1 : VIPに... - 2010/09/19 16:55:27.84 LEV3zIY0 1/23

「いくらお姉ちゃんでも本気で泣いた事あると思うよ?」

「えー…本当かなー?」

「お姉ちゃんだって泣いたことぐらいあるよ!」

「そうかな…そうだ!私が唯先輩を本気で泣かせてみよう!」

みたいなのキボンヌ

元スレ
梓「憂…唯先輩って本気で泣いた事あるかな?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1284882927/

5 : VIPに... - 2010/09/20 11:38:58.65 VURymOc0 2/23

「まずは作戦立てなきゃ。唯先輩の弱点が分かれば嬉しいんだけど…」

「いつもそばにいるけど、わた…お姉ちゃんに死角は無いかな~」

「シスコンの意見は役立たずとして…てか唯先輩泣かせようとしてるのに止めないんだね」

「久々に本気で泣きじゃくるわた…お姉ちゃん見てみたいかもっ」

「ええー」

6 : VIPに... - 2010/09/20 11:43:50.26 VURymOc0 3/23

「いや待てよ、憂は使える!」

「えへへ、うい…私は使えるんだ~」

「憂、唯先輩のことを思いっ切り拒絶してみて。きっと本気で泣くよ!」

「分かった。あずに…梓ちゃん、撮影の方はよろしくね!」

ほうかご!

「ムギちゃんの紅茶は格別だね~」

「うふふ、ありがとー♪」

(作戦決行は下校時!)

7 : VIPに... - 2010/09/20 11:47:42.37 VURymOc0 4/23

げこうじこく!

「あれ、校門に憂が!」

「本当だ。唯のこと待ってんのかな」

「部室に来ればよかったのにな」

(キター!!)

「あらあらうふふ」

8 : VIPに... - 2010/09/20 11:55:16.67 VURymOc0 5/23

(作戦内容はこうだ。当然唯先輩が憂に話しかける→憂「やだ…」→唯「うーいー?」→憂「ひいっ」→憂が唯先輩に触られたところを必死に払ったりする→唯先輩が泣く)

(完璧だ……!)

「憂、一緒に帰ろー!」

「………」

「うーいー?」

「私に触らないで。虫唾が走る」

「う、憂…?」

他のみんな「ぽかーん」

(ナイスアドリブ…確かに唯先輩の場合はきっぱり拒絶した方が泣くかもね)

9 : VIPに... - 2010/09/20 12:04:05.78 VURymOc0 6/23

「どうしたの憂、一緒に帰ろうよっ」

「一回言われただけじゃ分からなかった? 私に触らないでって言ったの、汚らわしい」

「うい…」

(唯先輩がうるうると! これは泣くぞ、今に泣くぞ!)

「もううちには帰ってこないでね。これ言うためにずっと待ってたんだから」

「ういー……ひぐ、ぐすっう、うわあああんっ」

(ほら泣いたー!)

10 : VIPに... - 2010/09/20 12:18:15.14 VURymOc0 7/23

「今だあああっ携帯とデジカメで同時撮影開始ぃぃっ!」パシャパシャ

「ういにきらわれたーうわあああんっ」

「ばいばい、もう二度とその顔見せないでね」

「うわあああんっ」

「いいねーいいよーその泣き顔!」パシャパシャ

「うわあああ…あれ、涙出なくなっちゃった。憂ー、目薬ちょーだーい」

「もーしょうがないなーお姉ちゃんは。ほら、顔上に向けて?」

「………………ん?」

11 : VIPに... - 2010/09/20 12:24:01.43 VURymOc0 8/23

「どういうこと?」

「ありゃ、ばれちゃった?」

「梓ちゃん、満足してくれた?」

「これは一体どういう…」

「私の泣き顔を見たいというあずにゃんのために二人で演技していたのです!」フンスッ

「えー嘘じゃ本気泣きにならないじゃん!」

「ごめんね梓ちゃん。お姉ちゃんを本気で泣かせるなんてやっぱりできなくて…」

「唯先輩の泣き顔楽しみにしてたのにぃ…うわあああんっ!」

「わわ、あずにゃん泣かないで。よしよーし、あずにゃん良い子だ泣き止みなー」パシャパシャ

この日、泣き止めなくなった私は唯先輩のお家に泊めてもらったのでした。

12 : VIPに... - 2010/09/20 12:30:47.21 VURymOc0 9/23

よくじつ!

「酷いよ憂、二人がかりで私の心を弄ぶなんて」

「ごめんね~。あずに…梓ちゃんがあんなに泣くなんて思わなくて…」

「もういいよ。次の作戦立てるから」

「諦めないの?」

「ここで諦めたら試合終了だよ。私は諦めないから!」

13 : VIPに... - 2010/09/20 12:39:50.63 VURymOc0 10/23

「そんなにわた…お姉ちゃんの本気の泣き顔見たいの?」

「うん。唯先輩の表情なら、何だって見たいから…」

「えっそれって…///」

「だから憂の手はもう借りないよ。そもそも人の手を借りようって考えが間違いだったんだし」

「そ、そう…頑張ってね///」

「うん、任せてよ!」

15 : VIPに... - 2010/09/20 12:48:10.27 VURymOc0 11/23

「どうやって唯先輩の涙腺を陥落させようか…」

「梓何独り言言ってんのー?」

「ホァタァッ」

「あべしっ」

「今真剣に考えごとしてるから話しかけないで」

「さてどうしよう。暴力は簡単だけどよくないしなぁ」

「梓、痛い…横腹は内臓破裂するレベル…」

16 : VIPに... - 2010/09/20 12:50:44.71 VURymOc0 12/23

ほうかご!

(こうなったら昨日の憂みたく私が唯先輩を拒絶してやる)

「あーずにゃんっ♪」ギュウ

「にへへ…」ポワポワ

「梓は今日も絶好調だな」

「だな」

「紅茶に愛情注ぎましてーっと」ジョボジョボ

17 : VIPに... - 2010/09/20 12:52:41.28 VURymOc0 13/23

よくじつ!

「で、抱きつかれたのが嬉しくてつい目的を忘れちゃったと」

「そうなんだよ。つまり抱きつかれてしまえばその時点で作戦続行は不可…
そして唯先輩は顔を合わせれば抱きついてくる」

「これじゃ何にもできない。手詰まりだ…」

「そんなに嬉しかったんだ、わた…お姉ちゃんに抱きつかれるの…///」

「もう手が無い…一体どうすれば…」

「諦めたら?」

「嫌だ。どうしても唯先輩の泣き顔を見るんだ。そしてこの収まらぬリビドーに安静の時を!」

「り、りびどー…///」

18 : VIPに... - 2010/09/20 12:57:28.31 VURymOc0 14/23

ほうかご!

(私が正気を保っていられるのは唯先輩に抱きつかれていない時)

(そしてそれはティータイムと練習をしている時に限られる)

(だからティータイムの今、私にできるのは唯先輩のケーキを横取りすること!)

(さすれば唯先輩と言えども本気で泣かずにはいられまい…じゅるり)

「今日はいちごのショートケーキよ~」

「わーいっ」

「きゃっほーう」

「いつもありがとうな、ムギ」

「これぐらい遠慮しなくていいのよ~」

(早速唯先輩のケーキを根こそぎ横取りィーッ!)

「みんなどんどん食べてね。昨日うちで経営してるスイーツ店の
パティシエが作り過ぎちゃっていっぱい余ってるから、誰かに横取りされたって平気よ~」ドッサリ

(こぉとぶきぃぃぃっ!!)

19 : VIPに... - 2010/09/20 13:01:56.64 VURymOc0 15/23

よくじつ!

「それでさ、いくら食べても在庫が減らないから大変だったよ…結局失敗」

「大変だったね~」

「ほんとだよもう…あーあ、まだ部室にケーキたくさん残ってるし、どうしよっかなあ」

「大変そうだね。どれ私が力を貸し」

「アァタタタタタタタタタタタタタタタタタッ、ホァタァッ」

「ひっでっぶっ」

「ふう、18HITだぜ」

「あずに…梓ちゃんすごーいっ」パチパチ

「痛いよお…うわあああんっ!」

「純なら簡単に泣かせられるんだけどなあ」

20 : VIPに... - 2010/09/20 13:03:49.17 VURymOc0 16/23

ほうかご!

「あーずにゃんっ」ギュウッ

「にへへ…ところで唯先輩は何されたら泣いちゃいますか?」

「お、直球だね」

「教えてくださいよー」

「うーん、あずにゃんに嫌われたら、かな」

「え…それって///」

21 : VIPに... - 2010/09/20 13:08:12.94 VURymOc0 17/23

「だって大事な後輩で親友だもんね、あずにゃんはっ」

「あ…そ、そうですよね。親友に嫌われたら悲しいです…」

(私、あの一瞬で何を期待してたんだろう。馬鹿みたい…)

(でもいいことを聞いたぞ。やっぱり私が拒絶すれば!)

「唯せんぱ」

「やっぱりあずにゃんは抱き心地抜群だよお」ギュウッ

「にへへ」ポワポワ

「梓は今日も絶好調だな」

「だな」

「紅茶に恋情注ぎましてーっと」ジョボジョボ

22 : VIPに... - 2010/09/20 13:09:50.66 VURymOc0 18/23

よくじつ!

「唯先輩手強過ぎだよ! 何あの超素敵生物! 何もかもぽわぽわ時間だよ!」

「大変だねー///」

「もういいもん。最初の作戦の時に撮った唯先輩の嘘泣き写真で我慢するもん」

「…諦めちゃうの?」

「………」

「あずに…梓ちゃんのわた…お姉ちゃんを泣かせたいという気持ちは、その程度のものだったの!?」

「憂…うん、そうだよね。これぐらいで諦めちゃ駄目だよね!」

「そうだよ。ふぁいと、おーだよ、あずに…梓ちゃん!」

「うんっ。ふぁいと、おーだね!」

(よーし、頑張るぞぉ!)

23 : VIPに... - 2010/09/20 13:11:50.54 VURymOc0 19/23

「私が思うにはね、あずに…梓ちゃんがわた…お姉ちゃんにあることを告白すればいいと思うんだ」

「あること?」

「そう、あること。あずに…梓ちゃんがわた…お姉ちゃんに対して持っているある感情を吐露すればいいんだよっ」

「ある感情って何? どうしてそれで唯先輩が泣くの?」

「それは本番になれば分かるよ。
いい? 告白するのはあくまでわた…お姉ちゃんだけに対して持っている特別な感情だからね」

「特別な感情、かぁ…何なんだろ」

24 : VIPに... - 2010/09/20 13:13:54.64 VURymOc0 20/23

ほうかご!

(ついにやって来た放課後…いくら憂の励ましがあるとはいえ、今回失敗すればもうやる気が出なくなる気がする)

(だからこれが最後のチャンス…絶対に負けられない!)

(憂の言葉を信じて、私は告白する!)

「唯先輩!」

「ふえ?」

「私、私…」

(告白…よく分からないけど何かを告白するんだ)

(唯先輩に対して持っているある感情を、特別な感情を)

「どうしたのあずにゃん?」

(特別な…唯先輩に対してのみ抱いている特別な、私の気持ち!)

「あーずにゃーん」

(それは……そう、それは!)プルプル

「好きですっ!」

25 : VIPに... - 2010/09/20 13:16:40.72 VURymOc0 21/23

「ずっとずっと前から、唯先輩のことが好きでした。私と付き合ってくださいっ!」

「あずにゃん…」

(憂、私伝えたよ。憂の言ってた特別な感情を…)

「あずにゃん、あずにゃん…」ポロポロ

「唯先輩、泣いてる…?」

「私も、大大大だぁい好きだよっ! うわあああんっ嬉し涙が止まらないよおおおっ」

「やった…やったあーっ!」

26 : VIPに... - 2010/09/20 13:20:46.41 VURymOc0 22/23

こうして私たちは付き合うことになりました

女の子同士なので何だか不思議な気分ですが、私は唯先輩を本気で泣かせることができて大満足です

憂に感謝しないとねっ

「憂、本当にありがとう!」

「えっ何が?」

「憂のおかげで私、唯先輩を泣かせてしかも付き合うことになったよ!」

「えっ付き合うって……」

「何もかもぜーんぶ憂のおかげ。本当にありがとうっ」

「梓ちゃん…お姉ちゃんと付き合ってるの?」

「うん。でね、唯先輩が卒業したら同棲しないかって誘われててさ、どうしよっかな~」

「………」

27 : VIPに... - 2010/09/20 13:21:43.43 VURymOc0 23/23

「あれ、憂どうしたの?」

「………………」プルプル

「うーいー?」

「うわあああんっ梓ちゃんのばかだいきらい――っ!!!」

「ええっ!?」

突然本気泣きしながら走り出した憂の行方は誰も知りません

だけど大丈夫、私には唯先輩がいるから

唯先輩の心を幸せでいっぱいにして、また嬉し泣きさせてやるんだからっ

おしまい

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