1 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 19:42:25.24 V9rqc59K0 1/32

「ムギちゃんどうしたの?」

「調子悪いのか?」

「全然、音合ってないじゃないか」

「もしかして……あの日、ですか?」

良純「だって俺キーボードなんか弾いたことねぇんだもん!」

「またまた、そんな冗談言って~」








「これは……、どういうこと?」



元スレ
紬「私がもう一人いる!?」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1279190545/

2 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 19:49:55.62 V9rqc59K0 2/32

(ちょっと、職員室に用事があったから、部室に来るの遅れちゃったけど)

(テレビでよく見る気象予報士が……。あれ? コメディアンだったかしら?)

(……まぁ、そんなことはどっちでもいいけど)

(今問題なのは、皆があの人を私だと勘違いしていること)

(何故? 私とあの人との間にどんな共通点があるっていうのかしら?)

「……」

(わかったわ……)

(そんなこと深く考えなくたってわかる)

(それは……)



(どちらも親が権力者だっていうこと!!)



良純「キーボード奏者が欲しかったらタウンページで探せよ~!!」


3 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 19:56:20.61 V9rqc59K0 3/32

(やはり、私もあの人も親の七光りという影響が大きい)

(結局、皆は私を見ていたんじゃなくって、琴吹家というバックボーンを見ていたのね……)

(でも、それは仕方の無いこと。今までだってそうだったわ)

(小学校のときも、中学のときも私個人を見てくれる人なんていなかった)

(軽音部の皆はそんなことないと思っていたのに……)

(私……、悲しい……)







「ムギちゃ~ん、そろそろお茶したいな~。お願~い」

良純「なんで、俺が紅茶の用意をしなきゃいけないんだよ!!」


5 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 20:04:13.11 V9rqc59K0 4/32

「なんでって。いつもムギちゃんがやってくれてるのに」

良純「俺、そんなの知らねぇよ! それに、誰だよそのムギってのは!」


「なぁ、律」

「なんだ?」

「ムギの様子、なんだかいつもと違わないか?」

「私も、なんだか変だと思います」

「そうか~? いつも通りの眉毛だし」

「まぁ、そこは疑う余地がないけど」


良純「俺は、天気予報しにこの高校までロケに来ただけなんだよ!」


「あれっ? ちょっと待てよ、もしかして……」

「何か気づいたのか、律」

「ああ、間違いない!」


6 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 20:15:10.29 V9rqc59K0 5/32

「ムギは皆からのツッコミを待っているんだ!」

「そ、そうか!」

「こりゃあ名推理です!」

「ちょっと前に叩かれたがってたからなぁ、そのときは私が勢いで叩いちゃったりなんかしたけど」

「きっと、叩かれるのが癖になったんだな」

「だから、ああやってボケまくってるんだよ、キーボード弾けないとか言ってさ」

「と、いうことは、誰かがツッコムまでボケ倒すと」



良純「お前ら、俺を芸人か何かと勘違いしてるだろ! 違うからな!
   普段は笑いを取ってるんじゃなくて、天気図を読み取ってるんだからな!」



「なるほど、設定は天気予報士というわけですか。納得です」


7 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 20:24:59.31 V9rqc59K0 6/32

「じゃあ、ツッコミ担当の澪姉さんお願いします」

「よ、よし!」

「頑張って下さい! 澪先輩姉さん!」



「ムギちゃん天気予報できるの? 凄いね!」

良純「んなもん普通だよ普通。ちなみに明日は記録的な豪雨になるからな、靴が裏だったから」

「そんな『明日天気になぁ~れ』みたいなやり方は天気予報とは言わないだろ!」スッパ~ン!!

良純「痛って~よ! 叩かれるなんて聞いてねぇぞ!」



(そんな!? ずるいっ!!)

(私だって、まだ澪ちゃんからツッコまれたことないのにっ!!)


AD「あ~、いたいた。良純さん、探しましたよ」

「えっ?」


8 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 20:33:29.97 V9rqc59K0 7/32

AD「そろそろ天気予報の時間なんで表に出てもらわないと」

「ち、ちょっと! 私は……」

AD「やばっ! 次のコーナー終わったらもうですよ! 急がないと、俺が怒られます!」

「あ、あの! ちが……」

AD「ちゃんと、この校舎を紹介して下さいね。なんでも歴史がある建物だそうですから。なんだったら天気予報はどうでもいいですからね」

「いや、だから……」

AD「ああ、心配しないで下さい。ちゃんとカンペは用意してありますから」

「そうじゃなくって……」

AD「ほら、急いで下さい!」


10 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 20:41:02.49 V9rqc59K0 8/32

 ・ ・ ・ ・ ・

安藤「それでは、お天気です。石原さん」

(結局、来ちゃった……)

安藤「良純さん? お願いします」

「は、はいっ!」

(ど、どうしよう……)

(ええい! こうなったら!)

「明日は晴れて、とても暑くなりますっ!」




安藤(明日は、雨か……)

木村(雨か……)

視聴者「や~ね~。明日は雨だなんて」


12 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 20:51:00.97 V9rqc59K0 9/32

「あれ? 外で何かやってるよ」

「本当だ。って! あれテレビの撮影じゃねぇのか!?」

「テレビカメラとかあるし、間違いありません!」

「すごいな、ドラマか何かかな?」

良純「おい! なんでもう始まっちゃってるんだよ!」

「どうしたの? ムギちゃん」

良純「なんで誰も俺を呼びに来ないんだよ!」

「いくらムギが大富豪のお嬢様だからって、さすがにそれだけでテレビには出られるわけないだろ~」

「澪先輩姉さん! 出番です!」

「調子に乗りすぎだ」ポコン

良純「だから、なんで叩くんだよ! せっかくセットした髪型が崩れるだろ!」


15 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 21:04:09.92 V9rqc59K0 10/32

良純「もうこんなところで、ゆっくりなんてしてらんね~よ!」

「ムギ先輩どこに行くんですか!?」

良純「仕事しに行くんだよ! お茶の間に明日は雨になるって伝えなきゃなんないだろ!」

「おいおい、いつまでそれ引っ張るつもりなんだ?」

「ムギ~。ツッコまれたいなら、もっとバリエーション豊かにボケないと」

良純「わけわかんねぇよ! 俺はもう行くからな!」

「あ! コラ! 皆、ムギを追いかけろ!」

「ムギ、テレビに出たいのはわかるけど、迷惑になるぞ」

「そうですよ、ムギ先輩」

「最近のムギちゃんって、ちょっと我儘さんだよね~」

良純「なんでついてくんだよー!」


17 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 21:17:51.98 V9rqc59K0 11/32

 ・ ・ ・ ・ ・

「今日私が来ているこの桜ヶ丘高校の校舎は、アメリカ人建築家のウィリアム・メレル・ヴォーリズさんが設計をした由緒ある建物で……」


マネージャー「今日の良純さん、なんだかいつもより気品が溢れているなぁ」



AD「ちょっと! 駄目だよ入ってきちゃ! 今はOA中なんだから」

良純「おい! なんで俺じゃない奴がやってるんだよ!!」

AD「!?」

「ムギ、もうその辺にしとかないと」

「ほら、撮影の邪魔になるだろ。梓一緒に引っ張ってくれ」

「はい。ムギ先輩、おとなしくして下さい」

良純「ふざけんな! 離せよぉ!」


18 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 21:21:32.26 V9rqc59K0 12/32

「しかし、平成11年に施設の老朽化と耐震性を理由として、校舎と講堂を解体する方針を打ち出し……」


「あれ!? 皆! 今カメラの前でしゃべってるのって……」

「!?」


マネージャー「騒がしいなぁ、いったいどうし……!?」

良純「ジャーマネ! 俺だよ俺!」



「ムギちゃんが二人いる!!」

マネージャー「良純さんが二人いる!!」


19 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 21:25:19.26 V9rqc59K0 13/32

マネージャー「いったいどうなってるんだ!?」

AD「俺にもさっぱりです……」

マネージャー「あんな、蒲鉾みたいな眉毛をした人なんて良純さんくらいだと思っていたのに……」

AD「練り物大使ですもんね」



「これは……!?」

「ドッペルゲンガーか?」

「それってヤバくないですか!?」

「あんな、沢庵みたいな眉毛をした人がもう一人いるなんて……」


21 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 21:32:28.32 V9rqc59K0 14/32

良純「……」スタスタ

「あっ……」


カメラマン「これってカメラ止めた方が……」

ディレクター「馬鹿! 回し続けろ、こんな面白いもの滅多にないぞ!」


良純「代わるよ」

「……はい」


「えっ? いったいどっちが本物のムギなんだ?」

「え、えっと……」

「夢を見ているようです……」

「……ちょっと、行ってくる」スタスタ

「おい、唯。どうする気なんだ!?」


23 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 21:41:46.29 V9rqc59K0 15/32

「……」

「唯ちゃん……」

良純「何しに来たんだよ……いったい……」

「ムギちゃん」

「はい」

「こっちが本物のムギちゃんなんだね?」

「ええ、そうよ」



「唯のやつ、いったい何をする気なんだ?」

「わかりません……」

「今は見守ってやろう……」


25 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 21:49:12.08 V9rqc59K0 16/32

「それでは、シャッフルスタート!!」

「きゃっ!?」

良純「おい! 何すんだよ!」

「ほいほい!」グルグル

「ち、ちょっと、唯ちゃん!」

良純「やめろよ! 気持ち悪くなるだろ!」

「スト~ップ!!」バン!!

良純「うぇ~……回され過ぎて、気持ち悪ぃ~……」

「さて、どちらがどっちでしょう? テレビの前の皆さんも一緒にお考え下さい!」



「ええぇーーーーっ!!!!」

ディレクター「いいぞ! もっとやれ!」


26 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 21:56:49.23 V9rqc59K0 17/32

AD「俺にはどちらも良純さんに見えます」

マネージャー「俺も、長年一緒にやってきてるが見当もつかない……」


「わかるか?」

「何言ってるんだ! 軽音部の仲間だろ?」

「わかるに決まってます!」

「だよな!」

「じゃあ、せーので言おう」

「せーのっ!」


「左!」 「右!」 「右の人!」


「……」

「……」

「バラバラじゃん……」


27 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 22:24:27.49 V9rqc59K0 18/32

(やっぱり……私なんて……)

(何年かしたら皆の中では『ケーキとお茶の人』くらいの認識でしかなくなるんだわ、きっと……)

「それでは、正解の発表です!」

(唯ちゃんだって……、わかるはずないわ……)

「正解は……」

「……」

「こっちが、ムギちゃんだよね」

「あっ」

「でしょ?」

「うん、正解」

「えへへ~」


28 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 22:32:21.06 V9rqc59K0 19/32

「でも、どうせあてずっぽうでしょ?」

「結局は二分の一の確率なんだから……」

「違うよ、ムギちゃん」

「えっ?」

「見間違えるわけないよ」

「だって、大切な軽音部の仲間なんだもん」

「何千回、何万回やったってムギちゃんを当ててみせるよ」ニコッ

「唯ちゃん……」キュン



「なぁ」

「ん?」

「唯も私たちと一緒に石原良純をムギだって勘違いしてたよな」

「それは黙ってた方が……」


29 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 22:39:39.45 V9rqc59K0 20/32

「でも、なんで唯ちゃんには見分けがつくの?」

「眉毛だよ」

「眉毛?」

「私ね、夢のなかで何度かムギちゃんの眉毛にお世話になってるんだ」

「そうだったの」

「ムギちゃんの眉毛を見てると白いご飯が欲しくなるんだ!」

「でも、良純さんの眉毛からは伝わってこない……」

良純「ほっとけよ! 別にいいだろ、たかが眉毛なんだから」

「じゃあ、親の事とか家の事とか関係なしに、個人として唯ちゃんは私を認識してくれてるのね」

「親? 家? そんなもの関係ないよ。ムギちゃんはムギちゃんだよ!」

「嬉しい……、唯ちゃんありがとう!」


31 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 22:48:18.36 V9rqc59K0 21/32

良純「よくわからないけど、なんか良かったね」

「はい、良純さんもご迷惑をおかけしました」

良純「ああ、いいよいいよ」

「あの、私、さっき勝手に天気予報しちゃって……」

良純「そうなんだ。じゃあ、俺が本物ってやつを見せてあげるよ!」



良純「どうも、私が本物の気象予報士の石原良純です」

良純「明日は南から暖かく湿った空気が流れこんできますので、全国的に昼から夜にかけて雨になるでしょう。お出かけの際は傘をお忘れなく!」

良純「こちらからは以上です!」


33 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 22:56:54.80 V9rqc59K0 22/32

「ムギ、ごめんな、気づいてやれなくて」

「ううん、いいのよ」

「でも……」

「昔からコンプレックスでしかなかったこの眉毛が私の存在を示すものだってわかったから」

「それに、気づかせてもらったから。もう気にしてないわ」

「ムギ先輩……」

「だけど、それじゃあ、私たちの気が済まないんだ!」

「そうだ! 何か罪滅しをさせてくれないか?」

「えっ? でも……」

「いいから、何でも言って下さい!」

「そう? じゃあ……」


34 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 23:05:30.31 V9rqc59K0 23/32

翌日 平沢家

「そりゃ! りっちゃんくらえ!」ピュッ

「うわっ!? 冷てっ! 水鉄砲とは卑怯な!」

「あはははは~」


「ムギ、こんなことで良かったのか?」

「うん! 私、一度でいいから庶民の狭苦しい家の庭で、しょぼいビニールプールを広げて水浴びするのが夢だったの~♪」

「そうなんですか……」

「でも、ごめんね。庭じゃなくてウッドデッキで」

「いいのよ、唯ちゃん。この狭さがぴったりなんだから」

「庶民の感覚からいったら、このスペースでも充分過ぎる広さだと思うけどな」


35 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 23:14:33.34 V9rqc59K0 24/32

「それに、柵が目隠しになって外から覗かれる心配もないからちょうど良いかもな」

「うちの庭じゃあ、前の道通る人から丸見えだからな~」

「さすがにこの歳でビニールプールは世間体が気になりますよね」

「そういうものなの?」

「はい、小学校低学年までって感じですかね」

「でも、ビニールプールなんかよく持ってたな、唯」

「え? 私、今でも良く使うよ」

「え゛っ!?」

「皆さん、スイカ切りましたよ」

「わーい! 皆、食べよう」


36 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 23:23:46.43 V9rqc59K0 25/32

「あのさぁ、憂ちゃん」

「なんですか?」

「唯っていまだにこのビニールプールで遊んでるのか?」

「う~ん、遊ぶっていうか、暑さをしのぐためって感じですかね」

「お姉ちゃん、冷房とか苦手だし。でも、どうしても我慢できなくなったらこうやってビニールプールに水溜めて、水浴びするんです」

「なるほど」

「それに、濡れたTシャツって、とても官能的で良いものですよ♪張り付いて透けたりするのがもう最高ですよね!」

「あ、あはは……、そうだね」


37 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 23:35:16.22 V9rqc59K0 26/32

「澪ちゃん、スイカいらないの~?」

「もう、今年もこれで食べ納めになるかもしれないぞ~」

「食べるよ、ちゃんと残しとけよな~」

「もう二学期も始まったっていうのに先輩たちの夏は終わりそうもありませんね」

「え~、まだこんなに暑いからまだ夏だよ~」

「そうね、それに残り物には福があるって言うでしょ? 梓ちゃん」

「どういう意味です?」

「もしかして、残暑、だからか?」

「うふふ、そう」

「お~、上手いね~、ムギちゃん」

「座布団一枚!」

「ほいほい!」

「お姉ちゃん! 座布団濡れちゃう!」

「やれやれ……」


38 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 23:45:27.17 V9rqc59K0 27/32

「でも残暑なんてもんじゃないほど暑いよな。今日もめちゃくちゃいい天気だし」

「どこかで、今日は雨だって聞いた記憶があるような……」

「でも、夏の終りにこうやって皆で遊ぶことができて本当に良かったわ」

「だって、高校3年の夏ってなんだか特別な感じがするもの」

「そうだな」

「うん」

「だよね~」

「夏フェス行って、お祭りの屋台で沢山遊んだり食べたりして、花火も見て」

「そして、こうやって初ビニールプールも体験できた」

「こんな楽しい夏を過ごすことができたのも、全部皆のおかげよ」

「うん。私にとっても皆と過ごしたこの夏は特別な思い出でいっぱいだよ」

「私も、ムギの意外な一面も見ることができたからな~」

「楽しかったけど、高校生の最後の夏って思ったらなんだか寂しくなっちゃうね」

「先輩……」


39 : 以下、名... - 2010/07/15(木) 23:58:11.71 V9rqc59K0 28/32

「来年も、こうやって皆で集まればいいじゃないですか」

「夏は黙ってたって来ますよ、また」

「あずにゃん……」

「私は、来年も高校生として夏を迎えますけど」

「大学生になった、先輩たちと一緒に過ごす夏ってのも、楽しみにしています」

「うん、そうだな。私も、梓とまた夏を共にしたいよ」

「私もよ、梓ちゃん」

「はい、また思いっきりはしゃぎましょう!」


40 : 以下、名... - 2010/07/16(金) 00:05:11.06 79Pr4wQq0 29/32

「私もさ……、夏になると、なんだか梓のことが気になってくるんだよ……」

「えっ……、それって、どういう……」

「梓のこと……、ずっと見ていたくなるんだ……」

「そういえば、律は今日、梓のことしょちゅうチラチラと見てたよな」

「そ、そんな……、律先輩……」ドキドキ

「だってさ……私、梓のさ……」

(えっ!? どういうこと!?)ドキドキ


41 : 以下、名... - 2010/07/16(金) 00:10:49.99 79Pr4wQq0 30/32

「梓の体の色が変わる瞬間ってのを見てみたいんだよ!」

「へっ?」

「あずにゃん、また真っ黒だね~」

「今日こそは肌の色が黒くなる瞬間ってやつを拝めると思ったのに、いつの間にかもう黒くなってやがるんだよな~」

「私も、不思議に思ってたんだ」

「ほんと、突然変異って感じよね」

「私、今日もそんなに肌焼けてますか?」

「真っ黒だよ、梓ちゃん」

「でも、そんなあずにゃんも可愛いよ~」

「とほほ……」


42 : 以下、名... - 2010/07/16(金) 00:17:19.95 79Pr4wQq0 31/32

翌日

「まさか二学期が始まってから肌がコンガリ状態になるなんて思ってもみなかった……」

「案の定クラスの皆からは『誰?』のオンパレードだったし」

「まぁ、三日もあれば元通りになるんだけどね」

「……」

「これって皮膚の病気か何かかな……」

「って、考えたってしょうがないか」

「学祭も近いことだし、練習に身を入れないと!」

「先輩たちと一緒にやる最後の学祭、絶対に成功させてやるんだから!」

   \ わぁ~! あずにゃんスゴイね! /

「ん? 部室がやけに騒がしい?」


43 : 以下、名... - 2010/07/16(金) 00:20:57.04 79Pr4wQq0 32/32

 ガチャ

「こんにち……」



松崎しげる「美しい人生よ~♪ かぎりない喜びよ~♪」

「あずにゃん歌うま~い!」

「悔しいけど、負けたよ。まさか梓にここまでの歌唱力があったなんて」

「なんで今までそんな素晴らしい才能を隠していたの?」

「今度の学祭のボーカルは梓で決定だな!」






「えっ?」

 おしまい


記事をツイートする 記事をはてブする