中ボス「は?」
魔王「ですから、私はひどい魔王です!」
中ボス「ええと」
中ボス「すみません、ツッコミ所が満載すぎるので一つずつ聞いてもいいですか?」
魔王「お断りします!私はひどい魔王なので、貴様の質問を聞く耳などもちません!」
中ボス「はあ……」
魔王「さっそく明日から人間界を征服しようと思います!」
元スレ
魔王「私はひどい魔王です!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342613553/
中ボス「魔王様、虫も殺せませんよね」
魔王「明日から殺します!」
中ボス「しかも半分人間の血流れてますよね」
魔王「私はひどい魔王なのでそんなことは関係ありません!」
中ボス(関係あるだろ)
魔王「私が人間界を征服しようと思ったのには事情があるのです」
中ボス「一応聞いてやりましょうか」
魔王「父は強大な魔力を持ちながら何も悪事を働かなかった」
中ボス「毎日ゲームしかしてなかったからな」
魔王「唯一働いた悪事は姫をさらったことだけ!」
中ボス「DQに触発されたノリでな」
魔王「しかもその姫とはめでたく結ばれて子どもまでもうける始末!」
中ボス「その子どもがあんただけどな」
魔王「もはや魔王と名乗っていいのか疑うレベルです」
中ボス「それは確かに」
魔王「悪さをしない魔王なんて魔王と呼べないじゃないですか」
中ボス「何の影響でいきなりそんなことを?」
魔王「影響じゃありません!自分の意志で一念発起したのです!」
先代「おーい魔王、この前かしたクロノ・トリガーどこまで進んだ?」ガチャ
中ボス「あんたら本当親子だよ……」
魔王「先代は黙っててください!」
先代「え、何?こいつ反抗期?」
魔王「さっさと魔王の残虐さを人間たちに知らしめたいのですが」
先代「へ?」
魔王「そのためには勇者が邪魔なので、レベルを上げられる前にさくっと倒してこようと思います」
中ボス「それはひどい」
魔王「えっへん!私はひどい魔王ですからね!」
中ボス(しまった、褒め言葉か今の)
魔王「というわけではじまりの町へいってきまーす」
先代「ちょ、待てよ!」
魔王「着きました。移動魔法で一瞬です」
魔王「そしてここが勇者宅のようです」
魔王「おじゃましますよー」ガチャ
魔王「え?」
勇者(LV99)「え?」
魔王「ええええええええええええええ」
勇者(LV99)「魔王じゃん、何してんの?」
魔王「いやいやいや!なんですかそのステータスは!?」
勇者(LV99)「何って……強くてニューゲームだけど」
魔王「はあああああああああああ!?」
勇者(LV99)「いやあ、魔王城行く手間が省けてよかったわ。二周目ともなると面倒でさ」
魔王「ちょっ、待ってくだs」
魔王「ぎゃあああああああああああ」
魔王「命からがら逃げだしてきました」
魔王「なんて極悪非道な勇者……無抵抗の魔王をフルボッコにするとは」
魔王「勇者の装備がひのきの棒でなければやられていましたね」
魔王「とは言ってもMPも尽きて移動魔法も使えず」
魔王「このまま私は死んでしまうのでしょうか」
魔王「うう……」バタンキュー
幼女「……」
魔王「うーん」
幼女「あ、おきた」
魔王「はっ。ここは!?」
幼女「わたしのおうち」
魔王「……森の中の宿屋、ですか?」
幼女「そうだよー」
魔王「……ええー」
魔王「えっと」
魔王「助けていただいてありがとうございます」
幼女「いえいえ!」
魔王「ところで、あの」
魔王「床に寝ている方々はいったい?」
幼女「あのね、わたしのパパとママ」
幼女「きのう、こわいおじさんがきてから、ずっとねむったまんまなの」
魔王(し、死んでる……)
魔王(部屋の荒らされ方からして恐らく野盗の仕業でしょうか)
魔王(厄介なことになりました)
魔王(てっきりほのぼのな流れだと思っていたのに、なぜこのような展開に)
魔王(私はひどい魔王なので、別に人間が何人死のうが心は痛まないのですが)
魔王(この幼女には助けられた恩がありますし)
魔王(べっ、別に私はひどいので恩を踏みにじってもよいのですが)
幼女「?」
魔王「ぐはぁ!」
* 幼女の首をかしげるこうげき!
魔王に999のダメージ!
魔王(何という破壊力)
魔王(この幼女、放っておくと人間界征服の脅威になるかもしれませんね……)
幼女「どうしたの?」
魔王(仕方ないですね……両親を亡くして天涯孤独な幼女など本当はどうでもいいのですが)
魔王「ではご両親が目を覚ますまで私と一緒に暮らしましょうか」
幼女「ほんと?いいの?」
魔王「あなたさえよければ」
幼女「やったあ!」
魔王(あくまで幼女の生態調査のためですからね!)
中ボス「それで連れて帰ってきたのかよ……」
幼女「こんにちは!」
先代「きゃわいいいいいいいいいい」
魔王「だ、だってすごい破壊力なんですよ!ほっといたら危ないじゃないですか!」
中ボス「はいはい……世話は自分でしてくださいね」
魔王「許可が下りましたよ!」
幼女「わーい!」
先代「ハアハア」
魔王「このおじさんには近づかないでくださいね」
幼女「はーい!」
先代「がーん」
中ボス「飯できたぞー」
幼女「やったー!」
中ボス「人間の口に合うか不安だが」
幼女「もぐもぐ!おいしいよ!」
魔王「それは何よりです」
中ボス「魔王様がクックパッドで必死にレシピ検索した甲斐がありましたね」
魔王「勘違いしないでくださいよ!人間の生態調査のためです!」
先代「わかりやすいツンデレだな」
魔王「だから!言うなれば人体実験ですから!」
幼女「おかわりー」
先代「魔王!!大変だ!!!」
魔王「何ですか藪からスティックに」
先代「幼女ちゃんがケガした……」
魔王「はあああああああああああ!?何してるんですか!」
先代「一緒に木登りしてたら落ちちゃって……どうしよう」
魔王「ど、どうしようって……」オロオロ
幼女「いたいよー」
先代「人間の治療なんてわからないよおおおおおおお」
魔王「い、今からホイミスライムを生み出すのでしばしお待ちを!」
中ボス「 ち ょ っ と 待 て 」
中ボス「で、大の魔王がふたりしてパニックになっていたと」
魔王「面目ないです……」
中ボス「絆創膏貼ってりゃ治るレベルのケガじゃないですか」
先代「うちの嫁、ケガとかしないもんだから……」
幼女「ふたりをおこらないでー!」
魔王「幼女……」
中ボス「あー、大丈夫。怒ってねえから」
先代「幼女ちゃんちゅっちゅっ」
中ボス「てめえはもう少し自重しろ」
先代「すんませんでした」
魔王「人間界で本を買ってきました」
幼女「わーい!えほんだ!」
先代「絵本以外にも色々買ってきたな」
中ボス「回復術の参考書が山ほどありますね」
魔王「ベホマ使う魔王とか鬼畜じゃないかと思いまして!」
中ボス「はいはい」
魔王「本当ですよ!幼女がケガした時のために覚えとこうと思ったわけではないですから!」
先代「はいはい」
幼女「ほんよんでー」
魔王「そういえば町で妙な噂を耳にしましたよ」
先代「おっ、どんな噂だ?」
魔王「なんでも最近、野盗の被害が相次いでいるようなのです」
中ボス「まさか……」
魔王「はい、幼女の両親を襲った時と同じ手口が多いようです」
先代「許せん!成敗してくれる!」
中ボス「先代は現役退いてんだからおとなしくしといてください」
魔王「私が息の根を止めてきますよ!何しろひどい魔王ですから!」
中ボス「まだそのネタ引っ張るんですか……」
魔王「というわけで追い詰めました!」
野盗「なんでこんなところに魔王が!?」
魔王「覚悟してください」ゴゴゴゴゴ
野盗「ち、ちくしょう!勇者の俺がどうしてこんな目に!」
魔王「え?勇者?」
野盗「ああそうだ!俺はお前の父親が魔王だった頃、勇者をやっていたんだ!」
魔王「なんということでしょう」
野盗「あの頃はよかった……勇者ってだけでもてはやされて」
魔王「回想は負けフラグですよ!まあ回想なくても負けるんですけどね!」
野盗「お前の父親が悪さを止めた後の人生は最悪だったよ!」
野盗「仕事もなくなって、成功する仲間を横目にニート生活を送って」
野盗「母親が病気で死んでからは生活もできなくなって」
魔王「それで野盗へと落ちぶれたと」
野盗「そうだ!お前らのせいで俺は仕方なくこんな生活を」
魔王「言いたいことはそれだけか」
野盗「え?」
メラゾーマ
魔王「ただいま戻りました!」
幼女「おかえりなさい!」
魔王「ちょっと待ってくださいね。今手が汚れているので、洗ってから抱っこしてあげますから」
幼女「おてて、きれいだよ?」
先代「>そっとしておこう」
中ボス「とにかく諸悪の根源はこれでいなくなったわけですね」
魔王(諸悪の根源……)
魔王(あの野盗の言ったことを真に受けるわけではありませんが)
魔王(平和になってから人間界が不景気になっているのも事実です)
魔王(いつかは私も勇者に倒されるでしょうし、幼女をこのままずっとここに置くわけにもいかないですよね)
魔王(私はいったいどうすれば……)
幼女「ねぇねぇ、あそぼー」
魔王「そうですね……じゃあ絵本を読んであげましょう」
幼女「わーい!」
魔王「昔々あるところにひどい魔王がいました」
魔王「魔王は悪さばかりするので、人々は困っていました」
魔王「その時、勇者が立ち上がりました」
魔王「勇者は仲間たちとともに、魔王を倒しました」
魔王「そして世界は……平和に、なりましたとさ」
魔王「……めでたしめでたし、です」
幼女「まおう?」
魔王「えーと……人間を傷つけるひどいやつ、です」
幼女「こわいの?」
魔王「……怖いですよ、とっても」
幼女「うーん、じゃあおにいちゃんがこわくないように」
幼女「ひどいまおうがでたら、わたしがたおしてあげるね!」
魔王「それだけはやめてください……」
幼女「なかないでー」
中ボス「おらおら飯だぞ」
幼女「ごちそうだー!」
魔王「今日は私も一緒に作りましたよ!」
先代「すっかりツンが消えうせたな」
魔王「明日はお花畑に行きましょうねー」
幼女「わーい!」
中ボス「城の外に連れ出すなんて珍しいですね」
魔王「最後の思い出作りですから」
先代「えっ」
魔王「幼女ーお花は集まりましたか?」
幼女「うん!これおにいちゃんに!」
魔王「これは……花飾りですか」
魔王「ありがとうございます、一生大切にします」
幼女「はなたばもあるよ!」
魔王「では行きましょうか」
幼女「うん!」
幼女「ここ……」
魔王「あなたの両親のお墓ですよ。私が作りました」
幼女「おはか……」
魔王「あなたもわかっているはずです、両親は眠っているのではなく死んだのだと」
幼女「……」
魔王「犯人の顔も見たのでは?」
幼女「おしいれ、かくれてたから……」
魔王「では犯人を教えてさしあげましょうか」
幼女「!」
魔王「魔王ですよ」
幼女「まおう……」
魔王「はい」
幼女「えほんの……ひどいひと?」
魔王「はい、そして」
魔王「私がそのひどい魔王です」
幼女「!」
幼女「おにいちゃんが……まおう!?」
魔王「はい、嘘ではありません」
幼女「うわああああああああ!」
* 幼女のこうげき!
しかし魔王はひらりと身をかわした!
魔王「絵本にも書いてあったでしょう、私を倒せるのは勇者だけです」
魔王「悔しかったら、勇者を探し出して私を倒すよう頼むんですね」
魔王「それまで生きていればの話ですが」
魔王「では、いい退屈しのぎになりました。さようなら」
幼女「うう、ひっく……」
幼女「まおう……ゆうしゃさま……」
幼女「……さがさなきゃ、ゆうしゃさま……」
魔王(強く、生きてください)
先代「鬼!悪魔!人でなし!!お前の血は何色だ!」
魔王「何とでも!私はひどい魔王ですから!」
中ボス「究極の優しさですね」
魔王「違います!ひどい魔王なんです!」
中ボス「犯人ちゃんと教えればよかったじゃないですか」
魔王「言えるわけないですよ!元勇者に殺されたなんて夢も希望もないこと!」
先代「せっかく魔王×幼女のほのぼの展開だったのによおおおおおおお」
中ボス「てめえはもう少し空気読め」
先代「すんませんでした」
先代「魔王どこいったか知らない?」
中ボス「魔王様なら日課の鍛錬に行ってますが」
先代「よく続くな、毎日じゃないか」
中ボス「今や毎日のように勇者たちが戦いを挑んできますからね。ほとんど弱いやつらですが」
先代「あれから十年だっけ?勇者もだいぶ増えたよな。魔王を倒そうと人間界も活気付いてきているらしい」
中ボス「魔王様が最初に出会ったチート勇者はまだ来ていないようですね」
先代「もう倒す気ないんじゃないのか?まあ来たところで今の魔王には敵わないだろ」
中ボス「そうだといいですけど……」
勇者「はあ……東の島国でかなり足止めされてしまった……」
勇者「まさか一国の主に熱烈に求婚されるとは」
勇者「旅が終わってからでもいいとは言っていたが」
勇者「今はこの剣だけが恋人みたいなものだからなー」
勇者「さて、寄り道は止めてそろそろ魔王でも倒しに行きますかねえ」
勇者「随分待たせたから怒ってるだろうなーあいつ」
勇者「ボッコボコにしてやるから待ってろよー!」
魔王「勇者が近くまで来ているようですね!」
中ボス「らしいですね」
魔王「まあ返り討ちにしますけどね!私はひどい魔王ですから!」
中ボス「はいはい、じゃあ俺は定位置で待機していますね」
魔王(勇者……あなただけが彼女の希望なんです)
魔王(私はあなたと戦い続ける……彼女を生かすために!)
中ボス(とんだひどい魔王もいたもんだなあ)
勇者「たのもー!」
中ボス「……らっしゃい」
勇者「あれ?驚かないの?」
中ボス「ああ、想定の範囲内だ」
勇者「お前昔から頭良かったもんなー」
中ボス「褒めても何も出ないぜ」
勇者「そんなこと言わずに飯でも出してくれよ、ペコペコなんだ」
中ボス「おしゃべりはやめてケリをつけようぜ」
勇者「せっかちだなあ、まあいいけどっ!」
魔王「……まさか十年でここまで強くなるとは」
勇者「えっへん!いっぱい鍛えたからね!」
魔王「正直あなたを甘く見ていました」
勇者「部下を倒されて、自分も瀕死状態になった今どんな気分かな?」
魔王「おしゃべりはやめて早く引導を渡してください」
勇者「部下と同じこと言うんだね、せっかくの再会なのに」
魔王「……もう悪夢は終わらせましょう」
魔王「幼女」
勇者「わたしはもう幼女じゃない……勇者だ」
魔王「十年ぶりに訪れた強い勇者がまさか……あなただとは……」
勇者「約束したじゃないか、昔」
魔王「約束?」
勇者「まおうがでたら、わたしがたおしてあげるね」
魔王「!」
勇者「約束を、果たしに来たんだよ」
勇者「ひどい魔王さん」
勇者「やっと倒せたー最後に粘りやがってあいつ」
勇者「なんか意外と解放感ないなあ、実感湧いてないのかな」
勇者「戦利品でも探すかー」ガサゴソ
勇者「!これは……」
勇者「うわあああああああああああああ」
* 勇者は古い花飾りを手に入れた!
勇者「どうして……」
勇者「どうして涙なんか出るんだよ!ちくしょう!!」
勇者「終わらせなきゃ……悪夢を」シャキン
先代「え!?おい、ちょっと待て早まるな!」
勇者「きゃあ!?」
先代「何死のうとしてるの!危ないでしょうが!!」
勇者「だって……魔王がいなくなったらわたしの生きる意味が……」
先代「元々、魔王を倒したら死ぬつもりだったのか」
勇者「そうだよ!あんたには好都合だろ!ほっとけよ!!」
先代「ほっとけるかああああああああ!!!」
勇者「!?」
先代「魔王はなあ、ベホマ使える反則的な魔王なんだよ」
勇者「えっ」
先代「なのになぜ負けたかわかるか?お前を生かすためだ」
勇者「そ、そんな」
先代「ベホマを覚えたのも、お前がケガをしたときに治すため」
先代「お前の両親を殺したと嘘ついたのもお前を生かすため」
先代「お前を手放したのも、普通の人間の女の子として幸せになってもらうため」
勇者「嘘だ」
先代「あいつは全然ひどい魔王なんかじゃない」
先代「あいつは、誰よりも優しい魔王だ」
勇者「嘘だ……うう、ひっく……」
先代「本当は言うつもりなかったんだが」
先代「お前に生きてもらう他の方法が、俺様の頭ではには思いつかなかった」
勇者「わたしは何てことを……」
先代「後悔しているのなら、生きてくれ」
先代「生きて、結婚でもして、子どもを授かって、幸せになってくれ」
先代「それが魔王と、俺様たちの願いだ」
勇者「ごめんなさい……」
勇者「お兄ちゃん……」
>>69
間違えた
先代「本当は言うつもりなかったんだが」
先代「お前に生きてもらう他の方法が、俺様の頭では思いつかなかった」
勇者「わたしは何てことを……」
先代「後悔しているのなら、生きてくれ」
先代「生きて、結婚でもして、子どもを授かって、幸せになってくれ」
先代「それが魔王と、俺様たちの願いだ」
勇者「ごめんなさい……」
勇者「お兄ちゃん……」
中ボス「で、今はあいつ何してるんですか?」
先代「求婚してきてた東の島国の王と結婚して、娘が生まれたらしい」
中ボス「そりゃよかったが……しかし俺たちを復活させるの大変だったんじゃ?」
先代「俺様にかかればちょろいもんよ!問題は魔王だな」
中ボス「せっかく復活したのにまだ目覚めないですね」
先代「15年以上もかけて俺様の全魔力を注ぎこんだのになあ」
中ボス「そんなことして先代の体は大丈夫なんですか?」
先代「寿命がかなり縮むくらいだな!」
中ボス「大問題だろそれ」
先代「ちょうど嫁と同じくらいの時期に死ねるから問題ない」
中ボス「イイハナシダナー」
先代「嫁には言うなよ、今すぐ寿命を終わらされかねないからな」
中ボス「本末転倒じゃないですか」
魔王「うーん」
先代「!起きたか!」
魔王「……ここはどこ?私は誰ですか?」
中ボス「えっ」
先代「えっ」
先代「まさか記憶喪失とは……」
中ボス「で、あの方は今何を?」
先代「お前は魔王だって説明して、ここ数日は俺様の魔王資料コレクションを見せているところだ」
中ボス「あんたの資料ってほとんど漫画とゲームだろ……大丈夫なのかそれ」
魔王「よくわかりましたよ魔王というものが!」
先代「おっおかえり。で、どうよ?」
魔王「はい!私は魔王なので、ちょっと人間界で悪さをしてこようと思います!」
先代「!?」
中ボス「無限ループって怖くね?」
先代「お、落ち着け魔王、ってもういないし!」
中ボス「どうすんだこれ……」
魔王(父に見せてもらった資料の中に絵本がありました)
魔王(東国の女王が書いた、ひどい魔王の話です)
魔王(ひとりの少女を救った、本当は優しい心を持った魔王)
魔王(魔王が悪さを働くことで人間界は皮肉にも豊かになったが、その魔王は悲しい最後を遂げたという)
魔王(私なら、その魔王の本当に作りたかった世界を作ってみせます)
魔王(人間界も魔界も繁栄させ、共存させてみせる!)
魔王(なぜなら私は……)
姫「はあ、退屈ですね。何か面白いことは起きないでしょうか」
姫「この前読んだ本みたいに、王子様がさらいにきてくれるとか……」
魔王「夜分遅く失礼致します!あなたが東国の姫君ですか?」
姫「きゃあああああああ!!いつの間に!?」
魔王「あの、突然で申し訳ないのですが、少しの間私にさらわれてくれませんか」
姫「お、王子様?じゃないですよね、どうみても……角生えてますし!?羽も!」
姫「というか、誰ですかあなたは!?」
魔王「私ですか?私は……」
魔王「私は優しい魔王です!」
おわり
61 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/07/18 23:15:16.41 U8I2VnjK0 47/48チート勇者何処行った
78 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/07/18 23:57:24.76 iLvnJ5Gr0 48/48はい。ありがとうございました
楽しんでくれた人は前作も繋がっているのでよかったらどうぞ
>>61
二周目が単調すぎて飽きていたところに幼女が現れて弟子入りして本人は引退
前回の旅から引き継いだ金で豪遊
うまくこのエピソード入れられなかったからはしょりました面目ねえ