兄「い、妹の靴下にも穴はあるんだよな…」
元スレ
妹「や、やだぁっ…私の靴下でなにしてるのよぉっ」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1280669123/
兄「や、まて! 違うんだこれは!!」
妹「ふええん、何も違わないよぉっ……」
兄「あっ、待って! 待ってくれ妹ーーっ!」
妹「お、追いかけて来ないでぇっ!」
兄「聞いてくれ! 話を聞いてくれ!!」
妹「私の靴下を返してっ!」
兄「何を言う! これを返してしまったら、サムシングがお外にポロリしてしまうだろうっ! そうなったらお兄ちゃん、警察に捕まっちゃうだろ!」
妹「捕まって! 可及的速やかに警察に捕まって!」
妹「お兄ちゃん、お話があります」
兄「なんだ…ちょっと、お兄ちゃんは今、オ○ニーが忙しくて手が離せないんだが、急な用件か?」
妹「私の靴下の中に、お兄ちゃんのアレを突っ込むのをやめて下さい」
兄「アレ…? アレとはなんだ? お兄ちゃんはお前の靴下の中にお前が困るようなものを入れたことはないぞ…」
妹「あ、アレはアレ! わかるでしょ!」
兄「…ああ、クリスマスプレゼントか……そうだな、お前ももうサンタさんを信じる歳でもなくなったことだし」
妹「アレ…っていうか、それ! 今、現在進行形で入れてるの! ていうか、妹と話してるときくらい手の動きを止めなさい!」
兄「もうちょっと待って、もう少しでイクから」
妹「イクな!」
兄「なんだ? イクときは一緒がいいってことか?…いやらしい妹に育ってしまって、お兄ちゃんちょっとガッカリだな」
妹「いやらしくないし! いやらしいのは、お兄ちゃんでしょ! この変態!」
兄「も、もっと罵って! 『私の薄汚れた臭い靴下でイクなんて、とんだ変態兄貴ね!』とか言って」
妹「え? う、うん…わ、私の薄汚れ…く、臭くない! そんなに臭くないもん!」
兄「妹よ…女のお前にはわからんかもしれんが……男にはやらねばならんときがあるんだ」
妹「それが人の靴下をドロドロにした後に言うセリフ?」
兄「…わからんか、わからんのだろうなァ……所詮は妹、メスにはわからんのだろう」
妹「……もうこれ履けないし…お兄ちゃんのせいで、片方だけの靴下がどれだけあると」
兄「なんだ? 履かないのか? 勿体ないな…」
妹「あんたが言うな」
兄「お兄ちゃんとしては、精液でドロドロになった靴下に足を突っ込んで、一日生活してムレムレになったところで返却して欲しいんだが」
妹「しないし! だいたい返却って、これ私の!」
兄「…知らないのか? 精液はお肌のケアに最適、たんぱく質たっぷり!」
妹「え?」
兄「靴下を履いて一日過ごしてみろ、お肌がつるつるすべすべだぞ?」
妹「ほ、本当? じゃ、やってみようかな――んて、言うか! バカ!」
兄「ちっ…ダメか」
妹「ダメに決まってるでしょ! だいたい足だけがつるつるになってどうするのよ!」
妹「お兄ちゃん」
兄「どうした、マイシスター?」
妹「あのね、最近、近所で………えと、何をしてるの?」
兄「見てわからないか?」
妹「そこはかとなくわかるけど、一応間違ってちゃ悪いから、確認したい」
兄「うむ。 洗濯物の中からお前の靴下を探していたんだが…まだ履いていたか」
妹「………」
兄「さあ、そろそろ風呂だろう。 早く脱いで、お兄ちゃんに渡しなさい」
妹「………」
兄「なんだ? もしかして、脱がせて欲しいのか…仕方ない、この甘えん坊さんめっ! よし、じゃあ、四つんばいになってお尻をこっちに向けなさい」
妹「ば…」
兄「ば? どうした? まぁ、脱がないなら脱がないで、もう一日履き続けてもらっても、お兄ちゃん的にはハピネスだが」
妹「バカっ!!!」
妹「お兄ちゃん」
兄「…妹よ、いい右フックからの連続攻撃だったが、お兄ちゃん家族のスキンシップにも加減は必要だと思うんだ」
妹「最近、近所で下着ドロボゥが出ているそうですが、犯人はお兄ちゃんですね?」
兄「断定!?」
妹「罪を重ねず自首してください。 さもなくば通報します。 むしろ告訴します」
兄「…え、冤罪! 冤罪だ! お兄ちゃんが盗みを働くはずないだろ!」
妹「今まさに、ひとの靴下を盗もうとしてたじゃない!」
兄「当たり前だろ! 妹の靴下を兄がこっそり持っていって何が悪い! しかも、ほぼ洗って返しているというのに!」
妹「悪い! ていうか、全部ちゃんと洗って返してよ!……ていうか、持ってかないでよ!」
兄「………それは仕方ない。 お前の靴下をつい持っていってしまうのは…あまりにも魅力的だから」
妹「ついって、レベルじゃ……み、みりょくてき!?」
兄「そうだ…この荒みきった世の中で生きていく上で、女神の微笑みにも替えがたい、至高の癒しなんだ…お前の靴下は」
妹「靴下か!?………あぁ、そうよね、靴下よね…なんだと思ったんだろうね、私」
兄「しかし、下着ドロボゥか…」
妹「お兄ちゃんじゃないのね?」
兄「当たり前だ! 他人の下着なんぞに欲情するなんて変態のすることだぞ!」
妹「…妹の靴下に欲情するのも変態だと思うなー」
兄「だが、我が家も何らかの対策を立てなければな…捕まるまで、下着は部屋干しするか」
妹「え、うん、そうだね」
兄「まぁ、万一被害があったときに下着が無いというのも困るだろうしな…下着ドロボゥめ! 他人の迷惑を考えて欲しいなぁ!」
妹「…私、たまに左右違う靴下のときあるんだけどなー」
兄「安心しろ、俺がいる限り、下着ドロボゥのような変態にお前の下着を指一本触れさせはしないからな」
妹「…お兄ちゃんにも靴下に触れて欲しくないなー」
兄「さあ、そろそろいいだろう、靴下を渡しなさい」
妹「誰が渡すかぁっ!」
妹「…仕返ししてやる」
妹「……お兄ちゃんも私と同じ苦しみを味わえばいいんだ」
妹「ふっふっふっふ」
妹「…ええっと、あった、お兄ちゃんの靴下」
兄「………」
妹「お、お兄ちゃんっ!?」
兄「あ…あー…その、なんだ」
妹「な、なによ!」
兄「…うん、まぁ、いい…お兄ちゃんは何も言わないよ。 もう、そういう年頃なんだぁ。 母さんにはナイショにしとくから。 な?」
妹「『な?』じゃないでしょ! どういう年頃!? ていうか、なに理解のある家族ぶってるの!?」
兄「……ただ、靴下と言っても他人のモノを黙って持っていくのは良くないことだぞ」
妹「知ってるわよ! お兄ちゃんがいつもやってることでしょ!」
兄「ほら、これ、持ってけよ」
妹「なんで脱ぎたてを渡そうとしてる!?」
兄「……使ったら、ちゃんと洗って返せよ」
妹「使わない! 使わないから! ていうか要らないから!」
兄「…なぁ」
妹「なに?」
兄「……最近、怒ってばかりじゃないか? もし、お兄ちゃんに不満があるならなんでも言ってくれよ」
妹「私の靴下を持って行かないで」
兄「…なんでも、お兄ちゃんにできることならなんでもするからな。 大事な家族なんだし」
妹「私の靴下を持って行かないで」
兄「…そうだな、もしかしたら、カルシウム不足かもしれないな。 お兄ちゃん、明日からお前のために毎日、ヨーグルトを買って来よう」
妹「聞け! 私の靴下の話!」
兄「ああ…だが、不可能だろ…そんな靴下を持って行かないとか」
妹「不可能か!? できるでしょ! それくらい簡単でしょ!」
兄「…俺だって恥ずかしいから、オ○ニーくらい自分の部屋でしたい。 どうして、お前の部屋でオ○ニーしろと言うのか」
妹「そんなこと言った? 私、そんなこと言ってないよね!?」
兄「しかし、他ならぬ妹の頼みとあっては……仕方ない、今日はお前の部屋でオ○ニーか…」
妹「頼んでない! 頼んでないよ!!」
妹「なんで私の靴下なのよ! 靴下以外にもあるでしょ!?」
兄「………え?」
妹「なんで心底驚いてるのよ…」
兄「…妹の靴下以外でとか考えたことも無かった」
妹「……そ、そうなの?」
兄「教えてくれ。 例えば、他に何がある?」
妹「え? えー……えと、それは、ほら…あの……その…」
兄「ん? なんだ?」
妹「だ、だから、その……く、靴下じゃなくても…えと…」
兄「………ん? なんだ、お前も思いつかないんじゃないか」
妹「お、思いつかないわけじゃなくて」
兄「そうだなぁ…やっぱり靴下しかないよなぁ…」
妹「け、結論早いよ? お兄ちゃん、もうちょっと考えてみよう? 靴下以外にもあるでしょ?」
兄「無いな。 お前の靴下以外でオ○ニーするなんて考えられん」
妹「…なんでそんなに潔いのよ」
兄「…はぁっ」
妹「どうしたの、お兄ちゃん? ろくでもない悩み以外だったら聞くよ?」
兄「いや……あ、うん、聞いてくれ、夏休みになっただろ…」
妹「うん」
兄「今までローファで蒸れてていい感じだったんだが、この頃、お前サンダルじゃん…お兄ちゃん、やるせなくって」
妹「うわぁ…なんてろくでもない」
兄「頼む! 三日で一回でいいから、ローファで外出してくれ! 靴下がムレムレになるくらいに!」
妹「ぜったいしない。 今年の夏は全部サンダルで過ごす」
兄「なんと!? なんということだ…妹よ…お兄ちゃんに一ヶ月以上の間オナ禁をしろというのか…」
妹「うん。 ていうか、二度としなくていいよ」
兄「ひどい!? お兄ちゃんの唯一の娯楽だというのに…」
妹「…ええと、それ人生、寂しすぎない?」
兄「そんなことあるか! 妹の靴下でオ○ニーさえできれば、俺の人生は薔薇色だったんだ!!」
妹「………うん、どん引き」
妹「お兄ちゃん」
兄「どうした、妹よ」
妹「寝てる間に靴下を履かせるの、やめて下さい」
兄「仕方ないだろ…だって、お前、起きてるとき靴下履かないっていうし」
妹「仕方なくない! しかも、クーラー止めていくし! 足に毛布かけていくし!」
兄「仕方ないだろ…だって、汗とか汁まみれになってくれないと意味ないし」
妹「仕方なくない! ていうか汁ってなによ!?」
兄「……ところで、昨晩履かせた靴下は?」
妹「今、洗濯機の中だけど」
兄「!?……今まで、こんな酷い仕打ちがあっただろうか…俺の努力や尊厳が全て踏みにじられたよう…」
妹「…そ、そんなに落ち込まなくても」
兄「もう…生きていけない…妹の靴下を舐めたり、巻き付けたり、しごいたりできないなんて…」
妹「もうちょっと落ち込んでろ」
兄「さあ、今日も一日の締めくくりにオ○ニーするかなぁっ」
妹「………ふぅん」
兄「さあさあ、今日もお兄ちゃんに靴下という名の兄妹愛をっ!」
妹「お兄ちゃん」
兄「なんだい? …今日は体育がプールじゃなかったから、臭いがきついかもしれないって?」
妹「私、考えまし………え?」
兄「ああ、わかってるさ…大丈夫、においがしっかり染み付いてる方が、お兄ちゃんにとってはごちそうさ!」
妹「いや、あの、体育って…急な変更だったのに、なんで把握済みなの?」
兄「…ふふっ、何年兄妹をやってきたと思っている……妹の靴下のことで、お兄ちゃんの知らないことはないよ」
妹「何年にもわたる兄妹関係で、わかってるのは靴下のことだけ!?」
兄「………これぞ、愛! 兄妹愛!!」
妹「これほど心からお断りしたい愛が世の中にあるんだろうか…」
妹「ていうか、お兄ちゃん、聞いてください…ていうより、聞きなさい」
兄「なんだ? 今日はもしかして、お兄ちゃんを罵ってくれるサービスディか? それならば、まず靴下をよこすべきだろう」
妹「違うから! ていうか、そんな日設定したことあった!?」
兄「…そう、今日から始まる『お兄ちゃんの口に靴下をねじ込みながら罵声を浴びせ記念日』」
妹「長っ!? もうちょっと短くならないの!?」
兄「ふむ…『お兄ちゃんの口に靴下をねじ込みながら罵声を浴びせつつもう片方の靴下を使ってスパンキング記念日』」
妹「長くなってる!! さらに長くなってるよ、お兄ちゃんっ!!」
兄「『もう、お兄ちゃんっ…そんなに私の靴下おいしいの?』『もごっ…ふごっ…』『こんなに固くしちゃって、オシオキしちゃう』」
妹「既に妄想の世界へ!?」
兄「………よし、心の準備はできた。 いつでもいいぞ」
妹「しないからっ!! そんな妄想実現しないからっ!!」
妹「もう! ちゃんと聞いてよ、お兄ちゃん!」
兄「…仕方ないな。 わかった。 聞こう、愛の告白以外なら、なんでも受け付けるぞ」
妹「………愛の告白はダメなの?」
兄「当たり前だろう。 兄妹だぞ?」
妹「…そなんだ」
兄「………え? マジでお兄ちゃんに愛の告白だった?」
妹「そ、そんなわけないでしょ? 仮にするとしても告白じゃなくて告発! 告訴!」
兄「まさか…爆発はしないよな?」
妹「するかっ!!……って、また話がそれた! もう! いい加減にしてよね!」
兄「え? 今、話がそれたのって俺のせい?」
妹「ごめんなさいはっ!?」
兄「え…ご、ごめんなさい」
妹「ちょっと黙って、静かに聞いて」
兄「は、はぁ…」
妹「………そ、それでね、考えたの。 今まで無抵抗すぎたかもしれないって」
兄「は、はぃ?」
妹「お兄ちゃんが、妹の靴下に劣情を催す変態で社会不適合者なのは、まぁ仕方ないのかもしれない」
兄「は、はぅ!?」
妹「でも、だからって、私が素直に靴下を与えるのは間違いでしょ?」
兄「いや、それは違う。 むしろ世界中の妹は兄に使ってもらうために靴下をムレムレになるまで履いているんだ」
妹「え? 『はえ』じゃないの?」
兄「なにを言っているんだ?……仕方ない、そもそも妹が兄に靴下を初めて捧げたのは紀元前606年の古代エジプトでのことだ…」
妹「そういうウソ知識はいいから」
兄「ちなみに年号は『ムレムレ靴下』と覚える」
妹「覚えないから」
妹「あれ?………何の話だっけ?」
兄「確か、無抵抗主義者たちの幻想とカルト化についてだったか」
妹「違う、それ絶対違う………あ、そうそう、だから、『これまでどおり無抵抗に靴下を奪われるだけの妹だと思うなよ』っていう話!」
兄「ああ、そういう話だったのか…でも、お兄ちゃん、お前の靴下をムリヤリ奪ったことなんて一度もないぞ? 同意を得てないだけで」
妹「同意がないなら、ムリヤリでしょ!」
兄「…そ、そうだったのか」
妹「そうだったのよ!」
兄「なるほどな……わかった、確かに、そうだ」
妹「……えらく物わかりがいいじゃない」
兄「確かに、最近マンネリぎみだったからな…多少抵抗してくれると、興奮するかもしれん」
妹「………え?」
兄「さすがお兄ちゃんのことをよくわかってるな。 だが、多くの企画モノに見られるような、なぁなぁな演技で抵抗されても萎えるだけだからな」
妹「…何のことか、よくわかんないけど……妹とはいえ、女の子に普通そういうこと言う?」
兄「さあ、抵抗してみるがいい! お前の望みどおり、どんなに抵抗してもムリヤリ靴下を脱がしてやろうではないか!」
妹「…なんか抵抗する気なくすなぁ」
兄「ちなみに『いや』って言っても『やめて』って言ってもムリヤリ脱がす! 『お願い』って言ったら優しく脱がしてやろう!」
妹「あーはいはい……今から脱ぐからちょっと待って」
兄「脱ぐの!? 脱いじゃうの!? 自分で!?」
妹「………はい、お兄ちゃん」
兄「ちょ、ちょっと待って…お兄ちゃん、今まさにムリヤリ脱がす気満々で…え、なにそれ、そういうことするの? いじめ?」
妹「…文句があるなら、洗濯するけど」
兄「ないよ! 全然ないよ! むしろ、妹が 素直に靴下 くれたから 7月6日は 靴下記念日!!」
妹「…え!? なにそれ、もしかして毎年7月6日は靴下あげなきゃなの!?」
兄「ああ…お兄ちゃんとお前の記念日だからな」
妹「そ、そっかぁ――なんて言うと思ったかっ!! ありえない!! そんなのありえないから!!」
兄「えー…」
兄「…んー、適度な湿り気だ…」
妹「本人を前にして、におったりしないでよね?」
兄「ああ、そうだな…においも………ああ、なんて幸せな香り…こんな靴下を履く妹がいて俺は幸せ者だなぁ」
妹「………ば、バカじゃないの?」
兄「もっと言って! もっときつく罵って!」
妹「い、言わないし! 罵らないし!」
兄「…さてオカズも手に入ったし……しかし、期待してた分、抵抗がないのもつまらんなぁ…」
妹「抵抗がない? ふっ…自分の手に持っているモノをよく見てみなさい!」
兄「え? なに?………こ、これは…このワニのマークは!? もしや!? オヤジたち愛用の…!?」
妹「そう…大人の男性臭がかもし出される、ラコ○ステの靴下よ!!」
兄「な、なんということだ!! 清純な乙女の甘酸っぱい香りを堪能していたところになんというショック…SHOCK!!」
妹「……なんで英語に言いかえるのよ」
兄「く、くそぉっ…」
妹「まいったか! 今まで私の靴下を陵辱してきた罰よ!」
兄「く…くぅっ…」
妹「これに懲りたら、靴下なんかに欲情しないで、もっと別の……お兄ちゃん?」
兄「はぁ…ぁはぁ……こ、こういうのもたまにはいいかもな…ハァハァ…」
妹「お、お兄ちゃん…?」
兄「……昔、澤田が『学ランを着たチアガール』や『男モノのワイシャツをきた女上司』について語ったことがわかった気がする」
妹「え!? なにそれ!? ていうか、澤田って誰!?」
兄「お兄ちゃんは、これから部屋に引きこもる! 長期戦になるやもしれん…もしゴキブリが出てきても、自分で対処してくれ!」
妹「え? そ、それは困る、普通に困る! や、やだ、お兄ちゃん、いや…行かないで、お兄ちゃんっ」
兄「…すまん、妹よ……男にはイカねばならん時があるのだ」
妹「行かないでっ! 置いていかないでよぉっ! お兄ちゃんっ!!」
兄「………お兄ちゃんは、いつだって、お前の幸せを祈ってるよ…たとえ、どんなに離れていたとしても……じゃあな」
妹「お、お兄ちゃんっ!!……あ、カギ閉めた!? お兄ちゃん!? ゴキ出たら呼ぶからね! ちゃんと出てきてよ!? 聞いてるの!? お兄ちゃん!!」
妹「お兄ちゃん……はい、これ」
兄「なんだ? 今日も、やけに素直に靴下を渡すなぁ……あやしい」
妹「そう? いらないんだ……じゃ、洗濯」
兄「ありがとう! ぃやっほぅ! お兄ちゃん、超ハッピー! ハピハピ!!」
妹「…だからって、そういうリアクションもかなりヤなんだけど」
兄「さて………ふむ、今日は普通の濃紺の靴下だな」
妹「…まぁね。 前回の作戦は、履いてるのが恥ずかしいだけで、お兄ちゃんに意味なかったし」
兄「恥ずかしい? なにが?」
妹「だ、だって、靴下とはいえ、男モノだし…洗濯し忘れてお兄ちゃんのとかお父さんの履いてきたって周りから思われてたかもっ…」
兄「………おい、今、恥ずかしがりながらお兄ちゃんの靴下で登校する妹の姿を想像したんだが、けっこう興奮したぞ」
妹「え? なにこの短時間で新たなシチュエーションを開発してるの?」
兄「明日から、是非、お兄ちゃんの靴下で登校してくれ。 その靴下でお兄ちゃんはオ○ニーしたい。 無性にしたい」
妹「そう言われて『うん、わかったよ、お兄ちゃん』と言うとでも?」
兄「ああ、お前なら『うん、わかったよ、お兄ちゃん! 大好き!』と言うって信じてる」
妹「うん、お兄ちゃん、バカ? バカでしょ? バカだよね?」
兄「さて、とりあえず…」
妹「本人を目の前にして靴下をにおうな」
兄「…バカだな、本人の目の前で匂いを嗅ぐから、興奮するんだろう」
妹「……変態だ…変態がいる」
兄「ふふん…ちなみに、妹の靴下のソムリエと言われたお兄ちゃんにかかれば、靴下にどんな液体が染み込んでるかもわかる」
妹「…へ? 汗以外の液体が染みこんでいたことがあるの?」
兄「そうだな………例えば6月15日の靴下には」
妹「ああ、ごめんウソ、聞きたくない聞きたくない」
兄「そうか……まぁ、お前も恥ずかしい液体の話は聞きたくないよな」
妹「は、恥ずかしい液体なんて染み込んでるわけないでしょっ!!」
兄「そうは言ってもな………例えば、今日の靴下には、足の汗や練がらし、練りワサビ、暴君ハバネロのニオイが………!?」
妹「わ……ほんとにわかるんだ」
兄「ええと、なんかすごいモノが内側に塗りたくってある気がするんだけど…」
妹「うん。 脱いだ後に塗りたくった」
兄「そ、そうか…足に塗りたくって履いたわけじゃないのか……少し残念だな」
妹「私は変態か!?」
兄「もしくは、からしやワサビの入った壷の中に何日間も足を突っ込んで…」
妹「私は影慶か!?」
兄「いや…闘将に出てくる方」
妹「………え、なんだっけ、それ?」
兄「ほら、あのラーメンマンの」
妹「ああ…あっちか」
兄「そうそう」
妹「ふははははは! これではさすがのお兄ちゃんも私の靴下でオナぃ……あ、アレができまいっ!」
兄「…そこまで言ったら、もう同じじゃね? オ○ニーって、そんなに言うの恥ずかしいか?」
妹「そ、そりゃ、恥ずかしいに決まってるでしょ!」
兄「まぁ、確かに、女の子がオ○ニーオ○ニー言ってるのもどうかと思うが」
妹「…私的には、男の子でもオ○ニーオ○ニー言ってるのはどうかと思う」
兄「うわー…こいつ、女の子のくせにオ○ニーオ○ニー言ってるー恥ずかしー」
妹「え?………あっ!……い、言ってない! 言ってないよ!」
兄「いや、聞こえたし、オ○ニーオ○ニー言ってたし」
妹「言ってない!! 言ってないもん!!」
兄「いいや、言ってた。『お兄ちゃんが私の妹靴下でオ○ニーしてるのを想像してオ○ニーしたりオ○ニーしたりしまくりっ!』って言ってた」
妹「いっ…いいいい言ってな…………ふぇっ!?…なんで?」
兄「はぁ? なにが?」
妹「え?………ぁ…………お、お兄ちゃんのバカっ!!」
兄「な、なんだよ、今の間は?」
妹「知らないっ! お兄ちゃんのバカバカバカバカっ!! も一つおまけにバカっ!!」
兄「じゃ、お兄ちゃん、部屋に引きこもるから…イクときのタイミングとかあるから、不用意に部屋に入ってくるなよ?」
妹「えっ!? お、お兄ちゃん? わかってるの?…その靴下、からしとかワサビとかハバネロとかタバスコとかいっぱいだよ?」
兄「…ああ、そうだな」
妹「……よ、よく知らないけど、粘膜とかにそういうの痛いんじゃないの?」
兄「ああ、痛いだろうなぁ…おそらく、かなり痛いだろう……聞くところによると、洗っても洗っても痛みはとれないそうだ…」
妹「だ、だったら、なんでっ!?」
兄「………そこに妹の靴下があれば、オ○ニーする…当たり前のことだろ?」
妹「お…お兄ちゃん」
兄「…もし良かったら、祈っていてくれ……もちろん、俺の無事なんかじゃなく、最後までイケることを」
妹「やめて、お兄ちゃんっ! 履くからっ! 今から新しい靴下履いて、汗かいて、すぐ脱いで、お兄ちゃんにあげるからっ!」
兄「……バカだなぁ」
妹「バカでもいいからっ…お兄ちゃん、お願い……危ないこと、しないで」
兄「バカ…そういうことじゃない。 お前が一日履いて過ごした靴下じゃないと、意味、ないだろ……じゃ、入ってくるなよ?」
妹「お、お兄ちゃぁんっ!!」
妹「じゃ、お兄ちゃん、先にお風呂入るね」
兄「おう……ところで、マイシスター」
妹「ん? なに?」
兄「今日の靴下は?」
妹「…前回の10辛靴下で懲りてないの?」
兄「なにが? 刺激的な夜だったけど?」
妹「………そ」
兄「『そ』…じゃなくて、靴下、ぷりーづ、ぷりーづ ぎぶ みー くつしたー」
妹「なんで私がお兄ちゃんに靴下をあげなきゃなのよ?」
兄「え? だって、最近、超素直にくれてたじゃん? 『お兄ちゃん、使って…脱ぎたてで、においとか恥ずかしいけど』って」
妹「なかったでしょ…そんな会話」
兄「えーでも、くれたじゃんー親父臭いメーカーだったり、なんか塗ってたりしたけど」
妹「知らないっ…欲しかったら自分でどーにかすれば?」
妹(ああ言えば、お兄ちゃんは脱衣カゴから靴下を出してくるはず…)
妹「……これでよしっと」
妹(…あれで懲りないお兄ちゃんが悪いんだからね)
兄(あいつが風呂に入ってるうちに…急がねば、洗濯機を回されかねん)
兄「……ええと…おっ……あったあった……ん~かぐわしいっ!……って、なにこれ?」
兄(……こ、これは…)
妹「ん~いいお湯だった~」
兄「あ、あの…」
妹「……ふふん♪ どうしたの? お兄ちゃん」
兄「いや…ちょっと、そこ、座って」
妹「え…? あ……お、お兄ちゃん? もしかして怒ってる? で、でもね、元はと言えば、お兄ちゃんが」
兄「へ? 怒ってないけど?」
妹「ほ、ほんと?」
兄「当たり前だろ…俺は、お兄ちゃんは、いつだってお前の味方なんだからなっ!」
妹「え? あ…うん、ありがと?」
兄「うん、そうだ。 お兄ちゃんは、お前の味方だ!」
妹「う、うん、ありがと…あの、お兄ちゃん、何の話?」
兄「…たとえ、世界全部が敵に回っても、ずっとずっと、お前の味方だから」
妹「………うん、ありがと、お兄ちゃん」
兄「それで…最近、学校はどうだ?」
妹「え?」
兄「あ、いや、なにか困ったこととか…その、なんだ困ったこととかあったら、相談してくれていいんだぞ? お兄ちゃんはお前の味方だからな」
妹「あ…う、うん……えっと…あ、そうだ、今日日直で黒板消してたんだけど」
兄「なんだと!? 日直だからという理由だけで黒板消しをさせられただと!?」
妹「いや、黒板消すのは日直の仕事だし」
兄「…ああ、そういえばそうだな」
妹「うん、それで…ほら、上の方、手が届かなくて困った」
兄「あー…お前ちっちゃいからなぁ…」
妹「うん…もうちょっと伸びないかなぁ…20センチくらい」
兄「いや、さすがにもう20センチは無理だろ」
妹「あ、あきらめないでよ! さっき、お兄ちゃん私の味方だって言ったよね!?」
兄「いやいや、物理的に不可能だし」
妹「なら物理を超えようよ!!」
兄「むりむり…」
妹「もう! お兄ちゃんのいじわる! 早く寝て明日の朝には2センチくらい伸びてやるんだから! 寝る子は育つ!!」
兄「…いや待て、話はまだ終わってない」
妹「え? 話って?」
兄「いやだから、何か困ったことは?」
妹「……黒板に手が届かない」
兄「うん、それはわかった。 そればっかりは、お兄ちゃんが努力してもどうしようもないから…他には?」
妹「え? う、うーん…無いけど?」
兄「…隠さなくてもいい。 お兄ちゃんは、お前の味方なんだからな」
妹「何かそのフレーズ重ねられると、薄っぺらになるね……いや、ほんとに無いし、無いものは……あ…」
兄「なんだ? 言ってみ?」
妹「…い、いや、だって、そんな恥ずかしいし…」
兄「大丈夫! 恥ずかしくなんてない! お兄ちゃんは、お前が困ってるなら、なんでもしてやりたいんだ!……それとも靴下好きの変態兄には話せない、か?」
妹「え…そ、そんなことない! そんなことないよ! その、近ごろ、ブラのサイズが合わなくなって、ちょっと困ったなぁって」
兄「は…?」
妹「ふへ?」
兄「あ、あー……さ、さすがに、それも、お兄ちゃんが努力しても……いや、そうだな…あ、ああそうだ、新しいブラジャーをいくつか買ってやろう、うん、そうしよう」
妹「う、うん。 それじゃ、お言葉に甘えて…買ってもらう」
兄「…で、他には?」
妹「あ、うん…ブラだけ買うと上下違うと変だし、パンツも」
兄「そうだな、うん、パンツも揃いで買おう。 で、他には?」
妹「え?……あ、あー…うん、靴下も買う………お、お兄ちゃんの、気に入ったの買うのもやぶさかではないけど?」
兄「そうだな、靴下も揃いで買おう。 で、他には?」
妹「揃い? あ、あの、お兄ちゃん、今、お兄ちゃんの好みの靴下買うって話なんだけど?」
兄「あ、ああ、靴下も大事だが……で、他には?」
妹「……と、特に無いかな」
兄「…無い?」
妹「う、うん…無いけど?」
兄「………」
妹「…お兄ちゃん?」
兄「…単刀直入に言おう、お前、イジメにあってるんじゃないか?」
妹「………………は?」
兄「正直に言ってくれ…大事な妹がイジメられているんだとすれば、俺は兄として断固たる行動をとるつもりだ」
妹「え? お兄ちゃん、何の話?」
兄「隠さなくてもいいんだ…」
妹「いや、隠してないし」
兄「……見ちゃったんだよ……お前の靴下の中にガビョウが数十個入ってるのを」
妹「うん、入れたし」
兄「そうか、お前が入れたのか…つらかっただろう、明日から学校に行かなくてもいいからな? お兄ちゃんがお前を守って――今、なんて言った?」
妹「いやだから、靴下にガビョウ入れて、脱衣カゴに入れてたんだけど…」
兄「………」
妹「あ…え、えっと、ほら…抵抗の一環ってやつ? さすがにガビョウがたくさん入ってれば、お兄ちゃんも使わないかなーって」
兄「………」
妹「ほら、一個二個だと、気づかずに入れちゃって、お兄ちゃんがケガしたらヤだったから、たくさん入れたんだけど…」
兄「………」
妹「だ、だいたい、イジメで何十個も靴下にガビョウ入れられて、そのまま帰ってくるわけないでしょ?」
兄「………」
妹「………えと、その…ご、ごめん、お兄ちゃん、怒った?」
兄「……はひゅぅぅぅっ…よ、よかったぁ…じゃあ、イジメとかないんだな? お前どっかで泣いたりしてないんだな?」
妹「う、うん…ない、ぜんぜんないよ」
兄「あぁ…良かった…もう心配して、緊張して………疲れたぁっ……風呂入って寝よ」
妹「え? あ、うん」
兄「お前も早く寝ろよ? もしかしたら、身長伸びるかもよ? 寝る子育つかもよ?」
妹「う、うん、ねる。 おやすみ」
兄「おやすみー…ふはぁっ……風呂風呂ー…」
妹「………お、お兄ちゃん」
兄「ん? どした?」
妹「あ…あの……なんでもないっ…おやすみっ」
兄「あ、ああ…おやすみ」
妹「た、ただいまっ」
兄「おかえり。 どうしたんだ? ジョギングなんて珍しいじゃないか」
妹「う、うん。 ちょっとね」
兄「ああ…ダイエットか。…妹よ、成長期に体重が増えることは好ましいことなんだぞ? むしろ、お兄ちゃんはもう少し太ましくてもいいと思う」
妹「違うし!……そ、そのちょと走り出したくなっただけで」
兄「そうなのか?」
妹「そうなの! 行く先もわからないまま、自由を求め続けて走り出したかったの!」
兄「そ、そうか…まぁ、明るい内に帰ってくるならいいんじゃないか? なんだったら、明日からお兄ちゃんも一緒に走り出してもいいぞ?」
妹「え? あ、いや……う、うん、好評なら明日も走ってもいいけど」
兄「…こうひょう?」
妹「お、お兄ちゃん、あっち向いてて」
兄「なんで?」
妹「…ぬ、脱ぐから」
兄「脱っ!? あ、汗をかいて気持ち悪いのはわかるが、風呂に入るなら、風呂場で脱げ! 風呂場で脱げ! 風呂場で脱げ!」
妹「ぬ、脱ぐって言っても靴下! 靴下だけ!」
兄「………なんだ、脱げばいいじゃないか」
妹「だ、だから、お兄ちゃん、あっち向いてってば」
兄「何を言っているのか…靴下くらい、さっと脱げばいいだろ」
妹「だって、お兄ちゃん、いやらしい目で見るでしょ!」
兄「………そんなことないですよ。 わ、わたくしとしては、家族の間でもそういう決めつけってどうかと思います」
妹「…ぜったい、いやらしい目で見るんだ…私が靴下脱ぐの…えっちな目で見るんだ」
兄「そ、そんなことはありませんですよ!」
妹「…ほんとに?」
兄「あ、当たり前でござるよ! 妹が靴下を脱ぐのを見るだけで興奮するようなお兄ちゃんじゃないでござるよ! 全然、全く、これっぽっちもいやらしい気持ちなど無いでござるよ! むしろ清純派! 安浦刑事くらいの純情派! だいたい妹になんか興味もないよでござるよ!」
妹「………そこまで言われるとちょっとムカつく…」
兄「…は?」
妹「なんでもないっ………じゃ、見てて」
兄「………」
妹「…お兄ちゃん?」
兄「は!? な、なんだ!? 今、何かステキな妄想を見た気がしたんだが、もしかして俺の清貧な心が見せる幻想か!?」
妹「何言ってるの?」
兄「ああ…いや、お前が『よ、しょ』って言いながら、お兄ちゃんを支えにして、靴下を脱ぐというパライソ的イリュージョンが…」
妹「………よくわかんない」
兄「うん、わからないだろう…わからないだろうな…所詮、兄の幻想…ファンタジーなんだからな」
妹「……お兄ちゃん」
兄「なんだい? できれば、お兄ちゃんを妄想の世界にもう少し浸らせてくれないかな」
妹「…ぁの……………はい、これ」
兄「はははっ…なんだいこれは、まるで脱ぎたての靴下のような………っておい、現実か!?」
妹「はぁ? そりゃ現実だけど…」
妹「あ、あの…そこらへん、ローファ履いて走ってきたあとだから、結構、汗臭いと思うけど」
兄「え? う?」
妹「えと、その…汗以外は、無いかも……ごめん」
兄「………」
妹「そ、それでね、お兄ちゃんが他にして欲しいことがあるなら――お兄ちゃん? 何してるの?」
兄「へ? いや異常なところがないかチェックしてる」
妹「…なんで?」
兄「なんで…って、また今日もアレだろ? 素直に渡してくると見せかけてトラップがあるんだろ?」
妹「………」
兄「どうした? ま、まさか、この靴下は妹靴下と見せかけて、どこかの知らないオヤジの靴下だったり…」
妹「脱いだとこみたでしょ!」
兄「ふははははっ! 靴下マエストロである兄の目はごまかせんぞ! どれどれ…お兄ちゃんにかかれば妹靴下かどうかなんて」
妹「お」
兄「…ん? どうした?」
妹「…お兄ちゃんの、ばーか…」
兄「……おかしい…どう見ても、においも、味も、六感の全てが…これは妹靴下しか考えられんっ……しかも状態は至高…いや究極か」
妹「お、お兄ちゃん」
兄「…わからん、妹よ…不甲斐ない兄に答えを教えてくれないか、今度はどんな仕掛けが? もしかして入れたら自然発火するとか?」
妹「…ねぇ、おせっかいかもしれないけど、ぬくいうちに使った方がいいんじゃないかな?」
兄「な!? そ、そういえば、脱ぎたてホカホカの状態でオ○ニーなんてしたことないじゃないかっ!! なんということだっ!!」
妹「………なんか今の自分の発言を後悔しそうになった」
兄「し、しかしっ…この誘惑に負けて、大変なことになっちゃう可能性がっ!! あんびばれんつっ!!」
妹「お兄ちゃん、言ってたよね『そこに妹の靴下があれば…』って」
兄「…まさか、お前に教えられるとはな……そうだった。 ここに妹の脱ぎたてほかほか靴下がある! そして俺はオ○ニーができる! できるんだ!!」
妹「………はぁ…なんで、こんなの…」
兄「ありがとう…妹よ……お兄ちゃんは行くよ…たとえもう戻れない道だったとしても」
妹「う、うん、それでね…お兄ちゃん、もし良かったらなんだけど……そ、そのね、私にそのお手伝いっていうか、なにかして欲しいこととか――って、いないし!?」
妹「お兄ちゃんっ!!」
兄「!?」
妹「……そう簡単にあきらめないんだからっ!」
兄「…なんだ、騒がしいな……びっくりして、ちょっと出ちゃうとこだっただろ……お兄ちゃんオ○ニー中ってドアに貼ってあるだろ?」
妹「お兄ちゃん!」
兄「な、なんだよ…そ、そんな怖い顔で見ても、この靴下はイクまで返さないんだからな! むしろMだから興奮するぞ!」
妹「………え、えと、何か手伝えることない?」
兄「え? ああ……そうだな、風呂掃除はしてるから、栓してるか見て、してたらお湯入れといて」
妹「違うから! そういう意味じゃないから! ていうか、話してるときくらい手を止めてよ!」
兄「ん? 大事な話なら、もうちょっと待ってたら、すぐお兄ちゃん賢者になるぞ?」
妹「なる前に! なる前に話したいの!」
兄「…そうか? じゃ、話すか」
妹「だいたい、妹の前で…そんな……ことして恥ずかしくないの?」
兄「ははは、何を言う、お兄ちゃんのオ○ニー姿を見て恥ずかしがる妹なんて、オ○ニーには最高のオカズじゃないか! 大満足!」
妹「そ、そう…だったら」
兄「ん?」
妹「だ、だったら…私が、お兄ちゃんの、その…お、オナニ…手伝ってあげる」
兄「……っ………はぁ~ぅ…」
妹「お、お兄ちゃん?」
兄「…ふっ……ナイス台詞だったぞ、妹よ」
妹「………え?」
兄「さ、晩ご飯にするか」
妹「え? え? え?」
兄「どうした? よし、良い働きをしたからな、お兄ちゃん特製プリンをデザートにつけよう」
妹「わぁい!…じゃなくて、そうじゃなくて…あ、あの、お兄ちゃん、手の動き止ってるんだけど?」
兄「ああ、そうだな」
妹「おしまい?」
兄「うん、とりあえず。 近年まれに見る良質の自慰行為だったな…お前の助力に感謝の意を表しよう」
妹「…うあ…無駄に賢者っぽい」
兄「ははは、ガンダルフと呼んでもいいぞ」
妹「呼ぶかっ! 誰が呼ぶかっ! お兄ちゃんのバカっ! 変態っ! 早漏っ!」
兄「そ、早漏はひどいんじゃないか…」
妹「かえして」
兄「…なにを? 遠い日のせつなさと夢のカケラを?」
妹「なにそれ? 靴下かえしてって言ってるんだけど」
兄「ああ、しばし待て。 というか、先に夕食の準備をしてなさい」
妹「今すぐかえしてって言ってる」
兄「…いや、今すぐは無理よ? 無理、うん無理…いや、ほら、お兄ちゃんのサムシングから出た白濁した液体が内側についてるからね?」
妹「いいから、かえして」
兄「いやいや、お嬢さん。 お兄ちゃん、紳士だから、ちゃんと洗ってかえすよ。 うん。 洗ってかえすから…ええと、部屋から出ようね?」
妹「洗わなくていい。 今、かえして」
兄「…え、いやまぁ…自分で洗いたいって言うなら、かえすけど……せめて向こうをむいて?」
妹「なんで? 靴下脱ぐだけでしょ? 靴下くらいさっと脱いだらいいじゃない」
兄「いやいやいや、靴下脱ぐだけだけど、中身がね? 中身がほらアレだから。 足じゃないから。 三本目の足っていう表現もあるけど厳密に言えば足じゃないから」
妹「べつに、お兄ちゃんが靴下脱ぐの見るだけで興奮するような妹じゃないでござるし? お兄ちゃんになんか興味もないでござるし?」
兄「…なにを根に持ってるんだ」
妹「べっつにぃー……どうしても、お兄ちゃんが自分で脱げないっていうなら、脱がせてあげてもいいけど?」
兄「………ひ、ひとりでできるもん!」
妹「はぁい、いい子でちゅねー、ばんざーい」
兄「ばんざーい!……は!? 俺は何を!?」
妹「てやぁっ!!」
兄「きゃぁっ」
妹「わぁ…」
兄「………」
妹「………ね、さわっていい?」
兄「ダメです…かんべんしてください…」
妹「…なんか、やわらかたい」
兄「さわるし…ああ、こら握るな」
妹「あ、ごめんなさいっ…痛かった?」
兄「べ、別に痛くはないけど」
妹「………あ、あの、うごかしてる? なんか上の方向いてきたんだけど?」
兄「…うごくんです…せーりげんしょーってやつです…」
妹「あ、あのね、もしかして、私に見られたり、さわられたりしたから? 私のせい? 妹に見られて触られて感じるの?」
兄「はい…そうです…ぼくは、いもうとにみられて、さわられてかんじる、へんたいなんです…しくしく…」
妹「ふふっ…そなんだ…お兄ちゃん、私でも、そういう気持ちになってくれるんだ…」
兄「…はい…そです、そなんです…しゃかいのゴミです……もう、おムコにいけない…」
妹「別に婿入り願望とか無いくせに……ね? もしかして、これ、さっきみたいに靴下に入れて、こすこすしたら、また精子出る?」
兄「出るよ…そりゃ、出ますよ…どうせ早漏ですもん…三擦り半ですよ…」
妹「じゃ、やってみるね」
兄「やってみるな…なにおもむろに靴下かぶせようとしてる…」
妹「…あ、さっき使ったやつは精子がついてるから、お兄ちゃんがイヤかもと思って」
兄「うん、ナイス配慮。 ナイス配慮だけど、そういう問題じゃなくてね」
妹「あ、冷たくなってるから? もう一回履こうか?」
兄「はい! 是非に!…じゃない、そうじゃない」
妹「うーん…でも、すぐにはあったかくならないだろうし……チンする?」
兄「しない。 食べ物を入れるモノに靴下とか入れない」
妹「……自分は口の中に入れるくせに」
兄「…すいません…ごめんなさい…生きててごめんなさい」
兄「はいはーい、ここまでー、しまうよーしまっちゃうよー」
妹「ちょ、ちょっと、しまっちゃうおじさん、待ってよ」
兄「お兄さん」
妹「しまっちゃうお兄さん、待ってよ」
兄「待ちません。 今日はここまで。 長年のご愛顧ありがとうございましたー」
妹「むー!」
兄「かわいらしいが、お兄ちゃん、それくらいじゃ動じないぞ?」
妹「…お兄ちゃんのいじわる」
兄「いじわる…って、あのさぁ」
妹「お兄ちゃんがいじわるするなら、私にも考えがあります」
兄「いや、いじわるしてるわけじゃないんだけど――って、なにしてる!?」
妹「………んっ…はぁぅ……なにって、見てわからないの?…オ……ひとりえっち」
兄「あ、うん、わかるけど、わかるけどさ…うん、オ○ニーじゃなくて、ひとりえっちって言った方がかわいいよね…っていうか」
妹「…おにいちゃんっ………おにいちゃんの…」
兄「そ、その靴下、あの、お兄ちゃんのアレがドロドロついてるんだけど?」
妹「…ん…おにいちゃんの…こんなにおいなんだぁ…」
兄「やめて! やめて! 妹が妹の靴下でオ○ニーしてるとかお兄ちゃん的にどストライクでやばい! お兄ちゃんの理性さん危うい!!」
妹「…そんなの…壊れちゃえばいいのに…」
兄「ストップ! ストップ! それ以上続けるとお兄ちゃんにも考えがあるぞ!」
妹「うん…きて…」
兄「来ないから! お兄ちゃん来ないからな!」
妹「おにいちゃん…おにいちゃぁんっ…」
兄「1、3、5、7、9、11、13、17…」
妹「お兄ちゃん、9は素数じゃないよ?」
兄「あああああああああっ!?」
兄「…はぁはぁ…あぶないとこだった」
妹「……も少しだったのに」
兄「…さ、晩ご飯にしよう」
妹「あ、あのね、お兄ちゃん」
兄「ああ、わかってるよ…お兄ちゃん、全部わかってるから」
妹「…うん、お兄ちゃん、私、ほんとはね…ずっと、ずっと」
兄「おなかがすいてたんだろ?」
妹「は?」
兄「うん…昔見た映画で科学者が『食欲と性欲は比例する』と言っていたなぁ…」
妹「え? それ何の関係が?」
兄「ごめんな、晩ご飯前にオ○ニーして…お兄ちゃん、お前の晩ご飯の用意だけでもして、オ○ニーするべきだったな」
妹「え? え? なんでそういう結論? ちがくない?」
兄「わかってる。 晩ご飯、大盛にしてやるから。 そうだよなぁ、ジョギングして体動かしてるんだから、腹減るよなぁ…」
妹「お、お兄ちゃん? わざと? わざと、そういう話にしてるの? そうだよね?」
兄「…違うのか? おなかすいてない?」
妹「あ、うん、おなかはすいてるけど…」
兄「そうか、やっぱりな! あぁ、変だと思ったんだ、うん。 やっぱりな! 腹が減ってはなんとやらだな!」
妹「お兄ちゃん? あの、あのね、私、ずっとね、お兄ちゃんのこと」
兄「よし、お兄ちゃん、晩ご飯の用意するから、お前は、お風呂の栓つめといて」
妹「うん、わかった――じゃなくて、お兄ちゃん!? 聞いて!…っていないし!」
兄「……あの」
妹「なに?」
兄「…今から、お兄ちゃん、二回戦を始めたいんだけど」
妹「うん」
兄「……見られてると集中できないっていうか」
妹「…見られた方が興奮するんじゃなかったの?」
兄「そうですけど……あ、あの、もしかして晩ご飯足りなかったか? まだ、おなかすいてる?」
妹「ううん…むしろ食べすぎ…」
兄「そうか。 じゃあ、風呂に入って寝なさい。 早く寝たら身長が3メートルくらいになるかもよ?」
妹「…お兄ちゃんより高くなりたくない」
兄「そ、そう?」
妹「うん」
妹「お兄ちゃん」
兄「…な、なんだい? マイシスター? はは、なんだってトムが保険金殺人にあった? そりゃ犯人はジェロームだな」
妹「…お兄ちゃんが気持ちよくなるにはどうしたらいい?」
兄「!?」
妹「なんでもするよ? お兄ちゃんが言ってほしい台詞があるなら恥ずかしくても言うし、靴下でしたいなら靴下でしてあげる…他のとこでしたいなら、どこでも使っていいよ」
兄「な、なんでそんな」
妹「だって、もう無理だよ…ガマンできないの…わかってよ、お兄ちゃん、ずっと…私ね、お兄ちゃんのこと」
兄「ああ、わかった…食欲とかそういう問題じゃなかったんだな。 わかる。 お兄ちゃんにもよくわかるよ」
妹「…え? お兄ちゃんも?」
兄「ああ、生理前だろ?」
妹「なんでだ!?」
兄「あれ? 違うっけ?」
妹「え? あ……あー…うん、ちがくないけど…いや、でもまだ先だと思うけど…」
兄「…お兄ちゃんも、性欲に翻弄されるときがたまにあるからな……よくわかるよ」
妹「わかってない! わかってないよ! ていうか、お兄ちゃん、毎日性欲に翻弄されてるじゃん!」
兄「そりゃ…男の子だからな…毎日が発情期! そうか…もうお前もそういうお年頃になったんだなぁ…」
妹「…お年頃」
兄「よしよし…仕方ない、お兄ちゃんが、オカズを貸してあげよう」
妹「ええと…これは、なんですか?」
兄「…お兄ちゃんの靴下だが? なにか?」
妹「………」
兄「?」
妹「お」
兄「ん?」
妹「お、お兄ちゃんのバカぁっ!!!」
妹「お風呂に入って寝る!」
兄「あ、ああ…おやすみ」
妹「っ!!」
兄「ひぇっ…に、にらむなよぉ」
妹「……ふんっ」
兄「え?」
妹「なによ?」
兄「…それ、持っていくのか?」
妹「……持ってくよ。 洗濯物でしょ」
兄「そ、そうか。 悪いな」
妹「…私は、お兄ちゃんみたいな、兄妹の靴下で興奮する変態じゃありませんから!」
兄「そ、そう…意外といいんだけどな」
妹「……ば、バカじゃないの! 私は、お兄ちゃんの靴下で…したりしないから!」
兄「そ、そう…おやすみ」
妹「ふん! おやすみなさい!」
妹「………なにしてんだろ、私」
妹「はぁっ…」
妹(なんかはぐらかされてる気がする…)
妹(…こんなに好きなのになぁ)
妹(なんで言えないんだろ)
妹「……いくじなし」
妹(…言ったら、言ったで『え? 俺、お前の靴下以外に興味ないんだけど。 女として見れるわけないだろ』とか言われそう…)
妹「はぁっ…」
妹「………ん?」
妹(…お兄ちゃんの靴下…持ってきちゃった…洗濯機に入れないと…さっきボタン押したばっかりだから…まだ間に合う…)
妹「………」
妹「…うあ…くっさー…」
妹「………」
妹「…………くっさいなぁ…もぅ…」
妹「…くさいよぅ……お兄ちゃん、ちゃんと足洗ってるの?」
妹「……うん、くさい…」
妹「………」
妹(…お兄ちゃんの足のにおいかぁ)
妹「………くさいなぁ」
妹「…お兄ちゃん」
(…お兄ちゃん…おにいちゃんっ…)
『…ふぅん』
(やだぁっ…足で、なんて…)
『濡れてるな…もしかして、俺の靴下を嗅いで?』
(だ、だって…しかたないじゃないっ…おにいちゃんのにおいだと思ったら……)
『ははは、どんどん溢れてくるじゃないか』
(や、やめて、お兄ちゃん…足でくちゅくちゅしないでっ)
『そうか? やめていいのか?』
(………ぁ…ぅ…)
『…ここが気持ちいい?』
(…うんっ……気持ちいい…お兄ちゃん…)
『足でされて、気持ちいいなんて、変態だな……こんないやらしい変態妹に育ってしまったとはなぁ…』
(やだぁっ…言わないでっ…)
『まぁ、そんな変態妹が、お兄ちゃん大好きだけどな』
(私も、好きっ…お兄ちゃん、大好きっ)
『…ほんとは、ずっと、お前のこと好きだったんだ』
(お兄ちゃん……私も、私もね)
『ああ、知ってる』
(お兄ちゃん、もっと…もっとしてっ…私、変態なの…いやらしいの…お兄ちゃんの足でめちゃくちゃにして欲しいのっ…)
妹「~~~っ!!」
妹「…はぁはぁ………はぁ……ふぅ…」
妹「………」
妹「………な、なにやってんだろ…私」
妹(…なんて頭の悪い妄想)
妹「………うぁ…お兄ちゃんの靴下……下も替えないと…」
妹「………なにやってんだろ…ほんと」
兄「う~ん? おかしいな」
妹「どうしたの、お兄ちゃん?」
兄「あ、いやさ、なんか最近俺の靴下が減ってるような気がして……こんなに少なかったっけ?」
妹「え……す、少なかったんじゃない? うん、もともと少なかったよ、そんなに多くなかったよ、むしろこれくらいが普通だよ、うん」
兄「…なんで、お前が明らかに動揺するんだ?」
妹「ど、どどどどどようなんかしてないよ! 全然してないよ! 変な言いがかりはやめてよね!」
兄「………なるほどな、犯人はお前か」
妹「ちっ…ちっがう! 違うからね! だいたい、なんで私が洗濯前のお兄ちゃんの靴下なんて持っていくのよ! お兄ちゃんじゃあるまいし!」
兄「え? そうなの?…俺てっきり、穴のあいたやつをお前が勝手に処分したんだとばかり」
妹「え? そ、そうよっ! そうに決まってる! うん、私が処分したっ!! 処分しまくりっ!!」
兄「そうなのか…まぁ、3足525円の靴下だし、いいんだけどさ」
妹「そうよ! 3足525円の靴下なんだから!」
兄「…だが、一昨日買って、昨日初めて履いたはずの靴下さえ無いのは、おかしくないか?」
妹「え? あ、ああ、あの…ペンギンさんの描いてた」
兄「そう、それ! ふしぎな素材で足をクールにしてくれる靴下!」
妹「…あぁ、道理でなんかスースーすると」
兄「アレ、もう穴が開いてたのか? おかしいなぁ…そんなに安モンじゃなかったんだけどな」
妹「………」
兄「…どうした?」
妹「し、知らないっ! 私、知らないし! だいたい、お兄ちゃんの靴下なんか把握してないし!」
兄「いや、知らないわけないだろ…ペンギンさんが描いてる靴下だよ。 お前自分で言ってただろ」
妹「あっ……じゃ、じゃあ…捨てた! 処分した!」
兄「…なにその『じゃあ』って……そもそも一日しか履いてないんだけど」
妹「穴が開いてたから! 0.5ミリくらいの!」
兄「…それ縫い目じゃね?」
妹「もうっ! お兄ちゃんったら、靴下に穴ばっかり開けて、少しは大切に履いたらどうなのよ!」
兄「えぇー…なんでお兄ちゃん、妹に怒られてるの?」
妹「もうちょっと大切に扱ってよね! そうそう、なんか木のトゲとか刺さりっぱなしなこともあったし! 痛かったんだから!」
兄「いや…しょせん靴下だし。 お前の靴下なら、まだしも………痛かったって、なにが?」
妹「だからっ………せ、洗濯するときとか?」
兄「なんで疑問系?」
妹「そ、そう! 捨てるとき! 処分するとき!」
兄「そ、そうか…それは悪かったな」
妹「『ごめんなさい』はっ!?」
兄「ご、ごめんなさい……おかしいなぁ、靴下勝手に捨てられて困ってるのはお兄ちゃんの方だよな? なんで謝ってるの?」
妹「と、とにかくっ! 靴下が足りないんだったら、明日お休みだし、お買い物に行くからね!」
兄「あ、ああ、そうだな。 明日、買ってくるか」
妹「じゃ、10時に駅のライオンさんのところね!」
兄「…なんで待ち合わせ? そもそも、え、なに…二人で行くの?」
妹「復唱は!?」
兄「え? あ、10時にライオンさん前だな…」
妹「それじゃ、そゆことで!」
兄「どういうことだ…」
妹「そーゆーことでっ!!」
兄「…なんだろう……この力ずくで押し切られた感は…」
兄「悪い、待たせたか?」
妹「ううん、今来たところだよ」
兄「そうか。 じゃあ、行くか」
妹「待って。 待ちなさい、お兄ちゃん」
兄「…なんだ?」
妹「何か言うことはないの?」
兄「…ええと、天気が良くてよかったな?」
妹「違う、それじゃない」
兄「どれだよ…。 例えば、どんなことを言えばいいのか教えて」
妹「た、とえば…ほら、例えば、『今日もかわいいね』とか、『その服似合ってるね』とか?」
兄「ああ、なるほどな」
妹「そ、そう、たとえば、そんなの」
兄「…ふむ。 今日もかわいい靴下を履いてるな…タータンチェックとは、お兄ちゃん今から夜が楽しみで仕方ないよ」
妹「………」
兄「よし。 待ち合わせのテンプレートも消化したし、行くか」
妹「……バカだった…お兄ちゃんに何かを期待した私がバカだった…」
妹「お兄ちゃん、ちょっと聞きたいことがあります」
兄「…な、なんだよ? 怖い顔するなよ」
妹「お兄ちゃん、今日はどうしてサンダル?」
兄「え? そりゃ、休みの日くらいサンダルで過ごしたいだろ…お兄ちゃん、毎日、革靴で疲れてるんだよ」
妹「それ言うなら、私だって…」
兄「むしろ、なんでお前はこの暑いのにショートブーツなのかと……あ、いや、お兄ちゃん的には大歓迎なんだけど」
妹「………い、いいでしょ! どうでもいいでしょ! 私の趣味なんだから!」
兄「いいけど…」
妹「…ええと、もしかして変かな?」
兄「いや、最高だ! 最高に決まっている! 理想の足回りだ! ブーツからちらりと覗く靴下が…お兄ちゃん、たまらない!!」
妹「そう? よかったぁ」
兄「しかし、なんだ…どうして、わざわざ俺の靴下を買いに駅前まで来なきゃいけないんだ? 近所のスーパーでいいだろ?」
妹「うん。 お兄ちゃんの靴下は近所のスーパーで買うよ?」
兄「………じゃ、お兄ちゃん、なんで駅前まで来てるの?」
妹「私の下着と靴下を買いに」
兄「…それ、お兄ちゃん必要ないよね?」
妹「この前、ブラとパンツと靴下買ってくれるって言った」
兄「え?……あ、あぁ~…ああ! そういえば!」
妹「というわけで、今からこのお店に入ります」
兄「ランジェリーショップ!?」
妹「こ、これなんて、どうかな?」
兄「ふむ、ベビードールか…確かに乳首が見えるタイプというのも扇情的だが……やはり、お兄ちゃん的にはこっちのシースルータイプを推す」
妹「は、はぁ…?」
兄「まぁ、聞け…一般的な日本人男性にとってチラリズムというのがどれだけ大切なのかは先ほど述べたとおりだ」
妹「う、うん…よくわからなかったけど」
兄「見えてしまってはいけない…あくまで見えそうで見えないラインが重要なんだ」
妹「そ、そうですか…あの、お兄ちゃん、少しは恥ずかしいとかそういうのないの?」
兄「何を言っているんだ? 妹の下着選びくらいで恥ずかしがるわけないだろ…そうだな、なんだったら試着してみてはどうだ?」
妹「え゛!? いいよ、そんな…」
兄「そんなに遠慮するもんじゃないぞ? 買う気があるなら、店の人も文句言わないだろ…ええと、すいません、試着したいんですけどー」
妹「しないからっ! 絶対しないからっ!」
妹「…ふぅ」
兄「それだけで良かったのか? せっかくだから、もっとたくさん買えばいいのに…」
妹「……もういい、もういいよぅ…私が悪かったよぅ…」
兄「ははははは、お兄ちゃんに恥ずかしい思いをさせようなぞ、5年と2ヶ月早いわ!」
妹「…あーはいはい…はぁ、こんな下着いつ着けたらいいのよぅ…」
兄「そりゃ、お前、勝負をするときだろー」
妹「……そ、ね。 彼氏ができたときにでも使わせてもらう」
兄「そうだな。 まぁ、まだ成長期だし、サイズが合わなくなったら、また買ってやろう」
妹「いい、遠慮しとく。 ていうか、お兄ちゃんとは二度と来ない…ひとりで買いに行く」
兄「………彼氏ができたとき、か」
妹「ん? お兄ちゃん、なにか言った?」
兄「…いや、なんでも」
兄「…こ、ここは?」
妹「靴下屋さん」
兄「う、うん。 見ればわかる。 見ればわかるけど……ここに入るの?」
妹「そりゃ、だって靴下を買いに来たんだし」
兄「いやいや、ここは無理だろ…」
妹「なにが?」
兄「なにが…って、お前、ここはウワサよると女モノの靴下が選り取り見取りな店だぞ?」
妹「うん、かわいいのがいっぱいあるよ?」
兄「やめよう。 うん。 妹の靴下を買う店じゃないよ、ここは。 素直にユメタウンの靴下売り場に行こう?」
妹「…お兄ちゃん、もしかして」
兄「ち、違うよ!? べ、別に、お兄ちゃん、入るのが恥ずかしくて言ってるわけじゃなくてっ……お、お前にはこういうお店早いと思うんだ! うん!」
妹「………お兄ちゃん、ここ、ただの靴下屋さんなんだけど? 私、ここで買ったのも持ってるんだけど?」
兄「……男の俺が、こんな店に入れるかっ!」
妹「…いや、男のお客さんもたくさん…とは言わないけど、入ってるし」
兄「と、とにかくっ! ここは勘弁してっ!」
妹「…ふむ」
兄「たのむ…」
妹「……さ、入ろっ♪ お兄ちゃん♪」
兄「む、むりぃっ…むりだってっ…」
妹「おにぃーちゃんっ♪」
兄「!?」
妹「ね? ね? これどうかな? お兄ちゃん、チェック柄好きだよね? この色どうかな?」
兄「た、たーたんちぇっくの…あかのたーたんちぇっくだと…」
妹「お兄ちゃん? あ、こういうのもかわいいなぁ」
兄「…と、とんぐたいぷ!?」
妹「ねぇ…お兄ちゃん、どうかな?」
兄「そ、そんな露出度の高い靴下、お、お兄ちゃんどうかと思うなぁ…」
妹「そう? 夏だし、いいかなって…あ、レースのもある」
兄「………」
妹「…あ、でも、お兄ちゃん的には、ムレるようなやつの方がいいのかな?」
兄「へ!?」
妹「……こういうのって履いたことないんだけど…」
兄「オーバーニーソックス!? ニーソ!?」
妹「あ、やっぱり、好きなんだ。 柄はボーダー? それとも黒一色?」
兄「な、なんでお兄ちゃんに聞くの? 自分の好みで買えば? お兄ちゃんの好みなんてどうでもよくね?」
妹「どうでもよくないよ」
兄「なんでだよ…お兄ちゃん、この空間から一刻も早く逃げ出したいよ…」
妹「…お兄ちゃんの、好きな靴下、履きたいから……お兄ちゃんに、好きになって欲しいから」
兄「な、なんだと!? お兄ちゃんに好きに使ってほしいだと!?」
妹「聞いてた!? 今の聞いてた!? 今、けっこう勇気出して大事なこと言ったよ!?」
兄「ああっ! でも無理、お兄ちゃん煩悩が先走って、どきどきして正視できないっ!! ああ、くやしいっ!!」
妹「…はぁっ…靴下屋でそんなに挙動不審にならないでよ」
兄「…ふぅ」
妹「こ、こんなに買ってもらってよかったのかなぁ…大丈夫?」
兄「ああ、これくらい……先行投資みたいなもんだからな」
妹「…せんこうとうし?」
兄「ああ。 今も、あんな靴下やこんな靴下をお前が履くと想像するだけで、お兄ちゃんはもう……!!」
妹「ああ…そう…そですか…」
兄「ははは、なに『ちょっと引くなぁ…このお兄ちゃん』みたいな表情をしているんだ?」
妹「いや、どんびき。 普段からどんな視線で妹を見てるわけ? マジどんびき」
兄「どんびき!?…いや、一般的な兄が妹を見つめる視線に決まってるだろ」
妹「…視線が足に集中してる気がする」
兄「ははは、当たり前だろう。 妹の胸やら尻やらをじっと見つめてたら、変態じゃないか」
妹「……そりゃ、そうかもしれないけど…せめて顔にしてよ顔に…」
兄「ふぃ~……今日も疲れたなぁ」
妹「あ、うん、ごめんね…買い物につき合わせちゃって」
兄「いいって、元はといえば、お兄ちゃんが言い出したことだしな。…お兄ちゃんの好みの靴下も買えたことだし、大満足さ!」
妹「…それも、そっか。…お兄ちゃんの性欲解消に使われるのはヤだけど……仕方ないから、たまには今日買った靴下履いてあげる」
兄「おう、期待してる! さ、風呂風呂~っと」
妹「あっ…お、お兄ちゃんっ!」
兄「ん? なんだ? 先に入るか?」
妹「あ、ううん。 そうじゃなくて」
兄「まさか、いっしょに入りたいとか?」
妹「え? いいの?」
兄「いいわけないだろ…歳を考えなさい、歳を」
妹「そ、そうだよね」
兄「それで、なんだ? お兄ちゃんになんかしてもらいたいことでもあるのか?」
妹「う、うん…できたら、お風呂の前に」
兄「なんだ? 汗かくようなことか? 力仕事?…明日じゃダメか?」
妹「ううん、そういうんじゃなくて…できたら、今夜がいいんだけど」
兄「なら、なんだ?」
妹「お、お兄ちゃん、足の爪のびてるから…」
兄「……ああ、そうだな。 どうりで靴下に穴が開くはずだ」
妹「そ、そう、それ! だから、その、靴下に穴開けると、また買いに行かなくちゃだから」
兄「そうだな、お風呂上りに切っとくよ」
妹「だ、ダメっ!」
兄「……なんでだ?」
妹「だ、だって…においが――じゃなくて、お風呂上りに爪切ると深爪になりやすいって、タモリさんが言ってたし!」
兄「マジか…タモさんが言ってるんだったら、本当だな」
妹「うん、だから、私が切ってあげるから」
兄「え? なんで?」
妹「な、なんでって、それは…その」
兄「もしかして、それもタモさんが?」
妹「あ…う、うん、そう! タモリさんが言ってた! 『妹に足の爪を切らせろぉっ!』って、髪を振り乱しながら!」
兄「そ、そうか…そんなに鬼気迫る感じで言ってたなら、従わないわけにはいかないな…」
妹「……ぁ……はぁ…」
兄「あ、あの…」
妹「…なに?…ん……お兄ちゃ…ん?…」
兄「…あ、いや…なんで爪を切るのにそんなに顔を近づける必要があるのかなぁ…なんて」
妹「………目が悪いから?」
兄「な、なんで疑問系だよ…そもそも、お前、視力1.0以上あるだろ両方」
妹「…そんなこと…どうだっていいじゃん…ぁ…はぁ…」
兄「いや、なんか鼻息とかかかって、こそばゆいし……というか、いつ爪を切り始めるのか?」
妹「……今日、お兄ちゃんがサンダルだったから」
兄「…風が吹けば桶屋が儲かるみたいな理論を出されても、わからん」
妹「いいから…もちょっとだけ……」
兄「い、いやいや、傍で見てたら、お兄ちゃんの足のにおいをお前が嗅いでるように見えるぞ?」
妹「………そんなわけないでしょ!? お兄ちゃんみたいな変態じゃないんだから!!」
兄「そ、そうか? だったら、早く爪を切れば?」
妹「…わ、わかってる!」
妹「……よ……えい!…こうか!」
兄「…なんで足の爪切るのにそんなに気合を入れる必要が?」
妹「お兄ちゃんは黙ってて! きれいに切ってあげてるんだから! よし、後は小指!」
兄「……まぁ、かわいいから、いいんだけどさ」
妹「か、かわっ!?…あっ!?」
兄「痛っ!!」
妹「お、お兄ちゃん!? ご、ごめっ…ど、どうしよ…」
兄「あ……だ、大丈夫、大丈夫。 そんなに痛くないから」
妹「で、でも、血が出てる…っ!」
兄「大丈夫。 血が出てるだけだから……ええと机のスコッティ何枚かとってくれる?」
妹「……ぁむっ…」
兄「って、おい!? なにを咥えて!?」
妹「…れろっ……ごめんぇ…おにい…ひゃむ…」
兄「な、舐めなくていいから! スコッティを! ていうか、汚いからやめなさい!」
妹「……ぷはっ…きたなくないよ……血が…どんどん出てくる…はむ……んちゅ…」
兄「ちょ、ちょと、あのね、お兄ちゃん大丈夫だから、そこのスコッティを1、2枚とってきてくれたらいいから」
妹「…ちゅるっ………ぁ…んくっ……はぁっ…」
兄「え? え? あ、あの…そこはケガしてないよ?…って、一本一本丁寧に!? スコッティ! スコッティを!!」
妹「…んぅ……ぁむ……ふぁ……ちゅ…」
兄「き、聞いて? 聞いてりゅ!? って、ら、らめぇっ! 指と指の間は、らめぇっ!! スコッティ!! スコッティ!!」
兄「ふぅー…いい湯だった」
妹「お、おお兄ちゃん…」
兄「ん? ああ、お前も早く入れよ」
妹「あ、う、うん…あのね、さっきのなんだけど」
兄「あぁ…わかってるって。 お兄ちゃんがケガしちゃったから気が動転しちゃったんだよな?」
妹「う、うん。 そう、すっかり動転しちゃって」
兄「ははは、さすがのお兄ちゃんも、まさか妹に足舐めされるとは思ってなかったぞ」
妹「ご、ごめんなさいっ」
兄「いやまぁ…なんだ、うん、お兄ちゃんも痛がったりして、心配させて悪かった」
妹「ううん! お兄ちゃんは悪くないよ! 悪いのは全部私だから!」
兄「そうか? そうか…そこまで言うなら仕方がない……お詫びに今履いてるタータンチェックの靴下をもらってやろう!」
妹「え」
兄「なんてな。 気にしなくていいぞ。 誰にだって、失敗はあるからな」
妹「…わかった」
兄「…え?」
妹「……はい」
兄「は、『はい』…と言われても」
妹「…ど、どうぞ?」
兄「いや、『どうぞ』…と言われても」
妹「…脱がせて」
兄「脱がせるとこからっ!?」
妹「う、ん」
兄「いやっほぅ!!…って、それはサービス精神旺盛っていうか、何かの罠!?」
妹「ううん…お詫びだから」
兄「そ、そんないいって! わざわざそんなことしなくても、後から洗濯前のを取りに行くから!」
妹「………脱ぎたての方がいいよね?」
兄「それはもう! もちろん! 脱ぎたてほかほか最高!」
妹「じゃ…その、どぞ」
兄「………あ、あのパンツ見えてるんだけど」
妹「…たかが妹の下着」
兄「…え?」
妹「……妹のパンツに興奮するの? 変態なの? お兄ちゃん?」
兄「そ、そっそそそんんなことはないぞ! お兄ちゃんは変態じゃないから、妹のパンチラごときで興奮しない!!」
妹「…中身は?」
兄「中身って――ななななななにを言ってりゅにょ!?」
妹「冗談を言ってる」
兄「な、なんだー冗談かージョークかーあーびっくりしたーサプライズったー」
妹「……この格好、足が疲れるんだけど…早く脱がせてよぅ…」
兄「冗談じゃなかったの!?」
妹「…はやくぅ…お兄ちゃん…」
兄「で、では、し、しつれいしますっ」
兄「……んっ……うん…」
妹「や、ヤだ…におい嗅がないでよぉっ…」
兄「あ…いや、そういえば直に嗅いだことなかったなぁと」
妹「…やめてよ…臭いでしょ?」
兄「ははは…妹の靴下のにおいが臭いなんてあるわけないだろ…ん~かぐわしい」
妹「…やっぱ、臭いんじゃん…」
兄「…もう少し堪能してもいいか?」
妹「………………もう少しだけなら」
兄「んー…いいなぁーいいなぁー…やっぱり妹の靴下は最高だなぁー!」
妹「は、恥ずかしいこと口に出さないでっ!」
兄「ふぅ…そろそろ、脱がすか…本格的に味わいたいことだし」
妹「…あ、やっぱり、お兄ちゃんも靴下舐めたりするんだ?」
兄「もちろんだとも! 舐めたり、かんだり、もごもごしたりするぞぉっ! さ、脱ぎ脱ぎしましょうね~」
妹「お、お兄ちゃん?」
兄「どうしたマイシスター? 今さら『ひとりでできるもん』とかわいく言ってみたりしても、脱がすぞ。 断固として脱がす!」
妹「そ、そじゃなくて…その」
兄「…なんだ?」
妹「………このまま、舐めたり、してもいいよ?」
兄「こ、このまま…だと?」
妹「う、うん…そう」
兄「それは、もしかして、妹の足が入ったままの妹靴下を舐めたり、かんだり、もごもごしたりしていいということか?」
妹「う…うん、かむのは、痛くないくらいにしてほしいけど」
兄「………」
妹「あ…や、やっぱり、靴下だけの方がいいよね…う、うん…ごめん、脱がせちゃって」
兄「ぃやっほぉーいっ!!!」
妹「ぅわぇ!?」
兄「なんて今日は素晴らしい日なんだ! マーベラス! 神様ありがとう! メルシー! 今までマジメに生きてて良かった!!」
妹「……そ、そこまで?」
兄「ああ! お兄ちゃんは、お前のお兄ちゃんとして産まれてきて本当によかった!」
妹「…産まれてきたの、私が後だけど」
兄「まさか妄想が現実になろうとは……生きてるって素晴らしい!! 幸せすぎて手を叩きたい!!」
妹「………妄想の中では既にしてるんだ…」
兄「では、いただきます!……はむっ」
妹「…うわ……舐めてる…ほんとに舐めてるよ…」
兄「…れろれろ……そう言うが、さっきお前もお兄ちゃんの足をぺろぺろと」
妹「あ、あれは不可抗力!! 人工呼吸みたいなもの!!」
兄「…そうか、それもそうだな。 じゃあ、今、お兄ちゃんがしてるのはディープキスみたいなものか……はむはむ…」
妹「きっ……きすっ…」
兄「ぷはっ…妹よ、お兄ちゃんからお願いがあるんだが」
妹「………ぅん」
兄「口に手を当てて、どうした? 悪いんだが、今からお兄ちゃん、足先全体を口に含むから、指をわきわき動かしてくれないか?」
妹「…ぅん……はぁっ!?」
兄「いや、せっかく中身が入っているんだから、動きがあったほうがおもしろいかもしれないだろう?」
妹「え? あ、うん? そうかも?」
兄「じゃ、そんな感じで頼む」
妹「お、お兄ちゃん? ほんとにこんなのでいいの?」
兄「ふごっ…ふごふご」
妹「うわー…そこはかとなく幸せそう…」
兄「ふごふご…」
妹「うわー…足先ちょぉ生あたたかいし…」
兄「ふごふごふご…」
妹「……ヒマだなぁ………んー……ん? えぃっ」
兄「ふごっ!?」
妹「うーん? 固いような?」
兄「ふごっ!? ふぐっ! ふごも゛!!」
妹「何言ってるのかわかんないし……ズボン脱がしちゃえ」
兄「ふごっ! ふごごごっ!! ん゛ぐっ!?」
妹「はいはーい、ちょっと静かにしててねーっと……うわ……なんか…そそり立ってる」
兄「ん゛ー!! ん゛ー!!!!」
妹「あ、うん。 わかってる。 いじるときは、足使うからね」
兄「………ん゛!?」
妹「……わ、お兄ちゃん、こういうの気持ちいいの? 妹に口の中に足つっこまれながら、ここをこすられるの好きなの?」
兄「ん゛っ……ぐっ…」
妹「もっと…してあげるね……お兄ちゃんの気持ちいこと…」
妹「ねぇ…気持ちいい? お兄ちゃん?」
妹「…私に、妹に…こうやって、ここ…おち○ちん、こすられて気持ちいい?」
妹「わっ……『おち○ちん』? 『おち○ちん』って言われるのイイの? 今、ビクってなったよ?」
妹「お兄ちゃんのおち○ちん…変態おち○ちん…妹にこんなことされて気持ちいいなんて…変態…お兄ちゃんの変態…」
妹「ふふっ……気持ちいいんだ? うん、ちゃんと口の中も全部かきまわしてあげるからね?」
妹「…お兄ちゃんっ……お兄ちゃぁんっ…」
妹「……お、お兄ちゃん……私もね、その……お兄ちゃんの、してたら…」
妹「…お兄ちゃ……あれ? あ、あの、今、びくびくって……なんだか柔らかくなってない?…ていうか、湿ってきた…?」
妹「…え? なにその満ち足りた表情? え、うそでしょ?」
妹「………お、お兄ちゃんの…」
妹「お兄ちゃんのバカっ!! 早漏っ!!」
兄「ふぅ…」
妹「…なにそのやり遂げた感」
兄「いや、けっこうなお手前で」
妹「意味わかんないし…あれくらいで出る、ふつー?」
兄「はははっ! 出る! ていうより、どばどば出た! チョーきもちいい!」
妹「…どこの水泳選手」
兄「しかし、仕方ないことだが、口に入れていた足の動きが乱雑すぎだな。 的確にポイントを責めてほしいところだが」
妹「しかもダメだし!? ポイントってどこ!?」
兄「あと、慣れない足での圧力だったせいか、サムシングへの締め付けが緩かったな…残念なことだが、オ○ニーの方が気持ちいいな」
妹「さらにダメだし!?…って、オ○ニーの方が気持ちいいだと!?」
兄「まぁ、精進して次回に活かしてくれ」
妹「しないし! 次回なんてないし! ひとりでやってなさい! だいたい今回だって、ただのお詫びなんだから!!」
兄「ないの!? よし、わかった。 お兄ちゃん、明日も足の爪を切ってもらうから!」
妹「二度と切るか!」
兄「さて…あいつが風呂に入っているうちにと…」
兄「くっくっく…この靴下…まだ、人肌の温もりがあるな…」
兄「くっくっくっく…兄が一回で果てると思うなよ……さあ、二回戦と…やはりオ○ニーは妹の靴下に限るなぁ…」
妹「お兄ちゃん」
兄「!?…あ、あれ? 風呂は?」
妹「…入ったけど」
兄「早いな…何度も言うが、お兄ちゃんがオ○ニー中のときに部屋に入ってくるのはやめてもらえないか…今も、もう少しで危なかったぞ」
妹「だったら、鍵閉めてたらいいじゃない」
兄「カギ閉めたら、なんかあったとき、お前が入って来れないだろ」
妹「………お兄ちゃん」
兄「まぁ、何もないときに入ってこられるとな……いやまぁ、いいんだけど…でもな、思いがけないタイミングでイってしまったときの残念感が」
妹「…お兄ちゃん」
兄「なんだ? 見ての通り、お兄ちゃん、今オ○ニーが忙しくて、手が塞がってるんだが」
妹「………抱いて」
兄「は?…はっはっはー…し、しかたないなぁ…ちょと待てイったら抱っこしてやるから――って、なに脱いでる!?」
妹「…脱いだ方がしやすいんじゃないの?」
兄「あ、うん? あれ? いやいや…あの」
妹「もちろん…おなかが空いてるわけでも、生理前だからっていうわけでもないから」
兄「え…ええと…な!? し、下着…」
妹「…勝負だと思ったから……靴下も今日買ってもらったの履いてきた」
兄「………」
妹「…お兄ちゃん、私のこと、好き?」
兄「そ、そりゃ、もちろん」
妹「好きだったら、抱いて」
兄「………」
妹「好きじゃないなら、あきらめる……もう、こういうことしない」
兄「……いや、俺たち兄妹なんだけど」
妹「…そだね」
兄「そうだよ?」
妹「……それがどうかした?」
兄「な、なぁ……もしかして…あ、いや、なんだ…その、お前は、そういう意味で、お兄ちゃんのこと好きなのか?」
妹「………」
兄「…そうなのか?」
妹「…最初に聞いたのは、私。 お兄ちゃんが先に答えて」
兄「え?」
妹「私のこと好き? 妹のこと抱けるくらい好き?」
兄「……」
妹「…お兄ちゃん、手が止まってるよ?」
兄「あ、ああ…」
妹「……初めてじゃないかな? 何度言っても、止めてくれなかったし」
兄「…そうかもな」
妹「………」
兄「………」
妹「………やっぱりダメかぁ」
兄「え?」
妹「ごめんね。 ジャマしちゃって……ごめん」
兄「い、いや…お前が謝ることじゃない」
妹「…変だよね、私。 ごめん、もうこうゆうことしないから…」
兄「………」
妹「靴下、使ってもいいけど、ちゃんと洗ってかえしてね」
兄「……ああ」
妹「…やっぱ、ダメかぁ」
妹(…そだよねぇ……兄妹、だもんねぇ)
妹「ははは……兄妹だもんねぇ…」
妹(………おかしいなぁ…兄妹なのに…なんでこんなに…悲しいくらい好きなんだろ…)
妹「……寝よ……ええと、お兄ちゃんの靴下…っと」
妹「……今夜くらい、いいよね…」
妹「お兄ちゃんの…くつした」
妹「ぁむ……はぁっ……おにいちゃんっ…おにいちゃんっ…」
妹「おにいちゃんっ…おにいちゃんっ…おにいちゃんっ…」
兄「…ええと、はい?」
妹「!?」
兄「……こ、こんばんは」
妹「こんばんは?」
兄「ああ…ええと、お兄ちゃんが言えることじゃないんだけど」
妹「ち、違うの!! これは…そのお兄ちゃんの靴下じゃなくて!」
兄「…いや、そのペンギンのマークには見覚えが」
妹「あ…」
兄「な、なんていうか…その、使ってもいいけど、洗って返せよ?」
妹「あああああああ、ちちちちちちちち違うの!! 違うんだったら!!」
兄「…なにが違うのか」
妹「だ、だからっ…だからその……だから、あのねっ」
兄「……わ、悪い、責めてるわけじゃなくてだな」
妹「だから…あの………き…」
兄「…ぇえとだな」
妹「……き、嫌いにならないでっ」
妹「…ぇっく……やだ…やだよぉっ…」
兄「な、泣くな」
妹「ぇぅ…おにぃち゛ゃっ……」
兄「だ、大丈夫! いや、お前、お兄ちゃんがお前のこと嫌いになるはずがないだろ?」
妹「ふぇっ……ぇっ…ぇっぐ…」
兄「好きだから! 大好きだから! な? 泣くな?」
妹「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛」
兄「って、泣くし!?」
妹「うぅ…」
兄「よーしよしよし…落ち着いたか? 大丈夫だぞ? お兄ちゃん大好きだからな?」
妹「…ぅん」
兄「よしよし」
妹「………お兄ちゃん」
兄「なんだ?」
妹「…なにしに来たの?」
兄「………あ、うん…ごめん…お前のオ○ニーをジャマしに来たわけじゃないよ? すぐ部屋に帰るから続きをどうぞ」
妹「帰るな! だいたい続きをどうぞって言われて……できるわけないでしょ!」
妹「…それで、何しに私の部屋に来たの? もし、オ○ニーしに来たとか言ったらグーで殴る」
兄「…女の子がオ○ニーとか言うのどうよ?」
妹「……そういうのが好きなくせに」
兄「そ、そうだけどさ! 好きだけどさ! でも、そういうのは、あくまでプレイの一環で、普段は清純でいてほしいっていうのが、男のささやかな願望なんだよ!!」
妹「…そ、そう? 努力する」
兄「え? ああ…そうだ、俺が来たのは」
妹「うん」
兄「ちょっと夜這いっていうか」
妹「夜這い!?」
兄「あ…いや、合意が得られない場合は強姦になるのか」
妹「強姦!?」
兄「…つまりは、そんなとこだな」
妹「緊縛陵辱!?」
兄「言ってないから。 そこまでしないから」
兄「好きだよ。 お前は妹だけど、それでも好きだ」
妹「………え?」
兄「…だから、抱きに来た。 もし、さっき言ってたのがウソでも冗談でもなくて、まだ有効なら抱かせて欲しい」
妹「………………えぇ!?」
兄「どうした? お前の大好きなお兄ちゃんがここまで言ってるというのに」
妹「な!? わ、私は、そ、そんな大好きとか言ってない!」
兄「そうか…やっぱりそうだよなぁ…靴下オ○ニーしたり、靴下オ○ニーしたり、靴下オ○ニーしてる兄なんて…大好きなわけないよなぁ」
妹「あ…いや…」
兄「そうだよなぁ…お兄ちゃん変態で社会のクズだし」
妹「そ、そんなことない! そんなことないよ! 私、お兄ちゃんのこと大…」
兄「………大?」
妹「…そ、そのっ…す、好き?」
兄「なんで疑問系?」
兄「そうか…ウチの妹は妹の靴下にハァハァしてオ○ニーしてる変態のことが好きなのか…」
妹「…な、なによ! お兄ちゃんだって、お兄ちゃんの靴下にハァハァしてオ○ニーしてる変態のことが好きなくせに!」
兄「ああ、そうとも、大好きだとも! お兄ちゃんはお兄ちゃんの靴下にハァハァしてオ○ニーしてる変態のことが好きな、妹の靴下にハァハァしてオ○ニーしてる変態だからな!」
妹「……開き直るし」
兄「まぁ、お前もさくっと開き直れ。 たぶん、悩んだり考えたりしてもどうにもならんぞ、好きなんだから」
妹「……わ、私は、そんな、お兄ちゃんみたいな人間じゃないんだから」
兄「大丈夫、初めは恥ずかしいかもしれないが、だんだん気持ちよくなるから」
妹「……えぇー…なにそういうこと言う?」
兄「さ、というわけで……パジャマを脱いでもらおうか」
妹「は?」
兄「ああ、そうだな。 お兄ちゃんが脱がしてやろう。 はい、ばんざーい」
妹「ば、ばんざーい?」
兄「よし。 下も脱がすぞ」
妹「え? お、お兄ちゃん?」
兄「うーむ、よしよし。 さっきのまま、靴下も履いているな」
妹「お、お兄ちゃん?」
兄「なんだ? ああ…そうか、最初は、お兄ちゃんのベッドの方がいいか?」
妹「え? あ…うーん、どうだろ? どっちでもいいけど」
兄「そうか。 じゃあ、移動する時間も勿体ないし、ここでいいな」
妹「うん、そうだね――って、ちょと、ちょっと待って」
兄「なんだ? ああ…そうか、すまん、お兄ちゃん、うっかりしてた」
妹「う、うん…あ、あのね」
兄「…お兄ちゃんにも靴下を履いてほしいんだな」
妹「うん、そうそう、できたらこの靴下を履いてくれると――って、違う!!」
兄「…さっきまでオ○ニーに使っていた靴下を履いてほしいとは、なかなかハイレベルなことを言いますね」
妹「い、言ってない!」
兄「…いや、しかし、さすが俺の妹なだけはある! 仕方ない、ちょっと湿ってるこの靴下を履いてやろう」
妹「………ま、まぁ、履きたいなら、履いたら?」
兄「さて、とりあえず、そのジャマな下着をとるか」
妹「ジャマって言った!? 妹の勝負下着をジャマって言った!?」
兄「当たり前だろう、お兄ちゃんは靴下と中身にしか興味ないしな」
妹「せめて中身を先にしてよ! 順番的に靴下のほうが上みたいじゃない!」
兄「ははは…お兄ちゃん、靴下とお前自身なんて比べられないよ…」
妹「比べてよ! 比べた上で私を選んでよ!」
兄「そう言うお前は、お兄ちゃんとお兄ちゃんの靴下、どっちが好きなんだ?」
妹「お兄ちゃんに決まってるでしょ!」
兄「そうかそうか。 いい妹を持って、お兄ちゃん幸せだな………よし、あ、ちょっと腰上げて」
妹「うん――って、脱がされてるし!?」
兄「……美しい。 きれいだ。 最高だ」
妹「…視線がかなり下なんだけど」
兄「ははは、なに、ちょっと照れくさくて、目を合わせることができないだけさ」
妹「…むしろ靴下しか目に入ってないような気がする」
兄「そんなことないぞぉ…すばらしいな…あの縫い目」
妹「今、縫い目って言った? 縫い目って言わなかった?」
兄「冗談だ冗談」
妹「…冗談に聞こえない…全然冗談に聞こえないよ」
兄「そういえば、なんか言いかけてなかったっけ?」
妹「……ああ、うん…心の準備とか、順序とかそういうのだけど…もう、いいや」
兄「順序…順序か」
妹「……そう、順番があるでしょ? こういうのって」
兄「そうだな。 まずはキスだろうな」
妹「え?」
妹「………」
兄「どうした?」
妹「…くちびる、だった」
兄「そりゃ、キスなんだから唇だろ」
妹「お兄ちゃんのことだから、てっきり靴下にするんだとばかり…」
兄「………ははは、お兄ちゃんにだって常識はあるんだぞぅ…」
妹「あっ…ていうか、私、さっきまでお兄ちゃんの靴下咥えてたのに…」
兄「そうだったな…なかなかに衝撃のシーンだった…」
妹「ご、ごめんね。 イヤじゃなかった? 靴下くわえた口とか…イヤでしょ?」
兄「え? まぁ、それを言うなら、さっきまで俺の口には、お前の足が突っ込まれてたわけだが」
妹「あ…でも、お兄ちゃん、それから口洗って、歯磨いてるでしょ?」
兄「まぁ…いいじゃん。 したかったから、したんだ。 さすがにお前が口洗ってくるのなんて待ってられないからな」
妹「…うん」
兄「…さて、次は…っと」
妹「あ、あのね、お兄ちゃん」
兄「なんだ? 言っておくが、待ったなしだぞ? お兄ちゃん、2回戦をガマンしてここまで来てるんだからな!」
妹「待ったとは言わないけど」
兄「しかも、数年間靴下でガマンしてきたんだ……これ以上待つのは無理」
妹「え? それって…」
兄「……そこそこ濡れてるが……もうちょっと濡らしておこうか…最初は痛いだろうし」
妹「お、お兄ちゃん?」
兄「よし、胸とか尻とかさわるぞ」
妹「な、なんて趣のない!?」
妹「…ひゃぅ……んっ…」
兄「ううむ…イマイチだな…」
妹「はぅ……な、なにが?」
兄「なにか、お兄ちゃんにして欲しいことはないか?」
妹「え?」
兄「うん、オ○ニー中の妄想を実現したいとかでもいいぞ?」
妹「えぇっ!?」
兄「そうだな、それでいこう。 うん、お前は俺と一緒でMだから、きっと靴下を履いてる足に責められる妄想に違いない」
妹「……そ、そんなことないよっ! そんなことあるわけないでしょっ!」
兄「はははは、よぉし、お兄ちゃんMだけど、頑張って、Sっぽい感じを出してみるからな!」
妹「いいって! そういうのいいから!」
兄「ひゃっはー! 汚物は消毒してやるぜ!」
妹「………」
兄「ひっひっひ…ここか~? ここがええのんか~?」
妹「………」
兄「うひゃっひゃっひゃっ…口ではなんと言っても…下の口はホネスティ!」
妹「………」
兄「……ノリが悪いぞ?」
妹「…私のお兄ちゃんは、そんな生ぬるい責めをするようなお兄ちゃんじゃなかった」
兄「な、なまぬるいだと…?」
妹「…例えば、足を口の中に突っ込む時も、のどの奥まで一気に、どんなに苦しくても涙が出ても思いっきりグリグリするような」
兄「そ、それは、またハードな…」
妹「足で踏みつけるときだって…」
(略)
妹「…お兄ちゃん、ひどい!」
兄「な、なにが」
妹「今日は、あの靴下だって言ったのに! ちゃんといろいろ染み込ませてたのに!」
兄「え? い、いや、さすがに…湿ってるのはちょっと履いて行けなかった」
妹「私は、ちゃんとお兄ちゃんの選んだ靴下履いていった!」
兄「うんうん、ナイスだな……いや、お兄ちゃん、使用済みの靴下履いて登校しろとか言ったことなくね?」
妹「この前の日曜日に、精子でドロドロの靴下でお買い物に行かされた…」
兄「行かされた…って、ノリノリだったじゃん」
妹「ノリノリだったけど、恥ずかしかったの!」
兄「…そ、そうなんだ」
妹「お兄ちゃん、罰として、今から町内走ってきて。 革靴で」
兄「………えぇー…お兄ちゃん、超疲れてるんだけど…そもそも、お前、お兄ちゃんとお兄ちゃんの靴下、どっちが大事なわけ?」
妹「靴下」
兄「即答か!?……普通にへこむんだけど」
妹「え? う、ウソだよ! 冗談に決まってるでしょ!」
兄「だよな? お兄ちゃんのこと大好きだよな?」
妹「うん、大好き」
兄「即答か!? うわぁい! 普通に嬉しい! やっほぅぃ!」
妹「…ばか」
妹「……ところで、お兄ちゃん、妹と妹の靴下、どっちが好き?」
兄「そりゃ……靴下を履いた妹に決まってるだろ」
おしまい