女勇者「戦士くん、魔法使いちゃん、今日からよろしく!」
女勇者「頑張って魔王を倒そうね!」
元スレ
女勇者「邪魔するなら」
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女勇者「戦士くん! 敵はもう戦う意志はないよ」
女勇者「無駄な血を流すのはよくないよ!」
女勇者「そうですか……魔物が北の洞窟に」
女勇者「分かりました! ボクらが何とかしてみます!」
女勇者「いくよ、戦士! 魔法使い!」
女勇者「魔物さん、今日は話があってここに来ました」
女勇者「村の人を困らせるのはもうやめにしてくれませんか?」
女勇者「もし素直に聞き入れてもらえるならそれなりのお礼はしますから」
女勇者「説得は上手く行きましたよ村長さん」
女勇者「魔物はよそに行くと約束してくれました」
女勇者「これでもう安心です」
女勇者「……うん、分かってるよ戦士くん」
女勇者「ボクはちょっと平和ボケしすぎてるかもしれない」
女勇者「でも戦い方は曲げないよ」
女勇者「獣王さま。今から勝負ですけど、約束は忘れていませんね?」
女勇者「ボクがあなた方全員に勝ったら魔王討伐に協力する」
女勇者「ちゃんと守ってもらいますよ」
女勇者「海王さま。ただいま戻りました」
女勇者「深海の魔物に奪われた宝玉を取り戻しましたよ」
女勇者「何度も死にかけることになりましたけど……約束通り味方になってもらいます」
女勇者「これで獣王海王緑王全てを味方につけたことになるね」
女勇者「うん。今なら魔王軍にも勝てるはずだ」
女勇者「よし、明日進軍を開始しよう!」
女勇者「……あれ?」
女勇者「え……あれ?」
女勇者「……え?」
獣王「呆けるな勇者! 今はまだ戦いの最中だぞ!」
獣王「立て! 剣を振るえ!」
獣王「死んだ戦士に申し訳が立たないと思わんか!」
獣王「わしが活路を開く。お前は後をついてこい」
獣王「そして誓え! 必ず魔王を仕留めると!」
獣王「これは貸しだ。必ず返せよ!」
女勇者「獣王さまは死にました」
女勇者「ボクを逃がすために死にました」
女勇者「海王さまも緑王さまも戦士くんも死にました」
女勇者「連合軍は散り散りになって」
女勇者「ボクと魔法使いちゃんはなんとか安全なところまで逃げ延びました」
女勇者「偶然にも前にボクたちが魔物から助けたあの村でした」
女勇者「でも村は閑散としていて」
女勇者「荒れ放題になっていて」
女勇者「全部ボクのせいです」
魔法使い「全部あなたのせいです!」
魔法使い「みんな死んでしまった!」
魔法使い「負けなんて許されなかったのに!」
魔法使い「あなたのやり方は間違っていた!」
魔法使い「この村の人々がどうなったのか分からないはずありませんよね!?」
魔法使い「あの魔物を殺しておけば……生かしてさえおかなければ……あなたはいつもそうだ……」
魔法使い「でもお願いです。わたしたちはあなたにすがるしかないんです」
魔法使い「女神に選ばれたあなたに」
魔法使い「どうか、どうか大いなる力でわたしたちを救ってください……」
旅人「……あ? ああ見たよ。確かに見た」
旅人「ボロボロのマントを羽織った娘っこが、東の方に歩いていったよ」
旅人「ずいぶんな目つきをしていたよ。それだけはしっかり覚えとる」
大神官「……ぐぅっ! な、なにをなさるのです勇者さま!」
大神官「あ、あの扉は開けるわけには……! ひっ!」
大神官「ど、どうか命だけは! 開けます! 開けますから! ……がはッ!」
女神「……ようこそ聖なる最奥へ。愛しき我が勇者よ」
女神「この力はできればあなたに与えたくはありませんでした」
女神「これはあなた自身をも蝕む諸刃の剣です……どうか間違わないで」
戦士「どけ、ザコども!」
戦士「……おや、あんたがこの砦のボスか?」
戦士「どうせ死にぞこなった身だ。派手に行かせてもらうぜ!」
戦士「……っ!」
戦士「な、なんだ?」
戦士(ボスを一撃で……?)
戦士「……勇者? なんだその力は……? 勇者!?」
女勇者「拠点のボスと聞いたからどんなものかと思えば」
女勇者「命乞いとはね」
女勇者「みっともない」
女勇者「さて次に行くか」
女勇者「……ああ戦士くん」
女勇者「もしボクの邪魔をするなら君でも殺すよ。そのつもりで」
魔獣「キサマ、その力! 人間ではないな!」
魔獣「悪魔! 悪魔め!」
魔獣「……がッ!」
女勇者「失礼だなあボクが人間なんかのわけないじゃないか」
女勇者「この極北の地の主のくせにそんなことも分からなかったのかい?」
女勇者「目が腐ったかな? ねえ、おい」
魔法使い「あはは! 犬っコロの死骸で遊ぶなんてずいぶんとずいぶんになったわねえ!」
魔法使い「魔力も順調に膨らみ続けて」
魔法使い「魔王さまも喜ぶわ!」
女勇者「……?」
女勇者「ああそうか。君がそうだったのか」
女勇者「どうりであの時作戦が筒抜けだと思った」
女勇者「でもいいや殺すよ」
女勇者「今は殺してないと不安でね」
女勇者「でも次々殺してるから殺す相手がいつかいなくなるんじゃないかってそっちの方も心配なんだ」
魔法使い「がッ……! ぐ……」
魔法使い「素晴らしい……この魔力……」
魔法使い「魔王さまの贄となるのにふさわしい……」
戦士「追いついたぞ、勇者!」
戦士「……魔法使い?」
戦士「……勇者! お前まさか!」
戦士「……仲間を殺す奴はどうあろうと絶対許さねえ」
戦士「勇者! 俺がお前をあの世に送ってやる!」
女勇者「今度こそ全員が死にました」
女勇者「ボクが全員殺しました」
女勇者「後は魔王だけ」
女勇者「それで戦いが終わります」
女勇者「正義が勝ちます。平和が来ます」
女勇者「……それ、なのに」
魔王「……来たか」
魔王「待ちくたびれたぞ」
魔王「一度まみえて以来だな」
魔王「なんだ、泣いておるのか?」
魔王「まさか今さら怖いというわけでもあるまい」
魔王「後悔か? それも違うだろう」
魔王「まあ今日をもってすべては過去になる」
魔王「では行くぞ」
魔王「女神の力も全て我が手中に収めてくれる!」
49 : 以下、5... - 2019/12/09(月) 20:18:44.056 rHNb+0NB0 39/40的な
52 : 以下、5... - 2019/12/09(月) 20:21:11.357 rHNb+0NB0 40/40岩本Xを久々に読んだ故