ほむら「何回ループを繰り返したのかしら」
ほむら「どうがんばっても成功できない」
ほむら「もうちょっと頭を使わないとダメなのかしら」
元スレ
ほむら「ほむほむとQBの魔女見学」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1309353008/
ほむら「魔女をもっと研究しないとダメなようね」
ほむら「てことで、このループは研究ループにしましょう」
QB「僕に協力するかわりに、魔女をもっと知りたい…?」
QB「君みたいな魔法少女は初めてだよ」
QB「まあ、協力するならいいか」
QB「じゃあさっそく、この魔女から見ていこうか。これが魔女の情報ノートだよ」
ほむら「紅茶の魔女。その性質は孤独…生前の名前は巴マミ」
QB「知ってる子かい?」
ほむら「…いえ、知らないわ」
QB「じゃあ、さっそく結界に入ろうか」
ほむら「道路のような結界なのね」
QB「ああ、交通事故が原因で魔法少女になったからね」
ほむら「で、魔女は何処に居るの?」
QB「まあじっくり見ててよ
OL「なんなの…私は普通に住宅街を歩いてたんだけれど…」
ほむら「人が居る?」
QB「ああ、この魔女は人間に積極的に干渉する魔女なんだ。まあ見てればわかる」
OL「ここはどこなの…あれ、あの子は」
OL「暗くてよく見えないけど、女の子かしら…小学生くらいかな。泣いてるみたいだけど」
女の子「…」グスグス
OL「あの、あなた大丈夫?ここがどこだかわかる?」
女の子「…」グスン
OL「泣き止んで…ほら、わた」シュン
ほむら「OLと女の子が消えた?」
QB「何処に消えたと思う?」
ほむら「わからないわ」
QB「よし、この道路を進んでみようか。答えはそこにある」
ほむら「これは…車かしら」
QB「あまり近寄らないほうがいいよ。精神衛生上良くない」
ほむら「…ウエッ」
QB「何があった?」
ほむら「…死体だわ。腐ってる」
QB「その死体が連れ去られた人間か、魔女の作った物かはわからない」
QB「まあ進もうじゃないか」
ほむら「…ええ」
QB「魔女の性質は孤独。ノートに書いてあるね」
QB「孤独ということは…それを紛らわす存在が必要なんだ」
QB「それにうってつけなのが、無抵抗の人間…」
ほむら「ということはまさか」
QB「あのOLさんがどうなるか、見に行こうじゃないか」
ほむら「これは…トンネルかしら」
QB「ああ、魔女の部屋への入口さ」
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ほむら「…随分と綺麗な部屋ね」
QB「ああ、魔女の生前住んでいた部屋を表しているんだ」
QB「常に夕方の空。生前の魔法少女が最も恐れていた時間帯だ」
ほむら「なぜ夕方を?」
QB「彼女は親を亡くしていてね。毎日夕方になると、恐怖に駆られて布団にくるまって震えていた」
QB「孤独が怖かったんだろう」
QB「魔女はリビングルームに居るはずだ。その前に…」
QB「姿を消してあげよう。魔女にばれると恐ろしいことになる」
ほむら「恐ろしいことって?」
QB「それはこれから見ることになる」
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QB「到着だ」
ほむら「…」
OL「やめて!来ないで!誰か助けて」
魔女「フフ、フフフフ」
OL「何を飲ますつもりなの?うぇっ!気持ち悪い…助けて」
ほむら「酷い外見ね」
QB「ああ、生前の姿からは想像できないだろう?」
ほむら「ティーポットに人間の手足が生えてる…でいいのかしら」
QB「ああ、そう解釈できるね」
OL「うっ…ゴボゴボ…た…す…け…」
魔女「ウフフ…フフ」
OL「ぷはっ…はぁ、はぁ…ウグッ」
魔女「フフ」グイグイ
ほむら「今度はケーキを食べさせてるわ…あの魔女何がしたいのかしら」
QB「あれが彼女なりの友達への親切なんだろう」
ほむら「…」
OL「ムー!ムー!」
魔女「フフ、フフフ」グイグイ
ほむら「あのままじゃ窒息するわ!助けてあげないと」
QB「放っておいたほうがいい。君が今出ると、魔女は大喜びだろう」
ほむら「なぜ?」
QB「あの魔女は大切なお友達を守るという名目で現れた君を攻撃するだろうね」
QB「どっちにしろ…もう遅い」
OL「ウグ…ウ…」バタッ
魔女「フフフ」グイグイ
魔女「…?」
魔女「…?」ユサユサ
魔女「ウ…ウワアアアアアアアン」ボロボロ
ほむら「今度は泣きはじめたわ」
QB「友達が死んで泣いているんだろう。自分が殺したとも知らずに」
魔女「ウエッ…ウ…」
OL「」
魔女「グ…」
ほむら「死体を担いで…どこへ行くのかしら」
QB「…」
魔女「ウ…ウウ」ノッシノッシ
魔女「フウ」ドサッ
ほむら「車の中に入れたわ」
QB「やっぱりあの死体は殺された人間の成れの果てだったか」
ほむら「なぜ車に?」
QB「さあね…まあ見よう」
魔女「ウフ…ウフフフフフ」
魔女「…」ノッシノッシ
QB「魔女が去ったようだ。中を見てみよう」
ほむら「…この配置は」
QB「なるほどね」
ほむら「大人の男性、大人の女性、そして小さな子ども」
ほむら「死体の顔を弄って無理矢理笑わせてる…」
QB「こうやって、自分の失った家族を再現して自己満足しているんだろう。悪趣味なもんだな」
ほむら「もう限界、次の魔女に行きましょう」
QB「そうかい、じゃあ行こうか」
ほむら「今度は教会…かしら」
QB「ああ、ここは近所でも話題になってる廃墟の教会だね」
ほむら「ええ、知ってるわ。神父の父親と母親、そして二人の娘が無理心中した教会」
QB「聖職者にあるまじき行為だ」
ほむら「そうね。で、まだ娘の死体が残っていないって」
QB「その娘が、これから見る魔女さ」
QB「僕はその二人の娘と契約したんだ。片方はまだ魔女化してない…」
QB「まあじきになるだろうけどね。それはいいとして、さっそく入ろうじゃないか」
ほむら「情報ノートによると、佐倉…名前が汚れてて読めないわ」
QB「なんて名前だったかな…」
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ほむら「さっきの魔女と違って、随分と爽やかね。綺麗な草原、青い空…」
QB「魔女には法則があってね。結界が綺麗であればあるほど裏に秘めている物は大きい」
QB「この魔女もそれってわけさ」
ほむら「なるほどね。じゃあこの魔女は…」
QB「家族が無理心中して、唯一生き残った子ってだけでもわかるだろう?」
QB「しかも戸籍上では死んでいるとくりゃあね」
ほむら「…」
ほむら「それにしても、天国のような場所ね。そこらじゅうで食べ物が植物のように自生している」
QB「それらの元が何だったか…それは後で説明しよう」
ほむら「あら、随分と大きい林檎の木があるわ…」
QB「その林檎の木に近づいちゃいけない。ここで一旦隠れよう」
ホームレス「なんだここは…」ムシャムシャ
ホームレス「俺は廃教会に入ったはずなんだがね…おっ、ポッキー頂き」
ホームレス「団子で出来た団子虫ってか、上手いね。ついでに美味い」
ホームレス「今度はでっかい林檎の木!美味しそうな林檎が生えているとくりゃ」
ホームレス「頂きますっと!」
ホームレス「ふぅ、生き返った。飲み物が欲しいな」
ホームレス「うおっ!ビールじゃないか!今度は焼き鳥!こっちには焼肉定食!」
ホームレス「ウッハハハハハハ!天国天国!ハハハハハハハハ」
ホームレス「もう食えないや…満腹満腹」
ホームレス「おいおい、もう要らないって。林檎も結構」
林檎の木「…」ポトッ
ホームレス「もう要らないって言ってるだろう!要らない!」
林檎の木「…」ポトッポトッポトッ
ホームレス「何なんだ!いらねえよ!」ポイッ
林檎の木「…」
ホームレス「やっと静かになったか…やれやれ」
林檎の木「…」プルプル
ホームレス「ん…?」
林檎の木「…」パカッ
ホームレス「穴が開いたな。何かあるのか?」
ホームレス「んー?」ヒョイ
「シャアアアアア」
ホームレス「うわっ!蛇の化け物!」
ホームレス「わあっ!助けてくれ!」
ホームレス「うわあああああああああああ」
ほむら「…今一瞬巨大な蛇が木の穴から…」
QB「あれが魔女の本体だよ。ところで彼のその後がどうなるか、知りたいかい?」
ほむら「…どうなるの?」
QB「魔女は彼をドロドロに溶かして、そこらへんに生えてる食べ物の養分にするんだ」
QB「食べないで良かったよ。人間は同族食いを嫌うんだろ?」
ほむら「…オエッ」
QB「あの魔女は結界に入ってきた人間が食べ物を粗末にするかどうかを監視するんだ」
QB「で、粗末にしたとわかった瞬間…パクッ!さ」
QB「あと名前が分かったよ。キョウコだ。KYOUKOだってさ」
ほむら「…今日はここで一旦やめにしない?次の魔女は明日で」
QB「ああ、構わないよ。魔女は毎日のように増えている」
ほむら「…気が狂いそうだわ」
ほむら「でも研究を続けなきゃ。まどかの為に」
ほむら「今日見たのは紅茶の魔女…蛇の魔女…」
ほむら「生前の名前は巴マミ、佐倉杏子…聞き覚えのある名前ね」
プルルル プルルル
ほむら「電話だわ。誰かしら」
まどか「暁美さんですか…?」
ほむら「鹿目まどかね」
まどか「名前覚えててくれたんだ…」
ほむら「ええ、で何の用?」
まどか「あの、美樹さやかって子見てない?青い髪の子なんだけれど…」
ほむら「いえ、見てないわ。どうしたの?」
まどか「それが…失踪しちゃって」
ほむら「それは心配ね。見かけたら連絡するわ」
まどか「ありがとう、暁美さん。それじゃ」
ほむら「それじゃあね」
QB「今日も魔女見学に行こうか」
ほむら「ええ…」
QB「ところでいいニュースだ。昨日の夜12時に新たな魔女が孵化した。出来たてほやほやだよ」
ほむら「へぇ…」
QB「人魚の魔女。その性質は恋慕だ。生前の名前は…」
ほむら「言わなくてもわかるわ。行きましょ」
QB「なんだ、知ってる子だったのか」
ほむら「ええ」
ほむら「長い廊下ね」
QB「この魔女は恋愛関連で魔女化した魔女だ」
QB「好きだった男がバイオリニストだったから恐らく、音楽に関連した結界だろうね」
QB「コンサートホールとか…まあ色々だ」
オクタヴィア「…」ユラユラ
ほむら「これが人魚のまzy」
QB(シー、この魔女は神経質なほど音を嫌う
QB(テレパシーで話そう
ほむら(わかったわ)
QB(逆に言えば、静かにしていれば完全に無害だ。それは安心してくれ)
ほむら(いい音楽ね)
QB(でもね、この音楽を数時間ほど聴き続けると魂を吸い取られて使い魔にされる)
QB(晴れてあの演奏している楽団の仲間入りってわけさ。長居は出来ないね)
ほむら(ええ)
オクタヴィア「…」ユラユラ
QB「演奏が終わった。もう喋ってもいいよ」
ほむら「ふぅ、テレパシーって結構疲れるわね」
QB「演奏が終わった状態の魔女は完全に無抵抗なんだ」
QB「腕を切ろうが、燃やそうが何もしてこない」
QB「ただ一つだけ、やってはいけないことが…あ、いっちゃった」
ほむら「ずっとこの兜の中身がどうなってるか気になってたの」
ほむら「悪いけど、開けさせてもらうわよ」
オクタヴィア「…」ユラユラ
ほむら「ふぅ、開いた」
オクタヴィア「ヴォ…ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
オクタヴィア「ガアアアアアアアアアアアア」
QB「…やっちゃったよ」
ほむら「酷い中身ね…真っ赤な顔に見当違いの方向に向いた目…」
ほむら「そして人間時代と変わらない真っ青な髪…」
QB「この魔女は自分の正体にコンプレックスを感じている。生前も魔法少女システムを知った瞬間私はゾンビだ!もう抱いてもらえない!って泣いていた」
QB「今でも魔女であることをを使い魔から隠すつもりで、上半身を鎧で覆っているんだ」
QB「とにかく逃げよう。奴は本気で僕達を殺すつもりだ」
ほむら「ええ」
オクタヴィア「ギャアアアアアアアア」
オクタヴィア「ウック…ウック…」
QB「以上で大体この地域の魔女の紹介は終わりだ」
QB「後は…人魚の魔女が生まれた後、契約した鹿目まどかって子だ」
QB「いずれ魔女になる。それを待とう」
ほむら「…」
QB「どうしたんだい?」
ほむら「いえ、なんでも無いわ。待ちましょう」
ほむら「このループは諦める、このループは諦める…」
ほむら「早く終わらせたい。もう見たくない…」
ほむら「うぅ…」グスグス
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QB「随分と目を真っ赤に晴らしているね。どうしたんだい?」
ほむら「なんでもないわ」
QB「そうかい。ところでビックニュースだ。ワルプルギスの夜っていう、かなり強力な魔女が数日後この街に襲来するようだよ」
QB「楽しみだね」
ほむら「…」
QB「ワルプルギスの夜ってのは数年クラスの誤差はあれどだいたい100年に一回、世界中のどこかで出現するんだ」
QB「最初に現れたのがえーと、1808年プロイセン王国。その次が1914年マルヌ河畔…でその次来ると予想されているのが…ここ、見滝原2011年さ」
ほむら「…」
QB「なぜ魔女が消えたり増えたりするのかはまだ判明されてない。時間を移動してるだの、普段は結界にいるだの色々な説がある」
QB「こいつはかなり頑丈で、1914年の記録によると30.5cm臼砲による攻撃35発、75mm榴弾200発、8mmマウザー弾5万発を受けてもまったくやられる素振りすら無かったようだ」
QB「僕は一応全ての魔女を管理しているはずだけどこいつはわからない。まったくのイレギュラーだよ」
ほむら「そんなに強いのね…」
QB「ああ。今までで撃退及び撃破したことは一度もない。奴は勝手に現れて、勝手に消えていくのみさ」
QB「一応資料を手渡してあげよう。これで全部だね」
QB「とうとう当日になったね」
ほむら「…」
QB「ワルプルギスの夜の日は酷い嵐になるんだ。まるでファウストだね」
ほむら「あれは…」
QB「ん?どうかしたかい?」
まどか「…私、がんばるから見ててね。さやかちゃん、マミさん、杏子ちゃん」
QB「哀れなものだね。一人じゃ勝てっこない相手なのに。無駄骨だ」
ほむら「うう…」
QB「彼女に協力するのは構わないけど、死ににいくようなものだよ」
QB「僕と一緒に安全圏から見てた方がいい」
ほむら「…」
QB「さあ、到着だ。ワルプルギスの夜がおいでなさった」
まどか「えいっ!えいっ!」ヒュッ ヒュッ
ワルプルギスの夜「アッハハハハハハハ」
QB「あんな弓矢一本で戦えると思っているのだろうか。可哀想に」
QB「美しい魔女だろう。百年に一回しか見れない光景だ」
ほむら「くぅ…うう」
QB「おや、ソウルジェムが濁っているね。魔女化されるのは困る。もっと見て欲しいからね」
ほむら「ハァ…ハァ…」
QB「鹿目まどかがやられたようだな。足を怪我しているのか…」
ほむら「まどか!」ダッ
QB「どっちにしろ助からないのに、なぜ危険を侵して助けようとするのだろう」
QB「感情ってものは理解出来ないね」
まどか「暁美…さん」
ほむら「まどか、大丈夫?」
まどか「あなたも…魔法少女だったんだ…」
ほむら「ええ」
まどか「ずっと…私たちが苦しむのを見てたんだね…ずっと…」
ほむら「ち、違うわまどか!」
まどか「もういいや…さようなら」ボシュッ
ほむら「まどか、いやあああああああああああああ」
QB「おめでとう!暁美ほむら!鹿目まどかが魔女化した」
QB「かなり強い魔女だ!これなら僕のノルマも達成…あれ」
ほむら「」
QB「死んでしまったか…いや、抜け殻と言ったところかな」
QB「となると暁美ほむらの魔女も居るはずだが…どこへ行ったのやら」
QB「待てよ」
QB「時空を超える魔法少女、てことはまさか彼女が…」
QB「どうかな。まあ、この星には用が無いから関係ないけどね」
終わり
おまけ
ほむら「紅茶美味しいわ」
紅茶の魔女「フフフフフ」
ほむら「あら、そんな要らないわよ」
ほむら「それでお菓子をつまむっと」
蛇の魔女「シャッシャ」
ほむら「うん、美味しい」
蛇の魔女「ウシシシシシ」
ほむら「そして音楽」
オクタヴィア「ヴォッヴォ」
ほむら「クラシックコンサートを聞きながら、紅茶を嗜なみ、お菓子をつまむなんていいじゃない」
ほむら「魔女とハサミは使いようね」
QB「そうだね」