰りましょ?」
ほむら「……グスッ、ぅぅ…」
マミ(暁美さんが涙を流すなんて…そんなに上条君に期待していたのね)
マミ(どうしましょう?せっかく三人の連係プレーにも技名をつけようと思っていたのに…)
翌日放課後
仁美「わたくし、上条君をお慕いしておりましたの」
さやか「そ、そうなんだー…恭介も隅に置けないなあ」
仁美「さやかさん、あなたは本当の気持ちと向き合えますか?わたくしは明日告白しますので、それまでに……」スタスタ
さやか「……はは、昨日の今日で言えるわけないじゃん」
まどか「昨日そんなことが…」
ほむら「ええ。これからは上条恭介を抜いて三人…いえ、二人かもしれないけれど魔女退治をするしかないの」
マミ「それまでに、応援を呼んでおかないとね」
ほむら「そうね」
まどか「応援…?って誰だろう?」
まどか「あっ!さやかちゃん!」
ほむら「!?どうして……」
さやか「ごめんほむら、昨日はちょっと言いすぎたよ」
ほむら「あたしの方こそ…でも、どうして――」ポン
マミ「暁美さん…美樹さんはね、上条君のために魔法少女になったのよ。それはきっと、今でも変わっていないんじゃないかしら?」
さやか「はい。あたしのせいで、ワルプルギスの夜に負けて、それで見滝原がめちゃくちゃになったら…きっとあたし、後悔すると思うんです」
さやか「だからさ!魔法少女さやかちゃんは、今日も皆のために戦い続けなければならないってわけなんです!」
まどか「さやかちゃん……」
さやか「なーんて、格好つけても、あたしあんまり戦闘経験ないんで、指導よろしくお願いしますマミさん、ほむら!」
マミ「ええ、勿論。さあ、行きましょうか」
それから数日、三人は魔女と戦い続けた
しかし、実戦経験の少ないさやかは二人についていこうとするが、それでもなかなか追いつけなかった
まどかはあの日以来魔女退治見学にはついてこなかったが、理由は誰にも言っていなかった
そんなある日――
マミ「美樹さん!危ない!」
ほむら「駄目!間に合わない…!」
さやか「やばッ…死ぬ……」
?「おりゃー!!」ジャキンズバー
さやか「?…あれ、生きてる?」
マミ「今のうちに…ティロ・フィナーレ!」
どがああああん しゅあーん
?「ったく、あぶねー奴だな」
さやか「ありがとう…えっと、誰?」
ほむら「紹介するわさやか。もう一人の魔法少女、佐倉杏子よ」
杏子「おっす。ワルプルギスの夜が来るって言うからさ、GS大目に貰う条件で助太刀に来てやったよ」
さやか「そうなんだ、ありがとね」
杏子「しっかし、随分前に契約した割には、ちょっと弱すぎない?」
さやか「それには事情があってさ……」
三人は恭介の『音』の力と今までの経緯について説明をした
杏子「ふーん。なんだそれ、ばっかみてー」
さやか「なっ!?なんだとぉ!?」
杏子「まず、他人のために願い事を使うってのが間違ってるよ。契約は自分のためにするもんさ」
杏子「よくわかんねー『音』の力に頼るようじゃ、マミも落ちぶれたもんだね…」
杏子「しかも、男のくせに女に守られてるようじゃ、その上条ってやつも大したこと――」
さやか「おい!それ以上恭介の悪口言うなあ!」
杏子「なんだよ?やろうってのかひよっこさんよ?」
マミ「ストーップ、喧嘩しないの。みんな仲良くよ、ね?」
マミ「佐倉さんもあの力を実感したらわかるわよ…あれはまさに切り札なんだって」
さやか「マミさん、その話は終わったことです。杏子だっけ、ワルプルギスの夜までの間だけ仲間だから、よろしくね」
杏子「もとよりそのつもりさ」
マミ「でも、確かに美樹さんの動きにはキレがないわね…暁美さん何かしらない?」
ほむら「どうやら上条恭介に告白したさやかの友達がいるみたいよ。それ以来、上条君とは目も合わせてないわ」
マミ「やっぱり気にしてるんだ…」
杏子「ほっとけよあんなやつ。それよりマミ、飯食いに行こうぜ!」
マミ「そうね…そういえば佐倉さんも必殺技持ってたわよね?ロッソファンタズマ…」
杏子「知ってるだろ…あれはもう使えないんだよ」
マミ(どうにかして上条君の『音』を聞かせられないかな?佐倉さんの必殺技ももっと強く格好良くなると思うんだけど…)
数日前
まどか「……」
QB「珍しいね、まさか君の方から僕を呼ぶなんて。契約してくれる気になったのかい?」
まどか「ううん、違う。上条君のあの『音』のこと、知ってることを教えてほしいの…さやかちゃんのために」
QB「僕が言うと思うかい?」
まどか「そしたら私、魔法少女になるの考えてあげてもいいから」
QB「やれやれ…なるつもりはないのがバレバレだよ。まあ、別に教えてあげるよ」
まどか「ありがとう、QB」
QB(ただし、一つを除いてね…暁美ほむらは気付かなかったけれど、果たしてワルプルギスの夜までに気付くかな?)
上条の家
まどか「上条くーん、お話したいことが…」
上条母「ごめんなさいね、恭介、今は誰とも話さず、バイオリンに集中したいって言ってるの…」
バタン
まどか「……諦めない」
ワルプルギスの夜二日前
マミ「魔女の反応がこの辺にあるわね」
さやか「ここって…恭介んちの近くだ」
ほむら「……さやか、気にしては駄目よ」
杏子「ったく、いつまでもうじうじしてんじゃねーぞボンクラ。さっさと片付けちまおうぜ」
結界内
マミ「ティロ・フィナーレ!」
どごおおおお ひゅんひゅん
マミ「速い!?かわされた!?」
ほむら「危ない!」カチリ
ほむら「髪一発ってところかしら」
杏子「こいつ、ちょこまかと…!」
魔女「グワアアアアア」
杏子「!さやかっ!!」
さやか「うぐッ……」ドギャァ
さやか(くっ…こんなところで…こんなとこで死ぬわけにはいかないんだ!あたしが…あたしが見滝原を守らなきゃ)
~♪~♪~♪~♪
杏子「?なんだなんだ?」
ほむら「!?この曲は!?」
マミ「まさか…!?」
さやか「……あっ……」
恭介「さやか!速く!」
さやか「!おりゃああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
ザシュザシュザシュズババババババーーーン
しゅあーん
マミ「結界が崩れてく…」
杏子「なんだよ今の…あれ、ほんとに足手まといだったさやかか!?」
さやか「ハァハァ……やったぁ…」
まどか「さやかちゃん、大丈夫!?」
マミ「鹿目さん!あなたが上条君を…?」
杏子「あれが上条…そんで、今のが『音』の力だって言うのかよ?」
ほむら「ええそうよ、杏子。あれが私達魔法少女の最後の希望…!」
恭介「さやか…大丈夫かい?」
さやか「きょ、恭介…なんでここにいるの?もう私達のことなんか放っておいて、それで――」
恭介「いいんだ、もう」
恭介「さやかがどうして嘘までついて僕を頼ってくれたのか、もう全部分かってるから」
さやか「…それって」
まどか「ごめんねさやかちゃん…ワルプルギスの夜のこととか、話しちゃった」
恭介「みんなが町を守るために頑張ってたことを無視して、ただ僕が利用されてるってことに腹を立てて…」
恭介「命がけで戦ってたさやかや暁美さん達に、すごく済まない事をしたと思ってる」
さやか「いや、そんな、あたしはただ――」
恭介「さやかはさ…僕の『音楽』を聞きたいって言ってくれたんだ。僕の力じゃない、『音楽』を望んでくれてたんだ…それを信じられずに僕は……本当にごめん」
さやか「……」ポンポン
杏子「行ってやんなよ。あいつの気持ちに答えてやんな」
さやか「!!」ウルッ
さやか「恭介えええぇぇぇううああぅぅああぁん――」
さやかは泣いた
恭介の下で
その瞬間、初めて全員が一つになった
マミ(これでティロ・フィナーレVがまた撃てるわね…そうだ、佐倉さんにも何か新しい技を考えてあげないと…)
恭介「皆さんご迷惑をおかけしました。次のその、すごい魔女との戦いに、僕も参加させてください」
ほむら「ありがとう上条君。それと、私もあのときはあなたの気持ちを考えてあげられなかった…ごめんなさい」
杏子「ふーん……」ジロー
恭介「えっと…はじめまして、上条恭介です…」
杏子「佐倉杏子だ、よろしくな。まあ、世話んなるよ……食うかい?」
恭介「い、いただきます…」
マミ「上条君、ソスティーノ・プリンシーペ……っていうのはどうかしら?」
恭介「何がですか?」
マミ「
さやか「そういえばさ、まどか…」
まどか「ん?」
さやか「一体どうやって恭介を説得したの?」
まどか「まずはワルプルギスの夜のこと、それからみんなが頑張ってるってことを伝えて…」
まどか「それに上条君がどれだけ必要かとか、まあ、色々とね…ティヒヒ」
さやか「その…あたしの願いについては……」
まどか「言うわけないでしょ、さやかちゃん」
さやか「!」
まどか「それは聞かれたけど、絶対言わなかったの。言うかどうかはさやかちゃんが決めることだから、って」
さやか「まどかぁ~…ありがとう……」
まどか「よしよし」ナデナデ
ほむら(色々あったけれど、5人全員無事。そして今回は上条恭介の『音』がある……)
ほむら(負けるわけにはいかない…!)
QB「結局上条恭介は戻ってきてしまったか」
QB「まあ、暁美ほむらはあのことに気づいていないようだし、問題はないはずさ」
QB「魔法少女たちは明後日。この希望から絶望へと落とされるだろうね」
ワルプルギスの夜戦
ほむら「……来る!」
ワル夜「アハハハハハハハハ」
さやか「恭介、お願い!恭介は、あたしが絶対に守って見せるから!」
恭介「ああ、頼んだよさやか」
~♪~♪~♪~♪
ほむら「ディヴァニーロ・デルチェロ!」 カチリ
マミ「ティロ・フィナーレV!」 ズガーンズガーン
杏子「ロッソファンタズマ100!」 アンコアンコアンコアンコアンコアンコアンコ……
さやか「はああ!!」 剣投擲 ヒュンヒュン
杏子「あたしのもいつでも突撃させられるぜ」
ほむら「時間停止解除」
カチリ
どぎゃああああああああああああああああああああああああああああああん
もくもく
マミ「やったかしら!?」
ほむら「油断しては駄目――」
ズバァ
ほむら「ぐっ!?かはぁっ!!」ズザザザザ
杏子「おい、なんだ今の攻撃は!?速すぎて見えなかった――」
グシャァ
杏子「くっ!?」ズザーー
さやか「ほむら!?杏子!?」
マミ「まさか攻撃が効いていないなんて…いえ、それより何なのこの攻撃力は!?」
ほむら(どういうことなの…いままのループで受けたどんな一撃よりも重い…!)
マミ「はあ!」バンバン
ほむら「ディヴァニーロ・デルチェロ!」カチリ
ほむら「全ての重火器で…撃つ!」カチリ
どぎゃああああああああああん
マミ「今度こそ――」
ブシャァ
マミ「ああ!!」ドザーー
ほむら「またなの!?なんなのあの黒い攻撃は…どうしてあんなに強力なの?」
さやか「マミさん!」
まどか「さやかちゃん、上!」
さやか「…はっ!?させるかあ!」
ガキィン
さやか「こっちは離れられない…みんなを信じるしかない」
杏子「どういうことだおい!話が違うじゃねえか!」
ほむら「一体どうして…」
QB「やれやれ、まだ気づいていなかったのかい、暁美ほむら」
まどか「QB!?」
ほむら「今までのループと違うのは…上条恭介の存在…ワルプルギスの夜の正体は確か…まさか、そんな…?」
QB「ワルプルギスの夜は魔法少女だった者たちの魂の集合体。上条恭介の『音』は魔法少女の力を増幅させるもの」
QB「すなわち、魔法少女だった者たちであるあの黒い攻撃も強力になっているということさ」
ほむら「なんて…こと…?」
さやか「恭介のせいで…」
まどか「そんな…!だって、私が聞いた時は何も言わなかったじゃない!」
QB「悪いね、鹿目まどか。これもすべて君に契約してもらうためさ」
QB「このままだと絶望的状況になるのは明らか。たったの一撃でさえ、君たちはすでに死にかけだろう?」
QB「だから鹿目まどか。僕と契約して、魔法少女になってよ!」
まどか「そんな…もう……」
ほむら「くっ…インキュベーター…!」
杏子「くそっ、打つ手はねーのかよ!」
マミ「鹿目さん……」
さやか「そんなことはさせない!恭介聞こえる!?お願い、演奏を中断して!!」
~♪~♪……
恭介「さやか?いいのかい?だって、僕の『音』が……」
まどか「!!!さやかちゃん、後ろ!」
さやか「えっ――」
ズシュゥッ
ほむら「しまった!さやか!」
まどか「さやかちゃん!」ユサユサ
恭介「なんだこれは…血…?さやかが、し、心臓を、貫かれて……?」
恭介「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ほむら「まずい!このままじゃ、全滅……」
マミ「このまま、ハァ、やられて、た…まるもんですか!」
杏子「ぜぇー…おい上条っ!聞こえてるか!?」
恭介「……」
杏子「悪ぃ、もう演奏はいらねー…こっからは、あたしらの戦いだ」
まどか「さやかちゃん……」
恭介「さやか……」
スッ
まどか「?上条君、何を……」
恭介「~♪~♪~♪~♪」
杏子「おい!聞こえてなかったのかよ!?もう『音』はいらねーって――」
マミ「待って佐倉さん…この曲、初めて聞く曲…曲名は確か」
ほむら「……アヴェマリア」
~♪~♪~♪~♪
まどか「これって、昔聞いたことある…確か、さやかちゃんが一番好きだって言ってた曲…?」
杏子「くそっ!だったらこのままやったろーじゃんか!ロッソファンタズマ100!」
……
杏子「!?どういうことだおい、なんにも起こらねーぞ?まだ魔力はあるのに」
~♪~♪
マミ「ティロ・フィナーレV」
シャキーン ズガーン
マミ「一発だけ…上条君の『音』があるのに?」
ほむら「!マミさん危ない!!」
ズシャァ
マミ「うっ…」
ほむら「そんな、マミさん…!」
QB「あの攻撃を何度もくらっちゃあ、もう立ち上がれないんじゃ……あれ?」
マミ「……さっきより弱い…」
ほむら「一体、何がどうなっているというの?」
~♪~♪
まどか「さやかちゃん……」ギュッ
上条(ごめんさやか……僕のために……この曲好きだったろ?せめて、これを聞いて…旅立ってくれよ、さやか)
パアァァァ
まどか「・・・さ、やかちゃん?傷が!」
シュアァ
ほむら「治った!?しかも、こんな短時間で」
さやか「……」スクッ
~♪…
恭介「……さやか!」
さやか「やめないでよ恭介。演奏、続けてほしいな」
恭介「ああ、分かった」
~♪~♪~♪~♪
さやか「はあああああああああああ!!!!!!!!!!!」
杏子「速い!?今までで一番!」
ほむら「一瞬でワルプルギスの夜までたどり着いた!!」
さやか「恭介が私のために弾いてくれる『音』、奏でる『音』……あったかい、私だけのための『音』!」
さやか「スクワルタトーレ・フィーネええええぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズシャッズシャッズシャズッシャズババババババババババーーーーーーーーーン
ワル夜「アハハハ…ハハハ…ハハ…」
しゅあーん
ほむら「ワルプルギスの夜を――」
杏子「一撃…だと…?」
マミ「美樹さん……いい名前ね、それ」
QB「なるほどね、結局上条恭介の心境に全て繋がっていたということか」
まどか「上条君が、さやかちゃんのためを思って弾いた『音』だから」
ほむら「私達やワルプルギスの夜には効果がなく…さやかだけが強くなれたということね」
~♪~♪……
恭介「フゥ…さやか!」
さやか「……約束通り」
恭介「?」
さやか「約束通り、見滝原の平和と恭介は、この魔法少女美樹さやかちゃんが守っちゃったというわけなのだ!」
恭介「さやか、傷はもういいのかい?」
さやか「うーん……なんか治っちゃった」
さやか「ありがとう、恭介。あの時意識が朦朧としてたんだけど、急に恭介の声が聞こえてきたんだ」
さやか「それからあの曲聞いたら…ここで死ぬわけにはいかないって思ってさ!たはは――」
恭介「さやか!」ガバァ
さやか「うぇ!?ちょ、ちょっと、ききき恭介ぇ!?」
恭介「良かった…無事で…本当に」
さやか「……」
ぐいっ
さやか「そういうのはさ……恋人にやってあげるものでしょ?」
恭介「恋人?」
さやか「……仁美と仲良くね…それじゃっ」ダッ
恭介「あっ……行っちゃった」
杏子「なんだよ、せっかくみんなでパァーっと打ち上げしようと思ってたのに…おいさやかー」ダッ
ほむら「よかった。本当によかったわ……まどかも無事、ワルプルギスも倒した…これで、あたしっ……!」グスグス
まどか「よしよし、お疲れ様ほむらちゃん」ナデナデ
マミ「ところで上条君?あなたあんないい子を振っておいて、他に付き合ってる子がいるんですって?」
恭介「えっ?何のことですか?」
マミ「とぼけないの!美樹さんのお友達に告白されて付き合ってるんでしょう?」
恭介「もしかして志筑さんのことですか?付き合ってないですよ」
マミ「えっ」
恭介「えっ」
恭介「確かに告白はされましたけど、お断りしたんです。今はバイオリンに集中したいからって…志筑さんはさやかに何も言ってなかったのかなあ?」
マミ「なるほど、美樹さんの早とちりと志筑さんとやらの計略ってことね…美樹さん追いかけなきゃ」ダッ
恭介「何がなんやら……」
ほむら「上条君、今まで本当にありがとう…ウビッ…あなたには本当に感謝しているわ…グスッ」
恭介「こちらこそ、練習もはかどったし、またいつでも魔女退治に呼んでください」
まどか「さあ、二人とも。さやかちゃんを追いかけないと!上条君、確かさやかちゃんに言いたいことがあるんだよねー?ティヒヒ」
恭介「!!覚えてたのかあ…まいったな」
ほむら「何?なんなの?」
まどか「ティヒヒヒ、行けば分かるよ」
まどか「さあ、みんなで行こ?」
はっぴーえんど
81 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/08/31 23:39:20.74 LMNcTL7r0 55/64疲れた…
タイトルと『音』で強くなるの元ネタは「課長王子」です
ほむらの黒い天国のところとかもバンド名から
86 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/08/31 23:45:45.04 +uUN5kLnP 56/64乙!面白かったよ、ワルプルギスのトラップはやられました。
欲をいえば上条がさやかに追いついたあたりまでひっぱってほしかったかな。
後、キャラは崩壊するかもしれない
さやか「上条王子 外伝」
魔法少女とワルプルギスの戦いは終わり、二人は付き合いだした…
それから数カ月後のお話
上条の部屋
ジャカジャカジャンジャカ~♪~♪
恭介「ーーっっ!!オウヤーロケンロー」
さやか「何やってんの?」
恭介「うわびっくりした!…いつからそこに?」
さやか「えっとねー、俺はもしかしたらロッカーの才能があるかもしれない、ってとこから」
恭介「最初からかよ!」
さやか「それで…なんでギター?」
恭介「ああ。僕は今までバイオリン一筋でやってきただろう?だがひょっとして、他のことを始めていたら別の道が広がっていたかもしれない」
恭介「そう!ひょっとしたら音楽シーンを駆け巡る一大ロッカーとなって巷をブイブイ言わせて金髪ボインなナオンちゃんに言い寄られていたかもしれなかったわけだ!」
恭介「そんな可能性を夢見て、ちょっと父さんのギターを借りてきたというわけなのですよ?」
さやか「……で、弾いてみた感想は?」
恭介「まあ…見切った感はあるね。コードとか意味分からん!」
さやか「さいでっか…」
恭介「それで、なんか用?」
さやか「うん、アイス買ってきたんだけど食べる?」
恭介「ありがとうさやか、いただくよ……」
ぺりっ ぺろっ
恭介「……チェンジィ!」
さやか「は?」
恭介「チェ・ン・ジ!!」ビシィ
さやか「……ごめん、耳には届いたんだけど、あたしの心には届かなかったみたい……」
さやか「もっかい言って?」
恭介「チェ・ン――」
さやか「さやパン!」 恭介「ヘグゥ」ドゴォ
さやか「チェンジとはどういうことだこらあー!」
恭介「さやか、僕はね…アイスの蓋をペロッとする輩が許せないんだよ…」
恭介「そこは言うなれば火星人の余った皮!切り捨てられるべき罪な存在であるはずなんだよ!」
さやか「自分だって火星人のくせに」
恭介「うっ!」グサァ
~~~~~~~~
恭介「入院してたら、あそこから海老の匂いがしだした……」
さやか「もう、恭介ったら…///」
~~~~~~~~
恭介「ううぅッ…昔は、昔はあんなに可愛かったのに…!」
さやか「今も可愛いだろ、今も」
さやか「逆に!その程度の耳っちぃ事を気にするような男は器が処女のあそこよりよっぽどちっちゃいのよ!」
恭介「……もう、さやかは~///」
さやか「散々言っといて何を今さら…」
さやか「そんな男がロッカーだなんて土台無理だった言う話ってことよ!」
恭介「ちくしょう!いいじゃないか!男は一度はロッカーに憧れるだよ!体育館でゲリラライブとかする妄想にふけってるんだよおぉ!!」
さやか「そんなに金髪ボインがいいなら、ほら、マミさんが……」
恭介「NO~!なんか危険なにおいがするからノースァンクスで!」
さやか「ノースァンクスですか…」
恭介「ふぅ~…あーあ、溶けちゃった」
さやか「あー、もったいない…舐めよっと」
ぺろぺろ
恭介(必死に器のアイスを舐めてる…まてよ、蓋の部分が余った皮の部分だとするなら、本体のアイスは…!!)
恭介「さやか!」
さやか「何?」
恭介「しよう!」
さやか「……」コクリ
20年後
さやか「あれがお母さん達の初めてだったわ…!」
さや子「マジかよ!?さやかあちゃんすげー!」
完
102 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/09/01 00:19:40.98 4At1NkdJ0 63/64こんな終わり方しかできなかったwwww
元々は課長王子外伝が読みたいがために課長王子を見たことがきっかけだった
田丸節がまあ、そこそこ書けたから満足
106 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/09/01 00:24:40.97 4At1NkdJ0 64/64ああ最後に…
俺はアイスの蓋舐める派だからね!
あとマミさんが一番好きだからね!
もう寝ゆ!
おやすみ!
計略呼ばわりされる仁美カワイソス