1 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:06:42.01 2YbrdDw40 1/52


「お姉ちゃん…体の傷の方は大丈夫?」

「えへへっ…憂は心配性だなぁ…大丈夫だから…」

平沢憂です。最近のお姉ちゃんは体が傷だらけです。

私はそんなお姉ちゃんを見ているのが辛いです。

お姉ちゃんの傷は日に日に増えていきます…

いつからか分かりません。何もしていないのにお姉ちゃんの体に酷い傷が現れるようになりました。

「じゃあ、私、お風呂入ってくるね」

「うん…」




元スレ
唯「憂…」憂「お姉ちゃん…」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1282990002/

2 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:08:05.58 2YbrdDw40 2/52


お姉ちゃんはお風呂に入りに行きました。

私はお姉ちゃんにバレないように脱衣場に行き脱衣場を覗きました。

お姉ちゃんは着ていた衣服をゆっくりと脱いでいます。

「いてててっ…」

お姉ちゃんの体は大きな切り傷や擦り傷で一杯です…

同じ所に何度も傷ができるせいで、一部は皮膚が厚くなってしまっています。

大きな傷は縫った跡もあります。


7 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:10:55.72 2YbrdDw40 3/52


『姉ちゃん…』

悪い事なんて何もしていないのにお姉ちゃんばかり、どうしてこんな目に合わなきゃならないのか…

服を全部脱いだお姉ちゃんの体は、17歳の健康な高校生とは程遠い酷い体をしています。

お姉ちゃんは脱衣場からお風呂場へ入って行きました。

そして、シャワーの音が聞こえてきた時です。お姉ちゃんの押し殺した痛みを堪える声が聞こえてきます…

私はそんなお姉ちゃんの姿を見て、涙が溢れてきました。

『どうして、お姉ちゃんなの…?神様がいるなら、これ以上お姉ちゃんを苦しめないでください…』

私は流れる涙を拭き、リビングへと戻りました。



10 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:12:30.58 2YbrdDw40 4/52


「憂ー、お風呂上がったよ」

「じゃあ、私もお風呂入ってくるね」

「うん!憂ー、アイス食べていい?」

「うん!」

お姉ちゃんは私に傷の心配をさせないために、滅多に体の傷の事は言いません。

普段は私に心配させないように、明るく振舞っていますが本当はとても辛いはずです。

私はそんな健気なお姉ちゃんに心配を掛けないように振舞うのがやっとです。

私は脱衣場に行きました。お姉ちゃんの脱いだ下着には血が付いています。

お姉ちゃんの傷は、古い傷が癒える前に次から次と新しい傷が現れます。

なので、傷が塞がることがありません。


12 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:14:28.20 2YbrdDw40 5/52


「うううっ…お姉ちゃん…」

私はまた涙が溢れてきました。そして、その場にしゃがみ込んで泣いてしましました。

しばらく脱衣場で泣いていると、脱衣場のドアから声がしました。

「憂?大丈夫?開けるよ?」

「あっ…駄目…」

そう言いましたが、お姉ちゃんは脱衣場のドアを開けました。

「どうしたの?憂、泣いてるの?」

「だって…お姉ちゃんが可哀想で…出来る事なら私が代ってあげたい」

「ごめんね…憂に心配かけちゃったね…私は大丈夫だよ」

「でも…お姉ちゃんの傷…」

「うん…でも、大丈夫だから、私のために憂は泣かないで…」

「お姉ちゃん…」

私はお姉ちゃんにしがみ付き泣きました。そんな私をお姉ちゃんは優しく抱きしめ頭を撫でてくれます。

お姉ちゃんは私が落ち着くまでしばらく抱きしめていてくれました。


16 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:17:55.76 2YbrdDw40 6/52


「お姉ちゃん…もう大丈夫…」

「ん?ほんと?」

そう答え、お姉ちゃんの顔を見るとお姉ちゃんはニコッと微笑んでいます。

ああ…どうか神様、このお姉ちゃんの笑顔を何時迄も消さないでください…

私もお姉ちゃんにこれ以上、心配を掛けないように笑顔で答えます。

「憂は笑ってる方が良いよ…それに、私のために泣いちゃ駄目だよ」

お姉ちゃんの言葉にまた泣きそうになりますが、ぐっと堪えてお姉ちゃんに答えます。

「でも、お姉ちゃん、辛くなったら何時でも言ってね?」

「うん!分かったよ、憂」

そうして、私はお姉ちゃんから離れ、お風呂に入りました。



19 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:21:33.88 2YbrdDw40 7/52


お風呂から上がると、お姉ちゃんはいつもの笑顔を見せてくれます。

私も笑顔で答えます。そして、しばらくお姉ちゃんと話をして、12時近くになり寝ることにしました。

「じゃあ、お姉ちゃん、お休みなさい」

「うん!お休み、憂」

そうして、私達はお互いの部屋へと入っていきベットへ入りました。

どれぐらいの時間が立ったのか分かりませんが、私がウトウトとしていると

お姉ちゃんの部屋から悲鳴が聞こえてきました。

私は起き上がり、お姉ちゃんの部屋へと向かい、部屋のドアを開けて中へと入りました。

私は部屋に入りゾッとしました。部屋の中に入った瞬間、血の匂いが鼻をつきました。

お姉ちゃんの方を見ると、お姉ちゃんはベットの上で頭を抑えて蹲っています。


23 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:24:40.50 2YbrdDw40 8/52


「お姉ちゃん!お姉ちゃん!だ、大丈夫?」

私はそう言い部屋の電気を付けました。

そして、お姉ちゃんの方を振り返り見ると、ことの重大さに改めて気が付きました。

お姉ちゃんのベットは血で真っ赤になっています。

私はお姉ちゃんに駆け寄ります、お姉ちゃんは頭を抑えたまま蹲っています。

お姉ちゃんの頭を見ました。お姉ちゃんの頭はパックりと割れ血が吹き出しています。

私は悲鳴を上げてしまいました。

「い、いやーーーっ!!お姉ちゃん!お姉ちゃん!」



27 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:27:21.74 2YbrdDw40 9/52


お姉ちゃんは頭を抑え蹲ったままです。

私は枕元にあったお姉ちゃんの携帯を手に取り、急いで救急車を呼びました。

救急車を呼び電話を切ると、私はお姉ちゃんに寄り添いました。

どうして、お姉ちゃんばかりこんな目に合うのだろう…

お姉ちゃんは、泣いちゃ駄目だと言いましたが涙が溢れてきます。

私の涙がお姉ちゃんの顔に流れ落ちました。

その涙で私が泣いていることに気がついたお姉ちゃんは、小さな声で呟きました。

「憂…憂は泣いちゃ駄目だよ…私の為にも、いつも笑顔でいて…」

そう言うと、お姉ちゃんは気を失い動かなくなりました。


29 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:29:46.96 2YbrdDw40 10/52


気が付くと、私は病院の手術室の前に、ボーっとして座っていました。

私は、手術室のランプを眺めているだけです。

『姉ちゃんに助かって欲しい』今思うのはそれだけです。

そうしていると、手術室のランプが消えました。

中から手術着を着たお医者さんが出て来ました。

医師「平沢さんのご家族の方ですか?」

「はい!あの…お姉ちゃんは?お姉ちゃんは無事ですか?」

医師「手術は成功しました。でも、今後、同じ様な事が起こった場合は命の保証はないと思ってください」


31 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:32:37.50 2YbrdDw40 11/52


お姉ちゃんは助かった…今はそれだけで十分だ…お姉ちゃんが生きててくれればそれで良かった。

手術室の中からお姉ちゃんがストレッチャーに乗せられて出てきました。

私は急いでお姉ちゃんのストレッチャーに向かい、お姉ちゃんに声をかけました。

「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」

私の問い掛けに答えてくれない、お姉ちゃん…私は涙が溢れてきました。

そんな私に、看護師さんが話しかけました。

看護師「今は麻酔が効いてるので、寝ていますから」

「はい…」

私は看護師さんに諭され、お姉ちゃんの乗ったストレッチャーの後を付いて行きました。



32 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:35:58.19 2YbrdDw40 12/52


私はお姉ちゃんが運ばれた病室で、寝てしまってたようです。

枕元で寝入っていた、私の髪の毛を撫でる感触で目が醒めました。

お姉ちゃんの方を見るとお姉ちゃんは笑顔で、私の髪の毛を撫でているお姉ちゃんがいました。

「お姉ちゃん!良かった…良かったよぅ…」

私はそんなお姉ちゃんを見て、また涙が溢れてきました。

「憂…ごめんね、迷惑かけて…」

「ううん…お姉ちゃんが助かって…ホントに良かった…」

私の頬を伝い流れ落ちます。そんな、私の涙をお姉ちゃんは指で拭いてくれましす。

「もう、憂は泣き虫さんだな…私の為に泣いちゃ駄目だって言ったじゃん…」

「だって…お姉ちゃんが死んだら私…私も死んじゃう…」

「死ぬなんて言っちゃ駄目だよ…憂」

「ごめんなさい…」

「あのね…憂、私の話を黙って聞いて欲しいんだ…」


33 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:39:09.38 2YbrdDw40 13/52


「何?お姉ちゃん」

「私の身体に傷が出てくる前にね、見えるんだ…」

「えっ!?」

「信じられないかもしれないけど、別の世界の私が死ぬのが見えるんだ」

「うん…」

「でね、別の世界の私が負った傷が私の身体に現れるの…」

「そんな…どうして?そんなのって酷すぎるよ…」

「うん…別の世界の私の記憶?が見えた時に、別の世界の私の思いも私の中に流れこんできて『痛いよ…死にたくないよ』って…だからね、憂、私は別の世界の私の分まで、この世界で生きて行きたい」

「お姉ちゃん…」

「だからね、私は頑張るから!」

「うん」

お姉ちゃんからのいきなりの告白…あまりにも酷すぎます。

ああ、どうか他の世界のお姉ちゃんが死にませんように…

そして、これ以上、私のお姉ちゃんの身体に傷が現れませんように…


36 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:42:16.41 2YbrdDw40 14/52


お姉ちゃんが入院して数日が立ちました。

掃除当番を終え帰ろうとする私に息を切らした、梓ちゃんが血相を変えてやってきました。

「憂!ちょっと、部室まで来て!」

お姉ちゃんの入院の事は、学校に連絡をしていました。

さわ子先生には、けいおん部のメンバーには知らせないで欲しいとお願いしてたはずです…

「うん…」

梓ちゃんは私の腕を掴むと、グイグイと歩き始めました。

「痛いよ…梓ちゃん…」

「ごめん…」



39 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:46:05.00 2YbrdDw40 15/52


そうして、私はけいおん部の部室へと連れて行かれました。

部室に入るとそこにはけいおん部のメンバーが神妙な顔で私を迎えました。

さわ子先生は私たちの方を見るとバツの悪そうな顔をします。

さわ子「ごめんなさい…憂ちゃん…」

「憂ちゃん、唯が入院したって本当なのか?」

「はい…」

「で、唯は大丈夫なのか?いつ、退院できるんだよ?」

「ちょっ…律!落ち着けって!ごめんな、憂ちゃん」

「大丈夫です…ありがとうございます、澪さん」

「唯ちゃんは大丈夫?」

「はい、来週には退院出来るみたいです」

「ほっ…」

「てか、どうして唯先輩入院なんて事になったの?憂」

「まあ、梓、そこは聞かなくて良いんじゃないか?憂ちゃんにも話したくない事があると思うからさ」


40 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:49:29.35 2YbrdDw40 16/52


「良いんです、あの…私の話、最後まで何にも言わないで聞いてくれますか?」

「ああ、みんなも良いな?」

澪さんの問い掛けに、みなさんが頷いてくれました。

私はここ最近、お姉ちゃんの身体に起こっていた異変に関して話し始めました。

お姉ちゃんの身体に普通では信じられないような傷が現れるようになったこと。

そして、その傷のせいでお姉ちゃんが入院したこと。

私の話にみなさんの顔が歪んでいきます。

確かに信じられないかもしれません、私だって信じたくない…でも、これが現実なんです。

一通り話し終わると、部室内に長い沈黙が続きます。

そんな沈黙に耐え切れなくなった、律さんが話し始めました。

「そ、そんな事ってあるのかよ…嘘だって言ってくれよ、憂ちゃん…」

澪さんと紬さんは下を向いたまま顔を上げません…机の上には涙の雫が沢山あります。

梓ちゃんは今にも泣きそうになっていますが耐えているようです。



41 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:52:56.49 2YbrdDw40 17/52


「でも、事実なんです…お姉ちゃんの身体には今、たくさんの傷ができてます。お医者さんには、今度こんな事があったら命の保証はないって言われました…」

「くそ…なんでだよ…どうしてなんだよ…」

「あ、あの…話にはまだ続きがあるんです。お姉ちゃんが入院した夜に話してくれました。別の世界のお姉ちゃんが死んだときに、私のお姉ちゃんの身体に傷が現れるって、そして、別の世界のお姉ちゃんの心が流れこんで来るって…」

「だからって、どうして唯先輩がこんな目に合わなきゃならないですか…酷すぎます…酷すぎますよ!」

「梓ちゃん…お姉ちゃんは、別の世界の自分の分まで生きたいって言ってました…だから…だから…みなさんもお姉ちゃんを…」

そう言いかけて、私の目からたくさんの涙が溢れてきて、これ以上話せなくなりました。

そんな私を見て、けいおん部のみなさんも泣いてくれています。


42 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:56:01.97 2YbrdDw40 18/52


お姉ちゃんが入院して、1週間が過ぎました。その間、お姉ちゃんの身体に新しい傷が出るようなことはありませんでした。順調に回復してるお姉ちゃんは週末には退院出来そうです。

「お姉ちゃん良かったね、週末には退院出来るってお医者さんが言ってたよ」

「うん!早く、ギー太に会いたいよ、あっ!けいおん部のみんなにも早く会いたいな」

お姉ちゃんは退院出来ると知って、とても嬉しそうです。

お姉ちゃんの笑った顔を見たのは、本当に久しぶりです。

そして、お姉ちゃんは無事、週末に退院しました。



43 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 19:59:27.57 2YbrdDw40 19/52


月曜日、お姉ちゃんは退院後始めて学校へと登校しました。

私はお姉ちゃんの教室一緒について行きました。

教室のドアを開けると、けいおん部のみなさんがお姉ちゃんを見て駆け寄ってきます。

「唯!唯!大丈夫か?」

「えへへっ…ご迷惑をお掛けしました」

「唯ちゃん…良かった…良かったよぅ…」

「ムギちゃん、私は元気だよ!」

「唯…うううっ…」

「わっ!?澪ちゃん、泣かないで!」

「唯…身体の傷の方は大丈夫なのか?」

お姉ちゃんの身体の傷は包帯は取れてました。

傷は髪で隠れてるので見えません。



44 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:04:49.97 2YbrdDw40 20/52


「うん、退院前に包帯は取れたんだ、でも、髪の中みると傷は見えるよ」

そう言って、お姉ちゃんは傷の部分の髪を掻き分けて、みなさんに見せます。

「な、なんだよ…これ…」

律さんはそう呟きました。

他のみなさんはお姉ちゃんの傷に驚き言葉を失っています。

「ん?どうしたの?みんな!暗い顔しないでよ、私なら元気だから、みんな笑って笑って!」

そう、お姉ちゃんが言います。

けいおん部のみなさんは、そんなお姉ちゃんを見てニコッとしてくれました。

そして、私はお姉ちゃんの教室をあとにしました。



45 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:08:41.76 2YbrdDw40 21/52


お姉ちゃんが入院した以降、お姉ちゃんの身体に傷が現れなくなりました。

今まで出来た傷も治り、平和な日々が続くと思っていた矢先の出来事でした。

私の安心は不安へと変わる出来事が起きました。

何時ものように、リビングでお姉ちゃんとテレビを見ていた時です。

お姉ちゃんは頭を押さえて苦しみ始めました。

頭を抱え背中を反って絶叫すると、お姉ちゃんは気絶してしまいました。

一瞬の事でした、私は何も出来ず震えていました。

動かなくなったお姉ちゃんに私は話しかけます、お姉ちゃんは反応しません。

お姉ちゃんの腕を取り脈を確認します。

お姉ちゃんの脈が私の指に感じられます。良かった…お姉ちゃんは生きています。

お姉ちゃんが生きてるのを確認した、私はお姉ちゃんの身体を触って傷ができていないか調べました。

お姉ちゃんの身体には新しい傷は出来ていません。

傷が出来ていないのに、どうして…


46 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:11:35.43 2YbrdDw40 22/52


私が途方にくれていると、お姉ちゃんは気が付き起きました。

「お姉ちゃん…良かった…」

「憂…ごめんね…」

「ううん…ちょっとびっくりしただけだから、お姉ちゃん身体に変化ない?」

「うん、新しい傷は出来てないみたい…でもね…」

「でも?」

「私、3日後に死んじゃうみたい…」

私は時計を見ました。時刻は午後11時50分。そして、3日後は日曜日の午後11時50分って事になる。

お姉ちゃんが日曜日に死んじゃう…




47 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:15:41.67 2YbrdDw40 23/52


「へっ…な、なんで…嫌だよ…」

「なんだかね、たくさんの別の世界の私達がね、トラックに轢かれて死んじゃったみたいなんだ。あまりにもトラックに轢かれて死んじゃったみたいだから、その思いって言うかなんて言うか…上手く言えないだけど、その思いが一つになって、私に届くのが3日後みたいなんだ」

「嫌だよ…お姉ちゃんがトラックに轢かれたわけじゃないのにどうして?どうしてなの!!」

「憂…落ち着いて…こればっかりはどうにもならないよ…」

「嫌、嫌…」

頭を振って泣きじゃくる私を、お姉ちゃんは優しく抱きしめてくれます。

「ごめんね…憂…私も憂とずっと一緒にいたいよ、憂のご飯もっと食べたいよ…」

お姉ちゃんの泪が私の首に落ちるのが分かりました。

私とお姉ちゃんは抱き合ったまま、ずっと泣いていました。


48 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:18:53.05 2YbrdDw40 24/52


私は目を覚ましました。どうやら、昨日はあのまま寝てしまったようです。

横を見ると、お姉ちゃんの寝顔がありました。

幸せそうな顔をして寝ています。でも、お姉ちゃんは3日後に死んでしまう…

私が目を潤ませていると、お姉ちゃんも起きたみたいで起き上がりました。

「ん?憂、おはよう」

「おはよう、お姉ちゃん…」

お姉ちゃんは私の顔を見ると、今にも流れ落ちそうな涙を拭いてくれました。

「憂、泣いちゃ駄目だよ、まだ3日もあるんだから、いっぱい思い出つくろう!」

「うん…」

3日後に死ぬって分かってるのに、どうしてこんな太陽のような笑顔が出来るのだろう…



50 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:23:01.03 2YbrdDw40 25/52


私達は、学校へ行く準備をしました。

お姉ちゃんに学校に行かないで家にいたいと言いましたが、お姉ちゃんはけいおん部のみんなにもお別れがしたいから学校に行くと言いました。

私とお姉ちゃんはみんなに話すのは、放課後にしようと決めて学校へと向かいました。

放課後、私は梓ちゃんと部室へと向かいました。

梓ちゃんは私の雰囲気を察したのか、神妙な顔をしています。

部室に到着し、ドアを開けるとお姉ちゃん達の笑い声がしてきました。

「あっ!あずにゃん!どうしたの暗いよ?」

「あう…」

「憂!憂も入って!」

「うん」



51 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:26:01.51 2YbrdDw40 26/52


お姉ちゃんに言われて部室へと入りました。

律さんも澪さんも紬さんも、眩しいくらいの笑顔です。

「みんなに話したいことがあるんだ?聞いてくれるかな?」

「どうした?唯」

「あのね…」

お姉ちゃんが話し始めようとした時です、梓ちゃんがお姉ちゃんの話を遮りました。

「嫌です!聞きたくありません!」

「あずにゃん…お願い、私の話を聞いて?」

「だって…だって…きっと、悪い話ですよね?そんなの聞きたくないです…」

梓ちゃんは下を向いて震えています。お姉ちゃんはそんな梓ちゃんに歩み寄り抱きしめました。

「あずにゃん…お願い聞いて時間がないんだ…」

お姉ちゃんは梓ちゃんが落ち着くのを待って離れました、そして話し始めました。


55 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:30:46.32 2YbrdDw40 27/52


「あのね、私、日曜日に死んじゃうみたいなんだ…」

「へっ!?何言ってるんだよ?冗談にしては悪ふざけが過ぎるぞ?」

「ううん、本当なんだ…日曜日の午後11時50分ぐらいかな…」

「な、何言ってるんだよ…止めろ、唯!」

「ホントなんだよ、澪ちゃん…」

「嫌よ…嫌…嫌、嫌、嫌!」

「ムギちゃん落ち着いて…」

「どうしてですか?どうして、唯先輩なんですか!」

「あずにゃん…」

「うううっ…もっと、唯先輩と演奏してたいです…」


56 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:34:03.59 2YbrdDw40 28/52


「私もだよ、あずにゃん…私ももっともっとみんなと一緒にいたいよ…もっとたくさん演奏してたい…でも、もう駄目なんだ…他の世界の私がたくさんトラックに轢かれてね…死んじゃって…」

「お姉ちゃん…」

「だからね、みんなにお別れ言いたかったんだ…お別れ言わないでいなくなるのが嫌だったから…」

「うわーん…唯先輩!」

梓ちゃんは声を出して泣き出すとお姉ちゃんに抱きつきました。

他の人達も梓ちゃんを見て、お姉ちゃんに抱きついて泣き始めました。

私もその中に入り、お姉ちゃんに抱きつき泣きます。

「ゆいー、ゆいー…死ぬなよ…」

「唯…死ぬな…」

「唯ちゃん!唯ちゃん!」



58 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:37:31.31 2YbrdDw40 29/52


どれくらい立ったか分かりません。窓から黄金色の夕日が部室内を照らします。

「唯…何かしたい事無いのか?」

「ん?あのね…」

「なに?」

「もう一回、みんなで合宿に行きたい」

「合宿?」

「うん!合宿に行って、みんなといっぱい演奏したい…」

「じゃあ、明日から1泊で合宿に行くか?」

「おい、いきなりで大丈夫なのか?」

「部費ならまだあるぞ!大丈夫!」

「駄目!私の別荘に行くの!」

「ムギ、大丈夫なのか?」

「駄目でも、どうにかする!だって、唯ちゃんと私達の為だもん!」

「ムギちゃん…ありがとう…」


59 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:40:34.76 2YbrdDw40 30/52


そうして、私達は帰り支度をして家路に向かいました。

私とお姉ちゃんは買い物に行きます。

「お姉ちゃん!今日は、お姉ちゃんの好きな物何でも作るよ!」

「ホント?わーい!でも、その前に…」

「ん?何?お姉ちゃん」

「ういー、アイス食べたい」

「うん!アイスもたくさん買おうね、お姉ちゃん!」

「やったー!」




60 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:41:06.56 2YbrdDw40 31/52


買い物を終えて、家に着いた頃です。

お姉ちゃんの携帯が鳴りました。紬さんからメールが着たみたいです。

どうやら、別荘の方がどうにかなったみたいです。

明日は朝早くに、駅に集合です。

「あのね、憂、どうやら私達が最初に行った、ムギちゃんの別荘みたいなんだ! もう、夏も終わっちゃったけど水着どうしよう?」

「もしかしたら、入れるかもしれないよ?持って行こうよ!」

「うん!わーっ、楽しみだよぅ」

お姉ちゃんは満面の笑顔で喜んでいます。



61 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:48:33.71 2YbrdDw40 32/52


翌日、私はお姉ちゃんに起こされました。始めてです、お姉ちゃんに起こされるなんて。

「憂!朝だよ!早く駅に行こ」

「おはよう、お姉ちゃん…って、まだ、6時だよ?」

「だって、早く行きたくって!」

「とりあえず、朝ごはん作って食べてからにしよ?ねっ?」

「うん」

「お姉ちゃん、何食べたい?」

「憂の作るものなら、美味しいから何でも良いよ!」

「うん、分かった!今作るから待っててね!」

朝ごはんを作り、お姉ちゃんと食べました。

お姉ちゃんと食べる、朝ごはんもこれも入れて2回…そう思うとなんだか悲しくなってきます

「憂!顔が暗いよ!駄目だよ?暗い顔したら」

「ごめんね、お姉ちゃん」



62 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:52:37.17 2YbrdDw40 33/52


「憂の作ってくれたご飯、こんなに美味しいんだから、暗い顔して食べたら勿体無いよ」

そういって、お姉ちゃんは私が作ったご飯を美味しそうに食べます。

私もお姉ちゃんに負けないようにたくさん食べました。

食べ終わり片付けをしようとキッチンに食器を下げていると、お姉ちゃんがやって来ました。

「憂、私も手伝うよ」

「ええっ!?お姉ちゃんは座ってて」

「手伝いたいんだ」

「じゃあ、お願い」

お姉ちゃんが後片付けを手伝ってくれている…多分、こうやって片付けるのはこれが最後…

「憂!暗い顔しないの!」

「ごめんなさい…」

そうして、私とお姉ちゃんは朝ごはんの片付けをして、駅に向かう準備をします。


64 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:56:33.93 2YbrdDw40 34/52


「憂!急いで!急いで!」

「待って!お姉ちゃん!」

お姉ちゃんに急かされて、私達は駅へと向かいました。

駅に着くとけいおん部の皆さんはすでに到着していました。

「唯先輩ーっ」

梓ちゃんはが笑顔で手を振ってます。

「みんなーっ!おはよーっ!」

お姉ちゃんもそれに答えます。

「唯、体の方は大丈夫か?」

「うん!楽しみであんまり眠れなかったよ!」

「唯ちゃんらしいね」

「えへへっ」

いつもと変わらない、お姉ちゃん達の会話…

そんな会話をして、私達は電車に乗り込みました。


65 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 20:59:38.96 2YbrdDw40 35/52


「私達が最初に合宿した、ムギちゃんの別荘…懐かしいね」

「そうだな、あの合宿で色んな事が始まった気がするな」

「うん、澪ちゃん、あの時気合はいってたものね」

「そうそう、あの時の澪は気合が入ってた」

「ぶーっ」

「おやおや、あずにゃん、むくれてるのかい?」

「そんな事ありません」

「エヘヘっ、あずにゃーん」

そう言い、お姉ちゃんは梓ちゃんに抱きつきました。

「唯先輩ったら、もう…」

「あっ!このトンネル抜けると、もうすぐだな」

「そうだね、りっちゃん!」

列車は、暗いトンネルへと入って行きました。

そして、トンネルを抜けると、そこには晴天の碧い空とどこまでも続く蒼い海が見えます。

ああ、お姉ちゃんの未来もこうあって欲しかった…


66 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:00:39.95 2YbrdDw40 36/52


別荘に着くとお姉ちゃん達のテンションは今まで以上に上がります。

「じゃあ、最初は海に行こう!」

「そうだね、りっちゃん!」

「だーっ!練習するんだろ!練習!」

「ちぇ、練習なんて後でも出来るだろ!それに、微かに残ってる夏を満喫しないでどうするんだ?」

「そうだよ!澪ちゃん!夏の残りを満喫しないでどうするの?」

「やれやれ、じゃあ、多数決でって…ムギも梓もどうして水着に着替えてるんだよ!」

「決まりだね!澪ちゃん!」



67 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:04:57.35 2YbrdDw40 37/52


私達は各々の部屋に分かれて着替えることにしました。

私とお姉ちゃんは着替えを始めました。

「凄いね、紬先輩の別荘」

「でしょ?最初は凄くびっくりしたよ」

「うん!あっ、お姉ちゃん水着に着替えないの?」

「どうしようかなって思ってさ、だって身体傷だらけだし…」

「そ、そっか…でも、着替えるだけ着替えたら?」

「うん、そうするね…」

そして、お姉ちゃんと私は水着に着替えました。

お姉ちゃんは身体の傷が見えない様に水着の上からTシャツを着て、下は長めの半ズボンを履いています。

私達はみなさんが待っている、入り口へと向かいました。



68 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:06:19.28 2YbrdDw40 38/52


「あれ?どうした?唯」

「あ、うん、ちょっとね」

「そうか?」

海へと向かい、碧い海が見えてくるとお姉ちゃん達のテンションは段々と上がっていきます。

「うう、さすがに少し寒いな…でも、うみーーーーっ」

律さんはそう言うと海へと走って行き、一気に海へと入ってしまいました。

「ひゃーーーっ、水が冷てーーっ!でも、気持ちイイ」

律さんに続くように他のみなさんも海へと向かいます。

でも、お姉ちゃんだけは、みなさんの光景を見ているだけで、海に入ろうとしません。

「どうしたんだよーーっ?唯!」

「私の事は気にしなくていいから、みんな楽しんでーっ!」

そう言う、お姉ちゃんの様子を気にして、律さん達が海から上がってきました。


69 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:09:56.36 2YbrdDw40 39/52


「唯、身体の調子悪いのか?」

「大丈夫ですか?唯先輩」

「ううん、違うんだ…元気なんだけどね…」

「だったら、海に入ろうぜ?気持ちイイぞ?」

「うん、うんとね、私の身体の傷が酷いからさ、みんなに悪いかなって思って…」

「バカ!何、変な気回してるんだよ!脱げ脱げ!海入るぞ!」

律さんに促されて、お姉ちゃんは着ていたTシャツと半ズボンを脱ぎました。
水着から見える、醜い傷にみなさんが絶句します。

「へへへっ…凄いでしょ傷…」

お姉ちゃんは笑いながらそう言います。



71 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:14:30.46 2YbrdDw40 40/52


長い沈黙を破ったのは律さんでした。

「お前ら!何暗くなってるんだよ!唯は唯だろ!」

「うん…そうだよな!唯は唯だ!」

「そうだね」

「唯先輩は唯先輩です!」

お姉ちゃん達に笑顔が戻ります。

「憂も行こ!」

「うん!」

お姉ちゃんは私の手を掴んで、海へ走っていきます。

私もそれに続くように走ります。



73 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:17:37.89 2YbrdDw40 41/52


そうして、私達は海で遊び、夜はバーベキュー、練習を行ないました。

楽しいひとときは終わり、帰る時が来ました。

「楽しかったね!みんな!」

「だな!」

「また来年も来ようね!合宿!」

「だな!」

「あっ…私は来れないんだっけ…来年も来たかったな…」

「唯…」

「唯先輩…」

「ごめんなさい…でもね、私たち放課後ティータイムは、どこに言っても何時までも一緒だよ!」

「そうだぞ!私達はずっと一緒だ!」

私達は別荘を後にしました。

お姉ちゃんに残された時間は、もう1日もありません…

今日の夜にはお姉ちゃんは死んでしまう…

お姉ちゃんが私達の前から居なくなってしまう…



74 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:23:22.55 2YbrdDw40 42/52


私達の街の駅に着きました。私達は私達の家へと向かいます。

太陽は傾き、空は黄金色の夕日になっています。

この太陽が沈んで、暗闇が広がってしばらくしたらお姉ちゃんが死んでしまう…

「楽しかったね!みんな!」

「楽しかったな!唯、他にやりたい事ないか?」

「うーん…いっぱい有り過ぎてわかんないや」

「もう、唯先輩らしいって言えばらしいですけど…」

「あっ!?あった!」

「なんですか?唯先輩!」

「あずにゃーん!スリスリ」

「にゃ!もう仕方ないですね」

「あずにゃんありがとうね」

「はい…」

家へと到着し、私達はリビングで今までの思い出とか色々と話していました。

そんな事をしているうちに私達は疲れて寝てしまいました。


75 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:27:37.60 2YbrdDw40 43/52


どれくらい寝ていたのでしょうか?目を覚ますと、外は暗くなっていました。

私は横にいるお姉ちゃんの方を見ました。

そこには居るはずのお姉ちゃんがいません。

「お、お姉ちゃん?お姉ちゃん、どこ?」

私は周りを見ます。でも、お姉ちゃんはどこにもいません。

「嫌ぁ…お姉ちゃん…お姉ちゃん…」

私の声にけいおん部のみなさんも目を覚まします。

「どうした?憂ちゃん」

「お姉ちゃんが居ないんです…」

「おい!みんな起きろ!唯が居なくなった!」

「ん?へっ?」



76 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:31:08.65 2YbrdDw40 44/52


律さんはみなさんを起こし、お姉ちゃんが居なくなったことを伝えます。

私はお姉ちゃんの部屋へと向かいます。

そして、お姉ちゃんの部屋のドアを開けて部屋の中を見ます。

でも、そこにはお姉ちゃんはいません。

「お…お姉ちゃん…どこ行っちゃったの…嫌だよ…」

私はお姉ちゃんの部屋を出てリビングへと向かいます。

「唯は!唯はいたか?憂ちゃん!」

「いないです…どうしよう…」

「憂ちゃん、落ち着け!みんなで唯を探すぞ!」

時計を見ると時刻は午後11時半を過ぎていました。

もう時間がない…もうすぐお姉ちゃんが死んでしまう…


77 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:34:44.71 2YbrdDw40 45/52


私達は、家の外に出てお姉ちゃんを探しました。

でも、お姉ちゃんは見つかりません。

お姉ちゃん…いったいどこに行ったの?

私は考えました、お姉ちゃんが行きそうな所…

その時、私はお姉ちゃんの部屋にギー太がなかった事に気が付きました。

お姉ちゃんがいるとすれば、あそこしかありません。

私は家の隣の神社へと向かいました。

神社の境内に着くとお姉ちゃんは社の前に居ました。

お姉ちゃんはギー太を背負、何だが一生懸命拝んでいます。

「お姉ちゃん!」

「あっ、憂、どうしたの?」

「だって!お姉ちゃん居なくなっちゃうから…」

「ごめんね…」



78 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:39:52.30 2YbrdDw40 46/52


「何してたの?」

「ん?うんとね、神様にお願いしてたんだ…もう、他の世界の私が死にませんように…みんな楽しく演奏できましようにって…」

お姉ちゃん…もうすぐ死んじゃうのに…

「死んじゃうのは私で最後にして欲しくって、一生懸命お願いしてたんだ」

私の目から涙が溢れてきます。私のお姉ちゃんはここにいるお姉ちゃん、ただ一人…

そして、私はお姉ちゃんに抱きつきました。

お姉ちゃんも私を抱きしめてくれます。

一時、私達が抱き合っていると、けいおん部のみなさんも境内にやって来ました。

「唯!探したぞ!バカ野郎!」

「ごめんなさい、ご迷惑おかけしました…」

「唯…うううっ…」

「唯先輩…」

「唯ちゃん…」

「もう少しで、みんなとお別れだね…」



79 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:44:14.00 2YbrdDw40 47/52


「嫌です!唯先輩…」

「あずにゃん…今までギター教えてくれてありがとね…」

「りっちゃん…りっちゃんが部長で良かったよ…ありがとね…」

「澪ちゃんに会えて良かった…ありがとね…」

「もっと、ムギちゃんがいれてくれたお茶飲みたかったな…」

けいおん部のみなさんは、下を向いて涙を流しています。

「もう、みんな泣かないでよ!笑顔!笑顔!」

お姉ちゃんのそんな問い掛けに、律さんが答えます。

「唯の言うとおりだな!みんな、唯を笑顔で送り出そうぜ!」

律さんの問い掛けに、涙を拭いて笑顔で顔を上げる皆さん…


80 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:48:04.86 2YbrdDw40 48/52


「お姉ちゃん…」

「憂…ごめんね、こんなお姉ちゃんで…」

「ううん、生まれ変わっても私はお姉ちゃんの妹だよ!」

「私も生まれ変わっても、憂のお姉ちゃんでいたい…」

私の目に涙が溢れてきます。その涙をお姉ちゃんは優しく拭いてくれます。

「泣いちゃだめだよ、憂…」

お姉ちゃんは背負っていた、ギー太を下ろして私に差し出しました。

「ギー太、憂にあげるね、天国に持っていけないからさ…私だと思って大事にしてね」

「うん!うん!ずっと大事にする…お姉ちゃんだと思って大事にするよ」

「ありがとう…憂…」

その時でした、お姉ちゃんの肩から金属が折れるような音がして

お姉ちゃんの肩から下がガクッと垂れ下がります。



81 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:52:34.17 2YbrdDw40 49/52


「お、お姉ちゃん!お姉ちゃん!」

お姉ちゃんは目を瞑り、歯を食いしばって痛みを堪えます。

そして、目を開けると満面の笑顔を私に向けてくれました。

「ういー、おわかれだよー」

そう言って、お姉ちゃんは神社の社の入り口のドアを開けます。

お姉ちゃんに泣いちゃダメだと言われましたが、私の目からは涙が溢れてきます。

そうして、お姉ちゃんは社の中へと消えていきました。

お姉ちゃんが社に消えてから、長い沈黙が続きました…

私とけいおん部のみなさんのすすり泣く声だけが辺りを包みます。


82 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 21:57:12.56 2YbrdDw40 50/52


社の中からお姉ちゃんの叫び声がしました。

今まで聞いたことのない、叫び声を上げるお姉ちゃん…

社の中からは、骨が折れる音と、肉がグチャグチャと擦り合わさる音がしました。

お姉ちゃんの叫び声がしなくなり、私達は社の入り口へと向かいました。

社の入り口の下を見ると、真っ赤な血が流れてきました。

私はその血を見て、お姉ちゃんに泣いちゃダメだと言われていましたが

今まで我慢していた感情が一気に溢れ出して

『お姉ちゃん!お姉ちゃん!』と叫び、その場に崩れ落ちました…

ーおしまいー



90 : 以下、名... - 2010/08/28(土) 22:05:06.97 2YbrdDw40 51/52


ーエピローグー

お姉ちゃんが私の前から居なくなって、1ヶ月が過ぎました。

家の中のどこを見てもお姉ちゃんはもう居ません。

夏になると、リビングでグッタリしていたお姉ちゃん…

アイスを食べていいか聞くお姉ちゃん…

もう、そんな私のお姉ちゃんはいません…

でも、ふと感じることがあります、お姉ちゃんはいつも私の横にいて

私に満面の笑顔を向けてくれているような感覚があります。

「お姉ちゃん、ギターって難しいね…やっぱり私のお姉ちゃんは凄いよ…」

私は晴れた日、お姉ちゃんが最後を迎えた神社の社の前に座って

ギターの練習をしています。

ここに居ると、なんだかお姉ちゃんが近くに居るような気がするから…



94 : ◆Nasir.5Zms - 2010/08/28(土) 22:20:15.10 2YbrdDw40 52/52


どうにか完走出来て良かった。
最後はあえてああしました。

唯をいじめるスレが多いので、こんな話もありかと…


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