1 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:33:37 zMY8Vo4w 1/57

「そーろそーろー、起きなきゃダメだー!」

「仕事のっめーざーましーがー鳴りひびーくー♪」

「…ん?誰?」

「人に名前を聞くときは、まず自分から名乗りなさいよ!」

「あぁ、幼か…」

「ば、バレただと!?」

元スレ
幼馴染「目を覚ませ!」 男「…」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1344944017/

2 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:34:13 zMY8Vo4w 2/57

「人の部屋で熱唱しといて…」

「何で幼の方が驚くんだよ…」

「て言うか、今何時だ…」

「もう陽が昇る時間ですよー」

「あぁ…まだ7時前じゃねーか…」

「こんな朝っぱらから何だよ…」

「あれー?」

「…」

3 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:34:48 zMY8Vo4w 3/57

「あれあれぇー?」

「今日は私の誕生日ですよ?」

「んぁ…そうだったな…」

「誕生日おめでとう、幼」

「そんな訳で、さっさと準備してよねっ」

「え、何のだよ…」

「海に行くぞー!」

「はぁ?」

4 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:35:25 zMY8Vo4w 4/57

「海、行くぞー!」

「何だよ、それ…聞いてないんだが」

「そりゃそうでしょうねっ!」

「さっき決めたんだから!」

「…何で朝からテンションマックスなの?」

「夏休みで、誕生日だから!」

「…理由になってないと思うんだよ、幼さん」

5 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:36:11 zMY8Vo4w 5/57

「何よ、私が友達の一人も居ないぼっちだと思ってるの?」

「…会話が噛み合ってないと思うんだよ、幼さん」

「私が日本各地で伝承されている巨人の妖怪だとでも思ってるの?」

「は?巨人?」

「私がダイダラボッチだとでも思ってるの?」

「…んな事一瞬も考えた事無いよ、身長154センチの幼さん」

6 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:37:08 zMY8Vo4w 6/57

「とにかく!せっかくの記念日に、何もしないって言うのは!」

「青春パワーの無駄遣いだと、私は思うのだよ!」

「あぁ…無駄遣いだなぁ」

「そう思うなら、早く準備を!」

「さぁ!ハリー!ハリー!ハリー!」

「…あぁ…もう少しだけ、寝かせてくれんかのぅ」

「ジジくさい事言ってんじゃないわよっ!」

7 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:38:03 zMY8Vo4w 7/57

「どうやら抵抗は無駄な様だな…」

「無駄、無駄、無駄ァ!」

「そのタオルケットを剥ぎ取られたくなければ…」

「今すぐ覚醒せよ!」

「わかったよ…準備すっから、ちょっと部屋から出てくれよ」

8 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:39:24 zMY8Vo4w 8/57

「あ、おばさんまだ寝てるみたい」

「そうだろうな…」

「私、朝ご飯作って待ってるから、早くね!」

「おーう…泳ぐの?海で」

「泳ぐよ!」

「わかった、準備する」

「グーーーッド!良い返事だ!」

「んぁー。ねみぃ…」

9 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:39:49 zMY8Vo4w 9/57




「来たぜー!うーっみーぃぃぃぃ!」

「イェーイ!」

「見よ、海面がゴミのようだ!」

「オイオイ!ゴミは失礼だろ、ゴミは!」

「今から私たちもそのゴミの一部になるんだけどねっ!」

「イェーイ!」

「それじゃ、テンション上げて行くぜっ!」

男・幼「イェーーーーーーーーイ!」

10 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:40:20 zMY8Vo4w 10/57



「どうよ、この水着!」

「スクール水着じゃないんだな?」

「あたぼうよ!これ選ぶのにどれだけ時間かかったと思ってんの?」

「知ってるよ、3時間だろ?て言うか、俺買い物に付き合わされたじゃん!」

「似合ってるでしょ?」

「超似合ってるぜ!イェーイ!」

11 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:41:09 zMY8Vo4w 11/57

「そんな事言われても、嬉しくなんかないんだからねっ!」

「そんなツンデレな台詞も、幼が言うと、台無しだな!」

「なんだとー!」

「イェーイ!」

「勢いでごまかそうとするなー!イェーイ!」

12 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:42:04 zMY8Vo4w 12/57

「とりあえず、海に突撃だー!」

「蹴散らせ!男!私の為に、血路を開くのだー!」

「え…いや、そんな乱暴な事はちょっと…」

「2千円、2千円札で払うんで、勘弁してください」

「そこだけ、素に戻んないでしょ、照れるでしょっ!」

「それじゃ、人ごみを華麗に避けつつ、海へゴー!」

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

13 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:42:55 zMY8Vo4w 13/57



「ペロッ…これは…青酸カリ?」

「そんな量舐めたら、即死だよ!青酸カリ舐めんな!」

「お?今のは上手い事言えたんじゃね?」

「え?」

「今のは、毒物を安易に舐めるなって意味と」

「毒物を侮るなって事を掛けた、面白いやつだな?」

「解説されると照れる!イェーイ!」

「気にすんな!イェーイ!」

14 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:43:33 zMY8Vo4w 14/57

「うひゃー、水冷たいー…って言いたいのに、そうでもなーい!」

「オイオイ、海水、どうなってんだー?」

「地球温暖化のせいだね!」

「しょぱいだけが取り柄かよ!もっと熱くなってみろよ!」

「地球、もっと頑張れよ!お前ならやれるよ!」




近くに居た男性(地球が何を頑張るんだよ…)

15 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:43:56 zMY8Vo4w 15/57



「おりゃー!海水をくらえー!」
バシャッ!

「キャッ!やったなー!えいっ!」
バシャッ!

「あはははー」

「うふふふー」

16 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:44:30 zMY8Vo4w 16/57

「…このやり取りもマンネリだな」

「…だね。海に来たら、毎回だもんね」

「て言うか、人多いなー」

「今日暑いもんね…」

「プライベートビーチとか、憧れるよなー」

「男、金持ちになって、プライベートビーチ作ってよ!」

「将来、作れるといいなぁ」

17 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:45:44 zMY8Vo4w 17/57

「男、将来ビル・ゲイツになってよ!」

「ビルは職業じゃねーからな?」

「そんな事解ってるよ。建築物だよね!」

「そっちのビルと違うよ!」

「て言うか、俺がどうやってビルになるんだよ!」

「人柱として、定礎の下に…」

「バーカバーカ!」

「バカって言うな、アホー!」



近くに居たおばちゃん(…小学生か!)

18 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:46:38 zMY8Vo4w 18/57



「隊長っ!あんな所にバカップルが居るであります!」

「なんだと、軍曹!それは確かなのか?」

「イェス・マム!あれは確かにバカップルであります!」

「それでは、我らはやるべき事をやるしかない!」

「何をすればよろしいでしょうか、教えて下さい、隊長!」

19 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:47:23 zMY8Vo4w 19/57

「叫ぶしかないでしょ!」

「イェス・マム!」

男・幼「せーのっ!」

男・幼「バカップル!爆発しろ!」

「逃げろっ!」
ダッ

「後ろに向かって前進だっ!」
ダッ



バカップル(お前らも充分バカップルだろ…)

20 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:48:02 zMY8Vo4w 20/57



「いやー、楽しいねー、男!」

「おう!超楽しいな!やっぱ海ってテンション上がるわー!」

「うんうん!上がるよね、テンション!」

「何て言うのかな…この空気…えーっと…」

「ゴクリ」

「ゴクリって声に出して言わないでよ、キモい!」

「おい!キモいとか言うな!傷つくだろ?」

21 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:49:07 zMY8Vo4w 21/57

「あー!今、何言おうとしてたか、忘れた!」

「若年性アルツハイマー?」

「そんな深刻なやつじゃないよ!」

「男が変な所で微妙な事言うからでしょ!」

「解ってるよ、幼」

「え?何が解ってるの?」

「幼が今、言おうとしてた事」

22 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:50:15 zMY8Vo4w 22/57

「え?何て言おうとしてた?私」

「海の偉大さ…だろ?」

「ドヤ顔ウザイ!」

「ウザイとか言うな!簡単に泣くんだぞ、俺!」

「あ!何故海に来るとテンションが上がるのか?だった!」

「思い出したか、イェーイ!」

「イェーイ!」

「まったく、海は偉大だね!」

「俺、さっきそう言っただろ?」

23 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:51:15 zMY8Vo4w 23/57

「はぁ、気分良いね、男!」

「そうだな!叫ぶか?」

「叫ぼう!」

男・幼「…せーのっ!」

男・幼「リア充、爆発しろーーー!」

「…私達って、びっくりするくらい?」

「息ぴったり?」

男・幼「イェーイ!」
パシッ



海の家で働いている男(あそこでハイタッチしてる二人、爆発しねーかな…)

24 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:52:12 zMY8Vo4w 24/57



「いやぁ、遊んだねー」

「遊んだなー。肌も焼けたなー」

「ふふふ。夜、風呂に入る時に、後悔するんだろうね、キミは」

「なんだよ、自分は違うみたいな言い方だな?」

「私はちゃーんとサンオイルを塗ってあったので!」

「なん…だ、と?」

25 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:52:39 zMY8Vo4w 25/57

「着替える時に、ささっと塗った!」

「卑怯者!二重の意味で!」

「二重?」

「一人だけ抜けがけズルい!」

「あと一つは?」

「塗るなら、俺に塗らせろ!」

「え、嫌ですけど」

26 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:53:32 zMY8Vo4w 26/57

「なんだよ!そんなキャッキャウフフイベントのド定番」

「俺も参加させろよー!」

「そんな事したら、周囲にリア充扱いされかねないじゃん!」

「ぐっ…それは正論だ…悔しいが、俺の負けのようだな…」

「わかれば良いのよ、男」

「あぁ、そろそろ日が沈むな…幼」

「うん。そろそろ帰ろうか、男」

27 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:54:03 zMY8Vo4w 27/57

「受験生の、夏の貴重な一日が、終わるな…幼」

「現実に引き戻さないでよ、男…」

「でもまぁ、お互い頭良いしな?」

「そうだよね!秀才だもんね!」

「一日くらいサボっても、なぁ?」

「余裕だよ、余裕!」

男・幼「イェーイ!」



近くに居たおじいちゃん(まったく…最近の若いモンの会話は…)

28 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:54:43 zMY8Vo4w 28/57



「うぇー…次の電車来るまで20分もあるぜ?」

「疲れたー!疲れたから座るー」

「そんな事言われてもなぁ」

「駅のベンチはお年寄りや子供優先だぜ?」

「男、そこに四つん這いになってよ」

「は?嫌だよ。バカ?」

29 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:55:14 zMY8Vo4w 29/57

「チッ!椅子にしてやろうと思ったのに!」

「わかってたから、四つん這いを拒否したんだぜ?」

「ふん!どうだか?」

「俺はお前の事、大体解ってるぞ?」

「はぁ?何言ってんの?」

「男君は何でも知ってるね!とでも言われたい訳?」

「だから、解ってるってば」

30 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:56:10 zMY8Vo4w 30/57

「ふん!たった18年やそこらの付き合いで…」

「一体、私の何が解るって言うのよ!」

「おいおいおい」

「俺たち、生まれてからずーっとお隣さんだぜ?」

「物心ついた時にはもう一緒に行動してたんだ」

「時間って言うなら充分過ぎるだろ?」

「だから、解ってるぞ、幼」

「は?何を解ってるって?」

31 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:56:47 zMY8Vo4w 31/57

「今から幼がびっくりする事、言うぞ?」

「な、何よ」

「幼、愛してる」

「は?」

「結婚を前提にお付き合いして欲しい」

「な…何言ってんの?」

「俺は真剣だ」

「尚更、何言ってんの?」

32 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:57:22 zMY8Vo4w 32/57

「い、いつもの悪ふざけの冗談なんでしょ?」

「ほら、ここらでネタばらしなんでしょ?」

「もう一度言うぞ、幼」

「愛してる。俺の嫁になってくれ」

「な…」

33 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:58:01 zMY8Vo4w 33/57

「俺、ちゃんと大学卒業して、就職するから」

「内定出たら、籍入れよう」

「ちょ…」

「就職して1年たったら、結婚式やろう」

「式は神前よりチャペルが良いな」

「幼のウェディングドレス姿…」

「想像しただけで、胸が熱くなるな」

34 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:58:23 zMY8Vo4w 34/57

「披露宴は…なるべく大規模にやろう」

「芸能人か!って言うくらい大規模に!」

「幼は和装も洋装もどっちも似合うだろうから」

「途中で2回衣装替えしよう」

「友人代表スピーチは、友と幼友の2人に頼もう」

「あいつらなら、泣けるスピーチをしてくれるだろう」

「料理は…美味しんぼで、山岡さん達の披露宴で出てた」

「究極の料理と至高の料理の中から選んで出そう」

「きっと良い披露宴になる」

35 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:58:55 zMY8Vo4w 35/57

「新婚旅行は、ハワイに行こう」

「俺、実はその為に貯金してるんだぜ?」

「だから、旅費の事は気にしなくていいぞ」

「あと、幼には苦労させたくないから」

「堅実に公務員とか銀行員を目指すかな」

「結婚したら、すぐ子供が欲しい」

「だから幼には専業主婦になって欲しい」

36 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 20:59:20 zMY8Vo4w 36/57

「そして子供は3人は欲しい」

「長女、長男、次女の順番が良いな」

「家は賃貸じゃなくて、最初から一戸建てが良いな」

「俺たちの実家に近い方が、何かと便利だろうから」

「近くで良い土地が無いか探してみよう」

「そして30年ローンで、二階建ての家を建てよう」

「白い家にしたいな。芝生の敷き詰められた庭も欲しい」

「子供部屋は2階に3部屋、俺たちの寝室は1階」

37 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:00:04 zMY8Vo4w 37/57

「ちょ!ちょっと待って、男!」

「決して裕福ではないが、幸せな、そんな家庭を築きたいな」

「その為にもまずは2人の愛が一番大事だな」

「次にお金だな」

「幼は金銭感覚しっかりしてるから、家計の事は全部お任せする」

「あ、でも俺、月の小遣いは2万円は欲しいかな」

「ちょっと待ってってば!」

38 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:00:26 zMY8Vo4w 38/57

「勤続35年くらいで、仕事を退職」

「天下りで、大手企業に再就職」

「大した仕事もしないで、3年くらいで退職」

「最初の職場のと合わせて、5000万パワーくらいの退職金を得る」

「その金で…」

「ちょ…」

39 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:00:53 zMY8Vo4w 39/57

「ブラジルに永住して、一緒にコーヒ-農園を作ろう」

「は?」

「そこで作ったコーヒーを世界的にヒットさせて」

「億万長者になろう」

「世界の億万長者番付に、載ろう。2人で」

「目標はビル・ゲイツの全盛期の総資産だな」

40 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:01:32 zMY8Vo4w 40/57

「でもその財産を自分の子供たちに残すんじゃなくて」

「世界の子供たちの為に、それっぽい施設を作ったりしよう」

「そうして年を取って、最後には」

「みんなに見守られながら、死んで行こう」

「幼にはちょっとだけ寂しい思いをさせちゃうけど」

「俺が先に死ぬから、幼は後から来てくれ…」

「死ぬ間際に、幸せな人生だったと言うから。きっと言うから」

41 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:02:05 zMY8Vo4w 41/57

「おい!」

「あい?」

「目を覚ませ!」

「…」

「どうしちゃったの、急に!」

「意味解んないっ!」

42 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:04:15 zMY8Vo4w 42/57

「意味解んなくはないだろう、高校3年生なんだから」

「解んないよっ!」

「で、どうだった?俺の人生設計は」

「えっ?あっ…あのっ…私、そのっ」

「途中ちょっと、アレだったけど…その…」

「そ、それに場所も…もっと…その、さ」

「こ、こんな電車待ってるホームでじゃなくて…」

「でも、その、あの…えぇーと…」

「…」

「…何よ、その顔」

43 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:04:48 zMY8Vo4w 43/57

「あれぇー?あれあれぇ~?」

「ひょっとして、幼さん、お顔が赤くなってないですかぁ?」

「な、なってない!」

「いやいやー。ゆでダコみたいですよ~ぉ?」

「う、うっさい!ハゲ!両足ともドブに落ちろ!バカ!」

「ハゲてないし、ドブにも落ちん!」

「腰まで肥溜めに落ちろ!」

「この辺りに肥溜めなんてないだろ」

44 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:05:19 zMY8Vo4w 44/57

「こ、このっ…このっ!」
ブンッブンッ!

「ははは!そんな蹴り、この俺には当たらんよ!」

「騙したな!うー!嘘つきめっ!」

「…」

「何よ!またニヤけ面して馬鹿にするつもり?」

「いやいやー」

45 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:05:54 zMY8Vo4w 45/57

「俺もお前もさー」

「何よ」

「つくづく、勢いだけで生きてるよなーと思ってさ」

「はぁ?私はちゃんと考えて行動してますけど?」

「ちゃんと考えた上で、朝6時に他人の部屋に突撃してきたなら」

「お前、相当ウザいぞ?」

「乙女に向かってウザいとか言うな!普通に傷つくよ!」

46 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:06:25 zMY8Vo4w 46/57

「でも、俺も相当ウザい方だと思うんだよなぁ」

「そうね!それには同意するわ!」

「あんたは…」

「なぁ、幼」

「な、何よ」

「こんな俺たちって、似合いのカップルになれると思わないか?」

「はぁ?ま、またそんな事言って!!」

47 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:06:59 zMY8Vo4w 47/57

「今度は真剣」

「て言うか、さっきのも真剣だったよ、最初の方は」

「え?」

「俺、お前の事、本当に大好きなんだ」

「なっ!?」

「照れ隠しで、変な話しにしちゃったけどさ」

「普段も、恥ずかしいから、こんな事言わないけどさ」

48 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:07:51 zMY8Vo4w 48/57

「本当に、大好きです、幼さん」

「俺と、結婚を前提に、お付き合いして貰えないでしょうか?」

「ば、馬鹿じゃないの?」

「幼、俺は正直な気持ちを伝えたぞ?」

「う…」

「お前も、一度くらいは素直になってみないか?」

「…」

49 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:08:28 zMY8Vo4w 49/57

「…本当に俺の事、何とも思ってないなら、きっぱり振ってくれ」

「…」

「…ひょっとして、あの約束、覚えてる?」

「おう。小2の時に約束したもんな」

「幼の18歳の誕生日に、プロポーズ、な?」

「小4の時、私の事、大嫌いって言ったくせに…」

「今さら、こんな事言うなんて、どう言うつもりよ!」

「あれは、まぁ、照れ隠しだよ。若気の至りって奴」

50 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:09:09 zMY8Vo4w 50/57

「俺は『今』の気持ちを伝えたぞ?」

「…う」

「どうなんだ?俺の事、嫌いか?」

「き、嫌いじゃ、ない…」

「じゃあ好きか?」

「…」

51 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:09:39 zMY8Vo4w 51/57

「…私も」

「ん?」

「私も一度くらい…素直になってみようかな」

「…」

「アンタの事、大好きだよ、男…」

「俺もだよ、幼」

「…」

「…」

52 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:10:01 zMY8Vo4w 52/57

「プッ!」

「ブハッ!」

男・幼「あははははっ!」

「あははっ!何?今の空気!」

「すまん!俺のせいだ!はははっ」

「20年前の少女漫画かっ!」

「90年代のトレンディドラマかっ!」

男・幼「あははははっ!」

53 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:10:36 zMY8Vo4w 53/57

「て言うかさぁ」

「おう」

「私達には合わないよ、今みたいな空気は!」

「…だな!」

「好きなのは本当だけどねっ!」

「それは俺もだ!」

54 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:11:23 zMY8Vo4w 54/57

「でも、いつも通りが一番楽しいよ!」

「まったくその通りだな!」

「それじゃ、改めて…帰ろうか、我が家へ!」

「おう!」

「えへへ。手でも繋いでみる?」

「やめろよ、バカ。リア充みたいだろ?」

「だねー。見ず知らずの誰かから、爆発しろって言われちゃう!」

「そうだそうだ。俺たちは世のリア充達に」

「爆発しろって言う側の人間であるべきだ!」

55 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:11:49 zMY8Vo4w 55/57

「あ、でもこれくらいは良いでしょっ?」

「ん?」

チュッ

「な、何すんだ、お前!」

「頬っぺにチューくらい良いでしょ?」

「今日、私の誕生日なんだから!」

「…俺へのプレゼントみたくなってるぞ?」

56 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:12:43 zMY8Vo4w 56/57

「そう思うなら…男からも、して?」

「…誕生日、おめでとう、幼」

サッ
チュッ

「なっ!今、口に!」

「…男?」

「ち、違う!俺じゃない!」

「お前が急に振り向くから…」

58 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/14 21:13:48 zMY8Vo4w 57/57

「俺は頬っぺたにするつもりだったんだ!」

「今のは事故だぞ?」

「事故じゃないです!わざとです!わざと振り向きました!」

「な、なんだとぅ!?」

「いいじゃん!私が本当に欲しい物、くれたんだから!」

「最高の誕生日プレゼントだよ、男っ!イェーイ!」

「イェーーーイ!」

「イェーーーイ!」






駅員「くそっ…リア充、爆発しろ…」ボソッ



おわり

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