1 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 20:58:24 fsMam.R6 1/66

「うん。また10円拾っちゃった」

「いくら10円玉とは言え、一日に2回もお金拾うもんかね」

「えへへー。いいでしょー」

「ホント、幼は運が良いよなー」

「注意深いって言って欲しいよ」

「それ、俺と会話しながら、地面を見てたって事だよな?」

「注意深く…なぁ?」

元スレ
幼馴染「ラッキー!」男「また?」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1344254304/

2 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 20:58:55 fsMam.R6 2/66

「いやぁ、たまたま、ふっと見たら、10円落ちてたんだよ」

「それを鋭い観察力で、気付いたんだから」

「私が偉いんだよ」

「はー」

「普段はちゃんと、男の顔と前方を交互に見てるよ?」

「…怪しいもんだ」

「ホントだよ?」

「はいはい」

3 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 20:59:29 fsMam.R6 3/66

「それにしても20円か…これ、交番に届けるべき?」

「いやぁ、届けられても逆に困るんじゃね?」

「んー。じゃあ、どこかに寄付しよう!」

「使っちゃえよ」

「20円で何が出来る?」

「そっと財布の中にしまえばいいじゃん」

4 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:00:03 fsMam.R6 4/66

「解ってないなぁ、男は」

「何が?」

「この20円をお財布に入れたとしてね?」

「うん」

「一体私は何を得るのかな?」

「日本の通貨で20円だろ?」

「違うよ、男。全然違う」

「何が?」

5 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:00:44 fsMam.R6 5/66

「得るのは、軽い罪悪感…だよ」

「は?」

「人のお金を盗っちゃったっていう罪悪感」

「20円でねぇ…」

「少なくとも私はそうなの!」

「だから寄付か…」

「コンビニに行こう!」

「あぁ、俺も喉渇いたし、寄って行こう」

6 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:01:34 fsMam.R6 6/66



店員「丁度頂きます」

「はい」

「ありがとうございましたー」

「この20円は寄付でーす」
チャリンチャリン

店員「ありがとうございますー」

「いえいえ」

7 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:02:14 fsMam.R6 7/66

店員「あ、お客様ー」

「はい?」

店員「ただいまキャンペーン中でしてー」

店員「この箱の中から一枚、クジを引いて下さい」

「はいはいーっと」
ガサゴソ
ピラッ

「これで!」

8 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:03:11 fsMam.R6 8/66

店員「はい…おめでとうございます。景品はこちらになります」

「え?ぬいぐるみ?」

「マジで?幼、またまたラッキーだな」

「イェイ!」

幼女「…」
ジー

「ん?お嬢ちゃん、どうしたの?」

幼女「…」
ジーー

9 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:03:36 fsMam.R6 9/66

「コレ、欲しいの?」

幼女「…」
コクン

「じゃあ、コレあげる!」

幼女「え!ほんとにー?」

「ホントに!はい、どうぞ!」

幼女「わーい!おねーちゃん、ありがとう!」

10 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:04:09 fsMam.R6 10/66

幼女の母「あ、あら、この子ったら…すみません…」

「あ、全然気にしなくていいですよー」

「私より娘さんが持ってた方が絵になりますよ!」

幼女の母「本当にありがとうございます」

「いえいえー」

幼女「おねーちゃん、ありがとうございました!」

「ん!良いお返事!」

11 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:05:06 fsMam.R6 11/66

幼女「それじゃ、おねーちゃんにはこのきれーな、ちらしをあげる!」

幼女「わたしのたからものだけど、おねーちゃんにあげる!」

「ありがとー。お嬢ちゃん」

幼女「ばいばーい!」

「ばいばい!」

12 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:05:52 fsMam.R6 12/66



「…で、何を貰ったんだ?」

「祭りのチラシだね」

「てだこまつり、今度の土日だって」

「マジでか?」

「私、まだ先だと思ってたよ」

「俺はすっかり忘れてたぜ」

13 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:06:23 fsMam.R6 13/66

「今年も行く?」

「おう、行こうぜ」

「二人で?」

「二人で!」

「…楽しみだねっ」

「おうっ!」

14 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:06:57 fsMam.R6 14/66




「おーい、幼ー!」

「そろそろ行こうぜー!」

「もうちょっとだけ待っててー」

「おーう」

「…」

15 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:07:52 fsMam.R6 15/66

「しかし暑っついなぁ…。もうすっかり夏だなー」

「あー、これ、日焼けするかも」

「…松崎しげるくらい黒くなるかも」

「…」

「おーい、幼!まだかー?暑すぎてたまらんのだがー?」

「…よっと。お待たせー」

16 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:08:31 fsMam.R6 16/66

「おぉ!浴衣かよ!」

「えへへー。いいでしょ?」

「おぉー。良いな、似合ってるな!」

「お母さんに着付けして貰ってたんだよ」

「なるほど」

「髪も上げてみましたー。どう?」

「すげー似合ってるよ、幼」

17 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:09:19 fsMam.R6 17/66

「正直、超綺麗だ」

「えへへ、ありがとねっ」

「それじゃ、行こうか!」

「おうよ!」


「さて、まず何食べようかね?」

「そうだねー。私、結構お腹すいてるよー」

18 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:10:03 fsMam.R6 18/66

屋台の客引き「さぁ、お客さんどうぞどうぞ!」

屋台の客引き「町内一焼きそば焼くのが上手い男が焼いた焼きそばですよ!」

屋台の客引き「今日食べないと、明日は食べられないかもしれませんよ!」

屋台の客引き「さぁどうぞどうぞ!」

焼きそば焼き係「おい!変な客引きするな!」

焼きそば焼き係「て言うか、明日もここで焼きそば焼くんだろ?」

焼きそば焼き係「だから明日も食べられるだろ!」

19 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:10:48 fsMam.R6 19/66

「…何だか、あそこの屋台の客引き、面白いね?」

「んじゃ、最初は焼きそば食べようぜ!」

「私、買ってくるよ!」

「んじゃ、頼むー」

「すいませーん。焼きそば2つ下さい」

屋台の客引き「あ、毎度ありがとうございます!」

焼きそば焼き係「あざーっす」

20 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:11:19 fsMam.R6 20/66

「はい、どうぞ」

「サンキュー。これ、飲み物は買っておいた!」

「ありがとー。さすが気配り上手!」

「褒めても、ファンタしか出ないぞ?」

「えへへー」

「歩きながら食うか?」

「あそこにベンチあるよ。座って食べよう?」

「そうだな。食べにくいもんな」

21 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:12:14 fsMam.R6 21/66



「…この焼きそば、美味いな」

「ホント、美味しいね」

「次、どうする?金魚レスキューしたりする?」

「却下です。男、金魚を助け過ぎだよ」

「今、男の家の水槽に金魚何匹いる?」

「30匹だな」

22 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:13:20 fsMam.R6 22/66

「去年、すくい過ぎたんだよ」

「あんなアロワナ飼う用の水槽で金魚飼うっておかしいからね?」

「だから今年は金魚すくいは無し!」

「でも花火始まるまで、結構時間あるぞ?」

「あ、あそこに居るの、幼友ちゃんだ。おーい!」

幼友「あ!幼!それに男も!」

「おーう。幼友も来てたんだな」

23 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:13:59 fsMam.R6 23/66

幼友「色々事情があってねー。今回は運営側で参加だよ!」

幼友「て言うか、幼、浴衣超似合ってるね!可愛い!」

「えへへ。ありがと。幼友ちゃんも似合ってるよー」

幼友「あ、そうだ!丁度良かった!」

「ん?」

幼友「幼、ちょっとさぁ…」

24 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:15:56 fsMam.R6 24/66



「…どうしてこんな事に」

司会「さぁ、次の浴衣美人は、こちら!」

司会「エントリーナンバー5番!清楚系美人の幼さんです!」

司会「ぶっちゃけ、好みのタイプです!」

司会「お付き合いされてる人は居るんですか?」

25 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:17:17 fsMam.R6 25/66

「い、いえ…いませんけど」

司会「じゃあ、僕なんてどうですかねぇ?」

「ごめんなさいっ」

司会「ワーオ!即答で振られちゃいました!」

「ホントごめんなさいっ」

司会「二度もダメ出しされました!ご馳走様でした!」

26 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:17:53 fsMam.R6 26/66

司会「それじゃあ、会場の皆さんに一言どうぞ!」

「そ、そんな事急に言われても、困っちゃいます…」
モジモジ

司会「モジモジする姿も可愛いですね!」

「あ、ありがとうございます」

司会「それでは、大和撫子な挑戦者に大きな拍手を!」
パチパチパチパチパチ

27 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:18:40 fsMam.R6 27/66



「…はぁ、緊張したー」

幼友「良かったよー、幼」

「急に浴衣コンテストに出ろって言われても困るよー」

幼友「いやあ、イベント運営してるのが私の叔父さんでさー」

幼友「ちょっとエントリー人数が少なかったんで、困ってたんだよ」

28 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:19:25 fsMam.R6 28/66

「まぁ、枯れ木も山の賑わいって言うもんね」

幼友「全然、枯れ木なんかじゃないよ!」

幼友「幼…優勝するかもよ?」

「えぇー、それはないでしょ」

幼友「私は幼がナンバーワンだと思うね!」

「いやいやーそれはないよー」

29 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:20:38 fsMam.R6 29/66



司会「それでは2位の発表です!」

司会「2位はエントリーナンバー5番の幼さんでーす!」

「え?私?本当に?」

司会「ささ、幼さん、前にどうぞー」

「は、はい…」

司会「惜しくも2位ですが、僕の彼女にしたいランキングでは1位でしたよ!」

「ど、どうも…」

30 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:21:05 fsMam.R6 30/66

司会「はい、それではこれ、2位の賞品!」

司会「2泊3日リゾートホテルペア宿泊券です!」

「本当に貰っていいんですか?」

司会「胸を張って!堂々と、どうぞ!」

「…あの、どうもありがとうございました!」

司会「はーい、どうもありがとうございました!」

司会「さぁ、2位までの発表が終わりました」



31 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:21:39 fsMam.R6 31/66

幼友「残念!2位だったかー」

「私なんかが2位なんて、幼友ちゃん、何かしたんじゃあ…?」

幼友「してないしてない」

幼友「大体、私にそんな権限ないし!」

幼友「ていうか、堂々としなよ、幼!」

幼友「あんたは輝いてるよ!」

幼友「私の自慢の親友だよ!」

32 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:24:12 fsMam.R6 32/66

「…ありがと」

幼友「さ、男の奴が外で待ってるよ」

「うん!」

幼友「…そのリゾートホテルさ、男と二人で行ってくれば?」

「なっ…もう!変な事言わないでよ、幼友ちゃん!」

幼友「…でもさ、本当に良い機会じゃない?」

「何が?」

33 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:25:18 fsMam.R6 33/66

幼友「あんた、昔から男一筋じゃない?」

「それは!そうだけど…」

幼友「だから、その宿泊券が、良い切っ掛けになったらイイねって事!」

「…」

幼友「あ、引き止めてごめんね!男と2人で、祭り楽しんできて!」

「うん!」

34 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:26:01 fsMam.R6 34/66



「惜しかったな、幼」

「いやいやー。2位でも充分、身に余るよー」

「俺は幼に一票入れたぜ?」

「えへへ。ありがとう」

「あー…ちょっとすまんが、トイレに行ってくる」

「冷たい物飲みすぎたみたいだ」

「わかった。ここで待ってるね?」

「おう!すぐ戻る!」

35 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:27:05 fsMam.R6 35/66



優勝した女の子「あのー」

「はい?」

優勝した女の子「突然すみません。さっきの浴衣コンテストで2位だった人ですよね?」

「はい、そうですけど…あたなは優勝した人ですよ…ね?」

優勝した女の子「そうそう。突然ごめんねー?」

「いえいえ。何かご用ですか?」

36 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:28:03 fsMam.R6 36/66

優勝した女の子「あのね…良ければこれ、貰って下さいっ!」

「え?優勝賞品じゃないですか?何で?」

優勝した女の子「あのー、私、千葉から旅行で来ててね」

優勝した女の子「正直、この旅行券、要らないんですよ」

優勝した女の子「だから、良ければ、ね?」

「でも、申し訳ないですよー」

優勝した女の子「良いから良いから!これも何かの縁だから!」

「…あ!だったら!」

37 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:28:45 fsMam.R6 37/66



(結局、貰っちゃった…て言うか、交換しちゃった…)

(旅行券…か)

(男と…二人で…)

(思い切って、誘ってみようかな…)

(…うん。勇気、出してみよう!)

38 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:29:18 fsMam.R6 38/66



「お待たせー。トイレめっちゃ混んでたぜー」

「あ、あのさ男」

「ん?何?」

「浴衣コンテストで優勝してた女の人がさ」

「さっき、ここを通りがかったんだけど」

「あぁ、そうなんだ?」

「こんなの貰った…」

39 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:30:29 fsMam.R6 39/66

「…3泊4日ディズニーランド旅行券?」

「え?これ、優勝賞品じゃん!」

「私のと交換しちゃった」

「どう言う事?」

「優勝した人、千葉から来た人らしくてね」

「これ、要らないんだって」

「タダでくれるって言うから」

「私の賞品と交換したんだー」

40 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:31:30 fsMam.R6 40/66

「はー!幼、マジでわらしべ長者かよ!」

「元をたどって行けば、20円拾った所からスタートだからな」

「そう?」

「だって、20円拾わなかったら、コンビニ行かなかっただろ?」

「コンビニ行かなかったら、クジでぬいぐるみ貰えなかっただろ?」

「ぬいぐるみを女の子にあげなかったら」

「祭りのチラシ、貰えなかっただろ?」

41 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:32:30 fsMam.R6 41/66

「あのチラシが貰えなかったら、祭りの事忘れたままだっただろ?」

「祭りに来なかったら、浴衣コンテストに出る事も」

「準優勝する事も無かっただろ?」

「うーん。そうかなー?言われてみればそうかもー?」

「そうだろう」

42 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:33:19 fsMam.R6 42/66

「しかし、ディズニーランドかよー」

「すげーラッキーだな、幼」

「あ、あのさ、男」

「ん?」

「良ければ一緒に行かない?」

「は?」

43 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:34:11 fsMam.R6 43/66

「これ、ペア旅行券だし」

「マジ?」

「もし、男が嫌じゃなければ、ね?」

「…俺で良いのかよ?」

「ん?」

「その…幼友の奴とか、女さんとか居るだろ?」

「男、私と旅行に行くの、嫌?」

「い、嫌じゃないけどさ…」

44 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:35:29 fsMam.R6 44/66

「ならいいじゃない?行こうよ!」

「…おう、わかった。一緒にディズニーランド行こうぜ!」

「うんっ!出来ればこの夏休み中に行こうね?」

「課題、頑張って片付けとかないとなー」


(幼と旅行…しかも3泊?)

(…マジかよ)


(オッケーしてくれた!これは…)

(本当に良い切っ掛けになる…かな?)

45 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:37:40 fsMam.R6 45/66




「ラッキー!」

「また?」

「はい、本日アイス2回目の当たりです」

「まだ食べるのか?」

「さすがに3本目はキツイかなー?」

「明日以降に食べるって選択肢は無いのかよ」

「これ、店のおばちゃんにも疑われるレベルだよなー」

46 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:38:40 fsMam.R6 46/66



少年「おーい、少女、お前何にする?」

少女「私はコレ!」

少年「じゃあ、俺はコレだな!」

少年「おばちゃーん!コレくださーい!」

おばちゃん「はいよ。二つで160円ね」

47 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:39:28 fsMam.R6 47/66

少年「あ…あれ?財布がない…」

少女「えー?私80円しかないよー?」

少年「…じゃあ、少女だけ買えよ」

少年「おばちゃん、こっちはキャンセルね、キャンセル」



48 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:40:05 fsMam.R6 48/66

「なぁ、幼」

「…うん、ちょっと行ってくるね」


「ねぇ、君」

少年「なに?お姉さん」

「この当たり棒を君にあげよう!」

少年「マジで?」

「マジだよー」

49 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:41:07 fsMam.R6 49/66

少年「何で?何で俺に当たり棒くれるの?」

「お姉ちゃんは今日2本もアイス食べたからねー」

「それに、女の子の方も一人だけでアイス食べるなんて、寂しいでしょ?」

少女「…うん」

「だから、はい、コレ!」

少年「お姉ちゃん、どうもありがとう!」

おばちゃん「幼ちゃん、相変わらず優しいねぇ」

「いえいえそんなそんな。えへへ」

50 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:41:58 fsMam.R6 50/66

少年「じゃあ、おばちゃん、コレもください!」

おばちゃん「はいよ。毎度ありがとうね」

少年・少女「お姉ちゃん、どうもありがとう!」

「二人、仲良くね?」

少女「はい!」

少年「あっちの公園で食べようぜ!」

少女「うん!」

「じゃあねー」

51 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:42:32 fsMam.R6 51/66



「お疲れ様っしたー」

「私、良い事したよね?」

「うん。良い事したなー」

「えへへ。褒めても良いんだよ?」

「俺の幼馴染は偉い!」
ナデナデ

「ちょ、ちょっと恥ずかしいよ、男」

「まあまあ」
ナデナデ

52 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:43:13 fsMam.R6 52/66

「さっきの子達さ…」

「ん?」

「昔の私達みたいだったね」

「そうだなぁ」

「何か、昔の事、思い出しちゃったよ」

「昔の事?何を思い出したんだ?」

53 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:43:59 fsMam.R6 53/66

「聞いたら、男、絶対赤面するよ?」

「それでも聞く?」

「言いたくてウズウズしてるくせに!」

「バレたか、えへへー」

「昔、あの子達くらいの頃」

「ここでアイス食べながらした約束覚えてる?」

「…」

54 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:45:07 fsMam.R6 54/66

「それを不意に思い出したんだー」

「俺はその約束をしっかりと覚えているが?」

「えー、ホントにー?」

「本当だ」

「じゃあ、あの時何て言ったか言ってみてよ」

「そのアイスの当たり棒を俺にくれるんなら」

「幼ちゃんを俺のお嫁さんにしてもいいんだぜ?」

「…だろ?」

55 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:45:59 fsMam.R6 55/66

「ふふふー。本当に覚えてたんだねー?」

「あんまりニヤニヤするなよ」

「ほら、恥ずかしい事になっちゃったでしょ?」

「…上から目線で、恥ずかしいガキだったな、俺は」

「…でも、嬉しかったんだよ?」

「…そうか」

「ね、あの約束、今も有効かな?」

56 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:47:24 fsMam.R6 56/66

「あのなぁ、幼」

「無効だったら、一緒に旅行なんて行く訳ねーっつの」

「良かった…」

「口に出して言った事なかったけどさ」

「うん?」

「俺、幼の事、大好きだぜ」

「もちろん、異性としてな?」

「ありがとう!私もだよ、男!」

57 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:48:13 fsMam.R6 57/66

「男と一緒に居ると、落ち着くけど、たまにドキドキする」

「男の事、ずっと見ていたいけど、見てると恥ずかしくなる」

「ずっと傍に居たいと思う」

「私、男の事大好きなんだなー、と思う」

「別に言葉一つで私たちの関係が変わると思わないけど」

「男くん、私とお付き合いしてください!」

「えへへ。商店の店先で、ベンチに座ってする会話じゃなかったかな?」

58 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:50:58 fsMam.R6 58/66

「…ありがとうな、幼」

「こんな、何の取り柄もない、俺で良ければ」

「お付き合いして下さい」

「俺の彼女になって下さい」

「はいっ!」

「えへへ。良かったー」

「そうだなー。長年の片想いが実った気がするぜ」

「ずっと一緒に居たのにねー」

59 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:52:04 fsMam.R6 59/66

「本当はね」

「うん?」

「旅行の時に、言おうと思ってたのになー」

「あの子達見てたらね」

「何か『今、言いたいな』って思っちゃった」

「そっか…」

「言えて、良かったよ」

「…来週の旅行、楽しみだな」

「…うん。楽しい旅行になるよね、きっと!」

60 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:53:14 fsMam.R6 60/66



「それにしてもさ」

「ん?」

「あの少年もラッキーだったな」

「何が?」

「俺たちが店先のベンチに座ってアイスを食べていなければ」

「あの子はアイスを食べられなかった訳だ」

「んー?」

61 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:54:15 fsMam.R6 61/66

「幼がここにいて、本日2回目の当たり棒を手にしてて」

「ちょっと持て余してたからこそ、彼はアイスを食べられた訳だ」

「ラッキーじゃね?」

「でもその前に財布落としたかもしれないから、アンラッキーかもよ?」

「財布は家に忘れただけかもしれないだろ?」

「それもそうか」

62 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:55:08 fsMam.R6 62/66

「でも本当にラッキーなのは、やっぱり幼か」

「ん?」

「持て余したアイスの当たり棒一本で」

「良い事が出来たし、良い光景が見られた」

「確かにねー」

「羨ましいぜ、その幸運」

63 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:56:17 fsMam.R6 63/66

「あー、でも今回は俺もラッキーだったか」

「んー?」

「幼、あの子達とのやり取りで、昔の約束を思い出したんだろ?」

「うん」

「それで、こんな店先で、お互いの想いを伝えられたんだから」

「俺もラッキーだったぜ」

「えへへ。そうかなー?」

64 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:57:02 fsMam.R6 64/66

「でもね、男。私の一番のラッキーはね」

「ん?」

「小銭を拾ったり、アイスが当たったり」

「わらしべ長者的に旅行券を手に入れたり」

「そう言う事じゃないと思うんだー」

「いや、充分ラッキーだろ?」

65 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:58:14 fsMam.R6 65/66

「…ううん。そんな事じゃなくてね」

「物心ついた時から…」

「大好きな人が、ずっと隣りに居てくれてる事が…」

「一番の幸運だと思うんだー」

「いや、これは幸福?ラッキーじゃなくてハッピーかな?」

「…おぉ」

「男、大好きだよ」

「…俺もだよ、幼。大好きだ」

66 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/08/06 21:59:08 fsMam.R6 66/66

「こ、これからは只の幼馴染じゃなくて…」

「恋人として、ずっと傍に居てね?」

「…おぅ」

「…男が恥ずかしがって目を瞑ってくれて、ラッキー!」
チュッ

「ばっ!?何を…」

「ふふふー。油断したね、男っ!」

「私って本当に、ラッキーだよねっ」

「そ、そう…かな?」

「ずっとこのラッキーとハッピーが続きますようにっ!」




おわり

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