1 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:04:25.99 Wa41tEag0 1/27

(今日は私の誕生日)

(せっかくなので有給をとってみたのはいいけど…)

(澪…は仕事だろうし、唯やムギも仕事中のはず)

(梓にでも連絡を入れてみようかな…)

ピンポーン

ヤマトの人「ヤマト便でーす」

「あっ、はーい」ガチャッ

ヤマトの人「じゃあ、ここにサインしてもらえますか」

「……はいっ」カキカキ


元スレ
律「ダンボールからムギ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1345475065/

5 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:07:33.75 Wa41tEag0 2/27

ヤマトの人「あっ、どうも。じゃあ荷物ここに置いときますね」

ヤマトの人「物凄く重いので気をつけてください。では」バタン

「でっかいダンボールだなぁ……お、重っ!」

「送り主は…おっ、ムギだ」

「これはズバリ」

「誕生日プレゼントだろうなぁ」

「うぅ…なんて友達想いのいい奴なんだ」

「じゃあ、さっそく開けてみよう」バリバリ パカ

「……」

「……」パタ

「だ、黙って蓋を閉めちゃ嫌っ!」


13 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:17:00.92 Wa41tEag0 3/27

「だってなぁ…」

「えーっと。おはよう、りっちゃん」

「えーっと…琴吹紬さん…?」

「もうっ…昔みたいにムギって呼んで」

「……」

「……」

「……」

「あのっ…」

「なに?」

「おトイレ」

「…使っていいよ」

「……そうじゃなくて」

「……じゃあなに」

「一人じゃ出れないから、出るの手伝って欲しいの…」

16 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:25:06.71 Wa41tEag0 4/27

(ムギの奴何しにきたんだ…)

(私がプレゼントでーす! ってか…)

(ないな……いや、ムギならありえる)

(そういえばムギ、ん? …メイド服…?)

「わっ!!」

「うおぁぁああああああああああああ!!!!」

「りっちゃんいいリアクションよ!」

「ふぅ、心臓が止まるかと重ったぞ」

「ふふふ。驚かし甲斐があるわー」

「それでムギ、今日はどうしたんだ。まさか『私がプレゼントなのー』ってことか?」

「りっちゃん……ひょっとしてエスパー?」

「いやいやいやいや、本当にそうなのかよ」

「うん。今日はりっちゃんにご奉仕しようと思って。迷惑だったかな?」

「いや……びっくりしたさ。でも…」

「でも?」

21 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:36:25.32 Wa41tEag0 5/27

「嬉しいよ。きてくれてありがとう」

「じゃあさっそくご奉仕しなきゃ」

「なぁ、その前に一つ聞いておきたいんだが」

「なぁに?」

「私が家にいなかったらどうするつもりだったんだ?」

「りっちゃんなら自分の誕生日に有給取ると思ったの!」

「エスパーかよ!」

「私、りっちゃんのことならなんでもわかるの」

「え”っ」

「そんなことよりご奉仕しなきゃ。まずは紅茶をいれてあげるね」

「……」

33 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:44:18.04 Wa41tEag0 6/27

(ムギが紅茶をいれはじめてしまった)

(あっ、なんだかこの光景懐かしいなぁ)

(ムギのメイド服姿を見るのはいつ以来だろう)

(いつもあんな風に楽しそうにお茶をいれてたな……)

(……)

「はいっ、どうぞ」

「あっ、ありがとー」ゴクゴク

「ぷはっ、やっぱりムギの紅茶だなー」

「ふふっ、りっちゃんおやじくさーい」

「な、なんだとー」

「じゃあ次はお部屋のお掃除してあげるね」

「えっ、そんなの別にいいよ」

「でも結構汚れてるよ。高校時代は結構綺麗だったのにね」

「あぁ、仕事から帰ってくると掃除する気力もなくてさー」

54 : 猿よけありがとうございます[] - 2012/08/21 00:52:30.53 Wa41tEag0 7/27

「休みの日は休みの日で気力が沸かないんでしょ」

「さすがムギ、よくわかっていらっしゃる」

「じゃあ掃除はじめー」

(ムギのやつ本当に掃除をはじめちまった)

(実に楽しそうだ)

(……)

(よしっ)

「私も手伝うよ」

「えっ、りっちゃんは休んでてくれればいいのに」

「ムギが楽しそうにしてるのを見たら、私も一緒にやりたくなってんだ。ほら、道具を貸してよ」

「やっぱりりっちゃんは性格がイケメンさんね」

「そ、そんなんじゃないって」

57 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:53:09.05 Wa41tEag0 8/27

「掃除終わりー」

「随分きれいになったな」

「じゃあお昼ごはん作ってあげるね」

「何を作るの?」

「オムライスを作ろうと思うんだけど、どうかな?」

「おう」

「ふふーんふふふーん」

(本当にメイドさんがいるみたいだ)

(メイドさんと言えば)

「ムギってメイド喫茶の経営をやってるんだよな」

「うん。女性客専用のメイド喫茶」

「経営成り立ってんの?」

「うん。意外と需要あるのよー」

「へぇ~、私にはわからない世界だな」

59 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:53:42.07 Wa41tEag0 9/27

「残念。りっちゃんが店員さんやってくれれば、りっちゃん目当てのお客さんが増えるのに」

「私じゃ無理だよ…」

「そんなことないと思うけど…。りっちゃんのほうはどう?」

「私か…私は……」

「うん」

「毎日結構たいへんだよ」

「最近やっと研修期間が終わったんだけどさ」

「最初はなにやっても上手くいかなかったんだ」

「うん」

「で、毎日毎日仕事の山に追われて夜遅くまで残業する日々が続いたよ」

「でも、最近はちょっとだけ仕事になれてきたんだ」

「ふぅん。よかったね」

「それがそうでもないんだ」

「慣れてくると、今度は新たな業務をやらされるから、結局仕事の山からは解放されないわけ」

「大変ね」


63 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:54:54.02 Wa41tEag0 10/27

「そういやムギはどうなんだ? 残業とか休みとか」

「私の場合、仕事は家に持って帰っちゃうから…」

「それはそれで大変そうだな」

「そうでもないわ」

「休みは?」

「げっきゅういちにちせい」

「月給一日制?」

「ちがうちがう。月休一日制」

「え”っ。でも定休日とか」

「納品があるから……改装とか店舗整備も必要だし」

「うげぇっ、それはキツイ。私だったらもたないな」

「でも楽しいわよ。かわいい女の子に囲まれて働くのは」

「わからねー」

「……できた!」

67 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:55:44.44 Wa41tEag0 11/27

「うおっ、なんだこれ」

「ケチャップでりっちゃんの顔を描いてみたのー。お店でもやってるサービスよ」

「…ちなみに幾ら?」

「タダ……と言いたいところだけど、料金はオムライスに含まれてるわ」

「……ちなみにオムライスのお値段は?」

「1,200円」

「…微妙な値段だ」

「さぁ、召し上がれ」

「いただきまーす」パクッ

「どうかな?」

「うん。普通に美味しいよ」パクッ

「そう? それはよかった」

「……手料理を食べるのって久しぶりだなー」


72 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:57:16.15 Wa41tEag0 12/27

「作ってくれる人、いないんだ」

「うん。…って私だって女だぞー。作ってあげる側だ!」

「自炊は?」

「ごめんなさい。まったくしていません」

「そう…でも仕方ないよね」

「うん。疲れて自炊する気になれないんだ」

「じゃあ今日は思う存分私の料理を食べて」

「ああ」パクッ

「……」ニコニコ


74 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:58:10.56 Wa41tEag0 13/27

「じゃあ次は耳掃除してあげるね」

「え”っ」

「お店でもやってるサービスなのよー」

「ちなみにお値段は?」

「650円」

「微妙だ」

「はいっ、ここに横になって」ポンポン

「…まぁいいか」

「むむむ。りっちゃん意外と耳垢たまってますね」カキカキ

「そうなのか?」

「うん。お店に来る人でもこんなにたまってる人は珍しいわ」カキカキ

「…ちょっと傷ついた」

「りっちゃんは繊細ねー」カキカキ

「よせやい」

78 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:58:51.98 Wa41tEag0 14/27

「じゃあ次は反対側を見てあげるね」

「あぁ、頼む」ゴロン

「……」カキカキ

「……」

「……」カキカキ

「なぁ、ムギ」

「なぁに、りっちゃん」カキカキ

「月休一日なんだろ?」

「うん」

「月に一度しかない休みを私のために使ってよかったのか?」

「うん」

「それは私がHTTの仲間だから?」

「うん。でも…それだけじゃないよ」

「うん?」

81 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 00:59:48.09 Wa41tEag0 15/27

「ねぇ、りっちゃん」

「な、なんだムギ、突然顔を近づけてきて」

「私ね…実は…」

「……ムギ」

「ずっとまえからりっちゃんのことが好きだったの」チュ

「……」

「……」

「……」

「……ごめんね」

「……」

(私、ムギにキスされた?)

(キス…私のファーストキス)

(ムギに、奪われた……)


「……いつからなんだ?」


83 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:00:34.54 Wa41tEag0 16/27

「最初から」

「最初からって…」

「高校1年生の頃から」

「え”っ」

「今年で八年目」

「ずっと私のことを好きだったんだ…」

「……なんでいままで黙ってたの?」

「私が告白しちゃったら、HTTの空気が壊れちゃうかと思ったの」

「……」

「それに、付き合わなくても一緒にいられるだけで幸せだったから」

「そうなんだ」

「……本当のことを言うと、今日はりっちゃんに告白するためにきたの」

「……」


87 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:01:46.21 Wa41tEag0 17/27

「最近全然りっちゃんに会えなくて寂しくて」

「気づいたら、お店の子に頼んで、ヤマト便で送ってもらっちゃってた」

「おいおいおい」

「ねぇ、りっちゃん。りっちゃんの気持ちを聞かせて」

「……」

「……」

「……ファーストキスだったんだぞ」

「えっ」

「ファーストキスだったんだ」

「あっ、うん」

「……」

「……」

「わかれよ」

90 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:02:41.11 Wa41tEag0 18/27

「……どういうこと?」

「責任とれってこと」チュ

「えっ、りっちゃん。それって」

「正直、自分でもムギのことが好きなのかどうか分からないけど」

「告白されて悪い気はしなかった」

「うん」

「だから付き合ってもいいなーって思ったんだ」

「女の子同士だけどいいの?」

「ムギがそれを言うか」

「……うれしい」

「なぁ、ムギもファーストキスだったのか?」

「……」

「……つむぎさん?」

「えーっと実は…」


100 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:05:42.93 Wa41tEag0 19/27



「……飲み会で酔った女の子にキスされたと」

「職場の子なんだけどね。油断が過ぎたわ」

「……なんかムカつく」

「嫉妬?」

「そうかも」

「え”っ」

「…? 何かおかしなこと言ったか?」

「……うん。だってりっちゃん私のことを好きかどうかわからないんでしょ」

「それでもムカツクんだ」

「……そうなんだ。じゃあさ」

「なに?」

「舌いれてキスしよ。それはやったことないから」

「……うん」

107 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:07:01.25 Wa41tEag0 20/27

(今日は律先輩の誕生日)

(澪先輩とムギ先輩が企画立案した誕生パーティーが行われる予定です)

(私は今、律先輩がちゃんと家にいるか確認するために、律先輩のアパート前にいます)

(……あれっ、鍵が空いてる。無用心ですね…)

(入ってみよ)

(あっ、律先輩いたいた。横にいるのはムギ先輩?)

(……えっ)

くちゅ、ちゅぱっ、ちゅっ、くちゅっ…

(……)

(……)

(……)

(なんでふたりがディープキスしてるの~~!)

「あっ、梓ちゃん」

「え”っ」

112 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:09:34.80 Wa41tEag0 21/27


(それから色々あった)

(梓が唯や澪にキスの件を触れ回ったせいで、随分と追求された)

(恩那組やわかばのメンバーも集まり、狭い部屋でパーティーは盛大に催された)

(皿や食材はムギの店が提供してくれたそうだ)

(持ってきてくれたのは直だ。今はムギの店で働いているらしい)

(沢山の酒が振舞われ、数時間後にはみなダウンしてしまった)

(素面のナオがムギ以外の全員を送り届け、最後にムギだけが残った)


「直ちゃんいい子でしょ。私のところで働いてくれてるのよ」

「なぁ、ムギ?」

「なぁに、りっちゃん?」

「ひょっとして、寄ってムギにキスしたのって直のやつか?」

「……」

「おいっ」

「きっと菫と間違えたのよ。ほら、同じ金髪だし」


115 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:11:08.92 Wa41tEag0 22/27

「あの二人付き合ってるの?」

「そうじゃないけど……」

「なぁ、ムギ。ちょっと考えてることがあるんだ」

「なぁに?」

「さっき言ってたじゃん。私が働けば客が増えるって」

「うん。言ったわ」

「パーティーの間中考えてたんだ」

「私達さ……付き合ったとしても、ほとんど逢う時間がないわけじゃん」

「それならさ、いっそムギの店で働かせてもらうのも悪くないかなって」

「それにさ、今日のムギを見てて私、気づいたんだ」

「働いてるムギを見るのが自分は好きなんだって」

「…」

118 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:11:56.61 Wa41tEag0 23/27

「…ムギ?」

「それは…やめたほうがいいと思う」

「なんでだ?」

「さっき仕事がきついって言ってたりっちゃん、楽しそうな顔してたから」

「そんな顔してたか?」

「仕事が大変だ―大変だ―って言ってるお父さんの顔、してたよ」

「どんな顔だよ!」

「とってもいい顔」

127 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:15:23.94 Wa41tEag0 24/27

「……そうだな。今の仕事から逃げるのは私も嫌だし。でもそれだとムギと――」

「ねぇ、この近くにいいアパートがあるの」

「私とりっちゃんの職場の中間あたりにあるアパートなんだけどね」

「一人で住むにはちょっとだけ高いの」

「いくらだ?」

「月13万円」

「微妙だ」

「でね」

「言わなくてもわかってるよ」

「もうっ、大好き」

「それもわかってる」

「りっちゃん」

「なんだ?」

「生まれてきてくれてありがとう」

おしまいっ!

131 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:16:15.48 Wa41tEag0 25/27

りっちゃあああああああん!!!!
たんじょうびおめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

133 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:16:45.11 iUXOKdoL0 26/27

おつおつ
りっちゃんおめ

141 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/08/21 01:18:33.03 Kiis7ACgP 27/27


ムギの最後のセリフ同意
嫉妬かわいい

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