1 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:01:07.361 BO6N8R+00 1/56

家の物置――

(わっ、やたら古い漫画が出てきた。親父のか、下手すりゃおじいちゃんのかな?)

「へえ……やっぱり今の漫画と全然違うな。大げさな表現が多いっつうか」ペラペラ…

ボワンッ!

「なんだ!?」

「ワシはこの漫画の神だ……」

「神ィ!? 漫画の神様は手塚治虫だろうが!」

「それはそうなんだけど、この古い漫画が神化したようなもんだと思ってくれ」

「神化って、せいぜい数十年しか経ってないだろうに……まぁいいや。俺になにか用?」

「久しぶりにこの漫画を読んでくれたお礼に、おぬしに“能力”をプレゼントしよう」

「マジで!?」

元スレ
神「何か閃いたら頭上に電球が生まれる能力をやろう!」男「いらねえ」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1576494067/

2 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:04:45.010 BO6N8R+00 2/56

「能力を使って、漫画のような楽しい人生を送るがよい」

「どんな能力!?」ワクワク

「与えられる能力はいくつかあるのだが……」

「おぬしには何か閃いたら頭上に電球が生まれる能力をやろう!」

「いらねえ」

「なぜ!?」

「なぜって、んな能力あっても邪魔でしょうがないだろ!」

「むむむ、だったらこれはどうだ?」

3 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:07:06.239 BO6N8R+00 3/56

「走る時足が渦巻きになる能力!」

「いらねえ」

「電撃を浴びた時体がガイコツになる能力!」

「いらねえ」

「エッチなこと考えた時鼻血が出る能力!」

「いらねえ」

4 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:11:14.671 BO6N8R+00 4/56

「驚いた時目が飛び出る能力!」

「いらねえ」

「嫉妬した時背中がメラメラと燃える能力!」

「いらねえ」

「なぜことごとく断るのだ!?」

「だって漫画の古い表現みたいな変な能力ばかりじゃねえか! いるか、そんなもん!」

「なんというワガママな……ええい、だったら七つともくれてやる!」クワッ

「うっ、うわああああああっ……!」


…………

……


「……ん。夢か」

(漫画読んだまま……すっかり眠っちゃったみたいだ)

5 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:14:24.175 BO6N8R+00 5/56

高校――

幼馴染「おはよー!」

「……おはよ」

幼馴染「あれ、元気ないじゃん」

「いや……昨日変な夢を見て……それからずっと変な気分なんだ」

幼馴染「ふうん、もしかしたら正夢かもね」

「よせよ」

(あんなことが本当に起こってたまるか)

幼馴染「ま、気分が悪いなら早退した方がいいよ?」

「ありがとう。風邪とかじゃないから、大丈夫だ」

6 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:17:08.836 BO6N8R+00 6/56

授業――

教師「この問題が分かる者、いるか?」

シーン…

教師「おいおい、誰も分からんのか?」

(……あ)

「分かった!」ピカッ

ゴンッ

「いでっ!」

8 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:20:17.042 BO6N8R+00 7/56

「なんだ……? 上からなにか落ちてきて……」

(なにこれ、電球じゃないか。しかも光ってる)ピカーッ

教師「おい、答えは?」

「……です!」

教師「不正解!」

(しかも間違ってるし!)

イケメン「僕が答えます! ……です!」

教師「正解! さすがだな」

イケメン「いえいえ、この程度当然ですよ」チラッ

(あいつ……なぜか、なにかにつけ俺を敵視してくるんだよな)

9 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:23:11.198 BO6N8R+00 8/56

イケメン「……」タッタッタッタッタッ…

「イケメンはえー!」

「キャーッ! ダントツ一位よ!」

「イケメン君、ステキー!」

(くそっ、負けてたまるか!)タッタッタッタッタ…

「お、おい……」タッタッタ…

「ん?」グルグルグルグルグル

「お前の足、おかしくないか?」タッタッタッタッタ…

「なんだこれ!?(渦巻きになってる!)」グルグルグルグルグル

「うわっ!」ズテンッ

(あーあ、ダントツでビリだ……)

10 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:26:23.814 BO6N8R+00 9/56

(ドアを開けて、と)

骸骨「うわっ!」バチッ

骸骨「静電気か……乾燥してるからな」

同級生「うわあああああああああああああ!!!」

骸骨「どうした? まるで化け物でも見たような悲鳴上げて」

骸骨「って、俺ガイコツになってる!?」

「あ、戻った」

同級生「うーん……」ピクピク

「おい、しっかりしろ!」ユサユサ

11 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:29:14.238 BO6N8R+00 10/56

茶髪「おいおい、ゴムじゃねーか。んなもん学校に持ってきやがって」

チャラ男「今日授業終わったら、このままホテル直行するからよ~」

ギャハハハハ…



「ったく、羨ましいねえ」

「……」ブシュゥゥゥゥ…

「うわっ!? 鼻血!? だ、大丈夫か!?」

「ティ、ティッシュある……?」ボタボタ…

12 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:33:07.897 BO6N8R+00 11/56

幼馴染「……」ソーッ

幼馴染「わっ!」

「うわっ!」ビョーンッ

幼馴染「ふふふ、驚いた?」

「おどろい……」

「!?」

(俺の目、飛び出してねえか!?)ボヨヨーン

(やべっ、戻さなきゃ!)グイグイ

幼馴染「どうしたの? 大丈夫? こっち向いてよ!」

「ご、ごめん……ちょっと待って……(なかなか戻せない)」グイグイ

14 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:36:04.394 BO6N8R+00 12/56

イケメン「あれ、今日は少し髪型変えた?」

幼馴染「ん、まあね。よく気づいたね」

イケメン「君のことはいつも見てるからね……」

幼馴染「アハハ……そうなんだ」

(おのれ、イケメン……!)メラメラ…

「あっちいぃぃぃぃぃ!!!」

(今一瞬、背中がめっちゃ熱かった!)

幼馴染「ちょっ、どうしたの? 大丈夫?」

イケメン「……」チッ

16 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:39:34.620 BO6N8R+00 13/56

(ここまで変なことが続けば、いくら俺でも嫌でも気づく)

(昨日の夢……正夢どころじゃない。現実だったんだ!)

幼馴染「今日一緒に帰らない?」

「い、いや、今日は一人で帰る!」

(また変な現象起こしたらまずいからな!)

幼馴染「そう……」

イケメン「じゃあ僕と一緒に帰ろうよ」

幼馴染「え……あ、うん」

17 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:42:30.798 BO6N8R+00 14/56

物置――

「……あった、この漫画だ! 間違いない!」

「おーい、神様!」

シーン…

「こんなふざけた能力与えやがって、どうしてくれる!」

シーン…

「あ、そうだ! もう一回読めば……」ピカーッ

ゴツンッ

「って電球が生まれた! いってぇ~!」

18 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:44:30.475 BO6N8R+00 15/56

(ダメだ……漫画読んでもあの“漫画の神”が出てこない)

(ってことは、俺一生このままなのか!?)

(何かあるたび、電球が生まれたり、目が飛び出たり、鼻血出ちゃう人生なのか!?)

「ふざけんなあああっ……!!!」

(こんなんじゃもう怖くて学校行けねえよぉ……)

(休もう……明日から学校休もう……)

20 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:48:36.718 BO6N8R+00 16/56

二日後――

ピンポーン

「あら、幼馴染ちゃん」

幼馴染「男君、二日連続で学校休んでるので、どうしたのかなって思って」

「体の調子が悪いみたいでね」

幼馴染「会うことってできますか?」

「それは大丈夫だと思うけど、いいの?」

幼馴染「はい、変な夢を見た……っていってたので、そのことも気になるので」

21 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:50:54.298 BO6N8R+00 17/56

「……なんでわざわざ来たんだよ」

幼馴染「そりゃあ心配だから。といっても勘違いしないでよ、幼馴染としてね」

「んなこと分かってるよ」

幼馴染「で、何があったの?」

(どうする……話すか? 話しても信じてもらえるか?)

(だけどいつまでも学校休むわけにもいかないし……)

「今から……わけ分かんない話するけど……笑わず聞けよ?」

幼馴染「う、うん」

22 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:53:55.578 BO6N8R+00 18/56

幼馴染「……そういうことか」

「信じてくれるのか?」

幼馴染「うん、信じるよ」

「マジか!」

「だけどこんな体になっちまって、俺どうしたらいいのか……」

幼馴染「そんなの答えは一つでしょ」

「え?」

幼馴染「使いこなせるようにするしかないじゃない!」

23 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:56:29.179 BO6N8R+00 19/56

「使いこなす? この変な能力の数々を?」

幼馴染「そう」

「できるかなぁ……」

幼馴染「できるよ! 今の話だと、神様だってあんたを困らすために与えたわけじゃないだろうし」

「そうかな……」

幼馴染「とりあえず学校にはちゃんと出て、放課後特訓しよう!」

幼馴染「友君にも教えてあげよ。きっと協力してくれるから」

「……ありがとう」

幼馴染「水臭いっての!」

24 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 20:59:10.862 BO6N8R+00 20/56

(なるべく学校では能力が発動しないよう穏便に過ごして……放課後は――)




幼馴染「わっ!」

「くっ……!」

幼馴染「おっ、今目が飛び出なかったよ!」



「これ、俺とっておきのグラビア画像」サッ

「……」ブシュゥゥゥッ

「わああっ! スマホが血まみれに!」

「わ、わりい!」

25 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:02:17.347 BO6N8R+00 21/56

幼馴染「さ、走って!」

「うおおおおおっ!」タタタタタッ

「おお、渦巻きになってないぞ!」

「今度は渦巻きにしてみる!」グルグルグル

「おお~! 漫画みたいだ!」

幼馴染「すごいすごい!」

「よし……だいぶ使いこなせるようになってきた!」グルグルグル



…………

……

26 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:07:08.002 BO6N8R+00 22/56

高校――

「いつも特訓に付き合ってくれてありがとう」

幼馴染「いいってことよ」

「そのお礼といってはなんだけど、今日学校終わったら……」

幼馴染「ん?」

イケメン「ねえ、学校の近くにおいしい店ができたんだ。今日一緒に行かない?」ズイッ

幼馴染「えぇと、でも……」チラッ

「(こっちが話してたのに!)お、おい!」

イケメン「なんだよ」ギロッ

「うっ!」ビクッ

(怖え……! 優男と見せかけてこういう目つきもするのか……!)

27 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:10:11.876 BO6N8R+00 23/56

イケメン「僕が幼馴染ちゃんと話しちゃいけないのか? 君、彼氏だっけ?」

「いや……そんなわけじゃないけど……」

(ダメだ……イケメンとは男として格が違いすぎる……)

イケメン「黙っちゃったね。さ、行こうよ!」グイッ

幼馴染「う、うん」

スタスタスタ…

「……」

(嫉妬の炎すら出ない……ってことは俺は完全に諦めちゃったってことか)

(幼馴染のこと……)

28 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:13:22.391 BO6N8R+00 24/56

「……」

「どうした?」

「実は……」

……

「マジか、お前それで行かせちゃったのかよ!」

「……うん」

「せめて……二人がどこ行くかぐらい見ておいた方がいいぞ」

「うーん……そうかもな。よーし!」

「目を飛び出させて!」ビョーンッ

「おわっ!」

29 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:16:12.182 BO6N8R+00 25/56

「……」ニョキーンッ

「何十……いや何百メートル伸びてるんだよ……」

「……いた!」



イケメン「ココダヨ、オイシインダ」

幼馴染「……」



(会話は聞こえないけど、オシャレなカフェに入ろうとしてる……)

31 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:18:04.310 BO6N8R+00 26/56

幼馴染「ゴメン、ヤッパリ…」タッ

イケメン「アッ!」





(えっ!?)

(幼馴染が、イケメンと別れて……。やべっ、目を戻さないと!)シュルシュルシュル…

33 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:21:41.467 BO6N8R+00 27/56

幼馴染「おーい!」タタタッ

「ど、どうして……」

幼馴染「先に誘ってくれたのはあんただし、あんたと遊ぼうと思って」

「ありがとう……」

「へへっ、よかったな!」





イケメン「……」

34 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:24:52.948 BO6N8R+00 28/56

イケメン「あの女ァ……!」

イケメン(俺は俺になびかねえ女は絶対許さねえ……)

イケメン(俺になびかねえ女……それはもはや女じゃねえ!)

イケメン(女に生まれたことを後悔させてやる!)ピッピッピッ

イケメン「あ、もしもし?」

イケメン「うん……協力してもらいたいんだけど……もちろん金は払うよ」



…………

……

35 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:28:31.586 BO6N8R+00 29/56

次の日の放課後――

イケメン「やあ」

幼馴染「イケメン君……」

イケメン「昨日はひどいじゃないか。いきなり帰っちゃうなんて。ちょっと傷ついたよ」ニコッ

幼馴染「あ、ごめんね……つい……」

イケメン「だから今日は、僕と遊んでくれないか」

幼馴染「え、でも……」

イケメン「そんなにあいつがいいのか?」

幼馴染「えっ……!?」

36 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:31:52.677 BO6N8R+00 30/56

イケメン「あんな顔も、勉強も、スポーツも、全てにおいて平凡な男のどこがいいんだ?」

イケメン「僕には理解に苦しむね」

幼馴染「ど、どうしたの、急に……」

イケメン「とにかく……お前は俺のプライドを傷つけた」ギロッ

イケメン「きっちり償ってもらう」

幼馴染「え……」

ゾロゾロ…

不良「おっと逃がさねえぜぇ~?」

イケメン「よし……連れてけ」

幼馴染「ちょっ、何するの! はなしてよッ!」





(……あれは!?)

37 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:34:07.613 BO6N8R+00 31/56

「おい!」

「ん?」

「幼馴染ちゃんが……イケメンにどこか連れてかれたぞ!」

「イケメンに? そうか、昨日の分デートするのかな……」

「いや、そんな感じじゃなかった! 大勢で囲んでムリヤリ……」

「……なんだって」

「あいつ交友関係広いから、ワルとも付き合いあるっていうし……」

「……!」

「止めようと思ったんだけど……すまねえ。ビビっちまって……」

38 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:36:22.718 BO6N8R+00 32/56

「思い切り目を飛び出させないと……おい! 今すぐ驚かせてくれ!」

「え、どうやって!?」

「なんでもいいから!」

「んなこといわれても……えーと……」

「俺、実は……女なの!」

「なにいい!?」ビョーンッ

(ウソだけど)

40 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:39:02.674 BO6N8R+00 33/56

(飛び出した目で……)キョロキョロ

「見つけた!」

「おおっ!」

「これは……イケメンの奴、どこか店に入ってくぞ。クラブ……みたいな」

「おいおい、そこで幼馴染ちゃんをどうにかするつもりじゃ……」

「んなことさせるかァ!」

(エッチなことを考えて……)

「鼻血ブーッ!!!」ブシュゥゥゥゥゥッ!

41 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:41:10.503 BO6N8R+00 34/56

ブシュゥゥゥゥゥ…





「ウソ……鼻血で飛んでいきやがった。漫画じゃないんだから」

(あいつ……もしかしたら凄い奴なのかも)

44 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:44:48.461 BO6N8R+00 35/56

クラブ――

ヒヒヒ… ヘヘヘ…

幼馴染「こんなとこに連れ込んでどうするつもり?」

イケメン「この店、今日休みでね……つまり邪魔は入らない」

イケメン「幼馴染……俺の女になれ」

幼馴染「!」

イケメン「俺の女になるって心から誓えば、無事に帰してやるよ」

イケメン「もし断ったら……どうなるか察しはついてんだろ?」

幼馴染「……」

45 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:46:48.395 BO6N8R+00 36/56

幼馴染「イケメン君、どうして私があなたの誘いを断ってきたか教えてあげようか」

イケメン「?」

幼馴染「なんとなく、あんたのゲスな本性に勘付いてたからよ!」

イケメン「……上等だ」

イケメン「俺の誘いを断るってことは、お前はもう女じゃねえ」

イケメン「ただの“穴”だ」

幼馴染「……!」

イケメン「俺はもうこいつに興味ねえ。君ら全員で楽しんでいいぞ」

不良「じゃあまずは俺から!」ガシッ

幼馴染「やめてよ!」ドンッ

不良「うおっ!」

幼馴染(逃げなきゃ――)ダッ

46 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:50:48.524 BO6N8R+00 37/56

イケメン「“穴”のくせに逃げようとしてんじゃねーよォ!」ガシッ

イケメン「お前は今日ここで終わるんだよ! オラァッ!」バシッ

幼馴染「きゃあっ!」

幼馴染「た、助けて……誰か助けてっ!」

イケメン「来るわけねーだろォ! 漫画じゃねえんだから――」




「うおおおおおおおっ!!!」バタンッ

47 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:53:15.638 BO6N8R+00 38/56

「お前ら……なにやってんだァァァァァ!!!」

イケメン「!」

幼馴染「あっ……」

イケメン「なんだ、君か……」

幼馴染「来て、くれるなんて……」

「友がお前が連れ去られるとこを見てたんだ」

「イケメン……お前なんてことを!」

イケメン「その様子じゃ、勢いで単身乗り込んできたみたいだね。本当にバカだな、君は」

「女連れ去る奴に言われたくねーよ! この大バカが!」

49 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 21:56:01.967 BO6N8R+00 39/56

「イケメン……俺はお前を許さねえ!」

イケメン「へえ、許さないならどうするってんだ?」

「ブッ倒す!」

イケメン「……やれるものならやってみな」サッ

「なんだこいつ?」 「弱そうじゃねーか」 「とっととボコしちまおうぜ!」

「……」

「“能力者”を舐めるなよ」

50 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:00:01.528 BO6N8R+00 40/56

「走り回る!」グルグルグル

不良「えっ!? 足が渦巻きに……」

「うおおおおおおっ!」グルグルグル

不良「目が回る……」クラクラ

(今だっ!)

(さっきの友の告白を思い出して……)

「喰らえッ! 飛び出し目玉!」ビョーンッ

バキィッ!

不良「うぎゃっ!」

51 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:03:34.982 BO6N8R+00 41/56

DQN「やりやがったなァ!」ブオンッ

「飛び出し目玉!」ニョーンッ バキッ!

「この野郎ォ!」 「ブチ殺してやる!」 「わけ分かんねー技使いやがって!」

「まとめてきたな……」

(エッチなこと考えて……)

「鼻血ブーッ!」ブシュゥゥゥゥゥゥッ!

「背中ががら空きだぜ!」

「嫉妬の炎!」ボォォォォォッ

「あっちぃぃぃぃぃ!」



イケメン「なんだ……? なんだこれは……!?」

幼馴染(すごい、私が思ってる以上に“能力”を使いこなしてる……!)

52 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:06:15.669 BO6N8R+00 42/56

イケメン「相手は一人だ! 囲んで叩き潰せ!」

「おう!」 「変な技に惑わされるな!」 「囲め囲め!」

(まずいな、この人数にかかられたらひとたまりもない)

(何とかこいつら全員を撃退する方法は……)

「そうだ!」ピコーンッ

「この電球を握り潰して……!」ギュッ バチバチッ

骸骨「ガイコツになる!」

ドヨッ……!

55 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:08:07.577 BO6N8R+00 43/56

骸骨「みんな、俺様が食っちまうぞ~!」

骸骨「ガハハハハ~!」

「うわああっ、骨じゃん!」

「昔映画で見たガイコツの化け物だ!」

「逃げろぉぉぉぉぉっ!」

ドタドタドタ… バタバタバタ…

骸骨「さようなら~」

「お、戻った」

57 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:12:07.514 BO6N8R+00 44/56

「あとはお前だけだ、イケメン!」

イケメン「なるほど、大したもんだ」

「あまり驚かないんだな」

イケメン「驚いてるさ。まさか君が超能力者とは思わなかった。生まれつきかい?」

「いや……偶然手に入ったというか……」

イケメン「ただ……驚いたは驚いたが、それだけだ」

イケメン「残念ながら、君が僕に勝つことはできない」

「なんでだよ」

イケメン「なぜなら――」

58 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:15:16.528 BO6N8R+00 45/56

イケメン「お前の能力はしょせん見せかけだけなんだよ!」

バキィッ!

「ぐっ!」ヨロッ…

(目!)ビョーンッ

(鼻血!)ブバッ

イケメン「当たらねえよ」

イケメン「俺はスポーツ万能……もちろん格闘技もかじってる」

イケメン「少なくとも逃げた不良どもなんかよりよっぽど強い」

イケメン「落ち着いてまともにやれば、お前に負ける要素はねえッ!」ブオッ

ドゴォッ!

「ぐほっ! ……ぐええっ!」

59 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:18:25.278 BO6N8R+00 46/56

イケメン「ふと思ったが、お前の能力……まるで漫画みたいだな」

(当たってる……さすがに鋭いな)ゲホゲホッ

イケメン「だとしたら、なおさらお前は絶対俺に勝てねえ」

「どう、して……?」ゲホッ

イケメン「なぜなら、漫画ってのは大抵――」

イケメン「“顔のいい方”が勝つようにできてるからなァ!」

バキィッ!

「ぐぶっ!」ドザァッ

(たしかに……主人公って大抵イケメンだったり男前だよなぁ……)

(俺じゃ……イケメンに勝てない、のか……)

60 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:21:32.338 BO6N8R+00 47/56

イケメン「ククク……」ドカッ

「ううっ……」

イケメン「聞いたことぐらいあんだろ? マウントポジションってやつだ」

イケメン「マウントを取られた以上、お前にできることはもう“殴られること”だけだ!」

ガッ! ドカッ! ドゴッ!

「がはっ……!」

イケメン「どうした? 鼻血でも飛ばしてみろよ!」

「ぐうっ……!」

ドゴッ!

「ぐはっ!」

61 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:24:29.200 BO6N8R+00 48/56

幼馴染「やめてよォ!」

イケメン「うるせぇ!」バキッ!

幼馴染「きゃあっ!」

イケメン「オラッ! オラッ!」

ガッ! ゴッ!

(結局俺は……イケメンに上をいかれる運命なのか……)

(上を……)

(“上”……?)

(今ちょうどイケメンの頭は、俺の上にある……)

(そうか……一つだけ手がある!)

62 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:27:05.925 BO6N8R+00 49/56

(ひらめいた!!!)


ピカーッ!!!


イケメン「え……!?」

イケメン(なんで俺の上に電球が! それも特大の……!)


ゴンッ!!!


イケメン「う、うぐぅ……」ガクッ

「よし……!」

64 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:31:07.392 BO6N8R+00 50/56

イケメン「あ、頭が……!」ヨロヨロ…

「イケメン……この一発だけは能力を使わず放つ」グッ

イケメン「や、やめ……」

「俺からも一つ教えてやる」

「漫画ってのは大抵――」

「“いい方”が勝つようにできてるんだよォ!」

バキィッ!

イケメン「ぐはぁ……っ!」ドサッ…

(や、やった……!)

65 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:34:44.394 BO6N8R+00 51/56

「大丈夫か!?」

幼馴染「う……うう……」

幼馴染「うわああ~~~~~~~ん!!!」ガシッ

「!」

幼馴染「ありがとう……ありがとう……!」

「……」ポッ…

「もう……大丈夫だぞ」

幼馴染「うん……!」

66 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:37:10.439 BO6N8R+00 52/56

「……落ち着いたか?」

幼馴染「……なんとか」

「そうか、よかった」

「俺さ、お前がこんな目にあって、やっと分かったよ」

「自分の気持ちに素直になろうと思う」

幼馴染「なに……?」

「俺は……お前が好きだ!」

幼馴染「!」

68 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:40:25.159 BO6N8R+00 53/56

幼馴染「私も……あんたが好き」

「ホントか! ……やったぁ!」

「……ん?」



ホワァァァァァン…



「な、なんだこりゃ!?」

幼馴染「大きいハートマークが……!」

70 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:44:06.592 BO6N8R+00 54/56

『なんというワガママな……ええい、だったら七つともくれてやる!』



「そうか、今までずっと引っかかってたけど……これが“七つ目”の能力だったのか!」

「てか、恥ずかしいなこれ! 消えろ! 早く消えろ!」

ホワァァァァァン…

「……消えない」

幼馴染「しばらく浮かばせといてもいいんじゃない?」

「おいおい……」

幼馴染「フフッ」



…………

……

71 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:48:35.774 BO6N8R+00 55/56

その後――

「へぇ~、お前らついに付き合うことになったのか!」

「ああ」

幼馴染「そうなの」

「イケメンは逃げるように転校してったし……いい気味だな!」

「ふん、本当は少年院にでもブチ込まれて欲しかったけどな」

幼馴染「もう悪いことはできないでしょ。あんなみっともない負け方したんだから……」

「それにしても、お前が女だったのにはビックリしたよ」

「あんなのウソに決まってんだろ! 信じるなよ!」

72 : 以下、5... - 2019/12/16(月) 22:51:42.219 BO6N8R+00 56/56

幼馴染「あの時のあんたは本当にかっこよかったよ」

「お、おう……」

ホワァァァァァン…

「うおっ!? なんだ、このハートマーク!?」

「まさか、これから先ラブシーンやるたびにこれが出てくるのか!?」

幼馴染「早くこの能力も使いこなせるようになってぇ!」



(彼らが漫画のような楽しい人生を送れそうでなによりじゃわい)







~おわり~

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