1 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 21:15:34.86 QIErW0bJP 1/130


「いやあ、自分の性器をしごく事にこんなに一生懸命になるんだね」

「……」

見られた。

「ああ、大丈夫、気にしないで続けてくれ」

「できるかっ」



元スレ
女「ほほう、これが自慰か」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1284380134/

4 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 21:19:43.08 QIErW0bJP 2/130


「ふふっ」

「……んだよ」

「しまわないのかい?」

「……うっせ。つーより、なんでお前が?」

「ボクかい? 君の家に来ているんじゃないか」

「違う、なんで勝手に入ってきた?」

「君のお母さんからは許可を取ったさ」

……勝手に入れやがったな。


8 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 21:26:50.74 QIErW0bJP 3/130


「……ちっ」

「でも、君は凄い心臓の持ち主だね」

「あん?」

「下に母親がいるのに、自慰に勤しめるとは……ボクにはできそうもない」

……お前にはついてないだろ。

「もっとも、無いからしようにもできないけどね」


10 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 21:33:05.44 QIErW0bJP 4/130


「変な反応だな」

「ん?」

普通だったら。

「普通だったら、もっと恥ずかしがるもんだけど」

「ははは、逆に興味がわいているからね」

「はぁ?」

「できれば、しているところ、射精まで見ていたいくらいだ」

ダメだ、こいつ。


12 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 21:41:08.78 QIErW0bJP 5/130


「するかっつーの」

「そうか、残念だ」

「……」

「ふふっ、今日はいいものが見れた」

「変なこと言うな」

「普段の生活ではそう見れないからね。頭の中に鮮明に浮かんでくる」

「……」

タイミングが悪すぎただろ、さっきの。


14 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 21:46:55.96 QIErW0bJP 6/130


「お返しに、ボクの自慰を見せようか?」

「ふざけんな」

「でも、ボクはまだやったことがないんだ」

「……」

聞きたくない、聞きたくない。

「どうするのか、教えてくれないかい」

「俺が知ってるわけないだろ!」


15 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 21:50:09.51 QIErW0bJP 7/130


「そうか」

「……」

「じゃあ……」

近づくな、やめろ。

「君の持っているその本を貸してくれ」

「!」

この本はダメだ。

「ダメかい?」

「無理」


17 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 21:56:34.05 QIErW0bJP 8/130


「おや、何故だい?」

「なんでって……」

これは、男が見るものであってだな……。

「とってもピンクだね」

「見たら俺は死ぬ」

「どうして?」

「恥ずかしすぎて」

「ボクのことは考えないのかい? ボクが恥ずかしすぎて死んでしまうかもしれないよ?」

知るかよ。


18 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 22:01:46.92 QIErW0bJP 9/130


「わかったよ」

「読ませてくれるのかい?」

そんなキラキラした目で見るな。

「やだ」

「そうか、それは残念だ」

「なんでそんなに見たいんだよ」

「貴重な資料だからね」


19 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 22:06:45.37 QIErW0bJP 10/130


「資料?」

「うん」

「どういうことだよ」

「いいじゃないか。黙秘権を行使するよ」

「黙秘拳ってどんな流派だ」

「こういうときにボケないでくれ」

「……」

「さあ、早く」

「やれやれ……わかったよ」

死にたい。


21 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 22:09:26.48 QIErW0bJP 11/130


「すまないね」

ペラリペラリ。

恥ずかしいぞ、この野郎。

「ふむ……」

「頷きながら見るな、そんないいもんじゃねえ」

「素晴らしいよ」

「……はぁ」


22 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 22:14:52.97 QIErW0bJP 12/130


「……君は」

なんだよ、読み終わってから話しかけろよ。

「んだよ」

「胸の大きな子が、好みなのかい?」

「……」

うわあああああああああ。

「そうなのかい?」

「……そうだよ、悪いか」


23 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 22:23:08.39 QIErW0bJP 13/130


「ふむ……そうか」

「……」

「胸に、とっても興味があるんだね、君は」

「うるせー! もういいだろうが!?」

「いや、まだ全て読み終えてないよ」

「あーもぉーー!!」


26 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 22:38:18.73 QIErW0bJP 14/130


「よかったよ」

「……俺のライフはゼロだ」

「そうか。それは良かった」

「よくねえ!」

「君の嗜好がわかってとても楽しかったよ」

「ふん……」


28 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 22:41:32.03 QIErW0bJP 15/130


「よし」

いきなり上着脱いで……ブラ。

「なんだよいきなり!?」

「さあ、判定だ」

「なにが!?」

「ボクの胸は、好みかい?」

「……は?」


29 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 22:43:52.98 QIErW0bJP 16/130


「ボクもやはり、一少女として、気になるところだ」

「いやいや、おかしい」

「え?」

「少女って……」

「訂正しよう。一女性として、気になるところだ」

「うむ、しっくりくる」

「それで、どうなんだい?」


33 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 23:00:29.41 QIErW0bJP 17/130


「うーん」

「ふむ」

「2点(100点中)」

「……そうかそうか。それは精進しないといけないね」

「お、おい……」

「いや、いいんだ……仕方ない結果さ」

こんなことを言うのは、悪いんだが。

本当に、魅力のない、胸だ。


34 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 23:10:49.50 QIErW0bJP 18/130


気を重くするなよ。

俺には、魅力的に感じないだけで。

他の人にとっては、素晴らしいかもしれないぞ。

「ん、なんだい? ジロジロと見て……」

「みてねーよ」

「それにしても、ボクの胸はそんなに貧相だろうか」

そんなことは言ってない。


36 : 以下、名... - 2010/09/13(月) 23:16:20.75 QIErW0bJP 19/130


「俺にとっては2点だってことさ」

「ふむ、そうか……それでは困る」

困られても。

「もう一度本を読んで勉強しよう」

「勘弁してくれ!」


41 : 以下、名... - 2010/09/14(火) 00:19:22.33 /TJbosG9P 20/130


「やれやれ……」

昨日は散々な目に遭った。

「やあ」

「おう」

「気分が優れないようだが?」

「ちょっとな」


46 : 以下、名... - 2010/09/14(火) 00:35:07.97 /TJbosG9P 21/130


「君の気分が優れないと、こちらも調子が崩れてしまうよ」

「そうかい」

「なにかあったのかい?」

「お前が元凶だ」

「なんと」

「……」

わざとらしい。


49 : 以下、名... - 2010/09/14(火) 00:52:09.76 /TJbosG9P 22/130


「そういえば」

さらにわざとらしく、話を変えやがった。

「君、宿題はしたのかい?」

「……は?」

「ほら、現代文の」

「……あったっけ?」

「ああ。素晴らしい文章だったよ」

覚えてなかった。


50 : 以下、名... - 2010/09/14(火) 00:56:44.94 /TJbosG9P 23/130


「忘れてしまったんだろう?」

「……おう」

「まあ、見せてあげてもいいが」

「なんだ?」

「その代わり、条件がある」

「? なんだ」

「今度、ボクと一緒に出かけよう」

なんだ、そんなことか。

お安い御用。


91 : 以下、名... - 2010/09/14(火) 23:45:25.00 /TJbosG9P 24/130


「いいかい?」

「おう、いいぜ」

簡単なことさ。

教科担任にガミガミされるより。

それに。

こいつのプライベートを、あまり知らないからな。


96 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/14(火) 23:58:04.90 /TJbosG9P 25/130


「そうか、なら、……ほら」

「おう、ありがとう」

「礼なんかいらないさ。ある意味、取引をしたのだから、ボクも君にお礼を言わないといけないよ」

やつは深くお辞儀をした。

「ありがとう」

ニッコリ笑いやがって。


99 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 00:18:30.87 v6guebIvP 26/130


「……」

「む、どうしたんだい?」

「別に」

……俺はこいつに、してるところを見られたんだよな。

「?」

「別に、なんでもないって」

「いや、違う」

近づいてくるなよ……。

「ああ、パンくずか」


101 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 00:34:12.42 v6guebIvP 27/130


……。

近くにいかなきゃわからんぞ、そんなの。

「うん、とれた」

おい、食べるな。

「おう」

「どんくさいね、相変わらず」

ほっとけ。


123 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 17:39:19.59 v6guebIvP 28/130


「ちょっと髪もはねてるよ」

「だぁ、お前は保護者か」

「保護者……いいかもしれないね」

「ふざけんな」

「ふふ、まあそう怒らずに」

その笑顔がむかつく。


124 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 17:42:48.21 v6guebIvP 29/130


「はぁ……」

「ためいきかい? 幸せが逃げていくよ」

「ほっとけ」

「じゃあボクに当たるようにためいきをついてくれ。そうすれば、ボクに幸せがやってくる」

いや。

その理屈はおかしいだろ。


127 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 17:49:19.17 v6guebIvP 30/130


「ためいき自体が幸せじゃあないだろ」

「む……?」

「つまり、ためいきをついた人に幸せがやってこなくなるんじゃないか?」

「なるほど……」

「……ん?」

こいつ、いきなり近づきやがって。


128 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 17:55:04.48 v6guebIvP 31/130


「君に来ない幸せは、ボクが頂くよ」

「けっ」

「ふふふ……」

「おい」

「ん?」

「歩きづらい」


131 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 18:16:35.19 v6guebIvP 32/130


「そう言ったら、ボクがやめると思うのかい?」

「一応言っといたんだ」

「ふふ、そうかい」

邪魔すぎる。

「……」

「おっと、そんなに早く歩かないでくれよ」


133 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 18:28:45.38 v6guebIvP 33/130


「うるさい」

「むっ……」

「お前があくまで邪魔をするなら、俺は俺で抵抗す……る?」

こけてやがる。

ついでに、パンツ丸見え。

「白か」

「ああ、真っ白だ」


135 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 18:38:10.30 v6guebIvP 34/130


「君は、白は好きかい?」

「言うかよ」

「むぅ、嫌いかい?」

「……嫌いじゃない」

「そうか」

「?」

「見たいときにいつでも言ってくれ。君が見たいなら、いつでも見せるから」

変態が。

「もちろん、君以外の人には見せるつもりはないけどね」

俺も見る気はない。


138 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 18:42:57.31 v6guebIvP 35/130


「そういうこと、平気な顔で言わないほうがいいぜ」

「どうしてだい?」

「俺が野獣だったらどうする?」

「言われるがままさ」

「じゃあもし、ここで俺がパンツを下ろせといったら?」

「下ろせばいいのかい?」

「ストップストップ」


141 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 18:53:19.41 v6guebIvP 36/130


「ん、ストップ」

「とりあえず脱ごうとしてるそのモーションをやめろ」

「わかった、言うとおりにしよう」

「はぁ……」

「またためいきだね」

「ほっとけ」


142 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 18:58:15.90 v6guebIvP 37/130


学校についてもこいつは。

ずっとくっつきやがって。

変な噂が立ったらどうするんだ。

「……おい」

「大丈夫、トイレと授業中は離れてるから」

「俺の脚の上に乗るな」

「迷惑かい?」

「迷惑だ」


144 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 19:02:15.20 v6guebIvP 38/130


「女の子との接触は、男の子にとってとても刺激的なことだと聞いたけれど」

「お前と触れ合っても嬉しくない」

「むむ、ボクのことを女の子として、異性として見ていないと?」

「そういうことだ」

「嬉しいなあ」

「はあ?」


153 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 20:07:53.39 v6guebIvP 39/130


「つまり、ボクのことを同性のように、仲良くしてくれている、ということだろう?」

「……」

ポッジティブぅ……。

「嬉しいなあ、嬉しいなあ」

本当に喜んでいるようだ。


154 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 20:12:38.30 v6guebIvP 40/130


「お、おい」

「む?」

「脚の上で動くな」

「なんでだい?」

「いいから」

くそ、やっぱり俺も男か。

反応してやがる。


155 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 20:16:26.41 v6guebIvP 41/130


「なにか、悪いことでも?」

「ああ、悪い」

「なにがいけないんだい? 体で喜びを表しているだけさ」

「言葉で表せ」

「それじゃあ思いが伝わらないだろう?」

「……」

「……あっ」


157 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 20:22:41.33 v6guebIvP 42/130


「?」

「えっと……うん」

いきなり離れた。ラッキー。

「嫌がるようなことをして悪かったね、す、すまなかった」

「? おう」

どうしたんだ? いきなり……。

……あ。


159 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 20:42:16.92 v6guebIvP 43/130


「えっとだな……」

「次の授業の準備しないと……」

逃げられた。

誤解だ。いや、誤解じゃないけども。

まずいな。これは、後できまずい。

「そ、それじゃあ、後で」

「お、おう」


162 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 21:02:55.75 v6guebIvP 44/130


帰宅中。

「……」

いつもうるさいあいつは、一言も喋らない。

気まずい。

これは、いやなムードだ。

「お、おい」


163 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 21:05:30.95 v6guebIvP 45/130


「なんだい?」

「さっきのことなんだが……」

「ああ、弁当の話かい? あれはね……」

「違う、別にお前のチーズソーセージの話はするつもりはない」

「じゃあ……君の、かい?」

いきなり下ネタか。


166 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 21:24:58.98 v6guebIvP 46/130


「まあ、そうなるな」

「すまなかったね、ちょっと、ビックリしてしまってね」

「ああ、すまん」

「ふふ、ボクが昨日見たものが当たっていると考えると、すこし恥ずかしくなってしまってね」

「……」

畜生。


170 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 21:37:03.12 v6guebIvP 47/130


「悪かったな」

「いや、嬉しいことさ」

「はぁ?」

「つまり、ボクとの接触を好ましく思ってくれたということだろう?」

「……」

まあ、そういうことになる。

つか、肌がめっちゃスベスベだったのが原因だ。

……ああ、やっぱりそういうことなんだ。


172 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 21:40:16.56 v6guebIvP 48/130


良い匂いするし。

柔らかいし。

暖かいし。

「ふふふ……」

「……んだよ」

「なんでもないさ」

「うっぜー」

「無関心より嬉しいよ」

「……はぁ……」

「あ、そうだ。ためいきためいき」

またくっつきやがって。


175 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 21:45:24.83 v6guebIvP 49/130


「ふふふ……」

「不気味」

「笑い方かい?」

「そうだ」

「くすくす」

「そんな笑い方するやつはいない」

「ふふっ……そうだね」

ふふっ、じゃねえよ。

ふふっ、じゃ。


178 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 21:48:22.84 v6guebIvP 50/130


「決めた」

「ん?」

「今度行く場所」

「どこだよ」

「ふふっ、教えないよ」

じゃあ言うな。


179 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 21:52:54.70 v6guebIvP 51/130


「あのな……」

「なんだい?」

「悪いけど、お前いつ行くつもりだよ」

「いつでもいいんじゃないのかい?」

「こっちにも都合があってな」

「都合か……ふふっ、ボクに合わせてくれるくせに」

「……」

「君のそういうところ、結構好きだよ」

合わせてるつもりは全然ない。


180 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 21:55:54.74 v6guebIvP 52/130


「で、いつだよ?」

「今度の日曜日」

「……それってお前」

「ん?」

こいつ、わかって選んでるだろ。

「どうしたんだい?」

にやにやしやがって。


186 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 23:24:14.19 v6guebIvP 53/130


「わかった」

「空いてるのかい?」

「空いてる」

「良かった」

「はぁ……」

「幸せがやってくるよ」

「そりゃよかったね」


188 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 23:30:27.86 v6guebIvP 54/130


「土曜日どうすっかな」

「自慰に勤しんだらどうだい?」

「やめろ」

「じゃあ、ボクも初体験してみようかな?」

「自慰することを公言するな」

「やり方がわからないのに、するわけないさ」


190 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 23:34:46.13 v6guebIvP 55/130


「そうかい」

「男の子の自慰は、昨日で幾分かは理解したけど」

「そのことはもう言うな」

「今でも目を閉じれば思い出すよ……ふふっ」

「あーもー!」

「顔が赤いよ? 恥ずかしいのかい?」

恥ずかしくないわけ、ないだろう。


192 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 23:41:04.12 v6guebIvP 56/130


「許してくれよ……」

「……でも確かに、この年頃でしていないボクは、逆に異端なのかもしれないね」

「……」

いや、別にしないやつはしないだろう。

「男の子に飢えてないからかな?」

「性欲ないのか?」

「うーん、一緒にいれればそれで十分だと、ボクは思ってるから」

ふーん。


194 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 23:45:19.21 v6guebIvP 57/130


「そんなもんなのか」

「うん」

「……」

「ん?」

「……のわりに下ネタとか多くないか?」

「君をからかってるのさ。思春期の少年をね」

……お前だって思春期の少女だろうが。


196 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/15(水) 23:57:55.83 v6guebIvP 58/130


「へ、そうかい」

「ふふっ」

「……」

こいつは本当に、食えないやつだ。

「あ、そうだ」

「ん?」

「ちょっと、ボクの家に寄ってくれないか?」


199 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 00:07:58.53 06d97TizP 59/130


「お前の家に? なんで」

「いいから、ね?」

「いやと言ったら?」

「自慰……」

とか言いながら、じーっと俺を見てやがる。

こいつ、まさか、SEでシャレをかますとは、恐ろしい子。


245 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 21:06:35.69 06d97TizP 60/130


「わかったわかった」

「ふふ、ありがとう」

こいつから離れたら。

どこかで言われちまいそうだしな。

自慰、じゃねえよ。


248 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 21:22:49.80 06d97TizP 61/130


「で、なんだよ」

「そろそろボクの家なんだから、待ってくれよ」

「へいへい」

「もちろん、あがってくれるよね?」

「お前の家に?」

「うん」

やれやれ。


251 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 21:30:01.91 06d97TizP 62/130


「別にいいけど」

「本当かい? ありがとう」

ふふふっ、と不気味な笑い。

何をしようってんだ。

「ちょっと帰りが遅くなるかもしれないけど、いいかい?」

「いいぜ、別に」


252 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 21:39:29.65 06d97TizP 63/130


「ありがとう」

「おう」

「ふふ、感謝してばかりだね」

まあ、そうだな。

どうでもいいけどな。

「さあ、着いたことだし、遠慮せず入ってくれ」


254 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 21:43:16.81 06d97TizP 64/130


「おう」

って、いきなり走り出した。

家で、いきなり。

「待てよ」

「ふふっ」

階段を上り、自分の部屋に行こうとしてるようだ。

「ちょ、おいっ」

俺も中に入る。


257 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 21:54:13.83 06d97TizP 65/130


「ふふっ」

「!」

こいつ。

着替えるために走ったのか。

「こういうときは、どういう反応をとればいいのかな?」

「笑えばいいんじゃね?」

「ふふ、新世紀なお答えありがとう」

「……」

「おや、出るのかい?」

当たり前だろ。


260 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 22:14:12.67 06d97TizP 66/130


「着替え終わったら言え」

「別に見てもいいんだよ?」

「何言ってんだよ」

「ボクは君の、とんでもない場所を見てしまったんだから」

るっせ。

それとこれとは話が違う。


262 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 22:31:22.29 06d97TizP 67/130


「それとこれとは……」

「それじゃあ、ボクがいけないとおもうんだ」

「あれは、事故だったんだ。これは……」

「君の勘違いで部屋に来たんじゃないか。これも事故さ」

「……」

「さあ」

興味がないんだよ。

……いや、おとこに興味があるってことじゃなく。

魅力的でない、ってことだ。


263 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 22:43:29.83 06d97TizP 68/130


「興味ねぇんだよ」

「……」

素直に言うのも、大事なことだろ。

「そうか」

「……」

「同性愛者だったんだね」

おい、違う。


264 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 22:48:41.78 06d97TizP 69/130


「む? でも、大きな胸が好きだったはず……」

「おいおい……」

「大きい胸の男性……難しい相手だね」

こいつは。

マジで。

どうかしてる。

「はぁ……」

「ためいき」


269 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 23:33:53.70 06d97TizP 70/130


「お前さ」

「なんだい?」

「どうかしてるよ……」

「同化している? なにが?」

「普通そんな考え方しないって」

「考え方? 同化しているのか?」

「おう」


270 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/16(木) 23:59:21.59 06d97TizP 71/130


「むう……難しいことを言うね」

「いいから早く着替えろよ」

「いや、見てもらわないと困る」

「……はぁ……」

「またためいき」

だぁ、近づくな……。

うおっ。

どさり。

「……」

「……」

ベッドに倒れこんだ。


275 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 00:13:22.46 JPAy/lvAP 72/130


「……」

「ふふっ、足がもつれてしまったよ」

「どけよ」

「ああ、もちろん」

……。

「……これは、どういうことかな」

やっぱり、俺は正直者だった。


277 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 00:17:20.42 JPAy/lvAP 73/130


「まあ、そういうことだ」

「……ボクのことを、異性として見ていないんじゃなかったのかな?」

そんなの。

タテマエってやつさ。

「……性的興奮、というものか」

「そういうやつだ」

「制服からここまでテント張りになるんだね、凄い生命力だ」


283 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 01:14:41.18 JPAy/lvAP 74/130


「……人間は、性に素直なんだね」

「そうなんだな」

「……」

ゆっくりと立ち上がり、着替えを再開した。

「……」

「はは、まさかこんな雰囲気になってしまうとはね。困ったものだ」

凄く、寂しそう顔。


284 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 01:20:28.32 JPAy/lvAP 75/130


「……ボクは、気にしてないから」

「何が」

「……」

「何がいいたいんだよ」

「君がボクを、どう思ってるかわからないけど」

「……?」

「ボクは君をそういう目で、見れないんだ」


287 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 01:22:29.02 JPAy/lvAP 76/130


「……」

俺だって、見たくない。

体が反応するだけである。

別に今すぐに襲いたいとか、そんな衝動はまったくといっていいほどない。

それが普通だろう。

「だから、気にしてない」

「俺も気にしてない」

「そうか、それはよかった」

「おう」


289 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 01:25:40.73 JPAy/lvAP 77/130


「で」

「なんだい?」

「寄らせるような用事って?」

「ああ、そうだった」

「気づけよ」

「今日ね」

「おう」

「雨が相当降るらしいから、ボクの家で雨宿りすれば、ってことさ」

「は?」


290 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 01:27:54.21 JPAy/lvAP 78/130


すぐにカーテンを開ける。

ざあああああああ。

「うっおおおおおおお!?」

「ざーざー降りだね」

「お前なぁ!?」

「なんだい?」

「忠告してくれればさっさと帰ってれば、すこし濡れるぐらいで済んだんだぞ!?」

「風邪をひいたらどうする。おでかけができなくなるじゃないか」

「そんなに体よわくねえよ!」


292 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 01:30:32.55 JPAy/lvAP 79/130


「心配なんだ、君のことが」

「倒置法を用いて強調するな!」

「君のこと、心配なんだが」

「疑問文みたいになってるぞ!?」

「あはは、面白い」

「おもしろくねぇ!」

「じゃあ、このざーざー降りの中、帰るのかい?」


293 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 01:32:41.66 JPAy/lvAP 80/130


「それは……」

正直、いやだ。

「ボクは傘も合羽も貸さないから」

「ひでえ」

「それくらい帰って欲しくないんだ」

「わかったよ、わかった。止むまでいるから」

「本当かい?」

やけに嬉しそうだな。


294 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 01:35:55.22 JPAy/lvAP 81/130


「ああ、約束する」

「そうか、それじゃあ君の母親に電話しておくよ」

「いいよ、俺がする」

「いやいや、ボクがするよ」

「だるいっつーの、なんでだよ?」

「今晩、貴方の息子をお預かりします、と」

「なんでだよ!」

「え? この雨、止むのは明日だよ?」

先に言え。


296 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 01:38:16.89 JPAy/lvAP 82/130


「お前、わかってて……」

「約束は守るのが、男の子だよ?」

「……っけ」

「ふふっ、それじゃあ電話してくるね」

「はぁ……」

「ボクがいない間に、ためいきはそれ以上つかないように」

「へいへい」


298 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 01:39:52.94 JPAy/lvAP 83/130


「……はぁ」

おっと。

ついちまった。

まあ、バレないだろうし。

「そういえば、あいつの母さん、今日見てないな……」

いきなりあがって、何も言わずに娘の部屋に入るおとこのことを、どう思うだろうか。

俺だったら。

獣だとしか思わないだろう。


363 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 20:42:13.47 JPAy/lvAP 84/130


まずいな。

よし、とりあえず挨拶しておこう。

階段を下りる。

「ん……?」

今、どうやら電話を終えたらしい。

「待っていられないのかい? ふふっ……」

「おい、お前の母さんは?」

「ああ、母なら今日含めて、土日と帰ってこないよ」


367 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 20:58:48.85 JPAy/lvAP 85/130


「マジか」

「ふふっ、嘘はつかないよ」

「……」

これは非常にまずい。

いや、考えてみろよ。

男女二人が、一つ屋根の下だぞ。


368 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 21:06:31.00 JPAy/lvAP 86/130


「はぁ……」

「ん?」

ためいきをついたから、近づいてきた。

「また、ためいき。いやかい?」

「いやじゃないけど……」

「いやじゃないなら、嬉しいよ」

別に、いやじゃないだけで、良いわけじゃないぞ。


369 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 21:13:24.04 JPAy/lvAP 87/130


「まだ晩御飯という時間でもないね、何をしようか?」

「別に、なんでもいい」

「ナニ、しようか?」

「だからなんでお前は……」

下ネタっつか、なんつーか。

そういうの多いんだ。


370 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 21:19:35.43 JPAy/lvAP 88/130


「ふふ、ちょっと、調子に乗りすぎかな」

そうだな。調子に乗りすぎ。

「ゲームしようぜ、ゲーム」

「むぅ……残念ながら、ボクの家にはゲームというものがないんだ」

「トランプも?」

「アナログなものならあるよ、ほら」

「なんだそれ?」

「ツイスターゲーム」

……いや。

おかしいだろ。


374 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 21:23:33.79 JPAy/lvAP 89/130


「やらないのかい?」

「疲れるだろ、これ」

「そうなのかな? ボクは君とやるために買ったものだから、どうやるのかわからないんだ」

なんで俺限定なんだよ。

「俺だってわからん」

「さっき疲れると言っていたじゃないか」

「そうですけども」

畜生、口が滑った。


377 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 21:29:33.90 JPAy/lvAP 90/130


「ああ、そうだそうだ」

「む?」

「これ、つぶやくんだよ、○○なう、みたいに」

「それじゃあツイッターゲームじゃないか」

くそ、騙されんか。

「これ、回すやつとかいないといけないから、3人いないといけないんだよ」

「ああ、これ、ボタンを押すと自動的にやってくれるものらしいよ」

ハイテクじゃん。

アナログじゃないじゃん。


381 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 21:33:21.94 JPAy/lvAP 91/130


「やらないか?」

「いい男なお誘いだな」

「どういうことだい?」

「気にするな」

仕方ない。

別にホイホイ、やるつもりはないけど。

もう逃げられようもないし。

「じゃあ、やるか」

「そうこなくちゃ。ふふっ……」


385 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 21:39:27.90 JPAy/lvAP 92/130


「どうやるんだい?」

「えっとだな、まず色があるだろ? この色に指示された部位を置くんだ」

「なるほど。左右の手足だね。了解した」

「じゃあやるか」

「うん」

右足 赤

「おう」

「うむ」

左足 緑

「よっと……て、おい!」

「なんだい?」

「いきなりなんでそんなに脚を開く!?」

「どこでもいいんだろ?」

きつそうな体勢だな、おい。


386 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 21:46:42.99 JPAy/lvAP 93/130


その後……。

「お前、いいかげんに……」

「ふふ、なにがだい?」

なんでこんなに絡むんだよ。

おかしいだろ。

「次は……」

黄色 左足

「きっつ!」

「よいしょっと」

「うおっ、そこは俺が……!」

「ふふ、お先」


387 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 21:50:43.38 JPAy/lvAP 94/130


「畜生……あそこしか……」

「おや、そこにいくのかい?」

「くぃっぃ……」

「ふふっ、面白い声だね」

「つ、次ぉぃぃぃ……」

左手 緑

鬼畜だ。

こっからどうやっていけばいいんだ。


388 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 21:54:25.38 JPAy/lvAP 95/130


「くのおおおお……」

「うん、苦悩だね」

黙れ。

元はと言えばお前が変なとこに行かなけりゃ……。

「よいしょ。ボクはできたよ」

「うのぉぉ……」

とすっ。

「あにゃ……」

あいつの股の間に、顔が当たった。


392 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 22:04:56.45 JPAy/lvAP 96/130


「……」

ぐらり、と。

倒れた。

「……むぐ?」

「あ、あまりそんなところに顔をつけるものじゃないよ……」

地の文では、凄い早い反応だった。

しかし、俺自身が気づいたのは今さっきだ。

「! す、すまん」

「……」

ああああ、なんだよその顔。

顔赤くして目を逸らすな。


395 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 22:12:34.32 JPAy/lvAP 97/130


唇を尖らせて。

いつもの。

こいつっぽくない。

なんか……。

「つ、ツイスターゲームはおしまい。ご飯にしよう」

食うにはいい時間だった。

「じゃあ、食うか」


396 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 22:15:47.01 JPAy/lvAP 98/130


「ふふっ、君がお泊りに来た時のために、母から料理を教わっていたんだ」

だから。

なんで俺限定なんだ。

「待っててくれ。腕にのりをつけて頑張るから」

「よりをかけてくれ」

「かけるなんて……」

「もういい、早く作業に入れ」

めんどくせーやつ。


397 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 22:25:35.49 JPAy/lvAP 99/130


「ふぅ……」

「おや、今度はためいきじゃないようだね」

「疲れたから一息だ」

「そうか」

いつもの状態に戻った。

さっきの面影は、まるでない。


399 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 22:30:38.63 JPAy/lvAP 100/130


「やれやれ」

なんか、さっきのは正直。

正直に。

可愛かったな、とか。

思ってたり。

「ふふっ、そろそろできるからね」

「おう」


401 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 22:33:17.28 JPAy/lvAP 101/130


「……」

やべ、腹鳴った。

意外と腹減ってるんだな。

「いやしんぼさんだね」

「おいしんぼだ」

「ふふっ、そうかい」

綺麗にあしらわれた。


412 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 23:27:29.41 JPAy/lvAP 102/130


「おまたせ……あ、いや」

「ん?」

「おまたせって、ちょっといやらしいね」

そんなことどうでもいい。

「そう思わないかい?」

「思わん」

「そうか、残念だ」

なにがだ。


414 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 23:32:23.02 JPAy/lvAP 103/130


「……」

飯。

「さあ、召し上がれ」

「おう、いただきます」

「ふふっ」

ぱくり。

……。

いや、まあ。

美味いよ。美味い。

普通に、美味い。


415 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 23:34:43.75 JPAy/lvAP 104/130


「どうだい?」

「美味い」

「そうか」

「……」

喜んでもいいだろうに。

当たり前みたいに、ドヤ顔か。

可愛くねー。


416 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 23:37:23.17 JPAy/lvAP 105/130


「良かった良かった」

と、俺の心の中を覗いていたかのように、いきなり喜び始めた。

「……とか、言ったら可愛いのかな?」

……こいつ、まさか……。

心を読んでやがるのか?

「さあな」

「ふぅん」

いや、そんなことできるわけがない。


418 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 23:40:18.08 JPAy/lvAP 106/130


「ふぅ」

食った食った。

意外と量が多くて困ってことは言わないでおこう。

「お前、食べないのか?」

「食欲がないんだ」

「大丈夫か?」

「気にしなくてもいい。ボクの用事だから」

「……?」

あやしいな。


419 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 23:42:17.80 JPAy/lvAP 107/130


「まあ、いい。そういえば、俺が食っている間に何してたんだ? 姿が見えなかったが」

「お風呂の用意をしていたんだ」

「なるほどな」

「ふふっ、お風呂にするかい?」

「飯食う前に言うべきだろ」

「そうだね。順序を間違えてしまったよ」


420 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 23:52:17.43 JPAy/lvAP 108/130


と、笑う。

……うーん。

「それじゃあ、本当にどうするんだい? 疲れているとさっき言っていたから、このまま寝てもいいんだよ?」

「いや、別に」

「じゃあ、入るかい?」

「入る」

「そうか」

汗かいてるからな。こんなんで人の家にいることすら、俺は恥ずかしいわけで。


422 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 23:57:11.21 JPAy/lvAP 109/130


「ついてくるなよ」

「わからないだろ?」

「何度来てると思ってるんだ」

「ふふっ、そうはいかないさ」

「はぁ……」

「ほら、ためいきをつく」

ああ、もう。調子狂うぜ。


424 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/17(金) 23:59:29.50 JPAy/lvAP 110/130


「……」

「シャンプーとリンスを間違えないように、わかったね?」

「お前は保護者か」

「ふふっ、そうだよ」

認めるな。

「わかったから、出てけ出てけ」

「うん」


426 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 00:03:24.36 CHq2s6K7P 111/130


「やれやれ」

やっと出たか。

「さて」

入るか。


「ふう……」

気持ちいい。

「湯加減はどうかな?」

話しかけるな。

「んだよもぉ……」


429 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 00:06:32.21 CHq2s6K7P 112/130


「いいですから、もう話しかけてくるなよ」

「そうか。ならいいんだ」

「けっ」

「ふふ、ちょっと厚かましかったかな?」

「物凄くな」

「ははは、酷い言い様だ」

酷くはないはずだ。


433 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 00:16:37.72 CHq2s6K7P 113/130


俺は。

ただ、話しかけられただけで。

体が正直に反応している。

なんでだろうか。

いつもなら、こんなことはない。

なんでだ? なんで、こんなに反応がいいんだ?

「……」

考えるだけ、無駄だ。


436 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 00:23:02.60 CHq2s6K7P 114/130


「あがったぞー」

「おや、ほかほかだね」

「そりゃな」

風呂に入ってヒエヒエってのは聞いたことがない。

「それじゃあ、どうしようか?」

「風呂入らないのか?」

「ボクにも色々とあるんだ」

「ふーん」

いろいろねぇ。


437 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 00:26:15.66 CHq2s6K7P 115/130


「ボクは、もう寝ることにするよ」

「じゃあ、俺も」

「いや、いいんだよ? ボクに合わせなくても」

いやいや。

起きてたところで。

何すればいいんだよ。

「ボクが寝た後に楽しんでもいいんだし」

「するかっ」


441 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 00:38:43.69 CHq2s6K7P 116/130


……まあ。

昨日はあの後も結局、してない。

久しぶりだったのに。

する機会っつーか。

なんか、興がそがれたつーか。

見つかるの怖いっつーか。

「どうしたんだい?」

「なんでもない」

だからと言って、人の家でするのはどう考えても変態だろ。


444 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 00:45:06.06 CHq2s6K7P 117/130


「……おい」

「なんだい?」

「なんの冗談だ」

「冗談?」

「どうなってるだよ」

「こうなってるのさ」

「……お前はベッドで寝ろ」

「じゃあ君もベッドで寝ることになるよ」

なんでだよ。


445 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 00:50:25.49 CHq2s6K7P 118/130


「いや、じゃあ布団で寝ろよ」

「じゃあ君も布団で寝ることになるよ」

「ふざけるな。ベッドがあるのにもったいないだろ」

「だから、君に決めさせているじゃないか」

「だから、なんで二つに一つなんだよ」

「いいからいいから」

おいおい。

こいつ、やっぱりおかしいって。


448 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 00:56:41.30 CHq2s6K7P 119/130


「つまり……」

「うん」

「お前と一緒に寝る以外に選択肢はない、ということか」

「……」

顔赤くして頷くな。

「わかったよ。寝る。寝てやる。」


452 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 01:03:59.49 CHq2s6K7P 120/130


「ふふっ、感謝するよ」

「近づくなよ」

「意味がないじゃないか」

「……はいはい」

なんだよ、こいつ。

意味わかんねえ。

「……こっちを向いてくれよ」

「……」


454 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 01:05:06.29 CHq2s6K7P 121/130


「ん」

「いやかい?」

いやだよ。

なんでお前と一緒に、寝ないといけないんだ。

「……」

すっげえ近いし。


460 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 01:12:32.15 CHq2s6K7P 122/130


「ふふっ……」

「なんだよ」

「ごめんね」

「っ……」

いつもの、口調じゃない。

「ちょっと、わがままが過ぎちゃった。ごめんね」

「お、おい……」

「おやすみ、男」

「……」


464 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 01:15:57.14 CHq2s6K7P 123/130


「おいっ」

ぎゅっと。

こいつの手を握ってみる。

特に意味はないけど。

「……?」

「……えっと」

やべえ。

恥ずかしくて何も言えないぞ。

何か言え、何か……。


465 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 01:19:53.42 CHq2s6K7P 124/130


「暖かいね」

「……!」

「ふふっ、男の手、暖かい」

「……女」

「?」

意味はない。

意味はないんだと信じたい。

俺は、女の唇に、そっと唇を合わせた。


471 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 01:21:51.20 CHq2s6K7P 125/130


「ん……」

「……」

なんでだろうな。

なんで、こんなことしたのか。

わかんねえや。

「……バカ」

「あん?」

「ボクからしようと思ってたのに……」

なんだよそれ。


472 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 01:24:10.81 CHq2s6K7P 126/130


「……男」

「なんだよ」

「ボクのこと、好き?」

「嫌いじゃない」

「微妙な答えだね」

「……嫌いじゃないし、普通ってわけでもない」

「ふふっ、そっか」


477 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 01:28:20.14 CHq2s6K7P 127/130


「ボクは男のこと、大好き」

「そうかい」

「ちゃんと返してよ」

「……嬉しいよ」

「ふふっ……」


481 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 01:31:06.55 CHq2s6K7P 128/130


さて。

それから俺らがどうしたかって?

もちろん。

もちろん、わかるよな?

寝たよ。

寝ちまったよ。

勇気がなくて悪かったな。

女の笑顔見たらもうどうでもよくなっちまったんだよ。

つくづくダメ男だと思ったよ。ええ。


484 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 01:35:04.67 CHq2s6K7P 129/130


日曜。

「おーい」

「やあ」

……どうやら、口調も雰囲気も戻っちまったみたいだ。残念。

でもまぁ、これがこいつなんだし、俺はいいと思ってる。

「結構遅れたね、どうしたんだい? 自慰かい?」

「大声でそういうこと言うな、バカ」

むかつくやつだ。

「ふふっ、それじゃあ、行こうか男」

……名前呼んだから全てノーカンにはならないぞ。

「……やれやれ」

はしゃぐ女を追いかけながら。

俺は、今日、こいつに渡す誕生日プレゼントを、考えていた。

Fin


490 : ◆wQe4Th9pu20V - 2010/09/18(土) 01:36:59.53 CHq2s6K7P 130/130


エロシーンも書けない俺で悪かった。

ボクっ子大好き。
また今度もこんなのあったら、俺かもしれない。

じゃあ。


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