6 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 00:29:32.46 7tuZdUmDO 1/25

「めちゃくちゃ可愛いよな?」

「何ですか藪から棒に……」

「だってこんな風に私たちが暇して突然唯の家に遊びに来ただけなのに、『何もお出しするものがないから』って言って走って買いに行っちゃうんだぜ?」

「健気だよなあ……別に気にしなくていいのに」

「ケーキとかは持って来たんだけどね……憂ちゃんは本当にいい子だわぁ」

「私たちが自分で行くって言ったのに頑として聞かなかったわね」

「そんなとこも可愛いんじゃないか」


元スレ
律「憂ちゃんってさ」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1302017241/

9 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 00:30:41.81 7tuZdUmDO 2/25

「うんうん、憂はすっごく可愛くていい子だよね~♪」

「本当に唯先輩の妹とは思えないくらい気が利きますよね」

「あずにゃんひどい……」ウルウル

「じ、冗談ですよ……もう」

「あ~、憂ちゃんみたいな妹欲しい~!というか憂ちゃん欲しい~っ!」

「いくらりっちゃんと言えど、憂はあげられません!」フンス!

「律には弟がいるじゃないか」

「あんなのより可愛くて健気な妹がいい」

「まあまありっちゃん、弟さんが可哀相よ?」


16 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 00:34:47.95 7tuZdUmDO 3/25

「でも憂みたいな妹がいたら幸せでしょうね……」

「でへへ」

「唯先輩は憂のお姉ちゃんというより妹って感じですけどね」

「あずにゃんさっきから何気にひどいよ……?」

「気のせいです」

「そういえばこの前……」


22 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 00:37:39.17 7tuZdUmDO 4/25

……

「はあ、今日もあまり練習出来なかったな……ったく、律の奴」テクテク

「ん?」

「……」

「……」

「あれは和と憂ちゃん?何やってんだろ、こんなとこで」コソッ

(そして何故私は隠れたのだろう)

「和さん、よかったら買い物に付き合ってくれませんか?」

「ん……そうね、買いたいものもあるし別にいいわよ」


24 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 00:40:06.96 7tuZdUmDO 5/25

「ありがとうございますっ!」

「でも、その敬語口調はやめない?誰も見ていないんだし」

(ごめんなさい)

「えっと……そうだね。じゃあ行こ、和ちゃんっ」

「うん、やっぱりそっちの方がいいわ」ニコッ

「和ちゃ~ん♪」ギュッ

「だ、抱きついていいとは言ってないんだけど」

「えへへ……」スリスリ

「……もう、姉妹揃って甘えん坊なんだから」ナデナデ


29 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 00:42:24.08 7tuZdUmDO 6/25

……

「……ということがあった」

「み、見られてたの……///」

「おいおい、和のほうがずっとお姉ちゃんしてるんじゃないか?」

「ぐさっ」

「甘える憂ちゃん……私も見たかったわ……」ショボン

「さぞかし可愛いんでしょうね」

「すごく可愛いわよ?普段はしっかりしてるから余計にね」

「おおう、和の口からそんな言葉が出るとは」

「むう~、和ちゃ~ん!私も……」ガバッ

「離れなさい」グイー

「あぅ、和ちゃんが冷たいよ……」


34 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 00:45:12.46 7tuZdUmDO 7/25

「いや、でも本当に可愛かったよ憂ちゃん。あれを引き出せるとはさすが和」

「まあ……幼なじみだからね」

「小さい頃の憂ちゃんってどんな子だったの?」

「おっ、それは私も気になる!」

「……唯がいるのに、それをわざわざ私に聞くの?」

「そうだよ、私が教えてあげるよ!」フンス!

「いや……」

「こういう話は、和から聞いた方が的確な予感が……」

「唯ちゃんからはまた今度聞かせてもらって……」

「」シクシク

「唯先輩、泣かないで下さい」ナデナデ


37 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 00:48:18.35 7tuZdUmDO 8/25

「あずにゃん……慰めてくれるの?」

「そろそろ可哀想になってきたので」

「あ、あじゅにゃああああっ!」ガバッ

「うわっ!?だ、抱きつかないで下さいっ!///」ドタバタ

「……ま、外野は放っておいて話してくれ」

「じゃあ話すけど……憂は昔はけっこう人見知りがちな子だったわ」

「えっ、そうなんだ」

「意外……かな?」

「唯にいつもべったりで、私が最初に会った時も……」


42 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 00:51:53.40 7tuZdUmDO 9/25

……

のどか「ゆいちゃん、その子だーれ?」

ゆい「私の妹のういだよー。ほらうい、この子が私のともだちののどかちゃん!」

うい「……ぁ」ササッ

のどか「……なんでゆいちゃんの後ろにかくれてるの?」

ゆい「もう、ダメだようい~。ちゃんとあいさつしないと、ほらっ」

うい「ひゃっ!あ、あの……ひらさわ……うぃです……」ビクビク

のどか「そんなに怯えないでいいよ、ういちゃん。よろしくね」

うい「……」オドオド


47 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 00:55:28.02 7tuZdUmDO 10/25

ゆい「ういー、へんじへんじ!」

うい「う、うん。のどかちゃ……よろしく……」

ゆい「こえ小さい……」

のどか「いいよゆいちゃん。それより、せっかくだから三人であそぼうよ」

ゆい「うんっ、そうだね!」タタッ

うい「あっ!お、おねえちゃんまって……」モタモタ

のどか「ういちゃん、行こう?」ギュッ

うい「あ……。う、うんっ」ニコッ


51 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 00:59:18.39 7tuZdUmDO 11/25

……

「こんな感じだったわね」

「マジか……憂ちゃん可愛すぎだろ……」ゴクリ

「人見知りって割には和とはすぐ仲良くなったんだな」

「同じ人見知りでも、澪なんかは私とさえ仲良くなるのに時間かかったのになー」

「それはお前が変なちょっかいかけて来たからだろ!」

「きっと和ちゃんだからすぐに信頼出来たのね……」

「まあ和は唯も吸い寄せたらしいからな」

「ほえ?」

「でも憂の人見知りは比較的すぐに治ったのよね。唯があちこち引っ張り回してたし」

「唯先輩みたいな人がすぐ近くにいたら、人見知りなんかやってられなさそうですもんね」

「えへへ、誉められてるんだよね?」

「小さい頃の憂ちゃんいい子エピソードとかないのか?」

「いい子エピソードって……。そうねえ……」


53 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:01:49.33 7tuZdUmDO 12/25

……

ゆい「のどかちゃんいらっしゃーい!上がって上がってー」

のどか「おじゃまします」

うい「あ、のどかちゃんだ~♪」トテトテ

のどか「こんにちは、ういちゃん」

うい「こんにちは、のどかちゃん!」

ゆい「うい、お姉ちゃんたちは今から学校のしゅくだいをやるから、おわったら遊ぼうね!」

うい「しゅくだい……。うん、わかった!」タタッ

のどか「ういちゃんまた後でね~」

ゆい「じゃあわたしのへや行こっか」

のどか「ゆいちゃんお部屋もらったんだ、いいなあ」


54 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:06:22.92 7tuZdUmDO 13/25

ゆい「えへへ、いいでしょー。ここだよー」

のどか「わあ……」

ゆい「よし、じゃあしゅくだいやろっか!」

のどか「ゆいちゃんやる気だねー」

ゆい「早くおわって遊びたいからね!」フンス

のどか「じゃあ算数から……」

ガチャーンッ

ゆい「!?な、なんの音?」

のどか「廊下から……ういちゃんっ!?」

うい「ひっく、ひっく……」ビショ…


56 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:07:42.51 7tuZdUmDO 14/25

ゆい「うい、どうしたの!?」ワタワタ

うい「ぐす……お姉ちゃんたちにジュースとお菓子をもってきたんだけど……おとしちゃった……ごめんなさぃ……」

ゆい「けがはない!?大丈夫!?」ワタワタ

のどか「ゆいちゃんも落ち着いて。ほらういちゃん、立てる?」

うい「うん……」

のどか「ういちゃんの気持ちはうれしいけど、一人で危ないことしちゃめっ、だよ。ういちゃんがもしケガしちゃったら、私もゆいちゃんも泣いちゃうよ」

うい「うん……ごめんね」

のどか「とりあえずきがえを……ゆいちゃん、持って来てくれる?」

ゆい「う、うんっ」タタッ

のどか「ういちゃん、今度は私も手伝うから、一緒にやってみようよ。二人でやれば大丈夫!」

うい「……うんっ!」


58 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:10:07.36 7tuZdUmDO 15/25

……

「健気だな憂ちゃん……」ホロリ

「和ちゃんも憂ちゃんも唯ちゃんもすっごくいい子ね……」

「ちなみに一週間後には一人で出来るようになったわ。唯たちのお母さんにも協力してもらってね」

「頑張りやだなあ」

「憂は小さい頃からすごく気が利く子だったんですね」

「そういえばさ、クラスでの憂はどんな感じなの?」

「えっ?」

「おっ、そっちも興味あるな」

「私たちは一つ上だもんね。梓ちゃん、教えてくれる?」


59 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:13:11.78 7tuZdUmDO 16/25

「クラスでの憂ですか……まあ基本的に唯先輩の話をしてますね」

「本当に仲良いんだな」

「愛されてるわね、唯ちゃん!」

「えへへ」

「あとはそうですね、やっぱりクラスの皆から信頼されてます」

「おお~、さすが憂ちゃん」

「憂は本当に細かいとこに気がつきますし、さり気なく皆をフォローしてくれてますからね。それに誰にでも優しいから影の人気者ですよ」

「なるほど……憂ちゃんらしい」

「この前も具合が悪いことを言い出せなかった子を保健室に連れて行ったり、先生に難しい問題を当てられて泣きそうになってた子を助けてあげたり……」

「私その話は聞いてないなあ」

「憂にとっては当たり前のことだろうし、自分の善行を言いふらすような子じゃないのよ」


61 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:18:09.42 7tuZdUmDO 17/25

「まあとにかく、憂は本当にいい子ですよ」

「だよな~」

「そうだ、憂が帰ってきたらいい子いい子してあげよう!」

「ゆ、唯ちゃん!私も参加してよかですか!?」

「落ち着けムギ」

「……それにしても、憂遅いわね?」

「美味しい紅茶を見つけたから買いに行くって言ってましたよね」

「あっ!紅茶といえばこの前……」


63 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:21:53.45 7tuZdUmDO 18/25

……

「あ、あのっ」

「あら憂ちゃん。どうしたの?」

「不躾で申し訳ないんですけど……。紬さん、私に紅茶の美味しい淹れ方を教えてくれませんか?」

「紅茶の淹れ方……?」

「はいっ。お姉ちゃんがいつも紬さんの淹れた紅茶はすごく美味しいって誉めてて……」

「あら嬉しい♪」

「それで何かコツとかあったら私にも教えていただけないかと……」


68 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:27:07.59 7tuZdUmDO 19/25

「……」

「だ、ダメですか……?」

「ふふっ、ダメなわけないじゃない。唯ちゃんに喜んでもらいたいんでしょ?僭越ながら協力させてもらうわ」

「わあっ、ありがとうございます!」ペコッ

「気にしないで、でもその代わり……」

「?」

「……憂ちゃんの淹れた紅茶、私にも飲ませてね?」

「はいっ、もちろん!」


71 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:32:31.00 7tuZdUmDO 20/25

……

「その後いろいろと教えて……週末に唯ちゃんの家に招待されたの♪憂ちゃんの紅茶と手作りのクッキー……美味しかったわ~」

「ああっ!ムギ、なんて羨ましいことを!」

「あのお茶会にはそんな意味が……」

「知らなかったんですか」

「憂ちゃん本当に頑張り屋だなあ。私もムギのテクニックを加えた憂ちゃんの紅茶飲んでみたい」

「これから振る舞ってくれるんじゃないかしら?」

「おおっ、そっか!こりゃますます楽しみだな!」


74 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:37:22.12 7tuZdUmDO 21/25

「でも憂、なかなか帰って来ませんね」

「う~ん……よし!私ちょっと見てくるよ!」

「おう、頼んだぞ唯!」

ガチャッ

「あっ……!?」ビクッ

「あれ、憂いたの?」

「おかえり。今帰って来たの?」

「え、えっと……その……///」


79 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:41:35.51 7tuZdUmDO 22/25

「何で憂ちゃん顔真っ赤に……って」

(もしかして……)

(これは……)

「憂ちゃん……もしかして、聞いてた?」

「……///」コクッ

「あちゃ~……」

(こ、これはちょっと気まずいわね……)

(憂、恥ずかしいだろうなあ)


80 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:44:16.52 7tuZdUmDO 23/25

「憂!」

「な、なに……?」

「いい子いい子♪」ナデナデ

(この雰囲気であれをやるとは……!さすが唯っ!)

(よし、このまま一気に空気を打開して……!)

「あ、あのっ!」

「憂?どうしたの?」

「えっと……私なんかより、皆さんのほうがずっと優しくて、そのっ、可愛いです!」


82 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:47:43.44 7tuZdUmDO 24/25

「お姉ちゃんはいつもあったかくて、笑顔をくれるし!」

「えへへ///」

「和ちゃんは私にいろんなことを教えてくれて、頼りになるし……!」

「ふふっ」

「律さんはいつも明るくて、周りの雰囲気まで楽しくしてくれますし……!」

「おおう」

「澪さんは本当に格好良くて、でも怖がりなとことか可愛いですし……!」

「う……///」

「紬さんはすごく綺麗で、皆を気遣える大人の女性って感じで……!」

「あらあら♪」

「梓ちゃんは可愛くて、いつも皆のことを大切に思ってる優しい子で……!」

「う、憂……///」


88 : 以下、名... - 2011/04/06(水) 01:52:25.93 7tuZdUmDO 25/25

「と、とにかくっ!私より皆さんの方が魅力的でっ!私は皆さんに憧れてて、そのっ」アセアセ

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……なあ、憂ちゃんってさ」

全員(すっごく、可愛いね!!!)

「あぅ……///」


おしまい


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