良子「お姉、今日も桃さんのお家にいくの?」
シャミ子「えっ、はい、そうですけど」
良子「このまえ桃さんに借りた本を返しに行きたいんだけど、一緒に着いて行ってもいい?」
シャミ子「それなら私が返しておきますよ?」
良子「いいのお姉、桃さんとこの本の話とかしたいし。一緒に行きたい」
シャミ子「へー、本の話ですか。桃は一体どんな本を……ハッ!まさか筋トレの本じゃないですよね?」
良子「やっぱりお姉はすごい!配下の考えまで把握してる!」
シャミ子「良、悪いことは言いません。その本で覚えたことは忘れるんです。でないと筋肉道に引き込まれます!」
良子「大丈夫だよお姉。筋肉はあくまでも筋肉だから。そんな道なんてない」
シャミ子「そ、そうです。筋肉はあくまで筋肉です。異常な筋肉崇拝は危険です」
良子「うん、いついかなる時でも常に身に着けていられる鎧と矛、それが筋肉。三国志もたしなむ良は感銘を受けた」
シャミ子「えっ」
良子「上に立つまぞくとしてお姉は絶対に身に纏っておく必要があると思う」
シャミ子「ちょ、ちょっと良」
良子「どうしたのお姉?」
シャミ子「その…」(ここで良の考えを否定していいのか?将来有望な妹の芽を摘み取ることになるのでは…?)
シャミ子「一冊の本で方針を決めるのは早計だと思いませんか?色々な本を読んで考えをまとめてみてはどうです?」
良子「……」
シャミ子(やっちゃっいました??)
良子「流石お姉!良の視野が狭くなっているのを見抜いて、さらにやる気を削がないように優しく諭したんだね!」キラキラ
シャミ子「……シャ、シャドウミストレスですから」ドキドキ
元スレ
シャミ子「今日も桃の家に行ってきます」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1570029473/
桃ハウス
良子「桃さん、本ありがとう」
桃「どうだったかな良ちゃん?私の好きな本でって言われたからこんなの貸しちゃったけど」
良子「面白かった!特に筋肉の肥大化のプロセスとか興味深かった!」
桃「そっか、良かった。筋肉は正義だからね」
良子「うん、筋肉が――」
桃「そうそう、筋肉で――」
良子「上腕筋が――」
桃「それならこの本を貸してあげるよ」
シャミ子「ちょっ、ちょっと桃ストーップ!筋肉談義してるところ申し訳ないですがちょっと待ってください!」
桃「なにシャミ子、もしかして嫉妬かな?」クスクス
シャミ子「嫉妬?何を言ってるのかわかりませんがちょっとこっち来てください!」
良子「?」
シャミ子「ウチの妹に筋肉関係の本を貸すのは止めてください!」
桃「なんでかな?筋肉は正義だよ?」
シャミ子「ウチは闇の一族ですし、そもそも何が正義かは本人が決めることです!良にはまだいろいろと知ってもらいたい」
桃「なるほど、一理ある」
シャミ子「そういうわけなので本を貸すなら別のもっと可愛らしい漫画とかも貸してやってください」
桃「うーん、そういうことなら仕方ないかな」
シャミ子「そういうことです。お願いします」
桃「可愛らしい漫画か。じゃあ漫画タイムきらら系列とかどうだろう?」スッ
シャミ子「あっ、可愛らしい絵柄。私は読んだことはありませんがたしか杏里ちゃんが読んでました」
桃「じゃあ、この中の作品をいくつか貸してみるよ」
数日後
良子「お姉、また桃さんに本返しに行くから一緒についてくね」
シャミ子「そうですか。ところで良、この前借りた本はどうでした?面白かったですか?」
良子「うん、面白かった!性のあり方とその世界の独自性について考えさせられた!」
シャミ子「えっ?」
良子「このほとんど男性がいない世界で物事が回っていることに整合性を見出すと新たな可能性が見えてくる」
シャミ子「えっ?えっ??」
良子「良は男性が活躍する本をよく読んでいたからこれはとても新鮮だった」
シャミ子「そ、そうですか。良が喜んでいるなら良かったです」(筋肉道に引き込まれてなければOKです)
桃ハウス
良子「桃さん、これすごく面白かった。ハードボイルドとは真反対だけど、良的には新鮮で楽しめた!」
桃「そっか、良かった。じゃあ次はこれを貸すね」
シャミ子「……」ハラハラ
桃「どうしたのかなシャミ子」
シャミ子「そんなこと言ってしれっと筋トレ本とか貸さないか見張ってるんです」
桃「そんなことしないよ。さっき良ちゃんが面白いって言ってくれたからそれっぽい本を貸してるだけ」スッ
シャミ子「あ、本当です。可愛い女の子達と綺麗な百合の花の絵」
桃「そうだよ」
シャミ子「これならOKです」
桃「そういうわけで、はい良ちゃん。またこれ読んだら感想聞かせてくれると嬉しい」
良子「うん、ありがとう桃さん」
数日後
シャミ子「今日も桃の家に行きますけど、良も一緒に来ますか?」
良子「っ!いかない…」
シャミ子「えっ!?どうしたんですか良、何かあったんですか!?もしかしてこの前の本が気にくわなかった?」
良子「ううん、本は凄く良かった。尊かった。だからこそ良は気づいてしまった」
シャミ子「??」
良子「ごめんねお姉。いままで良が無知だったせいで」ションボリ
シャミ子「???」
良子「せっかく桃さんと甘い蜜月を過ごせる時間を良が邪魔してたんだね」
シャミ子「蜜月?桃と?何言ってるんですか!桃はしゅくてkじゃなかった配下です!そんなんじゃ!」
良子「いいんだよお姉、隠さなくて。良知ってる、百合だよね。本でいっぱい見た。尊かった」
シャミ子「良がおかしい…」
良子「良はおかしくないよ。桃さんに借りた本でいっぱい勉強しただけだから」
シャミ子「桃のせいかー!」
良子「主従の関係を超えた愛。素敵だと思う」ドキドキ
桃ハウス
ドンドンドン
シャミ子「桃ー!出てこい!ウチの妹に一体何を貸した!」ゼェハァゼェハァ
桃「どうしたのシャミ子……ってうわっ!」
良子「…こんにちは桃さん」
桃「もしかして良ちゃんを小脇に抱えたままここまで走ってきたの?」
シャミ子「桃にさんざん鍛えられたおかげです」
桃「うん、頑張ったねシャミ子」
シャミ子「はい、私頑張りました!……って、違う!!」
良子「本で見た!良、こういうの本でいっぱい見た!」ワクワクドキドキ
シャミ子「良、ちょっと桃と二人きりで話しがあるので少し席を外します。その間メタ子と遊んでてください」
良「っ!!うん!分かった!いろいろと分かった!ゆっくり休憩してきて!!」キラキラ
―――
――
―
シャミ子「と、こんな感じになってるんですが、貴様、一体良に何を貸した!」
桃「何ってただの百合モノの漫画とか小説とかだよ?」
シャミ子「百合?お花の漫画とかですか?」
桃「女の子同士の恋愛とかの話だよ。シャミ子の要望どおり可愛らしい系の百合モノを厳選したよ?」
シャミ子「そんなのを貸したんですか!?」
桃「そんなのとは酷いな…趣味は人それぞれだと思う」
シャミ子「そ、それはそうですが、良にはまだ早すぎると思うんです」
桃「良ちゃんと本の話をしてると子供ということを忘れちゃって…たしかに恋愛モノは早すぎたかもしれない」
シャミ子「ともあれ良がいろいろと私たちの間を勘違いしているようなので桃からも否定してやってくれませんか?」
桃「良ちゃんのあんなにキラキラ輝いている目を濁らせるようなことはできないよ」
シャミ子「だからって嘘をつき続けるんですか?」
桃「じゃあこうしよう。嘘じゃなくしよう」
シャミ子「ほぇ?」
桃「付き合おうシャミ子」スッ バラの花
シャミ子「ほげぇ///」ぷすぷす
桃「OKかな?」
シャミ子「で、でも私たち女の子同士ですし、周りの…お母さんやごせんぞに何といえば」
桃「周りなんて関係ない。私に全て任せてくれればいい」キリッ
シャミ子「桃、カッコいい…」ぽえ~
頑張れシャミ子 桃さんはすでにお米券とよりしろチケットで外堀を埋めているぞ!
おしまい