セル「どうしたのだ? さっきまでの勢いは……」
セル「笑えよベジータ」
ベジータ「ハッハッハ!」
セル「む……」
セル「怒れよベジータ」
ベジータ「くそったれぇぇぇ!」
セル「ほう……」
元スレ
セル「笑えよベジータ」ベジータ「ハッハッハ!」セル「怒れよベジータ」ベジータ「くそったれぇぇぇ!」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1588410008/
セル「泣けよベジータ」
ベジータ「ううっ……!」
セル「笑えよベジータ」
ベジータ「ハッハッハ!」
セル「笑えよベジータ」
ベジータ「ハッハッハ!」
セル「泣けよベジータ」
ベジータ「ううっ……!」
セル「怒れよベジータ」
ベジータ「くそったれぇぇぇ!」
セル「笑えよベジータ」
ベジータ「ハッハッハ!」
セル「怒れよベジータ」
ベジータ「くそったれぇぇぇ!」
セル「泣けよベジータ」
ベジータ「ハッハッハ! ……あ」
セル「よしっ!」
セル「次は私の番だな」
ベジータ「ちっ、やられたぜ……」
ベジータ「笑えよセル」
セル「ハッハッハ!」
ベジータ「笑えよセル」
セル「ハッハッハ!」
ベジータ「泣けよセル」
セル「ううっ……!」
ベジータ「怒れよセル」
セル「ちくしょぉぉぉ!」
ベジータ「笑えよセル」
セル「ハッハッハ!」
ベジータ「笑えよセル」
セル「ハッハッハ!」
ベジータ「笑えよセル」
セル「ハッハッハ!」
ベジータ「怒れよセル」
セル「ううっ……!」
ベジータ「バカめ、怒れなのに泣きやがったな」ニヤッ
セル「し、しまった! 私としたことが……!」
ベジータ「次は俺だな」
セル「いいだろう」
クリリン「……」
クリリン「な、なぁ……あの二人はさっきから何をやってるんだ?」
トランクス「さぁ……」
クリリン「とりあえず、俺たちも行ってみるか」
トランクス「そうですね」
クリリン「お前たち、なにやってんだ?」
ベジータ「戦っていたら、偶然ちょっとしたゲームを思いついてな」
セル「どうだ、お前たちもやらんか。なかなか面白いぞ」
トランクス「一体どんなゲームなんです?」
ベジータ「なぁに、そこまで難しいもんじゃない……」
…………
……
トランクス「笑えよクリリン」
クリリン「ハッハッハ!」
トランクス「泣けよクリリン」
クリリン「くそぉぉぉ! ……あ!」
トランクス「よし! 間違えましたね、クリリンさん!」
クリリン「ちくしょう、やられた!」
ベジータ「二人とも、なかなかの上達ぶりだ」
セル「うむ、スジがいいぞ」
クリリン「ちょっと俺から提案があるんだけどさ」
ベジータ「なんだ」
クリリン「これもっとルールを明確にすれば、もっと楽しくなるんじゃないか? 大会とか開いてさ……」
トランクス「たしかに!」
セル「表情を変える側がミスをするまでの回数を競う、というのはどうだろう?」
クリリン「そりゃいいや! 勝ち負けが分かりやすい!」
ベジータ「クックック……面白いことになってきやがったぜ」
トランクス「ゲームの名前はどうします?」
クリリン「うーん……」
クリリン「ベジータたちが考えたゲームだし、“ベジータゲーム”か“セルゲーム”でいいんじゃないか?」
ベジータ「だったら、ベジータゲームだ!」
セル「だったら、セルゲームだ!」
ベジータ「……」
セル「……」
ベジータ「いいぞ……譲ってやる」
セル「え……いいのか?」
ベジータ「ああ……きっかけは貴様の『笑えよベジータ』だしな」
セル「だけど、完全体にしてもらったのに……ゲームの名前までもらっちゃっていいのかな……」
ベジータ「くどいぞ」
セル「あ、ありがとう!」
クリリン「“セルゲーム”に決まりだな!」
トランクス「さっそく、セルゲームを皆に広めて、大会を開きましょう!」
16号「俺も……参加していいか?」ヨロ…
セル「もちろんだ。選手は多ければ多いほど楽しくなる」
クリリン「じゃあ、俺がカプセルコーポレーションまで連れてってやるよ」
クリリン「だけど16号はロボットだから手強そうだな……」
トランクス「たしかに……」
ベジータ「ふん、機械だからって必ず勝てるほど、セルゲームは甘くないぜ」
テレビ局に向かうセル。
セル「おはよう、世界の諸君」
セル「今日は君たちに素晴らしい知らせを持ってきた」
セル「私はこのたび、とても楽しいゲームを思いついたので、皆で楽しむため紹介したいと思う」
セル「その名も……セルゲーム!」
セル「ルールは簡単だ」
セル「声をかける側は、『笑えよ』『怒れよ』『泣けよ』と、テンポよく相手に三つの指示をする」
セル「かけられた側は、指示通りの表情を作る。ミスをしたら交代だ」
セル「二人ともミスをしたらゲーム終了。“より多くの回数表情を変えられた者”が勝者となる」
セル「そしてこのたび……このセルゲームの大会を開くことにした!」
セル「大勢の参加を……待っているぞ!」ビシッ!
セルゲーム大会当日――
ワイワイ… ガヤガヤ…
クリリン「参加者の数、ものすごいな……」
トランクス「ええ、予想以上です。セルの宣伝がよほど効いたんでしょう」
クリリン「こりゃ、俺たち発案者もあっさり負けちゃうかもしれないな」
ベジータ「ふん、何人いようと関係ない。優勝するのはこの俺だ……」
17号「よう」
18号「クリリンだっけ? あんたも出るのかい」
クリリン「あれ、二人とも!? どうして……」
セル「参加者は多いほどいいのでな。特別に吐き出してやった」
セル「しかも、私は完全体をキープできている。“セルゲーム”のもたらした奇跡といえるだろう」
クリリン「ありがとう、セル……!」
一回戦――
ベジータ「いきなりカカロットと当たれるとは嬉しいぞ」
悟空「オラもだベジータ……絶対負けねえぞ!」
審判「ゲームスタート!」
ベジータ「まずは俺が指示を出す番だ」
ベジータ「怒れよカカロット」
悟空「ハッハッハ!」
審判「孫悟空選手、失敗です!」
悟空「い!?」
ベジータ(手応えがなさすぎる……!)
悟空「くっそぉ~、次はオラだ!」
悟空「笑えよベジータ」
ベジータ「ハッハッハ!」
悟空「怒れよベジータ!」
ベジータ「くそったれぇぇぇ!」
悟空「泣けよベジータ」
ベジータ「ううっ……!」
……
……
悟空「ひゃ~! 全然失敗しねえぞ!」
ベジータ「審判、もう俺の勝ちでいいだろう」
審判「ベジータ選手の勝利です!」
その後もベジータは勝ち進み――
ベジータ「まさかお前と当たれるとはな……」
トランクス「ボクは……父さんを超えてしまったんです」
ベジータ「ほう……やってみろ、トランクス!」
審判「ゲームスタート!」
……
……
ベジータ「笑えよトランクス」
トランクス「ハッハッハ!」
ベジータ「笑えよトランクス」
トランクス「ハッハッハ!」
ベジータ「笑えよトランクス」
トランクス「ハッハッハ!」
ベジータ「怒れよトランクス」
トランクス「ハッ……あ!」
ベジータ「連続笑えよ作戦、大成功だぜ」
審判「トランクス選手のミスまでの回数は38回! ベジータ選手を下回ったので、ベジータ選手の勝利です!」
準決勝――
ベジータ「ほう、貴様がここまで上がってくるとは、準々決勝ではあのでかい人造人間を破ったらしいな」
クリリン「戦闘じゃ勝ち目はないけど、このゲームは勝たせてもらう!」
……
……
クリリン「怒れよベジータ」
ベジータ「くそったれぇぇぇ!」
クリリン「泣けよベジータ」
ベジータ「くそった……ちっ、ミスったぜ!」
クリリン「だけど、俺の回数より遥かに上だ……さすがベジータだ……」
審判「ベジータ選手の勝利です!」
18号「クリリン……負けちゃったか……」
決勝戦――
ワァァァァ… ワァァァァ…
ベジータ「嬉しいぜセル……決勝で貴様と戦えるとはな」
セル「私もだ……完全体のパワーを発揮するに相応しい舞台だ」
ベジータ「行くぞ、セル!」
セル「来い、ベジータ!」
審判「ゲームスタートです!」
二人の戦いはハイレベルであった。
ベジータ「笑えよセル」
セル「ハッハッハ!」
ベジータ「泣けよセル」ニヤッ
セル「ううっ……!」
クリリン「い、今の見たかトランクス!?」
トランクス「はい……父さんは笑いながら『泣けよ』と指示を出した……」
クリリン「あれじゃ、思わず表情を変える側も釣られて笑っちまう。なんて高等テクニックだ……!」
トランクス「だけど、それに引っかからなかったセルもすごい……!」
常人には理解も及ばぬ、高度な駆け引きの数々――
ベジータ(セルをミスらせるのに、120回もかかっちまった……)
ベジータ(俺が優勝するには121回以上、指示をこなさねばならない……!)
セル「笑えよベジータ」
ベジータ「ハッハッハ!」
セル「怒れよベジータ」ニヤッ
ベジータ「くそったれぇぇぇ!」
セル「笑えよベジータ」ムスッ
ベジータ「ハッハッハ!」
……
……
そして――
セル「泣けよベジータ」
ベジータ「ハッ……いや、ううっ……! くそっ、間違えた!」
審判「ベジータ選手がミスをしたのは……133回目!」
審判「優勝はベジータ選手です!!!」
ワァァァァァ… ワァァァァァ…
クリリン「すげえや、ベジータ!」
トランクス「ボクは……父さんの息子であることを誇りに思いますよ」
司会「主催者のセル氏から、ベジータ選手にトロフィーが手渡されます!」
パチパチパチパチパチパチ…
セル「優勝おめでとう。できればこのトロフィーは自分で持ち帰りたかった」
ベジータ「フン……」
ベジータ「ちっ、俺としたことが、目から変なものが出てきやがるぜ」
セル「おいおい、せっかく優勝したんだから……笑えよベジータ」
END