恒一「はぁ……」
綾野「こういっちゃん…死ぬのはやだよぉ……」ギュー
恒一「大丈夫だよ綾野さん…きっと助かるさ…」ナデナデ
赤沢「ったく、元はと言えば彩が悪いんでしょうが!!!」
望月「なんでこんな事になったんだっけ…?」
勅使河原「ああ、確か…」
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―――
元スレ
恒一「雪山で遭難した…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1337084027/
恒一、勅使河原、望月、赤沢、綾野、見崎、そして付き添いの怜子は雪山へ登山に来ていた
元々は中尾が計画したのだが彼は前日に不幸な事故でスライスされてしまった
綾野「結構登ったね、こういっちゃん♪」
恒一「そうだね、頂上までもう少しかな」
赤沢「ちょっと彩!恒一君の腕に抱きつくのやめなさいよ!恒一君が困ってるでしょ!」
怜子「こらこら喧嘩しないの 恒一君は誰にも渡さないわ」
望月「三神先生…」
見崎「(この雪…イチゴシロップかけたら美味しいかな…?)」
勅使河原「サカキはモテモテだなー」
綾野「こういっちゃん…私、迷惑?」ウルウル
恒一「そ、そんな事ないよ綾野さん///」
赤沢「むっ!…離れなさい彩!」グイッ
綾野「きゃっ!ちょっと引っ張らないでよ…って」ズルッ
恒一「うわ!?」ズルッ
赤沢「えっ!?ちょ、ちょっと!?」ズルッ ドンッ
見崎「え!?」ドンッ
望月「うわっ!」ドンッ
勅使河原「うお!?」ドンッ
怜子「きゃっ!?」ズルッ
ズザザザザザー
見崎「ぶべっ!?」ゴシャアッ
・
・
・
恒一「う……ん……?」
「ここは…?そうか、さっき足を滑らせて…」
「…って皆大丈夫!?」
綾野「……ん、こういっちゃん?」
赤沢「…うぅ……私は無事よ…なんとかね」
望月「いてて…」
勅使河原「いってぇ…って、こんな所にイチゴシロップぶち撒けたの誰だよ?…うわっ!?」
見崎「」
そこには岩に頭を強く打ちつけて仰向けに倒れている見崎の姿があった
望月「グロ注意…」
恒一「うわぁ…」
綾野「いやぁ…こういっちゃん…」ギュー
赤沢「これは…死んでるわね…」
望月「…ってそれより皆!三神先生が居ないよ!」
全員で周囲を見渡したが怜子の姿は無かった
名前を叫んでみたが返事は無い
そんな事をしている間に酷い吹雪になってしまった
赤沢「このままじゃ危ないわね」
「とりあえず安全な場所を探して移動しましょう」
「見崎さんは…残念だけどここに置いていくわ」
「無理して運ぼうとしても、私達が体力を奪われて道連れになりかねない…」
綾野「さよなら鳴ちゃん…」
勅使河原「すまねぇ見崎…」
望月「三神先生大丈夫かな…」
恒一「きっと大丈夫だよ…怜子さん、結構強い人だし簡単には死なないよ」
―――
――
―
勅使河原「で、偶々見つけたこの小屋に避難したと」
望月「僕達…どうなっちゃうんだろ?」
~小屋から少し離れた場所~
怜子「はぁ…ここドコなのよ」
熊「クマクマクーマ!」(気持ちよく冬眠してたってのに!)
「クマクマクマクーマクマ!」(俺様の眠りを妨げやがって!)
「クマクーマ!」(貴様は許さん!)
怜子「仕方ないわね、久しぶりに本気出しましょうか…丁度寒かったところだし」ゴゴゴゴゴ…
熊「クマ!?」(ひぃ!?)
「(この俺様が人間如きに気圧された…!?)」
赤沢「寒いわね…」
勅使河原「凍死は勘弁だぜ…」
綾野「こういっちゃん暖かい…」ギュー
赤沢「…!彩だけずるいわよ!」ギュー
恒一「ちょ、ちょっと///」
勅使河原「……」
望月「……」
勅使河原「…俺達も抱き合うか…?」
望月「はぁ?勅使河原と抱き合うくらいなら死んだ方がマシだよ!」
勅使河原「……」ショボーン
・
・
・
小屋に避難してからどれくらいの時間が経過しただろうか
体力の消耗を惜しんでか皆黙り込んでいた
そんな中、吹雪の音に混じって何かを引きずるような音が聞こえてくる
恒一「……なんだろう?」
綾野「怖いよ、こういっちゃん…」
ドンドンドン!
勅使河原「うおっ!?何だ何だ!?」
バンッ
熊「」
赤沢「きゃっ!?……熊!?」
怜子「あれー?皆ここに居たんだ」ヒョコッ
望月「み、三神先生!!!」
恒一「れ、怜子さん…?」
勅使河原「も、もしかしてその熊って先生が…?」
怜子「そうよ?毛皮とか使えそうだなって思って仕留めたの」
綾野「す、凄い…」
赤沢「生きてたんですね…良かったです…」
「そ、それより先生!見崎さんが…亡くなりました…」
怜子「見崎さんが死んだのwwwマジうけるwww恒一くんに色目使ってるからwwwバチが当たったのよwww」
赤沢「先生!?急にどうしたんですか!?」
怜子「それじゃあ、早速この熊をバラしましょうか―」
熊「クーマクーマー!」(ざまぁ!死んでねぇよ~だ!)ガスッ
怜子「な、何……!?」ドサッ
望月「そんな…三神先生ー!!!」
怜子「バチが当たったのは…私だったようね…」
「恒一君…最近なぜかパンツが減ってるって…言ってたでしょ……アレ、私な…の…」ガクリ
恒一「れ、怜子さん…」
熊「クマクマクママ!」(次はお前だ!)
恒一「クックマ!?(え、僕!?)」
赤沢「(恒一君が危ない!そうだ、アレを使って!)」ヒョイッ
「うわああああ!!!」ブンッ
小屋の隅に置いてあった木材を手に取り、熊に向けて振り被る
熊「クマ、クママー!」(ふん、腹がガラ空きだー!)ザシュッ
赤沢「…っぐ!…うおぉおおおお!!!」ガンッ
熊「クマ!?…クマ、クママ…」(何!?…ふ、相打ちか…)ドサッ
「クマ…クマママ」(ふむ…良い根性だ)ガクリ
赤沢「恒一君に…手を出すのが…悪いのよ……」ドサッ
恒一「あ、赤沢さん…僕を守ろうとして……」
綾野「泉美…泉美…!!!」
勅使河原「そんな…赤沢まで……」
望月「うぅ…三神先生ぇ……」ポロポロ
・
・
・
綾野「…いずみぃ……みかみせんせぇ…………………すぅ」
恒一「綾野さん!寝ちゃダメだ!」
綾野「ひゃい!?」
望月「僕達、助かるんだろうか…」
勅使河原「…そうだ、降霊術をやろう!」
望月「はぁ?」
勅使河原「スクエアっていうんだけどな、やり方は―」
恒一「まぁ大体分かったよ でも寝ずに済むってのは良いけど霊を降ろしてどうするワケ?」
綾野「オバケ怖いよぉ…」プルプル
勅使河原「ははっ、まぁ神頼みならぬ霊頼みってな!」
望月「馬鹿かコイツ…」
勅使河原「よし、皆位置についたなー」
「いくぜー!」タタタッ タッチ!
綾野「(うぅ…怖いよぉ……)」タタタッ タッチ!
望月「(本当に霊なんて現れるのかな?)」タタタッ タッチ!
恒一「(さて、ここからが本番か…)」タタタッ
「(! 誰か居る…?)」タッチ!
???「まかせろー」タタタッ
勅使河原、綾野、望月、恒一「!?」
???「ん?」
勅使河原「な、中尾!?」
中尾「何驚いてるんだよ?お前らが呼んだんだろ?」
望月「よりによって中尾かよ…」
中尾「なんだよ、その言い方…」
綾野「うわぁあああ!オバケ怖いよぉ!」
恒一「大丈夫だよ、綾野さん」ナデナデ
「中尾君、綾野さんが怖がってるじゃないか」ギロッ
中尾「うぅ…まぁいい!」
「この雪山で起きた事、全部見てたぜ」
「俺が登山なんて計画したばかりに…赤沢さん達が死んじまって…」
「本当にすまなかった!だが安心してくれ、お前らだけでも助ける!」
勅使河原「助けるって…お前に何が出来るんだよ?」
中尾「ふふふ…こっちに来る時にな、人間を4人まで自由に転送出来る能力を授かったんだ」
恒一「随分都合の良い能力だね…」
中尾「まぁそう言うなって んじゃ転送するぞ」
「お別れだな、お前ら!赤沢さんの事は俺にまかせろー!」ピカー
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・
・
恒一「ん……ここは山の麓?」
綾野「私達…本当に助かったんだ…」
勅使河原「中尾のヤツ…」
望月「三神先生…」
こうして僕達4人は無事に帰還出来た
後日、3人の遺体は捜索隊により発見され回収された
見崎は頭を打った時に出血多量死、怜子さんは凍死、赤沢さんは熊に裂かれた腹部からの出血による失血死だったという…
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綾野「こういっちゃん大好き♪」
恒一「僕も彩のこと大好きだよ♪」
おしまい