隣でじっとりっちゃんを見つめる。やっぱり何だかおかしい。
顔が赤いし息は荒いし、時折切なそうな顔で体をもぞもぞさせてる。
いつもの元気で明るいりっちゃんとは違って、何というか、すごく……変な気持ちになっちゃいます。
唯「ねぇりっちゃん、どうしたの?顔真っ赤だし……お熱あるのかな?どれどれ……」ピトッ
律「ひゃっ、ひゃああああっ!ゆ、唯っ!何でもないからやめろってぇ!」ビクンビクン
唯「ごっごめんりっちゃん!嫌だった!?ごめんなさい!」アタフタ
熱を計ろうと思っておでこをくっつけたら、りっちゃんがもの凄い勢いで引いちゃいました。
いつもならもっと引っ付いたり抱きついたりしてるのに……
元スレ
唯「放課後の教室で媚薬飲んだ律ちゃんと二人きり」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1287288242/
一体どうしたんだろう。一緒に部室に来るときはいつものりっちゃんだったのに。
部室についてから何かあったかな?二人でいつもみたいに騒いで、
やっぱり皆がいないとつまんないねって言って……
えっと、それから戸棚を漁って、ムギちゃんが持ってきたクッキーとか
私が置きっぱなしにしてたポッキーとかを食べて……
あっ!!そういえばりっちゃんが戸棚の奥から見つけた変な瓶に入った液体、あれかな?
…
……
………
律「おっ、何か見つけた!可愛い瓶だなぁ」
唯「何それー?ムギちゃんのかな」
律「だろうな。どれどれ……おおっ!何だかすごく甘くていい匂い!これ紅茶に入れて飲んでみようぜ―!」
唯「ええ―!?やめときなよー!よくわかんないし、高いものかも……」
律「ちょっとなら大丈夫だって!唯が飲まなくてもあたしは飲む!」
唯「もー!りっちゃんのいやしんぼさん!!」
………
……
…
結局、りっちゃんはあの液体を紅茶に入れて飲んでた。
実際すごくいい匂いだったし、りっちゃんもおいしそうに飲んでたけど……
思えばあの二人っきりのティータイムの後からだった気がする。
りっちゃんの様子がおかしくなったのは。
そんなことを考えてるうちにも、りっちゃんは私の隣で苦しそうにしてる。
さっきよりも更に顔を真っ赤にして、足をもぞもぞさせてはハッと気づいたようにやめる。その繰り返し。
唯「ねぇりっちゃん!本当に大丈夫!?保健室行こうよ!」
律「大丈夫だって!///てかお前帰るんじゃなかったのかよ!///」モジモジ
唯「二人しかいないのに……何でそんなに私のこと邪険にするの……?」
律「何でもないよ!あたしまだ残ってるから先帰っていいよ!///」モゾモゾ
唯「しんどそうなりっちゃん置いて帰れないよ!ほらっ、一緒に帰るか保健室行くかどっちかだよ!」グイッ
律「んあぁっ!!///ゆっ唯っ引っ張っちゃダメだってぇっ!!///」ビクビクッ!!
唯「!!ごっごめんっ!!」アワアワ
私が立たせようとして腕を引っ張ると、りっちゃんは体を痙攣させてへたりこんじゃった。
どうしよう……そんなに強く引っ張っちゃったかな……?そんなに辛いのかな……?
でも、床にへたりこんで肩で荒い息をするりっちゃんを見てると……
何だか私も体が熱くなって……胸の奥というか、お腹の下あたりというか……
よくわからないけど、体の奥の方がすごくジンジンする。
私も顔が赤くなってきてるのがわかる。
さすがに今やトマトみたいに真っ赤な顔のりっちゃんほどじゃないと思うけど……
律「ハァ……ハァ……んんっ!///……ハァ……ハァ……」ビクビク
唯「ごめんねりっちゃん!そんなに体調悪いとは思わなくて……」オロオロ
律「いや……だいじょぶ……ちょっと休めば……大丈夫だから……」
唯「ねぇりっちゃん、歩けないなら先生か誰か呼んでこようか!?」
律「い、いや!それはやめて!本当に大丈夫だから!そっとしといてくれぇ!///」
唯「う、うん……でもりっちゃん、とりあえずソファーいこ?床に座ってたら冷えちゃうよ?」
律「えっ……う、うん……わかった……んんっ!///……た、立てないよぉ……///」プルプル
りっちゃんは何とか立とうとしたけど、足に力が入らないみたいですぐにまたへたりこんじゃった。
唯「ほらりっちゃん、肩貸すから……そーっとね……」
律「ひゃっ///……うう……ありがとぉ……」ガクガク
りっちゃんの腕を私の肩に回す。またビクッてしたけど、
そーっとしたからさっきよりはマシかな?
唯「ゆーっくり、ゆーっくり……はいりっちゃん、ついたよー」
律「んっ!///サ、サンキュー唯……ふぅ、ふぅ……はぁ……」
ソファーに座って息を落ち着けるりっちゃん。
ちょっとはマシになったみたいだけど……それでもまだ辛いみたい。
体を動かす度にビクッってなって、足をモジモジさせてる。本当にどうしちゃったんだろ……
私はりっちゃんが紅茶に入れた不思議な液体が入った瓶を手に取ってみた。
前にテレビで見た昔の香水瓶みたいに凝ったデザインで、
中の液体はトロッとしていて薄いピンク色。
瓶の蓋はちゃんとしまってるけど、それでもお花みたいな、桃みたいな甘い香りが微かにする。
何だかその匂いを嗅いでると……さっきのりっちゃんを見た時みたいな変な気持ちになってくる。
これはどういう気持ちなんだろう……今まで経験したことのないような……
……ううん。本当は分かってる。これは……
唯「えっちな……気持ち?」
律「!!」ビクッ!
唯「いっいやっりっちゃん!何でもない!何でもないからね!?」アセアセ
律「あ、ああ……わかった……あはは……」
思わず声に出ちゃった。りっちゃんがすごくビックリしてたみたいだけど……聞かれちゃったかな?
でもこの気持ちは確かに、エ、エッチな気持ち……だと思う。
憂と一緒に映画やドラマを見てて、キスシーンになった時とか。
夜中にベッドの中で、つい手がお股にのびちゃった時とか。
あの恥ずかしいような、切ないような……そんな気持ち。
恋なんてしたことないけど、あんな感じなのかな?それとも全然違うのかな……
気持ちを落ち着けるように、もう一度瓶を見てみる。
よく見ると、瓶の真ん中には、弓を持った天使に囲まれるようにして、小さな文字で何か書いてある。
筆記体かな?何だか踊ってるみたいな字で、読みにくいけど……
唯「ぴー、えいち、あい……ぴ、ぴるたー?ふぃるたー?」
読めた……ような気がするけど、意味はわかんない。
ふぃるたーって、トンちゃんの水槽に乗ってるブクブクのことかな?
あずにゃんがそんなことを言ってた気がする。
でもそれが何の関係があるのかな?よくわかんないけど……
どうもただのクリームや蜂蜜やジャムみたいな、
普段紅茶に入れてるものとは違うみたい。
私はその瓶を元々あった戸棚の奥に戻した。
考えてもわかんないなら、もっと考えても仕方ないよね。
私はりっちゃんの座ってるソファーに戻ろうとした。
何をしてあげたらいいかわかんないけど、とりあえず一緒にいてあげよう。
病気の人は、誰かが一緒にいて、手を握ってあげたり、
背中をさすってあげるだけで楽になるんだよって隣のおばあちゃんが言ってたし。
だから「手当」って言葉は、病気の人に手を当てるって意味から来てるんだよ。
私ってかしこい!フンス!
そんなことを考えながら振り向くと、ふとりっちゃんがへたりこんだ床の辺りで何かが光った。
唯「なんだろうこれ……あれ?りっちゃんの椅子の下……何か濡れてる?」
律「!!!」ビクビクーン!
唯「なんだろこれ……なんかトロッとして……」
律「ゆっゆゆゆゆ唯!!それはさっき私が垂らしたヨダレだ!!汚いから触んな!!」アセアセ
唯「え~っそうなの~!?りっちゃんバッチぃ~」ケラケラ
私は笑いながらそれを制服の裾で拭いた。
ばっちぃなんて言ったけど、私もりっちゃんの顔に
鼻水ひっかけちゃったことあるし、ヨダレくらい別に……
でもりっちゃんはそうは思わなかったみたい。
今までにないくらい、人間の顔色なの?ってくらい顔を真っ赤にしてる。
律「ゆゆゆ唯!///そんなとこで拭くなぁ!ちゃんと洗えぇ!///」アタフタ
唯「え~そんなに慌てる~?ヨダレくらい別にいいよぉ~」
私はそう言いながら、なんとなく指を顔に持っていった。
匂いフェチ?ってのかはわかんないけど、ついつい指先の匂いを嗅ぐ。
唯「りっちゃんのヨダレ~……くんくん。あれ?ヨダレにしては匂いがしないというか……」
律「ぎゃあぁああぁぁぁ!!やっやめろ唯!!マジでやめろぉ!!」
りっちゃんはそう叫んで立ち上がると、私に向かって走ってきた。
あれっ?りっちゃん、さっきまで一人で立てなかったのに、もう大丈夫なのかな?
そんなことを考えてると、案の定……
律「んあっ!///ひゃうううっ!///」ビクッ!!
りっちゃんは私に向かって一歩踏み出した時点で大きく痙攣してバランスを崩した。
唯「りっちゃん危ないっ!!」ダッ!
私はとっさにりっちゃんに近づいて大きく手を広げる。
幸い距離があんまり離れてなかったからか間に合ったみたいで、
倒れこむりっちゃんをギュッと抱きしめる。
唯「りっちゃんだいじょ……」
律「んひゃぁぁあぁっっ!!!らめぇぇギュッてしないれぇぇえぇぇえぇっっ!!!」ビクッビクビクッ!!!
唯「うわっりっちゃ……」
私が抱きしめた瞬間、りっちゃんの体が大きくはねた。
言葉とは真逆に、私の体をものすごい力で抱きしめ返してくる。
唯「い、痛っ……りっちゃんどうしたの!?大丈夫!?」
律「ら、らいじょう……ぶりゃ……にゃいよぉお……」ビクッビクッ
りっちゃんの体はなおもはね続ける。呂律もちゃんと回ってない。
唯「あわわわわ……どっどうしよ……私なにしちゃったの!?りっちゃああああん!」ユサユサ
私は不安でたまらなくなって、思わずりっちゃんの体を大きく揺さぶる。
慌てていた私は、「りっちゃんに触れるときはそーっと」なんてすっかりどこかに飛んで行ってた。
律「んひゃあっ!!///らめぇっゆひっらめらよぉぉおぉっっ!!」ビクビクッ
りっちゃんの体がまた大きくはねて、すごい力で私の腕を掴んでくる。
まるで崖から落ちかけて、必死に生にしがみつこうとする人のように。
まるで戦争に向かう父親を必死で引き留める子供のように。
私の貧相な語彙ではそんな表現しかできないような、そんな力だった。
唯「り、りっちゃん……痛いよぉ……」
律「ごめ……ごめんにゃ……しゃい……れも……ゆひが……つよくしゅるかりゃあ……」ビクンビクン
りっちゃんは私にしがみついて少し落ち着いたみたいだけど、その体はなおも痙攣を続ける。
私はりっちゃんを刺激しすぎないように、そーっとそーっと頭を撫でてあげた。
りっちゃんはまだ「ふにゃあ……」なんて言いながら時折痙攣してたけど、何とか落ち着いてきたみたい。
唯「りっちゃん大丈夫?落ち着いた?」ナデナデ
律「うん……にゃんとか……ましになってきた……」
りっちゃんのその言葉を聞いて、私は一安心した。
唯「もう大丈夫だからね~……私、なんかさっきから『大丈夫』しか言ってないね」クスクス
律「あはは……ほんとだな……ごめんな唯……あ、ありがと///」
そんなことを言いながら、二人で笑いあう。
でも、私はりっちゃんのさらさらの髪を撫でながら、別のことを考えていた。
私に抱きついた拍子にカチューシャが外れ、前髪がおりたりっちゃんは、
乱れた服、火照った体、真っ赤な顔、弱々しい声、その他いろんな要素が相まって、
私が今まで見たどんなものよりも綺麗で、可愛くて、素敵で、守ってあげたくて……
そして、えっちかった。
りっちゃんの顔を直視できなくなった私は、顔を赤らめながら視線を下に落とす。
高鳴る鼓動を鎮めるため別のことを考えようとした私の頭は、
今まで気づかなかったものにも気づいてしまった。
唯「あれ……?ここの床も何だかすごく濡れてる……あっ!私の足も!なんで!?」
律「!!!」ビクッ
腕の中でりっちゃんの細い身体がまたはねる。
でも今度のはさっきのとは違い、何かに怯えるような……そんなはね方だった。
唯「あれ~?さっきまでは濡れてなかったのに……おかしいなぁ」
律「あ……あははは……私またヨダレ垂らしちゃったかな……汗もかいちゃってるし……」
唯「え~?でもりっちゃん、口の周りには全然ついてないよ?汗だって、私の手や服は濡れてないし……」
私はそう言いながら自分の身体をぺたぺた触っていた。
ああ、神様仏様お父さんお母さん、どうして唯はこんなにおバカなんでしょう。
みんなは天然なんて言って笑ってくれるけど、裏を返せば空気が読めないってこと。
「一つのことに集中すると周りが見えない」って、褒めてるようで褒めてないようで……
うん、やっぱりこの性格はどちらかというと短所なのかも。
この時も私は、床と私を濡らす液体の正体を考えるあまり、
さっきまであれだけ見ていたりっちゃんのことは、何一つ見えなくなっていた。
いつも周りに気を配るりっちゃんなら、きっと、いや間違いなく。
すぐに相手の顔色が赤から青に変わってるのに気づいたんだろうな。
ううん、憂も和ちゃんも澪ちゃんもムギちゃんも、それにあずにゃんも。
誰だってそんなことにはすぐに気がついたに違いない。
わからないのは私だけ。目の前の相手のことが目に入らないなんて、本当にどうしようもない。
そして何より……部室に来てからのりっちゃんの反応、
瓶から漂う甘い香り、身体が熱くなるあの不思議な感覚……
これだけのヒントを与えられて、問題にも真剣に取り組んで、
それでも結論に辿り着かない自分の鈍さに嫌気がさす。
まぁこんなに色々考えられるのは、いつも取り返しがつかなくなった後なわけで。
気づいたときには全部後の祭りなわけで。
結局私はいつも通り、天然の平沢唯のまま突っ走ってしまった。
唯「う~ん、一体これは何なんだろう……必ず正体を突き止めてみせる!隣のばっちゃんの名にかけて!」
律「いや……唯……これは……その……」ダラダラ
唯「いや言うなりっちゃん隊員!この名探偵に任せろ!」
どう考えても「迷」探偵、眠る前の小五郎です。本当にありがとうございました。
唯「状況を整理すると……ガイシャは床、私の足、あとりっちゃんの足と……スカート?」
律「あ、あのさ……唯……えっとその……」ダラダラ
唯「一番濡れてるのは……うわっ!りっちゃんの足、びちょびちょだよ!?ってことは……」
律「………………」
唯「犯人……は……?」
律「……さすが名探偵。犯人はあたしだよ」
唯「……えっと……犯行に使われた……この……液体状の凶器は……」ダラダラ
律「わかってるんだろ名探偵さん?あたしは犯人がペラペラ喋り出す推理モノは苦手でね」
唯「えーっと……私の推理では……これは……りっちゃん犯人の……お股の……」
律「ああそうだよ名探偵さん。これはあたしのお股から出たエッチなお汁だよ。何かお茶飲んだ後くらいから急に身体が熱くなってきてさ。頭はボーッとするし下腹部はジンジンするし、身体が何かに触れる度電気が走るみたいだし。今までこんなことなかったよ。そりゃあたしもお年頃だし、夜に布団の中で自分を慰めることもあるよ。でもやっぱりちょっと怖いし、そんなに深入りしたりはしなかったよ。おっと今のはギャグじゃないぞ?あたしはクリ派だしな。ハッハッハッ。まぁあたしの夜の事情は置いといて、もう動くのも辛くてどうしようもなくてさ、早く放課後にゃんにゃん時間にしゃれ込みたかったわけ。でもお前は私のこと心配して一人にしてくれないし。あの時ばかりは、優しさは時に人を傷つけるナイフになるんだと思ったね。でもまぁあたしがお前の立場だったとしたらお前と同じことしただろうな。だって辛そうな親友を置いて『じゃあ私ドロンするね』なんて無理だもんな。だから別に唯のこと怒ってるわけじゃないんだよ。でもお前は何故かあたしの近くに寄ってくるし、身体に触ってくるし。まぁ普段からあたしらスキンシップも多めだし、今更どうこう言うこともないんだけどな。でも普段とは状況が違うわけ。今回の場合。普段なら意識しないお前の手の温かさとか、おでこの感触とか、シャンプーみたいな赤ちゃんみたいな甘い香りとか。その全てがあたしを狂わす禁断の果実なわけ。もうあたしは手汗ベタベタ脇汗ダラダラ下着ビチャビチャなわけ。風呂も一緒に入ったことあるし隣で寝たこともある大事な友達のせいで。でもあたしは自己嫌悪なんてしてる暇はないわけ。もうどうやってこの天使の顔した悪魔から逃れようか、どうやってこの漲る熱情をおさめようか、それだけなわけ。でも頭は回らないし、いいアイディアは浮かばないし、お前は耳元でエンジェルボイスだしで何も言えねぇわけ。そうこうしてるうちにお前があたしの腕を掴んでさ。もうヤバかったね。初めて胸にもアソコにも触らずにイッたね。正に昇天、死ぬかと思ったね。そっから何かあんまり覚えてないの。気づいたらソファーに座っててさ。でも一回イッたら結構落ち着いてね。色々考えてたの。主にエロいこと。そしたら来たね。油断してるとこに問答無用の胴回し回転蹴り。あたしのおツユがね、ラブジュースがね、さっきあたしを天国に送った友人の指にライドオンしてるじゃない。たまげたね。思考回路はショート完了。もう何言ったか覚えてないね。たぶんヨダレか鼻水か、股から出る以外の体液だって言ったんだろうね。そしたら来たよ。止めの握撃。四肢全部と顔面に。この天然お嬢ちゃん匂い嗅いじゃったよ。あたしの股汁の。何やってんの?ねぇアナタ何やってんの?あたし何て言った?いや覚えてないけど、たぶんヨダレだっつったんだよね? その時点で普通匂い嗅がないよね?例えクレオパトラだろうがマリリンモンローだろうが口から出て時間たったヨダレは臭いよそりゃ。何で匂い嗅いでんの?もう何も考えられない。思わず立ち上がってお前の元へ駆け寄ったよ。足踏み出した瞬間来たよ電流。でもまだピカチュウの電気ショック。まだ慌てる時間じゃない。ところが目の前には腕を広げる親友。キタ。優しさナイフアゲイン。まるでお母さんみたいな優しさに包まれた。イッた。もうイッた。一瞬で全人生分イッた。ジバコイルのかみなりなんてレベルじゃない。脳味噌がぐるんぐるん回ってドロドロにとけまくり。身体もドロドロにとけた気がする。りっちゃんのぼうぎょりょくがぐーんとあがった!なんで溶けたら堅くなるのかなーなんて昔は疑問だったなぁ。まぁ今はそれはいい。もう本当に何もわからなくてさ。刃牙が飛騨に籠もって達した人間を越えた境地。あたしは唯に抱きしめられてその境地に達したね。もう一瞬が永遠。何時間もイキ続けてるような、それを一瞬で体験したような、そんな密度。そうこうしてるうちにキタ。第二波。もうイキまくって気狂いかけてるとこに。ゆさぶられただけなんだけどね。またイッたね。イキまくったね。キ〇ガイだね。イキキチ律平だね。もう何も考えてなかったね。たぶんあの瞬間あたしは世界で一番なにも考えてない人だったね。脊髄反射で唯が何か言ってるのに返事してて、でもやっぱ急に上がったら急に落ちるもんでね。結構すぐに落ち着いてきたの。撫でられてる頭は未だ性感帯モードだったけどね。唯の優しい笑顔に救われてね。やっぱ優しさはナイフなんかじゃないね。でも冷静になって気づいた。辺り一面愛液地獄。もう足はびちょびちょだしパンツ通り越してスカートも濡れてる。ヤバいね潮吹いたんだねあたし。カイオーガのメガネ潮吹きだね。ハピも二確だね。幸い唯はまだ気づいてないね。まだ慌てる時間じゃないね。はい唯ちゃん気づいたね。どうやら唯ちゃんの御御足まで濡れ鼠だったみたいだね。お姉さん気づかなかったね。もっと広い視野を持つ選手にならないと代表には呼ばれないよね。サムライブルーの縁の下の力持ち、阿部や長谷部のような選手になりたいよね。でも唯ちゃんまだそれがりっちゃん印のマンゴージュースだって気づいてないよね。あたしまだ大丈夫だよね。でも唯ちゃん探偵ごっこ始めちゃったね。いつものあたしらのノリだね。止まらないねこの暴走リニアモーターカー。おっと唯ちゃんの顔色変わったね。あたしの顔色はさっきからノンウォッシュの生デニム並にインディゴブルーだけどね。これから毎日履き倒して自分好みに育てていきたいね。ついに気づいちゃったねあなたの足を優しく包むお汁の正体。そうだねあたしのLCLだね。そんなこんなで今に至るね。犯人饒舌すぎるね。あたしの苦手なタイプだね。でもたまにはいいよねそういうのも。唯ちゃんもそう思うでしょ?」
唯「うん!そうだね!」
そこからのことはよく覚えてない。気づいたら私もりっちゃんも裸で、部室の床に寝転がってた。
りっちゃんは気絶してるみたい。一瞬死んじゃってるのかと思ったけど、息はしてた。よかった。
りっちゃんの身体には、私が付けたのであろう歪な菱形の愛の印が至る所に付いていた。
それは欲望の象徴で、首筋なんかに付けられたのを絆創膏で隠したりするのがお約束なんだろうけど、
月明かりに照らされたりっちゃんを彩る赤いそれは不思議にすごく美しかった。
あれから何時間たったんだろう。下校時刻はとうに過ぎている。
きっと携帯には心配性の妹からの着信がいっぱいなんだろうな。
澪ちゃんたちにも連絡がいってるかも。みんな心配してるかな。
でもたまにはいいよね。残り少ない華の女子高生、夜遊びの一つもやっとかないと。
それにりっちゃんと一緒にいたって言えば大丈夫だろう。憂もりっちゃんのことは大好きだし。
そろそろりっちゃんを起こそうか。びしょびしょのまま裸で寝てると風邪ひいちゃう。
唯「おーいりっちゃーん。起きてよー風邪ひいちゃうよー」
律「……んんっ!///もうひゃめてゆいぃ……しんじゃうよぉ……」
……どうやら私にはそっち方面の才能があるみたい。
いくらエッチな薬を飲んでるからって、ここまではならない……よね?
私は素面なわけだし、それで何時間もりっちゃんをいぢめちゃったわけだし。
唯「うん、もう少しこのままでもいいかな?くっついてればあったかあったかだしね」
律「うぅ~んゆいぃ~……やさしくしてよぉ~……」
可愛い寝顔だ。寝言は(私のせいで)危険極まりないけど。
スヤスヤ眠るジュリエットの唇に、今日何回目になるかわからない口付けを落とす。
お姫様が目覚めることはない。でもそれもいいよね。永遠の眠りってわけじゃないし。
あれ?キスするのはお姫様で、目覚めるのが王子様だっけ?ていうかそれはロミジュリじゃない?
唯「うぅ~ん、どうだったっけな?記憶が定かじゃありませんなぁ……」
まぁいいや!難しいことは明日の私に任せよう。
余命僅かな今日の私は、りっちゃんの体温を楽しむことに専念しますか!
唯「よーっし、もう寝ちゃお寝ちゃお寝ちゃお~!」
律「そうねひゃお~……ふが」
上手に合いの手が入ったところで、平沢唯の激動の一日もこれにておしまい。明日もいいことあるといいなぁ……
それではみなさんまたお会いしましょう!おやすみなさーい!
(終)
~とある豪邸、地下の秘密の部屋にて~
紬「ハァハァ……すごかったわ唯ちゃんりっちゃん……」ボタボタ
隠しカメラの映像を鼻血を垂らしながら鑑賞するのは、この屋敷のご令嬢、琴吹紬。
彼女には女の子同士の絡みを見るのが好きという困った趣味がある。
紬「まさかあの媚薬がここまでとは……今度誰かと二人っきりの時に使って
恥じらう様子を楽しもうと思ってたけど……想像の斜め上を行ったわ……」ボタボタ
どうやらこれほどの展開は百合マスターの彼女にとっても予想外だったようだ。
紬「これは永久保存版ね……体育倉庫で撮ったエリちゃんとアカネちゃんの初々しい絡みと共に末代まで伝えねば……」
どうやら今日の二人の情事は琴吹家の家宝となることが決定したようである。
何も知らない当人たちにとっては迷惑以外の何物でもないが、
素敵なパートナーと結ばれた幸福を免罪符としていただこう。
紬「ああ……また疼いてきたわ……鎮まれ!わがパンドラの箱よ……」
紬の手がゆっくり、ゆっくりと股間にのびていく。
我々はそろそろお暇しよう。盗撮マニア相手とはいえ、これ以上はマナー違反だろう。
紬「その者蒼き瞳を持ちいて金色の野をかき分けるべし……失われし楽園(ヘヴン)との絆を結ばん……」
琴吹紬の長い夜はまだ始まったばかり……
~翌日~
唯「澪ちゃんおっはよ~っ!」
律「おっおはよ澪っ///」
澪「あっ!おい唯、律!!お前ら昨日どこ行ってたんだ!?
憂ちゃん、『お姉ちゃんが帰ってこない』って泣きながら電話してきたんだぞ!?」
唯「いや~ごめんごめん、実は昨日図らずも部室でお泊まりすることになっちないましてね~」
澪「はぁ!?何で!?……てかそうならそうで連絡くらいしろ!
憂ちゃんからも律ん家のおじさんからも電話なりっぱなしだったんだぞ!」
唯「知らない間に寝ちゃってて……反省してま~す」
澪「ム、ムカつく……まぁ何故かムギの家から、二人とも泊まりに来てるって連絡があって事なきを得たみたいだけど……」
唯「え、そうなの?なんで?」
澪「いや知らないけど……ムギに聞いてみたら?あと憂ちゃんにちゃんと顔見せにいけよ!」
唯「わかったよ~……お~いムギちゃ~ん!」
紬「なぁに?唯ちゃん?」ツヤツヤ
唯「おおっ、何だかムギちゃんツヤツヤしてるねぇ……目の下はすごい隈だけど……」
紬「昨日ちょっとね……そうそう唯ちゃん、昨日私の家に泊まってたって件、
気にしなくていいからね?困ったときはお互い様だから!」
唯「?よくわかんないけどわかったよ!世は全て事もなし、だね!」
紬「その通りよ~(素敵なお礼はいただいたしね……)」
ワイワイガヤガヤ
姫子「なんだか今日の律、大人しいね……それになんか……すっごく可愛い」
いちご「あれは女になった顔ね……」
姫子「えっそうなの!?あんた分かんの!?」
いちご「当たり前じゃん……(適当だけど)」
エリ「てか自然すぎて突っ込めなかったけど、何で唯も律もメイド服なんだろ?」
アカネ「さぁ……軽音部でコスプレ流行ってるのかな?」
律「///」モジモジ
~放課後、部室~
梓「もう!お二人とも!昨日すっごく心配したんですよ!」
唯「ごめんねあずにゃ~ん、ギュッてするから許して~」ギュッ
梓「に゛ゃっ!……も、もう!あんまり心配させないでください!」
律「ごめん梓……でも心配してくれてありがとね///」
梓(……澪先輩、律先輩どうしちゃったんですか?変なものでも食べたんですか?)
澪(わからん、朝からあの調子でな。まぁたまにはあんな律もいいだろ?……可愛くて///)
梓(……まあ可愛らしいのは認めますけど……すっごい違和感あります)
紬「二人とも何コソコソしてるの?ケーキ切れたわよ~」
唯「おおっ!今日のケーキは一段とすごいねムギちゃん!」
紬「ええ、今日はお祝いだから特別製よ~」
澪「お祝い?誰かの誕生日……じゃないよな?何のお祝いなんだ?」
紬「それは……ヒ・ミ・ツ……ねっ!」
唯「?な~にムギちゃん?私何も知らないよ?」
律(ムギ……もしかして気付いて……///)モジモジ
唯「まぁいっか?食べよ食べよ~……はいりっちゃんあ~ん」
律「ええっ!?///いいよ唯、恥ずかしいよぉ///」モジモジ
唯「遠慮しなさんな!ほれっあ~ん!」
律「あっあ~ん……モグモグ……すっすっごくおいしいよ……唯に食べさせてもらうと///」モジモジ
唯「嬉しいこと言ってくれるね~」ナデナデ
イチャコライチャコラ
梓「あの二人なんかあったんですかね?仲良すぎません?」
澪「律……そんな顔私にも見せたことないのに……一体何が……」ズーン
梓「あ、再起不能」
ポット「シューシューカタカタ」
紬「あっ、お湯沸いたわね。今紅茶入れるね~」
唯「ムギちゃん!私ミルクティー!」
梓「今日は蜂蜜いれようかな……」
律「唯と同じの///」モジモジ
澪「初恋と涙の味……レモンティーで……」ズーン
紬「はいは~い」
梓「あっ私手伝いますね」
唯「私もお砂糖とか入れるの手伝うよ!」フンス!
紬「ありがと~。じゃあお願いしようかな」
梓・唯「はーい!」ビシッ!
…
……
………
紬「それじゃあみなさんご一緒に~」
唯梓律紬「いただきま~す!」
澪「いただきます……」
梓「約二名フライング済みですけどね」
唯「固いこと言いっこなしだよあずにゃ~ん」
律「///」モジモジ
澪「失恋ハートにサワーレモン……今日も視界はビターカフェ……ははは……没だな……」ブツブツ
紬「うふふ……あら?何かこの紅茶不思議な味がするわね……私何も入れてないけど……」
唯「あっムギちゃん!ムギちゃんの紅茶は特別製平沢ブレンドだよ!」
紬(……何かイヤな予感が……)
紬「えっと、ちなみに唯ちゃん……何を?」
唯「戸棚の奥の綺麗な瓶のやつだよ~何かすっごくいいものなんでしょ?」
律「!!!」ビクッ
紬「う、うふふふ……ちなみに唯ちゃん、いかほど?」ピクピク
唯「んーっと、スプーン五杯くらいかな?私いっつもお砂糖それくらい入れるんだ~」
律(あ、あたしでも昨日ティースプーン一杯だったのに……///)モジモジ
梓「なんなんですか?何のお話ですか?」
唯「あずにゃんはいいんだよ~。まぁ見ててごらんよ」
梓「はぁ……」
紬「ウッ……はぁ、はぁ……熱い……身体が……火のようだ……」ハァハァ
律(単純に考えると……あれの五倍?リアルにステアウェイトゥヘヴンだよぉ……///)モジモジ
紬「よくも……よくもこの琴吹紬にこのような仕打ちを……許さぬ……許さぬぞぉぉおぉ!!!」グワッ!
唯「もうムギちゃん怒っちゃやーよ?ほれっおっぱいっ」ツンッ☆
紬「んっひゃあぁぁあぁああっ!!!ちゅむぎパイタッチれいっひゃいましゅぅぅうぅううぅぅうぅ!!」プッシャアアアアア!!
梓「ひっ!ムっムギ先輩の股間がスプリンクラーのように!」ビクーン
律(また身体が疼いてきちゃったよぉ///)モゾモゾ
澪「私の心は涙雨……私の愛するお日様は……今日からあの娘に夢中なの……」ビチャビチャ
唯「ふふふっ……ムギちゃんや……りっちゃんと同じ目にあって反省するがいいさ……ああ勝利のお茶はおいしいねぇ」ゴキュゴキュ
梓「あっでも先程のお話の瓶の中身なら、私も蜂蜜と間違えて紅茶に入れちゃいました。
気付いたので唯先輩のと交換しといたんですけど」
唯「えっ」
梓「えっ」
律「えっ///」
さわ子「えっ」
澪「ふふ……ふふふふ……」
紬「あぁあああおま○こほじほじきもちひいよぉぉおぉお!!!」プッシャアアアアア
(終)
190 : 以下、名... - 2010/10/18(月) 08:46:15.40 84fZ5NB9O 47/47
これにて本当に終了
いやあ携帯で乗っ取りで初SSなんてやるもんじゃねーな
でも支援がつくのは本当に嬉しい、こりゃ慣れ合うのもわかるわwww
最初に書き始めてた人乗っ取ってすいません。悪ノリが過ぎました
まぁそんな感じで。こんな初心者のSS応援してくれた人本当にありがとうございます。
ちなみに瓶に書いてあったのはphilterで媚薬って意味だったかと