まどか「はぁ……円環の神様も忙しいよ……」
まどか「一息入れたいな。ほむらちゃ―――」
ほむら「はい、ココアよ」コト
さやか「流石いつもそばにいるだけはあるわな……」
元スレ
まどか「執事ほむらちゃん!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1339489611/
まどか「ほむらちゃん、明日下界に降りて様子見に行くからね」
ほむら「わかったわ。それじゃ」
まどか「ほむらちゃん?降りるのは明日だよ?」
ほむら「安全に降りれるよう、下見をしに行ってくるわ」
さやか「おぉ、過保護な気もするけど流石は執事ほむら……」
ほむら「まどかを歩かせるわけにはいかないから、なにか移動手段を今のうちに……」スチャ
さやか「天に上った後も窃盗か!」
まどか「浮かべるから必要ないよ……」
まどか「それじゃ行こうかな?」
ほむら「降臨の用意はできてるわ」
ほむら「天使の輪っかに、後光とお告げを発しながら降りるエレベーター」
ほむら「これを使えば、キリスト教やイスラム教に劣らない規模の教団ができること間違いなしよ」
さやか「変に万全過ぎだよ!新興宗教を設立させる気かい!」
まどか「そ……そこまでしなくても大丈夫だよほむらちゃん」
ほむら「魔獣に襲われても私一人で何とかできるけど……」
ほむら「念には念を入れて、あなたたち近衛もついてきなさい」
さやか「あいほらさっさー!」
杏子「下界のお菓子くいてぇ……」
ほむら「それじゃ、行きましょうか?」
マミ「あの、暁美さん?私は……」
ほむら「別に軍を動かす必要はないわ。司令官として、留守番をよろしく」
マミ「………」ショボン…
下界
まどか「久しぶりだなぁ、この町も」
ほむら「まずはどこへ行くの?」
まどか「えっと、ちょっと私の家の様子を見に行きたいなって……」
ほむら「分かったわ」ガサゴソ
杏子「なにバッグ漁ってんだ?」
ほむら「いえ、ちゃんと道中に赤いカーペットを敷いておかないと……」クルクル
さやか「行く道に敷くって、まどかはどこかの国王か!」
ほむら「円環の神様よ!」
まどか「ほむらちゃんそこまでしなくても……」
トコトコ……
ほむら「……! 何奴!?」バッ!
まどか「えっ!?」
さやか「魔獣!?」
杏子「敵か!?」
「まろか!まろか!」
まどか「なんだ……タツヤだよぉ……」
ほむら「そっか、もう一人歩きできる歳になったんだね」ナデナデ
さやか「おお、あのほむらの表情が柔らかく……」
まどか「私が見えるのかな……?」
ほむら「多分、子供独特の感覚で分かってるだけじゃないかしら?」ナデナデ
さやか「たっく~ん?」フリフリ
タツヤ「あい……?」キョロキョロ
さやか「こっちだよ~?」フリフリ
タツヤ「……ほむぅ?」
さやか「さやかちゃんですよー!」
まどか「でも元気そうでよかった」
ほむら「ええ、本当に」ナデナデスリスリ
まどか「……ほむらちゃん?」
ほむら「なにかしら?」スリスリ
まどか「さっきから何をしてるのかな?」
ほむら「本物のたっくんかどうかを調べてるのよ」クンクン
ほむら「魔獣の偽装だったら危ないじゃない」キリッ
まどか「……ほむらちゃん、クビ切っちゃうよ?」ニコ
杏子「どっちの意味にも取れてしまってこええな」
まどか「それじゃあまたね、タツヤ」フリフリ
タツヤ「まろかぁ!」
まどか「それじゃ、町をぐるっと回ろうかな?」
さやか「久しぶりの見滝原で、あたし舞い上がっちゃってますねー!」
杏子「あれ?ほむらは?」
ドドドドド……
ほむら「おまたせ……」ハァハァ
さやか(あたしは見なかったよ。凄まじいスピードで見滝原中を駆け回ったのを)
まどか「それじゃあ、まずはこっちから……」
ほむら「そっちはダメよ。魔獣がいるわ」
まどか「じゃあこっちを……」
ほむら「そっちは工事中よ。砂埃をかぶってしまうわ」
まどか「じゃ、じゃあ、えっと……」
ほむら「安心して。行き先を言ってくれれば安全な迂回路を提案するわ」
さやか「人工衛星も真っ青のナビ」
杏子「渋滞情報や工事情報収集も完璧だな」
・
・
・
まどか「それじゃ、帰ろうか」
さやか「そうだね」
杏子「特に何事もなかったな」
まどか「ほむらちゃんのおかげだよ」
ほむら「どうってことないわ」フンッ
さやか「やり過ぎなところもあるけどね」
円環
マミ「お帰りなさい」
まどか「ただいま、マミさん」
さやか「はぁ、つかれたぁ~」
ほむら「何もしてないじゃない」
ほむら「私は町中駆けまわったりしてね……」
杏子「だからやり過ぎだっての」
まどか「さて、もう寝ないと……」
ほむら「ベッドメイキングはすんでいるわ」
さやか「あたしたちのは?」
ほむら「外のハンモックにでも寝てなさい」
さやか「ついでに用意してくれてたっていいじゃん」
ほむら「まどかのベッドメイキングは気を抜けないわ」
さやか「何に気を使ってんのさ……」
ほむら「使い終わった布団の羽毛は入れ替えたり……」
さやか「こだわり過ぎ!もったいない!」
翌日
まどか「おはよう、ほむらちゃん……」ウトウト
ほむら「おはようまどか。洗顔、朝食の用意全部できてるわ」
まどか「うん、いただきます」モクモク
ほむら「しっかり起きてまどか。こぼれてるわ」フキフキ
まどか「あ、ごめんね」
ほむら「ほらほら」フキフキ
まどか「今日は何をするんだっけ?」
ほむら「今日は主に書類関係ね」
ほむら「魔法少女の契約一覧の確認や、魔獣の浄化率や……」ペラペラ
まどか「神様がペンでサインなお仕事もするなんて思わなかったよ……」
ほむら「手伝ってあげるから」
まどか「うん、ありがとうほむらちゃん」
ほむら「本当は全部変わってあげてもいいんだけど……」
まどか「それはダメだよ。お仕事だもん」
まどか「それじゃ頑張るよ!」グイッ!
ほむら「………」
まどか「ふむふむ」カキカキ
ほむら「………」
まどか「えっと……」カキ…
ほむら「………」ゴソゴソ
まどか「うぅー眠いよ……」コテン
ほむら「まどか、目薬よ」
まどか「えいっ」ピチャッ
まどか「あれ……?」
まどか「えいっ!」ピチャッ
まどか「また外れちゃった」
まどか「うまくはいらないよ……」
ほむら「ほらまどか、ここに横になって。さしてあげるわ」ポンポン
まどか「ありがとうほむらちゃん」
まどか「今度こそがんばるよ!」
ほむら「………」ゴソゴソ
――――――――――
ガチャ
マミ「鹿目さん、差し入れのお菓子作ってみたんだけど……」
ほむら「しーっ!」
まどか「すぅすぅ……」
マミ「あらあら……眠ってしまったの……」
マミ(毛布がしっかり掛けてあるあたり、予想済みなのね……)
ほむら「………」ツンツン
まどか「……はっ!」
ほむら「おはようまどか」
まどか「私また眠っちゃった……」
ほむら「お昼寝大好きな神様ね」
まどか「うぇひひ……」
ほむら「それじゃ、お仕事再開しましょうか」
まどか「そうだね」
ピンポーン
ほむら「あら……」
まどか「予定外のお迎えだね」
まどか「でも時間大丈夫かなぁ」
ほむら「こっちの仕事の方は何とかしておくわ」
ほむら「だから安心して導きに行きましょう」
まどか「うん!」
魔法少女「ああ、私のソウルジェムが……」
魔法少女「真っ黒になって、アイツラみたいになっちゃうのかな……?」
「その心配はないわ」
「もう大丈夫だよ」
魔法少女「え……?」
パアアア……
魔法少女「ま……まぶしい……!」
まどか「あなたは」
ピカピカー
まどか「私が」
ピカアアアア!
まどか「受け止めてあげるから……って」
魔法少女「まぶしくて目が開けられない……」
まどか「ほむらちゃん!この明るさはやり過ぎだよ!」
ほむら「逆光でシェルトにした方が雰囲気がらしくなるのよ」ピカピカー
さやか「おいでませ円環の理へー!」
魔法少女「ここは……?」
マミ「役目を終えた魔法少女が導かれる先、円環の理よ」フッ
杏子「マミ……」
魔法少女「円環の理……」
まどか「詳しい説明は向こうのお部屋でするよ!」
ほむら「急だったけど、何とか間に合ったみたいね」
さやか「毎回もてなし料理をするなんて、アンタもよくやるわ」
―――――――――――
まどか「あ、ほむらちゃん。この子卵アレルギーだって」
ほむら「心配ないわ。その分の料理もちゃんと用意してある」サッ
魔法少女「すごく、用意がいいです……」
マミ「抜かりないわね……」
杏子「その卵料理捨てるなよ。あたしが喰うから」
さやか「あ、あたしにも分けてー」
今日も円環の理は平和でしたとさ
めでたしめでたし