キョン「……暇だな」
キョン「新年早々ハルヒのヤツが風邪引いたせいで全然遊んでないからな」
キョン「煩わしいと思ってた団活もないとなると寂しいもんだ」
キョン「……」
キョン「せっかくの冬休みをこうやってダラダラ過ごすのもなんだな」
キョン「谷口と国木田でも誘ってどこか行くか」
元スレ
佐々木「君から誘われるなんて僕は嬉しいよ」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1294428004/
キョン「…あーそうかい、わかった。んじゃ、また今度な」
キョン「…はぁ」ピッ
キョン「二人ともダメか」
キョン「…どーすっかな、他に遊べるヤツなんていないしな」
キョン「…もしかして俺は友達が少ないのか?」
キョン「あ、そうだ」
─────
佐々木「やぁ」
キョン「よう」
佐々木「くっくっ。珍しいね。君から遊びに誘ってくれるなんて」
キョン「悪いな、いきなり」
佐々木「いいんだよ。むしろ嬉しいさ。でも、どうしたんだい急に? 僕と遊びたいだなんて」
キョン「ああ、遊ぶヤツ誰もいなくて暇だったからさ」
佐々木「……」
佐々木「…ま、まぁいいや。キョンと遊べるならなんでもいいよ」
佐々木「今日はSOS団の活動はいいのかい」
キョン「それがハルヒのヤツが風邪引いたせいでずっと集まってなくてな。年越してからほとんどどこにも行ってないんだよ」
佐々木「ふーん」
キョン「おまえは?」
佐々木「ぼ、僕かい? 僕は…まぁ、それなりに友達と…遊んだりしてるよ」
キョン「そうか」
佐々木「はは…」
佐々木「じゃあ、今日はどうしようか。何かプランはあるのかな」
キョン「いや、何も考えてない」
佐々木「……」
キョン「佐々木はどこか行きたいとことかあるか?」
佐々木「え? そ、そうだね。えーっと、その、いきなり言われても…」
キョン「うーむ。そうだな……あ、じゃあ初詣行っていいか? 俺まだ行ってないんだ」
佐々木「ああ、いいね。そうしようか。僕もまだ行ってないし」
キョン「ん? おまえ、友達と遊んだ時行かなかったのか」
佐々木「えっ!?」
佐々木「あ…う、うん。初詣は行かなかったんだ…普通に遊んだだけで」
キョン「ふーん、そっか」
佐々木「はは…」
キョン「じゃあまぁ丁度いいか。んじゃ、行くとするか」
佐々木「うんっ」
ガヤガヤ
キョン「おー、もう7日だってのにまだ結構人いるな」
佐々木「ホントだねぇ」
キョン「と…っとと、うわ危ねぇ。階段滑るぞ、気をつけろよ」
佐々木「はは、君じゃないんだから転んだりしないよ…わきゃあ!?」ズルッ
キョン「わっ、馬鹿…」
佐々木「い…たたた…」
キョン「今言ったばかりじゃねえか。大丈夫か?」
佐々木(情けない…)
キョン「着いた着いた。さーてと、今年はいくら入れるかな。金ないし10円でいいか…」
佐々木「あ、キョン。10円玉はやめておいた方がいいよ」
キョン「え、なんで?」
佐々木「10円は遠縁って言ってね。円を遠ざけちゃうんだ。あと100円とか1000円もやめておいた方がいいかな」
佐々木「それなら5円とか50円にしておいた方がいいよ。御縁があるからね」
キョン「へー…よく知ってんなぁそんなこと。じゃあしょうがない50円入れるか」
佐々木「僕は500円いっちゃおうかな」
キョン「おー。豪気だなおまえ」
佐々木「ふふふ」
パンパン
佐々木「……」
キョン「……」
佐々木「……」グヌヌ…
佐々木「ぶはあっ」
キョン「ふーっ」
佐々木「はぁ、はぁっ」
キョン「…どんだけ力込めてるんだよ…」
佐々木「…キョン、君は何をお願いしたんだい?」
キョン「え? あー、まぁ…平和な毎日が続きますようにってな」
佐々木「……ふーん」
キョン「神様が実在するってわかったし、結構切実にな」
キョン「佐々木は?」
佐々木「僕かい? 僕は…ふふふ。まぁ、月並みだけど、秘密と言っておこうかな」
キョン「なんだそりゃ」
佐々木「……」
佐々木「…あ」
キョン「お、佐々木佐々木。タコ焼きがあるぞ。旨そうだな。食いたくないか?」
佐々木「え? あ、うん。食べたいな」
キョン「よし、んじゃ…」
佐々木「キョン、お金は後で払うからちょっと僕の分も買っておいてくれないかな?」
キョン「は? あ、おい、どこ行くんだよ」
佐々木「すぐ戻ってくるよ」タカタカ
キョン「?」
キョン「……」
キョン「……お」
佐々木「おまたせ」
キョン「おう。ほれ、おまえの分。どこ行ってたんだ?」
佐々木「ん、ちょっとね。はいキョン。これあげるよ」
キョン「? 何だこれ」
佐々木「ストラップだよ。この神社限定の」
キョン「え…もしかしておまえ、これ買いに行ってたのか?」
佐々木「えっと…まぁ、ね」
キョン「そ、そうか。サンキュー。いくらだった? 金…」
佐々木「あ、お金はいいんだよ。僕が勝手に買ってきたものだから」
キョン「いいのか?」
佐々木「うん。でも、その代わりといっちゃなんだけど……今つけてくれないかな、ソレ」
キョン「え」
佐々木「お願いだよキョン。ほらほら」
キョン「わ、わかったよ……これでいいか?」ジャラ
佐々木「うん。…ふふふ。ありがとうキョン」
キョン「? なんなんだ」
─────
キョン「…はー。遊んだ遊んだ。もう8時か。早いなー」
佐々木「うん。ホントに…時間経つのが早いね」
キョン「んじゃ、そろそろ帰るとするか」
佐々木「えっ? も、もう?」
キョン「えっ、て。俺はいいけど、佐々木はあんまり遅くなったら親が心配するだろ?」
佐々木「……」
佐々木「…そうだね。じゃあ今日はこれくらいにして帰るとしようか」
キョン「おう」
キョン「んじゃ、またな」
佐々木「うん…あ、キョン」
キョン「どうした?」
佐々木「あの…今度は僕から誘ってもいいかな。その…遊びに」
キョン「? ああ。当たり前だろ。暇な時ならいつでもいいぞ」
佐々木「…ふふ。そう。よかった」
佐々木「じゃあまたね、キョン。今日は本当に楽しかったよ。じゃあね」
キョン「おう」
─────
ハルヒ「いやーみんな! 悪かったわね年始は団活できなくって。でもこれからその分取り戻すために遊びまくるわよ!」
キョン「ほどほどにしといてくれ」
ハルヒ「何言ってんのよキョ……」
ハルヒ「…ちょ、ちょっとキョン、このストラップどうしたの?」
キョン「ん?」
みくる「え?」
古泉「おや」
長門「……」
キョン「何って…普通のストラップだが」
ハルヒ「……」
キョン「ど、どうした?」
ハルヒ「…別に。なんでもないわよ」
プルルルル
古泉「はい…え? あ、そうですか…」
古泉「…申し訳ありません涼宮さん。ちょっと緊急の用事が入ってしまったもので、僕は今日はこれで…」
ハルヒ「あ、ちょっと古泉君!」
バタン
ハルヒ「…何よ、せっかく私が復活したっていうのに…あーなんか頭きた。今日はもうこれでお終い! 解散!」
バタン
キョン「……なんなんだ」
みくる「キョン君…そのストラップ、どうしたんですかぁ?」
キョン「え? こ、このストラップなんかそんなに問題あるんですか?」
みくる「えっとそのぉ…」
みくる「それ、たしか縁結びのペアストラップで……」
みくる「恋人同士が一つずつつけるものなんですよぉ…」
キョン「え」
終
34 : 以下、名... - 2011/01/08(土) 06:37:23.20 fHusWc8mP 20/38しまったおみくじ引くの忘れてた
佐々木「キョン」
キョン「わっ!? さ、佐々木。どうしたいきなり」
佐々木「あの……この前神社行った時、おみくじ引いてなかったよね」
キョン「は? あー、そういえば引いてないな。忘れてた」
佐々木「ごめん、よかったらもう一度付き合ってくれないかな。どうしても引きたいんだ」
キョン「え、えぇ? べ、別にいいけど」
ガヤガヤ
キョン「また来てしまった」
佐々木「ごめんねキョン」
キョン「いや、いいさ。俺も引きたかったし。やっぱりおみくじ引かないと一年の始まりって気がしないからな」
佐々木「そう言ってくれると助かるよ」
キョン「んじゃ、行くか。今度は転ぶなよ」
佐々木「うん」
キョン「……」
キョン「…あ、あー。そういえばだな、佐々木…」
佐々木「なんだい?」
キョン「その…このストラップのことなんだが…」
佐々木「ん?」
キョン「いや……このストラップ…」
佐々木「なんだい?」
キョン「……あの…この…ス……」
佐々木「ん?」
キョン「……いや、なんでもない」
佐々木「くっくっ。変なキョンだね」
キョン「…さてと。じゃ、引くとするか」
佐々木「うん。わざわざこのために来たわけだからね」
キョン「ほっ。…どれどれ」
キョン「…吉、か。はぁ」
佐々木「ふふ。悪くないじゃないか」
キョン「なんとも俺らしいというか」
佐々木「そうかい? 僕から言わせてもらえば、君はいつでも大吉のような人生を送っているよ」
キョン「そうかぁ?」
キョン「なになに…学問、励むべし。恋愛、信じて待つべし…」
佐々木「へえ」
キョン「はーん…なんかどうでもいいことしか書いてないな。誰が考えてるんだか」
佐々木「おみくじというのはそんなものさ。さてと、僕も引いてみようかな」
佐々木「よいしょ」サッ
佐々木「……」
佐々木「……」ドキドキドキ
佐々木「!!!」
キョン「ん、どうだった? どれ」
キョン「…だ…」
キョン「…大凶…」
佐々木「……」
キョン「……」
キョン(大凶って初めて見た……本当にあるんだなそんなの……)
佐々木「……」
佐々木(恋愛…成就しない。諦めるが吉…)
佐々木「……」
佐々木「…グスッ…」
キョン「!!!」
佐々木「…うっ…グスッ」
キョン「さ、佐々木。大丈夫だって。気にすんなよそんなの。たかが占いだって。当たりゃしないさ」
佐々木「ぐすっ…ううう」
キョン「さ、佐々木よぉ…」
佐々木「…去年も、凶だったんだ…」
キョン「え」
佐々木「そしたら…本当にいいこと何もなかったから…だから…」
キョン「佐々木…」
佐々木「うう…」
キョン「よし、じゃあ俺のと交換しよう」
佐々木「え…」
キョン「おまえが引いたのは吉だ。大凶は俺が引いた」
キョン「で、この縁起の悪いもんはここに縛りつける。悪いのが出た時はここに縛れば良くしてくれるんだ」
キョン「な。これで何の心配もないさ。だからもう泣くなよ」
佐々木「……」グスッ
佐々木「……うん。ありがとうキョン」
─────
キョン「…しかし意外だった」
佐々木「え?」
キョン「おまえがおみくじで泣くなんてさ。そーゆーのまったく信じないと思ってたからな」
佐々木「あ、はは…ちょっとナーバスになってて…感情的になってしまったね。恥ずかしいな…」
キョン「ま、気にすんなよ。所詮占いだ」
佐々木「うん。もう平気だよ。すまなかったね」
キョン「いや」
谷口「あ」
谷口「おーっキョンじゃねえか、なんだよおまえ、一人……!?」
キョン「おう、谷口」
谷口「…キョ、キョン。この人は?」
キョン「あぁ、中学の時の友達」
佐々木「こんにちは」
谷口「……あ、そ、そう……ごゆっくり……」タッタッタ
キョン「は? あ、おい」
キョン「…なんだアイツ」
佐々木「…変わった人だね」
キョン「まぁな」
国木田「あ、おーい谷口。どこ行ってたんだよ」
谷口「国木田…くにきだぁ。うわあぁぁぁぁぁぁ!」
国木田「!? ど、どうしたのいきなり?」
谷口「ぶわぁあぁぁぁあああああ」
─────
キョン「ふあーあ」
キョン「ハルヒのヤツ遅せーなぁ」
古泉「…あの、すいません。涼宮さんが来る前に、あなたに一つお願いあるのですが…」
キョン「ん?」
古泉「そのストラップのことなんですが…できれば、涼宮さんといっしょにいる間はずしていてもらえないでしょうか」
キョン「え、あー…うーん。できればそうしたいんだが…でも、はずさないでって言われちゃったしな」
キョン「その、なんかアイツのこと裏切るみたいで…」
古泉「佐々木さんですか?」
キョン「……うん」
古泉「えーっと、あなたたちは付き合っているんですか?」
キョン「いや、全然。でもな…」
古泉「なら少しの間くらいはいいじゃないですか。義理堅いのもわかりますが…」
キョン「…ん、それもそうだな、じゃ…」
バタン!
キョン「!!」
ハルヒ「ハロー! みんな揃ってる!?」
キョン「お、おう」
みくる「こんにちはぁ~涼宮さん」
古泉「ど、どうも」
長門「……」
ハルヒ「んふふふ。今日はみんなにいいもの買ってきたのよ! はい!」
みくる「? なんですか…あ、ストラップ」
ハルヒ「京都の有名な神社で買ってきたのよ! 絆結びのストラップなんだって。みんなの分あるわよ!」
みくる「わぁ~。ありがとうございますぅ。嬉しいです」
古泉「これはこれは」
長門「…感謝する」
キョン「……え、あれ? 俺のは?」
ハルヒ「……」
キョン「おい」
ハルヒ「ん…コホン。えっと…まぁ、残念だけど4つしかなったのよ。だからあんたの分はないわ」
キョン「はぁ? なんだそりゃひっでえな…」
ハルヒ「その代わり! これ、アンタにあげるわよ!」
キョン「え」
ハルヒ「つけておきなさいよ! いいわね!? 絶対よ!」
キョン「は、はぁ」
ハルヒ「あ…あー。なんか喉渇いた! ちょっとジュース買ってくるから!」
バタンッ タッタッタッ…
キョン「……」
古泉「…縁結びのストラップですね…あなたが今つけてるのと同じ」
キョン「なんなんだよアイツは…」
終
54 : 以下、名... - 2011/01/08(土) 07:49:49.33 fHusWc8mP 38/38完全に蛇足だった