ピシュンッ
パッ
悟空「ただいまー!」
ベジータ「下らん、なにが瞬間移動だ……超スピードでごまかしたにすぎん……」
悟空「これなーんだ?」
クリリン「武天老師様のサングラスだ!」
ヤムチャ「カメハウスはここから一万キロ以上はあるぞ!」
ベジータ「……ッ!」
元スレ
ベジータ「下らん、なにが瞬間移動だ……超スピードでごまかしたにすぎん……」悟空(なんでバレちまったんだ!?)
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1586950357/
ベジータ「ふん……超スピードでごまかしたにすぎん……!」
クリリン「いや、ちゃんとサングラスって証拠があるじゃないか」
ヤムチャ「そうだぜ! いくら悟空でも一瞬で二万キロ飛ぶのは無理だ!」
ブルマ「ったく、あんたは素直じゃないわねー!」
悟空「……」
悟空(なんでバレちまったんだ!?)
悟空(ヤードラットにたどり着いたオラは超能力を覚えようと修行したけど……)
悟空(結局、瞬間移動すら覚えることはできなかった……)
悟空(だけど、新技の一つも会得してないと情けねえと思ったオラは)
悟空(亀仙人のじっちゃんのとそっくりなサングラスをあり合わせの材料で作って)
悟空(みんなを驚かせることにした)
悟空(なのに、ベジータはオラのトリックを見破りやがった……!)
悟空(このまま生かしておくわけにはいかねえ……!)
悟空(超サイヤ人になったオラなら、ベジータを倒すことは簡単だろう)
悟空(だけど、オラも殺人犯にはなりたくねえし、できれば証拠の残らないようやりてえ)
悟空(となると、理想は毒殺だけど……オラ、毒に詳しくねえからなぁ)
悟空(……ん?)
悟空(そういや、オラも飲んだことのある毒があるじゃねえか!)
<カリン塔>
悟空「カリン様ーッ!」
カリン「おお、なんじゃ悟空」
悟空「オラが前飲んだ、なんとかって水まだあるか? すげえ苦しくなるやつ!」
カリン「超神水のことか? まだあるぞ」
悟空「それ、ちょっと分けてくんねえか? 飲ませたい奴がいるんだ」
カリン「おお、かまわんぞ」
悟空「サンキュー!」
<カプセルコーポレーション>
ブルマ「ベジータ、ご飯よー!」
ブルマ「修行は中断して、食べにいらっしゃいよー!」
悟空「……」コソッ
悟空(ベジータのメシはあれだな……量が多いから間違いねえ!)
悟空(よし、ここに超神水をふりかけっぞ!)シュッ
ブルマ「早く食べてよ、片付かないから」
ベジータ「ちっ……!」
ブルマ「じゃ、いただきまーす」
ベジータ「……」モグッ
悟空(食った!)
ベジータ「……」モグモグ
ベジータ「……ん?」
ベジータ「ぐっ!?」
ベジータ「ううっ……うううっ……!?」
ブルマ「どうしたの、ベジータ?」
悟空(やった! 作戦大成功! これでベジータはおしめえだ!)
ベジータ「……」
ベジータ「……」ケロッ
ブルマ「あれ? 今苦しんでなかった?」
ベジータ「別に……なんでもない」
悟空(ダメかぁ~)
悟空(よく考えたらガキの頃のオラでも耐えられた毒が、今さらベジータに効くはずもねえか……)
悟空(他の手を考えねえと……)
悟空(だったら次は精神攻撃だ!)
悟空(ベジータの奴、意外と精神的に弱いところがあっから)
悟空(悪口書いた手紙をいっぱい送れば、きっと心も体も弱っちまうぞ!)
カリカリカリカリカリ…
ブルマ「ベジータ、あんたに手紙がたくさん来てるわよ」
ベジータ「なんだと?」
ベジータ「……」
『バーカ』
『お前の父ちゃんでべそ!』
『このカッペ野郎!』
ベジータ「……下らん」グシャグシャ
悟空(ひゃ~! 全然効かねえぞ! 徹夜して書いたのによ!)
悟空(だったら……最後の手段だ)
悟空(寝てるベジータの顔に濡れタオル! これしかねえ!)
悟空(気を消して……)
ベジータ「すぅ、すぅ……」
悟空(よしよし、ぐっすり眠ってるぞ!)
悟空(今だ!)
ベチャッ
ベジータ「……」
ベジータ「……!?」
ベジータ「もが……! もご……!」
悟空(わりぃなベジータ……このままくたばってくれえ!)ギュッ…
ベジータ「ぐ、ぐお……!」
悟空「!?」
ベジータ「うぐ、むむ、ぐぐぐ……!」
悟空(やべえ、結構力つええぞ! 見くびってた!)
悟空(だけど界王拳や超サイヤ人になったら、目立っちまう……!)
ベジータ「むぐぐぐ……! うぐぐぐーっ!」
悟空「ダメだ! タオルがやぶけちまう!」
ベリィッ!
ベジータ「がはぁっ!」
ベジータ「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
悟空「しまった……!」
ベジータ「カカロット……!? 貴様、なんでこんなところに……」
悟空「えぇと、あの、その……」
ベジータ「俺との決着をつけにきた……ってわけじゃなさそうだな」
ベジータ「なぜ、俺の命を狙った!?」
悟空「じ、実はよ……」
……
ベジータ「……なんだと!? 貴様、本当に超スピードでごまかしてたのか!」
悟空「すまねえ……!」
悟空「だからオラは、真相を知ってしまったおめえを消そうと……」
悟空「こうなった以上、オラはみんなに全てを告白する! 本当にすまねえ!」
ベジータ「……」
ベジータ「だらしないことをいうな、カカロット!」
悟空「え……!?」
ベジータ「貴様は単なる言い伝えだとばかり思っていた超サイヤ人になり」
ベジータ「誰も逆らえなかったあのフリーザをも打ち倒した……」
ベジータ「ようするに、貴様にはウソを真実にする力がある……」
悟空「ベジータ……」
ベジータ「瞬間移動ができるとウソをついたのなら、謝るのではなくできるようになればいいだろう!」
ベジータ「今からヤードラットに飛ぶぞ!」
悟空「い!?」
悟空「今からって、夜中なのに……」
ベジータ「黙れ! ついてこい!」
悟空「……というわけでよ、もう一回修行させてくれ!」
ベジータ「ついでに俺も頼む」
ヤードラット人「うむ……分かった」
ヤードラット人「ではさっそく修行を始めよう」
――――
――
悟空「やったぞ、今度こそ瞬間移動を会得できた!」
ベジータ「俺もだ!」
悟空「よーし、色んなところに瞬間移動しまくってみっぞ!」
ベジータ「負けんぞ、カカロット!」
ピシュンッ ピシュンッ
悟空「よう、クリリン!」ピシュンッ
クリリン「わわっ!?」
ベジータ「ほう、こんなところで修行しているとはな」ピシュンッ
天津飯「ベジータ!?」
悟空「ヤムチャ、えらいべっぴんとデートしてんだな」ピシュンッ
ヤムチャ「悟空!?」
ベジータ「カカロットのガキの写真など見て、なにしてるんだ」ピシュンッ
ピッコロ「た、頼む! このことは内緒に……!」
悟空「あ~、楽しかった」
ベジータ「気を感じたところにしか行けないが、なかなか便利な術だな、こいつは」
悟空「じゃ、そろそろ帰るか!」
悟空「オラはチチ、おめえはブルマの気を探れば帰れるだろ」
ベジータ「ちっ、あの女の気は探りづらい……」
ピシュンッ ピシュンッ
パッ
チチ「悟空さ、オラが風呂入ってるとこになんでやってきたんだ!?」
悟空「い!?」
パッ
ブルマ「ちょっとベジータ! あたしがシャワーが浴びてる時に入ってくるなんて!」
ベジータ「な……!?」
チチ「悟空さったら……オラのこと抱きてえなら、そういってくれればいいのに……」
悟空「ちょっと待ってくれ! オラ宇宙行ってきたばかりで疲れてて……」
ブルマ「ったく、あたしに迫りたいならハッキリそう言いなさいよ! 情けないわね!」
ベジータ「よ、よせっ……! 俺はそんなつもりじゃ……!」
うわぁぁぁぁぁ……!!!
悟空「よう、ベジータ……」ゲッソリ
ベジータ「カカロットか……」ゲッソリ
悟空「瞬間移動は程々にしとこうな……」
ベジータ「そうだな……」
END