勇者「壊れた」
魔王「はぁ!?」
勇者「それももう粉々、とてもじゃないが使い物にならなくてさ」
勇者「えっと?ゼウス神って言うの?良くわかんねえけど神さまじゃないと直せないみたいで、しかもあと5万年は眠ってるみたいで」
魔王「待て待て、どうしてそんなことになっている??毎度聖剣を持った新たな英雄との戦いを我がどれだけ心待ちにしていると思っているんだ!?」
勇者「だから悪かったって、てか楽しみだったのかよ」
勇者「あの剣、アンタを倒す度にその代の勇者が封印してたらしいんだけど、どうも度重なる封印に剣が耐えられなくなっちゃったみたいでさ、なんの負荷もなくあっさり封印といたらパラパラと…」
魔王「ふ…ふざけるな!!良くもその体たらくで我の前におめおめと姿を現せたものだな!あの剣なしで我を倒そうなど、最大限の侮辱行為に等しい!!万死に値…」
勇者「怒るなって!一応その代案ってか作戦は練ったからさ。はいよろしくー」
魔王「む?」
元スレ
魔王「良くぞここまで…貴様聖剣はどうした?」勇者「ああ、聖剣?実は…」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1563955969/
ガラガラガラ
兵士達「勇者さま、こちらですか?」
勇者「おう、サンキュー、危害が加わらないうちに帰ってくれ」
兵士達「へへぇ」
魔王「なんだそのやたらと巨大な荷車は」
勇者「ああ、古今東西あらゆる武器を持ってきた」
魔王「それで報告が上がってから、ここに貴様が到達するまでやたら時間がかかったのか」
勇者「ほら、聖剣なくてもこんだけ武器あったらどれかしら効きそうじゃん?」
魔王「……舐めてくれるじゃないか、全て試すまでに貴様がくたばらなければいいな」
勇者(バンッバンッ
魔王「ぐお!?何か飛んできたぞ」
勇者「あー、まあリボルバーは効かないか。まあ弾丸普通のだしな」
魔王「もう始まってるのか!!?というか剣以外もあるのか!?」
勇者「記録!しっかりと書き留めといてくれよ!」
記録「えっと、一般的なリボルバー銃…リボルバー銃…あった!効果なしと」
魔王「リストを作成している!?真面目にやってるのか貴様!?」
勇者「だから真面目にやってるだろ、特攻効果が認められるものがあればそれが次回から聖剣になるんだから」
魔王「頼むから聖剣を直す方向を諦めないでくれ!!」
魔王「ええい!まずそのふざけた荷車を破壊してくれる!!魔弾よ!」ビシッ
ドカーン
勇者「あ、やべ」
魔王「ふっふっふ…む?」ビシッ
勇者「良かった、粉々の聖剣を代償にはった結界はうまく作動してるみたいだ!」
魔王「荷車に対魔王結界を張るんじゃない!」ビシッビシッ
勇者「いやだってあれが人類の希望だし」
魔王「人類の希望はお前だろ、自覚を持て!!」ドカッ、バシ
魔王「さっきからシレッといろんなもん投げるんじゃない!」
記録「ハリセン…ダーツ…ブーメラン…投げ斧…丸太…効果なしと」
魔王「しかもしょぼいモノばっかりじゃないか!!なぜ持ってきた!!」
勇者「仕方ないな、じゃあちょっとそれっぽいの…」チャキ
魔王「ほう、なんだそのオモチャは?」
勇者「数々の龍を葬ったとされる伝説の剣、『ドラゴンスレイヤー』これも封印されてたんだけどな」
魔王(ほう、やっと面白そうなものが出てきたじゃないか)
勇者(シュッ…!
魔王「む、消えただと」
勇者「後ろだ!!」
魔王「ぬ!?」ドカッ
勇者「……効いた?」
魔王「いや全く」
勇者「やっぱドラゴンにしか効かないのかな、スライムも切れなかったし。こうなってくると伝説も怪しいような」
記録「やっぱり単にその剣を使ってた人が強かったってオチなんですかね?」
勇者「つかこの剣本当に『ドラゴンスレイヤー』なのか?効いた話と形状もなにもかも違うじゃねえか」
魔王「しっかり調査してから持ってこい!!」
~数分後~
魔王「」
勇者「これもダメか…データはどうだ」
記録「リスト見る限りでは、少しくすぐったいと感じたこの槍と、火傷を負わせることができたこの矢から、傾向が見えてきそうなんですがね」
勇者「つってもほぼ効果0だと、次になに選べば良いか検討がつかないな」
魔王「……飽きた」
勇者「おいおいそりゃないぜ、こっちは世界の命運かけて来てるんだから」
魔王「やかましい!その割には呑気に分析してるじゃないか!!黙ってれば人で実験するようなマネしやがって!!」
記録「お、口調が少し変化しましたね!」
勇者「精神異常効果が出てるのか!?どれだ、どれが効いたんだ」
魔王「違うわい!!ここまで心踊らぬ戦いがあるか!!」
勇者「まあまあその楽しい戦闘とやらは、アンタに効く武器が判明してからでも遅くないじゃないか」
記録「そうですよ、少し落ち着いて。もうちょっと付き合ってくださいよ」
魔王「我も反撃しているというのに貴様らが未だ無傷なのも気に食わん!!」
勇者「そりゃまあ、勇者の名に相応しいぐらいには鍛えてるんで」
記録「私も記録が務まるぐらいには」
魔王「記録なんて役職今までないだろう!!!魔法使いとか、僧侶とか戦士とかそういう有象無象はどうした!!?」
勇者「流石に聖剣すら持ってない勇者の戦いに巻き込むのはちょっとさぁ……」
魔王「そこまで考える頭があってなぜこの作戦でここに来るんだ、我に失礼だろう!!」
魔王「……興が冷めた、我は少し眠ってくる」
勇者「え」
記録「え」
勇者「部屋に戻って行っちゃったぞ」
記録「眠るってどれくらいなんでしょうかね」
勇者「いや、アイツ現代でも目を覚ますまで二千年は寝てたらしいぞ」
記録「しかし前回はやっつけた結果眠りについたんですよね?それとは状況が違うんじゃ」
魔王側近「魔王様!私も助力し…魔王様!?魔王何処に?」
勇者「なんかいじけて寝に戻っちゃったんだけど」
側近「なんだと…?」
勇者「この場合どれくれい寝るんだ?」
側近「魔王様が自らご就寝なされた場合は500年は起きないと聞いているが」
~~魔王撃退~~
勇者「ヤバい!まだ聖剣に変わる武器見つかってねえぞ!!」
記録「ど、どうしましょう!このままでは次回の勇者様に示しがつきません!」
勇者「お、おいお前。魔王の側近だろ!?頼むから叩き起こして来てくれ!」
側近「バカを言え!!そんな無礼なマネができるか!人間という奴が本当に……」
ゴゴゴ...
勇者「なんだ?」
記録「じ、地震ですね」
勇者「おい、側近」
側近「気安く呼ぶな。魔王様が意識を失ったのだ。魔王城は力を失い崩れるぞ」
勇者「そういうメカニズムなの!?」
記録「脱出しましょう!!!」
勇者「急げ急げ…あ!荷車!」
記録「2人で運び出すのは無理です!早く脱出魔法を」
勇者「チクショー!」ワ-プ
記録(ワ-プ
側近「お、終わったのか?私も今一度眠りに……」
~時は流れ~
勇者「ここが聖剣の眠る地」
魔法使い「その最深部ね、あの宝箱の封印を解けば」
勇者「ああ…」
パカッ
魔法使い「どう?」
勇者「剣はないが…これは?」
魔法使い「『対魔王戦におけるあらゆる武器の効果について』…なにこれ?」
勇者・魔法使い「え、聖剣は?」
~完~