1 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 20:31:01.00 Te/XIQwh0 1/38


狐娘「雪……か」

狐娘「いつ見てもこの景色は飽きないのぅ」

狐娘「……そろそろ、来るころかの」

「きゅーん?」ピコピコ

狐娘「……うむ、噂をすればなんとやらとな。来たみたいだ」ピョコン

狐娘「お主らはもう帰っておれ。儂が相手をするでな」

「きゅーん」パタタタ

狐娘「あ、これ! 待たんか!」



2 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 20:33:01.37 Te/XIQwh0 2/38


「うー、寒ぃ……。やっぱり一人で初詣なんてするんじゃなかったなぁ」

「元旦の寂しさを紛らわそうと思ったけど、これじゃもっと虚しいだけだぁ……」

「人っ子一人もいないや。まぁ、最近じゃここら辺は人は少ないし、仕方ないっちゃあ仕方ないなぁ。昔は賑わってたんだけどなぁ」

狐娘「これ、待ちんさい!」パタパタ

「きゅーん」

「うわっ、狐!? ビックリしたぁ……。君、この狐って」

狐娘「すまぬ、儂のだ」

「えと……触っても大丈夫なの?」

狐娘「うむ」

(……この子、狐の耳とか尻尾とか着けてるけど、突っ込むべきだろうか?)


4 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 20:35:01.46 Te/XIQwh0 3/38


「あの、君さ」

狐娘「なんだね?」

「その耳とか尻尾って、何?」

狐娘「何って……あ゙」ピョコフワッ

狐娘「嗚呼、これはもっと後に打ち明かそうと思ったのだが、無駄の様だな。致し方ない」

「?」


狐娘「この事については、後で話してやろう。どうせお主に言うつもりだったのだ。少し上がっていきなさい」

「え、でも神主さんとかは?」

狐娘「よいのだ。暖かいお茶でも馳走してやろう。ついて来なさい」クイッ

「あっ、ちょっと……」

(浴衣に蛇の目傘、喋り方とか、なんだか古めかしい女の子だなぁ。それに僕に言うつもりだったって、一体?)


6 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 20:37:01.73 Te/XIQwh0 4/38


(なんだか流れ流れで入っちゃったけど、大丈夫なんだろうか……)

狐娘「炬燵が温まっておる。入るとよい」

「あ、うん」

狐娘「ほれ、お茶だ。冷めない内に飲みなさい」コトリ

「え、あ……ありがとうございます」

狐娘「畏まらんでもよい」

「うん……」

狐娘「……」

「……」ズズズ


8 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 20:39:09.70 Te/XIQwh0 5/38


狐娘「儂はな」

「え、あ、うん」

狐娘「単刀直入に言うと、狐の妖怪なのだよ」

「……ちょっとよくわかんないです」


9 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 20:41:15.66 Te/XIQwh0 6/38


狐娘「それもそうだろう。いきなりこんな事を告げられてもな」

「えと、ごめんなさい」

狐娘「仕方あるまいよ。お主ら人間にとって、それは信じられん事なのだろうしの」

「……本当に? 騙してるとかじゃなくて?」

狐娘「化かすのは狐の本懐だが、今回はそうもいかんのだ。本当の事だからな」


10 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 20:43:24.12 Te/XIQwh0 7/38


「でも、何で僕に?」

狐娘「……覚えてないのなら、それは知らんでもよい」

「それは、えっと……?」

狐娘「強いて言うなら、話し相手が欲しかったと言ったところかのう」

「話し相手?」

狐娘「うむ。儂は、姿形こそ人間の童女だが、これでもお主より遥かな長さの年月を過ごしてきたのだ。その間、ずぅっと独りだったからの」


11 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 20:45:24.33 Te/XIQwh0 8/38


「こんな僕でよければ、君の話し相手になってあげるよ」

狐娘「本当か?」

「うん」

―――

「色々ご馳走になったよ。ありがとうね。また来るよ」

狐娘「うむ、楽しみにしておるよ」

「新年早々新しい友達が出来るなんて幸先が良いよ」

狐娘「……ッ」

「じゃあ、またね」

狐娘「あぁ、またの」


13 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 20:47:24.66 Te/XIQwh0 9/38


狐娘「“新しい”友達、か……」

「きゅーん?」

狐娘「分かっていたはともさ」

狐娘「だが、忘れられるという事が、こんなにも切ないものだとはな……」



「新年が始まっていきなり妙なことになったなぁ。耳とか本物っぽかったし、本当に狐の妖怪だったんだろうか」

「夢、じゃないよね……?」ツネリ

「……いふぁい」


25 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 21:12:19.84 Te/XIQwh0 10/38


「やぁ、また来たよ」

狐娘「よく来てくれたな。茶は用意してある。掛けなさい」

「うん。あ、これお土産」

狐娘「おや、有り難いの」

「最近流行ってるエクレアってお菓子。知ってる?」

狐娘「知ってはいたが、食うたのは初めてだ。うむ、美味しい」モフモフ

「お口に合って良かったよ。面白い話も持って来たんだけど、聞く?」

狐娘「もちろんだ。聞かせてもらおう」


26 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 21:14:41.15 Te/XIQwh0 11/38


「……それで、結局ダメだったんだよ」

狐娘「くつくつくつ、それは酷く滑稽だのう。久々に笑うたわ」

狐娘「おや、もうこの様な時間か。今日は早めに帰ったほうが良いぞ。ここらは暗くなると、人であれば目があまり効かんようになって危うい。どれ、途中まで送ってやろう」

「あ、それじゃお願いしようかな」

狐娘「任されよ」


27 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 21:21:16.13 Te/XIQwh0 12/38


狐娘「ここらで良かったかの」

「うん、もう大丈夫だよ。ありがとう、今日は楽しかったよ」

狐娘「こちらこそ、馳走になった。土産話も大変興味深かった。またお願いする」

「うん。じゃあ、また明日」

狐娘「うむ、また明日の」

「……そういえば」

狐娘「どうかしたかの?」

「やっぱり、過去に君と会っていたような気がするんだ。君といると、なんだか懐かしい感じがする」

狐娘「……お主がそう思うなら、そうなのであろう。であればよぅく思い出してみるのも良かろう」

「……うん。それじゃあ改めて、また明日」

狐娘「また明日の」


28 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 21:27:24.92 Te/XIQwh0 13/38


 それからほぼ毎日、僕は彼女の住まう神社に足を運んだ。お菓子と土産話を持って、彼女に会いに行った。彼女と一緒の時間は楽しかった。聞き上手だったし合間に挟んでくれる彼女の話も面白かった。時折動く耳や尻尾も、彼女の容姿もあってか、とても愛らしい

 ただ、やっぱり懐かしい感じがする。昔に会った気がするけど、そんな記憶はなかった。デジャヴかもしれないけど、やっぱり気になる。彼女にそれを聞いても、思わせぶりな言葉を言っては煙に巻いてしまう。でも気にしてても仕様がない。

 明日はなにを持っていこうか。

31 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 21:41:47.20 Te/XIQwh0 14/38


「今日は」

狐娘「よう来てくれた。今日は」

「あの、いきなりだけど聞きたいことがあるんだ」

狐娘「ほう、儂にか。言ってみるが良い」

「単刀直入に聞くよ。……僕と君に、以前どんなことがあったんだい?」

狐娘「……」

「いつもはいいようにはぐらかされてたけど、今回はちゃんと、君から聞きたいんだ」

狐娘「……」ポロリ

「え、なんで泣いて……?」

狐娘「……少し、独りにさせてくれ。明日には、話して……やろう」グズッ

「……うん」


32 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 21:45:15.64 Te/XIQwh0 15/38


狐娘「辛い、のう……。このまま、我が心の臓が張り裂けてしまいそうだ。……涙など、一度も流したことは無いというのに。流すことは一生無いと思っておったのにな……」

「きゅーん」パタパタ

狐娘「……慰めか。ますます惨めだな、儂は。いや、仕様のなかった事だったのであろう……」

狐娘「……」グズッ


「……どうして、こうなったんだろう」

「昔、僕になにがあったのだろう……」

「もしかすると、事故のせいだったのかも」

「あの時、いくつか記憶を失った、そのなかに彼女のことがあったのなら……僕は……」


35 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 21:54:27.79 Te/XIQwh0 16/38


翌日

「……来たよ」

狐娘「昨日は取り乱してしまって申し訳なかったの。妙なことにしてしまって」

「それについては、いずれ僕も話しておかなければならなかったから。そして、君に謝らなければならない。だけど、その前に君と僕の間に何があったのか、教えてくれないかい?」

狐娘「うむ、話そう」

狐娘「……ほんの昔の話だ」


42 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 22:11:25.00 Te/XIQwh0 17/38


狐娘「私が妖怪として生まれ二百余年。それからこの神社に住み着いて半世紀が経った頃であったか、幼少のお主と出逢うた」

狐娘「当時のお主は無邪気でのう、共に遊ばされてひどく疲れたのを良く覚えておる。だが童心に帰れて、初めて心の底から楽しいと思えた」

狐娘「日が暮れかかるまで遊んで、お主と別れなければならなくなった時、心底名残惜しかった。儂は思わず『もっと一緒に遊びたい』なんぞと言ってしもうたのだ。柄にもなくな」

狐娘「そしてお主はこう言ったのだ。『なら、君をお嫁さんにしてあげる。そうすればずっと一緒にあそべるでしょ』。それを聞いて、儂はつま先から耳の先まで熱くなってしもうた」

狐娘「本当に嬉しかったのだ。こんな儂を娶ってくれるなどと、そう言ったお主に惚れてしまったのだよ。だが次の日からお主は来んようになった。ずっとずぅっと待っておった。
春を幾度となく越し、夏の暑さを幾度となく耐え、秋の紅葉にお主を重ね、雪の降る冬もじっと耐えた」

狐娘「そしてようやく、お主は来てくれたのだ。だが、お主は儂のことなど忘れ去っていた。とてつもなく、悲しいと感じた。このまま死んでしまおうかと思った程だ」


46 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 22:20:24.15 Te/XIQwh0 18/38


狐娘「だが、お主はまた“友達”になってくれたのだ。毎日お主が来るのを心待ちにしておった。お主の話はとてもとても楽しかった。見たことのない様な風景が、お主の語りによって儂の脳裏を星のように瞬いた」

狐娘「だが、いくら同じ時間を共に過ごしても、お主はちっとも昔のことを思い出しはせんかった。そして、昨日ついに感極まってな、はしたない所を見せてしもうた」

狐娘「これが、事のあらましなのだ」


47 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 22:23:06.47 Te/XIQwh0 19/38


「……そうだったのか。本当に、ごめん」

狐娘「所詮子供の交わした約束、忘れるのも、無理はないさ」

「今度は、僕の番だね」

「多分だけど、君と別れた後、僕は交通事故にあったんだ」


55 : >>51だからそれは狼だと何度言えば - 2011/10/19(水) 22:35:21.67 Te/XIQwh0 20/38


「猛スピードの車に引かれて、凄い大怪我をしたんだ。その時に頭を強く打ってしまってね、記憶が殆ど飛んでしまったんだ」

「目が覚めて、何があったか思い出そうとしたら、頭の中が真っ白になってしまっていて、訳が分からなくなっていたんだ。でも、一時的な記憶喪失だったらしくて、段々元の記憶が蘇ってきたんだ」

「家族の協力もあって、僕は大体の記憶を取り戻すことが出来たんだ。でも、一つだけ思い出せなかった事があったんだ」

「だけど、その空っぽの記憶は日に日に気にならなくなってきてしまった。そして忘れてしまった」

「ある日、ふと初詣に出かけたくなったんだ。そして出先で君と出逢った。自分のことを妖怪と言い張って妙だとは思ったけど、不思議とそんな気がしてきたんだ」

「君との日々はとても楽しかったよ。でもたまに、懐かしさを感じるようになってきたんだ。その懐かしさが、まるで潮が引いてくるかのように広がっていった」


57 : >>54わざと言ってるのではなかろうな? - 2011/10/19(水) 22:38:12.48 Te/XIQwh0 21/38


「今回の一件で、まるでパズルの最後のピースがはめられていくように、記憶がまた舞い戻ってきた」

「失った最後の記憶、それが君の事だったんだ」

「これが、事の答え」


59 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 22:46:21.70 Te/XIQwh0 22/38


狐娘「なんだ、そんな事であったか。散々待たせておいて、これでは本当に……儂が惨めでは、ないか……」ポロポロ

「こんなことも、あるものなんだね」

狐娘「……」ポロポロ

「あの日の約束、今日果たすよ」

「僕のお嫁さんになって、ずっと一緒にお話をしよう?」

狐娘「……くつくつ、いまさら過ぎやないかの?」

「だって、仕方がないよ」

狐娘「そうか。……一生大事にせんと、お主を化かしてやるからの? 覚悟しておけい」

「うん」

狐娘「もう忘れるでないぞ、この約束」

「忘れるものか。死にそうになったって君を大事にするよ」

狐娘「……くつくつ」ニコリ


60 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 22:53:41.60 Te/XIQwh0 23/38


幾日か経ち

狐娘「……かぷり」

「なんで噛み付くのさ」ナデリナデリ

狐娘「儂のことを忘れておった罰だ。もう忘れないように、儂の匂いをお主に擦り付けてやる」スリスリ

「もうその事は散々謝ったじゃないか」ナデリ

狐娘「ふん、お主から受けた心の傷はその程度では癒えやせん。だからその分お主に甘えてやる」

「じゃあその分僕も甘えさせてもらおうかな」

狐娘「……愚か者め」

狐娘「ほれ、手が止まっておるぞ。もって撫でるのだ」

「はいはい」ナデリナデリ

~fin~





68 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 22:57:53.84 Te/XIQwh0 25/38


>>62
狐娘SSははじめてかいたんだぜ^q^

あと2~3個ほど余談をかこうとおもう^q^
+2
+3
+4

80 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 23:15:12.44 oJ7Pjlgg0 26/38


諸事情によりPCのりかえ^q^
安価でみじかめのかくけど後悔すんなよ^q^
>>85
>>86
>>87


85 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 23:19:31.12 7HUo96gA0 27/38


ほのぼの


87 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 23:19:34.32 /pe3dTXe0 28/38


新婚編


88 : 以下、名... - 2011/10/19(水) 23:19:55.99 75cJXzYX0 29/38


街に行こうか


91 : ほのぼの - 2011/10/19(水) 23:29:42.76 oJ7Pjlgg0 30/38


狐娘「炬燵はやはり良いな。気持ちが良い。今すぐにでも微睡んでしまいそうだ」

「炬燵に入りながら寝ちゃ駄目だよ」ナデリナデリ

狐娘「……とは言うものの、お主の撫で方も心地よすぎるのだ」

「じゃあやめようか」

狐娘「それはならんぞ。決してな」

「はいはい」ナデリナデリ

狐娘「……Zzz」

99 : 街に行く - 2011/10/19(水) 23:52:04.22 oJ7Pjlgg0 31/38


狐娘「……街へ行く、とな?」

「うん、どうかな」

狐娘「別に構わんが、儂の身なりでは少々浮きやせんか?」

「そんなこともあろうかと今時の女の子の洋服を用意しておいたよ」

狐娘「むむ、こんなはいからな物を着るのか……」

「着替えにくかったら呼んでね。手伝ってあげるから」

狐娘「……うむむ」

狐娘(……しかしあ奴は何処からこんな物を……)


104 : 街に行く - 2011/10/19(水) 23:59:16.58 oJ7Pjlgg0 32/38


狐娘「なんとか着替え終わったぞ」

「うん、中々似合ってるよ。尻尾はアクセとしてごまかせるから、後は耳だね。その帽子を目深に被ってね」

狐娘「ちと大き過ぎやせんかの?」

「耳を隠せるのがそれしかなかったからひとまず我慢して」

狐娘「うむ、この程度なら大丈夫であろう」

「じゃあ、行こうか」

狐娘「うむ」


107 : 街に行く - 2011/10/20(木) 00:06:57.79 D2W7wXAz0 33/38


狐娘「……圧巻だの」

「こんなに人を見るのは初めて?」

狐娘「うむ。きらびやかで活気に満ち溢れておる。良い国にたったものだな」

「もったいないお言葉です」

狐娘「苦しゅうないぞ」

狐娘「……む、よい香りがする。あれは何ぞや?」

「あぁ、あれは……」

>>110


110 : 以下、名... - 2011/10/20(木) 00:08:43.28 DBjQIOtX0 34/38


みたらし団子


114 : 以下、名... - 2011/10/20(木) 00:15:05.23 D2W7wXAz0 35/38


狐娘「なんだみたらし団子ではないか。久しく食ってないせいか、匂いすら忘れてしもうた」

「食べてみる?」

狐娘「良いのか?」

「今日は僕の奢りだよ。好きなだけ食べていいよ」

狐娘「では遠慮なく頂こうかの」


狐娘「大変美味であった。礼を言う」

「どういたしまして。じゃあ次はあっちに行ってみようか」

狐娘「うむ!」


116 : 以下、名... - 2011/10/20(木) 00:18:34.05 BHRKi5ev0 36/38


――――――

狐娘「今日は楽しかったぞ。有難う、良い思い出となった」

「僕も良い思い出になったよ」

狐娘「……もう、忘れまいな?」

「もちろん、これからもずっとね」

狐娘「……くつくつ」ニコリ


117 : 新婚編 - 2011/10/20(木) 00:22:58.49 BHRKi5ev0 37/38


これでおしまいにする^q^


119 : 新婚編 - 2011/10/20(木) 00:28:31.09 BHRKi5ev0 38/38


狐娘「最後は、番の契りぞ。準備は良いな?」

「う、うん」

狐娘「儂も今宵ばかりは獣に戻らざるを得ん。さぁ、いつでも来るがよい……」

「じゃあ、いくよ……」

狐娘「優しく、頼むぞ……」

――――――

狐娘「まったく、これではお主の方が獣ではないか。まだ腰が痛ぅてかなわん」

「ご、ごめん」

狐娘「だが、しっかり儂の中で受け止めたからの。もう誰にもこの絆、断ち切れはせぬぞ」

「……僕は君より先に死んじゃうかもしれないけど、本当に大丈夫?」

狐娘「今更なにを言うか、しっかり中に出しておいて。なに、その分儂を愛してくれれば、それで構わん」

「うん、頑張るよ」

狐娘「よろしく頼むぞ。……愛しておるぞ、旦那様」

~fin~


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