1 : 以下、?... - 2019/07/13 23:03:24.012 1VjANKk50 1/21

打ち止め「さてそれでは、新約とある魔術の禁書目録完結と、とある科学の一方通行放送を記念して───」

携帯「」アシタハレールカナー♪ソラヲーミルー♪ピッ

一方通行「………わりィな、急用だ」スッ

打ち止め「えー!?せっかくの記念日なのにー!?記念日記念日記念日ーっ!!って、ミサカはミサカはほっぺをぷくーっと膨らませてみたり」

一方通行「すぐ戻る」ガチャ

打ち止め「むう……悪いことしちゃダメだよ?ってミサカはミサカはあなたの背中を見送ってみる」

──────────

一方通行「…つまり、このメールに書かれている奴を倒せばイイわけか」

一方通行「まずは>>4」

元スレ
一方通行「よォは、俺が禁書キャラと戦うスッドレなンだろ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1563026604/

4 : 以下、?... - 2019/07/13 23:04:47.641 5puNcYl60 2/21

垣根

7 : 以下、?... - 2019/07/13 23:12:34.529 1VjANKk50 3/21

一方通行「……というわけだ」

垣根「それは困りましたね……私にもレベル5としての誇りがあります。そう簡単に負けるわけにはいきません」

一方通行「だろォな。…いくぞ」ピッ

白い怪物はより白い男の元へと一気に突っ込む。

グチャッ

その勢いのままありったけのベクトルを叩き込み、未元物質の塊たる目の前の男を粉砕する。

垣根「相変わらずの破壊力ですね」モコモコモコ

しかし一人の垣根帝督が死亡しても関係なく、次の垣根が形成される。

8 : 以下、?... - 2019/07/13 23:20:35.955 1VjANKk50 4/21

垣根「わかっているとは思いますが、私という人格は能力によって生まれ続け、私という能力は人格によって生まれ続けます。今の私に死の概念などありません」

純白の男は鋭利な翼を叩き込む。

一方通行「あァ、わかってる」スッ

ドォン!!

しかし元が未元物質である限り、そのベクトル自体を操る怪物には届かない。

一方通行「そして、このままオマエを土竜叩きみてェに潰し続けりゃ、いずれ別の人格が芽生え今のオマエという司令塔が崩壊することもな」グチャッ

垣根「っ…」モコモコモコ

その瞬間を実際にその目で見た側からすれば、メビウスの輪のトリックなどその程度だと、怪物は笑う。

垣根「……しかし、あなたの能力には30分というバッテリーの限界があります」

垣根「どちらの消耗が早いでしょうね」バサッ

男はその体より白い翼を広げ対する怪物の弱点を指摘する。

9 : 以下、?... - 2019/07/13 23:30:14.331 1VjANKk50 5/21

一方通行「あァ、その通りだ」

己の欠点を素直に認め、しかし怪物は笑みを崩さない。

一方通行「だから単純にオマエを壊し続けるのもイイが、…どォせやるなら完全勝利だ」バサッ

そして、白い怪物も同じように、白く眩しい翼をはためかせる。
しかし対する未元物質とは違い、頭上には同色の光の輪が出現する。

一方通行「オマエの再生速度より、早く潰す。その方がすっきりすンだろ」

垣根「っ!?」

そして、天使のような体躯の少年がもたらす破壊の渦が、白く染まった世界を蹂躙した。


一方通行「まァこンなもンか」スタッ

垣根「ぁ…っ、ぐっ…」パキパキパキ

モコ……モコ……

一方通行「その体、一人分再生すンのにまだかかるだろ。じゃあな」ドンッ

白い戦いを征した勝者はその場を後にした。

10 : 以下、?... - 2019/07/13 23:31:13.798 1VjANKk50 6/21

──────────

一方通行「次は>>13か、面倒くせェな」

12 : 以下、?... - 2019/07/13 23:35:05.397 +UoK8le/0 7/21

どの時点の一通かね

14 : 以下、?... - 2019/07/13 23:38:37.996 1VjANKk50 8/21

>>12
最新刊時点

13 : 以下、?... - 2019/07/13 23:36:48.544 +UoK8le/d 9/21

初春

16 : 以下、?... - 2019/07/13 23:43:32.993 1VjANKk50 10/21

初春「それじゃあお先に失礼しまーす」スッ

黒子「お疲れ様ですの」

ガチャ

初春「さてと、今日はもう疲れたし家に帰っt」トンッ

初春「うっ…」ドサッ

一方通行「…………こいつ、能力者でイインだよな」

一方通行(……チッ、とりあえず統括理事長権限でこいつの住所特定して送り届けるか)ドンッ

──────────

18 : 以下、?... - 2019/07/13 23:48:08.406 1VjANKk50 11/21

一方通行「俺はタクシーでも夜行バスでもねェぞ」スッ

初春「………」

初春「……ぐー…ぐー…zzZZ」

一方通行「こいつ、家の中まで蹴り飛ばしてイイか」

コンヤハホーシガーキレーイネーダーカーラキーットー♪

一方通行「チッ……次は>>20か」

20 : 以下、?... - 2019/07/13 23:51:25.656 DvQkGWp40 12/21

オティヌス

21 : 以下、?... - 2019/07/14 00:01:00.903 7/oIZD340 13/21

オティヌス「夜遅くに意識のない少女を拉致するとは中々だな、人間」

先ほどまで何もなかったはずの空間に、魔女を模した容姿の少女がつっ立っていた。

一方通行「あ?」

一方通行(こいつどこから来やがった……いや、それより確か……)

オティヌス「ああ、私の所在は気にするな。見ての通り100%だ」

一方通行(チッ……あの無能力者(レベル0)、何かしくじりやがったのか…?)スッ

ドゴォォン!!

目の前の少女を視界に入れつつも、近くの壁を粉砕し『ゴミ』を作り出す。
それらの瓦礫や塵はひとたび渦を巻くと、新聞紙のドレスにクラゲを模した半透明の悪魔に早変わりする。

22 : 以下、?... - 2019/07/14 00:13:52.283 7/oIZD340 14/21

クリパ『にひひ……って、また「魔神」ですかぁ!?つくづくご主人様って面倒なのを相手しますねぇ』

一方通行「チッ、やっぱり『魔神』か……」

クリパ『とてもじゃありませんが私達の手に負える相手じy』

一方通行「だが、その方が今の俺の力を試すのに丁度イイ」ニヤッ

クリパ『えぇー……って言いたい所ですけど、仕方がないのですう』

総体『全力全開のあいつが相手なら、確かに仕方ないか/return』

総体『……ミサカネットワークの全権を託す/return。悪魔ちゃん、咎人/return。今/backspace、ここにある全てを使って、守りたいものを守ってみせろ!!』

クリパ『「第三の樹」(クロノオト)とアクセス……計算式への代入を確認』


白い怪物の背中から、青く輝くプラチナの翼が現出する。

23 : 以下、?... - 2019/07/14 00:25:18.750 7/oIZD340 15/21

オティヌス「なるほどな。…それが、あらゆる位相を重ねた先にある純粋物理科学の力か」

しかしその力を前にして、隻眼の少女は嗤う。

オティヌス「こいよ、人間。今のお前がどの程度の力を持つかテストしてやる」スッ

魔術の神は両手を広げ、歓迎するように宣言する。

一方通行「いくぞ」ゴッ

一方通行は呼応するように翼を広げ、正真正銘の神へと叩きつけた。

ガリガリガリ…

オティヌス「っ!?これは……この力は…!」

クリパ『言っておきますけど、この「翼」に魔神の再生能力は通用しません。…人間人間って、ご主人様を舐めんなですう!!』

オティヌス「ちぃっ…!」ヒュン

一方通行「消えやがったか…ごふっ」

怪物の口が赤く染まる。
能力者による魔力精製の反動。あまり長居はできない。

総体『大丈夫/return。奴の居場所なんて、何億何万回と観測した私なら見当がつく/return』

クリパ『ご主人様、こっちですう!』バサッ

25 : 以下、?... - 2019/07/14 00:39:45.934 7/oIZD340 16/21

オティヌス「なぁ……もしもお前が魔神の力をもう一度手にしてしまったら、お前なら、どうするんだ?理解者」

隻眼の少女がいたのはとある高校の校舎だった。時間は深夜、少女の佇むグラウンドに、月の明かりが灯る。

一方通行「──見つけたぜ、オティヌス!!」ギュンッ

オティヌス「ちぃっ!」ガシッ

魔神の神は、突如空間を歪めて飛来した『槍』を握る。
『主神の槍』(グングニル)。北欧の神の長の象徴。

オティヌス「くだらん……魔神への攻撃手段一つで何ができる!」スッ

槍を軽く振るうと、一方通行の向かう上空の座標を中心に、説明できない力の爆発が幾千億と巻き起こった。
夜空一面が無限の爆風に包まれる。

一方通行「ッ!」ギュンッ!!

自身のベクトルを強引に変え、何とかグラウンドに着地する怪物。

オティヌス「どうした?食らってもいないのに顔色が悪いぞ」

一方通行「っ…うるせェよ」

26 : 以下、?... - 2019/07/14 00:52:40.406 7/oIZD340 17/21

一方通行「オマエ…クリファパズル545の話を聞く限りじゃ、世界そのものを一瞬で消し飛ばしちまえるはずだ」

オティヌス「………」

一方通行「なぜ、その力を行使しない?ふざけてやがンのか」

オティヌス「……一発でケリがついたらつまらないだろう?」

クリパ『……確かに「魔神」とは神に成り上がり己の望む願いを手にした者の集まり。その先にあるのは「退屈」ですう。だから戦いという暇潰しが、すぐに終わってしまうのは避けたい、というのもわかりますう』

オティヌス「…………」

クリパ『でも、じゃあどうしてそんなにも悲しい顔をしているんですう?まるで「再び神と成ったことで、何かを失ってしまった」みたいに』

オティヌス「黙れ」

一方通行(……ヤツから感じ取れるのは、明確な怒り。図星か)

オティヌス「……いいだろう」

オティヌス「オッレルスとの悪縁にも辟易したものだが、奴が私の強さに対するこの世界の限界だと思っていた」

オティヌス「全く、まさか次から次へと『魔神』に立ち向かえる因子が誕生していくとは」

ヒュン

風を切る音が聞こえた。
それは、かの『槍』を改めて握り直すための動作だった。

一方通行「………」

オティヌス「……難儀なものだよ、この世界の…可能性というヤツもな!!」

28 : 以下、?... - 2019/07/14 00:59:23.569 7/oIZD340 18/21

その叫びが、引き金となった。

一方通行&オティヌス「ッ!!」

一方通行とオティヌスは同時に踏み込み、そして破壊の渦が炸裂する。
時間は止まった。
空間は圧搾された。
そんなありきたりな概念など、もはや意味を持たなかった。

────ひとつ、その槍の本質は投げ槍である。
────ひとつ、その槍を投げれば必ず標的へ命中する。
────ひとつ、その槍は途中で撃ち落とされる事も、破壊される事もない。
────ひとつ、その槍は標的を貫いた後、必ず持ち主の手へ返る。
────ひとつ、その槍は人間の権威の象徴を打ち砕く。

パリーン!!

その槍が神の手から放たれた瞬間。
世界なんて、粉々に吹き飛ばされた。

29 : 以下、?... - 2019/07/14 01:17:47.221 7/oIZD340 19/21

クリパ『あわわわわわわわ……』

時間が戻る。
空間の広がりを一方通行は再び認識する。
投擲された槍に合わせ、空間ごと引き千切られるように『元の世界』が粉々に砕け散っていく。
もしも、あの時、こうしていれば、こんな世界もあったのだろうか。あるいは、見方一つ変わったあんな世界が。
そんな様々な位相が、現れては消える。
そして、その怒濤の勢いを乗せた世界の破片は、あらゆる位相の壁を打ち砕き、1本の巨大な槍の形状を形作る。
全てがめくれ上がった。
オティヌス自身にとっても忌むべき、可能性の芽が潰えた漆黒の迷宮が顔を覗かせる。


一方通行「……確かに今の俺は、所詮は魔神に一矢報いる力しかないのかもしれねェ」

一方通行「今日まで学園都市を、そして世界を見てきて、本当の『最強』の意味を知った」

一方通行「結局『最強』なンてものは存在しねェ。頂点気取って歩みを止めた時点で、そいつはただの『強者』でしかねェ」

自身の答えを言葉にしていくことで、『それ』を確固たるものにしていく。

一方通行「つまりオマエは……いや、全能を手にして歩みを止めたオマエ達は、最強なンかじゃねェ。だから」

少年の頭上に浮かぶ、プラチナの輪から、感情の昂りに呼応するように光輝く。

一方通行「──今のオマエだけなら!!俺は、乗り越えられる!!」

青く輝く輪から同色の『槍』が形成され、もう一つの『槍』と激突する。

オティヌス「その……形は…!!」

一方通行「意趣返しだ。胸に刻んで帰りやがれ、クソったれ」

30 : 以下、?... - 2019/07/14 01:28:06.024 7/oIZD340 20/21

そして。
そして。
そして。

──────────

クリパ『ご主人様…!ご主人様!』

一方通行「ハッ⋯⋯!?」

一方通行はそこで目を覚ました。

一方通行「っ……」

クリパ『よかった…ですうぅ……』ズズズ

一方通行(チッ、汚ねェ面しやがって……)

一方通行(考えろ……こういう時、あの無能力者ならなンて声をかける……)

一方通行「……悪ぃ、心配かけたな」

クリパ『ぶえっ、ご、ご主人様からそんなこt……ブヒヒッ足ッ、足の指はブヒヒッブヒヒよくないッ…んですう!!』ビクビク

一方通行「世界は……無事みてェだな」

クリパ『ですう……あれは夢だったのか、あるいは……』

──────────

31 : 以下、?... - 2019/07/14 01:36:15.798 7/oIZD340 21/21

──────────

オティヌス「全く……」

隻眼の少女は一人呟く。

オティヌス「槍で世界が消えた時点で、あの人口悪魔は『総体』の補助を受けられないだろうに」

オティヌス「意識の元となるクローン達が消滅しているんだ。私に喧嘩を売るならその力を全て自分の物にしてからにするんだな」

しかしその言動とは裏腹に、魔術の神は笑みを浮かべている。

オティヌス「だが……私に傷を負わせたのはあいつ以来でもある。よくやったよ、怪物」スッ

少女は立ち上がり、辺りを見回す。

オティヌス「『元の世界』はサービスだ。もっと強くなって、また戦いたいものだな」


とある世界は、今日も平和です。

終わり

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