JK「……」スタスタ
男(お、あの子可愛いな)
男(よし、目立たないようにスマホを向けて……)スッ…
男(撮影!)パシャッ
男(よしよし、上手く撮れた)
男(変態チックな行為だけど、あの子に直接危害加えるわけじゃないし、別にいいだろ)
元スレ
JK「お兄さん、さっきアタシのこと盗撮してたっしょw」男「!?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1572366435/
男「……」スタスタ
JK「おにーさんっ!」
男「!」
男「なんだよ、俺は君なんか知らないぞ」
JK「お兄さん、さっきアタシのこと盗撮してたっしょ」
男「!?」
男「な、なんのことだか……」
JK「あれー? とぼけるんだ」
男「いや、だからなんの話だって……」
JK「スマホ見ちゃお」サッ
男「あっ!」
JK「やっぱりロックもなにもかかってない。えーと写真のフォルダは……」
男「おい、やめろ!」
JK「やーめーなーいー」
JK「ほらー、これアタシだよね?」
男「……!」
JK「お粗末な盗撮だったねえ。バレバレだったよ」
男(終わった……)
男「何が望みだ……金か? それとも警察に行けってことか?」
JK「いやー、別に。ただアタシの方が上だってことをドヤりたかったんだよね」
男「? どういう意味……」
JK「これ、アタシが撮った写真」
男「!」
男(これは……!)
男(道を歩いてる俺!)
男(犬のフンを踏んじゃった俺!)
男(ビデオ屋でAV借りてる俺!)
JK「深淵を覗く者はなんとやらってやつ?」クスクス
JK「ま、これぐらいできてないと盗撮とはいえないよねえ」フフンッ
男「……!」
JK「じゃーねー!」
男(負けた……)
男(だが、これで終わってたまるかよ!)
JK「たっだいま~」
男「……」
男(尾行したら……ようやくあの子の家を突き止めることができた)
男(盗撮……開始!)
JK「~♪」
男「よう、待ってたぜ」
JK「あっ、お兄さん!」
男「君にぜひ見せたいもんがあってな……」
JK「なによ?」
男「これだ」
JK「!」
JK(テレビ見てるアタシ!)
JK(風呂入ってるアタシ!)
JK(爆睡してるアタシ!)
男「どうだ? 俺もやるもんだろ?」
JK「うぐぐ……いつの間に」
男「じゃあな、もちろんこれは全部消しといてやるから安心しな」
男(あー、スカッとした!)
JK(このままで終われるもんか! 絶対に!)
JK「ヤッホー、お兄さん」
男「なんだ?」
JK「アタシ、お兄さんのこと盗撮しちゃった」
男「盗撮? 俺はこの一週間、周囲に気を配ってた。できるわけがない」
男「道歩いてる姿がせいぜいってとこだろ」
JK「じゃー、見してあげる」
男「こ、これは……!」
男(用を足してる俺の写真じゃねえか……!)
男「しかも明らかに便器の中からのアングルのもあるぞ! どうなってんだ!」
JK「いやー、中に入るの苦労したよ」
男「そこまでするか……!?」
JK「アタシって負けず嫌いなんだよねー。ま、これでアタシの勝ちなわけだけど」
男「ぐっ!」
JK「じゃね、お兄さん!」
男「ちくしょう……ちくしょおおおおおお……!!!」
ピンポーン
男「はじめまして」
母「あら、なんのご用でしょう?」
男「娘さんを盗撮したいので、いいポジションを教えてくれませんか」
母「あらま、ご苦労さまです。さ、家の中にどうぞ」
男「いいんですか?」
母「あの子にはたまにはお灸をすえてやらなくちゃ」
男「どんぶり飯を三杯おかわりする瞬間を撮ってやったぞ。よく食うなー」
JK「キャーッ!」
JK「これ家に入らなきゃ撮れないでしょ……どうやって家の中に!?」
男「君のお母さんに許可を頂いてな。キッチンに潜んでたのさ」
JK「……」
男「その目……まだ諦めてないって目だな」
JK「当然でしょ。アタシは負けず嫌いなんだから!」
男「よーし、どっちがよりお互いの決定的瞬間を撮れるか勝負だ!」
JK「絶対いいの撮ってやる!」
パシャッ
パシャッ
パシャッ
パシャッ
男「やるな……」
JK「そっちこそ……やるじゃん」
男「ただ、お互い盗撮されることをある程度覚悟するようになったから、緊張感なくなっちゃったな」
JK「うん、アタシなんかこないだポーズ取っちゃったし」
男「もっとこう……刺激が欲しいんだよなぁ」
JK「あーっ!」
男「どうした?」
JK「お兄さん、あそこ……」
社長「これをお納め下さい」パカッ
政治家「約束通り、今度のイベントでは御社の製品を採用しましょう」
男「うおお、大金を渡してやがる。どっちもテレビで見たことある顔だ」
JK「これ絶対ワイロだよ! スキャンダルだよ!」
男「よし、撮っちまおう!」
JK「うん!」
パシャッ パシャ パシャッ
JK「例の件、やっぱり大スキャンダルだったね」
男「ああ、俺達が撮らなきゃ、あの汚職が暴かれることはなかった」
JK「アタシ、結構ドキドキしちゃった」
男「俺もだよ。はじめて君を盗撮した時ぐらいのドキドキだった」
JK「お兄さん、もしかしたらこれがアタシたちの天職なんじゃない?」
男「かもしれないな」
男とJKはこの世の真実を暴き続け――
男「あの人気俳優が家じゃとんだDV野郎だったとはな」
JK「有名監督のパワハラの瞬間、いっただきぃ!」
男「俺たちから逃げられる真実は存在しない!」
時には――
JK「あの子の両親が、犯罪者だったなんて……!」
男「このことは俺達の胸の中に収めておこう。時には明らかにしない方がいい真実もあるんだ」
JK「そうだね……」
やがて――
ヒュルルルルルル…
外国人カメラマン「あれはロケット弾!?」
チュドォォォォォォォン!!!
外国人カメラマン「ぐわああああああっ……!」
モクモク…
外国人カメラマン「……あれ、ワタシ……まだ生きてる?」
男「大丈夫か?」
JK「あなたのカメラも確保してあるよ」
外国人カメラマン「サ、サンクス……」
男「写真を撮って生きて帰るまでがカメラマンの使命だ。気をつけろよ」
外国人カメラマン「ソ、ソーリー……」
男「さ、行くぞっ! 俺たち二人で戦場の真実を写すんだ!」
JK「うんっ!」
外国人カメラマン「Oh……なんというミラクル。銃弾の嵐をくぐり抜けてゆく……」
外国人カメラマン「あれが今話題の世界各地の真実を暴くサムライマンとサムライガール、か……」
おわり