1 : 以下、名... - 2011/04/16 21:02:17.90 Ac/9C/aE0 1/1986

「人間とは変わりませんよ?」

「……どこでもいいのか?」

「はい、どこでも」

「それじゃあ……」

「脚、ですか?」

「ふむふむ……」

「エッチな触り方ですね」

「ほっとけ」

元スレ
女「機械の体ですけど触ります?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1302955337/

7 : 以下、名... - 2011/04/16 21:03:52.02 Ac/9C/aE0 2/1986

「本当に生身の人間そのものだな」

「はい」

「……うなじも?」

「はい」

「どれどれ……」

「なんだか、とっても変な人なのですね」

「なんで?」

「お胸とか、お尻ではないのですか?」

「いいじゃんなんでも」

10 : 以下、名... - 2011/04/16 21:07:00.31 Ac/9C/aE0 3/1986

「いえ、私の中のデータでは女性魅力カテゴリーでは『うなじ』はレベルが低いので」

「水準で物を決めちゃいけないぜ」

「そうですか」

「ふむ……綺麗で素敵だ」

「そうですか」

「それで、あんたはなんで俺の家に?」

「言わなければならないのですか?」

「当たり前だろう」

20 : 以下、名... - 2011/04/16 21:10:53.82 Ac/9C/aE0 4/1986

「これは……家と言っていいのですか?」

「はいはい、見栄張りましたアパートです。貸家ですよ」

「わかりました。私のことについてお話します」

「よろしくお願いします」

「ここに住ませて欲しいのです」

「……」

「……」

「それだけ?」

「はい、あなたがすることは」

26 : 以下、名... - 2011/04/16 21:13:33.15 Ac/9C/aE0 5/1986

「俺がすることは?」

「そうです。あなたがすることはそれだけです」

「じゃあ、他の人がいるのか?」

「なにがですか?」

「いや、だから、俺以外にすることがある人がいるのか?」

「はい、もちろんです」

「誰だ?」

「えっと、それは言わなければならないのでしょうか?」

「言ってよ普通に」

30 : 以下、名... - 2011/04/16 21:17:39.10 Ac/9C/aE0 6/1986

「わかりました、言います」

「お願いします」

「私が人間と生活しても支障がないかどうかを調べるのです」

「ふむ」

「それを日々観察・記録し、報告する係が一人」

「ふむふむ」

「そして、その報告をうけて私を改良する係がいます」

「つまり、二人?」

「はい」

43 : 以下、名... - 2011/04/16 21:22:36.52 Ac/9C/aE0 7/1986

「ちょ、ちょっと待って」

「はい?」

「こんな可愛い子と一つ屋根の下で、しかも二人で生活?」

「いえ、一つ屋根の下では、他にも……」

「……ああ、そうだね」

「わかってくださったのならよろしいです」

「それで……観察してる人がいるの?」

「はい」

50 : 以下、名... - 2011/04/16 21:26:12.66 Ac/9C/aE0 8/1986

(うっおおおおおお……)

「どうしましたか?」

(こんな可愛い子に何もできないのかよぉぉぉ……)

「?」

「いや、なんでもない」

「そうですか」

「どこで観察してるんだ?」

「いえ、そこまでは記憶していません」

「そうですか」

59 : 以下、名... - 2011/04/16 21:30:42.57 Ac/9C/aE0 9/1986

「わかった」

「わかったのですか?」

「え、なんで?」

「たくさんの方に頼んだのですが、誰も手伝ってくださらなかったので」

「そうなの?」

「はい、私って、ダメなんでしょうか?」

「そんなことないよ、可愛いし」

「可愛いですか?」

「うん、可愛い」

「可愛い……」

「ん?」

「いえ、なんでもないです」

63 : 以下、名... - 2011/04/16 21:36:55.82 Ac/9C/aE0 10/1986

「それで、君はお風呂とか必要?」

「はい、見た目以外も大分人間に近いので」

「いや、というか人間っぽくないところってあるの?」

「はい、たくさんあります」

「どこ?」

「全ての点を挙げると、何日必要かわかりません」

「そんなにあるんだ……」

「はい」

「じゃあ、お風呂は必要ってことね」

64 : 以下、名... - 2011/04/16 21:39:39.68 Ac/9C/aE0 11/1986

「はい」

「じゃあ、行くか」

「どこにですか?」

「銭湯」

「戦闘?」

「戦わない闘わない」

「それではなんでしょう?」

「まあ、行けばわかるよ」

「そうですか」

66 : 以下、名... - 2011/04/16 21:45:18.17 Ac/9C/aE0 12/1986

「じゃあ準備するから待っててね」

「おでかけですか?」

「うん」

「いってらっしゃいませ」

「いやいや、あんたも行くの」

「そうなのですか?」

「うん」

「わかりました。お待ちしております」

67 : 以下、名... - 2011/04/16 21:48:36.53 Ac/9C/aE0 13/1986

「おっしこれでオーケー」

「よろしいのですか?」

「うん」

「楽しみです」

「いや、そんな楽しいとこじゃないよ」

「それでも、お散歩は大好きです」

「そうなんだ」

70 : 以下、名... - 2011/04/16 21:51:53.73 Ac/9C/aE0 14/1986

トコトコ

「あのさ、あんた」

「はい?」

「なんて呼べばいいのかな?」

「呼称……ですか?」

「うん、あんたのね」

「ならば、DDL‐003です」

「……なにそれ?」

「私の番号であり、名前です」

「……うーん、なんか呼びづらいなぁ」

「そうでしょうか?」

73 : 以下、名... - 2011/04/16 21:56:27.63 Ac/9C/aE0 15/1986

トコトコ

「普通に、『女』でいいかな?」

ピタリ

「女……ですか?」

「うん」

「わかりました。私は『女』です」

「それじゃあ、早く行こうか」

「はい」

「お風呂の入り方とかはわかる?」

「はい、全て記憶されています」

「それなら良かった」

74 : 以下、名... - 2011/04/16 22:02:21.82 Ac/9C/aE0 16/1986

「はいっ、着きましたっと」

「ここですか?」

「ボロいけど、いいとこなんだよね」

「なにをするところなのですか?」

「いや、だからお風呂に入るとこ」

「お風呂……? なぜ、お風呂に入りにこんなところに?」

「銭湯ってのは、そういうものなの」

「そうなのですか……初めて知りました」

77 : 以下、名... - 2011/04/16 22:04:28.46 Ac/9C/aE0 17/1986

~銭湯~

「それじゃあ、ここで」

「?」

トコトコ

「いやいや、女」

「はい?」

「こっちは男湯」

「男湯?」

「あんたはそっち」

「女湯?」

「うん」

82 : 以下、名... - 2011/04/16 22:10:47.33 Ac/9C/aE0 18/1986

「それがなにかあるのでしょうか?」

「いや、え?」

「え? とは?」

「なんであんたは男湯に入ろうとしてるの?」

「それに、理由は必要ですか?」

「とっても必要です」

「私が女湯に入った場合、あなたは来てくれますか?」

「そっちの方が問題だから!」

84 : 以下、名... - 2011/04/16 22:16:19.26 Ac/9C/aE0 19/1986

「不可能、ですか?」

「はい、無理です」

「それでは、男湯に入らせていただきます」

「なんでそーなるの!」

「古いギャグですね」

「55号じゃないから、それはおいといて……なんで、ダメなわけ?」

「私はあなたの傍にいないといけないのです」

88 : 以下、名... - 2011/04/16 22:21:58.36 Ac/9C/aE0 20/1986

「おお……なんでかな?」

「観察の条件です」

「マジッすか?」

「本当です」

「どれくらい離れちゃいけないの?」

「……それは……わからないです」

「わからないんだ」

「とにかく、男湯と女湯との距離は観察条件に反している……そうです」

89 : 以下、名... - 2011/04/16 22:25:12.72 Ac/9C/aE0 21/1986

(曖昧だな……)

「行きましょう」

「いや、ダメなんだよ」

「ダメですか?」

「うん、残念ながら」

「それでは、どうするのですか?」

(これじゃあ風呂入れないぞ……)

「……」

92 : 以下、名... - 2011/04/16 22:32:17.34 Ac/9C/aE0 22/1986

「なんか、一緒に入れる場所とかないのかな?」

「索敵しますか?」

「できれば普通に探してほしいんだけど」

「失礼しました、それでは、検索します」

「よろしく」

「一番近い場所でよろしいでしょうか?」

「うん、それがいいかな」

「……ピピッ」

(あっ、可愛い)

「……発見しました。」

93 : 以下、名... - 2011/04/16 22:37:53.12 Ac/9C/aE0 23/1986

「ラブペイン……という場所があります」

「んじゃあそこに行きましょー」

「はい、わかりました」

(……ラブペイン?)

「どうかしましたか?」

「いや……あの……ねぇ」

「?」

96 : 以下、名... - 2011/04/16 22:42:25.46 Ac/9C/aE0 24/1986

(ラブホテルじゃねえか……)

「ここからあまり遠くはありません」

「いや、そういうことじゃ……」

「嫌ですか?」

「どういう意味で!?」

「?」

「いや、ああ、そうだよね……」

「なにか問題が?」

97 : 以下、名... - 2011/04/16 22:46:14.52 Ac/9C/aE0 25/1986

「うん、たくさんあってね……」

「お悩みですか?」

「結構」

「それは、どのような件で?」

「……」

「私は、邪魔ですか?」

「そんなことないよ、全然」

「……ですが」

「……他の場所は?」

「他の銭湯があります」

「いや、それじゃ変わんないよ……」

101 : 以下、名... - 2011/04/16 23:13:43.76 Ac/9C/aE0 26/1986

「……ごめんなさい」

「いや、謝ることなんてないよ」

「……」

(……あんまり表情にも声色にも出ないけど……)

「それでは、どうしましょう?」

(凄く、気にしてるのか)

「?」

「あ、えっと……」

「……」

(行くしかないか)

107 : 以下、名... - 2011/04/16 23:19:30.34 Ac/9C/aE0 27/1986

「行こう」

「はい」

(この子に恥はないだろうし)

「どんな場所なんですか?」

「別に、普通の場所だよ」

「そうですか」

(……大丈夫、見なきゃいいんだから)

109 : 以下、名... - 2011/04/16 23:23:18.73 Ac/9C/aE0 28/1986

トコトコトコ

(いやはやな……)

「夜のお散歩ですね」

(ラブホテルなんてのは、俺には無縁だと思ってたけど)

「ラブペイン……なんだか、意味深な名前ですね」

(まさかこんな可愛い子と入れるとは……!)

「……」

(って、何本番考えてんだ俺は!?)

110 : 以下、名... - 2011/04/16 23:29:55.21 Ac/9C/aE0 29/1986

「……あの」

「ぐえっ!? なに?」

「……つまらないですか?」

「な、なにが?」

「私と、二人きりは」

「ど、どうして?」

「気のせいだったら申し訳ありません。でも、私の発言に反応がありませんので……」

「ごめん、考えことしてて……」

112 : 以下、名... - 2011/04/16 23:37:32.42 Ac/9C/aE0 30/1986

「考え事ですか?」

「うん、ごめんね」

「考え事なら、私にお話し下さい」

「え?」

「私にも、その悩みを共有させて欲しいのです」

「でも、それは迷惑じゃないか」

「迷惑じゃありません。とてもうれしいことです」

115 : 以下、名... - 2011/04/16 23:40:42.32 Ac/9C/aE0 31/1986

「嬉しいこと?」

「悩みを共有することは、二人の秘密ができることなのです」

「……」

「それは信頼した二人のみで成立すること、信用が無ければありえないことです」

「でも……」

「私は嘘をつきません。だから、信用してください」

「……ありがとう。でも」

「でも……?」

「それは、できないよ」

「……」

(というか、こんな変態なこと考えてましたなんて言えないっつーの!)

117 : 以下、名... - 2011/04/16 23:45:30.04 Ac/9C/aE0 32/1986

「ここです」

「お、おお……」

「桃色ですね」

「ピンクいっすねえ……」

「入りますか?」

「入り……ますか」

「はい、行きましょう」

(勇ましいなぁ)

119 : 以下、名... - 2011/04/16 23:48:04.84 Ac/9C/aE0 33/1986

そして

「……女、行くよー……?」

「……」ジーッ

「なに見てるの?」

「ガチャガチャがあります。はじめて見るグッズです」

「おふぅ、そうですか」

「……ローター?」

「さっさと部屋に行きましょうねー!」

「はい」

121 : 以下、名... - 2011/04/16 23:52:30.43 Ac/9C/aE0 34/1986

(なんだよあれ……)

(あんなの置いてあるのかよ)

「お部屋も桃色なのですね」

「そうだね」

「ベッドがあります」

「泊まらないからね」

「わかりました」

「風呂は……こっちか」

122 : 以下、名... - 2011/04/16 23:55:33.88 Ac/9C/aE0 35/1986

(あれ、案外普通だな……)

「風呂、ですね」

「うん」

「早速入りますか?」

「もちろん。そのために来たんだから」

「そうでしたね。それでは……」

ヌギヌギ

「……脱ぐの?」

「脱いでいます。現在進行形で」

126 : 以下、名... - 2011/04/17 00:01:24.00 50Trfnl+0 36/1986

「早くない?」

「いえ、そんなことは」

(もう下着じゃねえか!)

「どうかしましたか?」

「いや、別に」

「……?」

(マジマジと見ても全然気にしてない……これは、これは本当に?)

130 : 以下、名... - 2011/04/17 00:08:28.44 50Trfnl+0 37/1986

「……」

(ダメだ、見ちゃいけない!)

「……?」

「とりあえず、俺も脱ぐから」

「はい」

「先に入ってて」

「それはできません」

「じゃあ、どうするの?」

「待っています」

「なんでずっと見てるんだ!?」

135 : 以下、名... - 2011/04/17 00:12:24.17 50Trfnl+0 38/1986

「お気になさらず、どうぞ」

「できれば見て欲しくないんだけどなぁ……」

「嫌、ですか?」

「うーん……そうだね」

「……それでは、目を閉じています」

「そ、そう」

「ついでに、視神経を一時的に停止します」

「いや、そこまではしなくても大丈夫」

138 : 以下、名... - 2011/04/17 00:15:42.38 50Trfnl+0 39/1986

「わかりました」

「……」ヌギヌギ

「……あ、そういえば」

「はいっ!?」

「大丈夫です、目は開けてません」

「う、うん。で?」

「今考えて見たのですが」

「う、うん」

「私は目以外にも色んな場所で見ることができるのです」

「」

140 : 以下、名... - 2011/04/17 00:21:14.97 50Trfnl+0 40/1986

「これが、一つ人間と違う場所です」

「……先に言ってくれよ」

「何故ですか?」

「……もういいや」

「『もういい』?」

「うん、もういい」

「それはいけません」

「な、なんで?」

144 : 以下、名... - 2011/04/17 00:25:44.89 50Trfnl+0 41/1986

「それは諦めです」

「諦め?」

「自分の意志ではないこと、それは嘘です」

「……」

「私は、嘘をつきません。だから嘘をつかれたくないのです」

「……」

「そして、あなたに嘘をついて欲しくありません。そして私はつきません」

「……わかったよ、女」

「そうですか」

(カッコいいけど、裸で言われるとなぁ……)

146 : 以下、名... - 2011/04/17 00:32:07.05 50Trfnl+0 42/1986

「じゃあ、目以外の視覚もストップしてくれる?」

「はい、わかりました」

「……」

「……完了しました」

「本当に?」

「はい、本当に」

「……」

チュッ

「?」

「どうかした?」

「今、柔らかい感触が」

「気のせいだよ」

「そうですか」

147 : 以下、名... - 2011/04/17 00:39:03.30 50Trfnl+0 43/1986

(やばい……何してんだ俺は……)

「……」

(罪悪感しかないぞ……)

「終わりましたか?」

「ちょい待ち……」

「はい」

「はい、いいよ」

「……視神経復帰しました」

「えっと、ごめん」

「何がですか?」

「な、なんでもないよ。なんでも」

149 : 以下、名... - 2011/04/17 00:46:08.41 50Trfnl+0 44/1986

「入りましょう」

「うん、でも……」

「はい?」

「タオルを……巻いてくれないかな?」

「タオルですか?」

「うん、できればでいいんだけど」

「わかりました」

「よかった」

152 : 以下、名... - 2011/04/17 00:51:35.06 50Trfnl+0 45/1986

「……えーっと……」

「……」

「あの、どうしたの?」

「なんでもありません」

「そっか」

「はい、申し訳ありません」

「いいよ、気にしなくて」

153 : 以下、名... - 2011/04/17 00:54:11.37 50Trfnl+0 46/1986

(どうするべきだ)

「湯加減はいいですね」

「そだね」(女性と一緒に風呂に入るなんて、未体験だぞ!?)

「……?」

「先に、汗流しとく?」

「汗は流しますが、大丈夫です」

「じゃあ、先に湯に浸かる?」

「お構いなく」

(どうすりゃいいのさ!?)

157 : 以下、名... - 2011/04/17 01:02:46.13 50Trfnl+0 47/1986

「じゃあ、俺先に汗流すから、先に入ってて!」

「わかりました」

「……」(ちょっと、頭冷やそう。体が熱いぜまったく)

シャー

(冷たくて気持ちいい……)

ピチャンッ

「ひゃっ」

「どうした?」

「急な温度差を確認しました」

158 : 以下、名... - 2011/04/17 01:07:33.58 50Trfnl+0 48/1986

「ごめん」

「!」

「ど、どしたの!?」

「体温の上昇を確認、異常ありませんか?」

「いや、大丈夫だよ」

「でも……」

「ちょっと水出してたからさ」

「そうですか……」

159 : 以下、名... - 2011/04/17 01:10:36.35 50Trfnl+0 49/1986

「お手を」

「え?」

「……」

「ちょ、ちょっと……」

サワリサワリ

(うう……女の子の手って柔らかい……!)

「……一応調べさせていただきました。異常なしですね」

「それはよかった」

163 : 以下、名... - 2011/04/17 01:16:37.26 50Trfnl+0 50/1986

「……」

「なに?」

「男の人の手、初めて触れました」

「そうなんだ」

「もう少し、触らせて下さい」

「え、うん」

「……」

(うーん、恥ずい)

165 : 以下、名... - 2011/04/17 01:23:58.97 50Trfnl+0 51/1986

「あの、お願いがあります」

「なんですか?」

「……あなたは私の体を触りました」

「! ……はい、触りました」

「……私にも触らせて下さい」

「え……?」

「私に、あなたの体を触らせてほしいのです」

168 : 以下、名... - 2011/04/17 01:35:02.13 50Trfnl+0 52/1986

「い、今?」

「はい。今なら衣服もありませんから、障害もありませんし」

「いや、困る」

「何故でしょうか?」

(反応しちまうぞ……)

「……?」

(ただでさえ今の状況は俺にはきついのに)

169 : 以下、名... - 2011/04/17 01:38:39.42 50Trfnl+0 53/1986

「いけませんか……」

(うう、でもこれじゃあ)

「……」

(触っておいて、触らせないなんて、ダメだ)

「どうなされましたか?」

「わ、わかったよ。いいよ、触って」

171 : 以下、名... - 2011/04/17 01:43:11.44 50Trfnl+0 54/1986

「ありがとうございます」

「……」

「それでは、生殖器を」

「え、マジで!?」

「はい、嫌ですか?」

「いや……えーっと……」

「?」

172 : 以下、名... - 2011/04/17 01:46:45.71 50Trfnl+0 55/1986

「やっぱり触らせないとダメ?」

「触りたいです」

(まずい……)

「触ってはいけないのでしょうか?」

「わかったよ、触っても、全然構わないよ!」

「え?」

「もういい、もういい!」

「…………」

174 : 以下、名... - 2011/04/17 01:51:52.54 50Trfnl+0 56/1986

「……もういい、ですか」

「……へ?」

「さっき、言いましたよね?」

「あ……」

「……私も至らぬ点がありました。ごめんなさい」

「……」

「お背中、お流しします」

「あ、はい」

177 : 以下、名... - 2011/04/17 02:01:26.18 50Trfnl+0 57/1986

「……」

ゴシゴシ

(あれ……なんで背中流してもらってるんだ?)

「痛くないでしょうか?」

「うん、大丈夫だよ」

「そうですか」

「……」

「これも、気持ち良いですか?」

フニンッ

「!!!」

179 : 以下、名... - 2011/04/17 02:06:22.53 50Trfnl+0 58/1986

「私の記憶内に入っていた『気持ち良いこと』です」

「いやあ……あははは……」

「気持ち良いですか?」

「気持ち……良いです」

「それは良かったです」

(ああ……俺、なにやってんだろ)

319 : 以下、名... - 2011/04/17 21:14:08.59 50Trfnl+0 59/1986

(背中に柔らかいものが当たっている……)

「あなたにもこのデータは適用できるようですね」

(まだ胸とは決まってないじゃないか!)

「安心しました。マイノリティーな方なのかと思いましたから」

(この目でしかと……確かめる!)

チラリ

「?」

(お、おっぱいだーーーーー!!)

323 : 以下、名... - 2011/04/17 21:18:06.99 50Trfnl+0 60/1986

「どうかなされましたか?」

「いや、なんでもないです」

「目が泳いでいます。体温も上昇中、なにか異常が?」

「大丈夫ですから! お気になさらず!」

「顔をこちらに向けてください」

「えっ!?」

コツン

「ピピッ……体温は平熱、異常ありません」

(でこ……くっつけられた)

324 : 以下、名... - 2011/04/17 21:21:16.89 50Trfnl+0 61/1986

「体温が上昇したと思ったのですが……」

「気のせいだって、それより……さ」

「はい?」

「そろそろ、どけてくれないかな?」

「なにをですか?」

「えっと……」

「胸ですか?」

「は、はい、そうです」

325 : 以下、名... - 2011/04/17 21:24:34.94 50Trfnl+0 62/1986

「気持ち良いのではないですか?」

「そうなんだけど……」

「嫌でしょうか?」

「少なくとも、なんか自分を許せなくなりそうです」

「自分を許すことは必要なことです」

「またそういうこと言うの?」

「申し訳ありません」

「謝ることじゃないよ……はは」

331 : 以下、名... - 2011/04/17 21:29:25.03 50Trfnl+0 63/1986

「胸は大きい方が好みでしょうか?」

「えっ、選べるの?」

「あなたのお望みなら」

「うーん……大きいのも好きだし、ひかえめもなかなか……」

「ふむふむ」

「……女の子の前で男のロマン語ったら気持ち悪いよね」

「そんなことありません、もっとお話し下さい」

(こっちが持たないよ)

333 : 以下、名... - 2011/04/17 21:32:38.45 50Trfnl+0 64/1986

「今の設定は?」

「おそらく……中の上です」

「へえ、そうなんだ」

「どうしますか?」

「正直どうでもいいよ、俺は」

「いいのですか?」

「うん、別に、大好きってわけでもないし」

「……あなたのような人もいるのですね」

「え?」

「いえ、なんでも」

334 : 以下、名... - 2011/04/17 21:37:50.58 50Trfnl+0 65/1986

シャー

「……」チャポン

「……」ゴシゴシ

(見た目なーんも人間と変わらない)

「あ、目に泡が侵入しました、痛いです」

「痛覚ちゃんとしてるんだね」

「はい、痛いです」

339 : 以下、名... - 2011/04/17 21:48:45.98 50Trfnl+0 66/1986

「……質問があります」

「ん?」

「私はあなたのことをなんと呼べば良いでしょうか?」

「俺も普通で良いよ。『男』でさ」

「『男』……さん」

「さん付けなのね」

「よろしくないですか?」

「いや、あんたらしいよ」

340 : 以下、名... - 2011/04/17 21:53:25.08 50Trfnl+0 67/1986

「私、らしい?」

「うん、あんたらしい」

「私らしさとは、なんでしょうか?」

「んー、なんだろうな」

「教えてください」

「いや、俺もわからないよ」

「それでは、なぜ今、『私らしい』と?」

「随分突っ込んでくるね」

「不明瞭な点は明らかにしたいのです」

341 : 以下、名... - 2011/04/17 21:57:48.87 50Trfnl+0 68/1986

「まあ……あんたはあんただってこと」

「それは答えになっていません」

「でも、俺にもちゃんとした説明は」

「あ」

「!?」

「目に泡が侵入しました、痛いです」

「……ちゃんと目閉じとけー」

344 : 以下、名... - 2011/04/17 22:03:42.64 50Trfnl+0 69/1986

「……あーちょっと」

「はい?」

「ごめん、のぼせてきたかも。先出ていいかな?」

「少々お待ちを」

「うん」

「……」ゴシゴシ

「あれ、体洗うのにタオル取らないの?」

「『巻いてくれ』と言われたので」

「いや、それじゃあ体洗えないでしょ」

「男さんの言うことが最優先です」

345 : 以下、名... - 2011/04/17 22:06:47.76 50Trfnl+0 70/1986

「じゃあ、体洗う時は取って洗って。も、もちろん見ないから」

「見てもよろしいですよ?」

「いや、それはね」

「わかりました、それではお待ちを」

「……」

「……」ゴシゴシ

(目を背けてるけど、近くで女の子が体を洗ってるのか……)

346 : 以下、名... - 2011/04/17 22:13:47.46 50Trfnl+0 71/1986

女 シャー

「……終わった?」

「終わりました」

「じゃあ、あがろうか」

「はい、お待たせしてしまい申し訳ありません」

「大丈夫大丈夫」

「あ、待って下さい」

「え?」

「タオル、巻いてませんでした」

「……」タラァ

「? 鼻血……」

(のぼせたからで……あって欲しい)

349 : 以下、名... - 2011/04/17 22:22:41.35 50Trfnl+0 72/1986

「――ん?」

「気がつきました?」

「あれ……ここ……?」

「鼻血を出してしまって、気を失ったので、こちらまでお運びさせていただきました」

「ベッド……? なんかピンクいけど……」

「はい、そのようです」

「って、なんでタオルのままなんだ!?」

「『巻いて』と言われたので」

「ずっと巻いてる必要はない!」

351 : 以下、名... - 2011/04/17 22:25:26.51 50Trfnl+0 73/1986

「そうですか、それでは」

「早速脱ごうとするな! 俺の見えないところで」

「それは条件に反します」

「いや、でも」

「大丈夫です、私に恥じらいはありません」

「こっちの恥じらいは無視!?」

352 : 以下、名... - 2011/04/17 22:33:52.00 50Trfnl+0 74/1986

「男さんの恥じらい?」

「そうだよ、俺の恥じらい!」

「……」

「……あれ?」

「申し訳ありませんでした。全く思考に入れていなかった私の責任です」ペコリ

(可愛い……)「わ、わかればいいんだけどさ」

「それでは」クルリ

ハラリ

「これでよろしいですね?」

(お尻丸見えなんだけどなぁ……)

354 : 以下、名... - 2011/04/17 22:39:55.40 50Trfnl+0 75/1986

「……大変です、男さん」

「今度はなんだよ……」

「下着がありません」

「なんで!?」

「体内洗浄中で、今ここにありません」

「こっち振り向かなくていいから、とりあえず、そのままで」

「人と話す時は目を見て話すのが常識です」

「今、その常識は破壊された!」

355 : 以下、名... - 2011/04/17 22:45:45.68 50Trfnl+0 76/1986

「常識を破壊すると、秩序が乱れます」

「こっち見たら俺はあんたと二度と話さない」

「……ごめんなさい」

「とりあえず、その体内洗浄って?」

「私の体内で下着や衣服などを洗浄することです」

(そのまんまだ)

「衣服は洗浄していないので、大丈夫ですが、衣服を着ますか?」

「ああ、それがいい。風邪をひいたらまずいからね」

「大丈夫です、風邪は引きま……」

「ん?」

「くしゅん」

「……はぁ」

366 : 以下、名... - 2011/04/17 23:12:10.54 50Trfnl+0 77/1986

「くしゃみが出ました」

「風邪引いちまったじゃん」

「違います、これは鼻に入ったバイ菌……くしゅん」

「はいはい」

「なんですか?」

コツン

「……わかんねえ」

「あの、なにを?」

「お返しだ、お返し」

368 : 以下、名... - 2011/04/17 23:17:03.08 50Trfnl+0 78/1986

「お返し?」

「そそ、お返し」

「私は、なにかあなたにしましたか?」

「……」

「?」

「いや、とりあえず、服を着てくれ。全裸は相当まずい」

「わかりました」

369 : 以下、名... - 2011/04/17 23:22:25.38 50Trfnl+0 79/1986

(ふう……やれやれ)

「男さん、こんなところにマスクがありました」

「おうおう、それは良かったな。じゃあつけとけ」

「ふむ、はむ……?」

「どうした? ……っておい!」

「?」

(猿ぐつわかよ!)

372 : 以下、名... - 2011/04/17 23:26:59.20 50Trfnl+0 80/1986

「ぷはっ……マスクではないのですか?」

「なんでこれをマスクだと思ったんだ!?」

「口に使うものだったので」

「いや、おかしいだろ!? まったくガードできてねぇじゃん、筒抜けじゃん!」

「本当ですね」

「ちゃんと確認してからつけなさい!」

「申し訳ありません」

374 : 以下、名... - 2011/04/17 23:30:09.17 50Trfnl+0 81/1986

「……まったく」

「……男さん」

「なに?」

「怒ってますか?」

「ちょっとね」

「申し訳ありません、欠点の多い欠陥品で」

「そ、そんなこと言うなよ」

「いえ、自分でもよくわかっているのです、それは」

375 : 以下、名... - 2011/04/17 23:33:47.70 50Trfnl+0 82/1986

「……」

「私はあなたを安心させたいがために、これをつけて、安心させようとしました」

(俺を?)

「ですが、逆効果でした。考えなしに行ったからです」

「なんで、俺を安心させようと?」

「迷惑をかけているからです」

「そんなこと……」

「あります」

376 : 以下、名... - 2011/04/17 23:38:02.74 50Trfnl+0 83/1986

「ごめんなさい」

「……」

「私にできることなら、なんでもいたします」

「……なんでも?」

「はい、なんでも」

「本当に、なんでもか?」

「はい、なんでも」

「いいのか? なんでも」

「はい、なんでも」

「……じゃあ」

379 : 以下、名... - 2011/04/17 23:41:31.13 50Trfnl+0 84/1986

トコトコトコ

「……」

「……」

トコトコトコ

「あの……」

「ん?」

「私は……」

「なんだ?」

「……いえ、なんでもないです」

トコトコトコ

382 : 以下、名... - 2011/04/17 23:45:06.43 50Trfnl+0 85/1986

―――――

「はい、なんなりと」

「女」

「はい、なんですか?」

「二度と自分のことを責めるな」

「?」

「自分はああだからこうだからって、理由をつけるなって言ってるの」

「でも、それは事実……」

「事実だって知ったことか、人間はみんな完璧じゃないんだからさ」

「……はい」

―――――

386 : 以下、名... - 2011/04/17 23:49:20.46 50Trfnl+0 86/1986

(毎回あんなところに行けないし……風呂ありに引っ越すかな)

「貸家ですね」

「はいはい、そうですよ……」

ガチャ

「あ、おかえり~」

「……」

「あ」

「えっと、誰?」

389 : 以下、名... - 2011/04/17 23:55:04.16 50Trfnl+0 87/1986

「どもども、初めまして! このたびはDDL‐003の研究にご協力いただけるとお聞きしたので、一応挨拶に来ました!」

「DDL-003って……」

「私です」

助手「DDL-003、お久だね! 助手だよ、わかる?」

「助手?」

「博士の助手さんです」

助手「どもども、男さん!」

「えっと、こんな女の子が助手なの?」

助手「酷いなぁ。それ、偏見?」

「ち、違うけど」

「助手さん、男さんが困っています、やめてください」

390 : 以下、名... - 2011/04/17 23:59:13.41 50Trfnl+0 88/1986

助手「むふふ、そうみたいだね~」

「……」

助手「まあ、これからよろしくお願いするね、男さん」

「は、はぁ……」

助手「私はいつでも観察してるから、なにかあったら呼んでね~」

「……え?」

助手「それじゃね」

「はい、さようなら」

「ちょ、ちょっと待って女」

「はい?」

394 : 以下、名... - 2011/04/18 00:04:17.89 iBOu7h8j0 89/1986

「え、観察係あの子?」

「はい」

「……マジかよ……」

「大丈夫ですか?」

「う、うん、多分」

「多分では心配です」

「当分大丈夫」

「そうですか、安心です」

395 : 以下、名... - 2011/04/18 00:07:28.25 iBOu7h8j0 90/1986

「それでは、これから何をしますか?」

「……うーん、もう寝たいかな」

「わかりました」

「やっぱり、睡眠は必要?」

「そうですね、そういうところは人間に準拠しているので」

「あー、そっか……」

「なにか支障でも?」

「うん」

「どのような障害が?」

「布団、一枚しかないんだ」

397 : 以下、名... - 2011/04/18 00:10:53.63 iBOu7h8j0 91/1986

「私は心配なさらないでください」

「いや、でも……」

「風邪をひいてしまいますよ?」

(鼻水をちょっと垂らしながら何言ってんだよ)

「男さんが風邪をひいてしまったら困ります」

「俺はお前の病状が悪化する方が嫌だよ」

399 : 以下、名... - 2011/04/18 00:16:12.90 iBOu7h8j0 92/1986

「それでは……」

「……ああ、もういいよ」

「……」

「あ、ご、ごめん」

「いえ、お構いなく」

「……はぁ」

「?」

「一緒に寝るか」

「はい」

403 : 以下、名... - 2011/04/18 00:20:45.24 iBOu7h8j0 93/1986

「……」

「あの」

「なに?」

「できればこちらを向いていただけると嬉しいのですが」

「なんで」

「反対側を向くと、布団が引きずられて……」

「うおっ、くっつくな!」

「寒いです、とっても」

「わかったわかった! 向くから離れろ!」

406 : 以下、名... - 2011/04/18 00:25:55.17 iBOu7h8j0 94/1986

「……」(う、顔近い)

「……男さん」

(息当たってる! めっちゃ良い匂い!)

「今日はとても楽しかったです」

「はいはい、俺も変な体験ができて驚いたよ」

「それは良かったです。これからも沢山のことをしましょう」

「おう」

「それじゃあ、おやすみなさい」

「へいへい」

「あの、男さん」

「次はなんだ?」

「今日一日、ありがとうございました」ニコッ

「あっ……」

「スリープモードに移行します」

「……ふんっ……おやすみ」

408 : 以下、名... - 2011/04/18 00:31:04.11 iBOu7h8j0 95/1986

「……ゲットぅ!」

プニンッ

「……ん? この柔らかい感触……」

「―――」

「うわああああ、すまん!」

「―――」

「えーっと……?」

「ピピッ、通常モードに移行します」

「お、おお」

「おはようございます、男さん」

409 : 以下、名... - 2011/04/18 00:33:11.22 iBOu7h8j0 96/1986

「おはよう、女」

「今日は良い天気ですね」

「そうだな」

「お散歩に行きませんか?」

「ああ、いいぜ」

「それでは、着替えてきます」

「着替えあるのか?」

「ありません」

「ないのかよ」

411 : 以下、名... - 2011/04/18 00:36:25.18 iBOu7h8j0 97/1986

「でも、男さんの衣服があるのでそれで」

「あんたに似合うようなもの持ってないぞ」

「そうですか、私は一向に構いませんよ」

「うーん……どうしようか」

「とりあえず、服を洗浄します」

「おい、それじゃあお前……!」

「昨日洗浄した下着はもう穿いております」

「よか……よくねえよ!」

418 : 以下、名... - 2011/04/18 00:56:26.24 iBOu7h8j0 98/1986

「一応、着ました」

「ううむ……やはりなぁ」

「いけませんか?」

(胸のふくらみが……まずいことになってる)

「?」

(昨日の女の服はわりと厚かったから下着がなくても大丈夫だったけど、これはダメだ)

「あの……」

419 : 以下、名... - 2011/04/18 00:58:37.31 iBOu7h8j0 99/1986

「なに?」

「どこが、いけませんか?」

「色々と」

「そうですか……」

「……仕方ない、すいませーん、助手さーん」

ガチャ

助手「どもどもー呼ばれたらすぐにかけつけますよー」

(本当に、観察されてる……!)「えっと、ちょっとお願いごとがありまして」

「おはようございます、助手さん」

助手「おっはよ。ん、なになに男さん?」

421 : 以下、名... - 2011/04/18 01:06:15.54 iBOu7h8j0 100/1986

「女物の服、ないかな?」

助手「私に聞いちゃう?」

「えっと、ダメだった?」

助手「ふふふ……君は良い選択をしたよ、男さん!」

「え?」

助手「私の趣味はお洋服作り!」

「マジッすか!?」

助手「もちろん、DDL‐003に着せるんでしょ……下着だけじゃ、男さんも困るもんね、主に性欲が」

「……まあ、それもコミコミで」

423 : 以下、名... - 2011/04/18 01:08:48.63 iBOu7h8j0 101/1986

助手「じゃあ、ちょっと失礼するね。行くよ、DDL-003」

「あ、これ以上離れたら……」

助手「観察係の私が許す! だからこっちきなさーい」

「それでは、男さん」

助手「ちゃっちゃとすませるから、お待ちを~」

「はい」(……って、ほんのちょっとだけなのに、それでもダメなのか)

424 : 以下、名... - 2011/04/18 01:13:33.29 iBOu7h8j0 102/1986

ガチャ

助手「おまたせー!」

「あ、はい」

助手「どうよどうよ! ほら、DDL-003早くこっち来なさい!」

(助手さんが洋服作れる人で良かった……これで服には困らな――)

「男さん、どうでしょうか?」

「じょ、助手さん?」

助手「なに?」

「あれ、なんです?」

助手「メイド!」

「……」(やっぱり良くなかった)

434 : 以下、名... - 2011/04/18 01:31:13.99 iBOu7h8j0 103/1986

「?」

「ああ、似合ってるよ、女」

「そうですか」

「だけど、助手さん!」

助手「ちょーっと待ってね……すこしだけ……」

「ひぐっ!?」

「な、なにを!?」

「ら、らめれす、いきなりデータをいじりゃないでくだしゃい……」

「お、女ぁ!?」

助手「ふふふ、これでよっし!」

438 : 以下、名... - 2011/04/18 01:35:19.61 iBOu7h8j0 104/1986

「はぁはぁ……一体何を?」

(元に戻った)

助手「ふふ、すぐにわかるっさ! それじゃあ、またね~」

「大丈夫か、女」

「はい、大丈夫……だと思います。些細なデータ書き換えのようです」

「なにされたかわかるのか?」

「いえ、わかりません」

441 : 以下、名... - 2011/04/18 01:39:35.18 iBOu7h8j0 105/1986

「まあ、とにかく、性格変わってないから大丈夫か」

「はい、そのようです。……あれ?」

「ん?」

「ということは、私の性格は、変わらなくても良いということですか?」

「え、あ」

「そうなのですか?」

「ま、まあな」

「それは良かったです。嬉しいです」

444 : 以下、名... - 2011/04/18 01:43:35.39 iBOu7h8j0 106/1986

「……なんか、恥ずかしいな」

「恥ずかしい?」

「……繰り返すな、恥ずかしい」

「恥ずかしいのですか?」

「ああ、恥ずかしい」

「恥ずかしいとは、どんな気持ちなんですか?」

(さっきから恥ずかしい恥ずかしいうるせえ!)

447 : 以下、名... - 2011/04/18 01:48:16.59 iBOu7h8j0 107/1986

「そんな気持ち、説明はできない」

「私には恥じらいはありません、だからこそ、教えてほしいのです」

「……わからん」

「どういう時に、恥ずかしいと思うのですか?」

「色々な場面があるさ。失敗したとき、褒められた時、……くさい言葉とかもな」

「なるほど、記録しました」

「……女、なにかしたことあるか?」

「私ですか?」

「おう、なんでもいいぜ」

「私は、ご主人様とお散歩がしたいです」

「…………へ?」

「?」

「ごしゅじんさま……?」

583 : 以下、名... - 2011/04/18 23:55:59.26 iBOu7h8j0 108/1986

「ちょ、ちょっと待て女」

「はい?」

「今、なんて?」

「私、なにかおかしいことを言いましたか?」

「言った」

「? ご主人様に、なにか言いましたか?」

「それだそれ!」

588 : 以下、名... - 2011/04/18 23:57:34.97 iBOu7h8j0 109/1986

「え?」

「ご主人様って……なんだ?」

「ご主人様はご主人様です」

「いや、俺はご主人様じゃ……」

「私は仕えるメイドです。ご主人様のご奉仕をすることが役目です」

(助手さんめ、色々いじくったな……!)

589 : 以下、名... - 2011/04/18 23:59:31.59 iBOu7h8j0 110/1986

「ご主人様?」

「な、なに?」

「散歩……は?」

「ああ、散歩ね、散歩……」

「嫌であれば遠慮なさってもかまいませんが……」

(その格好の女とは、ちょっと難しいんだよなぁ)

591 : 以下、名... - 2011/04/19 00:02:26.28 UkOo0ce+0 111/1986

「ご主人様の意向に従います」

「……べ、別にいいよ。断る理由もないし」

「ありがとうございます」

「それじゃあ、行く?」

「はい」

「着替えてくるから、ちょい待ちね」

「もちろんです」

595 : 以下、名... - 2011/04/19 00:07:45.04 UkOo0ce+0 112/1986

「……」

(うう、まったく無表情で着替えを見られてる……)

「今日はストライプトランクスですね」

「み、見るな!」

「申し訳ありませんでした。視神経を遮断します」

「そこまではもう、しなくてもいいよ。できるだけ見てないようにしてくれれば」

「了解いたしました」

598 : 以下、名... - 2011/04/19 00:14:18.79 UkOo0ce+0 113/1986

(見られてても目を閉じてくれてれば、少なからず気分は良い)

「そういえば、ご主人様」

「なに?」

「ご主人様に『似合っている』と言われた時から、なんだかとても変なのです」

「なにが?」

「服をです」

「いや、それはわかってるんだけど」

「とても変なのです」

「いや、それもわかってるんだけどさ……」

599 : 以下、名... - 2011/04/19 00:19:40.01 UkOo0ce+0 114/1986

「……それ以上の説明ができません」

「そうだと思ったよ……体調が悪いとかじゃないの?」

「はい、それは異常ありません」

「なら大丈夫さ。それが『恥ずかしい』って気持ち」

「……『恥ずかしい』」

「照れるって言うのかな? でも、『恥ずかしい気持ち』だよ」

「なるほど」

600 : 以下、名... - 2011/04/19 00:21:13.31 UkOo0ce+0 115/1986

「よし、着替え完了、行こうか?」

「はい」

「……」

「?」

(可愛いけどなぁ……メイド)

「どうしましたか?」

「いや、なんでもない」

603 : 以下、名... - 2011/04/19 00:28:44.00 UkOo0ce+0 116/1986

トコトコトコ

「ご主人様は物知りなのですね」

「そうか?」

「はい、私の知らないことをたくさん知っています」

「自分の理屈しか言ってないよ、俺は」

「自分の意見を言える人は素敵です」

「あ、ありがとう」

605 : 以下、名... - 2011/04/19 00:33:51.12 UkOo0ce+0 117/1986

「感謝されることはしていません」

「それでも、一応な」

「わかりました」

(……まぁ、いいか)

「ヒラヒラしていて、すこし歩きづらいです」

「そうだろうな、メイド服は歩きづらそうだ」

「これは、メイド服と言うのですか?」

「え、知らなかったの?」

「メイドのという職種は知っていましたが、服は知りませんでした」

「そうなんだ」

696 : 以下、名... - 2011/04/19 19:46:39.95 UkOo0ce+0 118/1986

「ご主人様はメイドはお好きですか?」

「うーん、メイド喫茶とかは別にいいけど、メイド自体は好きかな」

「では、私は好きですか?」

「ど、どういう意味?」

「やはり、メイド服だけでは、メイドとは言えないでしょうか」

「本職の人は怒るかもな」

698 : 以下、名... - 2011/04/19 19:48:13.12 UkOo0ce+0 119/1986

「今から勉強して、メイドになります」

「なんで?」

「なぜかわかりません、それでも、なりたいのです」

「あんたはあんたのままでいいだろう」

「私のまま」

「そそ、そのままでさ」

700 : 以下、名... - 2011/04/19 19:55:58.08 UkOo0ce+0 120/1986

「それが、あなたの望みですか?」

「俺が決めることじゃないよ」

「そうですか」

「そうなんです」

「ご主人様」

「ん?」

「手を、つなぎませんか?」

703 : 以下、名... - 2011/04/19 20:04:14.51 UkOo0ce+0 121/1986

「手?」

「はい、手」

(いきなり、なんだ?)

「……」

(つないで良いのか!?)

「……」スッ

「いいのか?」

「はい」

704 : 以下、名... - 2011/04/19 20:09:38.78 UkOo0ce+0 122/1986

(別に、相手からだからいいよな)

「嫌……ですか?」

「いや、いいよ」(だから別にね、大丈夫だよね)

「嬉しいです」

「うん」

助手 ニヤリ

「!」

「?」

「ちょ、ちょーっと待とうか女」

706 : 以下、名... - 2011/04/19 20:13:51.84 UkOo0ce+0 123/1986

「? はい」

(なんで助手さんいるんだよ!)

「ご主人様?」

(観察してるのは知ってた。しかし、なんで見える所にいるんだよ)

「なにか、問題が?」

「いや、なんでもないよ。とりあえず、歩こう」

「はい」

708 : 以下、名... - 2011/04/19 20:17:15.11 UkOo0ce+0 124/1986

「……」

「……」

トコトコトコ

「あのさ」
「あの」

「ごめん」

「こちらこそ」

「……喫茶店でも寄るか?」

「メイド喫茶ですか?」

「まずそこから離れよう」

709 : 以下、名... - 2011/04/19 20:23:17.81 UkOo0ce+0 125/1986

「普通の喫茶店だよ、普通の」

「普通の、とは?」

「んー、まあおしゃべりとかできたり、軽くお茶できるってこと」

「わかりました」

「んじゃ、行く?」

「はい」

710 : 以下、名... - 2011/04/19 20:30:43.08 UkOo0ce+0 126/1986

カランコロン

「んじゃ、ここに座って」

「はい」

(わかる、俺には分かるぞ)

「ここから選べばいいのでしょうか」

「おう、なんでもいいよ」(他人の目が痛い)

「……」

713 : 以下、名... - 2011/04/19 20:35:10.48 UkOo0ce+0 127/1986

「決まった?」

「思考中です」

「ん、待ってるよ」

「大丈夫です。先に注文してください」

「あ、うん。わかった」

「……」

(ひたすらメニュー見てる……)

735 : 以下、名... - 2011/04/19 23:05:39.92 UkOo0ce+0 128/1986

「えーっと、コーヒー一つ」

「……」

「……女?」

「それでは、私は――」

(なにを頼むんだ?)

「この、カップルジュースというものを」

「!!」

738 : 以下、名... - 2011/04/19 23:09:32.22 UkOo0ce+0 129/1986

「ちょ、何頼んでるんだよ!」

「え?」

「それはカップルが頼むものであってだな!」

「カップル――男女二人の組み合わせを言うのではないのでしょうか?」

「え……そうなのか?」

「はい」

(……まあ、とりあえずくるまで様子見だ)

741 : 以下、名... - 2011/04/19 23:12:52.22 UkOo0ce+0 130/1986

オマタセイタシマシター

「……」

「とても大きいですね」

「……」(確実に二人用だぁぁぁ!!)

「ストローが二つあります」

「ああ……そうだな」

「これはどういう意味でしょうか?」

「……少し考えれば結論に至れると思うぜ」

742 : 以下、名... - 2011/04/19 23:16:24.41 UkOo0ce+0 131/1986

「ああ、なるほど」

「ん?」

「一緒に飲みませんか?」

「……よく恥ずかしげもなく言えるなぁ」

「ここは恥じらう所でしたか?」

「俺だったらね」

「設定しました」

「いや、無理して恥ずかしがらなくてもいいからな?」

744 : 以下、名... - 2011/04/19 23:23:43.43 UkOo0ce+0 132/1986

「わかりました」

「ん、じゃあコーヒー飲んだら飲ませてもらうよ」

「はい」

「……」ズズ

「……」チュゥチュゥ

(やっぱり不思議だなぁ)

「ぷはぁ」

(おかしなこと言わなけりゃ、というかだまってりゃ普通の女の子なのに)

747 : 以下、名... - 2011/04/19 23:28:27.22 UkOo0ce+0 133/1986

「美味しいです」

「そりゃ良かった」

「ご主人様も、コーヒーはどうですか?」

「ああ、苦いね」

「美味しいですか?」

「うん、この苦さがいいね」

「ご主人様は苦いのが好き……」

「いや、それはちょっと誤解を招く」

749 : 以下、名... - 2011/04/19 23:32:37.01 UkOo0ce+0 134/1986

「苦いものが好きな女の子はモテるそうです」

「それは多分ガセネタだと思うぞ」

「そうなんですか」

「なんか、ちょっと嫌な感じがするし」

「どうしてですか?」

「いや、それは俺の口からは」

「それでは私の口から」

「いや、無理だろ」

750 : 以下、名... - 2011/04/19 23:33:48.82 UkOo0ce+0 135/1986

「そうこうしてるうちにコーヒー飲み終わっちゃった」

「飲みますか?」

「うん、いただくよ」

「……」

「いただきます」

男 チュゥ

女 チュウゥ

「……お、美味しいね」

「はい、とっても」

751 : 以下、名... - 2011/04/19 23:38:53.34 UkOo0ce+0 136/1986

「カップルとは、このようなものなのでしょうか」

「どうなんだろうね」

「私は、男性との交際をしたことがありません。もちろん、女性とも」

「……」

「ご主人様なら、わかりますか?」

「俺だってないよ」

「そうなのですか」

「……残念ながらね」

752 : 以下、名... - 2011/04/19 23:43:31.15 UkOo0ce+0 137/1986

「そんなことはありません」

「え?」

「私はあなたが初めての人で、あなたは私が初めての人なのです」

「……」

「違いますか?」

「そ、そうだね」

「それは、とっても喜ばしいことです」

(また誤解を招く解釈だなぁ)

755 : バイさる怖い - 2011/04/20 00:00:11.96 WG5DV9sP0 138/1986

「そして」

「?」

「カップルでもあります」

チュゥ

「! それ、俺のストロー……」

「カップルですから」

「……」

「間接的粘膜接触です」

(おお、ロマンの欠片もない響き……)

「いわゆる、間接キスです」

「イエス!」

「?」

「な、なんでもない」

758 : 以下、名... - 2011/04/20 00:06:23.88 WG5DV9sP0 139/1986

「ご主人様の味」

「え?」

「なんでもありません」

「今、なんかあやしいこと言わなかった?」

「いえ、言っていませんよ?」

「そ、そう?」

「はい」

764 : 以下、名... - 2011/04/20 00:20:31.72 WG5DV9sP0 140/1986

(明らかに言動がおかしい)

「ご馳走さまです」

「おう」

「とても美味しかったです」

(一体どんな改造を?)

「ご主人様、どうしますか?」

「ん?」

「これから、です」

「ああ、そうだな」

770 : 以下、名... - 2011/04/20 00:40:38.16 WG5DV9sP0 141/1986

「私はご主人様に従います」

(忠誠心と言うか、なんというか)

「どうしますか?」

「軽くここで雑談しないか? あんたのことをもっと知りたいし」

「はい」

(……と、言っても聞くことなんかそんなにないんだけど)

773 : 以下、名... - 2011/04/20 00:52:27.00 WG5DV9sP0 142/1986

「それでは、好きな女性のタイプを教えてください」

「いきなりそんな話?」

「はい」

「うーん、なんだろうなぁ」

「具体的例があると嬉しいです」

「……と、言われてもなぁ。難しいなぁ」

「そうなのですか?」

「うん、そんなに好きなタイプとかはないしね」

774 : 以下、名... - 2011/04/20 00:55:13.69 WG5DV9sP0 143/1986

「なるほど」

「しいて言うなら、優しい子かな」

「データによると、優しくて良い人はそれ以上の関係になりえないと言っています」

「ああ、確かによく言われるかも」

「あなたは、優しくて良い人が良いのですか?」

「うーん、ただの優しさじゃないけどね」

「どのような優しさですか?」

「時には厳しく接したりとか、そういう具合の」

「なるほど、鞭で叩いたり」

「それは厳し過ぎ」

777 : 以下、名... - 2011/04/20 00:58:51.97 WG5DV9sP0 144/1986

「難しいのですね」

「いや、直接的な厳しさじゃないよ」

「間接的ということですか?」

「うん。上手く表せないけど」

「そうですか。ありがとうございます」

「ど、どういたしまして?」

「それでは、なにか質問はありますか?」

779 : 以下、名... - 2011/04/20 01:02:00.74 WG5DV9sP0 145/1986

「うーん、君はなにかモデルとかはいるの?」

「私の骨格ですか?」

「まあ、そんなとこ」

「いえ、とくには。 製作者の好みだと思われます」

「なるほどね、大分見る目があるよ」

「え?」

「こっちの話」

「どっちの話ですか?」

「……」

781 : 以下、名... - 2011/04/20 01:06:08.35 WG5DV9sP0 146/1986

「では、次は私が」

「うん」

「好きな女性はいますか?」

「いないよ」

「そうですか」

「そっちの話は正直、俺には無縁だよ」

「それはまだわかりません」

「え?」

「これから体験する可能性も、大いにありますから」

「そうなのかな」

783 : 以下、名... - 2011/04/20 01:10:58.91 WG5DV9sP0 147/1986

「はい」

「ありがとう、なんだかやる気になったよ」

「そうですか?」

「うん」

「それでは、次の質問を」

「好きな色は?」

「とくにありません、あなたは?」

「明るい色はわりと好きかも」

「今から私も明るい色が好きです」

「俺の言葉に惑わされないように」

785 : 以下、名... - 2011/04/20 01:18:48.31 WG5DV9sP0 148/1986

「わかりました」

「素直すぎるよな、あんた」

「そうですか?」

「うん、ちょっと心配」

「心配してくださるのですか?」

「当たり前だろ」

「当たり前……なのですか」

「うん」

789 : 以下、名... - 2011/04/20 01:33:36.63 WG5DV9sP0 149/1986

「心配してくれると、なぜか気持ちが良いです」

「うーん、でもそうかもな」

「そうなのですか?」

「心配してくれるってことは、その人のことを思ってるってことだし」

「なるほど」

「まあ、ちょっと照れ臭いけど」

「においますか?」

「そっちじゃないよ」

「私を想って下さること、嬉しいです」

「うーん、それも違うと思う」

790 : 以下、名... - 2011/04/20 01:36:51.06 WG5DV9sP0 150/1986

「違いますか」

「それは恋だと思うんだよね」

「故意ですか」

「あんたはよく変換ミスるね」

「ありがとうございます」

「褒めてないぞ?」

794 : 以下、名... - 2011/04/20 01:44:40.00 WG5DV9sP0 151/1986

「残念です」

「でもさ、あんたは面白いよ」

「そうですか?」

「うん、なんかいつもの人と違ってさ」

「人……」

「うん」

「私は、人ではありませんから」

795 : 以下、名... - 2011/04/20 01:46:11.48 WG5DV9sP0 152/1986

「……」

「申し訳ありません、すこし暗いことを言った自覚があります」

「いや……」

「……」

(気にしてるのかな)

「好きな食べ物はなんですか?」

「なんだろう?」

「ナンですか」

「言葉遊びかよ!」

796 : 以下、名... - 2011/04/20 02:02:21.03 WG5DV9sP0 153/1986

「気を取り直して、好きな食べ物は?」

「うーん、基本なんでも食べれるからなぁ」

「やはり、ナンですか?」

「離れろ、そこから」

「はい」

「いや、席は離れなくてもいいよ」

800 : 以下、名... - 2011/04/20 02:16:48.69 WG5DV9sP0 154/1986

「ああ、もう!」

「?」

「ちょっとは普通にしろよな」

「普通?」

「調子狂って困るって」

「困りますか?」

「うん」

「ごめんなさい」

801 : 以下、名... - 2011/04/20 02:20:12.28 WG5DV9sP0 155/1986

(あれ?)

「……」

(落ち込んでる?)

「……」

「あの……」

「ごめんなさい」

「いや」

「ごめんなさい」

「えっと……」

「ごめんなさい」

「……」

802 : 以下、名... - 2011/04/20 02:39:46.67 WG5DV9sP0 156/1986

「もう大丈夫だから、こっちを向いてくれ」

「……」

(……参ったな)

「私は……」

「……欠陥品ってか?」

「……」コクリ

「だから、そういうこと言うなって」

「……でも」

804 : 以下、名... - 2011/04/20 02:47:54.71 WG5DV9sP0 157/1986

「はぁ……」

「……」

「ダメなところは直せばいい」

「……」

「難しくても、あんたならやれるはずだから」

「私なら……?」

「ああ、人間じゃないことを逆手に取ればいいのさ」

「人間じゃないことを……?」

「うん」

806 : 以下、名... - 2011/04/20 03:07:19.40 WG5DV9sP0 158/1986

「あんたは色んなことが出来るから」

「色んなこと……」

「不可能だって、可能になる」

「……」

(我ながらくさいこと言ってるなぁ)

「……不可能が可能になるなら」

「?」

「私は、あなたを――」

「え?」

「――なんでもないです」

874 : 以下、名... - 2011/04/20 20:21:24.52 WG5DV9sP0 159/1986

(なんか、言おうとしてたけど)

「ご主人様」

「ん?」

「そろそろ、出ませんか?」

「ん、いいけど、どうした?」

「えっと……」

「? うわっ!!」

「たくさんの人が……」

(なんかあやしげな人たちが女を見てやがる!)

876 : 以下、名... - 2011/04/20 20:28:24.83 WG5DV9sP0 160/1986

「あの……」

「行こう、女!」

ギュッ

「あ……はい」

(ああいうタチの悪そうな人たちはスルーが一番)

「……」

880 : 以下、名... - 2011/04/20 20:32:12.99 WG5DV9sP0 161/1986

タッタッタッタッ

「どうした?」

「あの、どうして人だかりができていたのでしょう?」

「わかんない?」

「はい、なにかのイベントでしょうか?」

「いや、違うよ」

「なにかあると思ったのですが……残念です」

(ああ、だから出ようって言ったのか)

881 : 以下、名... - 2011/04/20 20:42:56.55 WG5DV9sP0 162/1986

「あれはあんたが可愛くて見惚れてたんだよ」

「え?」

「二度は言わないからな」

「ご主人様も、思っていますか?」

「ん?」

「私が、可愛いと」

「……う、うん」テレテレ

「そうですか」

882 : 以下、名... - 2011/04/20 20:43:32.00 WG5DV9sP0 163/1986

「あの」

「?」

「手、つないでくれましたね」

「! あ、これは……」

「嬉しいです」

「……そっか」

「……」

(それでも、無表情は変わらないか)

888 : 以下、名... - 2011/04/20 21:02:13.73 WG5DV9sP0 164/1986

ポツリ

「……?」

「雨です」

「ああ、小雨だな、家に戻るかぁ」

ポツポツ

「おいおい……」

ザァー

「マジかよ!」

890 : 以下、名... - 2011/04/20 21:03:48.03 WG5DV9sP0 165/1986

「大雨です」

「いきなりどうして!?」

「いえ、いきなりではありません。降水確率は水準を上回っていました」

「だったら先に言って!」

「はい」

「ああ、もう! 雨宿りできるところ……」

「ありますか?」

「ん、公園!」

894 : 以下、名... - 2011/04/20 21:15:54.92 WG5DV9sP0 166/1986

「公園?」

「あそこなら雨宿りできる……はず!」

「そうなのですか」

「なにゆっくりしてんだ! 早く!」ギュッ

「あっ」

「行くぞ!」

「はい」

899 : 以下、名... - 2011/04/20 21:27:22.24 WG5DV9sP0 167/1986

ザァー

「ふぅ……」

「結局濡れてしまいましたね」

「寒くないか?」

「大丈夫です」

「これ」

「ありがとうございます」

「この雨、止むのか?」

「はい、あと1時間ほどで」

「1時間……か」

902 : 以下、名... - 2011/04/20 21:45:47.86 WG5DV9sP0 168/1986

「ご主人様」

「ん?」

「寒くないですか?」

「大丈夫だよ、それより、風邪気味のあんたのが心配だ」

「心配していただけて光栄です」

「そうかい」ブルルッ

「寒いのですね」

「体は正直だ……」

905 : 以下、名... - 2011/04/20 21:57:59.93 WG5DV9sP0 169/1986

「……」ヒョコ

「!」

「くっつけば暖かいです」

「そんなの、どこで覚えたんだ?」

「基礎知識です」

「……そうか」

「はい」

906 : 以下、名... - 2011/04/20 22:00:37.65 WG5DV9sP0 170/1986

(だけどだな……)

「どうしましたか?」

「濡れてるからなぁ」

「そうですか」

「って、まさかとは思うが……」

「はい?」ヌギヌギ

「やっぱりな……」

907 : 以下、名... - 2011/04/20 22:08:41.10 WG5DV9sP0 171/1986

「人肌はあたたかいですよ?」

「ああ、それも基礎知識なんだろ」

「はい、基礎知識です」

(こんなとこ誰かに見られたらまずいぞ……)

「完了しました、それでは……」

「いやいや、それはまずいって」

「?」

909 : 以下、名... - 2011/04/20 22:14:05.27 WG5DV9sP0 172/1986

「『?』って……」

「私では嫌ですか?」

「誰でもダメだよ」

「ご主人様には欲が無いのですか?」

「いや、あるよ」

「私が性的対象に入っていない……ということでしょうか」

「そんな真っ直ぐな目で俺を見ないでくれ」

911 : 以下、名... - 2011/04/20 22:25:10.98 WG5DV9sP0 173/1986

「どういう意味ですか?」

「いや……なんか」(嘘がつけなくなるっつーか)

「ご主人様が初めてです」

「?」

「こういう接し方をしてくれるのは」

「え……でも、俺が初めて実験協力者なんじゃ?」

「はい、そうです」

「なのに、なんで?」

「さっきの人だかり、散歩中の視線……」

「……」

「性的な目が、私に向けられていました」

「……ああ」

921 : 以下、名... - 2011/04/20 22:59:17.40 WG5DV9sP0 174/1986

「でも、あなたは違います」

「……」

「私を、一人の女として――」

「……」

「――見て、くれました」

ガバッ

「……」

「俺がいつ、あんたのことを性的な目で見てないって言った?」

「……言っていませんでした」

923 : 以下、名... - 2011/04/20 23:05:58.02 WG5DV9sP0 175/1986

「……」

「最初から、ですか?」

「?」

「最初から、ずっと……私を」

「……」

「そう……ですか」

「……」

「でも、私は……」

「?」

「ご主人様なら、構いません」

924 : 以下、名... - 2011/04/20 23:09:31.95 WG5DV9sP0 176/1986

「……はぁ……」

「?」

「そんなわけないだろ……」

「え?」

「というか、あんたはもっと抵抗しないと」

「抵抗する理由がありません」

「大アリだろ!」

925 : 以下、名... - 2011/04/20 23:16:00.67 WG5DV9sP0 177/1986

助手「もう、いいとこだったのにー」

「いやいや、そんなこと……ってうわぁ!」

「あ、助手さん」

助手「どもども」

「いや、神出鬼没すぎるでしょ!?」

助手「そうかな? まま、そんなこと置いといてさ、どうよ、メイドは?」

「え、メイド?」

助手「私が頑張って色々いじってみたけど、可愛かったでしょ?」

「ま、まあ……というか、助手さん、ビチョビチョじゃないですか。中入ってください」

助手「いいの、悪いね~」

926 : 以下、名... - 2011/04/20 23:19:43.35 WG5DV9sP0 178/1986

(って、助手さん、透けてる……!)

「……」

助手「いやあ、まさか雨に降られると思わなかったからね~」

「こんな公園の遊具で雨宿りしてる3人って……」

「狭いですか?」

「いやいや、全然」

助手「さて、そろそろDDL-003直さないとね~」

「直すんですか?」

助手「うん、博士に怒られちゃうし」

カチャ

「あひぃ!?」

928 : 以下、名... - 2011/04/20 23:25:37.82 WG5DV9sP0 179/1986

「まさか、あれは……」

助手「私の独断でーす、ごめんねー」

「らめです、そこは……ひゃぁあっ……」

(うう、声が生々しい)

助手「うん、これでオーケー!」

「はぁはぁ……はしたないところを見せてしまいました、ごめんなさい」

「だ、大丈夫か?」

「心配して下さるのですか?」

「あ、ああ」

「嬉しいです」

「……」

930 : 以下、名... - 2011/04/20 23:29:23.81 WG5DV9sP0 180/1986

(なんか、なぁ)

助手「うう、寒いなぁ」

「大丈夫ですか?」

助手「うん、平気平気! これでもカイロ沢山持ってるからね」

(それは逆に熱いような……)

助手「それじゃあ、私はまた観察に戻りまーす」

「え、外に出るんですか?」

助手「いや、しばらくはここにいるつもり」

「え、じゃあ……」

助手「じゃっじゃじゃーん、傘ー」

931 : 以下、名... - 2011/04/20 23:32:26.64 WG5DV9sP0 181/1986

ザァー

「……」

スタスタスタ

「……」ピッタリ

(胸の感触が……)

助手『メイド服が濡れちゃうからこのスタイリッシュなワンピースにしましょー!』

(確かに可愛いけど……)

「?」

(これはちょっと反則的な可愛さだぞ……! しかも腕に胸当たってるんですけど!)

934 : 以下、名... - 2011/04/20 23:35:08.71 WG5DV9sP0 182/1986

「相合傘です」

「そうだな」

「カップルは相合傘をすると、密着します」

「今の状態だな」

「そうですね」

(落ち着け、この柔らかい感触を忘れないように……って、落ち着ける場合じゃないけどな!)

「あ、かたつむり」

935 : 以下、名... - 2011/04/20 23:36:23.46 WG5DV9sP0 183/1986

「ああ、雨降るとよく見かけるよな」

「ゆっくりゆっくり、歩いてます」

「おう」

「まるで、私みたい」

「あんたはかたつむりより可愛いけどな」

「え?」

「な、なんでもない」

938 : 以下、名... - 2011/04/20 23:39:58.41 WG5DV9sP0 184/1986

「男さん」

(あ、戻ってる)「なに?」

「他の機械にも、会いたいですか?」

「え?」

「はい、私はDDL-003、つまり001,002がいればそれ以上の者もいます」

「なんで急に」

「私が嫌であれば、いつでもチェンジができるのです」

「嫌なわけないだろ」

「……本当ですか?」

「本当だよ、女」

941 : 以下、名... - 2011/04/21 00:01:21.01 ylgrfMXd0 185/1986

「……」

「もう、俺たちは友達なんだから」

「友達……」

「まあ、その言い方は変かもしれないけどな」

「……変じゃないです」

「そうか? なら良かった」

「……嬉しいのに」

「え?」

「嬉しいのに、上手く表現ができません」

(……なんか、こんな展開どこかで見たことあるような気がする……ぞ?)

952 : 以下、名... - 2011/04/21 00:15:21.22 ylgrfMXd0 186/1986

「これから、すこしずつ、できるようになって見せます」

「……女」

「応援、してくれますか?」

「おう、もちろん」

「嬉しいです」ギュッ

(やわらけええええ!!)

「?」

957 : 以下、名... - 2011/04/21 00:20:06.63 ylgrfMXd0 187/1986

ガチャ

「ただいま~」

「誰に言ってるのですか?」

「誰もいなくても言うの」

「なるほど。ただいま戻りました」

「それでよし」

「はい」

「まあ、今日も色々あったけども」

「はい」

「これからよろしくね」

「こちらこそ」

961 : 以下、名... - 2011/04/21 00:24:20.25 ylgrfMXd0 188/1986

―――――

助手「博士、観察結果は送ったはずですけど?」

助手「ふむふむ、いやいやいやいや……」

助手「確かに良い結果が出てますね。DDL-003らしからぬ思考ルーチンの成長が起きています」

助手「はい……はいはい……」

助手「え? 他のも送って、完成に近づける?」

助手「マジですか? はい、わかってますよわかってますよん。博士が冗談を言うタチでないことはわかってます」

助手「……わかりました、それじゃあ」プツッ

助手「ふふ、楽しくなるかもなぁ~……観察は大変になるけどね」

966 : 以下、名... - 2011/04/21 00:42:09.63 ylgrfMXd0 189/1986

「これからずっと一緒とは約束できない」

「それでも未来はあるはず」

「だからこそ俺は――」

「だからこそ私は――」

――前へ進む。



SS速報に続く。



続き
女「機械の体ですけど、一緒に過ごします?」


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