1 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 11:42:08.98 t81Xd6KC0 1/82



堀込「えーつまり、光源氏はやり手のイケイケだったわけで……」

「……」カキカキ

風子「秋山さん秋山さん」

「ん、なに?」

風子「これ、手紙」

「あ、ありがとう」ペラペラ

「なになに……『秋山さんのことが好きです!ハートマーク』……ってなにぃっ!?」ガタッ

堀込「うわっ! どうした秋山」

「あ、ああ、いや別に何もないです……///」

 クスクス アキヤマサン クスクス ミオタン





元スレ
和「ちゅきあってちょうだい」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1299120128/

3 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 11:44:54.54 t81Xd6KC0 2/82

(だ、誰だ……? いったい誰がこんなことを……)キョロキョロ

「プククッ……」

(律かーーーっ!!)

「おい律! なんだこれは! ふざけるな!」

「私は何も知りません」

「とぼけるな! 今笑ってただろ!」

「わ、笑ってなんか……、ブッ」

「笑うな!」ボカン

「ほんぎゃ!」

堀込「あの、授業中……」




4 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 11:48:14.11 t81Xd6KC0 3/82


ガヤガヤ ワイワイ

「いやー、やっぱ澪ちゃんとりっちゃんは鉄板だね~」

「ねー和ちゃん」

「……」ポケー

「の、和ちゃん……?」

「……」ポケー

「の、の、和ちゃんが……ボーっとしているだとぉ……?」

姫子「どうしたの、唯」

「た、大変だよ姫ちゃん! 和ちゃんがボケっとしてるの!」

姫子「それがどうしたの」

「どうしたもこうしたもないよ! あの和ちゃんがアホ面でボケっとしてるんだよ! これは何かの天変地異の前触れだよ!」

姫子「そ、そうなの」



5 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 11:51:23.45 t81Xd6KC0 4/82

「恐ろしい……まったくもって恐ろしいよ……」

「姫ちゃんも気をつけてね。何が起こるかわからないよ……」

姫子「うん、そうしとく」チラッ

「……」ボケー

「りつー!」

「おやめになってぇ!」

姫子(ボケっとしてるんじゃなくて、秋山さんのことを見てるんじゃないの……?)

「……」ボケー

……



7 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 11:55:53.44 t81Xd6KC0 5/82


――軽音部部室

「よーし、あずにゃんそのまま、そのままだよ」

「あの……なんなんすかこれ……?」

「あずにゃんスケッチだよ!」

「今それをやる意味が分からないんですけど」

「だって最後に来たからな。罰ゲームじゃん」

「ふざけた罰ゲームですね。律先輩はもっと頭を使った方がいいなじゃないんですか」

「なかのぉっ! 先輩に対してその口は何だー!」

「いい加減にしろ!」ガスン

「ほぎっ!? 何で私だけ?」

「後輩に対して何してるんだ! 唯もくだらないことやるな!」

「ほーい。でもうまくかけたよ!」



8 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 12:00:11.54 t81Xd6KC0 6/82

「梓、大丈夫か?」

「ありがとうございます澪先輩」

「あーあー、澪先輩は優しいでございますわね」

「うるさいな」

「ところで律、あれ出したか?」

「ん? あれって?」

「いやだから、活動報告書。和が『提出しなさい』ってこの前来てただろ」

「ふえっ?」

「どうした?」

「あ、あ~、そ、そんなこともありましたね~。あは、あははは」

「……出してないのか?」

「いやー出すつもりだったんだけども……」

「だけども?」

「紙、無くしちゃった」



11 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 12:15:26.35 t81Xd6KC0 7/82

「はあ、律はほんとに馬鹿律だな」

「いやー、すまないすまない」

「あれ? 律先輩、そのスケッチの紙がそれなんじゃないですか?」

「えっ? ……あっほんとだ」

「……律」

「りっちゃん……」

「無くしたあげくにその紙を無駄な遊びで使う……これは擁護のしようがありません」

「あーこりゃまいったな! ははは! いやーでも見つかってよかっ……」

「ふんっ!」

バキン!

「たじぇんっ!?」

「うおっ! これまたいい音が出ましたな」



12 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 12:20:15.38 t81Xd6KC0 8/82

「くおおおっ、叩いたところをまた叩くのは痛いんだぞぉ」サスサス

「自業自得ですね。でも、叩かれたおかげで少しは頭がよくなったんじゃないですか?」プッ

「てめこらなかのぉ! お前ちょっとこっちこいやぁ!」

「まったくしょうがないな……。私が出してくるよ」

「あっ私が行ってきますよ」

「いやいいんだよ。それじゃ行ってくる」

「いってらっしゃ~い」

「……」フリフリ

(案外、私がしゃべらなくても話は進むのね~)

……



14 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 12:25:14.04 t81Xd6KC0 9/82


――生徒会室

「……」

「……はあ」

(最近の私は何かおかしい)

(ふと気付いたら、ずっと……澪のことを目で追っていた)

(それに、澪のことを意識して見だすと、なぜだか緊張してしまう。別にやましいことなんてないのに)

(もしかして……これは……)

「病気……?」

「……ふふっ、そんなはずあるわけないのにね」

ガチャ

「失礼します」

「ひゃっ!!」ドキン



16 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 12:37:19.95 t81Xd6KC0 10/82

「うわっ! ど、どどうした和!?」

「み、澪!?」

「そうだけど……?」

(うぅ、まさか来るなんて想定してなかったわ……。いや慌てるな、落ち着け私……!)

(冷静で、クールで、落ち着きツッコミキャラが私のキャラなんだから……!)キリッ

「あのー和さん?」

「え、ええと何の用事なの?」

「ああこれ、活動報告書。律のやつが忘れててさ。遅れちゃってごめん」

「あ、ああはいはい活動報告書ね。いいのよ別に遅れても、軽音部なんだし」

「そ、そうか……」

「あ、いや違うの! 今のは言葉のあやで」

「ううん、3年になってもこうやって和に迷惑かけちゃダメだよな」

「いいのよ、本当に」

「そういうわけにもいかないよ。今度からはちゃんと言い聞かせるから」

「う、うん……」



17 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 12:41:39.74 t81Xd6KC0 11/82

(はあ、やってしまった……。やっぱり緊張しちゃうと何かしらが狂っちゃうわね)

「あれ? そういえば今日は和ひとりなのか?」

「ええ、他の子たちは先に帰ったわ」

「それで和ひとりで残業か。和はやっぱり偉いなぁ」

「お、お世辞を言われても嬉しくなんてないわよっ」クネクネ

(めっちゃ嬉しそうな顔して、腰クネクネさせてるんだけど……)

(澪ってば、そんなストレートに褒められたらうれしくなっちゃうじゃない)

「それじゃ、私部活に戻るな」

「あっ……」

「ん? まだ何かあったっけ」

「えっと……その……」

「その……何?」

(ちょうどいい機会だわ……澪に対して起こるこの緊張……。いったい何なのか確かめてみる必要がありそうね)



18 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 12:46:56.66 t81Xd6KC0 12/82

「そっか。じゃあ後で連絡するから」

「わかった。それじゃ部活がんばってね」

「ああ」

バタン

「……ふうっ」

(まずいわ……このままじゃ澪のことを意識しすぎて友好関係にひびが入ってしまいそう……)

(そうなる前に早く原因を突き止めなきゃ……)

……




19 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 12:50:05.13 t81Xd6KC0 13/82


――校門前

「……」パカッ カチッ

(遅いわ……)

(まったく、レディを待たせるなんて。澪は将来どうなるのかしら)

(って澪は女の子じゃない。私は何を考えてるの……?)

「おーい、和~!」

「!」



20 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 12:52:41.95 t81Xd6KC0 14/82


「遅れてごめんな? 律のやつがいろいろと面倒くさいことをしてきたもんだから」

「う、ううん! 別に待ってなんかないわよ!」

「そうか? あっちからこっちに来るまで、携帯見ながらずっと待ってるオーラが出てるの見えたから」

「あぅ……///」

「のどか?」

「そうなんだ。じゃあ、私生徒会室に行くね」スタスタ

「ええっ!? ちょっ、どこ行くんだ!?」

……


22 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 12:56:02.29 t81Xd6KC0 15/82


「それで律が『宿題忘れたから澪も手伝って』って言いだすもんだからさ。大変だったんだ」

「そうなの」

「でも、律も進学に決めてくれてよかったよ」

「そうなの」

(あー律の話なんか聞いてもそうなのって感想しか出ないわ)

「……」

「……あっ! へ、へ~! 律も進学するなんてよかったじゃない」

(適当に頷いちゃダメなタイプなのね、澪は)

「だ、だろ? 幼馴染として心配してたけど、これで一安心だよ」

「そうね」

「……」



25 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:00:00.24 t81Xd6KC0 16/82

「い、いやー一安心一安心! 大団円ね!」

「まだ受験も始まってないし、希望校も決まってないぞ」

「あ、そうね! あっははははは……」

「……なあ和」

「な、なに?」

「今日の和、何か変だな」クスッ

「っ! そ、そそそうかしら!?」

(慌てる必要何か無いのに、なんで慌てているのかしら私は……)

「……そういえば、今日は何か相談事があるんだっけ」

「えっ!? あーそう言えばそんなこと言ってたわね」

「おいおい、和が相談したいって言っきたんだぞ」

「そ、そうだった」



26 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:04:10.34 t81Xd6KC0 17/82

「で? 相談って何だ? 私のできる範囲で聞くよ」

「あ、その……」

(うっ……勢いで相談したいって言ってしまったけど、どうやってこのことを伝えればいいのか、わかんないわ……)

「……」

「えっとね、その……何というか……あのー……」

「のどか……」ジー

(案の定へんな眼で見られてるし……これはまずいわ……)



27 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:09:09.54 t81Xd6KC0 18/82

「大丈夫だよ」

「へ?」

「受験勉強でストレスが溜まってたんだろ? だから今日はおかしかったんだよな」

「い、いやーちがっ……あ、いやそうなのかもしれないけど」

「そういうときは私に何でも言っていいぞ。愚痴でも何でも聞くからさ」

「澪……」

「だって私たち、友達だろ?」

「そ、そうね……」

……



29 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:13:26.37 t81Xd6KC0 19/82


――和の家

「y=3x-2と……。ふう、ようやく終わった」

「……はあ」

ストン

「あー、机に頭乗っけるのって結構気持ちいいのね。唯が居眠りするのもわかる気がする」

「……」

(結局、澪と一緒にいると緊張する謎の病気の正体はつかめなかった)

(……友達、か……)

(どういうわけだか胸の奥辺りがモヤモヤするわ……)

(はあ……もうわけわかんなくなっちゃった。本当に受験勉強で頭やられちゃったのかしら)

(それとも、澪のせい……?)



31 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:18:44.55 t81Xd6KC0 20/82

(……もう考えるのはよそう。だけど、明日はまたいつもどおりに戻ってるといいけどな)

「ん……ふわ~~っ……」ノビー

「早く寝よ……」

「目覚ましセットよし。明日の準備よし。戸締りよし。メガネテイクオフ。電気消灯。」

「ではおやすみなさーい」

……



32 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:22:35.66 t81Xd6KC0 21/82


――3年2組

「おべんとうタイムだよー!」

「叫ばなくてもわかるっつーの」

「いやいや、ここは気合い入れて行かないとだよ! りっちゃん隊員!」

「はっはっは、唯隊員は元気だな」

「ぶー、冷たい。りっちゃんのデーコ」

「デーコデーコ!」

「はいはい、私はデコです。デーコ。さて、おべんと食べよーっと」

「つまんないー!」

(無視された……)ショボーン



33 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:27:38.28 t81Xd6KC0 22/82

「律ってば今日はどうしてあんなに冷たいのかしら」

「あー、今日はアレなんじゃないかな」

「あーアレ」

「おい、何サラッと言ってんだ」

「ふふふ、大変よねアレは」

「違うし! 全然違うし!」

「あはは、照れなくてもいいんだぞ律。アレは誰だってあるんだからな」

「だから違うっつーの! もうすぐテストだから落ち込んでるだけだし!」

「いつもは落ち込まないのに?」

「私だって落ち込むわい!」




34 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:33:30.97 t81Xd6KC0 23/82

「……」ショボーン

「なあムギ! ムギは私のこと信じてくれるよな!」ガシッ

「ひゃっ!? も、もちのロンよ!」(今日初めての会話! ありがとりっちゃん!)

「さすがムギ! 心の友よ~」

(ああ……一度は言われたかった心の友……! またひとつ夢が叶っちゃった……)ポワー

「まあ冗談は置いといて。今日の和のお弁当すごくきれいだな」

「そ、そうかしら?」ドキン

(まさかいきなりのキラーパスが来るとは……! 澪、恐ろしい子……!)

「でしょでしょ? 和ちゃんのお弁当はいつ見ても芸術の域に達してるよね~」



35 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:39:08.56 t81Xd6KC0 24/82

「そんなことないわよ。これぐらいだれだって作れるわ」

「いやいや、こんな立派なお弁当私はつくれないよ。和はすごいよ」

「も、もう! 澪は謙遜しすぎよぉ!」クネクネ

「なっ!!?」

「ん? どした唯?」モグモグ

「これはほんとにヤバいよ……近いうちに大地震が来ちゃうよ……」ガクガク

「へっ?」

「そ、そんなに言うんだったら一つ何かあげてもいいわよ?」

「本当か!? それじゃ卵焼きをいただくよ」ヒョイパク

「ど、どうかな……?」



36 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:45:02.86 t81Xd6KC0 25/82

「うん! この甘み、この焼き加減、そして卵のうまみ……どれをとっても究極だよ!」

「ほ、ほんと?」

「こんなに旨い卵焼き始めて食べたよ! やっぱすごいよ和は!」

「ほんとに!? ほんとのほんとのほんとに!?」

「ああ、お世辞でも何でもないぞ。これぞ究極の卵焼きだ!」

「や、やったー!」ガタン

 シーン……

「はっ!?」

「の、和……?」

「和ちゃん……!」

「ご、ごめん。言い過ぎた……///」

「ひぃーーっ!? たたりだ! これは何かのたたりが起きてるんだよ! おそろしやおそろしや!」

 ザワザワ… マナベサンカワイー クスクス… メガネ

(やってしまったー!)

……



37 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:51:50.50 t81Xd6KC0 26/82


――放課後

「はあ……」テクテク

(もうダメだわ。あの後もクラスメイトからもクスクスされてしまった)

(これはもう末期ね。これ以上いっちゃったら私どうなっちゃうのかしら)

(早急に何とかしなきゃ……。ああでもどうすればいいのかわかんないし……)

「あ、和さーん!」

(こうなったらもう澪とは話さずに律を通じて話すべきかしら)

「? あのー和さん?」

(いやでもそうなったら余計に澪のことを意識しだしてしまうのではないだろうか。それに、直接話しても上手くいくときあるし)

「……もう。和ちゃん!」

「あら、憂。どうしたの」

「どうしたのじゃないですよ……ずっと和さんのこと呼んでたのに」



39 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 13:58:06.06 t81Xd6KC0 27/82

「そうなの? それは悪いことしたわね」

(……はっ!……もしかして憂ならこの謎の病気について知ってるのかもしれない)

(いやでも、他人にこのことを話すの何だか恥ずかしいし……)

「また黙っちゃった……」

(えーい悩んでても先に進めないわ! 私を誰だと思ってるの! 生徒会長兼秋山澪ファンクラブ会長真鍋和よ!)

「憂! この後予定は?」

「えっ? も、もちろん空いてますよ」

「少しお話があるんだけど。付き合ってくれるかしら?」

「はい!」

……



40 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 14:02:58.12 t81Xd6KC0 28/82


――生徒会室

「はい。お茶をどうぞ」コトン

「ありがとうございます」

「別に敬語じゃなくてもいいわよ。今は二人しかいないんだし」

「それもそうだね。そういえば、お話って何かな和ちゃん」

「えっ? あ、ああそういえばそうだったわね」

「ははっ、おかしな和ちゃん」




41 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 14:07:11.10 t81Xd6KC0 29/82

「それじゃ話すけど……ねえ憂」

「なに?」

「憂は誰かといるとき、緊張したりしない?」

「緊張? どういうこと?」

「えっとね……」

和は憂に澪を見たり話したりすると、胸はドキドキ、頭はモヤモヤ、
でも側にいると何だか嬉しくなっちゃうの……どうしたらいいの? と、いかにも乙女チックな悩みを訊ねてみた。

「というわけなのよ」

「……」



43 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 14:13:59.35 t81Xd6KC0 30/82

「で、今後どうしたらいいか聞きたいんだけど」

「……」

「う、うい?」

「……和ちゃんのばか」ボソ

「えっ?」

「なんでもないの。それより、和ちゃんは澪さんのことをどう思ってるの?」

「そうね……澪は、普段は落ち着いていてクールな子だと思っていたけど、本当はとってもシャイで怖がりで……
  そのギャップに驚いてしまうんだけど、ここぞというときの度胸の強さはとっても素晴らしいって思うの! 憂もそう思わないかしら?」

「そ、そう思うけど……」

「そうよねそうよね! あとは優しいところね。ちょっと人見知りのくせに困っている人がいたら放っておけないのも素晴らしいわ!……うふっ」

(こ、これは思っていたよりベタ惚れなのかも……)



44 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 14:19:27.41 t81Xd6KC0 31/82

「じゃあ和ちゃんにとって、澪さんはどんな存在なの?」

「それは決まってるわ。友達よ」

「そ、それはそうだけど……」

「ん? 違うの?」

「こうなんて言うか……大事な存在だとか」

「まあそうなのかもしれないけど……別にみんな大事な存在だから、澪だけってことはないわ」

(しかも鈍感なのかぁ……もしかしてまだ自分の気持ちに気付いてないの……?)

「……だからね」

「うん?」

「澪とこのまま気まずい関係になったら、どうしようかなって」

「(きゅん……)だ、大丈夫だよ和ちゃん!」



45 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 14:25:04.69 t81Xd6KC0 32/82

「何が大丈夫なのか分からないから困ってるんでしょう……」

「ええとその……」

(ここで和ちゃんに『きっと澪さんのことが好きなんだよ』なんて言ったら……
  和ちゃん、きっと今まで気付けなかったことでショック受けちゃいそうだなぁ……
  よし、ここは……!)

「和ちゃん、多分澪さんともっと仲良しになりたいんじゃないかな?」

「仲良し……?」

「うん。だから、澪さんと接すると緊張したり、素直になれなくなったりしたんじゃないかな」

「なるほど……そういう捉え方もあるわね」

(いいわけは苦しいかと思ったけど、案外素直に受け入れてくれた……和ちゃんってやっぱお姉ちゃんと似ているところあるよね)

「今でも十分仲良しかと思ったけど、そっか、まだ澪との友情が足りなかったのね」

「そうかもだね」



48 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 14:31:17.83 t81Xd6KC0 33/82

「ありがとう憂。これで少しは楽になれたわ」

「どういたしまして」

「じゃあ、そろそろ帰宅……」

 ウイー メールダヨー ウイー メールキタヨー ウイー

「あっ、お姉ちゃんからメールだ」カチッ

「早く帰ってこいって?」

「……これは……!」

「どうしたのよ」



50 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 14:36:32.14 t81Xd6KC0 34/82

「どうやらお姉ちゃんたち、私のお家で勉強会やるみたい」

「軽音部で?」

「うん。明日もおやすみだし、そのまま泊っていくから、今日の晩御飯多めに作らないといけないみたい」

「そうなの……大変ね憂も」

「ううん、そんなことないよ。でね、和ちゃんここからが本題なんだけど」

「なに?」

「和ちゃんも一緒に来る?」

……



51 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 14:42:24.71 t81Xd6KC0 35/82


――平沢家

がちゃり

「ただいまぁ」

「ただいま」

「……お姉ちゃんたち、まだ勉強してるみたい」

「ね、ねえ憂」

「なに?」

「本当にいいのかしら、私も入って」

「大丈夫だよ。和ちゃんなら誰も嫌がらないと思うけど」

「そんなのわからないじゃない。もし、澪に拒否でもされてしまったら私はもう生きてはいけなくなるわ」

「もう大丈夫だってば」



52 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 14:46:55.26 t81Xd6KC0 36/82

「おかえり憂ー……って和先輩も来たんですか?」

「梓ちゃん」

「うん。ついでに私も勉強しようかなって思って」

「そうだったんですか。あっ憂、今日はお邪魔するね」

「うん! それじゃ私たちも上がろうか、和ちゃん」

「そうね」

……



53 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 14:53:04.69 t81Xd6KC0 37/82


――ゆいのへや

「あー、疲れたよー」

「もう、何も書けない……」

「おいおい、まだ始まって一時間しか経ってないぞ」

「私の一時間は澪ちゃんの十時間と一緒なのです……」

「やれやれ」

「それじゃあおやつにしよっか」

「やったー!」

「きたー!」

「ま、まてムギ! もうご飯の時間だし今食べたらマズイ!」

「ふふふ澪ちゃん、今月に入ってまだ痩せてないの?」

「なん……だと……?」

「ニヤリ」

「うおわー! ムギ! 私は信じてたのに!」



54 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 14:58:14.16 t81Xd6KC0 38/82


ガチャ

「こんにちはー」

「あっ和ちゃん!」ダキッ

「お、どしたん和?」

「憂から聞いたわ。私も参加したいと思って。もしかして迷惑かしら?」

「ううん。和ちゃんなら大歓迎だよ!」

「ああ、これで頭がいいやつがまた増えた」

「私和ちゃんに分からないところ教えてもらうのが夢だったの~」

「澪は……迷惑、かな?」

「何言ってるんだよ和。いいに決まってるじゃないか」

「そ、そうよね! あはははっ」

「ん? やけに嬉しそうだな和」

「や、やっぱり和ちゃんが変だよー……」

……



55 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 15:03:20.73 t81Xd6KC0 39/82


「だから、そこは代入して引くのよ」

「でも、こっからがわかんないです」

「そこもさっきと同じように解くの」

「おう、なるほど!」

「ここは受験に出てくる可能性が大よ。ちゃんと復習すること」

「はーい! 和ちゃん先生!」

「いやーやっぱり和は教えるのが上手だな」

「そ、そんなことないわよ。唯に教えるのが慣れてるだけ」

「ううん、そのまま先生としても通じるぐらいよかったぞ!」

「んもう! 澪ってばほめ上手ねぇ!」クネクネ

「ひっ……!」

「……和ってこんなキャラだっけ」

「私はありだと思う」



56 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 15:08:16.21 t81Xd6KC0 40/82

「ところで和って国立大学受けるんだよね」

「まあそうなるわね」

「和ちゃんはやっぱすごいよ!」

「私もそう思う!」

「お世辞でもうれしいわ」

「それじゃあ、高校卒業したら離れ離れになっちゃうな」

「そうね……はっ!?」

(そしたら……私は澪と離れ離れになってしまうの……?)

「え~和ちゃんと離れるのやだっ!」ダキッ

(つまり……私に残された時間は……あと少しってこと……? そ、そんな……)

「だったら唯も勉強して和と一緒の大学に行けばどうだ?」

「私、和ちゃんのこと絶対忘れないからね!」

「あきらめはえーな」



57 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 15:13:25.47 t81Xd6KC0 41/82

(そんな……そんな……)ポカーン

ガチャ

「みなさん、ご飯の用意が出来ましたからどうぞ下に来てください」

「わーい、めしめし~!」

「憂ちゃんのごはんだ~!」

「私も私も~!」

「まったく、騒がしいやつらだな……じゃあ私らも行くか……」

「あは、あははははは……」

「お、おーい。和さーん……?」

……



59 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 15:20:48.33 t81Xd6KC0 42/82

「はふっ! はふっ! あふっ! うまっ!」

「唯先輩、お鍋は逃げませんから落ち着いて食べてください」

「はっへほのなへうはいんはも~ん!」

「食べながらしゃべるのは行儀悪いです。ほっぺにも付いてるし」

「あふにゃんふいへ~」

「んもう、今回だけですよ」フキフキ

「あんがとあずにゃん!」

「はいはい」

(今日もごちそうさまでした)



60 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 15:26:38.23 t81Xd6KC0 43/82

「でもほんとうにおいしいなこの鍋。さすがは憂ちゃんだな」

「そんな……梓ちゃんも一緒につくったからおいしいんですよ」

「どうせ梓なんて食器並べただけだろ」

「ちゃ、ちゃんと野菜切ったりしたもん!」

「ほら、和も食っちゃえよ。無くなるぞ?」

「……そうね」

「えっ? 何? なんでそんなテンション低いの? あれ? もしかして私やっちゃった?」

「の、和ちゃん……?」

「ははっ……どうせ私なんてサブキャラだからみんなと違うとこ行ったら
  忘れられちゃうのがオチなのよね……ははっはははっ……」ボソボソ

「和ちゃんダメ! そんな発言しちゃダメ!」



61 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 15:30:34.31 t81Xd6KC0 44/82

「いいのよもう……どうせ私なんて……ポッと出のモブモップにまで負けちゃうの……」

「どうしたんだ和?」

「澪……私のこと、大学に行っても、忘れないでね」

「えっ、う、うん」

(どうせ私なんて……私なんて……)




62 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 15:35:56.65 t81Xd6KC0 45/82

「あずにゃ~ん。お肉食べさせて~」

「自分で食べれるでしょ?」

「あずにゃんがあ~んしてくれたら、もっとおいしいよ!」

「しょ、しょうがない先輩ですね。はい、あ~ん」

「あ~ん、んむ……うまー! あずにゃんこれうまだよ!」

「そ、そですか」

「そのつみれ、梓ちゃんが作ったんだよ」

「なるほど! だからおいしいんだね!」

「そ、そんな……///」

「梓ちゃん、顔真っ赤だね」ニヤニヤ

「う、うるさいな///」

(ぐぅれいと!)

(!! これ! これだわ!)



63 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 15:40:43.36 t81Xd6KC0 46/82

「み、澪!」

「ん? 何だ?」

「それ、おいしいの?」

「ああ、おいしいぞ! 和も食べてみなよ」

「……やだ」

「何が?」

「澪が食べさせてくれなきゃ……やだ」

「んなっ!?」

「攻めたっ!?」

「!? い、いやここは抑えるの……抑えるのよ紬……!」

「ひ、ひいいいいっ!!? これは呪いだっ! 和ちゃんに呪いがかけられたんだよぉ!」

「そ、そんな……恥ずかしいよ……」

「お、お願い……」ジー

「(何かエロい……)わ、わかった。 じゃあ、はい」



65 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 15:46:59.43 t81Xd6KC0 47/82

「あーんって……して」

「ええっ!? そ、それはむりっ!」

「して?」

「(人差し指を口に持ってくのは反則だろ常識的に考えて……)あ、あ~ん」

「あーん……んむっ」

「ど、どうだ?」

「おいしいわ。澪の味がする……」

「えっ……」



67 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 15:51:51.69 t81Xd6KC0 48/82

「ブフッ!」

「いやったぁぁぁっぁぁぁぁぁっ!!!」ガシャーン

「ムギせんぱあああい!?」

「おいしかったわ澪……澪?」

「和が……和が……」

「……あら?」

「」

「あーおじやうめー」


……



69 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 15:57:17.79 t81Xd6KC0 49/82

「ごめんなさい……私が少々羽目を外しちゃったせいで……」

「大丈夫ですよ。紬さんも2階から飛び降りても何ともなかったようですし。割れた窓ガラスも紬さんの家の人が一瞬で直してくれました」

「どうして敬語なの?」

「あはは、ちょっと和ちゃんに引いてるからですよ」

「そ、そう……」

「の、和……?」

「み、澪!?」

「ごめんな。元はと言えば私のせいでこんな……」

「そ、そんなことないわ! 8割がた私の方が悪いのに!」

(2割は澪さんになすりつけるんだ……)



70 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 16:01:25.96 t81Xd6KC0 50/82

「ううん、私の方が……」

「いや、私の方が……」

「もうどっちでもいいじゃないですか! ハイこの話終わり!」

「そうね……じゃあそろそろ戻りましょうか」

「ああ」

(まったく世話が焼けるんだから……)

(でも、あんな和ちゃん初めて見たな……)

「……何だか悔しい」

……



71 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 16:06:12.11 t81Xd6KC0 51/82


――ゆいのへや

「ムギちゃんほんとに大丈夫?」

「うふふ、大丈夫に決まってるじゃない♪ あれぐらいでケガしちゃおかしいわぁ」

「いや、2階から飛び降りて無事な方がおかしいぞ」

(まさか、和ちゃんと澪ちゃんがうふふな仲になりそうだったなんて……何で気付かなかったのかしら。もう、紬のばか!)

「……はあ」

(何やってるのかしら私は……これじゃ澪と仲良くなるどころか仲が悪くなる一方じゃない)

「……」チラッ

「……!」ピクッ

「……」ササッ

「……はあ」ショボーン



72 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 16:11:23.55 t81Xd6KC0 52/82

「みおー! こっちの答え教えて!」

「そこは自力で解きなさい」

「えーやだやだー!」

「まったく……ほら、解き方教えてやるからこっちこい」

「まいどありー!」

「……」イライラ

(あーもう、なんで澪と律は仲がいいのかしら……すっごくイライラするわ……)

(律なんてアソコは子供っぽいだろうし、アッチも控えめだし、それにアレもまだそうなのに……)

(……はあ、律のことを敵意むき出しで見るなんて……もう堕ちるとこまで堕ちたみたいね……)

(律澪か、和澪か……それが問題ね)



74 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 16:16:25.13 t81Xd6KC0 53/82

「はーいここでていあんです!」

「なんだよいきなり」

「勉強中よ唯、座りなさい」

「ぶー、もう十分なぐらい勉強したよー!」

「よし! 言ってみたまえ唯隊員!」

「はっ!」ビシィ

「本日のお風呂は、これで決めようじゃないか!」ババーン

「くじ引き?」

「おうよ! 二人一組で入ろうじゃないか!」

「っていうか、お風呂は一人で入るもんだろ?」

「分かってないなあ澪ちゃん。普段では言えないようなこともお風呂だとそりゃあもうペラペラと喋っちゃうんだよ!」

「そんなもんか?」

「そんなもんよ!」



75 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 16:22:49.27 t81Xd6KC0 54/82

「お、おふろ……」

(もし、私と澪で入るとしたら……)

モウソウハジメ

『あら、澪ったらまた太ったんじゃない?』

『んなっ!? そ、そんなことはないぞ!』

『うふふっ、じゃあこのたわわに実ったメロンちゃんはなんなのかしら?』モミモミ

『ひゃうっ!? や、やめろぉ……そこはまだ成熟しきって、ない……!』

『そんなことないわ……ほら、果汁もたっぷりよ』

『んああっ!? このままじゃマスクメロンになっちゃうよぉ……』

モウソウオワリ

「みたいな!? みたいなぁ!?」

「うわっ!? いきなり大声出すなよ和」

「ご、ごめん、つい……」

(でもそこはメロンじゃなくてスイカがいいと思う)



76 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 16:28:06.03 t81Xd6KC0 55/82

「そいじゃあ、引いちゃおう! あっ! あずにゃんと憂の分はもう引いといたから!」

「強制参加かよ……」

(お願い……! できれば澪と……澪と……!)

「おりゃ! ……私はBだ!」

「えい! ……私もBね」

「おめでとうご両人! りっちゃんとムギちゃんは2番目ね~」

「それじゃあ次は私だな……Aか」

「はい、次は和ちゃんの番だよ!」

「わかった」

(お願いだからAが来て! おねがいおねがいおねがいおねがい! A! A! エー……!)

「……C」

……



79 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 16:34:11.14 t81Xd6KC0 56/82


「あーあっと……」チャポン

「ん? どうしたの和ちゃん」ゴシゴシ

「もう少しで澪と一緒にお風呂入れたのになぁと思うと、つい、ね」

「ふーん、そう! 私と入ることになって残念だったね!」フン

「そんな怒らないでちょうだいよ……」

「別に怒ってなんかないもん」

「怒ってるじゃない」

「怒ってないです」

「また敬語」

「ふーんだ」

「もう……私が悪かったわよ……」

「……」



80 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 16:40:43.10 t81Xd6KC0 57/82

「ほんと、あんたたち姉妹は手がかかるわ」

「……ねえ和ちゃん」

「なに?」

「の、和ちゃんは……もし私と澪さん、どっちか選べって言われたら、その、どっちを選ぶ?」

「選ぶって、何を選ぶの?」

「何でも!」

「何でもって……それって全部ってこと?」

「まあ、そういう考え方でもいいかな」

「ちょっと意味が分からないわ」

「もう! ……じゃあ、で、で、デートをするならどっちと行きたい?」

「あははっ、何言ってるのよ憂。デートは男女でするものよ」



81 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 16:47:24.82 t81Xd6KC0 58/82

「はあ……もうダメ。私じゃ和ちゃんとまともにお話しできないや」

「一体何なのよ……」

「和ちゃんじゃ、一生ずーっと澪さんと仲良くできないって言いたいの!」

「……へ?」

「……和ちゃん、私ズバリ言うけどね」

「和ちゃんは澪さんのことが好きなんだよ」

「……はあ?」

「だから、和ちゃんは澪さんのことが好きなんだって言ってるの!」

「な、な、なにを馬鹿なことを……」

「まだ気付かないの? 和ちゃんが澪さんと接するときに感じるあのドキドキは、まさしく恋なんだよ」



82 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 16:52:30.55 t81Xd6KC0 59/82

「こ、恋……」

「もう、和ちゃんがこんなに鈍感さんだとは思わなかった」

「私が……澪を……好き……??」

「……」

「……!///」カアア

「ようやく気付いたんだね……」

「……そうなんだ、じゃあ私澪に告白してくるね」ザバア

「の、和ちゃんストップ! 早まっちゃダメだよ!」ガシッ

「は、はなしてぇぇぇぇぇっ……」グググ

「いやだよぉぉぉぉぉっ……」グググ

「私は告白するしかないのぉ! みおぉ! 澪オオオオオッ!」

「ちょっ、正気に戻って和ちゃん!」




83 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 16:57:26.76 t81Xd6KC0 60/82


「……ん?」

「どしたの澪ちゃん」

「あ、いや、なんか呼ばれた気がして」

「誰も呼んでないけど……」

「それってもしかして……ここの近くの事故で亡くなった少女からの悲痛な叫びだったりしてえ!」

「あああああああああああああああああああ!!!」バキッ ドカッ

「あうふ! ちょ、マジいたい、おうん!」

「りっちゃんうれしそうだね」

「きっと濡れ濡れじゃないかしら」




85 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 17:03:24.45 t81Xd6KC0 61/82




「はあ……はあ……」

「落ち着いた? 和ちゃん」

「……」

「これで気付いたでしょ? 和ちゃんが澪さんのことを好きだって」

「そ! そそそそんなわけあるはずないじゃない! だって! だって澪は……澪は!」

「私の友達なのよ~~!!!」ドタドタ

「の、のどかちゃ……」

ガラピシャ!

「うぅ……まだ早すぎたかな……」

「でも……アレが恋だって気付かない和ちゃんがいけないんだよ……そうだよ……」

「……あーあ、私って損な性格なのかな」ブクブク

「……和ちゃんのばーか」

……



86 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 17:08:16.19 t81Xd6KC0 62/82


「ムギのおっぱいすごかった」

「やん! もうりっちゃんたら!」バシバシ

「えー私もみたかったなぁ」

「ナチュラルにセクハラ発言するのはやめろよ唯」

「えっ? 私はただ見たかっただけだよ?」

「あっ……そういうことか……///」

「ぬふふーっ、エロ澪しゃんだねぇ」

「う、うるさい! っていうか見るだけでも十分セクハラだ!」

「……」

「和ちゃんも見たかったよね?」

「……」

「和ちゃん……?」

「……」



87 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 17:13:49.41 t81Xd6KC0 63/82

「おーい? のどかー?」

「!!! な、なななんあななによ!!」シュバッ

「いや、ずっとボーっとしてるから寝てるのかと」

「そ、そそそそんなわけないじゃない! 何言っちゃってるのよ!」

「いや、そんな慌てなくても……」

「あ、あああ……sorry」

「なぜ英語!?」

(うふふ! 紬は険悪なムード大好物です!)

「……」カキカキ

「ん? 何書いてるんだ唯」

「遺書だよりっちゃん……」

「おまえ……死ぬのか」



88 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 17:20:39.96 t81Xd6KC0 64/82

「……」


『和ちゃんは澪さんのことが好きなんだよ』


(そうだったのね……この胸のドキドキやモヤモヤはそういうことだったのね)

(まさか……澪のことが好きだったなんて……)

(はっ! やっぱりそんなはずないじゃない!)

(だって澪は私のともだちで……クラスメートで……女の子で……)

(もし。もし本当だとしたら……私は澪とどうやって接していけばいいのよ……!)



89 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 17:25:51.93 t81Xd6KC0 65/82

「はーい! ここで唯ちゃんからていあんだよー!」

「またか」

「今度は何だね唯隊員!」

「はっ! もうしあげます!」ビシイィ

「本日の寝る場所は、これで決めようじゃないか!」ババーン

「くじ引き?」

「またか」

「Aを引いた3人は、おめでとう! 私の部屋でぐっすり眠れます!」

「Bを引いた2人もおめでとう! 憂の部屋ですやすや眠れます!」

「Cを引いた2人はざんねん! 廊下の上でまるで売られていく奴隷のように眠っていただきます!」

「おいCはおかしいぞ! リビングでもいいだろ!」

「リビングは甘えです! ここは罰ゲームらしく行こうじゃないですか! りっちゃん隊長!」

「く~! ぜったいCはいやだ!」



90 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 17:30:42.79 t81Xd6KC0 66/82

「はあ…………はああ…………」

「のどか……」

(相当、ストレスが溜まってるんだな……)

「そいじゃ、りっちゃんからどうぞ!」

「たのむたのむ……ぐああっ! C……」

「ざんねん! 次はムギちゃん!」

「はーい! ……あら、Cだ」

「ざんねん! 早くも決まっちゃったね!」

「ムギー! いつまでもいっしょにいような!」ダキッ

「ほあああっ!? は、はいいいっ!」(わが世の春が来たああっ!!)ムギューン



91 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 17:35:59.73 t81Xd6KC0 67/82

「さあさ、次は澪ちゃんだよ!」

「はいはい……あ、Bだ」

「おめでとう! 次は和ちゃん!」

「はいはいなんだってやりますよ。やればいいんでしょ、やれば」

「はいBよ」

「おめでとう! 今夜は澪ちゃんと二人きりの夜をお過ごしください!」

「な、何言ってんだ!」

「……えっ」

……



93 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 17:42:44.33 t81Xd6KC0 68/82


――ういのへや

「……」

「はあ、もうこんな時間か……さ、そろそろ寝ようか」

「……」

「おーい、のどかー」

(アカンアカンアカンアカン……! こんな……こんな密室に二人だけとか…
…)

「……」

(なにか過ちが起きてからでは遅いわ……! いや、でも心のどこかで起きてほしいという気持ちもある……!)

「……のどか」チョンチョン

「ぬわっ!? な、なんでございますの?」

「そのリアクションは和じゃないぞ……」

「あ、う、ごめん……」



94 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 17:48:49.04 t81Xd6KC0 69/82

(うぅ、何で下心丸出しなのよ私は……)

「大丈夫か? 早く横になったほうが……」

「い、いいの。気にしないで」

「そうか。でも、気分が悪くなったらすぐにでも寝たほうがいいぞ」

「うん、ありがとう澪」

(澪は本当に優しいわ。もし困った人がいたら、気にかけてくれる優しい女の子)

(私は澪のこういうところにひかれちゃったのかしら)

(……私は澪のことが好き、か……)

(憂はああ言ってはいたけど、そんな風に意識したことなかった)

(でも……でももし本当だったら……私は……)



95 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 17:53:14.34 t81Xd6KC0 70/82

「和」

「な、なに?」

「よかったら……一緒にお話しないか?」

「ま、まあいいわよ」

「それじゃあ、ベッドの上で話そうか」

「わかった」

「憂ちゃんの部屋、すっごくきれいだよな」

「そうね。あの子は昔からちゃんとした子だったわ」

「ははっ、そういう幼馴染のこと知っているっていうのいいな」

「澪だって律がいるじゃない」

「あんなやつのこと、知ってても意味ないよ」

「あははっ、ひどいわね」



96 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 18:00:31.71 t81Xd6KC0 71/82

「……なあ和」

「なに?」

「和、無理してないか?」

「ぬえっ!? な、なななにを」

「いや、最近挙動不審だし、まるで和じゃないような感じだったし」

「そ、そこまでひどかった?」

「それはもう、ちょっとドン引きするぐらい」

「ドン……引き……」ショボーン

「うわあっ! ちがうちがう! 今のはちょっとしたジョークだ!」

「そ、そう」

「……なんだかさ。私の持ってた和のイメージと全然違うなっておもってさ」

「違う?」



98 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 18:06:39.17 t81Xd6KC0 72/82

「私、和ってママみたいだなずっと思ってたんだ」

「ママ?」

「お、お母さん! ……でも、最近の和はまるで唯みたいなリアクションするし、申し訳ないけど見ていて面白いなって感じたんだ」

「面白い?」

「うん。でも……それってやっぱりなにかあったからなのかなって思ってきちゃって……」

「!!」ドッキーン

「相談を受けたときは誤魔化されたけど、やっぱり何かあるんじゃないかって考えていたんだ」

「……」

「和!」ガシッ

「ひゃっ!」ビクン

「言いにくくてもいいよ。でも……でも、もし和が苦しんでたりしたら、私も苦しい」

「み、みお……!」ニタ

(いかんいかん。思わずにやけてしまった)



101 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 18:14:03.08 t81Xd6KC0 73/82

「だから……私に話してくれないか……?」

「あ……ああ」

「……」じー

(ちょちょっと、こんなにまっすぐ見られたら……)

「……」じー

(ああ、駄目よ……駄目なのよ和……。澪は友達、ともだちなんだから……)ブンブン

「……」じー

(ああ、澪の唇やわらかそうだなぁ……えへへ……)ニヤ

「……ぷっ」

「へっ!?」

「あっははははははっ!」



102 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 18:19:37.85 t81Xd6KC0 74/82

「み、澪……?」

「ゴメンゴメン、和の顔がコロコロ変わるから、つい」

「そ、そんなに変わってた?」

「ああ、最後なんてにやけてた」

「え? うそ!」カオパチパチ

「もう遅いよ」

「あ……」

「あははっ」

「……ふふふっ」



103 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 18:25:23.83 t81Xd6KC0 75/82

「……やっと笑ってくれた」

「えっ?」

「ずっと笑ってなかっただろ? だから笑ってくれてほんとによかった」ニコ

「(きゅん)澪……ありがとう」

「お役に立てて何よりだよ」

(ごめんなさい澪……あなたの思っている悩みと私の悩みは全然違うの……)

(でもね、これでなんとなくわかった気がするの。私がどうするべきかを)

「さて、和も元気になったところで、そろそろ眠らないとな」

「あ、うん……」

(このまま終わりでいいはずがない……私はもう自分の気持ちに気付いてるはず)

(だから……勇気を振り絞らなきゃ……! 私は、私は……!)



104 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 18:31:52.59 t81Xd6KC0 76/82

「それじゃあおやすみ和……」

「ねえ、澪」

「うーん?」

「私ね、気付いたの」

「……」

「何で最近の私はおかしいのか」

「それはね、あなたがいけないのよ」

「あなたのことが好きすぎたせいで、私は全部狂っちゃったの」

「……」

「だから……だから……おねがい」

「私と、その……」ドキドキ

(し、心臓がヤバいわ! 顔も熱い! でも、私は……!)フンス

「私と、つ、つ、つ、つ……!」ドキドキ

「ちゅきあってちょうだい!」



105 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 18:38:13.73 t81Xd6KC0 77/82

「……」

「……」ドキドキ

「……」

「……あれ? 澪?」

「……ぐう」

「ね、寝てる……」ヘナ

「わ、私の苦労は一体……」

ガッ

「ん? ドアから?」

「あは、あははっ」

「うふ、うふふっ」

「律……ムギ……あんたたち」



107 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 18:40:56.37 t81Xd6KC0 78/82

「い、いやあ、聞いちゃいけないような気がしたんだけど、聞こえてきちゃって」

「……どこから?」

「お前らが笑ってるところから」

「あ、あ、あ、あ、ぜ、全部……」

「でも、ぷっ……和、あの告白は、くくっ……無いぞ。なんだよちゅ、ちゅ、ちゅきあってって……ブワハハハハハッ! あーもうダメだ! 腹いてえ! 大事なとこで噛むなよ!」ギャハハ

「ああ……あああああ……!」

「あはは……私は……なんていうピエロ……」

「まったくお笑いね……あはっあははははっ!」

「の、のどかぁ! すまん! のぞき見したのは謝るから正気に戻ってくれー!」

「……」

……




109 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 18:42:16.36 t81Xd6KC0 79/82


――翌朝

「ふわ~あ」

「おは、ぶふーっ!…………エホン、よう和ちゃん」

「ちょっとまった憂。何で今笑ったの?」

「い、いやあなんでもな、な、な……ぶははっ!」

「笑ってるじゃない!」

「和ちゃん、いくらなんでもあの告白は無いよ」

「やっぱり知ってたのね……。誰から聞いたの? 律?」

「ううん、隣の部屋だったからつい」

「えっ……じゃ、じゃあ昨日のは全部丸聞こえ……?」

「お姉ちゃんと梓ちゃんはもう寝ちゃってたから聞こえてないと思うけどね」

「そ、そんな……」ガクリ



110 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 18:47:19.07 t81Xd6KC0 80/82

「……でも、かっこよかったよ和ちゃん」

「ふえっ?」

「なんでもない! さて、朝ごはんの準備しなきゃ」

「えっ? どういうこと? どういうことなのよ」

「なんでもないの! ほら早く顔洗って来て」


「まったく……憂もちょっと生意気になってきたわね。昔は甘えて来てかわいかったのに」ジャー

「……」ジャー

(昨日はあれからどうしたのかしら。眠りに着くまでの記憶がないわ)

(でも……何かしらないけど、すがすがしいわ。身体についてるおもりが取れたみたい。これも私の心の中で決着がついたからかしら)

(まだ、澪にはキチンと思いを伝いきれてない……。こうなったら全力で行くしかないようね!)



111 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 19:00:32.11 t81Xd6KC0 81/82

「ふう……すっきりさっぱりっと」

「あっ……」

「あら澪、おはよう」

「お、おはよう……」

「……なんでこっち来ないの?」

「うえっ!? あ、ああ……和が終わってからそっちに行こうかと思って」

「いいわよそんな気を使わなくても。もうほぼ終わったし」

「い、いや、その……///」

「ん?」




113 : 以下、名... - 2011/03/03(木) 19:04:18.41 t81Xd6KC0 82/82

「わ、私も! 和のことが好きだから!」

「へっ?」

「あ、ああいや違う! 友達として! 友達としてだからな! ああ、これも違う!」

「はっ?」

「と、とにかく! 私も、その……」

「えっ?」

「……や」

「や?」

「やっぱだめっ!!!! はずかしいいいいい!!!!」ドタドタ

「あっ、澪……」

ドタドタ… ドテン! アギャッ! ダ、ダイジョウブデスカミオサン!

「……」

「……ふっ、やれやれネ」



おわり



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