梓「唯先輩はガードが甘すぎます!」
梓「だから私が唯先輩を守る!」
梓「そんな私の思いをよそに唯先輩は男の人とよく遊んでて」
梓「遊ぶと言っても唯先輩らしく健全に遊んでるだけでとっかえひっかえ男遊びしてるわけじゃないけど」
梓「ていうか唯先輩がそんなことするわけないでしょ!」
梓「まったく……」
梓「でも最近唯先輩とその男の関係がなんだか怪しくなってきて、そして今日も遊びに出かける」
梓「このままだと唯先輩が悪い男に傷物にされちゃう」
梓「ううんそんな事させない!」
梓「だから私は……唯先輩のパンツになって唯先輩を守る!!」
┳
梓「今の所は変な事してないけど」クンクン
梓「遊んだ上に一緒にご飯まで食べやがって……どうせ唯先輩にお酒を飲ませて酔った勢いに任せるつもりなんでしょ?」
梓「ハッ! そうはさせないわよ」クンクン
梓「唯先輩は朝から一日中ニコニコしてて最早ノーガード状態だし私がしっかりしないと!」
?「その通りだよ梓ちゃん!」
梓「えっ!? この声は一体誰なの!?」
憂(ブラジャー)「私だよ!」クンクン
梓「憂ッ!? どうして憂が?」
憂「私も梓ちゃんと同じ思いだから……」
憂「だから私もお姉ちゃんを守る!」クンクン
梓「おお、憂がいれば心強いよ!」
憂「頑張ろうね梓ちゃん!」
梓「うん!」
男「じゃあ……そろそろ行く?」
唯「あ、うん……」
梓「って今日はもうお開きか。よかった」
憂「あれ? でもこの方向は家じゃないよ?」
梓憂「なにーーーー!?」
男「んじゃ、ここで……///」
唯「お、おう///」
梓憂「ちょちょちょちょ……!!」
梓「なんてこと……恐れていた事が現実になるなんて……眩暈が」
憂「お姉ちゃんもちゃんと拒否してよぉ!」
梓「そうだよ! なんでこんなにすんなりラブホに入るのよ!?」
憂「まるで最初からラブホ行く事を決めてたみたいじゃん! おかしいよ!」
梓「わからないわからない! どうしてすんなりラブホに!?」
唯「わーベッドふかふか~」
梓「何を悠長な事を……!」
唯「テレビ見よ?」
男「うん」
憂「そうか! わかったよ梓ちゃん!」
梓「何がわかったというの!?」
憂「お姉ちゃんはただテレビが見たかっただけなんだよ!」
梓「なるほどそれならこの不可解な行動も理解できる!」
唯「あっ……」
男「どしたの?」
唯「ううんなんでもない!」
憂「いけない、安心したらブラ紐下がっちゃったぁ」
梓「もー憂って……ば……え……?」
憂「どうしたの?」
梓「そんなまさか……いやでも」
憂「なに?」
梓「なんかね、えっと、気のせいかもしれないんだけどね、ちょっと感触がね……」
憂「うん?」
梓「唯先輩……今濡れてるかもしれ――」
憂「何言ってるの!?」
梓「ごめんっ!! そんなわけない! 本当にごめん私どうかしてる! てか私の汗かも!」
憂「も、もー脅かさないでよー」
梓「ごめんごめん」
男「ふぅ。……シャワー浴びてくるよ」
唯「あ、うん///」
梓憂「ッ!!?」
梓「あわわわ」
憂「そんな!? テレビを見にホテルに来ただけじゃなかったの!?」
梓「はぁはぁ……そんな……」
憂「あああああああ――」
梓「うわあああああ――」
男「ふう」
梓憂「しまッ……!?」
梓「動揺しすぎてもう猶予が無くなってる!」
唯「……私もシャワー浴びてくるね///」
男「うん///」
憂「大変!! ここで私達がお姉ちゃんに脱がされたらお姉ちゃんを守れない! おしまいだよ!」
梓「そうなの!? シャワー浴びてもう一度下着つけるんじゃあ……」
憂「……今のお姉ちゃんは体温も高くて明らかな緊張と羞恥が見て取れるからその可能性の方が高いかもしれない」
梓「うん、ここぞという時で恥じらう唯先輩っていいよね」
憂「だけど下着をもう一度つけなかったらアウトだよ!」
梓「確かにそういう自分の下着姿や裸に対して羞恥がないというか天然であっけらかんとした唯先輩もいいよね」
唯「んしょ」
梓「ってうわーそんな事言ってる場合じゃなあああもう下着姿になってるー!?」
憂「梓ちゃん!」
梓「うん!」
唯「……」
唯「……あれ、ブラとれない」
唯「おっかしいな」
憂「くうっ……!」
梓「憂頑張って!」
唯「んー」
憂「アッ、あんっ! お姉ちゃんだめぇそんなとこ……あっ!」
梓「憂ーーーー!!!」
憂「ま、負けない……!」
唯「おかしいな……とりあえずパンツ脱ごう」
梓「くるか……!」
唯「…………え、パンツも脱げない」
梓「くうっ!」
唯「どうしよう……」
憂「やった!」
梓「ヘーイナイスナイス!」
唯「ねえねえ、なんかおかしいんだけど」
男「何が? ってうわあっ!」
唯「へ? ……あ///」
梓憂「何下着姿晒してるのーーー!?」
唯「えへへ/// あのね、し、下着が取れなくて」
男「へ? それは一体どういう……」
唯「深い意味は無くて本当に取れないんです……」
男「ほんとかぁ?」
唯「ほんとだよっ! ……疑ってるなら試しに取ってみてよ///」
男梓憂「ええええ~~~~!?」
憂「あ、あうあちゃん……!」
梓「遅かれ早かれどうせこうなっていたんだ。守りきるしかない!」
憂「う、うん!」
男「いいの……?」
唯「う、うん」
男「ええーと……ブラかわいいね」
唯「えっ/// いきなりそんなこといわれても……どう反応すればいいのかわかんないよ///」
唯「普段はそういう事言わないくせに~」
男「ごめんごめん」
憂「うっ!」
梓「どうしたの憂」
憂「お姉ちゃんの鼓動が跳ね上がってる……」
梓「……!!」
男「じゃ、じゃあ……」
唯「うん……」
梓「くそっくそっ! 天使にふれるな!」
男「……ん」
憂「ふゃん!?」
梓「ういいいいいいい!!!」
男「んん……」
唯「ね? 取れないでしょ?」
男「取れない事に変わりはないんだけどさ、ブラ外すのなんて初めてだからやり方あってるかどうかわからないんです……」
唯「……ふぅん、そうなんだぁ」
男「面目ない」
唯「んーん、なんか嬉しいかも」
男「え?」
梓憂「ハァ!!?」
唯「だってそれって私がはじめて 「ああーーああああああああああああああああああああああああ!!!!」
梓憂「わあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
梓「聞こえてない聞こえてない! 唯先輩が喜んでるわけない!!!」
憂「お姉ちゃん間違えてこの男が好きみたいな発言になっちゃてるよ気付いて!!!」
男「へへ……そう言ってもらえると助かります」
唯「助かるってなんか変」
男「確かに。ははは」
唯「うふふっ」
梓「うえええええん!」
憂「ひっく! ……ひっく!」
唯「ホックはさっき言った通りに外すんだけど、何故か肩の紐も動かないの」
男「ん……ホックはびくともしない。紐は……」さわ
憂「ヒィッ!」
唯「ひゃっ!」
男「あ、ごめん」
唯「んーん、ちょっとびっくりしただけ」
男「でも”ひゃっ”なんて言うの新鮮でいいかも」
唯「も、もー!」
梓「ちぐしょぅ……んぶるぇっ……!」
男「んんーどうなってるんだこれ」
憂「くっ! ……んっ! くうう……」
梓「頑張れ憂!」
男「うーん……こっちも駄目か?」ふにっ
唯「ふぇっ!?」
憂「アッ!?」
梓「なあっ!?」
男「んー……」ふに ふに
唯「あ、あのあの……そこは……///」
男「え? ……ああっ!? ごめんっいきなり触っちゃって! ブラ取る事に集中してたら……」
唯「ほんとにもー! ……1つの事に夢中になるとすぐこれだよ」
男「反省します……ってそれはお互い様じゃない?」
唯「あはは、そうかも」
梓「ぐうううう……!!」
憂「……っ……っ!!」
男「じゃあ……触るから///」
唯「は、はい///」
男「……」
唯「ん……」
憂「ふあっ! うぐ、んんん~~!!」
男「ここに指を入れて……ずらし……ずれもしない……」ぐいぐい
憂「やあっ!? あうっ! いっ……ひゃあぁ!」
梓「ういいいいいいいいい!! 憂にまで手を出すなんて!」
憂「んはぁ……もうだめぇ……!」
梓「憂しっかりして! こんな奴に唯先輩の胸晒していいの!?」
憂「くうっ……やだよぉ……!!」
男「ううん……」
唯「んっ……ふ……はぁっ……っ……」
梓「……ッッッッ!!?」
憂「ど、どうし、たの……梓……ちゃん?」
梓「な……なんでも……ぐすっ……ないよ」
憂「嘘、じゃあどうして、アンッ、泣いてるの?」
梓「そう、私はこんな奴に唯先輩の胸を揉まれている事に対して泣いてるんだよ……」
憂「あずさちゃん……? ハッ、もしかして!!」
梓「なんでもないっっ!!」
憂「でも……梓ちゃんが……お姉ちゃんのパンツが濡れて――」
梓「これは涙だよッッッッ!!!! 私の涙だッッッッ!!!!」
憂「あず……うん、そうだよね。梓ちゃんのなみだ……だよね……ぐすっ」
梓「そうだよ……こんな……こんなぁ……ひっく……」ペロペロ
男「まいったな本当にびくともしない」
唯「……ごめん」
男「謝る事じゃないよ」
梓憂「そうだそうだ!」
男「これだとお風呂にも入れないし……今日はやめとこうか」
梓憂「やったああああああ!! 勝ったーーーーー!!!」
唯「でも……」
男「仕方ないよ。それにこのままずっと取れなかったらそれどころじゃないし、そっちの方が心配だよ」
梓憂「ヒャッホーーーウ!!」
唯「……ありがと」
男「/// ま、まあ最悪ハサミがあれば何とかなるよ!」
唯「……」
男「どうしたの?」
唯「その、ね」
男「うん」
唯「口でしてあげよっか」
梓憂「……」
梓憂「……?」
梓憂「……? ……?」
梓憂「??????」
梓憂「……? ……。……っ」
梓憂「!!!!!!!!!!」
梓憂「ぎあああああああああああああああああああああ!!!!!!!???」
男「そ……それは///」
梓「やめろぉーーーーやめてくれええええええ!!」
憂「お姉ちゃんはそんな事言わないッッッッ!!!!!!」
唯「だってこのままじゃ悪いしさ、ちょっとは勉強してきたんだよ?」
梓「そんな事するよりギターの練習して下さいよおおお!!!」
憂「誰なのお姉ちゃんをこんなにしたのは!!? こいつか! こいつなのか!?」
男「んくっ…………い、いいの?」
梓憂「よくないよッ!!!!」
唯「……///」コクン
梓「はおおおおぎゃ……!!!」
憂「何その顔そんな顔私にも見せた事ないのにっ!!!!」
唯「そ、それじゃあ……ええと、脱いで?」
男「あ、う、うん」
梓「どうしようっ!!!?」
憂「やだよお……やめてよぉ……!」
?「ったくあんたたちも飽きないねー」
梓「えっ!? この声は一体誰なの!?」
?「唯先輩に悪い気もするけど親友のよしみで手を貸してあげる。感謝しなさいよ」
憂「うん……うんっ!」
純「しっかし私だけ知らない男のズボンのジッパーに憑依(トランス)かー」
梓「ありがとう……ありがとう純!!」
憂「純ちゃん大好きだよお!」
純「はいはい」
男「じゃあ」カチャ
男「……」ジ……
純「おっと! 早速お出ましだね」
男「……?」チ……ジ……
唯「どしたの?」
男「チャックが動かない……」
唯「えっ!?」
梓憂「YES!!」
男「ぐ……えいっ」
純「いでっ!? もぉ~~~!」
梓「純頑張って!」
憂「お願い純ちゃん!!」
純「分かってるって。でもこれは結構きついかも……!」
男「うそーん……」
唯「ちょっと貸して?」
男「うん……え?」
梓「貸す?」
憂「……ッッあ゛!」
男「ちょっまっ!」
唯「んー……」カチャカチャ
男「あふっ」
唯「んん? 全然動かない……私の下着と同じだ」
純「んやあっ! 唯先輩だめぇ!! あっあん!」
梓「やめてっ! そんな唯先輩見たくないよ!!」
憂「いやああぁぁ!! あぁぁぁあああぁそんな所まさぐらないでよぉぉぉ!!!」
唯「うーむ」さわさわ
男「っ……///」むくむくむく
純「がッ?!」
梓「純!?」
唯「んー……あれ? これって……」
男「ええと、うん///」
唯「わっ///」
純「ぐぅ……まさか内側から攻撃されるとは……げほっ!」
憂「純ちゃん大丈夫!?」
純「圧迫さ、れて、かなりきつ、い……!!」
唯「おお……///」
男「あっだめ、そんなに触ると……」むくむく
純「ぎゃあああああ!!」ミシミシ……!
梓「純!!」
唯「さっき私の胸さんざん触ったくせに」
男「それはそうだけど……圧迫されちゃって」むくむく
純「……あぐっ、ん゛……ッ~~~!!」メキメキメキ……
唯「ちょっと面白いかも……あっ」むんずっ
男「おうふっ」むくっ!
純「ごはッ……!!!!?」ベキンッ!
梓「じゅーーーーーん!!!!」
憂「純ちゃーーーーーん!!?」
唯「ごっごめんね! 体勢悪くて思いっきり手で……」
男「はは、大丈夫大丈夫」
純「」ヒューン
梓「純大丈夫!?」
憂「純ちゃん!!」
梓憂「……」
梓「返事がない……意識を失って憑依解除(レリーズ)しちゃたんだ」
憂「そんな……」
梓「純は身を挺してまで……」
憂「ありがとう純ちゃん……」
憂「純ちゃんの頑張り……無駄にはしない!」
梓「憂?」
憂「今度は私がチャックに憑依するね!」
梓「そんな事したら憂まで!!」
憂「ここまで来たら負けられないもん! 命が尽きようとお姉ちゃんを守る!!」
梓「それなら私が!」
憂「梓ちゃんはッ!! お姉ちゃんの一番大事な所を守ってて。ね?」
梓「……わかった。けど」
憂「?」
梓「絶対に無茶はしないで。この戦いが終わったら二人で純のお見舞いに行こう」
憂「うんっ!」
憂「よし、それじゃあ――」
唯「あ」
男「え?」
唯「大事な事忘れてた」
梓「憂ストップ! 何か様子が……」
男「大事な事?」
唯「うん。私がバタバタしちゃってせいもあるんだけどさ、順序が入れ替わっちゃったていうか」
憂「なんの事を言ってるのお姉ちゃん?」
男「……そういえばそうだね」
梓「何が? この男は気付いたっていうの……?」
憂「う、あ、早くこの暗号を解いて先手を打たなきゃ!」
唯「……」
男「……」
梓「ちょっ、いきなり無言になった! なに、何が起こるの!?」
憂「ああっ!? 男が寄って来たよ! お姉ちゃんに触れるなー!」
梓「ハッ! まさかこの体勢はキ……!!」
憂「そんなっ! お姉ちゃんがそんな事を望むわけが……」
男「……好きだよ」
梓「ふさけんな!! 唯先輩の身体目当てのくせに何をぬけぬけと!」
憂「そうだよ! この人が勘違いしてるだけでお姉ちゃんはキスなんか――」
唯「私も好きだよ。大好き。愛してるーっ」
梓「」
憂「」
男唯「ちゅう」
梓「」ヒューン
憂「」ヒューン
○
川
||
梓「…………はぁっ!?」
梓「あれ、寝ちゃってたか。いくら休みとは言え寝すぎたな」
梓「ふぁぁあ」
梓「……?」
梓「……あああああ!!!!」
梓「しまった何で私……!! そうだ確か昨日は唯先輩がキスして愛してるって言ってて……」
梓「ぐあああぁぁぁぁぁ……そんなばかな……うっ、うぇぇん……ひっく」
梓「ゆい先輩があんな……自分から顎を上げて目を瞑って自分からキスしやすいように、それでいて男に身体を預けてされるがままに……いやあああああああぁぁぁ」
梓「……だけど唯先輩のあの色気のある表情は……求めている顔だった」
梓「そしてそれを目の当たりにした私は意識が飛んで……そうだ! あの後どうなったんだ!?」
梓「行かなきゃ! 平沢家へ!!」
ピンポンピンポン
梓「憂! 憂いる!?」
ガチャ
憂「あ、あず、あずさちゃ……」
梓「うわっ目が真っ赤!」
憂「ど、どうしよ……わたしあの時ショックで意識が無くなっちゃって」
梓「ごめん私もなんだ……本当にごめん……!」
憂「お姉ちゃん……」
梓「そうだ! その唯先輩は!?」
憂「まだ帰ってきてないの……」
梓「そんな!」
?「あれーあずにゃん?」
梓憂「!!!」
唯「遊びに来たの?」
梓「ゆいセンパイ!!」
憂「お姉ちゃん!!」
唯「わっ!? なに、どしたの?」
梓「あ、あのその……え?」
憂「おね…………」
唯「どうしたんだい変な子達だねぇ。ほらー早くうちの中に入ろ?」
梓「……そうですね」
憂「……うん」
その時私は唯先輩に違和感を覚えた。
昨日の唯先輩とは何かが違うような気がしたんだ。
気のせいかもしれないけれど、憂もそれを感じたように見える。
今日の唯先輩はにおいというか、そう、年上という印象が強くて、
私達とは違う遠い世界へ行ってしまったような、そんな印象を受けた。
どうみても――
唯「何か飲み物出してあげる。あと憂はパジャマ着替えてこないとね」
憂「……です」
梓「……本当に……ありがとうございました」
唯「ふふ、いいよー」
END