アスカ「ママ!そこにいたのね!」
ダキッ
綾波「な、何をするの?」
アスカ「ママ!もう離さないんだから!」
綾波「………」オロオロ
元スレ
アスカ「ファーストってママみたいな感じがする」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348650230/
綾波「って言うことがあったの」
シンジ「で、どうすればいいのかわからないから僕を呼んだと?」
綾波「そう、セカンドったら私の膝の上で寝たまま起きてくれないんだもの」
アスカ「………」スースー
シンジ「ふ~ん………別にどうもしなくていいんじゃない」
綾波「えっ?」
シンジ「だってアスカ起こすのも可哀想だし寝かせててあげればいいじゃん」
綾波「でも……」
シンジ「それとも綾波は嫌なの?」
綾波「別に………嫌じゃないけれど………」
シンジ「じゃあ決まりだね」
綾波「………ええ」
アスカ「んー…………ママ……」スヤスヤ
綾波「…………(セカンドは私に何を求めているの?)」
その日のよるミサトの家
ミサト「へーアスカがレイにそんなことをね~」
シンジ「ええ………でもどうしてそんなことしたんだろ?」
シンジ「アスカは前あんなに綾波のこと嫌ってたのに」
ミサト「それは多分寂しかったのよ」
シンジ「寂しかった?」
ミサト「ほら、貴方達チルドレンはさいろいろな事情で母親がいないっていう事例が多いでしょ」
ミサト「まああんまり詳しいことは言えないけど実はアスカも昔いろいろあってね」
ミサト「それできっとレイに母親を求めたのよ」
シンジ「綾波に母を…………(確かに………言われてみれば綾波ってなんとなくお母さんって感じがするし)」
ミサト「あ~ら!もしかしてシンちゃんもレイに甘えたくなっちゃった~?」
シンジ「な、な、な、何言ってるんですか!ぼ、僕はそんなこと思ってませんよ!」
ミサト「怪しいわね~?」
ミサト「……まあいいや、それよりレイとアスカのことだけど」
ミサト「いくら寂しかったとしてもあのアスカがレイに甘えるとはねえ」
ミサト「よっぽど飢えていたのかしらね」
数日後、シンクロテスト
マヤ「セカンドチルドレン!シンクロ率が大幅に向上しています!」
リツコ「この間まで落ち気味だったのに………何かいいことでもあったのかしら?」
リツコ「アスカ、シンクロ率がだいぶいいみたいだけど何かあった?」
アスカ「べっつに~何もないけど~」
リツコ「それ本当?」
アスカ「嘘言ったってしょうがないでしょ!」
リツコ「そ、そう……(嘘ね、口調も軽やかだし何かあったに違いないわ)」
アスカ「ふんふんふ~ん♪」
綾波「…………」
しばらくして
アスカ「ねえ聞いて聞いて!私シンクロ率が上がったのよ!」
綾波「そう、よかったわね」
アスカ「でしょでしょ!凄いでしょ!」
綾波「………ええ(どうして私に言うのかしら?)」
綾波「ねえ、セカンド」
アスカ「イヤッ!」
綾波「えっ?」
アスカ「私をセカンドって呼ばないで!」
綾波「なら……なんて呼べばいいの?」
アスカ「名前で呼んで!アスカって呼んで欲しいの」
綾波「ア………アスカ……」
アスカ「何?ママ?」
綾波「なぜ私をママと呼ぶの?」
アスカ「ママはママ!それだけよ」
綾波「でも私はあなたを産んでいない、あなたの母親じゃないわ」
アスカ「それはそうだけど、ママからすごく懐かしい感じがしたの」
綾波「懐かしい感じ?」
アスカ「そう、お母さんのお腹の中にいる感じ………暖かくて心地よくてずっといたくなるような」
綾波「分からない……なぜあなたが私にそんなものを感じたのかが」
アスカ「ねえ………ママは私のこと嫌い?」
綾波「別に………嫌いじゃないわ」
アスカ「ならこれからもママって呼んでいい?」
綾波「ええ………好きに呼べばいいわ」
アスカ「やったあ!これからもよろしくねママ!」
綾波「………(この感じ……何かしら?)」
リツコ「妙にアスカの機嫌が良いからちょっと見てみたらこういうことだったとわね」
ミサト「シンジ君から聞いてはいたけど実際見ると衝撃ね」
リツコ「ええ・・・よりによって仲の悪かったあの二人がこうなるとは思わなかったわ」
ミサト「でも仲が悪いよりはいいことよね?」
リツコ「ええ………シンクロ率も上がったしね」
碇の執務室
リツコ「ということがありました」
冬月「ほう……レイとセカンド・チルドレンにそんなことがあったのか」
ゲンドウ「計画に影響が出る恐れは?」
リツコ「現時点では特に何らかの問題が出る恐れはないかと」
ゲンドウ「そうか、ならもういい……下がりたまえ」
リツコ「ハッ、失礼致します」
バタン
冬月「セカンドがレイに懐くとわな、しかもママときたものだ」
ゲンドウ「レイはユイの遺伝子が混じっている………母親を求めているセカンドが懐いても違和感はない」
冬月「だがこれでレイに何らかの変化が起きると厄介なことになるぞ」
ゲンドウ「問題ない、その時は3人目に移行するだけだ」
学校
キンコンカンコン
トウジ「ようセンセ、おはようさん」
シンジ「ああトウジ、おはよう」
綾波「おはよう碇君」
シンジ「おはよう綾波」
ガラー!
アスカ「おはようママ!会いたかったわ!」
ダキッ
綾波「キャッ!」
トウジ「ブーッ!」
トウジ「な、なんやこれ!どないしとるんや!」
トウジ「おいセンセ!どうなっとるんやこれ!?惣流がいきなり綾波に抱きついたりして!」
シンジ「さ、さあ僕にもわからないよ」
アスカ「ちょっとあんたたち!静かにしてよ!今ママと抱き合ってるんだから!」
トウジ「ママって……まさか惣流って綾波の子供なんかい!?」
シンジ「い……いや違うと思うよ」
ケンスケ「うひょー!綾波とアスカの抱擁シーン!これは売れる!売れるぞ~!」
綾波「ねっ……ねえ、そろそろ離れてくれないかしら」
アスカ「嫌!まだ離れたくない!」ギュッ
綾波「でももうすぐ授業が始まるわ」
アスカ「もう少し!もう少しだけ!」
綾波「お母さん、ワガママ言う子は嫌いよ?」
アスカ「う~」
綾波「う~じゃないわう~じゃ」
アスカ「分かったわよ、離れればいいんでしょ」
トウジ「すげ~綾波の奴!完全にオカンになってるで!」
ケンスケ「あの惣流がこんなに素直になるとはな~」
シンジ「…………(綾波ってああいうの似合うな)」
昼休み
アスカ「ねえママ!今日私お弁当作ってきたの!」
綾波「お弁当?」
アスカ「そう!だから一緒に食べよ!?」
綾波「ええいいわ」
シンジ「今日に限ってお弁当要らないなんて言うからどうしたんだろと思ってたらこういうことだったんだ」
パカッ
アスカ「どう見て見て!美味しそうでしょ!?」
綾波「えっ………ええ」
シンジ「うわあ……形も色彩もめちゃくちゃだ」
シンジ「って肉が入ってるじゃないか……綾波どうするんだろ?」
アスカ「美味しい?」
綾波「ええ……(肉が入ってる………どうしよう)」
アスカ「あれ?ママ、ハンバーグと唐揚げは食べてくれないの?」
綾波「ごめんなさい、肉嫌いだもの」
アスカ「えっ……!?嘘っ?」ジワッ
綾波「………」
アスカ「ヒック……エグッ……ごめんなさい……」
綾波「何故貴方が謝るの?」
アスカ「だって……私……ママの好き嫌いも知らないで……お肉入れちゃって」ヒグッ
綾波「貴方は悪くないわ……悪いのは私よ」
アスカ「えっ……?」
綾波「せっかく貴方が作ってきてくれたのに食べれなくてごめんなさい」
アスカ「ううん……ママは悪くない………やっぱり私が悪いの」
綾波「………(このまま残していいのかしら?)」
綾波「………(この子は私を親のように思ってるのに親の私が好き嫌いしていいの?)」
綾波「………(いいえ……きっと良くないわ)」
綾波「………(ならば)」
綾波「食べるわ」
アスカ「えっ?」
綾波「肉も食べるわ」
アスカ「だって……肉嫌いなんじゃ……」
綾波「あなたがそこまで思って作ってきたのに残すなんて出来ないわ」
アスカ「本当!?」
綾波「嘘は言わないわ」
アスカ「うれしい!」
ダキッ
綾波「くっつかれたら食べれないわ」
トウジ「ええ話やな~!」ウルウル
シンジ「綾波が肉を食べるなんて………これがヒトの可能性か……」
ケンスケ「始まったな、碇」
シンジ「ああ」
放課後
キンコンカンコン
シンジ「で綾波はちゃんと全部食べたの?」
綾波「ええ、肉も食べたわ」
シンジ「すごいや綾波!………でも平気だった?」
綾波「血の匂い……しなかったから」
シンジ「それならよかったよ」
アスカ「ちょっとバカシンジ!何私のママに話しかけてんのよ!?」
綾波「ダメよアスカ」
アスカ「えっ?」
綾波「人に向かって馬鹿なんて言っちゃダメ」
アスカ「ええ~なんでよ!?どうせシンジなんだしいいじゃない」
綾波「碇君だろうが誰だろうが理由もなく馬鹿なんて言っちゃダメ」
綾波「謝りなさい」
アスカ「う~でも~……」
綾波「謝れないなら私はもう貴方のこと知らないわ」
シンジ「そ、そこまで言わなくてもいいんじゃないの?僕全然気にしてないし」
綾波「碇君も黙ってて」
シンジ「は、はい(綾波怖い)」
アスカ「わかったわよ……謝ればいいんでしょ謝れば」
綾波「ダメよそんなんじゃ、心からの気持ちで謝りなさい」
アスカ「うっ…」
アスカ「そ、その……シンジ……ば、バカとか言ったりして」
アスカ「ご………ご、ごめん」カアァ
シンジ「ハ、ハハハ……べ、別にいいよ……な、慣れてるし(アスカが僕に謝るだと?)」ゾクッ
綾波「よく言えたわね、偉いわ」
ナデナデ
アスカ「ううっ………」
シンジ「ふぅ………(綾波大先生ありがたやありがたや)」
それからしばらくの後
ミサト「まさかレイまでこの家に住むことになるとはねえ」
ミサト「あのアスカがあんなこと言うとも思わなかったわ」
回想
アスカ「ママと一緒に住めないなら私エヴァに乗らない!」
回想終了
ミサト「エヴァに乗ることが絶対だったアスカがエヴァに乗らない宣言」
ミサト「どんだけレイが気に入ったのよ」
ミサト「ねえレイ」
綾波「なんですか葛城一尉?」
ミサト「あなたはアスカのことどう思っているの?」
綾波「どうというと?」
ミサト「好きとか嫌いとかさ、ほらいろいろあるじゃな~い」
綾波「別に」
ミサト「どうも思わないの?」
綾波「いえ………ただ彼女に懐かれるのは嫌ではありません」
ミサト「ふ~ん……まっあなたも嫌じゃないならそれでいいわ」
その日の夜
ミサト「あらシンちゃん、今日ご飯の味いつもと違うわね」
シンジ「あっ実は今日のご飯、僕じゃなくて綾波とアスカが作ったんです」
ミサト「あら!そうなの!?……なかなか行けるじゃない二人共」
アスカ「ふん!私とママが作ったんだもの当たり前よ!」
綾波「ダメよアスカ慢心しちゃ、何度も失敗したこと忘れたの?」
アスカ「そ、そんなことないわよ」
綾波「ならそんなふうに言わず謙虚になりなさい」
アスカ「は~い」
ミサト「私やシンジくんの言うことは聞いてくれないのにレイの言うことは聞くのね?」
アスカ「あったりまえよ~ママの言うことは絶対なんだから」
ミサト「ママねえ……(こうやって見ると本当にレイがアスカのお母さんに見えるわね)」
ミサト「これでアスカのトラウマも少し収まるかしら」ボソッ
シンジ「なにか言いましたミサトさん?」
ミサト「いいえ何も」
その後
マヤ「使徒が零号機に侵食しています!」
ミサト「まずいわ!レイ脱出して!」
リツコ「無理よ!あの状況じゃできないわ!」
ミサト「なんとかなんないの!?」
綾波「うっ………くっ………」
アスカ「ママ!今助けに行くわ!」
綾波「アスカっ!?……ダメよっ!こっちに来ちゃいけないわ!」
アスカ「なんでよ!?」
綾波「ダメなものはダメっ!……くっ……」
ミサト「レイ!?」
リツコ「まさか……自爆する気!?」
アスカ「嘘でしょ!?」
綾波「アスカ……大丈夫よ、私が死んでも貴方のママはその弐号機にいるわ……」
アスカ「えっ……?」
綾波「本当の……ママがあなたを守ってくれるわ」
ミサト「レイやめなさいっ!」
綾波「フフッ………あなたの作ってくれたお弁当美味しかったわ」
綾波「さようなら………」
アスカ「いやあああああああああああああああああああああああああ!」
ドッカーン!
アスカ「いやああああああああああああああああああああああああああああああ!」
したの……
アスカ「えっ?」
どうしたのアスカ?
アスカ「その声は………ママ………?」
綾波「そうよ、寝てたと思ったらいきなり叫んだりしてどうしたの?」
アスカ「ママ………生きてるの?」
綾波「ええ、私は生きてるわ」
アスカ「じゃあ………今のは夢………?」
アスカ「エグッ………ヒグッ……夢でよかったあ……」
綾波「怖い夢を見たのね」 ヨシヨシ
アスカ「ううっ……ママはどこにも行かないよね?」
綾波「私はどこにも行かないわ」
アスカ「本当……?」
綾波「ええ、私が嘘言ったことある?」
アスカ「ない………」
アスカ「………ねえ」
綾波「なに?」
アスカ「今日はずっとこうしてていい?」
ギュッ
綾波「いいわ」
ミサト「アスカがいきなり叫ぶから何かと思ってきたらこんなことだったのね」
シンジ「大事じゃなくてよかったです」
ミサト「全くね、驚かせてくれちゃって」
アスカ「………」スースー
綾波「………」ナデナデ
綾波「………後どれくらい一緒に居られるかしら?」
綾波「フフッ………」
綾波「あなたは死なないわ、ママが守るから」
アスカ「ママ………」スースー
fin
77 : 以下、名... - 2012/09/26(水) 22:55:02.96 nMaEqvlE0 36/36
以上で終わりです
唐突な終わりですまん
でも>>1の技量じゃこれが精一杯
ご観賞ありがとうございました