1 : 以下、5... - 2020/01/05(日) 00:46:21.648 gGPFVxxH0 1/108結構閲覧注意かもしれない
元スレ
淫魔との混血という悪評を実力で無理矢理捻じ伏せてアカデミーの一線で頑張っている孤独で若くて優秀な研究者ちゃん「私を雇いたい?」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1578152781/
研究者ちゃん「……ああ、あなたが噂の……」
研究者ちゃん「……あれでしょう? なんでも、古代都市の遺跡の深部に用があるんですって?」
研究者ちゃん「そこに同行できるレベルの人間がいないか、あちらこちらで尋ねまわっているって話を、廊下で誰かがしていたけれど……」
研究者ちゃん「……随分と物好きな人間もいたものだって、思っていたわ」
研究者ちゃん「だって、あんな危険な場所……よっぽどの事情が無ければ入りにいかないわ。いえ、話さなくていいわ、事情」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「それで、私に声を掛けてきたってことよね?」
研究者ちゃん「ふうん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あなた、私のことはどうきいているの?」
研究者ちゃん「何をって……あちらこちらでききまわったのでしょう? 少なくとも、良い噂はなかったんじゃない?」
研究者ちゃん「私は、みんなに妬まれているからね」
研究者ちゃん「……どうせ、いろいろ好き放題言っていたのでしょう?」
研究者ちゃん「あること、ないこと。ねえ?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……だって、そうでしょう?」
研究者ちゃん「若くて、優秀で、結果も出していて」
研究者ちゃん「周りの凡才を蹴落として、出世ばかりしているから」
研究者ちゃん「私には、敵が多いの」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふん。まあ、いいわ」
研究者ちゃん「つまらないことは気にしない人なのね、あなた。そういうの、いいと思うわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……他の奴には誰に頼んだの? 私が最初?」
研究者ちゃん「ふうん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「まあ、目が高い所は褒めてあげるわ……」
研究者ちゃん「……でも、悪いけれど、他を当たって頂戴」
研究者ちゃん「今は研究と雑事で手一杯だから、貴方のことは手伝えないわ」
研究者ちゃん「第一、そんな危険なところ、貴方と二人で行くのも嫌よ。貴方のこともろくに知らないのに」
研究者ちゃん「当然でしょう? そんなの……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……別に、謝らなくていいわよ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……まあでも」
研究者ちゃん「貴方に力を貸してくれそうな奴らのことは教えてあげてもいいわね」
研究者ちゃん「ちゃんとした頼まれごとをされておいて、何もしないのも気分がよくないから……いえ普段そう頼られる人間でも無いけれども、いいわ、それは」
研究者ちゃん「ええとこういう時は……紹介状と……あと所在と名前と経歴だけ書いておくわ……はい、どうぞ」
研究者ちゃん「……ふっ、お礼を言われるようなことなんてしてないわよ……ま、精々頑張ったらいいんじゃない? 事情は知らないけれど」
研究者ちゃん「じゃあ、私忙しいから……」
研究者ちゃん「さようなら」
研究者ちゃん「……門前払いねえ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「まあ、そもそも無謀な話よね。やめたら?」
研究者ちゃん「あそこは一般人が行くところではないわよ。あなたがどれほど強いかは知らないけれども」
研究者ちゃん「……だから、事情なんて聞かないったら」
研究者ちゃん「ていうか私も忙しいのよ。ご希望に添えなくてご愁傷様。さっさと郷に帰ったら?」
研究者ちゃん「……ああ、うざったい」
研究者ちゃん「……その情けない顔、やめてくれないかしら? 私が悪いみたいじゃない」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「ええ、そうね、あなたが無理を言っているのよ。自覚が無いかと思ったわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「あのねぇ、そうやって地面に頭こすりつけるのやめてくれない? 私そういうの慣れていないの」
研究者ちゃん「あなた、恥ずかしくないの?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……なんでも、ねえ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふむ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あなた、遺跡の深部に行くって言うからには、そこそこ腕は立つのよね?」
研究者ちゃん「……手先は器用な方かしら? 要領はいい方?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「ふうん……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「私、忙しいって言ったじゃない?」
研究者ちゃん「……要するに、人手が足りないせいなのよね。私今、ジジイ共や面倒な同僚から嫌がらせを受けていて」
研究者ちゃん「ほら、私妬まれているから? まあ、そんな下劣な馬鹿どもに負ける私じゃないけれども……」
研究者ちゃん「……それでも、大量の雑事を押し付けられたりとか、学内の人手、設備を貸してくれないとかが日常茶飯事で、まあ、面倒ではあるわけ」
研究者ちゃん「研究に必要なフィールドワークだって、魔物の出る場所なんてしょっちゅうだし」
研究者ちゃん「勿論、私自身戦えないわけでもないけれど、魔力の都合もあるわ」
研究者ちゃん「予算だって、ケチられて碌に使えない」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……貴方も悪い人間ではないようだし? ここにいる連中みたく意地悪いわけでもないし?」
研究者ちゃん「こうして頼み込んでくるくらいだから、少なくとも、私のことが嫌ってわけでもないのでしょう?」
研究者ちゃん「……だから、まあ、何かしらね? ううん」
研究者ちゃん「貴方が私の役に立ったら協力してあげるわよ?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……そんな礼を言われることじゃないわ。気まぐれみたいなものだし、見合うだけの働きをしなければすぐに帰ってもらうから」
研究者ちゃん「精々働いて、私の役に立って頂戴。さもなければ即解雇よ解雇」
研究者ちゃん「ふふっ」
研究者ちゃん「……それなら、まずはそうねえ……雑事をやってもらいましょうかしらね」
研究者ちゃん「ほら御覧なさい、この書類の山。すべてジジイ共から押し付けられたものよ」
研究者ちゃん「今日中にこれを全部片づけないと、言いがかりの口実を作ることになるわ。だから、パパっと片づけたいの」
研究者ちゃん「内容は主に学内のつまんない些事の調整、準備とか備品の管理とかいろいろで……」
研究者ちゃん「……あなたには……うーん、そうねえ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「面倒くさいわね。あなた何ができるの?」
研究者ちゃん「……わかっているわよ。教えればいいんでしょう、教えれば」
研究者ちゃん「……あら? これってもしかして私のやる事増えていない?」
研究者ちゃん「違うったら。何を聞いていたの?」
研究者ちゃん「……どうして一度でわからないの? あなた、頭が悪いのかしら?」
研究者ちゃん「……申し訳なさそうな顔されても、しょうがないわよ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……単純な作業じゃない……魔力が無くてもできるはずだわ」
研究者ちゃん「ここをこうして、こうして、そしてこうよ。ほら簡単」
研究者ちゃん「ほら、やってごらんなさい」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……もう、違うったら」
研究者ちゃん「ちょっと貸しなさい、ここはこうして、こうよ」
研究者ちゃん「わかった? わかってないわね。その顔はわかってないわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……どうしてわからないの?」
研究者ちゃん「本当に頭が悪いのねえ」
研究者ちゃん「……ああ、もうこんな時間じゃない!」
研究者ちゃん「いつもの半分も進んでいないわ。全くもう」
研究者ちゃん「……もういいわ。今日は私が片付けるから」
研究者ちゃん「あなたはそこで見ていて頂戴。でも考えなしに突っ立っていたら駄目よ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いえまあ、そんなにしょぼくれなくてもいいわよ」
研究者ちゃん「……怒っていないから、私」
研究者ちゃん「ん、というか……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……まあ、いいわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……なあに?」
研究者ちゃん「無駄口は嫌いよ、私」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ああ、この量? いつものことよ。なんなら、今日は少ないくらい」
研究者ちゃん「面倒くさいったらないわよ。ま、この程度、大したことでもないけれどね」
研究者ちゃん「……え? ああ、言ったじゃない。嫌がらせよ、嫌がらせ」
研究者ちゃん「あいつら、とにかく私のことが気に入らないみたいでねえ」
研究者ちゃん「そのくせ、ここで権力と人望を持っているのだから質が悪いの」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……何の理由でって、知っているのでしょう? つまらない事よ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ああ、まあ、でも」
研究者ちゃん「……それだけでもないというか」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……なんか、私が話すたびに、敵が増えていった気はするのよね」
研究者ちゃん「面倒なことにね。困ったものだわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いや、こういうのは、誤解っていうのかしら? そうではないと思うけれど」
研究者ちゃん「……ほら、私、性格が悪いから?」
研究者ちゃん「どうも、人の気持ちがわからないらしくて?」
研究者ちゃん「……まあ、出自との因果関係は全く無いけれど」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……だから皆、私のことが嫌いなんだって」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……へ?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……私が優しい、っていうのは初めて言われたわね」
研究者ちゃん「おべっかのつもりかしら? あまり上手いやり方ではないようだけれど」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……別に、大したことしてないわよ」
研究者ちゃん「ただ、あなたをこき使えるかなって考えただけだし……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「別に私は、優しくしようなんて、思ってなかったわよ」
研究者ちゃん「……そういうのでは、ないわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……何が誤解よ、むかつくわね」
研究者ちゃん「人の心を勝手に推し量ろうとしないで頂戴」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……だ、だいたい」
研究者ちゃん「あなたの方が優しいのではないかしら?」
研究者ちゃん「正直私、今日あなたにきついことを言っていた自覚はあるのよ?」
研究者ちゃん「でもあなた、全然怒らないのね。他の奴ならすぐに怒り出すところなのに、気にしててもあなたそんな気配全然させないんだもの」
研究者ちゃん「あなたってもしかしてお人よしってやつかしら? でも優しい人が誰かのことを優しいって言っても何の説得力も無いのよ?」
研究者ちゃん「だからこの話はもうおしまい。早くやることを片付けるから、あなたはしゃべらないで頂戴」
研究者ちゃん「謝らなくていいわよ。あなたが謝る必要なんてない。ないんだから」
研究者ちゃん「ああ、やりにくいったらないわよ、全くもう」
研究者ちゃん「……何見ているのよ!」
研究者ちゃん「ああ!? それなら存分に見たらいいじゃない! もう!」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あら」
研究者ちゃん「今日は早いじゃない。まさか私より早く研究室にいるだなんて」
研究者ちゃん「……ふうん。殊勝ねえ」
研究者ちゃん「いいじゃない。いい心がけよ」
研究者ちゃん「○○って、本当に真面目よねえ。ああ、これ褒めているのだけれど」
研究者ちゃん「それなら、今日もたくさん働いてもらいましょうか」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……うんうん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ライン、構成、配置」
研究者ちゃん「全て問題なし。作業時間も問題ないわ」
研究者ちゃん「ふふ、できるようになったじゃない、○○」
研究者ちゃん「ま、私の教え方が良かったのもあるでしょうけれど?」
研究者ちゃん「でも、これで安心していたら駄目よ、○○」
研究者ちゃん「まだまだ至らない点はあるからね。今からそれを説明してあげるわ」
研究者ちゃん「ふふん」
研究者ちゃん「いい? この魔物は針に魔力を溜め込む特殊な機構を持っていて」
研究者ちゃん「針に炎を近づけると……ほら」
研究者ちゃん「ね? 凄いでしょう? でしょう?」
研究者ちゃん「ふふん……魔物の生態は中々どうして、奥深いものなのよ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……まだまだ面白い話はたくさんあるわよ? 時間もあるし、もう少し話しましょうか」
研究者ちゃん「……いいのよ……しばらくは私と一緒に働くのだから、やっぱり研究の面白さをわかっていないとね」
研究者ちゃん「ちょっと待っていなさい、すぐに試料を持ってくるから」
研究者ちゃん「ううん……どれがいいかしらねえ。あ、これなんて面白いかしら……」
研究者ちゃん「この辺りは特殊な地形をしていてねえ」
研究者ちゃん「……本来、魔物が生息するには不向きな場所なのだけれど、ある条件が揃っていることで、とある機構を持った生物が生息することができて」
研究者ちゃん「今回採取をしに行くところもそういった地形的な条件を考えることで、魔物の巣のある場所を……」
研究者ちゃん「……あ、ごめんなさい。私ばかり話をしてしまって。退屈だったかしら?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……そう? そうかしら? でもそうよね、我ながら面白い話をしているものね?」
研究者ちゃん「……○○は、ちゃんと興味を持って聞いてくれるから、こちらも話がし易いわ」
研究者ちゃん「……暇な道中もねえ、話し相手がいてくれると……あら、ここ良い感じね」
研究者ちゃん「○○、荷物をちょっと下ろしてくれないかしら? ……ありがとう」
研究者ちゃん「……うん。ここにしましょう。早速採取の準備をしてくれる? ○○」
研究者ちゃん「○○! 来るわよ!」
研究者ちゃん「そいつの武器は毒のある尻尾が本命だから、そこに注意して!」
研究者ちゃん「まだよ、引き付けるから……今よ!」
研究者ちゃん「……っ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふう」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……二人いると、魔物退治も楽ねえ」
研究者ちゃん「助かったわ、○○。中々やるじゃないの」
研究者ちゃん「ふふん……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「○○」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……お疲れ様」
研究者ちゃん「今日も頑張ってくれているわね。感心感心」
研究者ちゃん「○○のおかげで、私の研究も随分と進んでしまったわ。ははん」
研究者ちゃん「ふふん……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……それで、○○は今何をしているのかしら?」
研究者ちゃん「ふふーん、どれどれ……」
研究者ちゃん「ふんふん……」
研究者ちゃん「……ばっちりね、○○。やるじゃない」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……でも、○○」
研究者ちゃん「……今日のところはこれくらいにして」
研究者ちゃん「……ご飯でも、食べにいかない?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……なにを驚いているのよ」
研究者ちゃん「……あら、いいじゃない、今日くらい」
研究者ちゃん「最近は、余裕もあるから大丈夫よ」
研究者ちゃん「根を詰め過ぎるのも、何だし? 私もたまにはゆっくりしたいわ」
研究者ちゃん「……あなたがどうだかは、知らないけれども」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……なに? その苦笑」
研究者ちゃん「……いくの? いかないの? どっち?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「ふふん。よろしい」
研究者ちゃん「ま、存分に食べなさい。お金は私が出してあげる」
研究者ちゃん「ふっ、いいのよ。私はあなたよりたくさんお金を持っているから。遠慮される方が侮辱だわ」
研究者ちゃん「大体この程度の金でけちけちする方が度量も狭いってものよ。いいから奢られなさい」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○○は、真面目よねえ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……これくらい、最近の○○の働きぶりはちゃんと評価しているんだから」
研究者ちゃん「仕事終わりにこうやって美味しいものを食べて、お酒を飲むのが一日の楽しみらしいし?」
研究者ちゃん「遠慮しないで、食べたらいいんじゃない?」
研究者ちゃん「ふふん」
研究者ちゃん「……って、中々の食べっぷりね」
研究者ちゃん「そんななりして、えげつない運動量で動くわけだわ。まったく」
研究者ちゃん「一緒に歩いているだけで、私が息切れしちゃうんだから……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……私は、いいのよ。小食だから」
研究者ちゃん「私、あまりお腹が空かない方なの。お酒だけ飲ませてもらうわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「ふう、おいしいわね」
研究者ちゃん「……でー、本当にあり得ないのよー、あのジジイども……何度絞め殺そうかと思ったかー……」
研究者ちゃん「あり得ないくらい妨害してきてー、こっちは散々結果出してるのにー」
研究者ちゃん「しかもそれを黙認されてる状況もおかしいわよ……何なの……本当に糞だわ……学内ヒエラルキーなんて糞……」
研究者ちゃん「私は真面目に研究しているだけなのにねー……嫌になっちゃうわー」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……はあ、辛い」
研究者ちゃん「……○○ー、聞いてるー?」
研究者ちゃん「なに優し気に苦笑しているのよ……あなた、本当、そういうところ」
研究者ちゃん「はー……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……でも負けたりなんかしないわ」
研究者ちゃん「私は研究を進めて、出世して、トップに躍り出て」
研究者ちゃん「……そうしたら、私は」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふう」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「でも、最近は、あまり辛くない、かも……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……やっぱり二人だと違うわねえ、1週間分の仕事が2日で終わるんだもの」
研究者ちゃん「正直、最初はそこまで期待していなかったけれど、中々頑張ってくれているし?」
研究者ちゃん「なんならずっとここで働いて欲しいわよ、ふふふ、ふふ……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……魔物との戦闘だって、私一人だとねえ」
研究者ちゃん「……大抵の敵は別に、魔術一発で倒せるけれど」
研究者ちゃん「でも、やっぱり、魔力を使いすぎるのは、怖かったから……」
研究者ちゃん「だから、最近は安心して、フィールドワークに出られているわ。これも○○の……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……え? ああ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○○にだから、話すけれど」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ほら、私って、その、アレじゃない」
研究者ちゃん「出自が、その、まあ、混じっているわけで……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……で、でも、私は、そういうのじゃなくて」
研究者ちゃん「魔力で補っているから、大丈夫なのよ」
研究者ちゃん「今まで、それで、何とかなってきているから」
研究者ちゃん「だから、まあ、怖いって言うのは、そういうこと……」
研究者ちゃん「別に、私は魔力が多い方だから、滅多にそういうことはないけれど……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「勿論、○○なら、わかってくれていると、思うけれど」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「最近、噂で、なんか、男を、その、連れ込んで、とか、あって」
研究者ちゃん「でも私は全然っ、そういうのじゃ、ないから……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……そういう差別って、嫌い」
研究者ちゃん「……魔族の血が混じっていたって、普通に暮らせる人は多いのに」
研究者ちゃん「……馬鹿みたい」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ありがとう」
研究者ちゃん「……ううん。今でも十分、助かっているわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○○は」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……優しいね」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……うー」
研究者ちゃん「……あー……あれ?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○○、ごめんね……おぶってもらっちゃって」
研究者ちゃん「……こんなにならないはずだったけれど、はしゃぎすぎちゃったかな」
研究者ちゃん「……いま、おりるから、あれ、っと……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ごめんね」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「でも、らくちん……」
研究者ちゃん「……あたたかい」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……きょうは」
研究者ちゃん「お礼、したくて、誘ったの」
研究者ちゃん「……きてくれて、よかったわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……これからも」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……頼りに、してる、から」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……今向かっている古代都市にはね、高度な魔法技術が存在していたの」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「ほら、大昔にこの辺りで魔族の大侵攻があったでしょう? その際に破壊しつくされてしまったのだけれど……」
研究者ちゃん「……一部、当時の魔族には侵略しきれなかった場所があったのね。そこが、今回の目的地。○○が最初から行きたかった場所」
研究者ちゃん「調査がある程度はされていて、それでも危険な場所だってことで、本来は一般人には立ち入り禁止なの」
研究者ちゃん「だから、ちゃんと私に感謝しなさいね。準備に意外と苦労したんだから」
研究者ちゃん「よろしい」
研究者ちゃん「……ふふん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……でも」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「○○は、今まですごく頑張ってくれたから」
研究者ちゃん「……本当は、もっとしてあげたいくらいなんだけれどね」
研究者ちゃん「……最後だし」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……まあ、その代わりでもないけれど、○○の目的は私が必ず叶えてあげるんだから」
研究者ちゃん「安心して、私に全てを任せなさい。ふふんっ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「○○」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いる?」
研究者ちゃん「ちょっと今いいかしら?」
研究者ちゃん「……ごめんなさい、寝るところだったかしら?」
研究者ちゃん「……そう? ……え? ああ、ちょっと共有したいことがあって」
研究者ちゃん「今日現地で確認した情報と過去の調査結果を照らし合わせていたのだけれど」
研究者ちゃん「おおむね問題ないとは思うけれど、少し気になるところが……」
研究者ちゃん「……え? ああ、そうよ。今日はそれで別行動だったの」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いいのよ。あなたは休んでくれても……私に全て任せてって言ったでしょう?」
研究者ちゃん「私が責任を持ってやるんだから、○○は楽にしてていいのよ」
研究者ちゃん「……え、でも」
研究者ちゃん「……ん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……んん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○○も、遠慮なく物を言うようになったわね」
研究者ちゃん「……最初の頃とは大違いだわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……でも、私はただ、○○の労働に見合うだけの価値を返そうとしているだけよ」
研究者ちゃん「……いえ、もう、わかったわよ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……別に、文句なんてないわ。○○は頼りになるものね」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……突っ走るって何よ。ちょっと待って、○○。あなた私のことをそういう風に思っていたわけ?」
研究者ちゃん「……ちょっと、それは、違うでしょ? トイレでのアレは今言わなくていいでしょ?」
研究者ちゃん「……な、なに笑っているのよ、もうっ!」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あ、謝らなくていいわよ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……なあに、むかし話みたいに喋って」
研究者ちゃん「……ちょっと前のことなのに」
研究者ちゃん「……懐かしそうに言わないでよ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「○○の故郷ってどこだっけ」
研究者ちゃん「……ふうん。やっぱり遠いわね」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふうん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ま」
研究者ちゃん「……精々、持ち帰ったもので、幸せに暮らしたらいいんじゃない」
研究者ちゃん「……そのために、頭床に擦りつけまでしたんだし?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……なに、苦笑しているのよ」
研究者ちゃん「……気に入らないわね」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……手紙、くれるの?」
研究者ちゃん「……ふうん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ま、気が向いたら、返事してあげるけれど?」
研究者ちゃん「……でも、私、きっと忙しいでしょうから、こまめに返せないわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……というか、普通に手紙を送ったら数か月はかかるじゃないの」
研究者ちゃん「……ちんたらし過ぎよそんなの」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふっ、その様子だと知らないようね、○○」
研究者ちゃん「帰ったら教えてあげるわ。最先端の通信手段がいかに速く遠くまで届くのかを」
研究者ちゃん「……ええ? ……ふふん……○○もまだまだねえ。それどころではないわよ。研究室にもあったのにねえ」
研究者ちゃん「アレを使うとねえ、なんと○○の故郷からだって、数秒で言葉のやり取りを交わせるんだから」
研究者ちゃん「……あら、本当よ? 私が今まで○○に間違いを教えたことがあったかしら?」
研究者ちゃん「……いくらなんでも信じられない? ふふっ、これは帰った時が楽しみね」
研究者ちゃん「○○の開いた口がきっとふさがらなくなるんじゃないかしら?」
研究者ちゃん「ああ、見たいわねえ、○○の間抜け顔……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「だから、まあ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……実証のために、だけれども」
研究者ちゃん「……それなら、○○に、それ貸し出してもいいと思うから」
研究者ちゃん「……だから」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……連絡するなら、それを使って送って頂戴」
研究者ちゃん「……こまめには、返せないでしょうけれど」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……でも、なるべく、返すから」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふふん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……それで、調査結果の資料は全て持ってきたけれど、未踏の部分もあるわ」
研究者ちゃん「でもちゃんとした順路を考えて辿っていけば大丈夫なはずだから、安心して頂戴」
研究者ちゃん「なるべく危険な罠が少ない路を選んで進みましょう……」
研究者ちゃん「……設置された罠の場所は調査されていたようだから」
研究者ちゃん「これに従ってルートを決めていくわ」
研究者ちゃん「予め見繕っていたいくつかのルートがあるのだけれど……」
研究者ちゃん「……この遺跡は大規模だし、目的の地点はそこそこ深い所だから、どう行っても数日がかりになるわね」
研究者ちゃん「不測の事態も考えて、予備の食料も用意していく必要はあるわね」
研究者ちゃん「それと、魔力の回復薬も、もう少し……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……え? ああ、ありがとう」
研究者ちゃん「……ごめんなさい、余計な気を遣わせてしまって」
研究者ちゃん「……大丈夫よ。十分に用意していけば、ルートも考えつくしたし」
研究者ちゃん「ルートは危険の少ない場所を決めたし、順調にいけば予備に手を出さずにすら終わる想定だから」
研究者ちゃん「大丈夫よ、大丈夫。ちゃんと考えつくしたんだから……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふぅ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……うん。ここまで、だいたい資料の通りになっているわね」
研究者ちゃん「普通の洞窟と違って魔物に出くわすとかもないから、罠にさえ気を付ければ……」
研究者ちゃん「……ええ。気を抜かずに、進んでいきましょう」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふふ。頼りにしているわ」
研究者ちゃん「だから、○○も私のことを好きに頼りにしていいんだからね」
研究者ちゃん「ふふん」
研究者ちゃん「……あ、○○。一度止まって」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ここね。解除するから、動かないままでね」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……よし……流石に、手強かったわね」
研究者ちゃん「……でも、もう大丈夫よ。さあ、行きましょう」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふぅ、ふぅ」
研究者ちゃん「……ええと」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ああ、もうすぐ、目的の地点に到達するわね」
研究者ちゃん「……順調じゃない。想定通りの進行よ」
研究者ちゃん「……どうする? 一度休憩をはさみましょうか?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……私は大丈夫よ。問題ないわ」
研究者ちゃん「……そうね、それなら行きましょうか」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「あら?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いえ、何かしらね」
研究者ちゃん「あそこだけ、色がほんの少し周りと違う気がして……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……調査範囲に入っていて、特記事項もない、か」
研究者ちゃん「……何もないのかしら? 少し気になるけれど」
研究者ちゃん「……でも、前回の調査時から何か変わるわけも無し」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……え? ああ、そうねえ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ちょっと待っていて。私が、少し調べてくるから」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……何か、あるのなら、前回の調査時に見つかっているはずだし」
研究者ちゃん「見落としだとしても、罠が発動するなら記述があるはず」
研究者ちゃん「……だとしたら、隠し通路か何かがあるんじゃ……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「あ」
研究者ちゃん「しまっ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……テレポーター、か!」
研究者ちゃん「……こんな厄介な罠があったなんて! 油断した!」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○○」
研究者ちゃん「……よくあの一瞬で、私の体を掴めたわね」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……じゃなくて」
研究者ちゃん「……何で巻き込まれに行くのよ! 一歩間違えていたら……!」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いえ、違うわ。私のミスよ……これは」
研究者ちゃん「……はぐれていたら、終わっていた」
研究者ちゃん「……ごめんなさい。ただの八つ当たりだったわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あれは、多分、対魔族用の罠よ。この辺りでは魔族の侵攻があったし」
研究者ちゃん「しかも、巧妙に隠されている。前回の調査では見落とされたのね」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……人間相手には発動しないから……そのまま素通りされたのだと思う」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……っ」
研究者ちゃん「……調査資料に頼り過ぎていたわ。ごめんなさい」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……魔力が、大半を持っていかれた」
研究者ちゃん「……引っかかった対象の魔力を利用して発動したのね……なんてえげつない」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ああ、大丈夫よ。こういう時のために、魔力の回復薬を多めに持ち込んだのだから」
研究者ちゃん「それより、はやくここがどこかを確認しないといけないわ……」
研究者ちゃん「……広い部屋のようだけれど、待ち伏せ部屋として使われたのかしらね? 何にしても、まともなところへの転移でよかったわ」
研究者ちゃん「……荷物は全部ある? 地図も?」
研究者ちゃん「十分注意して周囲を調べて、ここがどの部分か特定しましょう」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……かなり深い場所にまで飛ばされてしまったようね」
研究者ちゃん「……でも、入口までなんとか行けそうだわ。多分」
研究者ちゃん「……予備の食料を持ってきて良かった」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……流石に、この状態で目的を果たせるはずもないから」
研究者ちゃん「それは、ここを出てから、計画から立て直しましょう……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「根本的に見通しが甘かった……弁解のしようもないわ……」
研究者ちゃん「……いえ、偉そうなことを言っておいて、これだもの」
研究者ちゃん「……私が、悪いわ」
研究者ちゃん「……っ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……出発前に、休憩にしましょう」
研究者ちゃん「……魔力も、尽きそうだから」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふぅ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……んっ、んっく」
研究者ちゃん「んっ……?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……っ!」
研究者ちゃん「……う、うそ、うそでしょ?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ああ……そりゃ……そうよね」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「転移なんて上級魔術、私一人の魔力で済むわけもない……」
研究者ちゃん「ましてや、二人分の転移なんて……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……根こそぎ、やられているわ」
研究者ちゃん「回復薬も、魔具も、魔力を帯びたものは全部……」
研究者ちゃん「……もう、役に立たない」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あはっ、あはは」
研究者ちゃん「……もしかして、回復薬を多めに持ってこなければ、転移自体発生しなかったかしら?」
研究者ちゃん「……全部が全部、転移に使われているわけではなく、貯蓄しているのだとしても」
研究者ちゃん「……でも、長年放置されているからには、転移用の魔力だって、周囲に拡散されていてもおかしくないし」
研究者ちゃん「……まあ、確かめようも、無いけれど」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……だ、大丈夫よ、大丈夫」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……っ」
研究者ちゃん「大丈夫だって、言っているでしょう!」
研究者ちゃん「……ぁ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ご、ごめんなさい」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……今からすぐに入口に向かって行けば」
研究者ちゃん「……多分、数日くらいで到達するはずよ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……食料もあるし、問題ないわ」
研究者ちゃん「……問題、ないったら」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……行きましょう」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……はぁっ、はぁ」
研究者ちゃん「……はぁ、はぁ」
研究者ちゃん「はぁ……」
研究者ちゃん「……○○、もう少し、早く歩けない?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いえ、このくらいで、問題ないわ」
研究者ちゃん「……大丈夫、だって」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いえ」
研究者ちゃん「……そう、ね」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……はぁっ、はぁっ」
研究者ちゃん「……はぁ、はぁっ」
研究者ちゃん「……はっ、はっ、はぁっ……」
研究者ちゃん「……え、はぁ、な、何?」
研究者ちゃん「……あ、ああ、休憩?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……そうね、そろそろ、しましょうか」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ついでに、食事も、済ませましょう」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……美味しくないわね」
研究者ちゃん「……味がしないから、食べた気もしないし」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ごちそうさま」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……行きましょうか」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……はぁっ、はぁ」
研究者ちゃん「……はぁ、はぁ」
研究者ちゃん「……っ、え、どうしたの、○○」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ああ」
研究者ちゃん「ご、ごめんなさい……罠が……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ごめんなさい」
研究者ちゃん「気を、付けるわ……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……まだ、大丈夫よ」
研究者ちゃん「……大丈夫」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○○」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……そろそろ、休憩に、しない?」
研究者ちゃん「……ああ、いえ」
研究者ちゃん「……確かに、さっきも、したけれど」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あ、ありがとう」
研究者ちゃん「……だ、だ、大丈夫、よ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……食事に、しましょう」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……え?」
研究者ちゃん「……なあに?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……そう、かしら」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……でも」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……お、お腹が」
研究者ちゃん「……お腹が、空いて」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ぅぇっ」
研究者ちゃん「っ! ……けほっ、かはっ、はぁっ、はぁ……!」
研究者ちゃん「……だ、大丈夫」
研究者ちゃん「……た、食べ過ぎて、しまって」
研究者ちゃん「……っ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……大丈夫、よ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……だって、あと……」
研究者ちゃん「……あと」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「半分……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「○○」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ごめん、なさい」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……少し、だけ」
研究者ちゃん「……少しだけ、あの」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ぅ」
研究者ちゃん「……ごめんなさい、ごめんなさい」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あ」
研究者ちゃん「……ひょ、表面のだけでも、先に取りたいから、直接、で」
研究者ちゃん「……ご、ごめんなさい」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……っ」
研究者ちゃん「……あ、う」
研究者ちゃん「……ぅぅぅ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ご、ごめんなさっ、こんな、ぅっ」
研究者ちゃん「……ひっく、ぅぅぅ……っ」
研究者ちゃん「……うぅっ、ごめんなさい」
研究者ちゃん「ごめんなさい、ごめんなさい……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……んっ、ぁむ」
研究者ちゃん「……んっ、んっく」
研究者ちゃん「……んっ、んっ、んっ」
研究者ちゃん「……っはぁ、はぁ」
研究者ちゃん「……ずずっ、ぐすっ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……んっ、んっ、んっ」
研究者ちゃん「……んっ、んっ、んっ」
研究者ちゃん「……んっ、んむっ」
研究者ちゃん「……じゅ、ちゅ、じゅる」
研究者ちゃん「……んっ、んっ」
研究者ちゃん「……んっ」
研究者ちゃん「……っ」
研究者ちゃん「……っはぁ」
研究者ちゃん「……んっ、んっ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ね、ねえ、まだ、出ないの……?」
研究者ちゃん「……んっ、んっ」
研究者ちゃん「……んっ、っはぁ」
研究者ちゃん「……ど、どうしたらっ、でるの?」
研究者ちゃん「……わ、わたし、おなか、すいてっ、どうやったら、ぅぅぅ」
研究者ちゃん「ねえ! どうやったら、でるの!? ○○っ!?」
研究者ちゃん「ん、じゅっ、んぁっ……」
研究者ちゃん「……は、はやく、だして……わたし、わたしっ、もう、げんかい、で」
研究者ちゃん「ぅぅぅっ……」
研究者ちゃん「……んむっ、ちゅ、んっ」
研究者ちゃん「んっ、はっ、んっ、じゅる」
研究者ちゃん「んっ! んぐっ、んっく、んむ」
研究者ちゃん「……ぅぇっ、けほっ、かはっ、はぁっ」
研究者ちゃん「……はぁっ、はぁっ、ぅぅぅぅ」
研究者ちゃん「……ひっく、ぅっく」
研究者ちゃん「……ぅぅ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……っ?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○○? どう、したの?」
研究者ちゃん「え、ちょ」
研究者ちゃん「○○!? どうしたの、○……っ」
研究者ちゃん「もしかして、あてられて……っ!? まずっ……」
研究者ちゃん「……っく、○○! 正気に、戻って……っ! ○○っ!!」
研究者ちゃん「くっ、ぐぐっ、くぅ、ぅあ……」
研究者ちゃん「あうっ!」
研究者ちゃん「やめっ、んむっ!?」
研究者ちゃん「んーっ、んぅー、ん、むぅ……」
研究者ちゃん「……んっ!? んーっ!! んっ!!」
研究者ちゃん「んぅーっ!! んぅーっ!!」
研究者ちゃん「ん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「は、……、は……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……、ふっ、ぅ、ぅっ、ぅ」
研究者ちゃん「ぅっ、ぅっ、ぅっ、ぅっ」
研究者ちゃん「はっ、っ、っ、ぁ、ぁっ」
研究者ちゃん「……は……っ」
研究者ちゃん「ぁ、……ん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ぁ」
研究者ちゃん「……○、○?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……やっと、しょうきに」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「あ……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……たれ、て」
研究者ちゃん「あら、○○」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「どうしたのよ、帰ってから一度も研究室に来ないで」
研究者ちゃん「心配したんだから、もしかして体調崩したんじゃないかって……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「なに突っ立っているのよ。入ったらいいじゃない」
研究者ちゃん「変な人ねえ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……そこに、座って頂戴」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……何か、飲む?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ああ、そう」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……今、後始末で、大変でねえ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「ほら、私しくじったじゃない? そのせいで、いろいろ始末書とか書かなくてはならなくて」
研究者ちゃん「それ見たことかって、非難する奴らの多いこと多いこと!」
研究者ちゃん「まあ、いつものことだから、いつものようにやり過ごしているけれどっ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……調査のレポートも、まとめないといけないから、やることが多いわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……手伝うなんて、いいわよ」
研究者ちゃん「だって、私、○○のお願い全然叶えられていないじゃない」
研究者ちゃん「それなのに、これ以上をしてもらう訳には、いかないわよ……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……それより、その、○○?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あなた、用事があって、ここに来たのではないの?」
研究者ちゃん「……顔を見せに来たってだけでは、ないのよね?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……どうしたの」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ああ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……そんなの、いいのに」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「私が悪いのよ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いえ、全面的に私が悪いわ。○○に非はない」
研究者ちゃん「しょうがないわよ。半端でも、淫魔の誘惑は、対策がないと……」
研究者ちゃん「……特殊な状況だったし、○○が抗えなくてもしょうがない」
研究者ちゃん「……だから、○○が謝る必要はないのよ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……っ……どうしたの、いきなり立ち上がって」
研究者ちゃん「……座ったら?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……どうしたらいいって、別に、どうも」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……何度も言っているけれど、○○は、悪くない」
研究者ちゃん「……○○が、気にすることは」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○、○○は、本当に悪くないのよ?」
研究者ちゃん「わ、私が、全部……悪くて……だから……」
研究者ちゃん「……ぁ」
研究者ちゃん「……ちょ、○○」
研究者ちゃん「近づっ……」
研究者ちゃん「ひっ!」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「あ」
研究者ちゃん「……あ、ち、ちが」
研究者ちゃん「ごめんなさっ、今のは、あ、ちがっ」
研究者ちゃん「違うのっ!!」
研究者ちゃん「今のはっ、今のは、本当じゃなくて、と、咄嗟、咄嗟に、ね?」
研究者ちゃん「……あ、ちが、ふ、震えて、なんか、ぅ」
研究者ちゃん「……ぁ、待って、待って、違うの、本当に、違く、て」
研究者ちゃん「やだ、やだやだ、違う違う違う違う。こうじゃない、こうじゃない、なんで、私……」
研究者ちゃん「……あ、謝らないで、○○は、全然悪くない……待って、○○!」
研究者ちゃん「そ、そんなことより、そんなことよりね? ○○、私、あなたのこと、ずっと、待ってて」
研究者ちゃん「は、話したいこと、ずっと、考えてて!」
研究者ちゃん「……あ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……どうして」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ぅぅぅぅっ」
研究者ちゃん「なんで、なんでっ……」
研究者ちゃん「……なんで」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○○は、悪くない」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……私が、悪い」
研究者ちゃん「……私が、ちゃんと対策を整えられていたら」
研究者ちゃん「……甘い見通しで行かなかったら」
研究者ちゃん「……私が、罠に引っかからなかったら」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……私が、魔族の血なんて、引いてなければ」
研究者ちゃん「……こんなことには、ならなかった」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……でも」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……大丈夫」
研究者ちゃん「大丈夫、大丈夫よ。○○だもの……」
研究者ちゃん「……○○は、優しいから、ちゃんと話を聞いてくれるわ」
研究者ちゃん「……ちゃんと、○○が悪くないことを説明して」
研究者ちゃん「……でも、○○の気が済むように、謝罪を受け入れて」
研究者ちゃん「……それで、そうしたら、次は」
研究者ちゃん「……また、遺跡に潜る方法を」
研究者ちゃん「二人で、ちゃんと考えて……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「それで、また、一緒に……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……よし」
研究者ちゃん「……ふーっ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○○? いる?」
研究者ちゃん「私よ」
研究者ちゃん「話があるの、開けてくれない?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……っ、あ、○○」
研究者ちゃん「良かった、居てくれて……今、いいかしら?」
研究者ちゃん「あ、あのね、話が、」
研究者ちゃん「あっ、て……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「その荷物は何?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「○○?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「え?」
研究者ちゃん「だ、駄目よ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「そんなの、駄目よ。だって、まだあなたの目的を果たしていないじゃない」
研究者ちゃん「……何、勝手な事を、言っているの」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あ、ああ、それとも」
研究者ちゃん「……わ、私じゃあ、頼りないって、ことかしら?」
研究者ちゃん「そうよね、私、情けない所を○○に見せてしまって、本当に……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……だ、だって、そうでしょう、まだ、目的、果たしてないのに……」
研究者ちゃん「……あれだけ、頼み込んできた、ことなのに」
研究者ちゃん「……なんで」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……なんで、また、謝るの」
研究者ちゃん「……わ、私の、話を、きいて、よ」
研究者ちゃん「○、○……」
研究者ちゃん「……あ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ぁ」
研究者ちゃん「に、逃げるんだ?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……え? だ、って、そう、じゃない?」
研究者ちゃん「……逃げ、ちゃうんだ? ○○、この、まま」
研究者ちゃん「私のことを、お、お、犯して、おいて、に、逃げるんだ?」
研究者ちゃん「ひ、卑怯、よ、○○」
研究者ちゃん「卑怯、もの」
研究者ちゃん「無理、矢理、おさ、押さえつけて」
研究者ちゃん「抵抗したら、また、力づく、で……っ!」
研究者ちゃん「お、お母さん、が、されてた、みたいにっ」
研究者ちゃん「……私のことをっ!! 散々犯した、くせにっ!!」
研究者ちゃん「何もなかったことにして、逃げるんだ!! ○○はっ!!」
研究者ちゃん「っ! 違わない!! 違わない!! 違わないよっ!!」
研究者ちゃん「じゃあなんで、どこかに行こうとするの!! なんで!! なんで私から、離れようとするの!!」
研究者ちゃん「こ、ここにいてよ!! 私から逃げないでよ!! 私を見捨てないでよっ!!」
研究者ちゃん「私から目を背けて、話も聞いてくれない!! 悪くないって言ってるのに、全然聞いてくれないっ!!」
研究者ちゃん「だったら、○○のせいなんだからっ!! 全部、全部っ、○○が、悪いんだからぁっ!!」
研究者ちゃん「○○が、責任とってよぉっ!!」
研究者ちゃん「……はぁっ……! はぁっ……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……どこにもっ、行かないで」
研究者ちゃん「……側にいてよぉ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……っ、ぅぇ、うええぇっ」
研究者ちゃん「えぐっ、うえっ」
研究者ちゃん「うええぇ、ひっく……」
研究者ちゃん「……ぅぇっ、ひっ」
研究者ちゃん「……大丈夫、だから」
研究者ちゃん「本当に、大丈夫、だから」
研究者ちゃん「……ひっく、うえっ」
研究者ちゃん「……だから、これからも、二人で」
研究者ちゃん「……い、一緒に、前、みたいにぃっ」
研究者ちゃん「……うっ、えうっ」
研究者ちゃん「……だ、だって」
研究者ちゃん「……ちょ、ちょっと、びくって、した、だけなのに」
研究者ちゃん「……なんで、○○、謝って、ばかり」
研究者ちゃん「……ひっく、うえっ、また、謝る、し」
研究者ちゃん「……うん、ひっく、う、ん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……じゃ、じゃあ、もう、謝らないで、よ」
研究者ちゃん「……ずずっ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……もう、どこにも、いかないで、よ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……うん、うん」
研究者ちゃん「……ひっく」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……これは、どうなのかしらね」
研究者ちゃん「ううん……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ねえ、○○はどう思う? これ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……そうよねえ、うねうねしているわよねえ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……普通に失敗作ね。廃棄しましょう」
研究者ちゃん「……次の学会に間に合うのかしらね? なんだか不安になってきたわ」
研究者ちゃん「……理論は間違っていないはずなのだけれど」
研究者ちゃん「……何か見落としがあるのかしら、ううん……ああ、もう」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……はぁっ、そうね。休憩にしましょうか」
研究者ちゃん「……はー」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あら、○○」
研究者ちゃん「ありがとう。○○のいれてくれるマテマ茶はいつもおいしいわね……」
研究者ちゃん「ふぅ……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……って、○○は休憩しないの?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……あ、そう」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いえ」
研究者ちゃん「私に休憩しろって言った当の本人が休んでないって、どうなの?」
研究者ちゃん「いつもとても頑張ってくれるのは嬉しいけれど、身体が心配になってしまうわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……笑えば許されるって訳じゃないのよ、○○」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……○○、○○。ちょっと、こちらに来なさい」
研究者ちゃん「……用事があるから、そうこっち」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いえ、少し距離を、感じるんだけれど」
研究者ちゃん「……気を遣ってくれているのは、わかるけれど」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「ふう」
研究者ちゃん「……○○」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「いいことを教えてあげるわ」
研究者ちゃん「右手を差し出しなさい」
研究者ちゃん「……私に掌を見せるようにして」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「えいっ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ん? ああ、恋人繋ぎって言うらしいのだけれど」
研究者ちゃん「○○、今手汗凄いわね……私のも? わからないでしょ、そんなの」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「こういうのを、リハビリっていうのよ」
研究者ちゃん「少しずつ慣れていくの」
研究者ちゃん「そうしたら、じきに元に戻るんだから……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふむ」
研究者ちゃん「○○の手首の可動域は広いわねえ……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ねえ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……こうしているのは、嫌?」
研究者ちゃん「……だって、○○、汗ヤバいわよ」
研究者ちゃん「……え? 嫌よ、放したくないもの」
研究者ちゃん「……○○こそ、嫌なら振り払えばいいじゃない?」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……ふふん」
研究者ちゃん「それなら、これは日課にしましょう?」
研究者ちゃん「へ? じゃなくて、リハビリよ。こういうの、必要だと思うから」
研究者ちゃん「次は腕でも組んでみようかしら? なんてね……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……でも、うん」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「やっぱり、○○の手は……」
研究者ちゃん「……優しくて、温かいわねえ」
研究者ちゃん「……へへへ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……私ねえ、○○」
研究者ちゃん「あなたになら、弱みを見せたっていいの」
研究者ちゃん「不思議よね。弱みなんて、人に知られたら苦しいだけなのに」
研究者ちゃん「……でも、あなたがいてくれたら、きっと平気なんだわ」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……いつか、また、自然に」
研究者ちゃん「こうして、手をつなげるようになりたいわ」
研究者ちゃん「……そうしたらきっと、もっと平気になると思うから」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「……やっと、握り返してくれたわね、○○」
研究者ちゃん「……ああ、いい気分」
研究者ちゃん「……」
研究者ちゃん「えへへ……」
119 : 以下、5... - 2020/01/05(日) 02:43:53.593 EKWtoB+H0 108/108終わりです
ハーフサキュバスについて語ってる画像を見て妄想した
妄想中にいろいろ葛藤してたら正月休みの大半が過ぎた
なにをしてるんでしょうかねぼくは