結衣「3人とも、今日はせっかく午前中で終わったしうちに遊びに来ない?」
京子「ちなつちゃーん!お茶おいしいよぉ…もっと」ベタベタ
ちなつ「やめてください京子先輩…お茶ならいくらでも淹れますから」
あかり「あっ、今日おまんじゅう持ってきたよ。食べる?」
京子「いる!」
ちなつ「まったく…この時間に食べるとお昼が食べられなくなりますよ」
京子「お昼は別腹だから大丈夫だよ!」
あかり「あはは…ところで今日は何するのー?」
結衣「あれ…?」
元スレ
結衣「あれ?みんな、聞こえてるよね?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1315653327/
京子「そうだなぁ…今日はせっかく午前中で終わったし、たまにはどこか遊びに行く?」
あかり「あかり、おなかすいちゃったからご飯食べたいなぁ…」
京子「んーじゃあワック行って何か食べながら考えよっか」
結衣「えっ…ちょっと…お昼ならうちで御馳走するよ」
ちなつ「ワックはカロリー高いからあまり食べないほうがいいですよ」
京子「大丈夫、私太らないから。それにちなつちゃんは少し太っても可愛いよ!」
ちなつ「何言ってるんですかもう…」
結衣「え?無視されてる…?」
~ワック~
あかり「あかりフィレオフィシュにしようかなぁ」
結衣「今日クーポン入ってたな。使う?」
京子「私はダブチセットでいいや」
ちなつ「私はシェイクだけでいいです」
結衣「あれ、ねぇちょっと…みんなホントに聞こえてないの?」
あかり「あかりがまとめて買うから、京子ちゃんたちは席とってて~」
京子「はいよー。ほい500円」
ちなつ「はい、お願いね」
結衣「う…なんかあかりの気持ちがわかった気がする…」
あかり「お待たせー。はい、セットとシェイク」
京子「さんきゅー」
ちなつ「ありがとう、あかりちゃん」
結衣「みんな!聞こえてるんだろ!無視しないでくれ!」
京子「やば…ダブチ飽きた」
ちなつ「なんでそれにしたんですかもう…」
あかり「あかりそれでもいいよ。交換する?」
京子「ホント!?するする!」
あかり「うっ…結構ボリュームあるね…」
結衣(…本格的に無視されてる…)
結衣「な、なぁ。私なにかした…? 無視しないでよ」
京子「フィレフィうめぇ」
ちなつ「なんでも略しますね」
あかり「あ、そうだ…この後どこいこっか?」
結衣「おい!」ガシッ
京子「痛っ…」
結衣「聞こえてるんだろ。なんで無視する?」
京子「ね、ねぇ…私、今なにかに腕つかまれた…」
ちなつ「や、やめてくださいよー お昼からー」
京子「本当だよー… いてて」
あかり「あ…そういえば結衣ちゃん、今日こなかったね」
京子「あぁ、なんか朝迎えにも来なかったし」
ちなつ「どうしたんでしょうね」
あかり「風邪でも引いちゃったのかなぁ…」
結衣「…え?」
結衣「私ここにいるよ!見えないのか!? ていうか朝迎えにも行ったろ!」
京子「なんかさっきの腕の痛みが不気味… 今日は食べたら解散にしない?」
あかり「う、うん…」
ちなつ「わかりました」
結衣「…ぐすっ…なんで…」
~ワックの外~
ちなつ「あ、私すこし買い物を頼まれていたんでした」
あかり「あかりついていこっか?」
ちなつ「ううん。大したことないから」
京子「そっか。じゃあまた明日ね ちなつちゃん」
あかり「ばいばーい」
ちなつ「また明日ー!」
ちなつ「…ふぅ。 ふふ…ふふふっ」
ちなつ「やっと2人っきりになれましたね」ボソッ
結衣「…え?ちなつ…ちゃん…?」
ちなつ「なんですか?」
結衣「私の言葉、届いてるの?」
ちなつ「はい♪「私には」届いてます」
結衣「ど、どういうこと…?」
ちなつ「ふふ…私以外の人からは、結衣先輩は言葉どころか姿も見えないんですよ」
結衣「なんで…え、ちょっと待って、なんで?」
結衣(確かに先生も私が休みとか言ってたな…)
ちなつ「とりあえずこのままじゃ私が街中で独り言を話してる変な人に見えるので、うちに行きましょう」
~ちなつの家~
結衣「お、お邪魔します…」
ちなつ「夜まで誰も帰ってこないから平気ですよ」
結衣「ねぇ、私がちなつちゃん以外から見えてないってどういうこと?」
ちなつ「いまさら無駄なので教えますけど。昨日帰りに私のスプレー貸しましたよね」
結衣「うん…昨日はスプレー忘れてて、汗臭いのいやだったから…」
ちなつ「あれに「そういう成分」が入っていたんですよ。頼んだら西垣先生がくれました」
結衣「そ、そんな… でも、じゃあちなつちゃんにはなんで私が見えるの?」
ちなつ「人の唾液か血液を混ぜると、その人には効力がなくなるんです。私は先生に唾液を渡しました」
結衣「じゃああのスプレーに…」
ちなつ「はい♪ 私の唾液浴びちゃいましたね、結衣先輩!キャッ!」
結衣「う… そ、そんなことはこの際いいよ…どうしたら元に戻るの?」
ちなつ「ありますけど、教えません。じゃないと結衣先輩を独占できないです…結衣先輩…」
結衣「や、やめて…ちなつちゃん…」
ちなつ「結衣先輩…結衣先輩…はぁっ…はぁ…」
結衣「やめ…やめろ! はぁ…は……帰る。ちなつちゃん、あまりふざけてると…怒るよ」バシッ
ちなつ「ま、まって!結衣先輩!」
~後日・学校~
結衣(ちなつちゃん…あの子にはやっぱり気をつけないといけないんだ)
結衣「西垣先生に聞こうと思ったけど…考えてみたら私の姿って見えないんだった」
結衣「何かいい方法は… あ、そうだ!紙に書けばいいんだ」
サラサラ…
「先生、船見です。要約します。
おととい先生が1年の吉川さんに渡したスプレーを使われてしまいました。
どうすれば元に戻りますか?」
西垣「ん…なんだ。急に字が…?」
西垣「昨日のスプレー?どれの話だ…」
西垣「あぁ、あれか。じゃあ船見はそこにいるのか?」
結衣「はい!います!」
西垣「と、問いかけても私には聞こえないはずだから意味がないな」
結衣「う…」
西垣「聞いてるか? 安心しろ。あれは計算上…もとい松本で実験した結果では48時間で効果が切れるようだ」
結衣「48時間…ってことはおとといの放課後に使ったから今日の放課後か。なんだ…よかった」
西垣「あぁ、それとだな… いや、これは船見なら大丈夫か」
結衣「放課後まで様子見か。仕方ないな…」サラサラ
西垣「ん…ありがとうございます? 気にするな」
~放課後~
結衣「…お、おつかれー…」
あかり「あ、結衣ちゃん!昨日はどうしたの?」
結衣「あかり…私が見えるのか?」
あかり「え、何言ってるの…?見えるよ?」
結衣「いや、いいんだ。良かった…」ギュッ
あかり「わぁっ!ど、どうしたの結衣ちゃん…いきなり抱きつきなんて…」
結衣「あ…なんでもない。そ、それよりちなつちゃんは?」
あかり「そういえば今日は来てないです…」
結衣「言い過ぎたかな…」
京子「おーっす!」
結衣「昨日は休んでごめん ちょっと実家で野暮用がね…」
京子「あれ?あかりだけ?」
あかり「え?結衣ちゃんもいるよ?」
京子「なにそれ…怨念がおんねん?」
あかり「じょ、冗談じゃなくて…」
結衣「ちょっと待ってあかり… 京子、ホントに見えてないの?」
あかり「ゆ、結衣ちゃん近っ…」
京子「え?どこ?」
結衣「本当に見えてないみたいだ…」
あかり「えぇっ!なんで見えないの?」
結衣「ん… ちょっと行くところができた。京子の面倒見てて」
あかり「う、うん…」
結衣「西垣先生!」
西垣「船見か。見えるってことは効果が切れたんだな」
結衣「いえ…確かに切れたんですけど1つ問題が…」
西垣「どうした?」
結衣「京子に…歳納に、まだ姿が見えないみたいなんです」
西垣「ん…?そんなはずは… いや待てよ」
結衣「何かあるんですか?」
西垣「見えない間に歳納になにかしなかったか?例えばくすぐったとか、殴ったとか」
結衣「いえ…さすがに…」
西垣「どんなに小さくても、見えない間に外傷を与えてしまった相手には効果が一生切れないんだ。危ないいたずら防止の副作用というやつだな」
結衣「え…(その薬自体がいたずらっぽいことに気付いてほしい)」
結衣(そういえば腕つかんだな…)
結衣「あの、例えば腕をつかんだだけ、とかだったら…」
西垣「考えられるのは…そうだな。爪が伸びていて少しでも引っ掻いたか、あるいは強すぎて内出血?」
結衣「そんなに強くは… あ、爪ながい…」
西垣「それだ」
結衣「それで、一生効果が切れないって…」
西垣「もちろん効果を無くす手段はある」
結衣「教えてください!もう京子と会話ができないなんて…いやだ。たった2日でもこんなに辛くて…」
西垣「ふむ。これは愛か、いいな」
結衣「いいな。…じゃなくてその手段を教えてください」
西垣「そのスプレーの効果を最初から無くす方法を吉川が言っていなかったか?」
結衣「…えっと… 唾液を混ぜたとか言っていましたけど…」
西垣「そう。逆に自分の…唾液でも血液でもなんでもいいんだが、それを効果が切れない相手に直接接触させればいい」
結衣「う…血液はいやだな。京子に向かって唾液を吐くんですか…?」
西垣「別に吐きつける必要はない。手段は何でもいいんだが…」
結衣「…わかりました。どうにかします。ありがとうございました」
西垣「いやなんの。面倒な手段にしてすまんな。また実験に付き合ってくれ」
結衣「いやです」
西垣「ちなみに松本でも同じことが起きてな。どうやって治したかは…ふっ、聞くな」
結衣「急ぎますので」
~部室~
結衣「さすがにあかりの前で「ぺっ」とかやるわけには…」
京子「いやー、あかりもベタうまくなったね」
あかり「えへへ!京子ちゃんのお手伝いが出来てうれしいよー」
京子「いい子ー」
あかり「あ、京子ちゃん。口にインク付いてるよ?」
京子「え…あぁ キャップ口で開けたからかな」
あかり「手で開けなよぉ」
京子「そっちのには消しゴムかけといてー」
あかり「はーい」
結衣「…あかり… 悪いね、私がやることなのに」
あかり「ううん!あかり暇だったからいいよ!」
京子「誰と話してるんだ…?」
結衣「さて…」
結衣(接触させる、ってことは指で塗ったりしても平気かな…?)
結衣「よし…」ペロッ
あかり「結衣ちゃん、いきなりどうしたの!?」
京子「また結衣がそこにいるの?怨念がおんねん」
結衣「あぁいや、指に給食のヨーグルトがね」
あかり「授業中つけっぱなしだったんだ…大変だね!」
結衣「…うん(そっちかい)」
結衣(よーし)
京子「あ、ちょっとトイレ」
あかり「いってらっしゃい」
結衣「…私もトイレ」
あかり「うん」
~トイレ~
京子「ふぃー。思ったより良い作品になった」
結衣(トイレットペーパーでカニが作ってある…)
京子「…結衣、なんでいないんだろ」
結衣「やば、京子が部室に戻っちゃう」ピトッ
京子「ん?あれ?誰もいない」
結衣「き、効かない…これじゃダメなのか!」
結衣(あぁもう…どうすれば…考えろ考えろ)
結衣「思いつかない!こうなったら!」チュッ
京子「んぶ?あ、あれ…? なにかしっとりした感触が…?」
結衣「…」サァ…
京子「って結衣!いつの間にそこにいたんだよ!」
結衣「良かった…見えるようになったか」ギュッ
京子「わっ!急に抱きつくなよー ていうかいつの間に学校来たの?」
結衣「あ、その…いやぁ、この間話してたワープを習得してね」
京子「すげぇ!」
あかり「おかえりー」
結衣「ただいま」
京子「いやぁ、そこで結衣がいきなりあらわれてさぁ。ワープだって」
あかり「結衣ちゃんが見えるようになったの? え、ワープって?」
結衣「なんでもないよ」
京子「そういえば、なんかトイレ出たら唇に変な感触があってさぁ…」
結衣「…」カァッ
京子「何いきなり赤くなってるの?」
結衣「なんでもねーよ!」
あかり「でも、見えるようになって良かったね!」
結衣「そうだね」
あかり「…結衣ちゃん顔ずっと赤いよ?どうしたの?」
結衣「だ、大丈夫だよ。なんでもない」
京子「あれ、結衣。顔が赤いついでに変な線が入ってるよ、口のとこ」
結衣「え…」
あかり「ホントだー 京子ちゃんとおそろいだね!」
結衣「あっ…////」
京子「あぁ忘れてた、鏡見に行ったんだった…もっかい行ってくる」
結衣「あ、あかり…私、京子とキスしちゃった」
あかり「えぇ!?なんで!?」
結衣「いや…その思いつかなくて… いくらなんでも肌に唾を舐めて塗りつけるとか気持ち悪いだろ」
あかり「な、なんの話…?」
結衣「や、やっぱりいい。忘れて(なに話してんだ私は)」
あかり「う…うん」
あかり(やっぱり仲が良い子同士でキスってするんだ…)
京子「よーし、とれた?」
あかり「うん。ついてないよ!」
結衣「洗ったら拭けよ…ハンカチは?」
京子「忘れた! …なんか結衣の顔に線が入ってるとマヌケだなー。とってきなよ」
結衣「いや…このままでいいよ」
京子「えー?変な結衣ー」
結衣(…だってこれは、京子とキスした証拠だから)
~一方その頃~
ちなつ「なんでみんな無視するの?」
ちなつ「ああぁ!今日の朝使ったスプレー…これって…」
ちなつ「間違えたぁ!これじゃあ私は私以外から見えないじゃない!!何ねぼけてるの朝の私!むきーっ!!」
西垣「ちなみに独り言だが自分の唾液か血液が含まれたスプレーを浴びると恐らく効果が伸びる。」
西垣「さすがに危険だからその期間は調べてないんでな、気をつけてほしい」
~END~