1 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:22:04.45 EyIJCw6a0 1/13

ミーンミンミンミン


P「ふわぁ~……元気だな、セミ」

P「うるさくて眠れない……」ゴロゴロ



摩美々「あー、サボりの不良はっけーん」

P「ん……?」

摩美々「授業中ですよー。新学期早々サボりとはいい度胸ですねー」

P「んー……」

摩美々「んーー?」

P「んーー……?」

摩美々「角度変えてもパンツは見えませんよー」

P「まさか履いてないからか」

摩美々「センパイの目が抉り取られるからー」

P「ははは、随分エグイの吐くんだな」

元スレ
【シャニマスSS】もしもまみみが高校の後輩だったら
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1567351324/

3 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:27:28.71 EyIJCw6a0 2/13

摩美々「それで、授業中に校庭の木陰でお昼寝している言い訳は?」

P「寝てないぞ。セミがうるさいから」

摩美々「セミは夏の終わりに命を燃やしてるのに、センパイは限られた時間を無駄に過ごしてるんですねー」

P「セミ以下の認定を受けてしまった」

摩美々「悔しかったらセンパイも鳴いてみてくださいー」

P「ぽっぽるぅ~~!!」

摩美々「なんで鳩?」

P「そういえば、セミが鳴くのって求愛行動らしいな」

摩美々「えっ……ごめんなさい。私、好きな人がいるので……」

P「別に摩美々に求愛したわけじゃないが?」

摩美々「ふふー。フラれちゃいましたねー」

P「くっ、なぜか心にダメージが……というか、好きな人いるのか」

摩美々「………ぽっぽるぅー」

P「なんで鳩?」

摩美々「ここの草、寝心地がいいですよねー」

P「そしてお前も自然にサボるんだな」

摩美々「サボりじゃないですー。今の時間、私のクラスは自習ですからー」

P「まったく自ら習っているようには見えないけどな」

摩美々「センパイから人生の指針を習っているところですケド」

P「いつかお前のクラスの担任から呼び出されないか心配だ」

摩美々「何かあったらまみみを守ってくださいねー」

P「赤の他人を装う」

摩美々「ちっ」

P「ちょっと本気でビビったから次からはやめような」

摩美々「やめろと言われるとやりたくなっちゃうんですよねー。悪い子ですからぁ」

P「じゃあやれって言ったら?」

摩美々「喜んでやりまぁす」

P「だろうな……」ゴロン

摩美々「センパイ?」

P「俺は寝るから、3時間目終わったら起こしてくれ」

摩美々「えー?」


4 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:28:22.92 EyIJCw6a0 3/13

P「えーじゃないよ。俺は昼寝しにここにきたんだ。今日は日陰だとちょうどいい涼しさだから」

摩美々「私は眠くないですし」

P「じゃあなんで教室抜け出してここに来たんだ……とにかく、俺は寝る! 以上!」

摩美々「けちー」

P「………」

摩美々「せんぱぁい」

P「………」

摩美々「……ホントに寝ちゃいました?」

P「………」スピー

摩美々「つん、つん……」

P「………」グゥグゥ

摩美々「みーん、みーん」

摩美々「………」

摩美々「ばっどこみゅにけーしょーん」

5 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:29:56.27 EyIJCw6a0 4/13

摩美々「センパイ。せんぱーい」

P「ん……んん? ふわぁ……なんだ、摩美々か」

摩美々「授業、あと5分で終わりですよー」

P「あー……そっか。俺授業抜けてたんだっけ。ありがとう」

摩美々「ずっと隣で待っててあげたんですから、何かお礼が欲しいですねー」

P「お前、本当に寝なかったのか」

摩美々「眠くないって言ったじゃないですか」

P「そうか、それは悪かった。俺にできる範囲で、ひとつ言うことを聞こう」

摩美々「ふふー、言いましたねー?」

P「急に悪寒が」

摩美々「夏風邪ですかぁ?」

P「悪い子ウイルスがやってきたのかもしれない」

摩美々「美少女のウイルスならアリじゃないですかー?」

P「ウイルスはちょっかいかけてくるからなぁ」

摩美々「かんせーん、かんせーん」ツンツンツン

P「そうそうこうやって」

摩美々「そういうわけで、私からのお願いですケド」

P「なんだ?」

摩美々「今日、センパイの自転車に乗せてくれませんか?」

P「俺に歩いて帰れということか」

摩美々「違いますよー。後ろに、乗せてくれませんかー」

P「え?」


6 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:31:14.92 EyIJCw6a0 5/13




P「で? 二人乗りしてどこまで行くんだ」

摩美々「センパイの家ー」

P「冗談はよせ」

摩美々「風が気持ちいいですねー。スカートがめくれそうー」

P「………」チラ

摩美々「うそでーす」

P「冗談は……よせ……!!」

摩美々「さっきと感情のこめ方が違いすぎません……?」

P「とにかく! 行先決めないと、このまま真っすぐ海まで突っ走ることになるぞ」

摩美々「いいんじゃないですかー、海」

P「今日はそこまで行ける体力がない」

摩美々「へたれー」

P「じゃあお前が漕げよ」

摩美々「疲れるのでイヤですー」

P「気が合うな」

摩美々「まったくですねー。あ、私、コンビニに行きたいですー」

P「買い食いか?」

摩美々「悪い子ですからー」

P「不良に付き合うのは大変だな」

摩美々「と言いつつ華麗に方向転換してませんかー」

P「チャリ漕いでたら暑くなってきた。アイス食べたい」

摩美々「気が合いますねー」

P「今日ポイント5倍デーだからコンビニじゃなくてそこのスーパーでいいか?」

摩美々「アイスの品ぞろえ悪くないですか?」

P「わがままだなままみは」

摩美々「今噛みませんでした?」

P「……コンビニへ行ってやろう」

摩美々「ふふー♪」

7 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:32:42.35 EyIJCw6a0 6/13

P「ほら、お前のぶん」

摩美々「ありがとうございまぁす」

P「ここで食うか?」

摩美々「ですねー。センパイ、自転車押しながらだと食べづらいでしょうし」

P「気づかいどうも。じゃ、いただきます」

摩美々「いただきまぁす」



P「夕陽が眩しいな。直で当たると結構ジリジリくるし」

摩美々「まだギリギリ夏って感じの暑さですねー」

P「そういう日だからこそ、アイスがウマいってもんだ」

摩美々「冷たさが身体に染みわたりますね」

P「……にしても、お前の買ったアイスバー、でかくないか?」

摩美々「季節限定特大サイズのチョコバーですよー」

P「特大……そういえば摩美々っていつもなんか食べてるイメージだし、実は大食いなのか?」

摩美々「んー、どうなんですかねー? 確かに甘いものはあるだけ食べちゃいますケド」

P「太るぞ」

摩美々「女の子に太るとかゆーたらあかんばい」

P「何弁だそれ」

摩美々「さあ?」

P「お前たまに思いつきだけで話してるよな」

摩美々「相手は選んでますよー」

P「どういう意味だ」

摩美々「それより、忘れないうちにアイス代渡しちゃいますね」

P「別にいいぞ。一本くらい奢ってやる」

摩美々「払いますよ。センパイに借り作りたくないですしー」

P「あー、借りか。そういう発想はなかったな。じゃあなおさら受け取らな――」

摩美々「はい、130円」ギュッ

P「うわ、無理やり握らせてきた」

摩美々「ふふ、悪用はさせませんよー」

P「ちゃっかりしてるなぁ」

摩美々「悪い子ですからー」

P「関係あるのか? それ……」

摩美々「計算高いってヤツじゃないですかぁ?」

P「言ってる本人が疑問形じゃな……ところで摩美々」

摩美々「なんですか」

8 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:33:35.24 EyIJCw6a0 7/13

P「なんで、手を離さないんだ?」

摩美々「……悪い子ですから」

P「今度こそ関係ないだろ」

摩美々「センパイの顔が赤くなり始めたので、どこまで面白い顔になるか観察してるんですー」

P「なっ……! そ、そういう摩美々の顔も赤くなってるぞ」

摩美々「私は夕陽に照らされてるだけですよー」

P「じゃあ俺もそうだ!」

摩美々「強情ですねー」

P「こうなったら、我慢比べだな」

摩美々(……なんだかんだ、離さないでいてくれるんですね)

摩美々「……ねえ、センパイ」

P「なんだ?」

摩美々「センパイは……ひと夏のあやまちってどう思います?」

P「えっ」

摩美々「そういう、勢いでいっちゃうヤツ……私は、アリだと思うんですよね」

P「お前、それどういう」

摩美々「センパイ……私とじゃ、嫌ですか?」ズイ

P「ま、待ってくれ。いきなりすぎるしまだ心の準備が」


摩美々「はい、一口どーぞ」ギュム

P「つめたっ!?」

摩美々「ふふー。アイスを無償で食べさせてあげるなんて、ひと夏のあやまちはおそろしーですねー」

P「………」

摩美々「どうしましたぁ?」

P「ま……摩美々~~!!」

摩美々「わあ、怒ったー」

P「こうしてやる!」

摩美々「わひゃっ、ほっぺ、ほっぺは痛いですー」

P「まったくいつもいつも――」


9 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:36:21.76 EyIJCw6a0 8/13

………

……





「……でゅーさー」


「プロデューサー?」


P「ん……あ……?」


摩美々「そろそろ打ち合わせの時間って言ってませんでした?」

P「摩美々……俺、事務所のソファーで寝ちゃってたのか」

摩美々「そうですよー。面白い寝顔でしたぁ」

P「……撮ってないよな?」

摩美々「ふふー」

P「イエスともノーとも言ってない顔!」

摩美々「安心してくださいー。撮ってませんよー」

P「はあ……ならよかった」

摩美々「……結構かわいい寝顔でしたケド」

10 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:38:54.51 EyIJCw6a0 9/13

摩美々「プロデューサー? どうかしました?」

P「ああ、いや。なんか、夢を見てたと思うんだけど、中身が思い出せなくてさ」

摩美々「夢?」

P「うん。なんかもやもやするよなー、何見てたかわからないと」

摩美々「思い出したら恥ずかしい夢だったりしてー」

P「うわ、それは嫌だな……思い出すの、やめとくか」

摩美々「ふふっ、賢明ですねー」

P「ありがとうな、起こしてくれて。余裕もって会議室に行ける時間だ」

摩美々「どういたしましてー。今度お礼をよろしくお願いしまぁす」

P「はは、ちゃっかりしてるな」

摩美々「悪い子ですからー」

P「関係あるのか? それ」

摩美々「さあ?」

11 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:41:14.00 EyIJCw6a0 10/13

P「まったく……ああ、そうだ。会議に持ってく資料が」

摩美々「……ふわ」

P「? ひょっとして、摩美々も昼寝してたのか?」

摩美々「……ええ、まあ」

P「摩美々は夢、見たか?」

摩美々「見ましたよー」

P「へえ、どんな夢だったんだ?」

摩美々「……ヒミツ」

P「え? どうして」

摩美々「それもヒミツー」

P「なんだそれ……まあ、いいけど」

摩美々「それより、お礼の件ですケド」

P「なんだ、もう何かあるのか?」

摩美々「プロデューサーの会議が終わる時間と、私のレッスンが終わる時間、だいたい同じですよね?」

P「ああ。俺も摩美々も、その後はフリーだな」

摩美々「なら、一緒に帰りませんかー。私、コンビニでアイスが食べたいですー」

P「別にいいけど……奢ってほしいのか?」

摩美々「違いますよー。8月も終わっちゃいましたし、最後にもう少しだけ夏らしさを味わいたいなーって」

P「あー、確かにコンビニでアイス買い食いは夏らしさ高いな。でも、なんで俺を」

摩美々「暑苦しい人が隣にいてくれたほうが夏っぽいかなーって」

P「あー、なるほど……って! 暑苦しいってどういう意味だ!」

摩美々「そういうとこですよー。やっぱり、プロデューサーにはそれがお似合いですね」

P「お似合いって言われてもな……喜んでいいのか? これ」

摩美々「どうでしょうねー?」

P「そう言うと思ったよ……」

12 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:41:47.95 EyIJCw6a0 11/13

摩美々「あと、できれば自転車の後ろにも乗せてほしいなー」

P「自転車持ってないぞ」

摩美々「ざんねーん」

P「というか、そこまでいったらもうデートみたいだな。手でも繋いで一緒に帰ってそうだ」

摩美々「……いいですよ。手を繋いでも」

P「えっ」

摩美々「セミの抜け殻を仕込んでおきますから」

P「やっぱりイタズラ目的か!」

摩美々「ドキッとしましたぁ?」

P「あんまりからかってると一緒に帰ってやらないぞ」

摩美々「ふふー♪」

13 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:42:31.73 EyIJCw6a0 12/13

摩美々「みーん、みーん」

P「……なんでセミの鳴き真似?」

摩美々「さて、どうしてでしょうー?」




おしまい

14 : ◆C2VTzcV58A - 2019/09/02 00:45:59.94 EyIJCw6a0 13/13

おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
摩美々を後輩にしたかった

過去作
田中摩美々「ふふー、すきだらけですねー」
http://ayamevip.com/archives/53648248.html

などもよろしくお願いします

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