1 : 以下、?... - 2019/11/04 22:47:04.178 v9nIUpOW0 1/13

西片「え、、、(これでもうからかわれなくて済むのでは?)そうなのかい!もうからかわれなくて済むならせいせいしたよ高木さん!」

高木さん「そうだね。私も西片からかえなくなっちゃうの寂しいなぁ、、、」

元スレ
帰り道高木さん「西片、、、私ね、引っ越すことになっちゃった」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1572875224/

2 : 以下、?... - 2019/11/04 22:48:20.336 v9nIUpOW0 2/13

西片「、、、ほ、、、ほんとなの?」

高木さん「うん」

西片「、、、そう、、、なんだ。」

高木さん「、、、。」

西片「いつ、、、なの?」

高木さん「一ヶ月後だよ」

西片「、、、。」

高木さん「、、、、。」


高木さん「じゃあ、お使い頼まれてるから今日はこっちから帰るね。」

西片「まっ、、、」


チャリン、ギコギコ、シューーー

3 : 以下、?... - 2019/11/04 22:50:59.059 v9nIUpOW0 3/13

その後一ヶ月間、これまでのように高木さんが西片をからかうことは殆どなかった。

西片も、高木さんの寂しそうな横顔とどこか元気のない表情に声をかけることができない。

どうすればいいのだろう。どうしたいのだろう。その答えが出ず悶々としたまま日々が過ぎていく。


そして引越し日前日、放課後。ホームルームが終わる。

4 : 以下、?... - 2019/11/04 22:52:26.315 v9nIUpOW0 4/13

ーキーンコーンカーンコーンー


高木さん「西片、じゃあね」

西片「ま、待って、、今日、一緒に帰らない?」

高木さん「うん。いいよ。」


スタスタ

西片「、、、、」

高木さん「、、、、」

西片&高木さん「あのさっ」

西片「あっ、、、」

高木さん「あっ、、、いいよ。西片から」

西片「えっ、いや、高木さんからで」

5 : 以下、?... - 2019/11/04 22:53:27.912 v9nIUpOW0 5/13

高木さん「私はね。ここでの学校生活楽しかったなー。って。

これも、からかい甲斐のある誰かさんのおかげかなって。

今までありがとね。西片。」


久しぶりに間近で見た高木さんの笑顔に西片は顔を赤くする


西片「なっ、、、それは、こちらこそだし、、、」

高木さん「西片は、なんて言おうとしてたの?」

西片「いやぁ、なんでも、、」

高木さん「そっか。」

6 : 以下、?... - 2019/11/04 22:55:20.409 v9nIUpOW0 6/13

スタスタ


高木さん「ね、最後にゲームしない?」

西片「え?いいよ」

高木さん「私ね、西片のこと、、、」

西片「!!」

高木さん「この続き、当てられたら西片の勝ち。期限は明日までだから、明日、港まで送りにきてそこで答え教えてね。」

西片「そんないきなり!」

高木さん「じゃあ、待ってるから!朝の7時ね!」


自転車にまたがって高木さんは自転車を全力で漕ぎ出した


西片「ちょっと高木さんってば!もう、、、」

7 : 以下、?... - 2019/11/04 23:04:51.529 v9nIUpOW0 7/13

家に帰った西片は、「西片のこと、、」なんて、また俺をからかおうとしてあんなこと言ったんだとベッドの中で何度も思おうとして悶々とした。


「高木さん、もう会えなくなっちゃうのかな、、、、」

別れ際の高木さんの笑顔がまぶたの裏に張り付いて離れず、気づくと答えは出ないまま眠りに落ちていた。

11 : 以下、?... - 2019/11/04 23:07:46.636 v9nIUpOW0 8/13

目が覚めると約束の時間の7時を過ぎていた。

バクバクする心臓、西片は全力で家の階段を駆け下りて、自転車に跨って港へと道を漕ぎ出した。空は快晴だった。


西片「ハァハァ、、、」

高木さん「あっ、西片。来ないのかと思ったよ。きてくれたんだ。」

西片「うん。どうしてもその、、、お、お礼が言いたくて」

高木さん「なーんだ。その勢いで私はてっきり『お前が好きだ!行かないでくれ!』って愛の告白でもしてくるのかと思ったよー」

西片「違うよっ!!」

高木さん「ハハハハハ」

12 : 以下、?... - 2019/11/04 23:08:36.205 v9nIUpOW0 9/13

西片「それで、、高木さんっ!!」

高木さん「、、、うん?」

西片「その、、、昨日のゲームの答え、、、だけど」

高木さん「、、、、」

西片「答えは、、、」

高木さん「、、、、」

13 : 以下、?... - 2019/11/04 23:10:52.377 v9nIUpOW0 10/13

高木さん母「  ねー!!もう船でるわよー! 」

西片「あ、、、」

高木さん「、、、」

西片「、、、、」


高木さん「、、、お母さん呼んでるみたい。もう行くね。西片、これ、あげる」

ハンカチ スッ

西片「高木さん、これって」

高木さん「答えられなかったから、ゲームは西片の負け。ハンカチは残念賞だよっ。じゃあね。来てくれてありがとう。これで本当にお別れだね」


西片「、、、高木さん、、、また、ね」

高木さん「うんっ」

高木さん母「西片くん、今日は送ってくれてありがとう。西片くんも元気でね。」

14 : 以下、?... - 2019/11/04 23:11:43.382 v9nIUpOW0 11/13

高木さんは母親と船内に消え、暫くして船が発着場から離れた。

船がしばらく進んで二階デッキに高木さんらしき姿が見えたが、もう誰かを確認できないほど船は離れてしまっていた。

そして空と海の境界部分に吸い込まれるように、船の姿は小さくなっていった。

15 : 以下、?... - 2019/11/04 23:15:57.129 v9nIUpOW0 12/13

高木さんが引っ越した後も二人はしばらく連絡を取りづづけていたが、徐々に共通の話題もなくなってきて、自然とお互いに連絡し合うことは減っていった。

しばらくして冬になると、高木さんは引越し先の県内で有名らしいデートスポットのイルミネーションの写真をSNSにアップするようになった。

その投稿を見て、俺には関係ないさと西片は首を振った。

17 : 以下、?... - 2019/11/04 23:18:20.827 v9nIUpOW0 13/13

そして春が来て、夏が過ぎ、いくつかの年月が過ぎた。

時間が経つにつれ西片にはとって季節は、それをきっかけに高木さんとのやりとりを思い出すだけのものになっていった。


休日になると西片は、船着場に行くことがあった。

港についた船から高木さんが「ただいま!待っててくれたんだ。私がいなくて寂しかった?」などと言いながら出てくるような気がしていたのだ。

しかし、どれだけ船から出てくる人を眺めても高木さんの姿を見ることは二度となかった。


また時折自宅の机にしまってある、高木さんにもらったハンカチを取り出しては、それをぼーっと眺めるようになった。

それはすみっこの方に小さくTakagiと刺繍されただけの、真っ白なハンカチだった。


おしまい

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