あやめ速報-SSまとめ-

　
P「ジュリアに仕事のオファーが来たぞ」

ジュリア「どれどれ…？トーク番組『イマドキ女子の過ごし方』？なんだこれ？」

P「テレビ局からジュリアとエレナが御指名だ。若いアイドルがよく出てる番組だな」

ジュリア「どうしてアタシが？全然イマドキ女子じゃないぞ？」

P「どうしてって、多分アレだろうなぁ」

ジュリア「アレって…」
　
ﾎﾜﾝﾎﾜﾝ
　

　
一週間前に放送された音楽番組

司会「えー、ジュリアさんで『スタートリップ』でした」

司会「いやーアイドルなのに弾き語りも出来るなんて、ジュリアちゃんカッコいいね」

ジュリア「どうも」

ｷｬｰ!　←黄色い声援

エレナ「ジュリアは今日もモテモテだネー」

ジュリア「やめてくれよ」

司会「そんなジュリアちゃん、なんとまだ16歳の女子高生なんですって。やっぱり休日は友達と遊びに行ったりするの？」

ジュリア「休日？そうだな、基本的に家で一人でギター弾いたり、曲作ったり、気が向いたら近くのライブハウスにいったり路上で弾いたりって感じかな」

ｷｬｱｧｰｰｰｰ!　←すごい黄色い声援
　

　
司会「す、すごくストイックな生活ですね…」

ジュリア「そうか？普通だろ」

エレナ「あ、でもこの前ジュリアと一緒にクレープ食べに行ったときにほっぺに生クリーム付けてて可愛かったヨ。写真見る？」

司会「なにそれ見たい」

エレナ「ほらほら、コレだヨ」

ジュリア「あ、ちょっ、待てエレナ！やめろ！事務所NGだ！」

エレナ「えー、だってみんな可愛いジュリアも見たいって。ネー？」

ﾐﾀｰｰｰｲ！

エレナ「はいカメラさん♪」

ジュリア「ああぁー！！！！」

ｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱｰｰｰｰ!!　←ものすごい黄色い声援
　

　
ﾎﾜﾝﾎﾜﾝ

ジュリア「もしかしてアレか…？」

P「十中八九アレだろうな」

ジュリア「ってことでアタシのトーク力の無さは分かっただろ。他に回すといい」

P「もう受けちゃった。エレナと一緒に」

ジュリア「は？」

P「そういうことだから。収録明日だから」

ジュリア「は？」
　

　
収録当日

ジュリア「はぁ…あのバカP…。ぜってぇとっちめる…」

エレナ「えー、でもワタシはジュリアとまた一緒にお仕事出来て嬉しいナ♪」

ジュリア「ほら、そういうのが求められてるんだよ。アタシは向いてないっつーか」

エレナ「ジュリアはワタシと一緒のお仕事で楽しくないの…？」

ジュリア「う、いや、そんなことは、」

エレナ「エヘヘー♪嬉しいヨー！ギュー！」

ジュリア「離れろ！」
　

　
ジュリア「はぁ…、とりあえずトークは苦手だからさ、今日はよろしく頼むよ」

エレナ「大丈夫だヨ！ワタシに任せて！」

ジュリア「おぉっ、心強いぜ。その調子で本番でも…」

エレナ「困ったら踊っちゃえばいいんだヨ♪ジュリアも一緒に♪」

ジュリア「……ん？」

エレナ「みんなでサンバ踊っちゃえば、みーんなハッピーだヨー！」

ジュリア「ちょ、ちょっと待ってくれエレナ」

エレナ「なーに？」

ジュリア「踊るのか？トーク番組で？」

エレナ「踊らないの？」

ジュリア「いやそんな踊って当然みたいな顔されても」

ジュリア「これはアレだよな。心意気的な…、ハハッ」

エレナ「ココロイキ？」

ジュリア「あぁ、まぁ、よろしくたのむ」

エレナ「任せてヨー♪」
　

　
本番

司会「今日のゲストは765プロのジュリアちゃんと、島原エレナちゃんでーーーす！」

芸人「イエーーイ！」

エレナ「イエーーーイ！」

ジュリア「い、いえーい（テンション高いな…）」

司会「それじゃあ早速質問していきますね！エレナちゃん好きな食べ物は？」

エレナ「エー？何その質問―？もっと面白い質問してヨー」

芸人「ハハハ、エレナちゃんは元気だなぁ」

エレナ「んー、そうだネー。やっぱりママンが作るブラジル料理が好きかな？フェジョアーダとか！」

司会「そういえばエレナちゃんの御両親はブラジルの人だっけ？」

エレナ「ママンがブラジル出身だヨー！」

司会「なるほどー。エレナちゃんの元気さは南米由来なんだねー」

ジュリア（よし、流石エレナ。良い感じだな）
　

　
芸人「じゃあジュリアちゃん。好きな食べ物は？」

ジュリア「そうだな、肉とか好きだよ」

芸人「他には？」

ジュリア「他？ラーメンとか…？」

芸人「他には？」

ジュリア「えー、甘いものとか…」

芸人「他には？」

ジュリア「なんでアタシの時だけ大量に答えさせられるんだよ！」

芸人「えー、だって話が広がら無さそうなものだったし」

ジュリア「良いだろ別に！好きなんだから！」

エレナ「！！」
　

　
エレナ「イエーーーイ！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

ジュリア「！？」

芸人「！？」

司会「！？」
　

　
エレナ「ホラホラ！ジュリアも一緒に踊ろうヨ♪」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

ジュリア「お、おい、引っ張るな」

司会「一体どうしたのエレナちゃん」

エレナ「みんなもホラ！こうだヨ！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

芸人「い、いえーい！」

エレナ「ワーオ！イイ感じだネ♪」

エレナ「ジュリアももっともっと！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

ジュリア「ええい！もうどうにでもなれだ！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

エレナ「最高だヨー♪」ｽﾞﾝｽﾞﾝ
　

　
　
エレナ「はい」ｽｯ

ジュリア「うわぁ急に座るな！」
　
　

　
エレナ「じゃあジュリアに質問続けて良いヨ。どうぞどうぞ」

司会「えっ、えっ…？」

芸人「はぁはぁ…。何だったの今の」

エレナ「ジュリアが『困ったら踊れ』って言ってたんだヨ」

ジュリア「アタシは言ってない！」

エレナ「次は司会者サンも一緒にネ♪」

司会「えー、いや、私は…」

ジュリア「まさか本当に踊るとは…」
　

　
芸人「えーっと、じゃあ次の質問」

ジュリア「頼む」

芸人「現住所は？」

ジュリア「言えるわけないだろ！」

エレナ「イエーーーイ！！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

芸人「イエーーーイ！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

ジュリア「ぐわあ！しまった！」
　

　
エレナ「ホラ！ジュリアも早く立って！今度はこうだヨ♪」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

ジュリア「あの、アタシこういうのは」

エレナ「イエーーーイ！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

ジュリア「聞いちゃいねぇな！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

司会「えっと」

エレナ「アレ？司会者サンは踊らないノ？」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

司会「私は踊らないですよ」

エレナ「そっかー…」ｼｭﾝ

司会「……」
　

　
司会「イエーーイ！Fooooooo！！！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

エレナ「ワーオ！すっごいキレキレだヨー！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

芸人「司会者さんすげぇ！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

ジュリア「腰痛めるなよ」ｽﾞﾝｽﾞﾝ
　

　
　
エレナ「はい」ｽｯ

ジュリア「この急に冷めるの何なの？」
　
　

　　
司会「えー、それでは次の質問」

ジュリア「何事も無く進行するのやめろ」

司会「年収は？」

ジュリア「そうだな、大体コレくらいだ」ｽｯ

司会「なっ！？」

ジュリア「またあたしを困らせようったってそうはいかないぜ。事務所NGだから後で編集して切ってもらえば良い」

芸人「そんな…」
　

　
司会「ジュリアちゃんを困らせられないなんて…」

芸人「これは困った…困った…」

ジュリア「ん？」

エレナ「あっ、芸人さん困ってる？」

芸人「困ってる困ってる」

エレナ「じゃあ」ｽｯ

エレナ「イエーーーーイ！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

司会「イエーーーイ！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

芸人「イエーーーイ！」ｽﾞﾝｽﾞﾝ

ジュリア「そのパターンもあるのかよ！いい加減にしろ！」
　

　
後日
　
ジュリア「というわけで、あの番組は散々だったよ」

P「見て見て、すごく好評」

ジュリア「勘弁してくれ」

P「あの番組を見た構成作家さんから、新しくジュリアとエレナにオファーが来たんだけど」

ジュリア「嫌な予感しかしないな」

P「『アイドルが赤裸々告白！？何でも質問に答えちゃいますラジオ』っていうやつが」

ジュリア「事故る気しかしねぇ！断れ！」



おわり