最近カントリーマアムがお気に入りだ
あれは病みつきになる、ついつい
律「カントリーカントリーカントリーマアム、ヘイ!」
なんて歌いたくなっちゃうほどに
今日はムギと唯が休みなので、自前で調達したこいつを食べつつ
律「ヘイ!」
澪「やかましい!」
なんてやっているわけだが・・・
元スレ
唯「今日もカントリーマアム…だと…?」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1279030865/
梓「こんにちは・・・ってカントリーマアム!」
律「おー来たか梓!今日のおやつはこれだぞー」
梓「な、な・・・」
律「な?」
梓「なに食べてるんですかー!」
律「!?」
なにを突然ブチギレしとるかねこの娘っ子は
いいじゃん、私らが何食べてようがさ
梓「今日は私が持ってきたポテトフライ(フライドチキン味)をおやつにしますってメールしたじゃないですか!」
澪「律・・・?」
うーむ、見たような見てないような・・・
とりあえず携帯チェック
律「あ」
澪「いらん出費させるな!」ゴチン
あいたー!
梓「ふう・・・まあいいです。どっちも今日中に食べないといけないものでもないですし」
律「おお梓・・・私の味方はお前だけだよ」
梓「律先輩には10袋ほど持ち帰ってもらいますけど」
律「/(^o^)\」
梓「澪先輩には5袋ほど・・・って何食べてるんですか!」
激しくデジャヴ!
澪「見てわからないか?タマゴボーロだよ」
我が親友秋山澪はタマゴボーロ大好きっ子である
その度合いはもはや依存と言ってよく、1日1袋は食べないと指先に震えがくるレベルだ
前ボーロ断ちしようとした時は髪の毛が抜けまくって大変だったみたいだ
近頃前髪が薄くなったという噂があるが、それはあながち間違っていないのだ
梓「そんな・・・澪先輩がタマゴボーロ好きな人だったなんて・・・」
澪「何だよ!岩本製菓のタマゴボーロは美味しいんだぞ!」
実はそいつらには1袋(80g)あたりエネルギーが313kcal、脂質が1.0gも含まれてたりするんだが
敢えて教えてやらない優しいりっちゃん様なのだった
拳骨の恨み、思い知れ!
澪「こんなにうまいタマゴボーロに何の文句があるっていうんだ!」
梓「それじゃ言わせてもらいますけど・・・」
ゴクリ・・・
梓「タマゴボーロって1袋食べてる途中で気持ち悪くなってきませんか?」
言っちゃったー!水なしであれを食べてると危険なんだよな!
まあ澪は当然の如く水など飲まないでボリボリいってるわけだが
澪「なっ!?」
さあ、ここから澪がどう出るのか・・・私にも想像つかないぜ
澪「そうか、お前も律と同類だったんだな・・・」
梓「っていうか普通の人はそうなりますよ!水なしで何袋もいける澪先輩がおかしいんです!」
澪の傍らにはさっきまで食べてたタマゴボーロの空き袋がいくつか転がっている
私がカントリーマアム食べるペースより早く食べてた気がするぞ
澪「私がおかしい・・・?面白い冗談だな」
梓「な、なんですか・・・脅したって食べませんからね!」
澪「フン、ものの価値がわからん梓になんて死んでも分けてやるか!」
梓「こっちから願い下げです!」
かくして処理前の不発弾を抱えたような空気のままお茶のないお茶会は進む
私はカントリーマアムは後回しにしてポテトフライ(フライドチキン味)を処理にかかる
今日は楽しみはあとに取っておくりっちゃん隊員なのだ
律「まあ何だ、ポテトフライ(フライドチキン味)もうまいよな」ボリボリ
梓「問題なのは味じゃなくて量ですからね」
律「10枚はきついなぁ・・・」
梓「うちにまだ何枚残ってると・・・いややっぱりいいです」
どうも思い出したくないことのようだ、触れないでやろう
澪「ボーロうめー!」ポリポリ
・・・澪どうしよ
律「なあ澪」
澪「なんだボーロ否定派」
ああ、中立のつもりだったのに否定派にカウントされてやがる
白紙投票なんだから無効票にしとけよ!
律「まあ聞け、何も私らはボーロが嫌いなわけじゃない、ただ澪が食いすぎなのが気になっただけだ」
律「そうだよな梓?」
梓「いえ、ぶっちゃけ嫌いです」
律「」
澪「少しでも期待した私が馬鹿だった・・・」
そいつは私のセリフだぜ澪ちゃんよ
こいつがまさかここまで馬鹿正直とは思わなかった
律「おい梓、より一層険悪にしてどうすんだよ!」
梓「だって嫌いなものは嫌いですし」
ああもう!
律「見ろ、澪の奴あからさまに落ち込んでるぞ。愛する後輩に裏切られてショックなんだ」
梓「澪先輩が・・・私をそんなに・・・?」
律「ああそうだ、梓が入部してすぐの頃、あいつ妹ができたみたいって喜んでたんだぞ」
梓「澪先輩・・・す、すみませんでs」
澪「ボーロ落とした・・・orz」
律梓「」
この野郎・・・そんなことでいちいち落ち込んでんじゃねえよ!紛らわしいだろ!
梓「やっぱこの人駄目です」
くそっ、私には無理なのか?やはり私は名目だけで実態の伴わない部長なのか!?
その時、私の脳を稲妻が駆け抜けた
まさに圧倒的閃きである
律「なあ、梓も澪も・・・私のカントリーマアム食べないか?」
澪「なに?」
梓「でもそれは・・・律先輩の大切な・・・」
律「いいんだ。カントリーマアムが減ることよりも、二人が喧嘩してる方がよっぽど辛い」
澪梓「律(先輩)・・・」
律「了承してくれるなら二人で握手だ」
澪「梓・・・すまなかったな、色々言っちゃって」
梓「いえ・・・酷いこと言ったのは私の方ですから」
澪「それじゃお互い様ってことで」
梓「はい・・・」
やったぞ!カントリーマアムはみんなを笑顔にしてくれる!
カントリーマアムは地球を救うんだ!
その後、カントリーマアムを食べつつ会話は弾み、気づけばもう下校時刻だった
律「それじゃ今日は帰るか」
梓「はい!名残惜しいですけど・・・」
澪「なんだか私たちの絆が深まった気がするな!」
ははっ、記念にいい詩の一つでも浮かんできてくれるといいな
あ、ひょっとして今って昔からの夢を叶えるチャンスかも?
律「なあ二人とも」
梓「なんですか?」
澪「どうした?」
そして私は二人に夢を語り、実行の同意を得た
やはり持つべきものは友達だなあ
律「それじゃいくぞー」
私の夢とは、一言で言ってしまえばカントリーマアムのCMの再現である
自転車に乗って歌いながら並走し、ヘイ!で立ち上がるというものだ
アホみたいな夢だが、アホすぎて実行する機会がなかった
しかし今はカントリーマアムの絆で結ばれた二人の友がいる、これ以上の機会など二度とないだろう
梓「OKです!」
澪「歌は任せろー!」バリバリ
ゆっくりと発進する三台の自転車、そして口ずさむ
「カントリーカントリーカントリーマアム」
「ヘイ!」
ああ・・・私は今までで一番幸せな時を過ごしている
横を見ると同行する二人も楽しそうだ、やっぱりこの二人でよかった・・・
歌いながら疾走を続ける私たちを見覚えのある眉毛が止めた
そう、ムギである
紬「みんな今帰り?」
律「ああ」
澪「私たちは今日生まれ変わったんだ!」
どうやら少しハイになっているらしい
さすが感受性の強い澪だ
紬「さっきのってカントリーマアムのCMよね?」
梓「さすがムギ先輩!ご存知でしたか」
紬「ええ、私も大好物だもの」
紬「みんなもCMを再現しちゃうくらい好きなのよね?」
律「もちろんだぜ!」
梓「カントリーマアムを嫌いな人なんていません!」
澪「うめー!」モグモグ
紬「それなら丁度いいわ」
紬「少し買いすぎちゃって・・・おすそ分け、もらってくれない?」
そこで見たものはパッケージの山。どれだけ買ったのか
さすがにちょっと、と逃げ出そうとするとムギが泣きそうになるので逃げられず・・・
結局持てる限りを持ち帰らされた私たちの叫びが今日も響く
「今日もカントリーマアム・・・だと・・・?」
おしまい