キョン「……」
古泉「反省しています……」
キョン「……反省すりゃいいってもんじゃねえだろうが」
古泉「すみません……」
ガチャ
ハルヒ「みくるちゃん、保健室で何とか落ち着かせたわ。今は有希がついてる」
キョン「そうか……」
キョン「なあ、なんで朝比奈さんをレイプなんかしたんだ?」
古泉「全く申し訳ありません」
キョン「勃起させながら言う言葉じゃねえだろ!」
バキッ!
元スレ
古泉「本当に申し訳ありませんでした……」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1281974197/
ハルヒ「それよりも……古泉君」
古泉「はい」
ハルヒ「その……中に、出しちゃったの?」
古泉「そりゃあもう、どくどくと。気持ち良かったですよ」
キョン「古泉ぃぃぃぃぃっ!」
ガッ!
ハルヒ「……今日中に、病院に連れて行かないといけないわね」
キョン「病院?」
ハルヒ「洗浄と、ピルを飲ませないと……」
キョン「糞っ……」
古泉「裸で正座はもう勘弁してもらえませんかね?」
キョン「お前には何かを望む資格は無い」
キョン「ハルヒ、長門に電話を」
ハルヒ「うん」prrr……
キョン「……お前、何を笑ってんだよ」
古泉「僕ですか?」
キョン「何でそんな笑ってられんだよっ!」
古泉「もう一発やりたかったです」
キョン「おらあっ!」
ゴスッ
古泉「顔に蹴りは止めてくださいよ」
キョン「お前が朝比奈さんにした事に比べりゃ、屁の様なもんだろが」
古泉「強姦ですもんね、ぬっふ」
キョン「てめえ……」
ハルヒ「……うん、うん。え、鶴屋さんが? そう」
ハルヒ「キョン。鶴屋さんが、病院まで連れて行ってくれるって」
キョン「そうか。……古泉は、どうする? 警察に突き出すか?」
古泉「それはちょっと勘弁してくださいよ」
キョン「うるせえ!」
ハルヒ「でも、みくるちゃんの気持ちが大切だし、ね? キョン」
キョン「……ああ。とりあえず、このまま縛ったまま連れて行くか」
古泉「そんなプレイまでして頂けるとは! 一樹、感激です!」
キョン「お前の人生、詰んでるの分かってんのか?」
古泉「ふふ……人生というゲームも弱いほうだったんですね、僕は」
キョン「お前の頭はおかしい」
―校舎裏―
鶴屋「みくる、歩けるかい?」
みくる「……」コクッ
鶴屋「手、握ってるからね」
キョン「すみません、鶴屋さん」
鶴屋「別にそんな……」
古泉「申し訳ありませんね、鶴屋さん」
鶴屋「……古泉、くん」
ハルヒ「みくるちゃんの意思もちゃんと聞いてから、通報しようと思うの」
鶴屋「そうかい。でも同じ車には乗せられないよ」
キョン「はい。後部バンパーにロープでつないでください」
古泉「そんな、若手芸人じゃないんですから! ふふふ」
ハルヒ「……結んだわ」
ブロロロロロ……
ガッ ゴッ ガッ
古泉「いたっいたたた……」
古泉「こんな目に会うとは……」
古泉「まあ、自業自得ですけど」
古泉「あの時の、朝比奈さんの表情……」
古泉「たまりませんでしたね」
古泉「……股間を道路に押し付けたら気持ち良さそうですね」
ガガガガガガガ
古泉「あだだだだだだだだだっ!」
古泉「ち、血まみれですよ」
古泉「……おや、病院に着いたようですね」
キィッ
―鶴屋病院―
鶴屋「裏口から入るのがいいね」
キョン「朝比奈さん、さあ……」
みくる「ゃっ!」ビクッ
キョン「あ……その」
ハルヒ「キョン。悪いけど、みくるちゃんには女の子だけしか触らないほうがいいわね」
キョン「だな。すみません、朝比奈さん」
みくる「……」フルフル
キョン「俺、あいつを見張っておくから」
ハルヒ「うん、お願い。あたしたちはみくるちゃんについてるから」
長門「貴方は古泉一樹を担当して」
みくる「ぁっ」ビクッ
ハルヒ「有希。その名前は今は出さないで」
長門「……御免なさい」
―車の後ろ―
古泉「やあ、お久しぶりです。なぁんて」
ドスッ!
古泉「……いきなり蹴るなんて酷いじゃありませんか」
キョン「お前のやったことのほうがよっぽど酷いだろうが」
古泉「強姦ですもんね、んっんっんっ」
キョン「……一体、どうしちまったんだよ」
古泉「貴方は、本当に僕が強姦したと思うのですか?」
キョン「……何? まさか」
古泉「したんですけどね、んっんっんっ」
古泉「ちょっ、レンガは止めて下さい、死にますから」
キョン「……殺してえ」
ガツンッ!
―病院内―
鶴屋「女医さんと女性看護士さんだけだから、安心しなよ?」
みくる「……」コクッ
看護士「膣洗浄の準備、できました」
鶴屋「私もついてていいですか?」
看護士「どうぞ」
ハルヒ「あたしたち、は……待ってるから」
みくる『……ぅうえっ、ひっぐ、ひっ』
鶴屋『みくる……』
ハルヒ「みくるちゃん……」
長門「泣いている……」
女医「病理検査は異常無し。薬はさっき飲んだのと、もう一度、規定の時間に飲んでくださいね」
鶴屋「大丈夫さ、二十四時間以内だから……その、心配は無いと思うから」
みくる「……」
女医「必要ならカウンセリングをお勧めしますが?」
みくる「……」フルフル
鶴屋「まあ、今すぐじゃなくてもいいよ。みくるが受けたい時に受けたらいいさ」
ハルヒ「……みくるちゃん」ギュッ
ハルヒ「こんな……こんな目に合わせて御免ね……」
ハルヒ「団長の、あたしの責任だよね……」
鶴屋「それは違うよ、ハルにゃん」
長門「そう。……あの男が悪い」
ハルヒ「……」
―駐車場・人目につかない場所―
古泉「こんな所に引っ張ってきて……まさかレイプするつもりじゃないでしょうね!」
古泉「あは、あは、あはは!」
キョン「……なあ、お前。本当にどうしちまったんだよ」
古泉「朝比奈さんを強姦したことですか?」
キョン「……なんか、理由があんのか」
古泉「……機関の命令で、身近にいる未来人に適度なショックを与え」
古泉「その行動能力をいちじるしく低下させる」
キョン「そんな事が!?」
古泉「そんな命令はありませんでしたよ」
古泉「僕は、僕自身の意思で朝比奈さんを犯したのです」
古泉「意思というより、本能でしょうか。んっんっんっ」
キョン「お前……」
古泉「ところで僕の身体は車に引きずられて怪我だらけです」
古泉「特に股間が血まみれです」
古泉「幸いここは病院です。治療をしてはいただけないでしょうか?」
キョン「……」
古泉「確かに僕は犯罪を犯しました」
古泉「しかし、貴方達のしているこれもまた犯罪行為に当たりますよ」
キョン「ぐっ……」
prrr……
キョン「はい。……ハルヒか」
キョン「え? 朝比奈さんが?」
キョン「しかし、まだ……ついさっきの事だぞ?」
キョン「……分かった」ピッ
キョン「朝比奈さんが、お前と話をしたいそうだ」
古泉「……おやおや」
―病院内・個室―
キョン「連れてきた」
古泉「どうも、古泉です」
ハルヒ「……」
長門「服は、着せないの?」
鶴屋「みくるは、そのまま連れて来てほしいって言ってたよ」
古泉「せめて股間の治療くらいはしてほしいですねえ」
ドスッ!
古泉「鳩尾に膝蹴りですか、涼宮さん」
ハルヒ「……みくるちゃんの気持ち、分かってんの!?」
古泉「僕に分かるわけないじゃないですか。んっふっふ」
ハルヒ「この……!」
キョン「止めとけハルヒ。今のこいつには、何も通じない」
鶴屋「カーテン、開けるよ、みくる?」
みくる『……は……い』
シャアアアアアア……
古泉「どうもー! 貴方を犯した、古泉一樹です!」
キョン「こいずみゃぁーっ!」
ハルヒ「この外道がぁぁぁああっ!」
長門「静まって」
キョン「長門!? 離せ、こいつを殺す!」
ハルヒ「粗末なブツを千切ってやる!」
長門「……朝比奈みくるの判断に従うのが筋。そう貴方達は言った」
キョン「うっ」
ハルヒ「……そうね」
鶴屋「……みくる、話せるかい?」
みくる「……はい」
みくる「……まず……は、皆さんにも、成り行きを知っていてもらいたい、です……」
古泉「僕が朝比奈さんを強姦した、一部始終を、ですね!」
鶴屋「みくる、大丈夫かい!?」
みくる「はい……皆さんには、知っていてほしいから……」
古泉「朝比奈さんは精神的露出狂ですねぇ!」
ハルヒ「んがが……!」
キョン「耐えろ、ハルヒ……!」
鶴屋「……じゃあ、話してもらえるかな」ギュ
みくる「……はい」
古泉「あれはですね、ちょうど僕が団室のノックをした時から始まりました!」
キョン「お前黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!」
みくる「……た、確かに、その時が、始まり、です……」
ハルヒ「みくるちゃん!?」
~みくるの証言~
みくる「……着替えてる最中、ドアがノックされました」
みくる「わたしは、ちょっと待ってください、とドアの向こうへ声をかけました」
みくる「すると、いきなりドアが開いて、全裸の古泉君が入ってきたんです」
みくる「そ、そしていきなり、押し倒されて……」
みくる「着替えの途中だった、服を無理矢理脱がされて……」
みくる「叫ぼうとしたんですけど、声も出なくって……」
みくる「古泉、君は……ずっと笑顔で……」
みくる「……そして、……されて」
みくる「その、すぐ後、涼宮さんと、キョン君が団室に来て……」
みくる「キョン君が、古泉君を殴って、そして」
みくる「……それからは、あまり覚えてません」
キョン(……どこか、不自然なところがあるな?)
キョン「朝比奈さん。古泉は、全裸で入ってきたんですか?」
みくる「は、はい……」
古泉「それは間違いありません。僕は全裸で登校してきましたから」
キョン(……ここじゃない、か)
ハルヒ「みくるちゃんは、抵抗はしなかったの?」
みくる「しましたけど、腕力では……」
ハルヒ「叫ぶ事も、できなかったの?」
みくる「声が、出なかったんです……」
ハルヒ(いつもあたしが揉んだりしてる時は、きゃきゃあ叫んでたけど……)
鶴屋「話すのは、辛くないかい、みくる。もうやめとくかい?」
みくる「いえ、大丈夫、です。ありがとうございます……鶴屋さん」
キョン(やっぱり何か引っかかる……)
キョン「古泉。お前の方の話も聞こうか」
ハルヒ「そうね。みくるちゃん……大丈夫?」
みくる「……はい」
~古泉の証言~
古泉「いつも道理に団活に向かいました」
古泉「ドアをノックして、朝比奈さんが着替えの最中だと分かりました」
古泉「ノブを回してみると、何と鍵がかかってなかったんです!」
古泉「これはもう、誘ってるとしか思えませんよね?」
古泉「僕は、思い切ってドアを開け、朝比奈さんに襲い掛かりました」
古泉「もうね、興奮しまくりでしたよ」
古泉「キャーキャー喚いてましてね」
古泉「その悲鳴が、またたまらなく股間にきたんですよ」
古泉「で、一発やり終えたその時に、貴方と涼宮さんがきて……」
古泉「このように縛られてしまったわけなんですがね」
ハルヒ(やっぱり変……!)
キョン(ムジョンしている……?)
キョン「古泉。朝比奈さんは、泣き叫んだんだな?」
古泉「ええ。その声で、僕はより興奮して勃起したのですから」
古泉「今、思い出しても勃起します……いたたっ!」
ハルヒ(みくるちゃんは『叫んでいない』……ここが、違う!)
ハルヒ「みくるちゃん。本当に、声は出なかったの?」
みくる「そのはず、です……わたし自身の耳には、自分の声が聞こえませんでしたから……」
キョン(ショックで記憶違いをしているのか? いや……)
ハルヒ「みくるちゃんは声を出していたのよ!
ハルヒ「でもみくるちゃんはあまりの事で自分の声が聞こえなかった!」
ハルヒ「……古泉君の強姦は確定ね」
キョン(そこじゃない! 第三者の影が見えてきたぞ……!)
キョン「鶴屋さん。貴方は誰からこの事件を聞いたんですか?」
鶴屋「廊下を歩いてて、保健室の前を通った時に、ゆきんこに呼び止められたのさ」
鶴屋「まさか、みくるがこんな目に遭っていたなんて……」
「異議有り!」バンッ!
ハルヒ「!」
鶴屋「!」
みくる「!」
長門「!」
古泉「!」
おばちゃん「!」
キョン「今の全員の証言を聞いてると、決定的な矛盾が見つかった!」
ハルヒ「ど、どういう事、キョン?」
鶴屋「矛盾ってなんだい?」
古泉「強姦したのは認めてるんですよ? んっふ」
キョン「この事件に大きく関わっていて、表に出ていない人物がいる!」
キョン「そいつの証言を要求する!」
ハルヒ「だ、誰なのよ……!?」
キョン「……長門! お前の、事件当時の行動を証言してもらう!」
長門「……! 分かった」
~長門の証言~
長門「私はいつも通り、一番早く団室に入った」
長門「そして、読みかけの本を取り、読書を始めた」
長門「すると、朝比奈みくるがやってきて、鍵をかけ、着替えを始めた」
長門「ノックの音がして、朝比奈みくるは返事をした」
長門「ドアは開かれ、全裸の古泉一樹が侵入してきた」
長門「そして、朝比奈みくるに襲い掛かった」
長門「私は、本の途中だったので読書に戻った」
長門「そして、しばらくして涼宮ハルヒと貴方がやってきて」
長門「古泉一樹を、縛り上げた」
長門「これで、私の話は終わり」
キョン(長門……)
鶴屋「じゃ、じゃあ、ゆきんこは、一部始終を見ていたのかい!?」
長門「そうなる」
ハルヒ「何で止めなかったの!?」
長門「……そういう、プレイの可能性もあった」
おばちゃん「そんな訳、ないんじゃないのかい?」
キョン「……問題は、そこじゃない」
ハルヒ「どういう事?」
キョン「勿論、強姦を目の当たりにして、止めるなり通報なりしなかった長門にも問題はある」
キョン「しかし! 長門はこう証言した!」
キョン「『すると、朝比奈みくるがやってきて、鍵をかけ、着替えを始めた』」
キョン「朝比奈さんは、いつも通りに、鍵をかけていたんだ!」
キョン「団室の鍵は、団室の中にしか無かったはず! じゃあ、古泉は、どうやって中に入ったんだ?」
キョン「……そう、内部から鍵が開くほか、入る術は無い!」
長門「!」
キョン「長門は、そのステルス性能の高い体型で、着替え中の朝比奈さんの目をすり抜けた!」
キョン「そして、団室の『鍵』を内側から開けた!」
キョン「朝比奈さんが声を出さなかったというのは本当だろう」
キョン「しかし、古泉は泣き叫ぶ声を聞いている」
キョン「だが……その声は、朝比奈さんのモノではなかった!」
キョン「長門! お前の声色だったんだ!」
長門「……そんな証拠は、どこにもない」ペラ……ペラ……
長門「全て……貴方の推測に過ぎない……」ペラ……ペラ……
キョン(長門が動揺している! ここは一気に片をつける!)
キョン「証拠なら、ここにある!」
ドンッ!
ハルヒ「これは?」
鶴屋「マイクロレコーダーってやつだね。映像と音声が撮れる品物だよ」
キョン「俺は朝比奈さんの着替えを、毎回これに録画していた!」
キョン「そして今日の分もばっちりだ! ……再生してみるか?」
長門「あ……あ……」ペラ……ペラ……ペラ……ペラ……グシャッ!
長門「……その、必要は無い……」
ハルヒ「有希! あんた、何で!」
長門「私は……朝比奈みくるが着替えを覗かれて恥をかけばいいと思った」
長門「乳がでかいだけでいつもちやほやされて……」
長門「しかし、強姦されるまでは思わなかった……」
長門「本当に、申し訳ない。朝比奈みくる……」ポロポロ
みくる「長門さん……」
古泉「僕も、鍵が閉まっていれば、強姦なんて出来なかったでしょう」
古泉「しかし、何の因果か、僕が全裸の時に鍵は『開けられて』いた……」
古泉「どうしようもなかった事とはいえ、本当に申し訳ありませんでした。朝比奈さん……」
みくる「古泉、君……」
キョン「一件落着、だな」
ハルヒ「……あんた、なに盗撮なんかしてんのよ?」
キョン「そ、そんな些細な事をきにするなよ」
おばちゃん「さて……判決を下そうかね」
おばちゃん「古泉一樹、強姦罪で有罪!」
おばちゃん「長門有希、犯罪幇助で有罪!」
おばちゃん「キョン、盗撮罪で有罪! 以上をもって審議を終了するよ!」カンカンッ
キョン(俺たちは、それぞれが少しづつ間違っていた)
キョン(それは、誰にも分からない綻びだった)
キョン(しかし、その綻びは、ついに破れるところまでになってしまっていたんだ)
キョン(朝比奈さんは、現在、心療内科に入院しているそうだ)
キョン(俺、長門、古泉は、それぞれの罪で服役中)
キョン(あの団室には、ハルヒ一人だけ……)
キョン(いつか、また。SOS団が揃うことがあるのだろうか……)
ハルヒ「卒業までに、みんな帰ってくるかなぁ……」
鶴屋(……それは無理っぽいね、ハルにゃん)
【Bad End】