娯楽部
結衣「はぁ…」
ちなつ「どうしたんですか?結衣先輩」
結衣「いや、ちょっとね…」
結衣(これは、口外してはいけないことだからな)
ちなつ「そうですか」
ちなつ「お疲れでしたら…マッサージでもしますよ?」
あかり「……っ!」ビクッ
ちなつ「こう見えて、マッサージ得意なんですよ」
元スレ
京子「感情伝導?!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1341075483/
あかり(結衣ちゃん!)フルフル
結衣(あかりが何か言ってる?!)
あかり(マッサージ危険!)クチパク
結衣「あ…いや、遠慮するよ」アセ
結衣「でも、気遣いありがとうね」
京子「ゆーいー!ちょっと、今日は帰ろう」ガラ
結衣「へっ?!」
ちなつ「来てすぐに、結衣先輩を連れていかないでくださいよ!」
あかり「あ、京子ちゃん帰るの?結衣ちゃんと一緒に?」
京子「そうだ、今日はちょっとなー」
京子「じゃあな!」ダッ
結衣「ちょ、京子…袖引っ張るなよ!」ダッ
結衣宅
結衣「ったく…袖伸びたじゃないか…」
京子「ごめんごめん~」
結衣「…一体、あの後どこに行ったんだ?」
京子「ちょっと、西垣ちゃん探しに行ってた」
結衣「会えたのか?」
京子「いや…出張だって」
結衣「だから、手紙に書いたんだな」
結衣「で…先に帰ったのって、やっぱり…あのことか?」
京子「うん…話し合おうと思って」
結衣「話し合っても、無駄だって先生言ってた…ってか、書いてあった?んだけどな」
京子「でも、話し合ってみなきゃわかんないじゃん?」
結衣「ま、それもそうだな…」
…
……
………
ある日の放課後 理科室
西垣「よくきてくれた…2人とも」
京子「で、西垣ちゃん、私達に何の用?」
西垣「ちょっと、実験に付き合ってもらいたくてな」
結衣「私達2人に?」
結衣「というか、爆発は嫌ですよ」
西垣「爆発の心配はないぞ!」
西垣「……多分」ボソ
京子「今、多分って言ったよね?」コソコソ
結衣「あぁ、言ったな…」コソコソ
京子「で…何の実験なの?」
西垣「まぁ待て、その前に…」
西垣「今からいくつか質問をする」
西垣「答えられる範囲で正直に答えて欲しい」
京子「分かった~」
結衣「?…はい」
西垣「お前達2人は…互いに信頼し合っている仲…であってるよな?」
京子「もちろん!」
結衣「まぁ…否定はしません」
西垣「では、今までに喧嘩をしたことがあるか」
京子「まぁ、ある…かな」
結衣「あります」
西垣「仲直りはいつもどっちからか」
京子「結衣かな」
結衣「いや、京子だろ」
西垣「今、2人の意見が食い違ったが…それについては?」
京子「確かに、私からもあるけど…ほとんど結衣からじゃん」
西垣「つまり…船見が嘘を言っていると?」
結衣「いいや、京子の方が多いね」
西垣「……もう、いい」
西垣「でも結局仲直りはするんだな?」
京子「まぁ、そうなるかな」
結衣「はい」
西垣「では…最後の質問」
西垣「…どんなことがあっても、その仲が崩れない自信があるか」
京子「そりゃあ…」
京子・結衣「もちろんです!」
西垣「そっか、なら良し!」
西垣「実験内容はまた後日知らせる」
西垣「では、またな」スタスタ
京子「なんだったんだ?」
結衣「私にも、わからない…」
後日
京子「あれ?」
結衣「どうしたんだ、京子?」
京子「いや、さっきまで机の中に何もなかったんだけど…」
京子「コレ…」
結衣「歳納と船見へ…?」
京子「開けてみる?」
結衣「ああ」
歳納と船見へ
先日言っていた実験の件だが
来週から開始する。
その実験によって…
お前たち2人の心がお互いに筒抜け状態になる。
もちろん、それは常時ではない。
アトランダムでだ。
つまり、どのタイミングかは分からないが、
その瞬間思っていたことが、
相手にはっきりと伝わってしまうということだ。
その言葉だけでなく、感情そのものも体感できる。
例えば…そうだな、
自分が落ち込んでいる時に、その悲しいとか寂しいっていうのが
相手に伝わったとしよう。そうしたら、
相手は、そいつが思っている悲しみ、寂しさを感じることができる。
まるで…自分がそう感じているようにな。
また、強く思っているほど相手に伝わりやすい。
ちなみに…距離は関係ない。
どんなに遠くにいても、はっきりと伝わる。
そして、自分の心が相手に伝わってしまったことは
わかるようになっている。
どうだ、面白そうだろう?
来週の月曜の放課後、私のところに来い。
実験開始だ。
あ、お前らに拒否権などないからな。
では、健闘を祈る。
西垣
p.s.
対策とか…話し合っても無駄だぞ。
伝わってしまうものは、仕方ないことだ。
実験だからな。
それと、このことを口外するなよ。
結衣「マジかよ…」
京子「Oh, No~」
結衣(これ、結構ヤバいだろ…)
結衣(こうやって、思ってることが…伝わってしまうなんて)
京子(思ってたより簡単な実験だけど、コレは危ないね…)
結衣「…私達に、拒否権はない、か」
京子「…………」ダッ
結衣「え?ちょ、京子!どこいくんだ?」
結衣「…………」ポツン
結衣「部室行くか」
………
……
…
結衣「というか、コレありえない話だろ…」
京子「でも、西垣ちゃんならできそうじゃん」
京子「あんなに、爆発してるんだし」
結衣「まぁ、そうかもしれないけど…」
結衣「けど…やっぱり信じられないよ」
京子「う~ん、心が筒抜け状態になるって…非現実的だもんね」
結衣「うん…」
京子「でも…念のため話し合っとこうよ」
結衣「そうだな」
数十分後
京子「結論、無心!」
結衣「いや、無理だろ」ペシン
京子「だって~、それしか思いつかないんだもん」
京子「なら、結衣は何か案あるの?」
結衣「いや…ないけど…」
京子「ほら~」
結衣「でも、アトランダムなんだろ?」
結衣「全て、運任せになっちゃうけど…」
結衣「伝わって欲しくないことは、運良く伝わらないかもしれないし…」
京子「伝わってしまうかもしれないじゃん」
結衣「だから、なるべく…そういうことを思わないでさ?」
結衣「どうでもいいこと考えていれば…良いんじゃない?」
結衣「というか、普段通りが一番いいと思う…」
京子「そう言うけどさ、それって結構難しいんじゃないかな」
結衣「京子の言う、無心の方が難しいと思うけど…」
京子「そうだけど!…はぁ」
京子「これ以上は話し合わないほうがいいね…」
京子「実験始まる前から、こんなんになっちゃダメだよ」
結衣「そ、そうだな」
結衣(なんだよ、京子が話し合おうって言ったから!)
結衣(考えたのに…)
結衣(ったく…勝手すぎるよ)
京子「…………」
京子(この実験は、多分、思ってること…)
京子(つまり、本心が伝わってしまうことで、人間関係にどんな影響をもたらすか)
京子(ってのを…研究というか観察?する意図があると思う…)
京子(だから、もとから仲の良い子達…)
京子(私達を対象にしたかったんだ)
京子(前に、質問してた内容も主に人間関係についてだったし…)
京子(このことを、結衣には言わないほうがいいかな)
京子(結衣は案外もろいし、1人で溜め込んじゃうタイプだから)
京子(このことを意識しすぎると、多分壊れてしまう…)
京子(もっとも…、自分で気づいちゃう可能性もあるわけだけど)
京子「…疲れた」
結衣「…今日は泊まるのか?」
京子「ううん、ほら…お互い頭の整理しなきゃいけないと思うから」
京子「今日は、そのまま帰るよ」
結衣「そっか…わかった」
京子「じゃあ、また明日ね」
結衣「ああ、気をつけて帰れよ」
バタン
結衣(あー、大変なことになったなー)
結衣(来週からか…)
結衣(…もう、寝よう)
京子宅
京子「早速、情報収集しよう」
京子「…心が筒抜けっと」
京子「え~っと…どれどれ」
京子「う~ん、あまり役に立たない情報だな」
京子「あれ?今の私達と似たようなヤツがある…」
京子「ココロコネクト…?」
京子「…ふむふむ」
京子「ほとんど私達と同じような状態だ…」
京子「こっちは、2人だけだけど」
京子「よし、…明日買って読んでみよう」
翌日
結衣「おはよう、京子…」
結衣(結局、あまり寝れなかった…)
結衣(すごい眠い…)
京子「おはよう」
京子(結衣寝不足なのかな?)
京子(そりゃ、そうだよね…あんなことがあったんだし)
京子(そして、これから大変なことになるのに、大丈夫かな…)
放課後
京子「結衣、今日は私用事あるから、部活任せたよ」
結衣「そっか、分かった」
本屋
京子「あったあった…これか」
京子「早速、買って家で読もう」
京子宅
京子「ふむふむ…」
京子「この巻しか買ってないから、まわりの人間関係とかはちょっと分かんないけど」
京子「だいたい分かった…」
京子「これに、対策とかは載ってなかった!」
京子「だって、普段通りって、結局気にしちゃうんだから無理じゃん!」
京子「確かに、西垣ちゃんの言う通りかも」
京子「伝わっちゃうのは、仕方ないこと…か」
京子「まぁ、分かったことは…この本ではこのことを」
京子「感情伝導」
京子「と、呼ぶことだけ」
京子「来週の月曜日か…」
月曜日 理科室
西垣「よし、ちゃんと来てくれたな」
京子「だって、私達に拒否権はないんでしょ?」
西垣「まぁ、そうだがな」
西垣「自分の意思で来てもらった方が気持ちがいいじゃないか」
西垣「無理やり連れてくるより…だろ?」トントン
結衣「どっちにしろ実験に参加しなければならないのなら」
結衣「爆発させられる前に、自ら行きますよ」
西垣「相変らず、船見はクールだな」ハハ
京子「で、ちょっと質問良い?」
西垣「なんだ?」
京子「その…実験っていつまで続けるの?」
京子「一日やそこらじゃ、実験する意味がないよね?」
結衣「?」
西垣(なんだ、歳納の方が先に気づいたのか…)
西垣「それは、未定だ」
西垣「まだ、決まってない…」
西垣「それに、歳納…お前わかってるんだろう?」
西垣「私が望むものが何か」
京子「…………」
結衣「?」
結衣(さっきから、2人とも何の話をしているんだ?)
西垣「この話はおしまい」
西垣「他に質問なかったら…実験開始するぞ」
西垣「まぁ、開始してからでも質問は受け付けるがな」
京子「結衣…じゃあ、やろっか」
結衣「う、うん」
西垣「じゃあ、この薬を飲み込んでくれ」
西垣「決して噛むなよ」
京子「うん」
結衣「…飲み込みました、先生」
西垣「これで、実験開始だ」
西垣「信じられないかもしれないが」
西垣「この実験が本当なのかは…過ごしてみれば分かる」
西垣「では、健闘を祈る」スタスタ
娯楽部
結衣(う~ん…口外しちゃだめだし…皆の前では普通に過ごしたほうがいいのかな)
結衣(怪しまれずに、怪しまれずに…)
結衣「な、なぁ…京子、2人とも遅いな~」
京子「そ、そうだな」
京子(結衣のヤツ、ガチガチじゃん!)
京子【逆に怪しいよ】
結衣「えっ?!」
結衣(い、今の京子の感情…?)
京子(まさか…)
京子「ねぇねぇ!今の感情伝導だよ!伝わったでしょ?」
結衣「あ、ああ…」アセ
京子「どんな感じだった?!」
結衣「京子が、そのまましゃべってるような感じ」
結衣「結構、リアルに聞こえたよ」アセ
結衣「ていうか、感情伝導っていうのか?これ」
京子「あ…うん、そうだよ」
京子(元々はそのラノベでの呼び方だけど、いっか)
京子「これ、やっぱ本当だったのか~」
結衣(なんでこんなにテンション高いんだよ)
結衣(本当だったら、ヤバいじゃないか)
結衣(というか、今起きちゃったんだし…)
結衣(しかも、何か知っているような感じだった)
結衣(何か、隠してる…)
結衣【今の京子は…信じられない…】
結衣「あ…」
京子「え?」
京子(何今の…凄い冷たくて暗い感情だった…)
京子(【今の京子は…信じられない…】って…)
京子(結衣に、疑われてる…)
京子(…………)
結衣「きょ、京子?今のは違うんだ…ちょっと語弊が生じたっていうか…」
京子「…………」
京子「言いたいことは、はっきり言えば?」
京子(違う!こういうのが言いたいんじゃなくて…)
京子「その方がお互いのためだと思うよ?」
京子(何で!今思ってることが伝わらないんだ!)
京子「…こんな状態なんだしさ」
京子(…結衣に嫌われちゃうよ)
結衣「だから、違うって!」
京子「何が、違うのさ」
京子(あぁ、もう止まらない…)
京子「感情伝導は、嘘の感情を伝えないよ?」
京子「さっき伝わったのって…実際そう思ったからでしょ?」
京子「そして…西垣ちゃんからの手紙にもあったけど」
京子「強く思っているほど相手に伝わりやすいって」
京子「つまり、そういうことだよね?」
京子(違う!違う!結衣だって混乱してるのに…)
京子(こんなこと言ったら…また!)
京子(また…聞きたくない感情が伝わってくるよ…)
結衣「確かに、信じられない、って思ったけど…」
結衣「そ、それは!京子が私に何か隠し事をしているからじゃないか」
結衣「しかも…こんな状況だってのに、テンション高めでさ」
結衣「疑うに決まってるだろ!」
京子「っ……」ダッ
「きゃっ…」
「え、今の京子ちゃん?」
あかり「ゆ、結衣ちゃん…どうしたの?」
ちなつ「今、京子先輩が泣きながら…」
結衣「…なんでもない」
結衣「ごめん、帰るね」スタスタ
あかり「…………」ガシ
結衣「何?あかり…腕離して欲しいんだけど」
あかり「ごめんね、結衣ちゃん、腕離せないよ?」
結衣「は?」
あかり「何で京子ちゃん泣いてたの?」
あかり「喧嘩しちゃったの?」
結衣「あかりに関係ないだろ」
ちなつ(あかりちゃんが…怒ってる?!)
あかり「関係あるよ、あかりもちなつちゃんも…」
結衣「…………」
あかり「だって、ここは娯楽部なんだよ?」
あかり「あかりだって、ちなつちゃんだって娯楽部のメンバーだし」
あかり「結衣ちゃんと京子ちゃんのこと大好きなんだもん」
あかり「無関心じゃない限り…関係ないはずないもん」
あかり「結衣ちゃんと京子ちゃんに何かがあったのはわかるよ」
あかり「この前、少し様子がおかしかったからね…」
ちなつ(あかりちゃん…皆のこと見てたんだ…)
あかり「…確かに、いくら幼馴染…友達でも、秘密はあるよ」
あかり「だから、何が原因かは聞かない…」
あかり「でも、今結衣ちゃんの腕離してしまうと、ずっとこのままになっちゃう気がしたんだ」
あかり「だから、ちょっと説教じみたことしちゃった」アセ
あかり「結衣ちゃんの方が年上なのに、ごめんね」
あかり「あかr…ううん、私からのお願いです」
あかり「絶対、仲直りしてね…?」
ちなつ「!」
ちなつ「私からもお願いします!」
ちなつ「結衣先輩や京子先輩がいない娯楽部は嫌です」
ちなつ「後輩のくせに…でしゃばって申し訳ないですが!」
ちなつ「また…皆揃ってお茶飲みたいです」
結衣「…………」
結衣「…ごめん」スタスタ
京子宅
京子(早速、喧嘩しちゃったよ…)
京子(それに、気づいちゃった)
京子(結衣に、この実験の目的を言わなかった理由)
京子(結衣が壊れちゃうから、なんて建前だけだ)
京子(本当は…)
京子【私が、結衣の本音を知りたくなかったから…】
京子【結局は、自分を守るため…】
京子(あ……)
京子(結衣に、伝わっちゃった…)
結衣宅
【私が、結衣の本音を知りたくなかったから…】
【結局は、自分を守るため…】
結衣(感情伝導?!)
結衣(京子の感情だ)
結衣(寂しさ…悲しさ…辛さ…)
結衣(そして、後悔…)
結衣(胸が痛いよ…)
結衣(京子は、この感情をずっと抱えていたのか…)
結衣(でも…今はきっと冷静になれないから…)
結衣(ごめんね…きょ、お…こ)zzz
翌日 結衣宅
結衣「あ…そういえば、昨日そのまま眠っちゃったっけ」ズキ
結衣「あ、頭が…痛い…」
結衣「それに、クラクラする…」
結衣「風邪かな、熱計ってみよう」
結衣「あ、39度近くある…」
結衣「学校休もう…」
結衣「お母さんに連絡してもらおう」
教室
京子(結衣、怒ってるよね…)
京子(迎えに来てくれなかったし)
京子(はぁ…どうやって、話しかけよう)
京子(…って、結衣いくらなんでも遅くない?)
京子(遅刻しちゃうよ?)
教室 HR
担任「えー、船見は今日欠席っと」
担任「高熱をだしてしまったみたいでな」
担任「皆も体調管理しっかりしろよ」
担任「じゃあ、朝のHRは終わり」スタスタ
京子(えっ?!結衣が欠席?)
京子(昨日の今日で…やっぱり私のせいかな)
京子【結衣ぃ…】
結衣宅
【結衣ぃ…】
結衣(あ、また…感情伝導)
結衣(昨日あんなことあったから…京子変な勘違い…してるかも…)
結衣(…………)スースー
…
……
………
幼京子「結衣なんて、もう大っきらい!」
幼京子「もう、しゃべんないもん!」
京子「は?意味わかんないし」
京子「言いたいことは、はっきり言えば?」
京子「感情伝導は、嘘の感情を伝えないよ?」
京子「じゃあね、結衣」
結衣【きょ、京子…いかないで…】グス
………
……
…
教室
【きょ、京子…いかないで…】
京子(あ、結衣の感情が…)
京子(結衣が!結衣が私を求めてる!)ガタッ
先生「と、歳納さん?どこに行くの?!」
京子「今、呼ばれたんです…だから行かなきゃ!」スタスタ
先生「歳納さん?!戻ってきなさーい!」
京子「先生、すみません…」ダッ
結衣宅
京子「ハァハァ…」
京子(結衣、寝てるかな?)
京子(だったら、ピンポン押さない方がいいよね…)
京子(ここまで、来たのは良いんだけど…どうしよう)ガチャ
京子(え?!…ガチャ?)
京子(あ、開いてるし)
京子(全く、ダメじゃないか…開けっ放しは…)
京子「お、おじゃましまーす」
京子「結衣ー、来たぞー」
結衣「…………」スースー
京子「やっぱり、寝てたか」
京子「涙まで流しちゃって…」ナデナデ
京子【私は、いつでも結衣のそばにいるよ】
京子【だから、安心して】
京子「あ、伝わっちゃった…」
京子「けど、寝てるから大丈夫かな//」
結衣「…きょーこー」スースー
京子「へ?!」
結衣「…………」スースー
京子「あ、寝言か」
京子「可愛いヤツめ…」フフ
京子「結衣の体、汗だらけだ…」
京子「拭けるところは拭いとこう」フキフキ
京子「それと、熱さまシート剥がれそう」
京子「はりかえたほうがいいかな?」
京子「っと…これで大丈夫」
京子「なんだか…私も、眠くなってきた…」ウトウト
京子「ちょっとぐらい、寝ても…いいよね…」スースー
数時間後
結衣「うん~…何か体が重い~…」ガバ
結衣「って、何で京子がここに?!」
結衣「しかも、寝てるし…」
結衣「あれ…体が大分楽になってる」
結衣「京子が…やってくれたのか?」
結衣「…あ、そういえば…」
【私は、いつでも結衣のそばにいるよ】
【だから、安心して】
結衣「…………//」カァ
結衣「全く、恥ずかしいこと言いやがって」ツンツン
京子「ううん~」
結衣「…………」ツンツン
結衣(何か面白い…)
京子「う~ん……って、結衣?!」ガバ
結衣「あ、うん、そうだけど」
京子「結衣…ごめんね」
結衣「え?!」
京子「昨日のこと…と、勝手に結衣っちに上がってきたこと」
結衣「…………」
京子「あのね、私が…結衣に黙っていたことなんだけど」
結衣「うん…」
京子「あの、手紙を貰ったとき、気づいたんだ…」
京子「この実験の目的」
結衣「っ!」
京子「…この感情伝導によって、人間関係にどんな影響を与えるか」
京子「だから、西垣ちゃんは…最初私たちに質問をした」
京子「仲がいい子達じゃないと、良いデータが得られないから」
京子「確認のために…」
京子「これなら、納得いくよね?」
京子「ほら、実際…感情伝導のせいで、喧嘩したし…」
結衣「う、うん…」
結衣(京子…1人でここまで分析したのか)
結衣(すごいな…)
結衣(なのに!私は…自分のことしか考えてなかった!)
結衣「ごめn」
京子「結衣、ごめんね?」
結衣「へ?」
京子「感情伝導で伝わったから…もう、わかってるかも知んないけど」
京子「このことを最初に言わなかったのは…」
結衣(あ…あの時)
【私が、結衣の本音を知りたくなかったから…】
【結局は、自分を守るため…】
結衣(あの感情は、本当に苦しかった…)
結衣「京子…謝らないで?」
結衣「私だって、謝らなくちゃいけないんだ」
結衣「最初に、自分で普段通りが良いって言ったのに…」
結衣「京子のテンションが高いって言って…」
結衣「逆ギレしちゃったし…」
結衣「本当にごめんね」
京子「ゆ、い…」ウルウル
結衣「仲直り、しよっか」ニコ
京子「ゆいー!」
結衣「ごめんな…京子」ギュ
数日後
京子(案の定、あのあと、先生に大目玉をくらった)
京子(まぁ、授業中抜け出しちゃったもんな)
京子(だけど、後悔はしてない…)
京子(ほかでもない、結衣が呼んでたから)
京子(…………)
京子(まだ、感情伝導は続いてるけど…)
京子(あれから、お互い思ったことはぶつけ合うことにした)
京子(感情伝導とかで知らされるよりは、マシだろうって)
京子(まぁ、なんとかなってるし…)
京子(大丈夫かなって)
京子(あと、ちなつちゃんやあかりもあのことに何も触れず、普段通り過ごしてる)
京子(ありがとう)
1週間後
ピンポンパンポン
「えー、2年の歳納と船見、今すぐ理科室にきなさい」
結衣「え?!」
京子「今の、西垣ちゃん?」
結衣「もしかして…!!」
京子「結衣、行こう!」
理科室
西垣「お~、よく来た」
京子「で、何ですか?」
西垣「なんだ、予想もできないのか?」
結衣「実験終了…」
西垣「まぁ、一言で言えばそうだ」
京子「よっしゃ!」
西垣「短い間だったが、お疲れ」
結衣「もう、本当疲れましたよ…」
京子「うん、結構疲れた、精神的にも身体的にも」
西垣「これが、実験というものなのだ、それは仕方がない」
京子「ムムム」
西垣「だが、この実験のおかげで…」
西垣「何か得られるものがあっただろ?」
結衣「まぁ、そうですね」
西垣「だったら、良しとしようじゃないか」ハハ
京子「でも、本当に大変だったからね!」
西垣「…ハハ」
西垣「じゃあ、この薬を飲め」
西垣「そうしたら、お前らが言う感情伝導は以後なくなる」
結衣「じゃ、飲もうか…」
京子「うん…でも、なんか寂しいね」
結衣「そうだな…けど、感情伝導がなくても…」
結衣「私達はもう、本気でぶつかりあえる」
結衣「だろ?」
京子「そうだね…」
結衣「じゃあ、せーの!で飲もうか」
京子・結衣「せーの!」
京子【結衣、私結衣のことが好き】
結衣【京子、私京子のことが好き】
京子・結衣「…………」ゴク
京子・結衣「…………」プッ
京子・結衣「アハハハ」
西垣(最後に、何か通じ合ったみたいだな)ハハ
京子「あ、そう言えば…西垣ちゃん」
西垣「なんだ?」
京子「この実験の結果…前よりも確かにいい関係になったけど」
京子「もし、私と結衣の間に亀裂がはいって…」
京子「仲が悪くなってたら、どうしてた?」
西垣「いい質問だ」ニヤ
西垣「歳納も船見も、実験開始の時を思い出せ」
…
……
………
西垣「まぁ、そうだがな」
西垣「自分の意思で来てもらった方が気持ちがいいじゃないか」
西垣「無理やり連れてくるより…だろ?」トントン
………
……
…
西垣「この時、2人の肩に超小型盗聴器をくっつけておいた」
西垣「だから、お前たちの会話は筒抜けだったんだ」
西垣「主に私に」
結衣「え?主にって…?」
西垣「もちろん、松本も一緒さ…ここにはいないがな」
西垣「そして、歳納、お前船見にこの実験の目的を教えただろう?」
西垣「確かに、この実験は人間関係にどのように影響するか、を調べることだったが」
西垣「私は、この実験で、お前達の関係は悪くならない…とわかっていた」
西垣「というか、信じていた、の方が正しいかな」
西垣「だって、最初に聞いただろう?」
西垣「…どんなことがあっても、その仲が崩れない自信があるか、と…」
西垣「そして、お前達2人は…」
京子「そりゃあ…」
京子・結衣「もちろんです!」
西垣「ってな」ハハ
西垣「ほら、教師が生徒のこと信じるのは、当たり前だろう?」ニコ
京子「うぉ~、なんか今西垣ちゃんが教師っぽく見えたよ」
結衣「私もだ…」シミジミ
西垣「おい、私は元々教師だ!」
西垣「とまぁ、こういうわけだ」
西垣「じゃあ、私は松本を待たせてるからな…」
西垣「失礼」スタスタ
結衣「なんだかんだ…西垣先生って教師してるんだな」
京子「だね…」
京子・結衣「あのさ!」
結衣「……あ」
京子「…多分、言いたいこと同じな気がする」
結衣「うん」
京子「せーの!で言おっか」
結衣「うん」
京子・結衣「せーの!」
京子「…………」
結衣「京子!付き合ってくれ!」
結衣「へ?」
京子「……ププ」
結衣「お、お前…はめたな!」カァ
京子「だって、どうしても…結衣から告白して欲しかったんだもん」ニコ
結衣(そこで、微笑まれると…何も言えなくなっちゃうじゃんか…)
結衣「しょ、しょうがないな…京子は」ニコ
京子「エヘヘ」
京子「結衣、これからもよろしくね!」
おわり
99 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/07/01 04:23:43 y9LDHn1O0 82/82
今回は、ss中にもでてきましたが
ココロコネクトのミチランダムが元ネタです。
ゆるゆり2期もココロコネクトも
アニメが始まるそうなので、書いてみました。
こんな夜おそくまで…朝早くまで?
読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!
また、これからも精進していきますので、
よろしくおねがいします_(._.)_