1 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 14:33:08.32 01JEsNJpP 1/125


「ねえ唯」

「なあに和ちゃん」

「私たちももう三年生よね」

「そうだけど……どしたの?」

「新学期になる前に……生徒会も衣替えをするの」

「へえ、じゃあ和ちゃんも生徒会を引退するの?」

「私はまだ残るつもりよ」




元スレ
唯「私が生徒会長になる!」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1280295188/

2 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 14:36:28.56 01JEsNJpP 2/125

「おお! それなら生徒会長になってよ!」

「うふふ、私もそのつもりよ。今度の生徒会長を決める選挙に出るつもりだから」

「さっすが和ちゃん! がんばってね! 私も和ちゃんに投票するから!」

「そうなると……いいわね」

「? うん」





4 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 14:39:53.60 01JEsNJpP 3/125


――翌日 軽音部 部室

ふわふわタ~イム♪ ふわふわタ~イム♪

「うん、結構よく録れてるな」

「ちょっと雑音も入ってるけど、いいね」

「昨日の演奏、とてもよかったです!」

「そう? でへへ~」

「あっ、唯先輩は違います」

「あずにゃんしどい!」

ガチャ!

「た、た、大変だー!」



6 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 14:42:51.94 01JEsNJpP 4/125

「なんだよ騒がしい」

「とにかく大変なんだよ!」

「なにが?」

「いいから私のあとについてこい!」ピュー

「あ、足早っ」

「どうしたんだろうね、りっちゃん」

「しょうがない…行こうか」

「うん」






8 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 14:46:41.84 01JEsNJpP 5/125


――1階 廊下

「あっりっちゃん、いた」

「ここだ! ほら早く!」

「なんだよ……なにがあるんだ?」

「あら、これはポスター?」

「どうやら、次の生徒会長を決める選挙のポスターですね」

「あっ和ちゃんもいるよ!」

「ほんとだ!」

「…で、なにが大変なんだ? 律」

「和のポスターの公約のところをよく見てくれ」

「なになに……私が生徒会長に選ばれたならば、今後部活でのお茶会を禁じます…だと!?」



11 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 14:50:08.09 01JEsNJpP 6/125

「ええっ!?」

「どゆこと?」

「つまり、和先輩が生徒会長になったら、私たちのティータイムがなくなるってことですよ」

「ええっ!? それは困る!」

「だろ!」

「でも……なんでこんな軽音部をピンポイントで狙った公約を…?」

「もしや、軽音部が気に入らなかった…とか?」

「それはないだろ。和だって私たちにいろいろ協力してくれたもの」

「だよね……」

「こうなったら、和先輩のところに行きましょう!」

「ああ!」

(和ちゃん……いったい何を…?)





13 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 14:53:37.61 01JEsNJpP 7/125


――生徒会室

「たのもーっ!」バタン

「あら、律……と、軽音部のみんな」

「おい和! お前の生徒会長になった時の公約、どうなってんだよ!」

「見たのね……」

「ひどいよ和ちゃん! あんなことしたら私たちのティータイムが無くなっちゃうよ!」

「そりゃそうよ。それが狙いだもの」

「なんでそんなことするんだ?」

「あんたたちのティータイム……結構先生方や生徒から苦情が来てるのよ」

「えっ、そうだったの……?」

「私も今までは黙認してたけどね。生徒会長になるからにはこういうこともきっちりしないと……」

「そ、そんな……」



15 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 14:57:37.57 01JEsNJpP 8/125

「残念だけど、私はあなたたちの味方になるわけにはいかないの。ごく一部の声を尊重するんじゃなくて、多数の声を尊重しなきゃね」

(和……もう生徒会長っぽい……)

「そんな~……和ちゃん、そこを何とか……」

「ダメなものはダメ! あきらめて頂戴」

「じゃあ、あきらめる」

「あきらめ早っ!?」

「待った! 和、なんで私たちだけ目の敵にするんだ?」

「じゃあ言うけど……私、あんたたちのような部活は許せないの」

「へっ!?」

「な、なんだとっ!」

「あんたたちみたいにお茶ばっかり飲んでて、ろくに練習もしない部活なんてあっても意味がないもの」

「な、なあにぃ!?」



18 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:09:24.80 01JEsNJpP 9/125

「ひどいよ和ちゃん! そんなこと言うなんて!」

「あら、本当のことを言っちゃダメなの?」

「くっ……わかった、もういい!」

「り、律」

「和がそんな薄情者だとは思わなかったよ……じゃあな!」

「ちょ、待ってよ律!」

「りっちゃん!」

「失礼しました……」

「……」

「行かないの? みんな行ったわよ?」

「和ちゃんの……バカ!」

バタン!

「……バカ、か……」





19 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:13:09.03 01JEsNJpP 10/125


――軽音部 部室

「あーあ、どうしよっか」

「どうするも何も……な」

「私、このティータイムがそんなに嫌われてるとは思わなかった……」

「ムギ先輩……」

「気にすんなよ。あんなの和がついた嘘だ!」

「……」

「唯……」

(一番つらいだろうな……親友があんなことやるのは……)



21 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:16:27.36 01JEsNJpP 11/125


さわ子「ちょりーっす」

「なんだ、さわちゃんか」

さわ子「なんだとは何よ! 私が来て悪い!?」

「そ、そういうわけじゃ……」

さわ子「ん? どうしたの? なんか暗いけど」

「実は……」





23 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:20:13.99 01JEsNJpP 12/125


さわ子「な、な、なんですって!?」

「和は本気だよ……あいつが生徒会長になったら本当にティータイムが無くなっちゃうんだ」

さわ子「そんなこと許せるわけないでしょ!」

「でも……それを防ぐにはどうしたら……?」

「やっぱり和ちゃんにお願いするしか……」

「そんなのダメだ! これは和との戦争なんだよ!」

「じゃあ、どうしようもないじゃないですか」

「うっ……」

「じゃ、じゃあ和ちゃん以外の立候補者に生徒会長になってもらえばいいんじゃないかな?」

「そっか! そうすれば和の公約も意味がなくなるもんな!」



24 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:23:47.13 01JEsNJpP 13/125

「えっと……そのことなんですけど……」

「どうやら和の人気はすさまじいらしい」

「なにっ! どういうことだ!」

「和先輩はその堅実さで生徒から人気があって、この選挙では間違いなく当選すると言われているんです」

「なんだとー!」

「うちのクラスでも和は人気あるからな」

「それじゃあ私たちが他の人にいれても無駄なのね……」

「打つ手なしかよ……」

「しょうがない。ここは和に従って……」

さわ子「いいえ! まだ手段はあるわ!」

「手段?」

さわ子「そう! これはとっておきの手段よ!」



26 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:27:33.54 01JEsNJpP 14/125

「もったいぶらずに早く言えよ」

さわ子「それは……あんたたちの誰かが生徒会長になればいいのよ!」

一同「えーっ!?」

「そんなの無理に決まってるじゃないか!」

さわ子「まだ無理とは決まってないじゃない」

「さすがに和先輩を打ち負かして生徒会長になるのは……」

「厳しいよね……」

一同「はあ……」

さわ子「うっ……そんなため息つかないでよ!」



27 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:31:36.83 01JEsNJpP 15/125

「……やる」

「へっ? 唯先輩?」

「私、やるよ! 生徒会長になってみせるよ!」

「ゆ、唯! そんなの無理に決まってるじゃないか! あいては和だぞ!」

「さわちゃん先生も無理とは決まったわけじゃないって言ってるじゃん! あきらめるのはまだ早いよ!」

「で、でもさすがにいろいろと問題が……」

「そんなの関係ないよ! 和ちゃんの公約を防ぐにはこれしか方法がないの!」

「唯先輩、落ち着いて……」

「うぅ……」

(唯がこんなに怒ってるの、初めて見た)



28 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:35:10.80 01JEsNJpP 16/125

「……唯の気持ちはわかった。でもな、私たちだって軽音部の活動があるんだ。これをないがしろにするのは……」

さわ子「別に生徒会長って言っても、部活と両立できるぐらいの忙しさよ?」

「でも……唯が今立候補しても、和に太刀打ちできるとは……」

「大丈夫! 要は和ちゃんに勝てばいいんでしょ?」

「それが難しいんだよ……」

「私、ずっとみんなとこのティータイム続けていきたいもん! そのためには私、何だってするよ!」

「唯ちゃん……」

「ねえみんなお願い! 一緒に生徒会長になろう!」

「そうは言っても……」

さわ子「私は手伝うわよ!」

「教師が手助けしていいんですか……?」

さわ子「さりげな~く援助するわ」



29 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:40:19.67 01JEsNJpP 17/125

「私も……手伝う!」

「ム、ムギ!?」

「このティータイムは私の生きがいだもん。たとえみんなに嫌われても続けたい!」

「ムギちゃん……!」

さわ子「……ん? 嫌われてるってどういうこと?」

「このティータイム、生徒や先生方からあまりよく思われてないらしいんです……」

さわ子「そんなことないわよ? 私が他の先生たちにムギちゃんのお菓子あげたりしてるけど、先生たちも喜んでくれてるわ」

「ほ、ほんとですか?」

「ほら言っただろ? あんなの和の嘘だって」

「うん、よかった……」

「……よし! 私も手伝う!」

「りっちゃん!」

「ムギをこんなに悲しませてさ……」

「それに、私たちがそんなんで黙ってられるかよ! 和の根性を叩きなおそうぜ!」

「りっちゃん……!」



30 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:44:50.93 01JEsNJpP 18/125

「澪と梓はどうする?」

「私は……」

「私もやります!」

「あずにゃん!」

「私だってティータイムは……その……好きだから……」

「もう、あずにゃんったらかわいい!」ダキッ

「うっ……とにかく、私も手伝いますよ」

「よーし、あとは……」チラッ

「うぅ……やればいいんだろ!」

「よし! これで全員だな!」

「うん!」

「みんな! この道は険しいかもしれないが……絶対にやりぬくぞ!」

一同「おーっ!」



31 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:48:19.96 01JEsNJpP 19/125

さわ子「じゃあ、みんながんばってね」

「えっ? さわちゃん手伝ってくれないの?」

さわ子「あくまでサポートだから。必要になったら呼んで頂戴! じゃっ」

バタン

「冷たいな……」

「とりあえず、みんなで申し込みにいこうよ!」

「まてまて、まずは誰が生徒会長になるか決めないと」

「それは私がなる!」

「本当に大丈夫かな……」

「大丈夫だよー」

「その自信はどこから来るんですか……」

「じゃあ唯が生徒会長に立候補するとして……推薦人は誰がするの?」



32 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:51:33.03 01JEsNJpP 20/125

「それは私がやる!」

「えっ? りっちゃんが?」

「なんだよ、わたしじゃ不満か?」

「いや、そういうわけじゃないけど」

「私もやりたい!」

「ムギも?」

「私なら唯ちゃんのいいところをいっぱい知ってるわ! 推薦人としてぴったりよ!」

「ムギちゃん……///」

「そ、それなら私も!」

「梓も!?」

「私だって……唯先輩のすばらしいところいっぱい知ってます! ムギ先輩には負けません!」

「あずにゃんまで……///」



33 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 15:57:33.39 01JEsNJpP 21/125

「おいおいそんなんじゃ決まんないぞ? ここは唯に決めさせようぜ」

「私? 私は……」

「……ゴクリ」

「……ゴクリ」

「澪ちゃんがいい!」

「わたしっ!?」

「だって、澪ちゃんはファンクラブもあるぐらい人気じゃん! 推薦人としてぴったりだと思う!」

「唯は現実的だな」



34 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:01:31.39 01JEsNJpP 22/125

「わ、わたしは……そんな人前に出るなんて……」

「唯ちゃんが言うなら……」

「仕方ないですね……」

「ちょっと……私じゃ無理だって……」

「がんばれよ、澪」

「澪ちゃん、よろしくね!」

「うっ……やればいいんでしょ! やれば!」

「そいじゃ申し込みに行くか」

「うん!」





36 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:06:20.06 01JEsNJpP 23/125


――生徒会室

役員「はい、確かに受理しました」

「よろしくお願いします!」

役員「中間投票はこれから一週間後ですので、準備はしといてください」

「中間投票?」

「生徒会長を決めるにはまず中間投票をして、上位の二名で決選投票をやるんだよ」

「そうなんだ」

「前にやっただろ…」

「でへへ、あんまり覚えてない…」




37 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:09:40.52 01JEsNJpP 24/125

「あら? 唯じゃない」

「! 和ちゃん……」

「唯も生徒会長に立候補したの?」

「そうだよ。和ちゃんには負けないんだから!」

「そこまでしてお茶会を存続したいわけね……。わかった、受けて立つわ」

「おうよ! てめえには負けないぜ!」

「私も負けない!」

「私もです!」

「和……」

「澪もなの?」

「スマン! でも、私もティータイムが好きなんだ! これだけは譲れない!」



38 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:13:34.85 01JEsNJpP 25/125

「そう。それじゃ一週間後にまた」

「……うん」

「よし! まずは作戦会議するぞ!」

「もう帰る時間だな」

「じゃあ私のお家に来なよ!」

「そうしようか」





39 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:17:07.03 01JEsNJpP 26/125


――平沢家

「じゃあまずは……何から決めるの?」

「そうだな……和に勝つには、こっちも魅力的な公約を掲げないとな」

「でもどうしたらいいんだろ?」

「他の候補者のも見たけど……ほとんどはこの学校をよくしたい、みたいなことを掲げてたね」

「んじゃあ、そんな感じでいいか」

「待て待て、そんなんじゃ和に勝てるわけないだろ」

「和の他の公約を見てみたけど、とくに魅力的な公約はなかったな」

「それならこっちが魅力的な公約ってやつを掲げればいいんですね」

「なるほどね~。それじゃあ何がいいのかな」

「私的には、学校の休みを週3にするとかがいいな!」

「小学生だな」

「それじゃあ澪は何がいいんだよ」

「私は………えと、その……」

「無いのかよ……」


40 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:21:53.66 01JEsNJpP 27/125

「私はもっとみんなが仲良くなれる公約がいいな」

「ムギらしいな」

「具体的にはどういうものなんですか?」

「それは……言えない///」

「なんで!?」

「私だったら、学食のメニューにケーキを加えてほしいな!」

「唯先輩らしいですね」

「なんて言うか、それが一番現実的だな」

「うん」

「それじゃあこれでけって~い!」

ガチャ

「みなさん、お茶ですよ」



42 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:25:58.50 01JEsNJpP 28/125

「おー、悪いね憂ちゃん」

「いいえ~、ところで何をしているんですか?」

「みんなで今度の生徒会長の選挙について話し合ってたんだ」

「えっ? どうしてですか?」

「今度の生徒会長選挙に私も出ることにしたんです!」

「ええっ!!? お姉ちゃんが!?」

「そうだけど……」

「いったいどうしてそんなことに……?」

「実は……」



「なるほど、そういう事情が……」



43 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:29:10.02 01JEsNJpP 29/125

「和ちゃんに勝つのは難しいけど……それでも私にはやらなきゃいけない戦いってえもんがあるのよ!」

「お姉ちゃん……」

「ごめんね憂ちゃん……唯のことは私たちに任せて……」

「お姉ちゃんかっこいい!! 私、応援するね!」

「うわっ、さすがは憂ちゃん」

「よしっ、強力な味方ができたところで、今日はお開きにしますか」

「そうだね!」

「……」





45 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:32:25.34 01JEsNJpP 30/125


――翌日

「おーっ!! 私の写真が貼られてる!」

「どうやら今日が締め切りだったらしいな」

「唯ちゃん素敵!」

「いやあ、それほどでも~」

クラスメート「ねえねえ、唯ちゃんが生徒会長に立候補したって本当?」

「ああ、本当だぞ。 ぜひ清き一票を!」

クラスメート「うん! 私唯ちゃんに入れるね!」

「ありがとうございます! ありがとうございます!」

「順調ね」

「おう、このまま和にも勝っちゃうんじゃないの?」

「そうだといいけど……」





46 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:36:08.52 01JEsNJpP 31/125

(そういえば……私、和と同じクラスだったんだ……)

「……」

(うぅ……めっちゃ気まずい……)

「……ねえ澪」

「ひゃ、ひゃいっ!?」

「なんて声上げるのよ……」

「ベ、別に……。それで何かな?」

「……いや、何でもないわ」

「そ、そうか……」

「……確かに今は敵同士だけど、同じクラスなんだからそんな気まずそうにしなくてもいいわよ」

「そ、そうだな……そうだよね」

「ふふふっ……」

「ヒッ!」ビクッ

(ダ、ダメだ……和から何か情報を聞き出そうにも怖くてできないよ……)





47 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:40:24.33 01JEsNJpP 32/125


――放課後

「いやあ、なんだか順調だな」

「私たちのクラスにも唯先輩に投票するようお願いしてきました」

「私のクラスは……無理だよな」

「無理しなくていいよ、澪ちゃん」

「じゃあ、今のところ二クラス分の票は獲得できたのね」

「全校生徒は720人で……3年生は除外されるから……全部で480票だな」

「そのうちの80票だから……6分の1は確保できたね」

「今回の選挙の立候補者は5人……勝ちあがるにはもっと票を集めなきゃ、ですね」

「そういうのは澪ちゃん達に任せたよ……」

「私らじゃ無理だ……」



49 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:44:39.66 01JEsNJpP 33/125

「まあ、この中間投票で和に負けたとしても、上位二名に入ればいいからな」

「でも、決選投票では中間投票で獲得した票も合算するから、ある程度はほしいね」

「そうですね……やっぱり、この中間投票で和先輩に勝たなきゃ苦しいと思いますよ」

「う~ん……」

「大丈夫だよ! そんなに考え込まなくても」

「そうかなあ……」

「まあ中間投票までもうすぐだから、そこでの演説を考えなきゃな」

「うん!」





51 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:48:02.71 01JEsNJpP 34/125


――中間投票当日

「ワ、ワ、ワタシハハハ、ヒ、ヒ、ヒ……」ガクガク

「緊張しすぎだぞ澪」

「だ、だって……こんな大勢の前に出るなんて……」

「大丈夫よ! ライブよりは簡単だから!」

「どこにそんな根拠があるんだよ~」

「澪ちゃん、大丈夫だって! 私も一緒に行くから!」

「唯ぃ……」ギュッ

「まったく……唯先輩は緊張しなさすぎですよ……」

「こんなんで大丈夫かなあ……」

「あら、みなさんお揃いで」

「和ちゃん!」



52 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:51:29.94 01JEsNJpP 35/125

「ふ~ん、澪が推薦人なんだ……」

「ははは……ははっ……」ガクガク

「……澪で大丈夫なの?」

「へっ! 澪の人気っぷりにビビんなよ!」

「そうね……」ニヤッ

「……?」





54 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:55:54.02 01JEsNJpP 36/125


生徒A「私には建設的な提案なんかひとつも無いっ!」

生徒B「私に逆らうものは腹を切って死ぬべきであるっ!」

生徒C「ぱわーとぅーざぴーぽー!」

「……こう言っちゃなんだが、こいつら3人には勝てる気がしてきた」

「売名行為なのかしら?」

「何のだよ!」

「これだったら、唯先輩と和先輩の一騎打ちになるかもしれませんね」

「そうね」

司会「続いては2年2組の平沢唯さんです」

「おっきたきた」

「がんばって、唯ちゃん、澪ちゃん……」



55 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 16:59:14.63 01JEsNJpP 37/125

「……」スタッ

(おねがい澪ちゃん!)

「こ、こここんにちは……わわたしはあきやまみみみおです……」ガクガク

(だめだったー!)

「わわわたしは、ひひひらさわゆゆいさんをせせせいとかいちょうに、り、り、りっこうほします!」

「何言ってるんだあのアホ!」

「まずいですよこれは……」

「ひひらさわさんは、ががが学校のことを、よくおもっていたりしたりします!」

「でででですので! きよきいっぴゅっ……!」ガリッ

(噛んだ)

(噛んだ)

(噛んだ)

(噛んだです)



57 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:03:03.63 01JEsNJpP 38/125

「……一票をお願いします……」

パチパチ……

「やっちまったな……」

会員A「秋山さん、かわいすぎる……」

会員B「噛んだところとか、永久保存ものだよ!」

「ああ! 秋山さんかわいいっ!」

「あっでも、ファンクラブの会員さんには好評みたい」

「これで会員のみなさんの票はゲットですね!」

「ああでも、この後に出る唯がかわいそうだ」

「ゆいぃ……、ごめんなぁ……」ウルウル

「ううん、大丈夫だよ! あとは任せて!」

「う、うん……」

(……よし!)キリッ



62 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:07:41.14 01JEsNJpP 39/125

「みなさん! 私が、生徒会長に立候補した平沢唯です!」

「さっきの秋山さんの推薦のとおり、私はこの学校のことをよく思っています!」

「ですが、私はあまり仕事はしたくありません!」

「な、なにーっ!」

「なぜなら、この学校を改革する! とか必要ないと思うからです!」

「だって、この学校は十分立派じゃないですか!」

「こんないい学校に入ることが出来て、私は幸せ者です!」

「なので、私的にはこのまま、現状維持という形で生徒会長の職を全うしたいなと思います!」

「あっ! でもそれだけじゃなんなんで、学食のメニューにケーキでも加えようかと思います!」

「では! みなさん、平沢唯に清き一票を!」

パチパチパチパチ…!



64 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:11:23.85 01JEsNJpP 40/125

「おっ! なかなか好感触!」

「唯ちゃんのこの学校が好きって気持ちが伝わってくるスピーチだったね!」

「まあ、問題発言もありましたが、保守的な感じでいいんじゃないでしょうか」

「そ、そだな!」

司会「続いては2年1組の真鍋和さんです」

「来たか、真鍋和!」

「推薦人は誰なのかな?」

「ん? あっ!」

「うそっ!?」

「……」スタッ

「なんで憂が……!?」



67 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:15:20.00 01JEsNJpP 41/125

「みなさんこんにちは。私は、平沢憂です」

「私は、真鍋和さんを生徒会長に推薦します」

「ど、どういうことだよ唯!」

「わ、私にもわからないよ……」

「憂ちゃんがまさか和の推薦人だったなんて……」

「一緒に壇上に上がってたのに、全く気付かなかったよ……」

「真鍋さんは一年生のころから生徒会をがんばってきました」

「なので他の候補者よりも生徒会長の職について詳しいかと思います」

「うぐっ……」

「ほかにも、学業の面でも常にトップクラスであり、他の生徒からもその人柄の良さから非常に信頼されてます」

「そのような人が、生徒会長に向いているのではないかと私は思います」

「是非、真鍋和に清き一票をよろしくお願いします」

パチパチパチパチ!



68 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:19:25.23 01JEsNJpP 42/125

「か、完璧な演説……!」

「とても1年生には見えない……」

「ま、まさか憂が……」

「知ってたのかよ梓」

「いえ、全然知りませんでしたよ」

「で、でもまあ、別に何も問題とかは無いんじゃ……」

「そんなことないです! 問題ありまくりです!」

「な、なんでだよ!?」

「どうやら憂ちゃんの人気はこれまたすごいの」

「勉強もできるし、運動神経も人並み以上だし、性格もいいし、面倒見もいい、まさに完璧超人なのでクラスだけじゃなくて学校中でも評判があるんです」

「そいつは知らんかった」



69 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:24:10.26 01JEsNJpP 43/125

「てっきり唯ちゃんに協力すると思っていたのにね……」

「こ、このままじゃ私たちのクラスの票が唯先輩にいかなくなってしまいます!」

「私じゃ憂の人気には勝てませんから……」

「でも、梓ちゃんもクラスのみんなに投票を呼び掛けていたんでしょ? だったら大丈夫よ」

「そうだといいんですけど……」

「……」

「う、ういっ! なんで和ちゃんに協力したの!?」

「お姉ちゃんには関係ないよ」

「か、関係あるもん!」

「別に私が何したって、お姉ちゃんには関係ないって言ってるの!」

「で、でも、昨日協力するって……」

「それはそれ、これはこれだよ」

「そんな~……」



71 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:27:29.83 01JEsNJpP 44/125

「憂ちゃん! いくらなんでもそれはひどいんじゃないか!?」

「ひどくないですよ。ただ私が和さんの考えに賛同しただけじゃないですか」

「澪さんたちは私に強制でもするつもりなんですか?」

「そ、それは……」

「ないなら放っといてください。私は今日からみなさんの敵ですから」

「うぅ……」

(あ、あんまりだ……。これじゃ唯があまりにもかわいそうだよ)

(幼馴染に続いて今度は自分の妹だなんて……)



73 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:32:36.68 01JEsNJpP 45/125

「私は、このたび生徒会長に立候補した真鍋和です」

「先ほどの推薦にあったとおり、私は2年間生徒会の仕事をがんばってきました」

「なので、生徒会長の職に就いても問題ないと私は思います」

「それに……、さっきの『この学校はこのままでいい』という発言がありましたが……、私はそれでは駄目だと思います」

「!」

「!」

「最近の桜高は、どこか情けないとは思いませんか?」

「学校に平気で遅刻する人や、学業をおろそかにする人」

「はうっ!」

「はては部活中にもかかわらず、ティータイムを始める部活もあります!」

「う…」

「ム、ムギ先輩……」

「そんな学校がはたしていい学校と言い切れるのでしょうか?」



75 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:35:50.97 01JEsNJpP 46/125

「なので私はこの学校をよくするためにも、改革をしていきたいと思います」

「そのためにも、勉強や部活に適した環境を生徒会が提供します」

「あたらしい桜高のためにも、みなさん清き一票をどうかよろしくお願いします」

オー! パチパチパチパチ!

「あ、圧倒的……!」

「さすがは和先輩といったところでしょうか」

「……」

「だ、大丈夫だよムギ! 私たちは和が言うような悪い部活じゃないって!」

「うん……」



76 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:40:41.29 01JEsNJpP 47/125

「ふう……」

「うぅ……」

「ごめんね唯。あなたの言葉を借りさせてもらったわ」

「そ、そんなの別にいいし!」

「そう」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

(女のバトル再びか……)

「おつかれさまでした、和さん」

「うん。憂もごくろうさま」

「……」

「唯……」





78 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:45:07.31 01JEsNJpP 48/125


「おつかれ!」

「つかれたよー」

「唯ちゃん、かっこよかった!」

「でへへ~」

「それに比べて……あのキョドりようはなんだ! 澪!」

「だ、だからあんなに人がいるとダメだって言ったじゃないか!」

「まあまあ、澪ちゃんもよくやったよ」

「それよりも、まさか憂が裏切るとは思いませんでした」

「うん……。なんでこんなことになったんだろうね……」

「そうね……」

「……ま、まあ、落ち込んでも仕方ないぞ! 結果はもうちょいで出るから、な?」

「そうだな」

「うん!」





80 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:49:45.70 01JEsNJpP 49/125


「おつかれ、憂。本当に上手だったわ」

「いえ、和さんも手伝ってくれたからいい演説が出来たんですよ」

「そう」

「……それよりも和さん。生徒会長になったらあの事をちゃんと……」

「ええ、ちゃんとするわ。それまで私に協力してちょうだい」

「はい…」

「……」





81 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:55:14.11 01JEsNJpP 50/125


司会「それでは、これより生徒会長選挙の中間投票の結果を発表します」

「おっきたきた!」

司会「第1位、293票獲得、真鍋和さん」

「うわっ!? 過半数超えてるぞおい!」

「これはまずいことになったわね」

「それよりも次が大事ですよ!」

「頼む……!」

「お願い……!」

司会「第2位……」

「……ゴクリ」

司会「129票獲得、平沢唯さん」



82 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 17:58:16.31 01JEsNJpP 51/125

「や……」

一同「やったーーー!」

「やりましたね! 唯先輩!」

「うん! ありがとうみんな!」

「へへっ! なあに当たり前のこと言ってんだよ!」

「私たちは唯ちゃんについていくって決めたでしょ?」

「だから、その言葉は最後にとっておくんだな」

「クサッ」

「う、うるさいっ!」

ボカン

「あいてー!」





85 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:07:02.52 01JEsNJpP 52/125


役員「次の決選投票は一週間後です。それまでは自由に選挙活動してもかまいません」

「わかりました!」

役員「それでは、また一週間後に」

「ふう、とりあえずこれでやっと一対一になったわけか」

「うん! これからが本番よ!」

「ねえねえ、決選投票ってどんな感じでやるの?」

「まずは今日みたいに自分の紹介や抱負を言うんです」

「そのあとに立候補者同士でディベートしあうんです」

「でぃべーと?」

「討論することだよ」



87 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:11:19.92 01JEsNJpP 53/125

「和ちゃんと討論か~、なんだか怖いや」

「和のことだ、難しい言葉を使って唯を混乱させるかもしれないぞ!」

「それだけはご勘弁を~」

「そのためにも、まずは特訓しましょう!」

「うん!」

「そういえば最近練習してない気がします……」

「馬鹿言うな! これで唯が負けたらティータイムが無くなるんだぞ! 練習なんか後回しだ!」

「なんだか和先輩が言ってたこともわかるような……」

「あ、あずにゃんまで裏切っちゃやだ~!!」ダキッ

「うわっ!? だ、大丈夫ですよ! 私は裏切りませんから!」

「ほんと~?」

「はい」

「えへへ~、ありがとうあずにゃん!」ギュー

「せ、先輩、くるしい……///」

「ごちそうさまでした♪」



89 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:14:49.96 01JEsNJpP 54/125

「そんなことより、はやく選挙活動しないと和に負けちゃうぞ」

「そうだな……。じゃあ今日は唯ん家で今後の選挙活動についての話し合いを……」

「む、無理だよ……、憂がいるし……」

「あっそうか」

「私の家は狭いから……」

「私の家も予約とらないと……」

「私ん家じゃ汚くて議論に集中できないからな……」

「私の家なら大丈夫ですよ。今日は両親も仕事でいないですし」

「本当!? じゃあ、あずにゃん家にけって~い!」

「よっしゃ! 善は急げだ! 行くぞ唯っ!」

「はいっ! りっちゃん隊員!」

「やれやれ……」





91 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:20:18.24 01JEsNJpP 55/125


――平沢家

ガチャ

「ただいまー」

「……おかえり」

(あうっ……、やっぱりなんか冷たい……)

「う、憂。別にお姉ちゃんは憂が何をしようと文句は言わないから……」

「そう」

「うん」

「早くご飯食べて」

「は、はい……」

「……」

「……」

(すっごく気まずいよ……)





92 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:24:28.66 01JEsNJpP 56/125


――翌日

「……」

(りっちゃんはああ言っていたけど、私たちのティータイムってやっぱり他の人からあまりよく思われていないんじゃないのかな……)

(みんなの喜ぶ顔が見たくて、始めたのに……)

(今じゃ逆に、私のせいでみんなの足を引っ張ってる……)

(このまま、つづけていいのかな……)ハア

「ムギ」

「! の、和ちゃん!?」

「今、時間空いてるかしら?」

「あ、空いてるけど……」

「そう。じゃあお話ししましょう?」

「う、うん」





93 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:27:14.97 01JEsNJpP 57/125


――生徒会室

「まあ、そこに座って」

「失礼します」

「はいお茶」

「ありがとう……。で、お話って何?」

「ちょっと言いづらいんだけど……。あなたは今、ティータイムについて悩んでいるでしょ?」

「!!!」

「そのようね」

「……」



94 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:30:47.96 01JEsNJpP 58/125

「まあ、私も最初はティータイムもいいのかなって思ってた。みんな幸せそうだったし」

「でも、それじゃダメなの」

「どうして……?」

「あなたたちの部活、部活として機能していないじゃない」

「うっ……」

「澪や梓ちゃんはいつも言ってるでしょ? 『お茶してないで早く練習しよう』って」

「で、でも! 澪ちゃんや梓ちゃんは今回の選挙も協力してくれて……」

「あっ……」

『そういえば最近練習してない気がします……』

「……」



95 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:35:12.22 01JEsNJpP 59/125

「でしょ? 一部の人が困っているのに、ムギはそれでもティータイムを続けたいの?」

「それは……」

「唯や律だって、本当は練習したいけど仕方なくムギのティータイムに付き合っているんじゃないの?」

「そんな……。そんなことない……」

「ムギのことなんてみんなはお茶とお菓子で気を惹いている人間だなんて思っているのかもしれないわよ?」

「!! そんなことないっ! みんなは……、みんなは……」

「……」

「……」

「悪いことは言わないわ。ティータイムは今すぐにでもやめた方がいい」

「そしたら、ムギもきっと、本当の軽音部の一員になれるわ」



97 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:39:30.65 01JEsNJpP 60/125

「……」

「そのためにも、私に協力してくれない?」

「えっ……?」

「私に協力すれば、ティータイムも無くせるし、軽音部の部費や待遇だってよくしてあげる」

「……」

「そうすればあなたたちがいなくなっても、軽音部はずっと安泰よ」

「どういうこと……?」

「もしも今年で誰も軽音部に入らなくて、あなたたちが卒業して梓ちゃんが一人ぼっちになって、その年に誰も入らなかったらそれだけで廃部になっちゃうでしょ?」

「だからわたしが生徒会長になったら、そうならないように生徒会が全面的にバックアップしてあげるの」

「そうか……。私たちがいなくなったら、梓ちゃんは一人ぼっちになるんだ……」

「ね? 悪くはないと思うんだけど」



99 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:43:23.38 01JEsNJpP 61/125

「……」

(みんなを裏切るようなことはしたくない……)

(でも、もし私のティータイムのせいで軽音部が部活じゃないと言われるなら……)

(それに、私たちが卒業しても、梓ちゃんが一人じゃなくなるように、軽音部が廃部にならないようになるなら……)

(軽音部の未来のためにも、私が我慢すれば……)

「どうするの、ムギ」

「私は……」





100 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:47:46.35 01JEsNJpP 62/125


――放課後 軽音部 部室

ガチャ

「やっほ~」

「おー唯、昨日は大丈夫だったか?」

「憂とはなんか気まずかったけど、ごはんはおいしかった!」

「そうか」

「唯先輩! もう憂とは敵同士なんですから、むやみやたらに情報を与えないくださいよ?」

「わかっております!」

ガチャ

「……」

「おっムギが来た」

「ムギちゃ~ん、待ってたよ~!」

「……」

「ど、どうしたムギ?」



104 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:54:34.30 01JEsNJpP 63/125

「みんな!!」

「うわっ!?」

「この生徒会長を決める選挙……、ぜったい勝ちましょう!!」

「おお、ムギが輝いとる……」

「ど、どうしたのムギちゃん?」

「いえ、何でもないの。ただ、負けないって決めたから」



『私は確かに、みんなの練習を邪魔してるかもしれない』

『……そう、なら』

『でも! それでも私を……、今までやってきた私を否定したくないっ!!』

『……』



105 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 18:57:48.39 01JEsNJpP 64/125

『だって、このティータイムで私たちは団結力を深めてるって私は思うから』

『そう……』

『部活をしたことない、和ちゃんはわからないかもしれないけどね』

『!!!』

『それに……、たとえ私たちが抜けても軽音部は続いていく。そんな気がするの』

『梓ちゃんも、他のみんなもそう考えてるんだと思う』

『だから、和ちゃんの話には乗れないわ』

『そう……』

『それじゃ、決選投票で会いましょう』

『わかったわ……』

バタン…

『……』





106 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 19:01:55.41 01JEsNJpP 65/125

「軽音部のティータイムのためにも、みんな最後まで頑張りましょう!」

「……うん!」

「なにがあったか知らないけど……、もちろんだぜ!」

「ああ! ここまできたら最後まで!」

「やりましょう!」

「うん!」

(こんなにいい仲間たちだもの……。裏切るなんてできないよ和ちゃん)

(私のためにも……みんなのためにも……この選挙、負けられない!)

「それじゃあ、今後の活動についてだが……」

「何するんだ?」

「全然わからん!」

「よっ! りっちゃん男前!」

「なははっ! もっと褒めなさい!」

「はあ……」



108 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 19:05:56.47 01JEsNJpP 66/125

「うーん、でもやるとしたらやっぱり宣伝でしょうか」

「宣伝?」

「はい。普通の選挙の街頭演説みたいに、校内で演説みたいなものをやるんです」

「そうだな……。今度は唯に投票した人以外の票も根こそぎ集めなきゃいけないしな」

「たしか、決選投票は中間投票で得た票をプラスするんだっけ」

「そう。だから、私たちが勝つには決選投票で和を大きく上回らないといけないんだ」

「そのためにも、唯先輩のことをもっとアピールしなきゃいけないんです」

「アピールかあ」

「大丈夫だ唯! このりっちゃんの手にかかればどんな恥ずかしがり屋さんでも大胆なポーズで撮らせることができるぞ~」

「や~ん、りっちゃんダイタン!」

「ふざけてないでさっさといくぞ」

律唯「は~い」





109 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 19:11:40.39 01JEsNJpP 67/125


――中庭

生徒A「是非、真鍋和に清き一票を!」

生徒B「よろしくおねがいしまーす!」

ザワザワザワザワ…

「うわっ! なんて人の数だ!」

「この人たちはみんな生徒会の人たちかな?」

「そうだろうな。さすがに生徒会の人間なだけはある」

「こ、このままじゃわたしたち負けちゃうよ!」

「そうならないためにもはやくやりましょう!」

「みなさーん、この平沢、平沢、平沢唯に清き一票をー!」

「明るく、優しい、平沢唯に清き一票を~」

「えーと……、ひ、平沢唯に清き一票を!」

「そんなんじゃダメだ梓! ほら澪を見てみろ!」



110 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 19:17:07.91 01JEsNJpP 68/125

会員A「秋山さん、ぜひがんばってください!」

「いや、出るのは私じゃないから……」

会員B「私たちも応援してます!」

「だから違うんだって……!」

「私も投票しちゃう!」

「曽我部先輩まで!?」

「おーっ、見事な集客率です」

「これが必殺ファンクラブ殺法だ。よく見ておくんだな」

「うん!」

「あら、みなさんおそろいでどうしたの?」

「の、和ちゃん!」

「!」



111 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 19:21:53.04 01JEsNJpP 69/125

「ああ、私たちに対抗してみんなで唯の知名度を上げようとしてるってわけね」

「そうだぞ! なんか文句でもあっか!」

「別に」

「す、すみましぇん……」

「ねえ、あなたたちまだやるの?」

「ど、どういうことだよ」

「だってあんなに差が出ちゃったのにさあ、これ以上やる必要はないんじゃないかなって思って」

「や、やってみないとわかんないですよ!」

「はあ、まあ好き勝手やればいいんじゃないの? どうせ負けるんだし」

「そ、そんなこと……」

「そんなことないっ!」

「ム、ムギ!?」



113 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 19:25:58.46 01JEsNJpP 70/125

「唯ちゃんは学校全体のことを考えてる」

「たとえ、差がついてしまったとしても、和ちゃんとはまだ勝負できる!」

「ムギ……」

「そ、そうだ! 私だってみんなのことを考えてるよ!」

(ぜったいウソですね……)

「ふーん、じゃ、せいぜいがんばってちょうだい」

「か~っ! 和のやろうあんなムカつくキャラだったか!?」

「ちょっと怖いというか何というか」

「それよりもムギちゃん! かっこよかったよ!」

「そんなことないわ。ただ唯ちゃんの気持ちを代弁しただけよ」

「そう? でへへ~」

(やっぱり考えてなかったな……)

「よし、このままがんばるぞ」

「うん!」





114 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 19:29:29.46 01JEsNJpP 71/125


――翌日

「ふんはふんはふんはっは~ん♪」

(昨日の宣伝ってやつで私の顔も桜高中に広まったよね)

(でも、和ちゃん相手じゃまだまだ足りないぐらいだよ)

(よし! 今日も張り切って選挙活動しよう!)フンス

ガチャ

「おっはよう!」

「お、おい唯!」

「ん? どしたのりっちゃん」

「これを見てみろ!」

「なになに~……生徒会長に立候補、平沢唯の素顔……?」

「遅刻の常習犯、赤点大好き、特技は睡眠学習……?」

「な、なにこれっ!?」



115 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 19:33:33.22 01JEsNJpP 72/125

「今日朝はやくに学校に来たら、この張り紙がそこらじゅうに貼ってあったんだ」

「ひどいよね……」

「これもやっぱり和ちゃんが……?」

「まちがいねーだろ」

「そんな……」

「唯ちゃん、もう和ちゃんのことは友達と思っちゃダメよ」

「えっ……?」

「こんなことしてまで、生徒会長になるなんておかしい!」

「そうだよな……こいつはちょっとやり過ぎだ」

「で、でも……和ちゃんも悪気があってこんなことしたんじゃ……」

「悪気ありまくりだろこれ!」

「そうよ。いくら友達だからってこんなこと許しちゃダメ」

「うっ……」





116 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 19:37:51.99 01JEsNJpP 73/125


――昼休み

「唯先輩!」

「あずにゃん」

「この張り紙はなんなんですか!? 学校中に貼られてますよ!」

「うん。私もびっくりしちゃったけど……」

「これも和先輩の仕業なんですよね!?」

「そうだろうな」

「うん、いくらなんでもやり過ぎだ」

「だ、だけど……」

「まーだ和に対してそんな感情もてるのかよ、唯は」

「唯ちゃん、もう和ちゃんは敵なの」

「そ、そんな……」



119 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 19:42:12.11 01JEsNJpP 74/125

「こんな誹謗中傷を載せた張り紙を学校中に貼られてまだ友達だって言えるんですか!?」

「幼稚園からの幼馴染だってことはわかるけどさ、これじゃ唯があんまりだよ」

「うっ……」

「そんじゃ、この張り紙さっさとはがそうぜ。これ以上放置してたら唯のイメージがダウンしちゃうし」

「ああ」

(和ちゃん、ウソだよね。こんなこと和ちゃんがやったなんてウソだよね……?)





122 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 20:00:36.30 01JEsNJpP 75/125


――生徒会室

バタン!

「和さん! この張り紙は一体何なんですか!?」

「あら憂。気付いたの?」

「当たり前です! こんなことまでやるなんて私聞いてない!」

「何を言ってるの? こんなのまだまだ序の口よ?」

「えっ?」

「唯相手に手を抜いていたらいつのまにか唯に追いつかれちゃうわ」

「そうね……今度は唯の中学時代の赤点テストでも貼り付けちゃおうかな」

「あ、それよりも小学校の時のあの変な作文でもおもしろいわね」アハハ



126 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 20:06:15.85 01JEsNJpP 76/125

「こんな……こんなことまでしてお姉ちゃんに勝ちたいんですか?」

「もちろんよ」

「……っ! 最低っ! 見損なったよ和ちゃん!」

「ふーん。じゃああのことはどうなってもいいの?」

「もうあんなことなんてどうでもいい! お姉ちゃんが傷つくところなんて見たくない!」

「私はもう降ります! 後はご自由にどうぞ!」

バタン!

「はあ……」

「やっぱりもうちょっと軽くしとけばよかったかな」

「でも、これで唯はもう逃げることはできない」

「あとは決選投票をやるだけ」

「あはは、楽しみだわ……!」





128 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 20:10:43.02 01JEsNJpP 77/125


――軽音部 部室

「ふう、これで全部か」

「でも、よくこれだけの張り紙を用意できましたよね」

「ああ、ここまでやるなんてな」

「私、絶対に許せない!」

「……」

ガチャン

「あ、あの……」

「憂!? なんでここに!?」

「まずいっ! 敵襲だ! みんなテーブルの下に入れ!」

「ラジャ!」

「ま、待ってよ!」

「……」ボケー

「ゆ、唯先輩! なにボーっとしてるんですか! 早く隠れないと……」



130 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 20:16:13.25 01JEsNJpP 78/125

「ち、違うんです! 私はもう和さんの仲間じゃないんです!」

「だ、だまされるな! これは和の策略だ!」

「ラジャ!」

「ほ、本当なんです……、信じてください」

「……ん? あれ憂?」

「唯先輩!」

「お、お姉ちゃん……」

「どうしたの? なんか暗い顔してるけど……」

「! こ、これは…その……なんでもないの」

「ウソだよ。私が何年憂のお姉ちゃんしてると思ってるの?」

「あうっ」



133 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 20:21:15.14 01JEsNJpP 79/125

「どうしたの? 何かあったの? お姉ちゃんが聞いてあげるよ!」

「……お姉ちゃん……おねえちゃああん!!」バッ

「うわっ! もう、憂は甘えんぼさんだなあ」

「ごべんなさい! 私、私……!」

「おーよしよし」ナデナデ

「うわああああん!!」

「いったいどうなってるの……?」





135 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 20:27:10.03 01JEsNJpP 80/125

「今まで本当に申し訳ありませんでした!」ドゲザ

「そ、そんな土下座しなくてもいいから……」

「ううん、いいの梓ちゃん。私の気が済むまでこうさせて……!」

「憂ちゃん……」

「もう大丈夫だよ、憂。顔上げて」

「う、うん」スクッ

(あっさりやめやがった……)

「土下座までしてあやまったってことは、本当に和の仲間じゃなくなったんだな」

「はい。私はもうあの人の仲間じゃありません」

「憂ちゃん、ちょっといいかな」

「はい」

「この張り紙……まさか憂ちゃんもかかわってたのか?」

「そ、そんなことないです! 私が和さんを見限ったのもそれが原因なんです」

「そうだったの……」



138 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 20:32:14.51 01JEsNJpP 81/125

「私、あんなことやるなんて聞いてなくて……。それにこんなのまだまだ序の口だなんて言うから、私、許せなくて……」

「和め……! これがまだ軽いだなんて……!!」

「鬼畜です!」

「本当にごめんね、お姉ちゃん」

「ううん。もういいよ、憂」

「待った。もうひとついいかな、憂ちゃん」

「は、はい。なんですか?」

「どうして唯のことを裏切ったんだ? あの中間投票の前の日は協力するって言ってたじゃないか」

「そ、それは……」

「教えてくれ! 何でなんだ!」

「!」ビクッ

「お、落ち着けよ澪」

「唯は憂ちゃんにまで裏切られて本当に悲しかったんだぞ! それなりの理由が無いと困る!」

「み、澪ちゃん……」



140 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 20:38:42.50 01JEsNJpP 82/125

「……実は、お姉ちゃんが生徒会長に立候補する前に……」



――平沢家

『えっ!? おねえちゃんが!?』

『そう。唯はきっと立候補してくるわ』

『ちょっと想像できないけど……』

『ううん、必ずあの子は来る。そうしかけてやったもの』

『そして私が唯に勝って、生徒会長になって、あの子たちのティータイムをやめさせるの』

『な、なんでこんなことを……?』

『ただ気に入らないだけよ』

(そんなはずはない……和ちゃんだってあのティータイムは認めていたのに……)



145 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 20:51:21.23 01JEsNJpP 83/125

『ところで憂はやっぱり唯を応援するの?』

『うん。お姉ちゃんが立候補するなら私は喜んで協力する!』

『それなんだけど……。憂、私のところに来ない?』

『へっ!? そ、それはちょっと困るな……』

『……そうやって唯のことをまた甘やかすのね』

『!』

『憂はいつだってそう。唯のやりたい放題にさせて』

『うっ……』

『そんなんじゃ唯はいつまでも成長出来やしないわ』

『の、和ちゃんだってお姉ちゃんを甘やかしてるじゃない!』

『あら、私は最近、唯のことを助けたりしてないわよ』

『そ、そんな……』

(和ちゃんも変わったってことなの……!!?)



147 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 20:55:38.94 01JEsNJpP 84/125

『で、でもそれで生徒会長に立候補するならお姉ちゃんもがんばってるってことじゃない! そう言うことなら私はお姉ちゃんを誠心誠意バックアップする!』

『はあ、重症ね』

『な、なんで?』

『じゃあ、これならどう?』ピラ

『こ、これは……!』

『そう。唯の成績表。まだみんなはもらってないけど、生徒会パワーでいただいてきたわ』

『見事に赤点だらけ……』

『このままじゃ唯は留年しちゃうわね』

『! そ、そんな!!?』

『でも、一つだけ唯が留年を逃れる方法がひとつだけあるの』

『そ、それは一体何!!?』



149 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:01:12.42 01JEsNJpP 85/125

『私が生徒会長になるの』

『! ま、まさか……!!』

『そう。生徒会長の権力で唯を進級させてあげるの』

『その手があったのか……!』

『さあ、どうするの? 私に協力して唯を無事進級させるか、唯と一緒に受験するのか、どっち?』

『ううぅ……』

(お姉ちゃんが留年しちゃったら、お姉ちゃんはともかく、お父さんとお母さん、軽音部のみなさんが悲しんじゃう)

(で、でもお姉ちゃんと一緒にお受験かあ……)ポワポワ

(ダ、ダメダメ! そんなのダメだよ!)

(で、でも和ちゃんのところにつくってことはお姉ちゃんを裏切るわけで……)

(そもそもお姉ちゃんが生徒会長に立候補するなんてまだわかんないし……)

(あーもう、頭が混乱してきた……)



150 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:06:07.64 01JEsNJpP 86/125

『大丈夫よ、憂』

『へっ?』

『唯は私が絶対に進級させるから』

『和ちゃん……』

『……』ニヤ



「ということで、和さんのところについたんです……」

「そうだったのかあ」

「ってなんでそんなに呑気なんだよおまえは!」

「はい?」

「このままじゃ唯は留年だぞ!」

「あっ」

「今頃になって気づいたんですか……」



152 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:09:37.74 01JEsNJpP 87/125

「どどどどうしよう……」

「私も勢いでやめたんですけど、それをどうするかは考えてなくて……」

「うわあああん、私はもうだめだあ」

「いっこ下の下級生に交じって、指をさされて嘲笑われながら一年を過ごすんだあ」ウワアアン

「ゆ、唯ちゃん……」

さわ子「騒がしいわよあんたたち」

「そう言わずにさわちゃんも慰めてやってくれよ」

「っていつの間に!?」

さわ子「やあね、最初からいたじゃない」

「いるなら存在感ぐらい出してください……」



156 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:15:08.01 01JEsNJpP 88/125

さわ子「ところで今の話だけど」

「はい?」

さわ子「ちょっとおかしいところがあるわね」

「ど、どういうことですか?」

さわ子「まず、和ちゃんは生徒会長になったら唯ちゃんを進級させることが出来るって言ってたけど」

さわ子「あれ、ウソよ」

「えっ」

一同「え~~~~~~っ!!?」

さわ子「当たり前よ! 生徒会長ごときが一生徒の処遇をどうこうなんてできるわけないでしょ!」

「そ、そうだったのか」

「じゃ、じゃあ私は騙されたってことですか……?」

さわ子「そうね」

「そんな……」ションボリ

「憂……」



161 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:21:23.73 01JEsNJpP 89/125

「大丈夫だよ憂。憂はそれほど純粋なんだよ」

「お姉ちゃん……!」

「ふむふむ、これで一件落着……」

「ってそれじゃあかん!」

「へっ!? なにが?」

「さっきの話がウソだったんじゃ、唯は結局留年しちゃうってことだぞ!」

「がーん!!」

「そうだった……」

「うわあああああん!! 結局留年しちゃうんだあああ!!」

「就職面接のときに『なんで高校で4年間も過ごしたの』っていわれて嘲笑われるんだあ」ビエエエン

「ゆ、唯先輩……」



163 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:25:59.49 01JEsNJpP 90/125

さわ子「そのことなんだけどね、まだおかしいところがあったのよ」

「なにがですか?」

さわ子「唯ちゃんの成績表がうんたらかんたらって言ってたけど、まだ唯ちゃんの成績はでてないわよ」

「へっ?」

さわ子「大体、生徒会の権力で一生徒の成績をコソ泥なんてできるわけないじゃない」

さわ子「しかも、もし唯ちゃんが仮に留年するほどヤバくても、生徒会長に立候補できた時点で大丈夫なのよ」

「! そうか! 成績が悪いやつが生徒会長に立候補できるはずがないんだ!」

「じゃ、じゃあ私は大丈夫なの?」

さわ子「オールオッケーよ」

「わーい!」

「お姉ちゃんよかったね!」

「さっすがさわちゃんだ」

さわ子「おほほ! もっとほめなさい!」



166 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:30:33.09 01JEsNJpP 91/125

「んじゃあ結局唯は留年するわけじゃなかったのか」

「っちゅうことは、憂ちゃんはまんまと和に騙されたわけか」

「す、すみません」

「いいのよ。悪いのは和ちゃんだわ」

「そうだよ! 憂の純粋な心に付け込むなんて……、やっぱ鬼畜です!」

「み、みんな、そんなに和ちゃんを責めないでよ……」

「まーだそんなこと言ってんのかよ! あいつはお前に勝つために妹の憂ちゃんを騙したんだぞ!」

「で、でも……」



168 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:36:25.37 01JEsNJpP 92/125

さわ子「私もちょっと和ちゃんには納得できないわ。私の生きがいを潰そうとしたしね……」ギリッ

「みんなの言うとおりだ。ここまでされて唯は何とも思わないのか?」

「そ、それは……」

「私も和さんは許せないよ、お姉ちゃん」

「うい……」

「こうなったら、もう徹底的にやるべきです!」

「そうだ! あんなやつに負けてたまるか!」

「みんなで力を合わせて勝ちましょう!」

一同「おーー!」

「……」





169 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:41:17.40 01JEsNJpP 93/125


――決選投票 当日

「ついにきたな」

「ああ」

「そうね」

「はい」

「……」

「大丈夫だよ唯。緊張するなって」

「この日のために選挙活動もしっかりやってきたし」

「和ちゃんに負けない為に一生懸命特訓したでしょ?」

「そうですよ。もう唯先輩は誰にも負けないです!」

「そうだよお姉ちゃん」

「う、うん」



170 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:46:30.38 01JEsNJpP 94/125

「あら。みなさんおそろいで」

「和ちゃん……」

「きやがったなこんのやろう!」

「和! 今日で決着をつけるぞ!」

「負けないんだから!」

「絶対勝ってやるです!」

「いい度胸してるじゃない」

「和さん……」

「なによ、裏切り者」

「! 和ちゃんのばーか! お姉ちゃんに負けちゃえ!」

「ああ……」オロオロ

「唯、あんたには絶対に負けないわ。この壇上で大恥かかせてあげる」

「……」



174 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:52:56.70 01JEsNJpP 95/125

「それじゃ、またあとで」

「く~~っ! やっぱあいつムカつく!」

「あんな人、もう友達でも何でもないわ」

「和はもっと優しい人だと思ってたけど……最低だな」

「みんな……」

(こんなんじゃダメだよ……。こんなんじゃ和ちゃんとみんなが友達じゃなくなっちゃう……)

(私はどうしたらいいの……?)





176 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 21:58:08.15 01JEsNJpP 96/125


司会「それでは、ただいまより生徒会長候補者2名による紹介と抱負を述べてもらいます」

司会「まずは、2年1組、真鍋和さん」

「私はこのたび生徒会長に立候補した真鍋和です」

「私の目標とする清く正しい桜高を実現するために、さまざまな改革を行いたいと思います」

「よろしくお願いします」

パチパチパチパチ

「けっ! なーにが清く正しい桜高だ! あんなひんまがった性格のやつが出来るかよ!」

「そうですよ!」

「次は唯ちゃんね」

「がんばれ、唯……!」



177 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:02:42.57 01JEsNJpP 97/125

司会「続きまして、2年2組、平沢唯さん」

アースイミンガクシュウノヒトダー ウケルー

「あっ……私はこのたび生徒会長に立候補した平沢唯です」

「先の選挙でも述べたように、私はこのままの桜高でいいと思っています」

「生徒会長になったら、この楽しい桜高をいつまでも続かせるよう努力したいと思います」

「よろしくお願いします」

パチパチ…

「なんか元気ないよなあ」

「うん。最近、ずっとああだったよね」

「お姉ちゃん……」

司会「それでは、ただいまより生徒会長候補2名によるディベートを行います」

「よし! こっからが本番だ!」

「唯先輩がんばって……!」

司会「では、始めてください」



178 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:07:56.18 01JEsNJpP 98/125

「では……平沢さんに質問です。あなたはこのままの桜高でいいとおっしゃっていましたが、
  先週の桜高における無断欠席や遅刻をした生徒がどれだけいるかご存知ですか?」

「えと……わ、わかんないです……」

「無断欠席だけでも30名、遅刻した生徒は100名以上です」

ざわ… ざわ…

「これだけの生徒が無断で休んだり遅刻したりするんです。あなたがおっしゃる通りに
  そのままにするのであれば、この怠けた人たちは無視してもいいんですか?」

「そ、それは、その人たちも何か事情があって休んだり、遅刻したりしてるんです」

「事情があるならなんで無断で休むんでしょうか? 普通は報告するでしょう?」

「あっそうか」

アハハハハハハハ… サスガハアカテンマスターダナー

「おいおい、押されっぱなしだぞ」

「だ、大丈夫! まだチャンスはある!」

「ここでやらなきゃ負け確定です!」



182 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:12:01.15 01JEsNJpP 99/125

「このままでいけば、桜高は楽しい高校じゃなくてふ抜けた、つまらない高校になりますよ」

「そ、そんなことないです」

「じゃあ、どうすればいいんですか?」

「それは……その……」

「……」

「……」

「……じゃあ次の質問です。あなたの部活、軽音部は練習もしないでお茶ばっかりしているんですよね?」

「!!」

「ですよね?」

「は、はい」



179 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:08:12.83 AysZckXA0 100/125

憂いが和ちゃんって言ったり和さんって言ってるのは使い分けてるの?ミスってるの?


183 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:17:35.26 01JEsNJpP 101/125

>>179 学校にいるときは「和さん」 二人でいるときか怒ったりしたら「和ちゃん」って感じ


「本来、部活というものは練習するものです。それなのに練習もしないでだらだらとお茶をしながら部室を占領している……。これでいいんですか?」

「そ、それは……」

「あ、あいつ……!」

「……」

「ムギ先輩……」

(頼む唯……お前なら言い返せるだろ……!)

「確かに練習はあまりしてません」

ざわ… ざわ…

「でも、このティータイムがあったから、私たちは今までやってこれたんです」



184 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:22:22.07 01JEsNJpP 102/125

「他の部活はティータイムなしでもやっていますよ?」

「それは……その……」

「そうやって我が物顔で部室を占領して、練習もしないで、紅茶やお菓子を食べる……それが部活なんですか?」

「練習はしてます!」

「いえ、あなた方はやっていません」

「なぜ言い切れるんですか?」

「先週、私たちの独自の調査で、あなたたち軽音部の練習時間と休憩時間を計りました」

「!」

「その結果、練習時間が30分なのに対し、休憩時間は9時間30分でした」

ざわ… ざわ…

「さらに、先々週に至っては全く練習せずにお茶会を開いていたそうです」

オイオイ… フザケンナヨー ブーブー!



189 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:31:09.31 01JEsNJpP 103/125

「あっちゃー、これはやばい」

「やっぱりダメなのね……」

「そ、そんなことないですよ! きっとみんなは嫉妬してるんです!」

(うぅ……、まさか和がここまでしてくるなんて……)

「……ん?」

「……」

「どうですか。これでもまだあなたはこの活動を部活と言うんですか?」

「……」

「……」ニヤッ

(勝った! もうこれで唯はもう何も言えない)

(あとはじっくり攻めて終わらせて……)



193 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:36:50.10 01JEsNJpP 104/125

「……どうして」

「はい?」

「どうしてウソをつくんですか?」

「はあ?」

ざわ… ざわ…

「あなたはさっき、『先々週に至っては練習をしていない』と言っていましたね』

「え、ええ。なにが違うって言うんですか」

「全然違います。先々週、私たちはちゃんと練習してました」

ざわ… ざわ…



195 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:42:10.64 01JEsNJpP 105/125

「ウ、ウソだ!」

「いいえ、本当です」

「証拠はこれです!」ガチャ

ふわふわタ~イム♪ ふわふわタ~イム♪

「それは……?」

「これは先々週録音した私たちの練習風景です」

「なっ!?」

ざわ… ざわ…

「そ、それだけで証拠だとは言えない! いつ録音したのかもわからないじゃない!」



196 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:46:22.12 01JEsNJpP 106/125

「いやいや、ちゃんと、よーく聞いてください」ガチャ

……シュウノ… ふわふわタ~イム♪ セイ…… ふわふわタ~イム♪ …ナイマス…

(後ろから何か音が……?)

「もう一度!」ガチャ

…ライシュウノ… ふわふわタ~イム♪ …セイ…カイチョ… ふわふわタ~イム♪ …ヲオコナイマス…

「! ま、まさか……!」

「最後にもう一度!」ガチャ

…ライシュウノスイヨウ… ふわふわタ~イム♪ …セイトカイチョウセンキョ… ふわふわタ~イム♪ …チュウカントウヒョウヲオコナイマス…

「バックから放送が……」

「そうです! この放送は生徒会長選挙の中間投票を来週の水曜日に行うという内容です。つまり先々週のことなのです!」

「う、うそ……」

オー! スゲー 



199 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:50:33.52 01JEsNJpP 107/125

「そうだよ! 先々週はみんなでいっぱい練習してたじゃないか!」

「そうだっけ? 忘れてたや」

「そういえば澪ちゃんがたまには私たちの曲を録音しようってラジカセを持ってきてたわね」

「そうでした……。私としたことが恥ずかしいです」

「いや、それよりも唯はすごいよ! ああやって和のウソを見破るなんて!」

「どうですか? これでもまだウソだと言いますか?」

「わ、わかりました。それはウソでした」

フザケンナー シャザイシロー

「しかし! それでも先週の練習内容のことは言い返せないでしょう!」

ソウイエバソウダー アヤマレー

「言い訳っぽくなりますが、それは私たちが選挙活動で忙しかったからです」

ナンダー ソウダッタノカー

「くっ……」



204 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 22:56:33.66 01JEsNJpP 108/125

「……たしかに、私たちはあまり練習をしない部活なのかもしれません」

「でも、それでも私たちは毎日が楽しいんです!」

「りっちゃんがふざけて、澪ちゃんがつっこんで、ムギちゃんがそれを笑って、あずにゃんが早く練習しようって言って……」

「その時のみんなは本当に楽しそうなんです!」

「たしかに部活は練習して、汗を流して、がんばるものだと思います」

「でも、部活は……部活を楽しく過ごすことが本当の部活だと私は思います!」

「!!」

「ひっく…ちくしょー! いいこと言うじゃん!」

「私、唯ちゃんになら抱かれてもいい!」

「な、何言ってんですか!?」

「唯……」

(いつも何も考えてなさそうだけど、ずっとそう思ってたんだな)

「……」



205 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 23:00:07.68 01JEsNJpP 109/125

「真鍋さん。確かに桜高はだらしのない、ふ抜けた学校かもしれないです」

「でも、つまんない高校だとは私は思わない!」

「真鍋さんが言っていた改革をするのではなくて、桜高は楽しい高校だよって伝えることが出来たら……」

「そうすれば、きっと休んでる人とか、遅れてくる人もちゃんと来てくれるようになります!」

「だから、楽しい高校づくりを私はしたいと思っています!」

「私からは以上です」

オー! パチパチパチパチ!

「……」

司会「えー、ただいまをもちましてディベートを終了します」

司会「それでは、これより投票を行います。投票用紙に名前を書いて……」





206 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 23:04:33.36 01JEsNJpP 110/125

「ふう」

「ゆいーっ!」ダキッ

「う、うわっ!」

「唯ちゃん!」ダキッ

「唯先輩!」ダキッ

「唯っ!」ダキッ

「み、みんな、苦しいよ……」

「お前ってやつは本当にたいしたやつだ!」

「最後の唯の言い返し、すごかったぞ!」

「うん! 唯ちゃんは最高よ!」

「とってもかっこよかったです!」

「えへへっ、そうでしょー?」



207 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 23:09:24.93 01JEsNJpP 111/125

「でもなんでラジカセを用意してたんだ?」

「きっと和ちゃんは練習してないことを言ってくるなと思って、私たちは練習してるんだ! ってところを聞かせてあげたかったの」

「そしたら和ちゃんがあんなこと言うから、そういえばこの録音って先々週にやったなあって思いだして」

「そんでもってあの裏から流れる放送も覚えてたから、それなら証明してあげようってなったのです!」

「何というかお前すごいわ」

「えへへっ、もっとほめて~」

「おねえちゃあん!」

「あっうい!」

「お姉ちゃんすっごく、とっても、めっちゃかっこよかった!!」

「えへへへへへ~」

「こんなこと言える立場じゃないけど……本当におつかれさま、お姉ちゃん!」

「うん!」

「あとは……結果だけを待つのみ、だな」

「うん」



214 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 23:16:01.30 01JEsNJpP 112/125

「……ううん。まだだよ」

「えっ?」

「……」

「の、和……!」

「和ちゃん」

「唯、今回は私の負けよ。それでいいわ」

「まだ結果は出てないよ?」

「それでも負けたの」

「……」

「じゃあもし、私が勝ったとしても、あんたたちのティータイムも認めてあげる。これでいいんでしょ?」

「て、てめぇ……!」



216 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 23:23:14.45 01JEsNJpP 113/125

「待ってよ!!」

「……何よ。まだ何かあるの?」

「和ちゃん、どうしてこんなことしたの?」

「こんなことってどういうことよ」

「どうして学校を巻き込んでまで軽音部を非難したの?」

「言ったでしょ? ただ気に入らなかっただけよ」

「ウソだよ! 和ちゃんは気に入らないなら気に入らないってズバって言える子でしょ?」

「それなのに、憂を騙して、私に立候補させて、ムギちゃんにティータイムをやめさせようとして……」

「!」

「こんな回りくどいこと、普通はしないよ!」



220 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 23:28:35.73 01JEsNJpP 114/125

「ゆ、唯ちゃん知ってたの!?」

「ごめんね。あのとき私がいる廊下まで聞こえてたから」

「そ、そうだったの……」

「あの時のムギちゃんみたいに私も言い返してみたいなって思ってたんだ~」

「だから今日はうまくできたんだよ!」

「な、なんだか恥ずかしい……///」

「それに、私はムギちゃんのこと、あんな風には思ってないよ」

「ゆ、唯ちゃん……」

「だって、仲間じゃん!」

「……っ!」

「唯ちゃん……大好きっ!」ダキッ

「うわあっ! もうムギちゃんってば……」

(い、いいなあ……)



223 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 23:34:44.52 01JEsNJpP 115/125

「……」

「で、どうなの? 和ちゃん」

「……」

「和ちゃん」

「もういいだろ、唯」

「りっちゃん」

「こいつは私たちのことが嫌いなんだよ。だから軽音部を潰そうとしたんだ」

「そんなことないよ! 和ちゃんは私たちの友達じゃん!」

「!」

「まだこいつにそんなこと言えんのかよ!」

「……待って!」

「!」

「わかった、話す」

「うん……」



224 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 23:39:50.94 01JEsNJpP 116/125

「私は軽音部が……唯がうらやましかった」

「それと同時にとても寂しかったの」

「……」

「最初、唯が軽音部に入るって聞いてびっくりした」

「あの唯がやりたいことを見つけてがんばってる……」

「それに、軽音部のみんなで楽しそうに練習したりお茶したりして……」

「うらやましいって少しは思ったけど、それよりも唯のことをがんばれって応援してた」

「でも……あの学園祭のときの唯の顔を見て、嫉妬した」

「いつもはあんなにダメな子がこんなにいい仲間をもっているのに、私は生徒会の希薄な人間関係で活動している」

「私がこうしている間にも唯は輝いている」

「じゃあ私は今、何をやってるんだろうって」

「そう思ったら、唯のことが、軽音部のことが本当に憎くて、うらやましくて……そしてすごく寂しかった」

「和ちゃん……」



231 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 23:45:08.52 01JEsNJpP 117/125

「だから、今回の生徒会長選挙で唯たちの楽しみを奪ってやろうと思った」

「そこで、私が生徒会長になったらあんたたちのティータイムを潰すことに決めた」

「でも、それだけじゃダメだと思った。徹底的に負かしてやろうと思って、あんたたちをおびき出したの」

「そして、この決選投票の場であんたたちのことをボロクソに言って、軽音部を壊滅までもっていこうって考えた」

「それからは本当に楽しかった。唯たちが練習もしないで選挙活動して。このまま軽音部は無くなっちゃえばいいって思った」

「……っ!」

「そうしたら、きっと憎くなくなって、うらやましいと思わないで、寂しくなんか無くなるって……」

「でも……それでも唯やムギはみんなで戦うって決めていて、軽音部がなくなるどころか逆に一致団結して……」

「最後に、票集めのために仲間にした憂にまで逃げられてしまった……」

「そして今日でわかったわ。私なんかじゃこの軽音部には敵わないってことを」

「私はずっと、一人だったってことを」

「そんなこと……」



242 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 23:51:38.62 01JEsNJpP 118/125

「もうこれで終わりよ、唯。あんたともこれでおしまい」

「な、なんで!?」

「あんたたちを潰そうとして、ムギを、憂を、そして唯を傷つけて……」

「私は最低の人間なの。こんなやつもう友達なんかじゃないでしょ?」

「和ちゃん……」

「今までごめんなさい。それじゃ……」

「……おい」

「!」ビクッ

「り、りっちゃん!? やめて!」



247 : 以下、名... - 2010/07/28(水) 23:57:08.96 01JEsNJpP 119/125

「ばーかばーか! このあほ! メガネ! クソガリ勉!」

「は……?」

「はあ、すっきりした! これでいいだろ」

「りっちゃん……?」

「和ちゃんのばーか! あほまぬけ!」

「鬼畜メガネ! カタブツ!」

「へ、変態! ムッツリ!」

「根性無し! ヘタレ!」

「み、みんな……?」

「これで唯の悪口の分は全部言いきったな」

「ああ」

「うん!」

「な、なに……?」



250 : 以下、名... - 2010/07/29(木) 00:00:01.05 RyGyBC+iP 120/125

「別に私たちはこれでお前を許そうなんて到底思ってない」

「でもな、結局、私たちは友達だったってことなんだよ」

「??」

「あー、もう私たちは怒ってないってこと」

「そうそうそのとおり!」

「でも、私はムギや唯を傷つけて……」

「違うわ和ちゃん」

「ムギ…」

「確かにあんなことあったから友達だって思えないかもしれない」

「でも、和ちゃんが本当のことを言ってくれたから、もう私たちは何とも思ってない」

「それに、たとえ和ちゃんが放課後ティータイムじゃなくても、私たちは友達で仲間じゃない」

「え……?」

「あ、あれ? ちがったかしら……?」

「……」



252 : 以下、名... - 2010/07/29(木) 00:03:45.20 RyGyBC+iP 121/125

「そうだよ! 和ちゃんは私たちの仲間! お友達!」

「みんなもこう言ってるんだから、そうなるの!」

「はいっ!」

「うん!」

「みんな……」

「……うふふ、そうだったのね。私の勘違いだったのね」

「和ちゃん……!」

「みんな、ごめんなさい」ペコリ

「私もみんなの仲間に入れてくれる?」

「もちろんだよ和ちゃん!」

「ありがとう、唯」

司会「ただいまより、生徒会長決選投票の結果をお知らせします……」





256 : 以下、名... - 2010/07/29(木) 00:08:23.18 RyGyBC+iP 122/125


その後、和ちゃんとお姉ちゃんの選挙の結果が発表されました。
結果は……一票差で和ちゃんの勝利でした。
やっぱり中間投票での差が結構響いたんでしょうか。
それでも、お姉ちゃんの活動が、思いが一票差にまで差を縮めたんじゃないかって私は思います。

そして、お姉ちゃんたちのティータイムはこれで消滅……かと思いましたが、最後のお姉ちゃんたちの説得によって和ちゃんの公約を取り消すことが出来ました。
それに、和ちゃんの政策も前より軟化してお姉ちゃんよりの考えになりました。

公約違反だ! とか言いますけど、今の日本だって簡単に公約を無視しますからいいですよね?


こうして、生徒会長『真鍋和』が誕生したのです!



259 : 以下、名... - 2010/07/29(木) 00:12:54.95 RyGyBC+iP 123/125


――軽音部 部室

「あ~、ねむいよ~」

「唯先輩はいつだって眠そうじゃないですか」

「そんなことないふぁ~」

「大きなあくびしないでくださいよ」

「それにしても新入生来ないなあ」

「別にこのままでいいってことになっただろ? うだうだ言わないの」

「そうね~」

さわ子「ムギちゃんおかわり~」

「はい~♪」

「えへへっ、ムギちゃんよかったね!」



260 : 以下、名... - 2010/07/29(木) 00:16:38.35 RyGyBC+iP 124/125

ガチャ

「ちょっといい?」

「やっべ生徒会長だ! 隠せ隠せ!」

「かっくせかっくせ!」

「もうそんなことしなくていいの」

「ところでどうしたんだ?」

「うん、唯に相談したいことがあって」

「なになに~?」

「最近、また遅刻者が増えてきたのよ」


そうなんです!

和ちゃんは生徒会長になったあともこうしてお姉ちゃんに相談しに来るんです。
つまり、お姉ちゃんは和ちゃんの「右腕」というわけなんです。

お姉ちゃんが「右腕」……なんかかっこいいです!



261 : 以下、名... - 2010/07/29(木) 00:20:57.76 RyGyBC+iP 125/125


「別にいいじゃ~ん」

「よくないから言ってるんでしょ」

「大丈夫! 楽しんだもん勝ちだよ!」

「はあ……。あんたに頼むんじゃなかったわ」

「そんなこと言わないでよ~、私たち友達でしょ!?」

「えっ……?」

「ね?」

「……ふふっ、そうね」



おしまい




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