1 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 21:50:11.216 mZgWT+Px0 1/31

「あーあ、暇だなぁ」

「ねー」

「そうだ、ロシアンルーレットやろうぜ!」

「いいよ!」

「じゃあまず俺から!」バキューンッ!

「次は私ね」ドキューンッ!

「今度は俺な」バキューンッ!

「私の番!」ドキューンッ!

元スレ
男「ロシアンルーレットやろうぜ!」バキューンッ 女「いいよ!」ドキューンッ
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1591793411/

3 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 21:53:29.295 mZgWT+Px0 2/31

「あ……タマ無くなっちゃった」カチッカチッ

「お互い何発も頭にブチ込んだけど……」

「死なねぇ~!」

「ねー」

「俺らがやった遊びをロシアンルーレットっていっていいのかな?」

「ロシアの人が聞いたら怒るよ、きっと」

「たしかに。ウォッカぶっかけられるかも」

「頭再生させとくか。脳みそ飛び出てると見栄え悪いし、頭も悪くなった気分だ」ムクムク…

「うん」ムクムク…

4 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 21:56:29.827 mZgWT+Px0 3/31

「はぁー……毎日がつまらん」

「こんなことなら、不死の薬なんか飲むんじゃなかったな」

「ねー、早まったよね」

「なにやっても死なないってだけで、ここまで人生にハリがなくなるとは思わなかったよ」

「何事も期限ってのは大事だね」

「もし夏休みの宿題に期限がなかったら、誰もやらないもん、きっと」

「だよなぁ。いつやってもいいってことは、いつまでもやらなくていいってことだもんな」

「あーあ、なにか生きがいが欲しいなぁ」

5 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 21:59:23.603 mZgWT+Px0 4/31

「それにしても、この銃をどっかの犯罪組織からパクった時は多少スリルあったな」

「うん、あいつら私らがいくら撃っても死なないからビックリしてたしね」

「あれはちょっと面白かったなぁ……痛かったけど」

「あ、私いいこと思いついた」

「ん?」

「二人で殺し屋でもやらない? せっかく銃もあるしさ」チャッ

「おっ、そりゃいいな! なんたって俺ら不死身だし、どんな奴だって殺せるぜ!」

「決まりね!」

6 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:02:44.991 mZgWT+Px0 5/31

「どうやって依頼受ける?」

「適当にサイト作って……メールで依頼受けよう」カタカタ

「依頼料は……格安でいいや!」カタカタ

「どうせお金なんて必要ないしね。食べる必要もないし」

「よし、できた!」カタカタッターンッ

「どんな仕事が来るか楽しみだね~」

「ああ、ワクワクしてきたぜ!」

8 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:05:30.725 mZgWT+Px0 6/31

「どう?」

「うーん……どれもイタズラばかりだ」



『織田信長を殺して下さい by明智光秀』

『家にゴキブリが出るのでお願いします』

『自分自身を殺して下さい』



「死ねたらとっくに死んでるっつうの」

「ねー」

9 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:08:30.494 mZgWT+Px0 7/31

「……ん?」

「どしたの?」

「一つだけ、マジっぽいメールがある。文面からして迫力が違うっつうか」

「どれどれ……『本当に殺し屋なら、○月×日18時に△△町の公園まで来て下さい』か」

「どうする?」

「行ってみるっきゃないっしょ!」

10 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:14:04.981 mZgWT+Px0 8/31

―公園―

少女「……」



「あそこが待ち合わせ場所だけど……」

「依頼人は女の子じゃない!」

「ああ……まだ小学生か中学生ってとこだな」

「いったい誰を殺したいんだろう?」

「とにかく、話を聞いてみるしかないな」

11 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:16:08.873 mZgWT+Px0 9/31

「こんばんは」

少女「お待ちしてました」

「えぇっと……殺しを依頼したいってことだったけど」

少女「はい」

「誰を殺して欲しいの?」

少女「……私」

「え!?」

「え!?」

13 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:19:53.477 mZgWT+Px0 10/31

「それはつまり、自殺したいってこと?」

少女「そうなりますね」

少女「できれば自分で命を断ちたいけど、なかなか踏み切れなかったので」

「んで、俺らのサイトを見つけたってわけか」

少女「はい」

「銃は?」

「持ってきてあるけど……弾も入ってるよ」

「よ、よし……」チャッ

少女「……」

「……」ゴクッ

14 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:22:44.576 mZgWT+Px0 11/31

「ううう……」

「やっぱお前がやってくんない? 自分は散々撃ったけど、人撃つのって初めてだし……」

「えー?」

「じゃあ……」チャッ

「……」

「あ、無理! 怖い! 自分と他人って全然違う!」

「だろ?」

少女「早くして下さい!」

「えぇっと……」

「どうしよっか……」

15 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:25:19.404 mZgWT+Px0 12/31

「じゃあこうしよう!」

少女「え?」

「君が自殺したくないのは、ようするに自殺がどんなもんか分からないからだろ?」

「今から俺らが自殺の実演をするから……一番できそうなやつを選んでくれ!」

「それいいわね! 私らの得意分野!」

少女(自殺の実演? どういう意味……?)

16 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:28:50.499 mZgWT+Px0 13/31

「じゃ、まず俺から」

「首吊り」

ギュッ…

「ぐえっ……!」

少女「え、ちょっとこれホントに吊ってません? トリックじゃなく……」

「吊ってるわよ」

少女「えええ!?」

「……」ビクンビクン

「おおっ、顔が青くなってる! いいぞいいぞー!」

少女「青いどころか白ですよこれ!」

17 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:31:20.435 mZgWT+Px0 14/31

「次は私ね、リストカット!」

ザクッ

「……」ドクドク…

「これ意外と死なないんだよな」

「うん、やっぱり首いってみよっか」ザシュッ

ブシュゥゥゥゥゥゥ…

「うわっ、すげえ血! こっちまで飛んできたぞ!」

「やだ、どうしよう! 後で掃除が大変!」ブシュゥゥゥゥ…

少女「きゃあああああ!!!」

19 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:35:10.718 mZgWT+Px0 15/31

「飛び降り!」

ヒューン…

グシャッ!

「……」ビクビク

「あーあ、頭からいけなかったわね。中途半端」

少女「首がグニャリと曲がってる……」



「練炭!」モクモク…

「……」

「おー、ホントに眠るように死んだな」

少女「早くドア開けないと!」

「大丈夫、死んでないから」

少女「どっちなの!?」

20 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:37:12.931 mZgWT+Px0 16/31

「実演はこんなとこかな」

「そうね」

二人「さぁ……どれにする?」

少女「どれもイヤ!!!」

「ですよねー」

「明らかに引いてたもんね」

少女(分かってるなら、もっと早くやめて欲しかった……)

21 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:41:15.178 mZgWT+Px0 17/31

少女「あなたたち……なんなの? 何者なの!?」

「ただの人間だよ。ただし不死身の」

少女「不死身……!?」

「それを生かして、何かやろうと思ったんだけど……なかなか上手くいかないわね」

「不死って体が潰れても平気だけど、潰しはきかないな」

「座布団全部持ってってー」

「それはさておき、君はどうして死にたいんだ?」

少女「……」グイッ

「腕にアザが……!」

「あなた虐待されてるの?」

少女「……」コクッ

22 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:44:15.312 mZgWT+Px0 18/31

少女「お父さんは飲んだくれで、暴れん坊で……すぐ暴力振るうの」

少女「私もお母さんも愛想尽かしてるけど、どうにもならない……」

「だったら相談所とかに行けば……」

少女「ダメよ。相談員の人が来ても、すごい剣幕で追い返しちゃう」

「厄介ね~」

「だったらいっそ、お母さんと遠くに逃げれば?」

少女「勘が鋭くて、すぐ追いかけてくるの。何度か逃げようとしたけど、失敗しちゃった」

少女「捕まったらもちろん……」

「暴力による制裁ってわけか」

23 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:47:05.121 mZgWT+Px0 19/31

「じゃあさ、いっそ私たちがこの子のお父さんをやっちゃう?」

「そりゃいいな。同情の余地もないし……」

少女「それは……ダメ!」

少女「あんなのでもお父さんだし、さすがに殺しちゃうのは……」

「だから思いつめて、俺らに“自分を殺してくれ”って依頼したわけか……」

「どうする?」

「うーん……」

24 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:51:06.226 mZgWT+Px0 20/31

「ようするに、そのオヤジの命を奪わずに、どうにかできればいいわけだ」

少女「うん……。時間さえあれば、手の届かないところに逃げられると思うし……」

(なにかいい方法は……)

(俺らの長所を生かしたやり方で……)

「……」

「――そうだ!」

「どうしたの?」

「いいこと思いついた」ニヤッ

「いいことって?」

「そのオヤジを……殺す方法さ」

26 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:55:10.142 mZgWT+Px0 21/31

―少女の家―

「おう、金よこせ。ちょっくら飲んでくる」

「いい加減にしてよ……お金なんかないわよ……」

「あいつの学費に貯めてる金があんだろぉ!? ほら、よこせぇ!」バシッ!

「きゃっ!」

「さーて、飲んでくるか! ちゃんと夜食用意しとけよ!」

バタンッ!

「もういや……!」グスッ…

28 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 22:59:14.434 mZgWT+Px0 22/31

「ウ~イ……もう一軒行くかぁ」ヨロヨロ

「あ、虐待マンだ」

「あ?」

「ぎゃっくたいマン! ぎゃっくたいマン! ぎゃっくたいマン!」

「……」イラッ

「なんなんだてめえは!? あぁん!?」

「人間ですぅ~」

「……」イライラ

31 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 23:03:34.967 mZgWT+Px0 23/31

「つかぬことを伺いますけど」

「なんだよ?」

「あなた、女子供にしか喧嘩を売れない弱虫って聞いたんですけど、本当ですか?」

「ンだとォ!?」

「んなわけねーだろ、てめえ如きぶっ飛ばしてやるよォ!」

「ほぉ~」

「なんなら今ここでやるか!? あぁん!?」

「いいですよ。でも、どうせやるんだったら……」

「?」

32 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 23:05:43.914 mZgWT+Px0 24/31

「ほらあそこ」

「?」

「あそこに銃が落ちてます。あれでやってみたらどうです?」

「……」サッ

「俺に向かってぶっ放して下さいよぉ、勇気があるならね」

(なんでこんなとこに銃が……? どうせエアガンかなんかだろうが……)

33 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 23:08:34.175 mZgWT+Px0 25/31

「いいぜ、やってやるよ」チャッ

「おおっ、ホントですか――」

「死ね!」バキューンッ!

「ぶっ!」

ドサッ…

「え……?」

「は……!? えっ、これ……本物……!? バカな……!」



「キャーッ!!!」

34 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 23:11:54.280 mZgWT+Px0 26/31

「人殺しーっ!」

「え……?」

「おまわりさーん! こっち来てーっ! 早く早くーっ!」

警官「どうしたんです?」

「あの男が……今、人を撃ったんです! 頭を思い切り撃ち抜いてましたァ!」

警官「な……!?」

「ち、違う! 俺じゃない!」

「偶然にも、バッチリ動画も撮れてます!」

警官「おおっ、お手柄です!」

36 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 23:16:41.552 mZgWT+Px0 27/31

警官「貴様! 動くんじゃない!」チャッ

「ち、違うんだ! 俺は……銃を拾って頭めがけて引き金を引いただけで……」

警官「完全にアウトじゃないか!」

警官「現行犯で逮捕する!」ガチャッ

「あうぅぅぅ……!」

「さすがおまわりさん! かっこいい!」

警官「いやいや。これが警察官の使命ですから」テレッ

「……」

(俺はしばらく……死体でいた方がいいか。動くのはいつでもできるしな……)

37 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 23:19:46.439 mZgWT+Px0 28/31

……

……

「これで奴はブタ箱行きだ。ゆっくりと新しい土地に引っ越すといい」

少女「ありがとう……!」

少女「お母さんも、とっても喜んでたよ」

「そうかそうか」

「殺すんじゃなく、“社会的に殺す”とはね。なかなか頭冴えてるじゃない!」

「散々頭を撃ち抜いたおかげかもな」

38 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 23:22:24.997 mZgWT+Px0 29/31

少女「私……これから、頑張って生きていくね! もう自殺したいなんて考えない!」

少女「もし、お父さんが出所してまたやってきたとしても、今度は自分の力でやっつける!」

「頼もしいわね」

「それに……俺たちこそありがとう」

少女「え?」

「死なないだけの俺らでも、こうして人の役に立てるってのが分かって嬉しいよ」

「今まで辛い目にあった分、楽しい人生を送ってね!」

少女「うん!」

39 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 23:25:07.005 mZgWT+Px0 30/31

「いやー、なかなか楽しかったな」

「ホント! こんな気分、いったいいつぶりだろ」

「ちょっと思いついたんだけど」

「ん?」

「これからはこの死なないってことを生かして、色んな仕事を引き受けるってのはどうだろう?」

「あ、それいい! 面白そう!」

「どうやら、俺たちにもやっと死にがいある生きがいができたみたいだな」

「うん……」

「この不死がいつまで続くか分からないけど、精一杯やってみようよ!」

40 : 以下、5... - 2020/06/10(水) 23:27:24.506 mZgWT+Px0 31/31

「せっかくだから、コンビに名前つけるか。どんな名前がいい?」

「うーん、そうね。“不死屋”ってのはどう?」

「……大丈夫か? もしも不二家に訴えられたら死刑にならない?」

「私らが死刑を恐れてどうすんのよ……」







おわり

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