斉藤「帰りなさいませ紬お嬢様」
紬「はーい、…ただいまもどりました」
斉藤「いかがなされまし…」
紬「いいの!だまってて!!」
斉藤「は…はぁ、失礼いたしました」
紬「…はい、これコート」ぶすっ
斉藤「はい!おあずかりいたします!」
紬「わたし、部屋に行くから…」
斉藤「かしこまりました、お夕食の準備が調いましたらお迎えにあがります」
紬「…、はいはい」
わたし、琴吹紬はいらついていた…
わたしの大好きで、楽しみな軽音部…
みんながいちゃいちゃしてくれる…
それだけでわたしの心は躍る…
でも、
なんで気付いてしまったのかしら…
この気持ちに…
最近気がついたこの思い…
軽音部のとあるひとりの子に惹かれているいること…
気付かなければどれだけ楽だったか…
気付かなければどれだけ苦しい思いをしないですんだのか…
あの子が嬉しそうならば私もうれしくなり…
あの子が辛そうならば私もつらくなる…
だけどその嬉しそうな顔や、辛そうな顔が…
私に向けられているものではない…
紬「くやしい…」
私がこの感情に気付かなければ…
軽音部はなにもなく、いつも通りに活動をし…
私はその軽音部を動かす歯車のひとつでいられる…
あの子の気持ちが…
私に少しでもむいてくれれば…
どれだけ嬉しいのだろう…
だからあの子の笑顔を向けられている梓ちゃんが憎い…
かわいい、かわいいと持てはやされ…
私のすきなあの子の笑顔をいっぱいもらっている…
そんな梓ちゃんが憎いの…
憎いの…
殺してしまいたいくらいに…
唯「あっずにゃぁ~ん♪」だきっ
梓「//ちょっと、唯先輩!」
律「お!暑いのによくやりますなぁ!」
唯「だってねぇ、あずにゃんとこうしてるのがたーのしぃんだもーん!」ぎゅう
紬「あらあらあらあら♪」
今日も軽音部はこれだ…
梓ちゃんがきてからずっとこう…
羨ましい…
唯ちゃんに抱きしめられて幸せそうな梓ちゃんが…
紬「…いいな」ぼそっ
律「おアツいですねぇ唯さんや」ニシシ
唯「うん!だーってねぇ、あずにゃんのことだーい好きだもーん♪」ぎゅうっ
紬「!!」
梓「ちょっと、だから、先輩///」イヤイヤ
ガシャン
律「?」
澪「どうしたんだムギ、平気か?」
紬「あ…、ごめんね」あせあせ
紬「っいたい!」
律「平気か?ムギ!!」
唯「?ふふ~ん♪」
唯ちゃんは…
唯ちゃんは気にも留めてくれないのね…
紬「…!」ダッ
律「お、おい!ムギ!!」
澪「…あぁ、血?へ?ぇ?ムギの血?」あわあわ
律「ムギをおいかける!唯、梓!割れたカップを片付けてくれ!」ダダダッガチャ
唯「へ?わ、わ、わかったよ!」
梓「…!」あせあせ
紬「はぁ…はぁ…」タッタッタ
さすがに堪えるな…
わかってる…
唯ちゃんは別に私がどうなろうと気に留めない…
でも…
わかってても正直につらい…
紬「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
紬「…」ピッ
紬「斉藤!車をまわして!」
律「はぁ…はぁ…」たったった
律「さ、さすがのあたしも…、これは…」ぜえぜえ
律「はぁ…、どこにいっちゃったんだよ…ムギ…」
律「…電話するか」ピッピッ
「おかけになったお電話番号は現在、電波のと…」
律「電源、…きってるのか」
律「ただいまー」
澪「あわわわわわ…ムギ血!だめだ!ムギ!血ぃ!」ガクガク
律「いつまでやってんだよ、澪…」
梓「律先輩!ムギ先輩は?」
律「!!ちょっと貧血起こしたみたいでな、家の人が病院につれてくって…」
唯「えぇ!?ムギちゃん平気なのー?…心配だよぅ」
律「へ、平気にきまってんじゃん!てなわけで今日は解散!唯はムギん家にかばんを届けてやってくれ!」
唯「了解しました!りっちゃん隊員っ!!」びしっ
律「おう、じゃあこのしゃーない澪はあたしと梓で送りますか…」
梓「はい…」
澪「血!血!なんて見えない…見てない…」ブツブツ
紬「…」
斉藤「お嬢様?」
紬「…」
斉藤「お嬢様、お屋敷に到着いたしました」
紬「あ、…ええ」
斉藤「お召し物をお預かりします」
紬「…」
斉藤「お嬢様?」
紬「ごめんなさい、少し部屋で休むわ…」
斉藤「は、はぁ…」
紬「…」
私らしくない…
カップを落として指を切って…
それ程動揺してしまった…
辛いから…
あの場から逃げたくて…
走って逃げてきてしまった…
はしたない子ね…
私って…
斉藤「…はい」
斉藤「…さようでございますか」
斉藤「…お嬢様のためにわざわざご足労頂き」
斉藤「…ええ、お嬢様は自室でお休みになられております」
斉藤「…はい、かしこまりました」ガチャッ
斉藤「…」タッタッタ
コンコン
紬「?」
紬「なにかしら?」
斉藤「お嬢様、ご友人様がかばんを届けてくださいました」
紬「…あ、はい、ありがとう」
斉藤「それで、是非お嬢様のお顔をと…」
唯「やほっ☆ムギちゃーん大丈夫?」ガチャッ
斉藤「こ、困ります!平沢様!」
紬「…!!」
紬「…ってぇ」ぼそっ
紬「出てって!」ぽいっぽいっ
唯「む、ムギちゃん…」
紬「み、みんな出て行って!!」ぽいっ
斉藤「!!…お嬢様、お、落ち着いてください!」がばっ
紬「さ、斉藤もよ!聞こえなかったの?」ばたばた
斉藤「平沢様、申し訳ありません…私と一緒にご退室ねがいます…」
唯「…は、はぃ」しょんぼり
…ぱたん
紬「…はぁ…はぁ」
唯ちゃんを見たとき…
本当はとっても嬉しかった…
でもなぜか唯ちゃんの笑顔が…
慈悲に満ちてるような気がして…
悲しかった…
梓ちゃんに向けられる笑顔とは違う何か…
そんな目で見られる気がして…
私の心は壊れそうだった…
斉藤「コーヒーでよろしかったでしょうか?」
唯「へ?え…はっ、はいぃ!」
斉藤「お召し上がり下さい」すっ
唯「はいっ!い、い、い、いただきまっす!!」ずず
唯「えへぇ~、苦いよぅ」
斉藤「こ、これは大変失礼いたしました、ミルクと砂糖です」ささっ
唯「は、は、は、はい、くるしゅうないぞよです!」ぼちゃぼちゃ
斉藤「…」ニコニコ
唯(こ、今度はあまあまだよぉ…)ずずっ
斉藤「先ほどはお嬢様が大変失礼いたしました」ペコリ
唯「そ、そ、それほどでもぉ…じゃなくて!そ、そんなことないですっ!!」
斉藤「最近、お嬢様のご様子が少し…」
唯「…」
斉藤「平沢様、おりいってお願いがあります」
唯「ふぇ?」ぴくっ
斉藤「どうかお嬢様のこと…」
唯「そ、そ、そんなこと頼まれなくても!」
斉藤「…?」
唯「大丈夫でっす!紬ちゃんはずーっと私の!大親友だからっ!」てーれってれー
斉藤「…」くすっ
唯「…あ、あれぇ?」
斉藤「…この斉藤、心から感謝させていただきます」ペコリ
斉藤「…」パンパン
「はい」
斉藤「平沢様を送ってさしあげてくれ」
「はい、かしこまりました」
斉藤「ご自宅までお送りさせていただきます」
唯「は、はいぃ!ありがとうございますっ!」
斉藤「本日はまことにありがとうございました」深々礼
唯「い、い、い、いえいえいえいえ!!」
斉藤「また、遊びにいらしてください」
唯「は、はいっ!」
斉藤「…今度は紅茶をご用意します」バタン
唯「はいっ//」
斉藤「それでは…、だしてくれ」
ブロロー
コンコン
斉藤「…紬お嬢様」
紬「なに?お説教ならまにあってるわ」
斉藤「いえそのようなことでは…」
紬「…だったら何!?」
斉藤「お嬢様はお気付かれになっていらっしゃらないかもしれませんが…」
斉藤「お嬢様はいいお友達をお持ちになられた…」
斉藤「平沢様はとても良いお方ですね…」
紬「…」
紬「……ええ」
斉藤「失礼いたしました」コツコツコツ…
紬「…うぅっ」
唯ちゃんはとってもいい子…
こんな私を気遣ってくれて…
でも私はとってもわるい子だわ…
勝手な想像で悲観的になって…
私の大切な友達を追い返してしまったんだもの…
疲れたわ…
こんな自分がイヤ…
紬「少し眠りましょう…」
コンコン
斉藤「紬お嬢様、失礼します」がちゃり
紬「ふぁあ…どうかしたの?」
斉藤「よろしければ…コーヒーをお持ちしました」こぽこぽ
紬「あ…、ありがとう、斉藤」すっ
斉藤「お待ちください!お嬢様!!」ばっ
紬「え?…何?」
斉藤「…」ぼちゃぼちゃどぼどぼ…
紬「な、何のつもり!?」
斉藤「お待たせいたしました」すっ
紬「?…えっ?」
斉藤「平沢スペシャルでございます」にこっ
紬「…ふふふっ、ありがとう」こくっ
紬「とっても、甘いのね…」
ちゅん
ちゅん
紬「…なんだか学校、行きたくないわぁ」ハァ
紬「みんなに会うのも、唯ちゃんに会うのも…怖い…」ぱくぱく
斉藤「紬お嬢様、そろそろ学校に向かわれませんと…」
紬「…不安なの……」ぼそっ
斉藤「…」
斉藤「それではそんなお嬢様にご提案がございます」
紬「?」
斉藤「今日はいつも抑えてる感情を素直に出してみてはいかがでしょうか?」
紬「そ、そんなの難しいわぁ!?」
斉藤「…お難しい…と?」
紬「そうよ!それで、みんなとギクシャクしたり」
斉藤「お言葉ですが、そのようなことにはならないのではないでしょうか」
紬「?」
斉藤「私が見ている限り、皆様そのようなお方ではないともわれます」
紬「…」
斉藤「特に…平沢様は」
紬「!!」
キーンコーン
カーンコーン
律「澪、昨日あれだけこわがってたのに…」
澪「だーもう!うるさいぞ律!!」
律「血!ムギ!っ血!ひぇ~~」
澪「りーつーーーーー!!」ガバッ
律「ひゃー!とうとう本性をあらわしたかー!」だだだっ
唯「あははは、は…はぁ~」
唯(ムギちゃん、…学校来るのかなぁ?)
紬「しゃらんらしゃらんら~」トコトコ
紬「憂ちゃんおはよ~♪」
憂「あ!ムギさん、おはようございます」ぺこっ
紬「梓ちゃん、いるかな?」にこっ
憂「あずさちゃーん」
梓「?」
憂「ムギさんいらしてるよ~!」
梓「あ、おはようございます!ムギ先輩!」たったった
紬「…」
紬「…ふふっ」
梓「…ん?どうしま」
紬「…」がばっ
梓「ひゃっ//」
紬「うふふっ♪」むぎゅぅう~
梓「む、む、む、む、ムギ…せんぱ…///」あたふたあたふた
紬「これからはいいライバルね!」ぎゅうぅ~
梓「へっ、え?ムギ先輩?//」カァッ
紬「ぜーったい、負けないんだから♪じゃあまた、放課後に」
梓「…ふえ?//」
たったった
律「たーはぁー!お、おちつけ澪!」わたわた
澪「…おいつめた、、…おいつめた」ひひひ
紬「おはよ~♪」
澪「あ!ムギっ!昨日は平気だったか?」ばっ
律「おはよっムギさまっ!救世主だぜっ!」
紬「平気よ!ごめんね?ちょっとあわてちゃって…」
唯「あ!ムギちゃぁーん♪」
紬「ゆいちゃん!」
唯「よかったぁ!よかったよぉ」ぐすっ
ありがとう、唯ちゃん…
私のためにその涙…
紬「唯ちゃん、昨日はごめんなさい」ぺこっ
唯「そ、そんな゛ことな゛ぃよっ…」うぅ
これからは…
自分に素直に…
紬「唯ちゃんだーいすきっ♪」むぎゅっ
おわり
49 : 以下、名... - 2010/07/19(月) 18:40:43.16 qXEJKVAV0 33/73
いやいや・・・おわらんだろ
50 : 以下、名... - 2010/07/19(月) 18:41:50.79 +3o/UBl20 34/73
終われないですかwwww
52 : 以下、名... - 2010/07/19(月) 18:46:01.22 +3o/UBl20 35/73
素直に嬉しいのですが…正直蛇足に成りかねないので
とりあえずない頭をフル回転させてきますので、少し休憩させてください
どもっどもっ!放課後ティータイムのキュートなリーダーりっちゃんこと
田井中律でーっす!
今朝の一件からどことなくムギちゃんの様子がおかしいようです…
実況させていただきたいとおもいます!
しばしお付き合いください!
さてさて、当のムギちゃんなんですが
時折唯を チラッ と見ては
紬「…えへへ♪」
を繰り返しています
そして相手側の唯ちゃんはそーんなムギに気がつくと…
唯「…はっ!えへっ」ぱちっ☆
とウインクを返す…
その様な攻防が放課後まで続き…
律「今に至るわけでございまs」
ゴスッ
澪「ったく、いつまでブツブツ言ってるんだ」
律「…いてて」しょぼん
唯「ねえねぇ~?ムギちゃん、今日のお菓子っはなぁにかなぁ~♪」るんるん
紬「うふふ、今日はねぇ♪」
紬「“ムギ”茶 と “ムギ”チョコ にしてみたの~//」ババーン
律澪「!!!!」
唯「…!」
紬「夏だから、しーっかりミネラルを補給して練習がんばりましょぉー♪」ふふっ
律「おーっと、これは 大 変 分かりやすいアプローチですね、澪さん!」コソコソ
澪「な、なんで私まで実況に入らなきゃ…」ぼそっ
唯「…」
唯「…ムギちゃぁーん」ぽつり
紬「…ど、どうしたの?…唯ちゃん?」
唯「今日は、ケーキがよかったなぁ…」しょぼーん
澪「おーっと!ここで平沢選手!まさかのこの返しです!!!!」いきいき
律「…へ?」オイ
わなわなわなわな
紬「………」ぴっ
紬「…も、もしもし!斉藤!?今すぐケーキを用意して!大至急よ!!」
澪「む、ムギ…そこまでしなくても」
律「…、そだぞー、麦茶に麦チョコ、夏だぞー唯…」
紬「澪ちゃんとりっちゃんには関係ないのっ!」ぷくーっ
澪「お、お、おちついてくれ、な!ムギっ!」
律「…あわわわ、こんなムギ、初めてだ…//」
がちゃっ
梓「…みなさんこんにちは」
唯「あっ!あーずにゃぁーん♪」だきっ
梓「…んっ//」
律「よ、よう!あずさっ」
澪「おー、梓…」
梓「!!」
梓「こ、こ、こんにちは!ムギ先輩///」
梓「///」
今朝、ムギ先輩に抱きつかれてから…
なんか意識しちゃう…
いいライバルとか、ぜぇーったい負けないとか…
なんだったんだろ…
気になるなぁ…
紬「!!」
来たわね梓ちゃん…
来てそうそう唯ちゃんに抱きつかれて…
羨ましい…
!! 違うわっ、それでこそ我が良きライバルじゃない…
ここは
紬「あらっ、こんにちは!あずさちゃん♪」しゃら~ん
梓「!!///」ぺこっ
私は混乱してきた…
律「きょうはお菓子が麦チョコで唯のやつったらさ…」
梓「わ、わたし!いただきます//」ぱくぱく
唯「…なんだかあずにゃんがおいしそうに食べてるから、わたしもたべたくなってきちゃったよっ!」ぱくぱくぱくぱく
澪「…そ、そうか」
紬「あらっ、よかったぁ♪」
斉藤「…」ぽつーん
ジャジャーン
ダカドドッ
律「今日はなーんか妙にあってたような…」
澪「…だな」
律「よーし、じゃあおわりにすっか!せっかくだからアイス食いに…」
唯「今日ムギちゃん家に遊びにいってもいいかなぁ!?」
紬「!!」
唯「昨日のおじさん…なんだっけ、さ…」
紬「斉藤のこと?」
唯「そうそうっ!斉藤さんがね?また遊びにきてって…」るんるん
紬(…斉藤っ!よくやったわぁ~!!)
唯「それでねそれでねっ!斉藤さんが…」
梓「…わ、わたしもっ//」
紬「…?」
梓「わたしも…!ムギ先輩の家に遊びに行きたい…、です…//」
唯「そうだよっ!あずにゃんもいっしょーっ♪」だきっ
律「じゃ、じゃあ!わたしもっ」
澪「!!」バッ
律「んーっ!」もがもが
澪「そっか!じゃあわたしと律はアイス屋さんにいこう!そうしよう!」ギロッ
律「そ…そーしましょ…」
紬「…あらっ♪じゃあちょっと待っててね」
ぴっ
紬「もしもし、斉藤?」こそこそ
斉藤『はい、お嬢様しかとお聞きしました!』
紬「そ、そう…、今日の予定だけど…」こそこそ
斉藤『はい、既にすべてキャンセルさせていただきました』
紬「!…ありがと、車を回してもらえる?」こそこそ
斉藤『はい、既に学校の脇に停車させております』
紬「わかったわ!ありがとっ」ぴっ
斉藤「お嬢様…、ご武運を……」ぐすっ
梓ちゃんがくるのは少し気が引けるけど…
ダメよ!正々堂々戦うと決めたじゃない!
すべては公平に執り行われるべきなのよ…
ぶろろろろー
斉藤「ようこそいらっしゃいました、平沢様、…そちら様は」
梓「な、中野梓と申します…!」あわあわ
唯「あだ名は、あずにゃんですっ!」ふんすっ
斉藤「…」
斉藤「コホン…、平沢様、中野様、ようこそいらっしゃいました」
唯(…がーん、スルーされちゃったよ)
梓「…」ぺこっ
斉藤「お嬢様は、お着替え中です…」パンパンっ
「はい」
斉藤「平沢様と中野様だ、客間までご案内さしあげなさい」
コンコン
斉藤「紬お嬢様、失礼します」
紬「ちょっと!斉藤!どういうことなの!?」ぷんぷん
斉藤「…はい?お気に召しませんか?」
紬「あ、あ、あ、あたりまえでしょ!なんで普通のお洋服がないのよっ!」
斉藤「これは失礼いたしました…、ですがお嬢様、今日は大切な日と存じ上げ…」
紬「だからってドレスはないじゃない!!」ぐすっ
斉藤「で、ですがお嬢様…」
紬「も、もういいわ!唯ちゃん達の相手をしてあげてっ!」
斉藤「…失礼します」
ぱたん
タッタッタ
コンコン
斉藤「失礼します」
唯「あぁ~!斉藤さんだっ♪」るんるん
斉藤「…」ぺこっ
斉藤「…」こぽこぽ
斉藤「…」さっさっ
斉藤「マルキーズ・ドゥ・セヴィニェ、…アッサムティーになります」
梓「へっ…は、はいっ」
唯「コーヒー苦手なの覚えててくれたんだねっ♪」
斉藤「お嬢様の大切なお客様です、お客様の好みは全て覚えさせていただいております」ニコッ
斉藤「それと、こちら…」
唯「あぁ~!あずにゃん!おいしそうなケーキだよっ」ぱたぱた
斉藤「…ごゆっくりおくつろぎ下さい」ペコッ
唯「おっいしっいねぇ~♪ねぇ、あずにゃ…?」ぱくぱく
梓「…」カキーン
唯「あずにゃん?」つんつん
梓「っ…!!はぁ・・・はぁ…はぁ…」
唯「?」もぐもぐ
梓「ゆ、唯先輩よく平気ですね…」
唯「なんでぇー?斉藤さんはいい人だよぉ?」
梓「そ、そ、そ、そうじゃなくて…」あわあわ
コンコン
紬「唯ちゃん?梓ちゃん?入るわよっ♪」
紬「ど、どうかしらぁ?//」しゃらん
梓「…!//」
唯「…」ぽとっ
紬「…」
比較的フリルの少ないシンプルなものをえらんだけど…
この反応…
そうよね…
変よね…
ち、ちがうのよ!これは斉藤が…
斉藤がろくでもない気を使うからっ…
紬「…」じわっ
唯「すごいよっ!すごい可愛いよムギちゃん!!」きらきら
梓「…」ぶくぶくぶくぶく
紬「…ほ、ほんとなの?//」ぱぁーっ
唯「うんうんっ♪お姫様みたい」ひしっ
紬「///」ポッ
唯「これから新郎平沢唯、新婦琴吹紬の結婚式を執り行います!!」ふんすっ
紬「あらあらあらあらっ//」テレテレ
唯「ほら、泡なんて吹いてないでよぉ!司会はあずにゃんなんだからっ!もうっ!」ぷんぷん
梓(…新郎役、変わってくださいっ!!)
紬「わ、わたし…!結婚式ごっこするの、夢だったのぉ~♪//」
斉藤「…お嬢様」ぐすっ
唯「いえーす!マイすうぃーと!スウィーテストっ♪」ほっぺちゅっ
紬「…!//」カァッ
紬(今、死んでもいいわ…)
梓「ちょっ!唯先輩っ!」がたっ
斉藤「失礼します!」バッ
唯「!」
紬「!」
梓「!」
斉藤「…、よろしければお写真でも?」コホン//
唯「いいねっ!よろしくお願いしまっす!!」
梓「…//」こくこくこくこく
紬「題名は両脇に花婿さんねっ♪」
斉藤「…では」パシャッ
唯「ムギちゃんは二人の花婿さんをもってしあわせだねぇ♪」るんるんっ
梓「現像したらください!絶対に!//」
――――――――――
―――――
唯「夕食おいしかったね!あーずにゃんっ!」
梓「は、は、はいっ!」
紬「あらあら、よかったわ♪」
梓(緊張で味なんてわからなかったです//)
斉藤「失礼します」がちゃっ
斉藤「平沢様、中野さま、ご送迎の準備が調いました」
紬「あら?二人ともとまってかないの?」
唯「え?いいの?ムギちゃん!!」ぱぁーっ
紬「ええ♪」
唯「やったぁ!じゃ憂にメールだねっ」めるめる
梓(おおお、おあかあさんきょは、せんぱいのいえにとまらせてもっももらうから!!!11)めるめるめるめる
かぽーん
唯「ムギちゃん家のお風呂ひろ~~いっ」きゃっきゃっ
梓「ちょっと、唯先輩はしゃぎすぎですっ!」
唯「おっとと!」つるっ
ごしごし
ごしごし
梓「そ、そういえばムギ先輩は?//」
唯「ん~?お父さんに呼ばれたから先に入っててって」わしゃわしゃ
梓「そ、そうですか…」
唯「あずにゃんはムギちゃんあらぬ姿がみたかったんだぁ~♪」ざばー
梓「そ、そ、そ、そんなんじゃないです!//」
唯「どうしたのあずにゃん?赤くなって」にやにや
梓「ちょっとのぼせただけですっ!///」
唯「…それでは!おさきですっ」ざぶーん
梓「あっ!わたしも!」たたっ
唯「んん~っ!きもちいいねぇあずにゃ~ん♪」
梓「はい…」
唯「あずにゃんはさぁ~?」
梓「…?」
唯「ムギちゃんのことが好きなんだよねぇ~?」
梓「!!!!!」///
唯「いぃーじゃんい~じゃぁん、わたしとあずにゃん二人だけの ヒ ミ ツ ♪」ニヤニヤ
梓「///」ぷいっ
唯「…」
梓「…//」
唯「さぁー、そろそろあがるよっ」ざばぁ
梓「は、はい!わたしも」ざぱぁ
唯「あのね?あずにゃん」ふきふき
梓「…はい?」ふきふき
唯「ムギちゃん…、おそっちゃおっか//」ふきふき
梓「!!」ぴたっ
梓「そ、そんなのダメ…です…//」
唯「えぇ~?あずにゃん、自信ないのぉ??」ふきふき
梓「…!」
梓「やったるですっ!!」ふきふきふきふき
唯「ふぅー、さっぱりだよっ♪」
斉藤「平沢様、中野様、よろしければ」すすっ
唯「おぉ!あ、あいす~~!さっすが斉藤さんだねっ」ぱくぱくっ
梓「あ、ありがとうございます」ぱくっ
斉藤「お嬢様は今からご入浴ですので、客室でお先にお休みください」
斉藤「そちらをお召し上がりになりましたら、お迎えにあがります」
唯「…」
梓「…」
唯「作戦…失敗だね…」しゅん
梓「…はい」しゅん
紬「しゃらんらしゃらんら~♪」
紬「…ふぅ、もう唯ちゃんたちねちゃったかしら?」
斉藤「平沢様と中野様は客室にお通ししました、ご就寝されているかと…」ささっ
紬「…あら残念、お休みの挨拶をしたかったのに」しゅん
紬「しかたないわ…、また明日の朝食にでも♪」るん
紬「斉藤!今日は本当にお疲れ様でした」
斉藤「い、いえ、…お役に立てて光栄です!」
紬「いいえ、よくやってくれたわっ!ありがとっ♪」
斉藤「…」深々礼
紬「それでは、お休みなさ~い♪」
唯「…あずにゃん!ここで寝ちゃダメだよっ!」
梓「ふぇ…?あきらめるんじゃ…?」ねむねむ
唯「何をいってるのぉ~あずにゃん!敵を欺くにはまず見方からだよっ!」ふんすっ
唯「ささっ!枕を持ってムギちゃんのお部屋に突撃だぁ~!」
梓「…はぃ」ねむねむ
ささっ
ささささささっ
唯「隠密行動はわたしとあずにゃんの得意分野だもんねっ!」
梓「ちょっ!先輩!しずかに!」しっ
唯「おっとと!あぶないあぶない…」
斉藤「いかがなされました?平沢様、中野様」
唯「今からムギちゃんの部屋に奇襲をかけるところでありますっ!斉藤体長!」ビシッ
斉藤「…さようでございますか」
梓「!!」あたふたあたふた
斉藤「…コホン」
唯「あ゛!!」
唯「あのっ…そのですねっ?あずにゃんのお腹の具合が良くないっていうものですから」おほほほほ…
梓(無理がありますよっ!!)
斉藤「…」
斉藤「…お嬢様のお部屋までご案内します」
唯「!!」
梓「!?」
斉藤「お嬢様へのサプライズプレゼントと捉えさせていただきましたが…?」
唯「そ、そ、そうなんですっ!この寝心地のいい枕を」おほほほほ…
梓「それ客室のじゃないですか!」
斉藤「…」
斉藤「…それではご案内しましょう」スタスタ
唯「…」とことこ
梓「…」とことこ
斉藤「こちらがお嬢様のお部屋になります、それでは…」
唯「あ、ありがとうごぜえますっ!」ビシッ
梓「!」びしっ
斉藤「…平沢様、中野様」
唯「…!」
梓「…?」
斉藤「…ご武運を」スタスタスタスタ
唯梓「は、はい!」ビシィッ!!
斉藤「……ふふっ」
唯「とうとうここまでたどり着いたね!あずにゃん!」
梓「…は、はいっ!」
唯「この扉の向こうに捕らわれの姫ツムギーヌがいるんだねっ!!」うるうる
梓「………はいっ!」(のってやるか)
唯「準備はいいね!いくよっ!!」がちゃっ
唯「ツムギ~っヌ!助けに参ったぞよっ!!」だだっ
梓「//わー!!」だだだっ
唯「ベットにぃ!ダーーーーーイブっ!!」とおっ
梓「…だ、だ、だ、ダーーーイブ//」とぉ
紬「…んん」スースー
梓(あれ?起きない…)
唯「はっ!!たいへんだよっ!あずにゃん!!」
梓「え?」
唯「ツムギ~ヌはあの有名な毒りんごで永久の眠りにっ!」真剣
梓「…はぁ//」
唯「ここは…!!」
唯「こうだっ!!!」ぶちゅー
紬「!!!!!!!」ぱちっ//
梓(////////)
唯「やった!やったよぉ!ツムギーヌが目を覚ましたっ!」
紬「ゆ、ゆ、ゆ、ゆっ!ゆいちゃん///」ぱちくり
梓(こ、これは酷い…//)きょとん
唯「ほらっ!あずにゃん!喜びのもふもふたーいむだよっ!」
梓「!」
梓「…」ぷるぷる
梓「や//…やってやるです!!」もふもふもふもふっ
紬「ちょっ、だめぇ~!あずさちゃんまでっ」
唯「えへへぇ~、むっぎちゃーん」すりすり
紬「ゆっゆいちゃん//」ポッ
梓「…」もふもふもふもふ(真剣)
紬「もっもう!あずさちゃんも、くすぐったい…♪」
唯「捕らわれの眠り姫ツッムギ~ヌ!!」がばっ
紬「///」
唯「今夜は寝かせないぜっ」キリッ
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――――――――――
そんなこんなで朝を向かえ…
ゆいちゃんと梓ちゃんは帰っていきました…
紬「斉藤!傾いてる!」
斉藤「はっはい!」ババッ
紬「…」
紬「…うん♪」
【例の写真】
勇者ゆいとその仲間戦士あずさと捕らわれの姫ツムギーヌ
おわり
118 : 以下、名... - 2010/07/19(月) 23:21:33.22 +3o/UBl20 73/73
以上でおわりです、お目汚し失礼しました
そして大変長らくお付き合いいただき、まことにありがとうございました!