1 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 20:58:58.76 Luo2BRRc0 1/43


「お姉ちゃん、ハンカチ持った?」

「うん、大丈夫だよ~」

「財布、タオル、携帯……はバッグにいれたよね?」

「うん、万事オッケー!」

「これで準備完了だねっ」

「手伝ってくれてありがとね!じゃあういー、行ってくるねー」

「行ってらっしゃいお姉ちゃん!気をつけてね~」

「ほいほ~い。あっ、お土産楽しみにしててね~!」



2 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:01:41.52 Luo2BRRc0 2/43


「うん、楽しみにしてるねっ」

「憂はお土産何がい~い?やっぱり食べ物がいいかなあ?」

「お姉ちゃんが選んでくれたものなら何でもいいよ?」

「う~ん……」

「お姉ちゃん、それより早く行かないと……」

「あわわっ、そうだった!それじゃ今度こそ行って来ま~す!」

「行ってらっしゃい!」

ガチャ、バタン


4 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:03:36.06 Luo2BRRc0 3/43


「……」

「……ふう」

こんにちは、平沢憂です。
たった今お姉ちゃんを送り出しました。
今日から明日の夜まで、お姉ちゃんは軽音部の皆さんとお出かけなのです。

「明日の夜まで、かあ……」

せっかくの夏休み。
お姉ちゃんと一緒にいられないのは少し残念だけど……

「いっぱい楽しんで来てね、お姉ちゃん♪」


5 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:06:16.51 Luo2BRRc0 4/43


……

「よいしょっと……」

何もしないのは退屈だから、大掃除を敢行することにしました。
お姉ちゃんの部屋、リビング、お風呂場、トイレ、玄関、廊下、最後に私の部屋……
広い家なので少し大変ですが、やっぱり綺麗になっていく様子を見るのは楽しいです。

「ふんふん♪」

ついつい鼻歌まで歌っちゃいます。

「うんしょ、うんしょ……」

床はとくに念入りに。
掃除機をかけた後、固く絞った雑巾でピカピカに磨き上げます。


6 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:10:59.86 Luo2BRRc0 5/43


「ん、んっ」

隅々までゴシゴシと。
でも、力を入れすぎても良くないので、うまく調整しながら一心不乱に床を拭きます。

「よっし、完璧!」

埃一つ無くなった床を見て、思わずガッツポーズ。
何故こんなに真剣にやっているのかというと、夏場はお姉ちゃんがゴロゴロと転がるからです。
その様子はすごく可愛いので大好きなのですが、可愛いお姉ちゃんが汚れる姿は見たくありませんからね!

「あっ、もうこんな時間だ」

チラッと時計に目をやると、短針がちょうど真上に来ていました。
あっという間にお昼時。
お姉ちゃんを送り出したのは朝早くのことだったので、いつの間にか何時間も掃除をしていたようです。


8 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:15:08.02 Luo2BRRc0 6/43


「……」グー

もうお昼の時間だと気づくと、お腹も何か食べたいと要求してきました。
まったく、現金なものです。

「掃除はこれくらいにして……えっと次は」

せっかくの良い天気なので、お洗濯を済ませてからご飯にしようかな?
窓の外を見ると、雲一つない青空が広がっています。
梅雨も明けて、絶好のお洗濯日和ですね。

「え~と、洗濯物は……」パタパタ


9 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:18:59.22 Luo2BRRc0 7/43


……

「……」モグモグ

お昼は簡単にチャーハンを作りました。
ついついお姉ちゃんの分まで作ろうとしてしまったことは内緒です。

「……」モグモグ

美味しくできたはずなのに、何だか味気ない気がします。
お姉ちゃん、今何してるのかなあ……
さっきまでは気にしていなかったのですが、一度考え出すと頭から離れません。

ダイスキー、ダイスキー、ダイスキーヲア・リガ・ト♪


10 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:22:31.07 Luo2BRRc0 8/43


「!」

この着信音は……
お姉ちゃんからメールです!

『暑いようい~』

「……ふふっ、お姉ちゃんってば」

メールにはお姉ちゃんが梓ちゃんに介抱されてる写真が添付されていました。
お姉ちゃん、暑いのに弱いからなあ……

「水分補給を忘れないようにしてね、っと……」

素早くメールを打ち、返信。
ついでに梓ちゃんにもお姉ちゃんをよろしくね、とメールを。


11 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:25:23.05 Luo2BRRc0 9/43


『分かった~。お土産楽しみにしててね~♪』

『あはは、頑張るよ。アドバイスよろしくね?』

「ふふふっ」

何だか元気が出てきました。
遠くにいても、元気を与えてくれるお姉ちゃんはやっぱりすごいと思います!
よ~し……

「頑張るぞ~!」


13 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:28:26.07 Luo2BRRc0 10/43


……

「えっとここは、この『なる』が伝聞の助動詞だから……」

午後からは宿題に取り掛かりました。
古文は得意なので、スイスイ進みます。

「んっ、またメールだ」ピッ

「あはは、お姉ちゃんまた……」

お昼にメールが来て以来、お姉ちゃんと梓ちゃんから逐次報告メールが届くようになりました。
おかげで寂しい思いもあまりすることがありません。
梓ちゃんには以前寂しくて泣いちゃったところを見られているので、心配されているのかもしれませんね。
ありがとうお姉ちゃん、梓ちゃん。

「よ~し、ガンガン行くぞ~!」

古文完了!
時間はたっぷりあるので、色々な教科に手を出せそうです。


14 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:32:16.20 Luo2BRRc0 11/43


「うう……分かんない……」

お次は数学です。
少し苦手なので参考書を見ながら解いていたのですが、難しい問題にぶつかってしまいました。

「お姉ちゃんにメール……は、やめておいたほうがいいよね」

せっかく軽音部の皆さんと楽しんでいるのに、勉強の話をするのは無粋ですよね。

「う~ん……。あっ、そうだ!」

私には頼りになるもう一人の『お姉ちゃん』がいるんでした!
えへへへ……


17 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:35:56.37 Luo2BRRc0 12/43


……

「ここは公式をつかって……こう」

「ふんふん」

「最後にこれを①式に代入すれば……」

「わあ、解けた!」

「ふふ、お役に立てて良かったわ」

「ありがとう和ちゃん!ここどうしても分からなくて……」


18 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:39:07.94 Luo2BRRc0 13/43


「また和ちゃんって……」

「えへへ、二人っきりだからいいでしょ?」

「ま、憂が呼びたいならそれでいいわ。それにしても、憂にも分からない問題とかあったのね」

「もちろんだよ~、和ちゃん買いかぶりすぎ~」

「ふふふ、買いかぶってるつもりはないわよ?」

頼りになるもう一人のお姉ちゃん……和ちゃんに勉強を教えてもらえることになりました!
いつもは敬語なのですが、二人きりなので昔みたいに『和ちゃん』と呼ばせてもらってます。
和ちゃんは本当に大人っぽく笑うなあ……
私の密かな憧れです。


20 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:44:36.41 Luo2BRRc0 14/43


「それにしても……」

「ん?どうかしたの?」

「教えてもらえるのは凄く嬉しいんだけど……迷惑、じゃなかったかな?」

ポツリと、隠れていた本音が出てしまいました。
勉強を教えてほしい、という気持ちもあったのですが、実は寂しくて誰かと一緒にいたいと思って和ちゃんに電話をかけてしまっていたのです。

「……」

でも、和ちゃんは三年生……つまり受験生です。
私のわがままに付き合ってもらっちゃって……
迷惑、だったよね……?


21 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:48:19.01 Luo2BRRc0 15/43


「馬鹿ねえ、憂は……」スッ

「あ……」

ナデナデ、と。
和ちゃんが私の頭を撫でてくれています。
何だろう、すごく落ち着く……

「私と憂の仲じゃない。いつでも頼ってくれていいのよ」ナデナデ

「ん……和ちゃん……」

「……」ナデナデ

「……」


24 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:53:29.81 Luo2BRRc0 16/43


「それに……唯がいなくて寂しかったんでしょ?」

「ええっ!?な、何で……」

「見てれば分かるわよ。何年付き合ってると思ってるの」クスクス

「うう……」

どうやら和ちゃんには全部お見通しだったみたいです。
うう、顔から火が出そうだよぅ……

「それと……」

「え?」


25 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 21:58:48.48 Luo2BRRc0 17/43


「私も……ずっと一人で勉強してるより、誰かと一緒に勉強するほうが嬉しいし、ね」

「……えへへ」

ポツポツと本音を話してくれた和ちゃん。
そっぽを向いてしまったので一瞬しか見えなかったけど、ほんのり頬が赤くなっていました。
和ちゃん可愛い!

「さ、さあ続けるわよ」

「は~い♪」

胸のモヤモヤもなくなったことだし、勉強勉強!


26 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:01:42.70 Luo2BRRc0 18/43


……

「憂、塩はどこに置いてるの?」

「あ、そこの引き出しの奥だよー。ちょっと取りにくいところだから私が……はいっ」

「ありがと」

和ちゃんと二人の勉強会が終わると、夕食の時間となっていました。
今日のお礼に夕食をご馳走しようと思ったのですが、和ちゃんも手伝いたいとのことなので二人でお料理です。
和ちゃん、手際いいなあ……

「どうしたの、ボーっとして」

「わっ!?な、何でもないよー!ただ和ちゃんは料理上手だなあって……」アセアセ

テキパキと動く和ちゃんに見とれていると、顔を覗き込まれて心配されてしまいました。
うう、和ちゃんは顔立ちが綺麗だから、至近距離で見るとドキッとしちゃうんですよね……


27 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:04:07.80 Luo2BRRc0 19/43


「ふふっ、ありがと。でも、料理に関しては憂のほうが上手よ?」

「そ、そんな……」

「謙遜しなくていいじゃない。本当のことなんだから」

「あ、ありがとうございます!」

「あはは、敬語になっちゃってるわよ?」

「え?あ……」

「でも、私たちが料理上手になったのって、ある意味あのぐうたらのおかげよね」クスクス

「ぐうたら……あっ、お姉ちゃんのこと?」


30 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:08:19.09 Luo2BRRc0 20/43


「そうよ、昔からよくあの子に食べさせてあげてたからね。憂もそうでしょ?」

「あはは、そうかもしれないね」

そう、私が色々な料理を覚えたのはお姉ちゃんが笑顔で「美味しいよ」って誉めてくれたから。
和ちゃんもきっと同じなのでしょう。
お姉ちゃんのことを話す和ちゃんはすごく優しげに微笑んでいます。

カタカタカタ……ジュー

「あ~~!憂、鍋噴きこぼれてる!」

「きゃあっ!わ、忘れてたあ!」

話に夢中になってたせいか、お鍋のことを失念していました。
うう、お料理上手の名が泣いちゃいますね……


31 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:10:40.94 Luo2BRRc0 21/43


……

「うん、美味しい!」

「えへへ、ちょっと失敗しちゃったけど……」

和ちゃんと二人で夕食。
今日はお礼の意味も込めているので、ちょっぴり豪勢にしました。

「何だか太っちゃいそうね……」

「えっ?和ちゃん全然太ってないよ?」

「見えないとこで努力してるのよ。あんたと唯は太らないから本当に羨ましいわ……」

「そうかなあ」

ちょっと落ち込んじゃった和ちゃん。
でも、出されたものを残すようなことは絶対しません。
和ちゃんは優しいね!


35 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:22:05.74 Luo2BRRc0 22/43


「ふう……ごちそうさま」

「ごちそうさま~♪」

「さて、後片付けをしないと」

「あっ、それは私が一人でやるよ!和ちゃんは座ってて!」

「でも……」

「いいからいいから!」


37 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:24:11.48 Luo2BRRc0 23/43


「う~ん……それじゃお言葉に甘えさせてもらおうかしら」

「うん!」

楽しい楽しい夕食も終わりました。
和ちゃんと二人っきりでご飯なんて久しぶりだったので、とても楽しかったです!
でも……

「和ちゃん、もう帰っちゃうよね……」ジャー

そう、もう夜も遅いので和ちゃんも家に戻らないといけないでしょう。
また明日の夜まで一人ぼっちかあ……

「……」ジャー

……私って、一人でいるとダメなんだなあ。
いつも一緒にいるお姉ちゃんがいないと、改めて痛感させられます。


38 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:28:02.74 Luo2BRRc0 24/43


「……」カチャッ

「……終わっちゃった」

後片付けも終わり、あとは和ちゃんを見送るだけです。

「憂~?」ヒョイッ

「!」

「お風呂はどうする?憂が先に入る?」

「え……お風呂……?」

キョトン、と。
てっきり「もう帰るわね」と言われると思っていたので、思わぬ言葉を聞いて目を丸くしました。


41 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:31:32.58 Luo2BRRc0 25/43


「何よその顔」クスクス

「えっ、えっ?」

「まったく……いつでも頼っていいって言ったでしょう。そんな顔してる憂を放って帰るなんて、私には出来ないわ」

「の、和ちゃん……!」

「今日は泊まらせてもらっていいかしら?」

「はい、もちろん!ありがとう和ちゃ~ん!」ガバッ

「きゃあっ!?」


44 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:35:08.31 Luo2BRRc0 26/43


「えへへ、和ちゃん大好き!」スリスリ

「ち、ちょっと……。もう、こんなところは唯とそっくりなんだから」

「姉妹だもん」

「はあ……そうね」

「和ちゃ~ん♪」

「よしよし」

和ちゃんあったかい……
本当に頼りになるお姉ちゃんです。


45 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:37:59.86 Luo2BRRc0 27/43


「……」

「……」

「……それで、お風呂はどうするの?」

「えっと……一緒に、入りたいなあ」

「やっぱりそうなるのね……」

やれやれ、といった表情の和ちゃん。
わがまま言いすぎちゃってるかな?
でも、今日は誰かと一緒に入りたい……そんな気分なのです。


46 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:39:57.64 Luo2BRRc0 28/43


「だめ、かな?」

「……」

「和ちゃん……」ウルウル

「もう、そんな顔しないの!分かったわよ、一緒に入るから」

「わあ……!」

「まったく、コロコロ表情変えるんだから……」

「お風呂溜めてくるね!」ダダッ

久しぶりに和ちゃんと一緒にお風呂です!


50 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:45:02.90 Luo2BRRc0 29/43


……

「いいお湯だったね~♪」

「……そうね」ゲッソリ

「元気ないけどどうしたの?」

「憂、あんたがはしゃいだからよ……」

「え?そうかなあ……」

確かにいつもよりはしゃいじゃった気もします。
あんまり自覚はないんですけどね。


52 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:47:45.58 Luo2BRRc0 30/43


「唯と一緒に入ったのかと思ったわ……。憂の評価を改めないといけないかも」

「えへへ、そうかな~?」テレテレ

お姉ちゃんと似ている、ってことでしょうか?
だとしたら、私にとってはすごく嬉しい言葉です!

「褒めてないわよ」コツンッ

「あいたっ!?」

「もう……子供っぽいとこは唯とそっくりね」

「……えへへ」

私が子供っぽくなってるのは、和ちゃんの前だからだよ?


56 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 22:57:58.81 Luo2BRRc0 31/43


……

「さ、寝ましょう」

「うん、電気消すね」

お風呂を上がってからは二人でのんびりと話をしました。
色々な話を聞けて楽しかったのですが、あっという間に楽しい時間は過ぎてしまいます。
夜更かしするのもよくないので、もう寝ることになりました。

「んしょ……っと」

「いらっしゃい、和ちゃん♪」

何も言わずに一緒に寝てくれる和ちゃん。
本当に私のことはお見通しのようです。
何だか少し恥ずかしいなあ……


58 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:00:38.41 Luo2BRRc0 32/43


「……」

「……」

「……」

「……」

シン、と静まり返った部屋。
時計の針が時を刻む音だけが響き渡ります。

「ん……」

「……」

今、私は和ちゃんと向かい合っています。
和ちゃんは目を閉じていますが、私はその顔をじーっと観察中……
本当に端正な顔立ちです。


60 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:06:03.64 Luo2BRRc0 33/43


「……コンタクトにすればいいのに」

「……コンタクトは怖いのよ」

「ふえっ!?」

ボソッと呟いただけなのに、返事が返ってきました。
見ると、和さんの目はしっかりと開いてこちらを見つめています。

「えっと……怖いの」

「……怖いの。目に何かを入れるって行為が」

「……」

どうしよう。
和ちゃんすごく可愛いです。


62 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:09:48.75 Luo2BRRc0 34/43


「な、何よ悪い!?」

「悪くないよ!和ちゃん可愛いよ!」ギュー

「こ、こら!暑いんだからあまりくっつかないの!」

「暑いの?じゃあクーラーつけるね」ピッ

「そういう問題じゃ……」

「和ちゃんあったかい……」

「……もう」


65 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:12:46.98 Luo2BRRc0 35/43


「……」

「……」

和ちゃんとくっついたまま、静かに時間が流れます。
心地よい沈黙……
和ちゃんはあったかくて、すごく安心します。

「……コンタクト、ね」

「……ん?」

「怖いっていうのもあるんだけど……あの眼鏡、気にいってるのよ」

「そうなの?」


66 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:14:38.02 Luo2BRRc0 36/43


「ええ。だってあれは……」

「あれは?」

「唯と憂が選んでくれたものだから……」

「!」

そうです。
あの眼鏡は、高校進学時に私とお姉ちゃんが和ちゃんに似合う眼鏡をプレゼントしよう、と思って選んだものなのです。

「だから、しばらくはこの眼鏡を使わせてもらうわ」

ふわっと、優しく笑う和ちゃん。
わあ……!


68 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:18:20.64 Luo2BRRc0 37/43


「のどかちゃ~ん!」ギュウウッ

「わっ!?ち、ちょっと憂……苦しいわよ」

「和ちゃんはいい人だよ~!」

「はいはい……さあ寝るわよ」

「うん!」

今度は目を瞑って眠りにつくことにします。
もちろん和ちゃんに抱きついたまま……


72 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:24:42.85 Luo2BRRc0 38/43


「……」

「……」

和ちゃんは優しくて、しっかりしてて、頼りになって……
勉強が出来て、お料理も上手で、色々なことに気が回せて……
私の憧れの存在です。

「おや、すみ……のどか、ちゃん……」

「おやすみ、憂」


73 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:28:00.07 Luo2BRRc0 39/43


……

「うい~!たっだいま~!」

「おかえり、お姉ちゃん!」

和ちゃんのお泊りから時間がたち、翌日の夜。
ついにお姉ちゃんが帰ってきました!

「一日ぶりだねうい~!」ギュウッ

「お姉ちゃん、苦しいよ~」

一日ぶりのお姉ちゃんのハグです。
えへへ……やっぱりあったかい。


75 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:32:46.47 Luo2BRRc0 40/43


「憂、一人で大丈夫だった?」

「うん、和さんも来てくれたし……」

「え~、和ちゃん来たの!?もしかしてお泊まりしたの?」

「うん、一応。一緒にお風呂に入ったり、寝たり……」

「ええっ!?ずるいずる~い!」

「そんなこと言われても……」

どうやらお姉ちゃんは、和ちゃんとのお泊まりに参加できなかったことが不満のようです。
いくらお姉ちゃん相手でも、これは自慢したくなりますね。
えへへ、羨ましいでしょ?


76 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:35:54.75 Luo2BRRc0 41/43


「む~……よし!今度は三人でお泊まり会しよう!」

「えっ?」

「私と、憂と、和ちゃん。久しぶりに三人でね!」

「……」

「えへへ、楽しそうでしょ?」

「……うん、そうだね!」

私と、お姉ちゃんと、和ちゃん。
それは、きっと昨日の何倍も楽しくなることでしょう。


77 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:44:48.97 Luo2BRRc0 42/43


「でも、その前に!」ギュッ

「ひゃっ!?」

「今日は私と憂でお泊まり会だよ!まずは一緒にお風呂!」ダダッ

「お、お姉ちゃん引っ張らないで~!」

「せっかくの夏休みなんだし、思いっきり楽しまないと!ね、憂♪」

「……そうだね、お姉ちゃん♪」

しっかりしてて、頼りになる優しい和ちゃん。
あったかくて、私を元気にしてくれるお姉ちゃん。
すごく可愛くて、とても素敵なお姉ちゃん二人に囲まれて、私はきっと……


78 : 以下、名... - 2010/07/25(日) 23:47:37.10 Luo2BRRc0 43/43


「うい~、ほらほら早く~!」

「お姉ちゃん待って~!」

きっと私は、世界で一番の幸せ者です♪







「でもお姉ちゃん、受験生なんだから勉強もしなきゃダメだよ?」

「はうっ!?痛いところを……」

終わり♪


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