兄「おーい」ドンドン
兄「飯だぞー」
兄「……」
兄「入るぞ?」
兄「……」ガチャガチャ
兄「鍵が……」
母「どう?」
兄「だめだ」
母「どうしたのかしら……?」
兄「最近、部屋に篭る時間が多くなってきてたけど……今日は一度も部屋から出てきてないんじゃないか?」
母「はぁ……」
元スレ
兄「妹が部屋から一向に出てこない」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1323007832/
翌日
兄「おい!朝だぞ!!学校はどうするんだ?!」ドンドン
兄「……」ガチャガチャ
兄「だめか……」
母「どう?」
兄「だめだな」
母「まさか……死んで……?」
兄「母さん」
母「ごめんなさい……」
兄「でも……本当にどうしたんだ……」
母「パソコンを買ってからよね……出てこなくなったの……」
兄「そういえば……」
兄「パソコンが原因か……?」
母「でも……あれはあの子がお小遣いとかお年玉を10年かけて貯めて買ったものだからねえ」
兄「……」
母「どうする?」
兄「母さん、そろそろ仕事でしょ?」
母「うん」
兄「俺がもう少し説得してみるから」
母「わかったわ……あなたも大学、遅れちゃだめよ?」
兄「うん」
母「行ってきます」
兄「行ってらっしゃい」
兄「……」
兄「おい!いるんだろ!!あけろ!!」ドンドン
翌日
兄「おーい!!」
母「だめ?」
兄「……三日目は流石に看過できないぞ」
母「……」
兄「母さんはほら、仕事に行かなきゃ」
母「え、ええ」
兄「いってらっしゃい」
母「行ってきます……」
兄「……」
兄「あけろ!!いい加減にしろよ!!」ドンドン
兄「……」ガチャガチャ
兄「……」
兄「よし……無理やり入ってやる」
兄「……」カチャカチャ
兄「……」ガチャン
兄「開いた……よし」
兄「……」ギィィ
兄「……うっ!?」
兄(なんだ……公衆便所みたいな臭いが……)
妹「……」カタカタ
兄「お、おい……」
妹「え、えへへ……レアアイテム……ゲット……」カタカタ
兄「ヘッドフォンしてる……」
兄「!?」
兄「なんだ……あいつの足元に黄色い液体がはいったペットボトルが……いくつも……」
兄「うっ……このビニール袋から変な臭いが……なにがはいってるんだ……?」
兄「……」ガサガサ
兄「!?」
兄「……」
兄「これって……あれだよな……」
妹「えへへ……いいですよー……いきましょう……」カタカタ
兄「……」
兄「とりあえず部屋を片付けないと……」
兄「このままじゃ虫がわくしな……」
兄「……」ゴソゴソ
妹「うへへへ……」
兄「……」ガサガサ
兄「……このペットボトルも捨ててこないと」
兄「……」
妹「……」カタカタ
妹「……」ブルル
妹「おしっこ……」
妹「あれ……?ペットボトルがない……?」
妹「……」キョロキョロ
妹「……」
妹「……ゴミ箱でいいや」
妹「よいしょ……っと」
妹「……ん……」チョロロロ
妹「はぁ……」ジョボボボボ
妹「よし」
妹「……」カタカタ
兄「―――やっと処理できた」
兄「……げ?!」
兄「こいつ……ゴミ箱に……これも捨ててくるか」
妹「……」カタカタ
兄「……よくみりゃ、床に飛び散って……汚れ放題だな」
兄「……拭くか」
妹「えへ……へへ」カタカタ
兄「……」ゴシゴシ
妹「えへ……やだぁ……」カタカタ
兄「……」ゴシゴシ
妹「そんなぁ……えへへ」カタカタ
兄「……」ゴシゴシ
兄「よし……」
妹「私と結婚するんです?」カタカタ
兄「……」
妹「うふふふ」カタカタ
兄「……おい」
妹「うへへ」カタカタ
兄「ヘッドフォンとれ!!!」ガバァ
妹「あ?」
兄「……」
妹「……かえせ」ゲシッ
兄「いた!?」
妹「……あ、ごめんなさい」カタカタ
兄「重症だな……」
妹「えへへ」カタカタ
兄「おいおい……お前、何日風呂に入ってないんだよ?」
妹「……」カタカタ
兄「……」
兄「よし……ちょっとまってろ」
妹「いいですねー……そのアイテム、ください」カタカタ
兄「……ぬるま湯とタオル……がいるな。大き目のバケツもか……」
兄「よっと……」
妹「げへへ……」カタカタ
兄「足から拭くぞ?」
妹「うへへ」カタカタ
兄「……」ゴシゴシ
妹「うへ……」
兄「……」ゴシゴシ
妹「うへぇ……?」
兄「指の間も……」ゴシゴシ
妹「ふぁ……」
兄「……」ゴシゴシ
妹「ぅ……ぉ……ん……」
兄「ふう……足は綺麗になったな」
妹「はふぅ……」カタカタ
兄「顔も拭くからな」ゴシゴシ
妹「わぷ……」
兄「目やにとかひげえ……」ゴシゴシ
妹「うぁ……」
兄「よし……」
妹「……」
兄「服を脱がせたいけど……」
妹「……」ビクッ
兄「流石に無理か」
妹「……」
兄「なあ……学校は?」
妹「えへへ……」カタカタ
兄「ったく……」
兄「飯だぞ」
妹「あははは」カタカタ
兄「食えよ」
妹「えへへ」カタカタ
兄「……はぁ」ガチャ
妹「……」カタカタ
バタン
妹「……おなかすいた」
妹「……」フラフラ
妹「……」モグモグモグ
妹「……」
妹「……えへへ」カタカタ
妹「ん……」
妹「……」キョロキョロ
妹「ゴミ箱にしよう」
妹「よいしょ……」
妹「ん……ぁ……」プスゥ
妹「ふ……ん……」ミチミチミチ
妹「―――あっ……はぁ……はぁ……」ボトン
妹「ん……」プチュ
妹「……」ゴシゴシ
妹「えへへ……」カタカタ
兄「はいるぞー」トントン
兄「……」ガチャ
兄「うっ?!また……あの臭い……?!」
兄「こいつ……ゴミ箱に……」
妹「えへへ」カタカタ
兄「……」ガサガサ
兄「捨ててくるな」
妹「えへへ……」
兄「……」
兄(なんで俺が妹のを処理しないといけないんだ……)
兄(でも……ほっとくわけにもいかないしな……)
妹「あははは」
兄「どうにかしないと……」
妹「あははははは」カタカタ
兄「……」
兄「……とりあえず捨ててこないと。くせえし」
翌日
母「まだだめなの?」
兄「ああ……でも、母さんは心配しないで。俺がなんとかするから」
母「わかったわ……よろしくね」
兄「うん」
兄「……」
兄「さてと」
兄「入るぞ?」ガチャ
妹「うへへ」
兄「今日は俺も学校を休むことにした。だから、話さないか?」
妹「あはは」
兄「なあ……聞こえてるんだろ?」
妹「うへへへ」
兄「どうしたら……」
兄「……」
妹「……」ブルル
兄「ん?」
妹「……」キョロキョロ
兄「どうした?」
妹「ゴミ箱……」
兄「え……」
妹「よいしょ……っと」スルルッ
兄「馬鹿!!なにやってんだ!!」
妹「え……?」
兄「トイレにいけよ」
妹「……」カァァ
兄「どうした?」
妹「変態!!!なんで部屋にいるの!!!」パシン
兄「いたっ!?」
妹「しんじられない!!!」
兄「部屋の中でする奴のほうが信じられねえよ」
妹「……」モジモジ
兄「トイレいってこいよ」
妹「うー……うー……」モジモジ
兄「もれるぞ?」
妹「でていって!!」ドガァ
兄「うお!?」
妹「ふんだ!!」バタン
兄「あ、おい!!」
兄「あいつ……」
兄「……」
兄「どうするか……」
翌日
兄「よっと……」
母「それ、どうしたの?」
兄「貯金おろした」
母「え……でも……あなたの貯金は妹のためにとってあったんじゃ……」
兄「今がそのときだから」
母「そう……」
兄「まずは理解することからはじめたほうがいいって、本に書いてあったし」
母「そうなの?」
兄「うん。俺に任せて」
母「お願いね」
兄「さてと……あいつのやってるネットゲームって確か……」カタカタ
兄「これか……」
兄「えっと……登録して……」カタカタ
兄「それから……キャラをつくるのか……」カタカタ
兄「よし」
兄「……」
兄「あいつはどこにいるんだろう……」カタカタ
兄「うーん……」
兄「キャラ名がわかれば……どこにいるかわかるのか……」
兄「よし……」
兄「―――おい、はいるぞ?」ガチャ
妹「あ……」チョロロロ
兄「あ……お前、また……」
妹「うぅぅ……!!!」カァァ
兄「トイレいけよ」
妹「でてけー!!!」ザッパーン
兄「ひっでぇ……おしっこぶっかけられた……」
兄「風呂はいろ……」
―――数十分後
兄「さてと……」トントン
兄「……」ガチャ
兄「……」
妹「もう私の兄貴がさいてーでさぁ」プンプン
兄(なんてキャラ名なんだ……?)ソーッ
妹「そう。私の放尿をみてくるんだよー」カタカタ
兄「……」
兄(フェニオール……)
兄「よし」
妹「次みてきたらうんこも投げつける」カタカタ
数十分後
兄「……」カタカタ
兄「あ、いたいた」
兄「さて……」
兄『始めまして』
妹『あ、どーも☆』
『おwwwwwwwwww新人さんwwwwwwwwwwww』
兄『はい。今日、はじめたばかりで』
妹『そうなんだー』
『よろしくwwwwwwwwwwwwwwww』
兄『はい』
兄「さて……であったのはいいけど……どうすれば……?」
妹『パーティー組みます?今、ちょうど一人抜けたとこなんですよ』
兄『それはよかった。お願いします』
妹『よろしくね☆』
妹『これあげるーwwwwwwwww』
兄『どうも』
『それで少しはマシになりましょうwwwwwwwwwwww』
兄「装備してっと……おぉ……すごい数値があがった」
妹『それじゃあ行きましょうか。簡単なところから案内しますねー』
兄『お願いします』
妹『じゃあ、最初の森からね』
兄『はい』
『うはwwwwwwwwwww』
妹『こっちだよー』
兄『はい』
兄「あいつ……この中では仕切り屋なのか……?」
数十分後
兄「あ……そろそろご飯つくらないと……」
兄『すいません。ご飯食べてきてもいいですか?』
妹『いいぞーwwwwww』
『じゃあ、ぼくも』
妹『私もたべるかな』
兄『何を食べますか?』
妹『うーん……やっぱりラーメンかなぁずるずるwwww』
兄『ラーメン、いいですね』
妹『でしょ?』
兄「……ラーメンか」
兄「……」
兄「入るぞ?」
兄「……おい」ガチャ
妹「んぁ?」
兄「今日はラーメンにしようと思うんだけど」
妹「え……あ、うん」
兄「いいか?」
妹「いいよー」
兄「……」
妹「なに?」
兄「いや……ゴミ箱が綺麗だなって」
妹「……」カァァ
兄「じゃ、ラーメン作ってくる」
妹「死ね!!!」
兄「……」バタン
妹「もう……デリカシーがないんだから……」
妹「……」
妹「でも……気が利くじゃない……」
兄「よし……」カタカタ
兄『お待たせしました』
妹『ちょっとまって、まだずるずるタイムだから』
兄『わかりました』
兄「……俺もパンかじっとくか」モグモグ
妹『―――おまたせー!!』
兄『いえいえ』
『こっちもふっかつなりwwwwwwwwwwwwwwww』
妹『じゃあ、行きましょうか』
兄『はい』
妹『いい感じのアイテム拾ったら、またあげますね』
兄『ありがとうございます』
『いざwwwwwwwwwwwwwwww』
数時間後
兄『今日はありがとうございました。そろそろ終わります』
妹『またねー』
『うむ。まだまだ険しいみちのりぞ』
兄『ええ。あ、そういえば晩御飯は?』
妹『え?』
『そういえばそろそろですな』
妹『そうだなぁ……』
兄『今日の献立とか聞きたいです』
妹『今日はハンバーグだー』
兄『おぉ』
『私はカレーですwwwwwwwwwww』
兄『なるほど。参考にします』
妹『ばいにー☆』
兄「……ハンバーグか」
兄「……おーい」ガチャ
妹「うへへへ」
兄「……」ガバァ
妹「あぇ?」
兄「ご飯は?」
妹「てきとうで」
兄「なんでもいいんだな?」
妹「いいよ」
兄「わかった」
妹「もう……普段は聞いてこないくせに……」
兄「作ってくる」
妹「んー」
兄(にしてもあいつ臭うな……やっぱり一度、風呂に入れさせるか……全身を拭かないと……)
兄「できたぞー」ガチャ
妹「ごはんたべるね……っと」
兄「ハンバーグ定食だ」
妹「あ……」
兄「じゃあな」
妹「……」
妹「なんで私の食べたいものがわかったんだろう……?」
妹「まあいいか」
妹「……」モグモグ
妹「ふぅ……」
妹「さてと……」
妹「あれ?あの人が戻ってきてる……」
妹『どうしたのー?』
兄『少し相談したいことが』
妹『なになにー?なんでもいってよー』
兄『動けない人をお風呂に入れたいのですが』
妹『どゆことー?』
兄『そのままの意味です』
妹『おふろかー』
兄『お風呂どうされてます?』
妹『私は一日二回はいるよー』
兄『へえ』
兄「なんで嘘つくんだ……?」
兄『綺麗好きなんですね』
妹『まあねえ』
兄「本当はお風呂に入りたいのか……?」
兄『拭くだけでも気持ちいいものですか?』
妹『いちどやったことあるけど、いいよー。全然ちがうね』
兄「そうか……あの時、気持ちよかったのか……」
兄『ありがとうございます。参考になりました』
兄「……」トントン
兄「入るぞ?」ガチャ
妹「ふへへへ……」
兄「……よっこいせ」
妹「……」ピクッ
兄「さてと……」
妹「……」カタカタ
兄「今から体拭くからな」
妹「……」カタカタ
兄「よし……まずは顔からだ」ゴシゴシ
妹「うぷぁ……」
兄「髪もギトギトじゃないか……」
妹「うー……」
兄「次、腕な」
妹「……」ガタガタ
兄「よっと」ゴシゴシ
妹「ふにゃ……」
兄「指の間も……」ゴシゴシ
妹「ふぇ……」
兄「うし」
妹「……」カタカタ
兄「次は背中だな」ガバ
妹「……!?」ビクッ
兄「よいしょ……」ゴシゴシ
妹「……」
兄「前も拭くぞ?」
妹「……!?」ビクッ
兄「脱がなくていい。このまま拭くから」モゾモゾ
妹「ふぁぁ……」ゾクゾク
兄「ちゃんと胸も拭かないと」モゾモゾ
兄「脇は拭きにくいな……」モゾモゾ
妹「くっ……ふぃ……」
兄「お腹も……」ゴシゴシ
妹「ふっ……はぇ……」
兄「足にいくか」
妹「はぁ……はぁ……」
兄「……」ゴシゴシ
妹「……」
兄「……」ゴシゴシ
妹「ふぇ……」カタカタ
『どうしたーwwwwwwwwwwwww寝落ちかwwwwwwwwwwwww』
妹『ごめん。すこしまってて。お風呂入ってくるから』
『おけwwwwwwwwwwwww』
兄「お前……股間とかちゃんと拭いてるか?すっげー臭うけど……」
妹「え……あ!?ちょっと!!」
兄「なんだよ?」
妹「な、なにしてるの……」
兄「風呂にはいらないから、拭いてやってんだよ」
妹「それは……ありがとう……なんだけど……」
兄「ほら……」ゴシゴシ
妹「ふぁ……ん……」ビクビク
兄「足を閉じんな」
妹「だめだって……」
兄「……」ゴシゴシ
妹「あぃ……ひ……」ゾクゾク
兄「ほら。こんなに汚れてんぞ?」
妹「み、みせないで!!」
兄「お尻は?」
妹「へぇ!?」
兄「お尻も拭いてやるよ。ほら、四つんばいになって」
妹「やめて!!!」
兄「でも……」
妹「やめろ!!!」バッ
兄「あ……タオル……自分で拭くか?」
妹「うぅぅ……!!!」カァァ
兄「不衛生だし、拭いとけよ」
妹「出て行って……」
兄「ちゃんと拭くか?」
妹「拭くから出て行って!!」
兄「わかった」ガチャ
バタン
妹「……」スルルッ
妹「ん……」ゴシゴシ
妹「……うわ……すごい汚れた……」
妹「ん……」ゴシゴシ
妹「……うわぁ」
妹「タオルが……変色しちゃった……」
妹「えーと……」
妹「バケツのお湯で……」
妹「うわ……お湯も既に色んなものが浮いてる……」
妹「……」
妹「でも……お兄ちゃんがこのお湯の中に何度も手を……」
妹「うぅ……」
兄「そろそろいいかー?」ガチャ
妹「ひゃっ?!」
兄「お前……パンツぐらいはけよ。ほら、洗濯したてのを―――」
妹「さいてー!!!!」ベチャ
兄「うわっぷ!?おまえ!!尻を拭いたタオルを顔に投げつけんな!?」
妹「でていってー!!!」ザッパーン
兄「……」ビチョビチョ
兄「全く……風呂にはいるか」
妹「はぁ……はぁ……」
妹「……」
妹「はぁ……」ヘナヘナ
妹「……」
妹「なんなのよ……もう……」
妹「ほっといてよ……」
妹「駄目なのはわかってるけど……やめられないんだもん……」
妹「……」
『まだかぁwwwwwwwwwwwwwまぎかぁwwwwwwwwwwwwww』
妹「……」カタカタ
妹『おまたせー☆』
数日後
兄『今日もよろしくおねがいします』
妹『おっはよー』
兄『今日はどこまでいきますか?』
妹『そうだねえ……私についてこーい☆』
兄『はい』
妹『あ、ちょっと待って』
兄『はい』
兄「……」ガタッ
兄「……」スタスタ
兄「入るぞ」ガチャ
妹「―――きゃぁぁぁ!!?!!?」
兄「いい加減、トイレ行け」
妹「でていって!!!」
兄「トイレいけって。いつまでゴミ箱に股を開けば気が済むんだ?」
妹「も、もう出始めてるから……むりぃ……」ジョロ
兄「あー……」
妹「みるなぁ!!!」ジョロロロロ
兄「……」
妹「みないでぇ……」チョロロロロ
兄「終わったか?」
妹「……」コク
兄「じゃ、持ってくな」
妹「……」
妹「最近、すごいタイミングはいい……」
妹「もしかして……お兄ちゃん……」
妹「私のこと監視してる……?」
妹「隠しカメラとかあるの……?」キョロキョロ
兄『まだですか?』
妹「あ……」カタカタ
妹『ごめんねー』
兄『いえ』
妹『じゃあ、行こうか』
兄『あの……素朴な疑問なんですけど』
妹『なに?』
兄『ずっとこっちにいますよね?疲れないんですか?』
妹『そんなことないよー』
兄『そうなんですか?』
妹『だってちゃんと寝てるし、ご飯もたべてるしー』
兄『流石ですね』
妹『まあね』
兄『でも体には気をつけてくださいね。会えなくなるのは悲しいですから』
妹『うん、わかった。ありがとー☆』
妹「……」
妹『やさしーね』
兄『いえ。いつもお世話になってますし』
妹『そうかなぁ?』
兄『貴方ぐらい僕の妹にも可愛げがあればよかったんですが』
妹「妹いるんだ……」
妹『どんな妹さんなんですか?』
兄『生意気でずぼらで出不精です』
妹「……」
妹『そうなんだー』
妹(ま、兄ってこんなもんだよねー)
兄『でも』
妹「……?」
兄『とても思いやりがあって、優しいんですよね。兄の僕にはそんなところ見せませんが』
妹『ふーん』
兄『本当は可愛いんですけどね』
妹『兄貴ってそう思うものなの?』
兄『まあ、家族ですし。心から嫌いになることなんて滅多にないんじゃないですかね?』
妹「へえ……」
妹『じゃあ、本当は好きなだったりするの?』
兄『やっぱり素直な気持ちなんて言えないじゃないですか』
妹『なるほどー☆』
兄『ま、そんなもんですよ』
妹「……」
妹「……」カタカタ
妹『聞きたいんだけど。妹の放尿をのぞきみたり、やたらと胸とか股間を触ってくる兄ってどう思う?』
兄『え?なんですか?』
妹『同じ兄としてどう思う?』
兄『それは犯罪者の香りがしますね』
妹「やはり……お兄ちゃんが危ない人なんだ……」
兄「そんな糞兄貴存在するのか……?」
兄『そんな兄がいるんですね』
妹『もうーちょーさいあく』
妹『股間をむりやりに弄ってこようとするとかやっぱ異質?』
兄『そんな兄いるんですか?』
妹『いるって』
兄『ゆるせませんね。妹を性の対象としているようで吐き気がします』
妹『だよねー』
兄『はい』
妹『どうすればいいかな?』
兄『うーん……無視が一番じゃないですかね?』
妹『なるほどー☆』
数時間後
兄『そろそろご飯を食べますね』
妹『うーっす』
兄『そちらもご飯ですか?』
妹『そだね。今日はエビフライかなぁ』
兄『わかりました』
妹『じゃねー☆』
兄「……」
兄「……」スタスタ
兄「入るぞ?」ガチャ
妹「……」
兄「今日のご飯は?」
妹「……」
兄「おい」
兄「……まあいい」バタン
妹「……」
妹「……」カタカタ
妹(でも……無視してたらそのうち無理やりに……)
妹(どうしよう……お母さんに言うべき……?)
妹「……」カタカタ
妹(お母さんは駄目……お兄ちゃんのこと信頼してるし……私の言うことなんて信じてくれない)
妹「……」
妹『こんちわー☆』
『よう』
『元気ー?』
妹『あのー、相談があるんだけどー』
『なんどす?』
妹『最近、兄貴の様子がおかしいんだよね』
『どうおかしいの?』
『あの放尿を覗いてくるって言う兄貴?』
妹『この前なんて胸とか股間とか触ってきたんだよね』
『きんもー』
『警察かな』
妹『警察?そこまでいってほうがいいのかな?』
『あんまり酷いなら』
妹『なるほどー』
妹「警察……」
妹「……」カタカタ
妹『わかったー』
『つーか、その兄はシスコン?』
妹『どうなんだろう』
『二人の年齢は?』
妹『私が14で兄が19』
『それはやばいね』
妹『でしょー』
『ロリコンでシスコンだ』
『ひえええ』
妹『やっぱ、警察?』
『そのほうがいいかも』
妹「警察か……でも、お兄ちゃんがいないと……ご飯が……」
トントン
妹「!?」ビクッ
兄「はいるぞー?」ガチャ
妹「……」
兄「飯だぞー?」
妹「……」
兄「……ここにおいとくな」
妹「……」カタカタ
妹『今、兄貴いる』
『やばいか?』
『通報しろ』
妹『こわいよー』
兄「じゃあな」バタン
妹「……」
妹「はぁ……」
妹「……」カタカタ
妹『セーフ』
『うはwwwwwwwwwwwwwwww』
『よかったwwwwwwwwwww』
妹『兄貴の目が怖いよ……』
妹「……本当にどうしよう」
兄「……」
兄「……」カタカタ
兄(あいつの様子だけなら遠くからでも見れるよな……)
兄(チャットログとかもあるし……)
兄「……」カタカタ
妹『さ、いこうかー』
『おー』
『兄貴は?』
妹『もうだいじょうぶっぽい』
兄「俺のことを話してるな……」
『でもあんまり意識するのもだめだよ?』
妹『そうなの?』
『だってほら、意識しすぎると向こうも勘違いしちゃうし』
妹『そっか……じゃあ、できるだけ無視のほうがいいのかな?』
兄「……」
翌日
兄「おい!!もうそろそろ学校いけ!!」ドンドン
母「……」
兄「……」
母「駄目なの?」
兄「大丈夫、俺に任せて」
母「う、うん……」
兄「……」
兄「……はいるぞー?」ガチャ
妹「……」カタカタ
兄「……」
兄(無視するとかいってたな)
兄「お前、また風呂に入ってないだろ?」
妹「……」
兄「げ……またゴミ箱に……はぁ……」
兄「―――よし」
妹「……」カタカタ
兄「……」
兄「体、拭くぞ?」
妹「……」
兄「……」ゴシゴシ
妹「……」バッ
兄「あ、おい」
妹「……」
兄「体、拭かないのか?」
妹「……」
兄「それは駄目だ」ゴシゴシ
妹「……っ」
兄「……」ゴシゴシ
妹「―――触らないで!!」
兄「え……」
妹「……」
兄「……じゃあ、風呂はいれ。でないと俺はお前の体を拭く」
妹「それは……」
兄「どっちがいいんだよ?」
妹「……」
兄「……」
妹「お、おふろまで一緒に入ろうとしない……?」
兄「するわけないだろ」
妹「……」
兄「どうする?」
妹「……お風呂入る」
兄「よーし。行って来い」
妹「……」スタスタ
兄「久々に部屋を出たな」
兄「……」
『どうしたーwwwwwwwwwwwwww』
『ねおち?????』
兄「……」カタカタ
妹『ごめんね。ちょっと待ってて』
『なに?兄貴関係?』
妹『ううん。お風呂入ってくる』
『兄貴に気をつけてね』
兄「……兄貴に気をつけてってなんだ?」
妹『気をつけるってなにを?』
『シスコンでロリコンなんだから覗いてくるかもしれないでしょ?』
兄「あいつ……何を言いふらしてんだ……?」
妹『のぞくかなー?』
『おしっことかうんちしてるとこを覗いてくるなら、まあ、そっちの趣味かもしれないけどさー』
兄「覗いたことはねーよ」
兄「……」カタカタ
妹『とりあえずお風呂はいってきまーす☆』
『がんばれー』
兄「……」
兄「まずは掃除だな」ゴソゴソ
兄「捨てて来ないと」
兄「あ、その前に今のログは消しとくか」カタカタ
兄「よし」
兄「……」スタスタ
妹「はぁ……さっぱりした」
妹「……」ガチャ
兄「さっぱりしたか?」
妹「……なにしてるの?」
兄「部屋の掃除」
妹「……」
兄「……床とかも汚れてるしな」ゴシゴシ
妹「……」カタカタ
兄「よし」
妹「……」
兄「それじゃあ」バタン
妹「……」
妹「お風呂に入ればお兄ちゃんは体に触ってこないのかな……」
妹「……これからはお風呂、はいろ」
兄『どうも、こんにちは』
妹『あ、ちわーっす』
『じゃあ、お風呂は覗かれなかったのー?』
妹『うん、不思議と』
兄『何の話ですか?』
『変態兄貴の話』
兄『前に言ってた股間を弄るとかいう?』
妹『そうそう』
『なんでもトイレも覗いてるらしくて』
兄『そうなんですか?』
妹『うん』
兄「……」
兄(もしかして……俺のことか……?)
兄『それって誰の兄なんですか?』
妹『私の兄貴だよー☆』
兄「……」イラッ
妹『おしっことかよくのぞかれるしー』
『きんもー☆』
兄「……」カタカタ
兄『どういうふうに覗かれたんですか?』
妹『どうって……もうトイレに入ってきて出し切るところまで』
『ひでーwwwwwwwwwwwww』
兄『そうですか、大変ですね』
兄「あのやろう……」
兄『偶然じゃないんですか?』
『偶然wwwwwwwwwwwwwww』
妹『ないない。だって出ていってって言っても出て行かなかったし』
『確wwwwwwwww信wwwwwwww犯wwwwwwwwwww』
兄「……」
妹『あ、ちょっと待って』
兄『トイレですか?』
妹『うん』
兄「……」
兄「……」ガタッ
兄(よし)
兄「……」スタスタ
兄「はいるぞ」ガチャ
妹「きゃぁぁ!!!」
兄「……」
妹「でていって!!」チョロロロ
兄「お前……気がついてないのか?」
妹「え……」ジョロロロ
兄「どうして俺がタイミングよく、こうして部屋に来るか。わかってないのか?」
妹「ど、どういうこと……?」
兄「俺、わかるんだ。お前が尿意を催したときは肌で感じることができる」
妹「嘘……」
兄「嘘ってこの数日、いつもお前が排泄してるときにきてるだろ?」
妹「監視カメラ!?」
兄「違う……兄妹だからだ」
妹「そんなの信じない!!」
兄「信じないもなにも現実に俺はこうしてきてるだろ?」
妹「!?」
兄「嫌か?」
妹「あ、当たり前でしょ!!」
兄「ならトイレにいけ」
妹「え?」
兄「トイレに入られたら、流石に感じることができないからな……それよりさ」
妹「なに?」
兄「パンツはけ」
妹「あ……さいてー!!!!!いつまで見てるのよ!!!」ザッパーン
妹「うー……」カァァ
『どうでしたー?』
『まさか覗かれたのかー?』
妹「……」
妹『うん……もうこれはやばいよ……』
『もう家出しちゃえよーwwwwwwwwwwww』
妹『それだとネトゲできないでしょ』
兄『大変ですね』
妹『妹いるんだよね?』
兄『はい』
妹『聞きたいんだけど、兄って妹の尿意を肌で感じたりできるものなの?』
兄『もちろん。ただ、100人に一人ぐらいの割合ですけど』
妹「ま、まじなんだ……」
兄『トイレに入られるとわかりませんが』
妹「……」
数時間後
妹「ん……」
妹『ごめん、ちょっと待ってて』
『うーっす』
兄『はい』
妹「……」
妹「……」ガチャ
妹「……トイレに」
妹「……」トコトコ
兄「お?」ガチャ
妹「あ……」
兄「どこに行くんだ?」
妹「別にいいでしょ」
兄「まあな」
妹「……」スタスタ
妹「……」ガチャ
妹「よっと」
妹「……ん」プスゥ
妹(こないよね……?)
妹「んっ……く……」ミチミチ
妹「はっ……う……ぃ……」ポチャン
妹「はぁ……」
妹「……」ゴシゴシ
妹「……」ジャー
妹「……」ガチャ
妹「……」キョロキョロ
妹「いない」
妹「……」
妹「これからはトイレでしよう……」
数日後
妹「……」カタカタ
妹『ちょっと休憩するねー』
『あーい』
妹「トイレ……」
妹「……」トコトコ
妹「……」ガチャ
妹「ふぅ……」
妹(そういえば、お風呂にはいるようになって、トイレにいくようになったらお兄ちゃんが部屋に来ることが減ったなぁ)
妹「……」チョロロロ
妹「来るとしたら……朝とご飯を持ってくるときぐらいかぁ」
妹「……」ゴシゴシ
妹「……」ジャー
妹「……」
妹「なんだろう……この気持ち……」
兄「最近はよく部屋から出るようになっただろ?」
母「ええ。でも、ご飯のときも出てきて欲しいわ……学校は半分諦めてるけど」
兄「そうだな……次はそっちのほうもがんばってみるか」
母「お願いね」
兄「うん」
母「行ってきます」
兄「行ってらっしゃい」
兄「……さてと」スタスタ
兄「次の段階に進むか」
兄「……」ガチャ
兄「……」カタカタ
兄『おはようございます』
妹『おっはー☆』
兄「……」
数時間後
兄『そろそろご飯ですかね?』
妹『そだねー。お腹すいたー』
兄『何を食べるんですか?』
妹『今日はカレーだね』
兄『なるほど。では、休憩します』
妹『うん』
妹「……」
妹「……」ソワソワ
妹「……」
妹「……」グゥ~
妹「……あれ?」
妹「いつもならお兄ちゃんがそろそろ来るのに……」
妹「……お腹すいた」
兄『お待たせしました』
妹『あ、どうも』
兄『もう少ししたら出かけないといけないんで、テンポよくいきましょうか』
妹『はーい☆』
妹「……」カタカタ
妹「……」グゥ~
妹「お腹すいたな……」
兄『あ、レアアイテムゲットですよ』
妹『わーすごーい☆』
兄『あげます』
妹『いいのー??』
兄『いつもお世話になってますから』
妹『やさしー!!貴方みたいな人がお兄ちゃんならよかったなぁ☆』
兄『それはうれしいですね』
兄『ではそろそろ』
妹『またねー』
妹「……」
トントン
妹「あ……なに?」
兄「大学、行ってくる」
妹「あ、うん」
兄「じゃあな」
妹「あの!!!」
兄「なんだー?」
妹「ごはんは?」
兄「リビングにおいてる」
妹「持ってきてよ」
兄「今から出かけるから。じゃな」
妹「……」
妹「……」ガチャ
妹「……」トコトコ
妹「……お皿だけじゃない」
妹「置手紙……」
―――炊飯器にごはんが、キッチンの鍋にカレーがある。カレーは少し温めろ。兄より。
妹「……」トコトコ
妹「……」カパ
妹「……」グゥ~
妹「……あたためよう」
妹「……」
妹「少しってどれくらいなの?」
妹「……1分ぐらいでいいか」
夜
兄「ただいまー」
兄「……」スタスタ
兄「お、食べてるな」
兄「皿はお湯につけてて欲しかったけど」
兄「まあいいか」
兄「……」スタスタ
兄「……おきてるかー?」トントン
妹「なに?」
兄「飯は?」
妹「カレー食べた」
兄「そうか」
妹「それだけ?」
兄「ああ」
兄『どうも』
妹『あ、待ってたよー』
兄『では、行きましょうか』
妹『今日は朝までいける?』
兄『すいません。明日は朝から出かけないといけないで。1時までで』
妹『おっけけー』
兄『そういえば、お昼のカレーはどうでした?』
妹『おいしかったよー☆』
兄『そうですか。朝とか昼はいつも同じようなものを?』
妹『どうだろー?できるだけ違うのをたべてるかなー?』
兄『明日は?』
妹『朝はいつもどおりだけど、お昼は和食にしよっかな』
兄『和食ですか』
妹『うん。魚とか』
午前1時
兄『では、寝ますね』
妹『おやすー☆』
兄「ふぅ……」
兄「……」スタスタ
兄「冷蔵庫に魚って……」ガチャ
兄「ないか……」
妹「……」トコトコ
兄「よう。まだ起きてたのか」
妹「……」ガチャ
兄(トイレと風呂はもう心配ないな……)
兄「魚か……朝一で買いに行くしかないか……店、開いてるかな?」
ジャー
妹「……寝ないの?」
兄「もう寝る。明日は早いしな」
翌朝
兄「……」ペラッ
母「おはよう」
兄「あ、おはよう。朝ごはんできてるよ」
母「ありがとう。……どうしたの?チラシなんてみて」
兄「近所のスーパーが特売やってて」
母「ふーん」モグモグ
兄「魚が安い」
母「魚?」
兄「うん」
母「というか、そんなの気にするの?」
兄「するよ」
母「知らなかった……ありがとね?」
兄「まあ、魚に拘りはないから安いほうがいいかなってだけだけど」
妹「……ふわぁぁ」
妹「……」
妹「もう10時か」
妹「……トイレ」
妹「……」トコトコ
妹「……」
妹「誰もいない?」
妹「……」ガチャ
妹「ん……」チョロロ
妹「ふぅ……」
妹「……」ガチャ
妹「あれ……テーブルに手紙が……」
―――台所に食材を置いときました。がんばって調理しろ。時間がなかった。すまん。レシピは裏に書いときます。兄より
妹「レシピって……えぇ……私が作るの?」
昼すぎ
妹「……」カタカタ
妹「うぅ……お腹すいたぁ」
妹「でも……つくるのめんどうだしなぁ……」
妹「いいや……どうせもうすぐお兄ちゃん帰ってくるだろうし」
妹「……」カタカタ
『カツどんうめーwwwwwwwwwwwwwww』
妹「……」
『今日の昼ごはんは特盛のきつねうどんでしたwwwwwwwwwwwwwwww』
妹「……」ジュルリ
妹「……」カタカタ
妹「うぅ……」
妹「……」トコトコ
夜
兄「ただいまー」
兄「……」スタスタ
兄「ん……?」
兄「おいおい……キッチンがめちゃくちゃだな……」
兄「ま、がんばった証拠か」
兄「片付けよう」カチャカチャ
兄「にしてもこの荒れよう……ちゃんと食えたのか?」
妹「おにーちゃーん……」
兄「お、どした?」
妹「……」グゥ~
兄「腹減ったのか?」
妹「お昼……ちゃんと食べれなかった……お魚こげちゃうし……ご飯はおかゆみたいになるし……」
兄「そっか。何がいい?」
妹「お魚」
兄「―――はい。おまちどう」
妹「……」モグモグ
兄「いただきます、は?」
妹「あ……いただきます」
兄「よろしい」
妹「……」モグモグ
兄「おいしいか?」
妹「……」コクコク
兄「おかわりもあるからな」
妹「……」モグモグ
兄「……」
母「ただいまー」
兄「おかえりー」
母「あーつかれ―――えぇぇ!?!?!」
妹「な、なに?」
母「あ、ごめん……部屋からでてきてくれたのね?」
妹「う、うん……」
兄「そんなに驚くことじゃないよなー?」
妹「しらない」
母「あはは、じゃあ、お母さんもご飯たべよ!」
兄「今、用意するよ」
母「ありがとう」
妹「……」モグモグ
母「おいしい?」
妹「……」コク
母「そっか」ニヤニヤ
妹「……」モグモグ
兄「うれしそうだな」
母「だってぇ……ふふふ」
妹「……」
妹「ごちそうさま」スクッ
母「あれ?もういいの?」
妹「……」トコトコ
兄「しばらく引きこもってたから、どう話していいかわからないんじゃないか?」
母「そっか」
兄「ま、もう少し待っててよ」
母「うん」
兄「……」
兄(もう少し……か)
兄(あとは家の外に出てくれれば、ほぼ完璧なんだけど……)
兄「……どうするか」
兄「……うーん……」
兄「単純だけど……お金だけ置いとくとか……」
兄「駄目だな……それだと違うことに使われて余計に悪化するかもしれない……」
兄「……」
兄「とりあえず……」カタカタ
兄『こんばんは』
『ちょりっーすwwwwwwwwwwwwwww』
妹『こんばんみー☆』
兄『じゃあ、いきましょうか』
妹『おう!!!』
『今日はどこいくべ?』
兄『そうですね……』
妹『少し奥まで行ってみようよ』
兄『わかりました』
兄「あの手でいくか……」
兄「……」カタカタ
兄『ここはすごい!!!!』
妹『え?なに?どうしたの?』
『珍しいね。そんなこというの』
兄『いやぁ……リアルにこの風景に見覚えがあるんです』
妹『どういうこと?この森に?』
兄『知らないんですか?この森、日本のとある場所がモデルなんですよ?』
妹『そうなんだー☆』
『知ってるー!!俺、実際にいったことあるあるー』
兄『綺麗でしたよね』
『おう!!もうすばらしいねえ』
妹『そうなんだ。場所は?』
兄『えっと―――』
妹「……」カタカタ
妹『そんな場所があるんだー☆割と近い』
『いってみれいってみれ』
兄『ええ。本当に綺麗ですよ』
妹『そっかぁ』
『いい気分転換になるよ』
妹『でも……その間、ログインできないし』
『まあねえ』
兄『ま、行くかどうかは本人次第ですしね』
『それもそっか』
『俺的にはずっといてほしいけどなぁ』
兄『でも、あの場所は一度見ておくことをおすすめします。本当にいい場所ですし』
『マジで?じゃ、今度いこうかなぁ』
妹「……」
妹「そんなにいいところなのかな……少し……行ってみたいかも……」
数日後
兄「おーい、また時間がなかったから自分でつくれよー」
妹「はーい」
妹「……」カタカタ
妹『こんちわー☆』
『おっすおっす』
『ねえねえ、一昨日いってきたよーあの森のモデルの場所』
妹『どうだったの?』
『すんげーよかった。オフ会とかで行ってる人も多いみたいだね』
『すげー』
妹『そうなんだ』
妹(そんなにいいんだ……どんなかんじなんだろう……)
妹(そういえば……外なんて最後に出たのいつだったかなぁ……)
正午
妹「……」トントントン
妹「よっと」
妹「スープは……」ペロ
妹「うん」
妹「あとは……ハンバーグをフライパンで……」
妹「……」ジュージュー
妹「―――できた」
妹「さ、たべよ」
妹「……あれ?なんだろう?」
妹「……」ペラッ
妹「観光地のパンフレット……?」ペラッ
妹「あ……ここ……あの森だ……」
妹「……丸印がついてる……」
妹「行くのかな……?」
夕方
兄「ただいまー」
妹「あ……おかえり」
兄「珍しいな、いきなりリビングにいるなんて」
妹「あの……これ……」
兄「ん?」
妹「ここ……行くの?」
兄「冬休みにな。綺麗な場所だろ?」
妹「一人で?」
兄「そのつもりだけど?」
妹「さ、寂しくないの?」
兄「風景を写真に納めようと思っただけだから」
妹「それでも寂しいでしょ……一人で観光なんて」
兄「そうか……あ、じゃあ、一緒に行くか?」
妹「え……」
兄「確かに一人は寂しいからな」
妹「……」
兄「嫌か?」
妹「えと……」
兄「まあ、気が向いたら声をかけてくれ。どうせ行くのは二週間後だし」
妹「わ、わかった……」
兄「飯は?」
妹「食べる」
兄「おし」
妹「……お昼はハンバーグだったから」
兄「牛と豚は避けるか……じゃあ、鳥か魚か……」
妹「鳥」
兄「了解」
妹「……」ジーッ
妹「観光……」
妹「……」カタカタ
兄『こんばんは』
妹『こんばんみー☆』
兄『あの森、いきました?』
妹『まだだよー』
兄『僕はもう行きました』
妹『どうだった?!』
兄『空気が澄んでてよかったです』
妹『そうなんだ』
兄『あと妹も一緒だったんです』
妹『そうなの?!』
兄『妹もすごい喜んでくれました。兄としてはとてもうれしかったですね』
妹『妹さんも喜ぶような場所なの?』
兄『ええ。夜は高台にいけば幻想的な夜空も眺めることがでいますし』
妹『そうなんだぁ……すごいなー☆』
兄『そちらもお兄さんといってみては?』
妹『兄貴と?ないない』
兄『そうなんですか?』
妹『だって変態だし。何されるか』
兄『そういえば、最近お兄さんの愚痴をこぼさなくなりましたね』
妹『そうかな?』
兄『ええ。久しく聞いてません』
妹『そうだったかな……そうかも』
兄『最近はとくになにもなかったんですか?』
妹『うん……』
兄『そうですか。やっぱりあなたの勘違いだったんですよ』
妹『そうなのかなぁ』
兄『ご本人に訊いてみては?どういう意図で覗いていたんだって』
妹『どういう意図で覗いてたかを?うーん……こたえてくれるかな……?』
兄『言ってくれますよ』
妹『ほんとに?』
兄『ええ』
妹『絶対?』
兄『絶対』
妹『嘘ついたらいやだぞ』
兄『嘘なんてつかないですよ』
妹『わかった。じゃあ、今度きくよ』
兄『それがいいです』
妹『あと、聖地に行って来る』
兄『おお。そうですか』
妹『ついでにそこで聞いてやることにするー☆』
兄『それがいいです』
妹『じゃあ、行ったらまた報告するね』
兄『待ってます』
妹『それじゃあ、いこっか』
数日後
妹「お兄ちゃん……」
兄「なんだー?もうすぐうどんできるぞー」
妹「わ、私もここに行く……」
兄「ほんとか?」
妹「うん」
兄「そうか。じゃあ、電車の割引切符買っとくな」
妹「うん」
兄「デジカメ持ってたっけ?」
妹「一応」
兄「服とかも買いにいくか?」
妹「え……?」
兄「アウトドアっぽい服、いるだろ?買ってやるから、今度いこうぜ」
妹「そ、そうだね……」
兄「よし。次の日曜は買い物、その次の日曜日に行こうな」
日曜日
兄「はやくしろー」
妹「……」ガチャ
兄「よし、いくか」
妹「へ、へんじゃない?」
兄「別に」
妹「……」
兄「ほら。行こうぜ。母さんも待ってるし」
妹「うん……」
兄「母さん、おまたせ」
母「あら、そんな服いつかったの?」
妹「……これはお兄ちゃんが前に買ってくれた」
母「センスあるわね……フリルのワンピースなんて……かわいいじゃない」
兄「ティーン雑誌買うときすごい緊張したけどな」
妹「……」
店内
母「これどう?」
兄「似合うんじゃない?」
母「えー?でも、こっちもー……」
兄「母さんの買い物じゃないんだけど……」
妹「……これとか?」
兄「白もいいけど……お前はやっぱり赤がいいだろうな」
妹「そうかな……?」
兄「うん」
妹「じゃあ、これに……」
兄「試着してみろって。そんな簡単に決めんな」
妹「わ、わかった」
母「おかーさんもこれ試着するー」
兄「母さんは自腹な」
母「え……」
レストラン
母「いいもの買えたわー」
兄「そっか」
妹「……」モグモグ
兄「お前も良いの買えたか?」
妹「う、うん……」
兄「よかったな。来週、楽しみだな」
妹「べつに……」
母「え?どっかいくの?」
兄「ちょっと観光に」
母「お母さんもいく」
兄「来週の日曜日だぞ?」
母「行く!!当直だけど!!」
兄「仕事しろよ。命を預かる仕事だろう?」
母「やだー!おかーさんもいくー!!患者なんてしるかー」
翌週 土曜日
母「いってきまーす」
兄「恨めしそうにみるなよ」
母「だって……仲間外れだし」
兄「今度一緒に行こうな」
母「約束よ?」
兄「はいはい」
母「じゃあ、行ってきます」
兄「行ってらっしゃい」
兄「……さてと」
兄「……」スタスタ
妹「……」カタカタ
兄『こんにちは』
妹『ちわー☆』
兄『明日行くんですよね?』
妹『うん、そだよー☆ちょーたのしみー☆』
兄『がんばってください』
妹『ちゃんとこたえてくれるかなぁ?』
兄『二人きりなら大丈夫ですよ』
妹『それもそっか』
兄『ええ』
妹『でもなぁ……おしっこのぞくとか普通じゃないしー』
兄『それは偶然では?』
妹『偶然って……兄は妹がおしっこしようとしたら肌で感じるんでしょ?』
兄『そうですね。でもトイレにいくと現れないのでしょう?』
妹『そうだけど……もしかして……』
妹「……」
兄『もしもし?』
妹「……ゴミ箱」
妹「……」
妹「ん……」チョロロロ
妹「……」
妹「……ふぅ」ゴシゴシ
妹「……」
妹「……来ない」
兄『どうしました?』
妹『今、おしっこしたけど来なかったー』
兄『はい?』
妹『やっぱり、あれは覗いてんだよ』
トントン
妹「?!」
兄「入るぞ?」ガチャ
妹「おぉ?」
兄「お前、またゴミ箱に……」
妹「……」
兄「なんだよ」
妹「別に」
兄「じゃあ、捨ててくる」
妹「……」
兄「……」ガサガサ
妹「……」
兄「じゃ」バタン
妹「……」トコトコ
妹「……」ガチャ
妹「……」トコトコ
妹「お兄ちゃんの部屋……まさかね……」ガチャ
兄「よし……」
兄「さてと……」
妹「……」
兄「なんだよ?」
妹「……最低」
兄「え?」
妹「……」
兄「おい」
妹「こんな服いらない!!!」バサッ
兄「なにしてんだ!」
妹「お兄ちゃんなんて嫌い!!」バタン
兄「あ、おい……」
兄「……俺の部屋が開いてる」
兄「しまった……ログアウトするの忘れてた……最近、しなかったから……油断した」
兄「……」
妹「うぅ……」
妹「からかってたんだ……」
妹「最低……」
妹「……」
トントン
妹「……」
兄「明日、どうするんだ?切符買ったぞ?」
妹「……」
兄「なあ」
妹「……」
兄「謝ってもだめか?」
妹「……」
兄「駄目だよな……」
妹「……」
兄「えっと……ごめん……としかいえないんだけど……」
兄(まずいな……最後の最後でスタートより悪化させた……)
兄(どうする……こうなったら……もう……)
兄「……」
兄「ごめん。でも、悪気とかはなかったから」
兄「全部、お前のことを思ってしてただけで……えと……」
兄「ほら……妹が熱心になにをしているか兄としては気になってさぁ」
兄「……」
兄(駄目か)
兄(だよな……逆の立場なら同じ態度とるし)
兄(失敗か……)
兄「……」
兄「一か八か……」
兄「……」スタスタ
兄「……」カタカタ
兄「新規登録して……」カタカタ
兄「……」
兄「いた」
妹『』
兄『こんにちはー☆』
妹『』
兄『あのぉしょしんしゃーなんでぇ、いろいろおしえてくれませんかぁ?』
妹『』
兄「やってないのか……?」
兄『きいてますー?』
妹『うるさい。兄貴だろ?』
兄「?!」
妹『無視されたら普通は違う人のところに行くって。馬鹿じゃないの?』
兄『なんのことー☆』
妹『やめろ。虫唾が走る』
兄『なんでそんなこというのー?私、おんなだしー?』
妹『きもいんだよ』
兄「ネカマって難しいな」
妹『なんでここまでするんだよ?馬鹿じゃないの?』
兄「……」
妹『もういいじゃん。ほっといてよ』
兄「……」
妹『私のお世話も辛かったでしょ?』
兄『そんなことないけど?』
妹『おしっことか片付けられて嬉しかったの?変態』
兄『言いすぎだこら。あんなもん、家族のじゃなきゃやってねえ』
妹『うそだ。妹のだからやってたんだ!!』
『なんだ??』
『なになにー??』
兄『違うわ!!』
妹『じゃあ、お母さんのでも片付けたの?!』
兄『当たり前だろ!?』
妹『うわぁ……変態……』
兄『なんだと?!』
妹『だってそうじゃない!!身内の排泄物を息を荒くして片付けてたんでしょ!?』
兄『いつ鼻息荒くしたよ?!』
妹『いつもしてた!!』
兄『してない!!!』
『なんだあれ?』
『運営に報告しとく?』
妹『しねしねしねしねしねしねしねしねしね』
兄『荒らしか』
数分後
妹「うぅぅ……!!!」カタカタカタ
妹『しねしねしねしねしねしねしねしねしね』
兄『やめろ。アカウント停止になるぞ?』
妹「うるさい!うるさい!!」カタカタカタ
PC『ポーン』
妹「え……?」
妹「アカウント……停止?」
妹「なんでこんなことで!!!!」バンバンバン
妹「くっ……!!!」
妹「……」ガチャ
妹「……」スタスタ
妹「……」ガチャ
兄「うお!?」
妹「しねしねしねしねしねしね!!!!!」
妹「全部お兄ちゃんのせいだ!!!しねしねしね!!!」
兄「……」
妹「ずっと笑ってたんでしょ!!!私のこと!!!ひきこもりの屑だって!!!」
兄「お前……」
妹「お母さんだってお兄ちゃんにしか期待してないもん!!!だから、私はこれでいいの!!!!」
兄「……」
妹「全部……お兄ちゃんが悪い……」
兄「しばらくネトゲできないな」
妹「お兄ちゃんが悪い……」
兄「そうだ……ここ行ってこい」
妹「え……」
兄「ネトゲの世界のモデルになった場所だ。ネトゲできないから体で体感してみないか?」
妹「……」
兄「ほら。切符やるよ。一人でいってこい」
妹「……」
翌日
妹「……」ガチャ
妹「まぶしい……」
「おはようー!」
「どこいくー?」
妹「……」
妹「ネトゲと変わらない……あはは……」
妹「……」トコトコ
妹「……駅ってどっちだっけ?」
妹「……」
妹「右か」
妹「……」トコトコ
妹「……」
アナウンス『電車がまいります。黄色い線の内側までお下がりください』
妹「はぁ……」
妹(なんか帰りたくなってきたな)
妹(勢いで出てきちゃったけど……)
妹「やっぱり帰ろうかな……」
ゴォォォ
妹「……」
プシュゥゥ
アナウンス『駆け込み乗車は大変危険ですのでおやめください』
妹「……」
アナウンス『扉がしまります』
妹「……」
電車内
妹「……」
妹(えっと……目的の駅までは……)
妹「いち、に、さん……結構あるなぁ」
おばあさん「どこまでいくの?」
妹「え?」
おばあさん「遠くまでいくの?」
妹「あ、えと……はい」
おばあさん「そう……」ニコッ
妹「……」
おばあさん「そうだ……これ、あげるわ」
妹「おにぎり……?」
おばあさん「お腹空いたら食べて」
妹「ど、どうも……」
妹(アイテム……もらった……)
アナウンス『発車します』
妹「……ついちゃった」
妹「……」モグモグ
妹「わっ!?これ梅だ……」
妹「梅は苦手なんだけど……」
妹「いいか……」モグモグ
妹(えっと……西口かな)
妹「……」
妹「梅も意外と悪くない……」
妹「……よし」
駅前
妹「えっと……えっと……」オロオロ
男「どうかしたの?」
女「迷子?」
妹「えと……ここに行きたくて」
男「あ、そうなんだ」
女「私たちと一緒ね。一緒にいく?」
妹「えと……」オロオロ
男「怪しい?」
妹「そ、そんなことは……」
女「ふふ……かわいい」
男「どうする?無理にとは言わないけど」
妹「……お、おねがいします」
女「公園まで案内してあげるわ」
妹(パーティーイン……)
国立公園
男「ここだ」
女「向こうに案内板もあるからね」
妹「ど、どうも……」
男「じゃあ」
妹「あ、あ、ありがとうございました」
女「どういたしまして」
男「ここがあの森のモデルなんだよな」
女「うん」
妹「あ……」
妹「……」
妹「ソロ……狩り……」
妹「よし」
妹「気持ち良い……」
妹「どっちにいこうかな……」
妹「……」テクテク
妹「……」テクテク
妹「……」
妹「あれ?こっちじゃない……?」
妹「……」キョロキョロ
妹「あれ?あれ?」オロオロ
妹「ここ……どこ?」
妹「……えーと……えーと……今、ここだから……」
妹「もう……なんで自動マップじゃないの……!!」
妹「……こなきゃよかった」
兄「―――いやぁ、空気がうまいなぁ」
母「そうねえ。うふふ。仕事、交代してもらって正解だったわぁ」
妹「?!」
妹「帽子、帽子……!!」ゴソゴソ
兄「あ、こんにちは!」
妹「こ、こんにちは……」
妹(な、なんでいるの……?)
母「ひとり?えらいわね」
妹「失礼します……」タタタッ
母「あらら」
兄「やっぱりこういうやりかたは駄目だって」
母「だって……一緒に行きたかったんだもん」
兄「はぁ……」
母「恥ずかしいのかな?」
兄「どうでもいいけど、後を追おう。あいつ、どんどん奥に行ってるし」
母「そうねそうね」
妹「なんか思わず逃げちゃったけど……」
妹「ついてきたのかな……」
妹「でも……それならもっと早く声を……」
妹「……」
妹「ここどこ……?」
妹「……」
妹「……こわい」
兄「おい」
妹「ひぃ!?」
兄「そっちにいっても何もないぞ?」
妹「……お兄ちゃん……」
兄「ほら、こっち」
妹「……」
兄「手、つないでいこう。引っ張ってやるから」
妹「……うん」
兄「ここがあのゲームのモデルになった場所だな」
妹「一緒だ……」
兄「だろ?」
妹「……お兄ちゃん……」
兄「ん?」
妹「ごめんなさい」
兄「どうしたんだ?」
妹「私のためにしてくれてたのは知ってたけど……その……色々と恥ずかしいとこを見られて……あの……」
兄「むくれてたのか?」
妹「だって……」
兄「お前の気持ちも考えないで強引にやった俺も悪いしな。お互い様……いや、お前の大事なネトゲを駄目にしたぶん、俺のほうが悪いな」
妹「え……」
兄「そうだな……正直、殺されても文句いえないな。どうしたら許してくれる?」
妹「えと……もう……そのことは……」
母「―――おーい!!おしるこたべよー!!!」
妹「お母さん……」
母「あったかいよ?」
兄「はいはい」
妹「あ……お兄ちゃん……じゃあ……」
兄「なんだ?」
妹「……これからも面倒見てくれる?」
兄「ずっとか?」
妹「お兄ちゃんが飽きるまででいい」
兄「そうか……わかった」
母「おしるこ、みっつ!」
店員「はーい」
妹「あ……夜空も綺麗なんだよね?」
兄「ああ、見て帰ろう」
母「おしるこ、もっといる?」
兄「いらねえよ」
数日後
兄「おーい、朝だぞ!!」ドンドン
ガチャ
妹「なにー?」
兄「なにじゃない。はやく朝飯食え」
妹「はい……」
兄「新学期に間に合うんだろうな?ちゃんと生活のリズム戻せよ?」
妹「わかってるよ……」
兄「大丈夫かよ」
母「いってきまーす」
兄「あ、母さん」
母「なに?」
兄「スカートめくれてる」
母「エッチ」
兄「あんまり言いたくないけど……死ね」
妹「最近、お母さん明るいね」
兄「お前がこうして部屋から出てきたからな」ナデナデ
妹「そうなの?」
兄「ああ」
妹「そっか……」
兄「早く食え。遅れた分の勉強するんだろ?」
妹「うん」
兄「パソコンも撤去しちまったしな……本気だな」
妹「やるときはやるよ?」
兄「勉強は部屋でいいけど、おしっこは便所な」
妹「ぶっ!?オレンジジュース飲んでるときにやめて!!!」
兄「あはは、はいはい。さてと」
妹「お兄ちゃん、最近部屋にいること多いね」
兄「家事はやってるから文句ないだろ?」
妹「まあ、ね」
兄「さてと……」
兄『こんにわー』
『ちーっす!!』
『今日はどこまでいく????』
兄『そうだなぁ……やっぱ、あの森までいくかぁ』
『いいねえ』
『ノリノリだね』
兄『今日は暇だからずっとやるでよ』
『おっしゃー』
『いくかぁ』
兄『おぉぉぉ!!!!』
兄「今日こそレアアイテムゲットだ……」カタカタ
数週間後
妹「おにーちゃん!!大学はー!!!」ドンドン
兄「やすみー」
妹「……」
妹「もう」
母「あら?今日も大学やすみなの?」
妹「みたい」
母「大学生って楽なのね」
妹「ま、いっか。じゃ、いこ」
母「ええ」
妹「そういえば、今度テストなんだ」
母「あら、そうなの?がんばってね」
妹「うん―――」
兄「うへへ……あ、ゴミ箱……ゴミ箱っと……」プスゥ
END