ネイル「はあっ!」
グゴゴゴゴゴ…
フリーザ「ほう、これはすごい! 戦闘力が42000まで上がりましたよ」
フリーザ「ではこれからあなたが戦おうとしているこの私の戦闘力数をお教えしましょうか」
ネイル「いくつだ!」
フリーザ「私の戦闘力は53000です」
フリーザ「もちろんフルパワーで戦う気はありませんからご心配なく……」
ネイル「くっ!」
ネイル(一万以上も差があるというのか……!)
元スレ
フリーザ「私の戦闘力は53000です。もちろんフルパワーで戦う気はありませんからご心配なく……」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1583511801/
フリーザ「あなたには……そうですねえ。80%のパワーで十分でしょう」
フリーザ「53000の80%……さて、いくつですか?」
ネイル「42400だ」
フリーザ「その通り! さすがはナメック星人、暗算もお得意なのですね」
ネイル「……」ニヤッ
フリーザ「ですが、その頭脳ならば、この戦いがいかに無謀なものかお分かりでしょう?」
ネイル「ああ……分かってる」
ネイル(私は42000で、フリーザは42400……あまりにも絶望的な戦いだ)
ネイル(だが、殺されたナメック星人のためにも、最長老様のためにも)
ネイル「私は負けるわけにはいかんのだ!」ボウッ!
ギャウッ!
フリーザに突進するネイル。
ドガァッ!
渾身のパンチはガードされてしまう。
フリーザ「さすがにやりますね……」ミシッ…
ズガガガッ! ドガッ! バキッ! ドゴッ!
凄まじいスピードで攻防が繰り広げられる。
バキィッ!
ネイル「ぐっ!」
ドゴッ!
フリーザ「ぐほっ!」
ネイル「く、くそっ……!」
フリーザ「ふふふ、やはり42400の私の方が上のようですね」
フリーザ「そうだ! 私はこの左手だけで戦ってあげましょう」
フリーザ「少しぐらいは楽しめるかもしれませんよ」
ネイル「ちっ……! ほざけーっ!」
バキィッ!
ネイルのチョップが炸裂。
フリーザ「ぐえっ!?」
ネイル「だあああっ!」
ドドドドッ!
ドゴォッ!
フリーザ(ふ、防げない! なぜたかが42000の攻撃を防げないんだ!?)
ネイル「でやっ!」
バキィッ!
フリーザ「ぐはっ……!」
フリーザ「があっ!」
バキィッ!
右手で殴るフリーザ。
ネイル「左手だけで戦うんじゃなかったのか?」
フリーザ「サービス期間は終わったんですよ……」
フリーザ「サービス終了ついでに、こうなれば90%の力で戦ってあげましょう」
ネイル「なにっ!?」
フリーザ「53000の90%……いくつでしょう?」
ネイル「47700だ」
フリーザ「その通り!」
ネイル「……」ニヤッ
フリーザ「つまり、あなたとの差は5700になってしまったのです」
ネイル「5700……!」
あまりに絶望的な差に、冷や汗をかくネイル。
フリーザ「さあ、いきますよ」ギュンッ!
ドゴォッ!
ネイル「ぐっ!」
ガキィッ!
ネイル「がはっ!」
立て続けに攻撃がヒット。
ネイル(これが……47700の攻撃……!)
フリーザの回し蹴りが命中する。
ドゴォンッ!
ネイル「ぐはぁぁぁっ!」ドガッ
崖に叩きつけられるネイル。
フリーザ「ほっほっほ、さすがに今のは効いたでしょう」
フリーザ「なにしろ私の戦闘力は47700、あなたのおよそ1.14倍もあるのですから……」
ネイル「くっ……!」
ネイルは思い出す。
平和に暮らしていたナメック星人のことを……。
大恩ある最長老のことを……。
自分を慕ってくれているデンデのことを……。
ネイル「……!」
ネイル「負けられん!」
ネイル「はあああああああっ!!!」
ボウッ!!!
フリーザ「なにっ!?」
ネイル「……」シュインシュインシュイン
フリーザ「な、なんだと……!?」
ネイル「どうやらお前たちへの怒りが、私をパワーアップさせたようだ」
ネイル「さっきまでのパワーのおよそ1.2倍になっている」
フリーザ「つまり、42000の1.2倍で50400!?」
ネイル「正解だ。貴様こそ暗算はなかなかのものだ」
フリーザ「……」ニヤッ
ネイル「いくぞっ!」ギュンッ!
バキィッ!
肘がフリーザの顔面にめり込んだ。
フリーザ「ぐはっ!」
ズドドドドッ! ドゴォッ! バキィッ!
一転、追い詰められるフリーザ。
フリーザ「ぐうっ……!」
フリーザ「いいでしょう……」
フリーザ「こうなったらフルパワーをお見せするしかありませんね!」
フリーザ「はあああああああああ……!」
フリーザ「ああああああああああああ……!」
グゴゴゴゴゴゴ…
フリーザ「お待たせしました……これが私のフルパワーです」
ネイル「ぐっ……!」
ネイル「今の私の数値は50400、対してフリーザは53000……」
ネイル「その差は2600! フリーザの方が1.05倍も強い……!」
ネイル「だが、負けるわけにはいかん!」キッ
フリーザ「ほっほっほ、かかってきなさい!」
ネイル「はああああっ!」
ドガァッ!
ドガガッ! バキッ! ドゴッ!
フリーザ「でやぁっ!」
バキィッ!
ネイル「だりゃあっ!」
ドガッ!
単純な戦闘力ではフリーザが上だが、ネイルもナメック星人としての意地で食い下がる。
ピシュンッ ドガガガッ! ピシュンッ ズガァッ! ピシュンッ ドゴォッ!
二人の戦いは長引き、大接戦になっていった。
いつしか――
悟空「おおっ、いい戦いしてるじゃねえか!」
悟飯「フリーザをやっつけろーっ!」
クリリン「意地と意地のぶつかり合いだ……!」
ベジータ「ふん、なかなか見ごたえがありやがるぜ」
ギニュー「フリーザ様、もうひと押しです!」
デンデ「ネイルさん、ファイトー!」
フリーザ「おやおや……いつの間にかギャラリーが出来ていますね」
フリーザ「ではそろそろ決めましょうか……どちらが宇宙一か!」ボウッ!
ネイル「ああ!」ボウッ!
フリーザ「ひゃっ!」
ネイル「はあっ!」
ボウッ!!!
ズゴゴゴゴゴゴゴ…
エネルギー波の撃ち合い。
拮抗し、これでは決着がつきそうにない。
フリーザ「きええええっ!」バッ
ネイル「だああああっ!」バッ
エネルギー波勝負を止め、二人は互いに蹴りを繰り出した。
バキィッ!
互いの蹴りが顔面にヒットし、二人とも地面に落ちる。
ドササッ…
悟空(これは……あの時とそっくりだ!)
悟飯「立ってーっ!」
クリリン「頑張れーっ!」
ネイル「ぐぐぐ……!」
ギニュー「フリーザ様、立って下さい!」
フリーザ「ぎぎぎ……!」
ベジータ「先に立ち上がった方が……勝者だ!」
勝手にルールを決めるベジータ。
立ち上がったのは――
ネイル「うおおおおっ!」ガバッ
ネイルだった。
フリーザ「くっ……!」
ネイル「私の勝ちだな」
フリーザ「なぜだ! なぜ、宇宙の帝王である私が……!」
悟空「おめえの方が背が低くて、足が短いからキックが深く決まらなかったんだ」
フリーザ「そういうことか……!」
ネイル「フリーザ……」
フリーザ「今さら足掻くつもりはありません。殺しなさい……」
ネイル「……」サッ
ネイル「立て、フリーザ」
フリーザ「なぜ……!」
ネイル「私たちはもう……戦友(とも)だろう?」
フリーザ「ネイルさん……!」
ガシィッ!
フリーザの手を掴み、起き上がらせるネイル。
フリーザ「しかし、私はこれまで大勢の罪のない者たちを殺しました……滅びるべきなのです!」
最長老「ご安心なさい」
ネイル「最長老様!? ここまで歩いてこられたのですか!?」
最長老「お二人の戦いを感じ取るうち、二人の熱気にあてられ、私もみるみる元気になりましてね」
最長老「多少、寿命が延びたようです」
悟空「ひゃ~! すげえや!」
悟飯「やったぁ!」
ベジータ「ふん……」ニヤッ
最長老「私がドラゴンボールをパワーアップさせます」
最長老「そうすれば、あなたが今までに殺した人々も蘇るでしょう」
フリーザ「ホントですか!」
悟空「よかったな、フリーザ!」
フリーザ「ええ……」グスッ
ギニュー「よろしければ、私が喜びのダンスを踊りましょうか!」
フリーザ「それはまた次の機会に……」
最長老「では参りましょうか。ドラゴンボールをパワーアップしましょう!」ザッ
フリーザ「はいっ!」
ネイル(最長老様が復活されて、本当によかった……!)
ドラゴンボール 復活のS
― 完 ―