「『わたしのお姉ちゃん』4年1組・西住みほ、わたしのお姉ちゃんはカレーが大好きです。この間も…」
在りし日の西住家…
まほ(11)「みほのバカぁぁぁ!」
みほ(10)「お姉ちゃんなんか大っ嫌い!」
元スレ
【ガルパン】西住みほ(10)「わたしのお姉ちゃんは、カレーが大好きです」
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しほ「ちょっと、なんの騒ぎ?」
菊代「あ、奥様、今夜はまほお嬢さまの好きなカレーにしようと思ったんですが…」
まほ「お母さま、聞いてください!みほったらカレーの付け合わせはらっきょうがいいなんて言うんです! カレーの付け合わせは昔から福神漬けって決まってるのに!」
みほ「らっきょうのほうがおいしいもん!福神漬けなんて古いもん!」
まほ「言わせておけばぁぁぁ!」
しほ「二人ともやめなさい!普段あんなに仲がいいのにこんなくだらないことで大騒ぎするなんて…」
菊代「子どもでもどうしても譲れないことってありますからねえ」
しほ「困ったわねえ、今日は久しぶりに常夫さんが帰ってくるのに…」
常夫「ただいまー、みんな、お土産あるぞー」
しほ「あ、いいところへ…、実は…」
常夫「なんだ、そんなことでケンカしてたのか。二人ともよく聞きなさい、付け合わせが何でも菊代さんの作ったカレーはおいしいだろ?二人がケンカしてたらお父さんもお母さんも菊代さんも悲しくなっちゃうよ?」
まほ「うん…」
みほ「ごめんなさい…」
常夫「それに、お父さんはカレーの付け合わせはレーズンがいいな」
みほ「えっ」
まほ「えっ」
しほ「えっ」
菊代「えっ」
常夫「お父さんは仕事柄よく高速のパーキングの食堂を利用するんだけど、そこのカレーはよくご飯にレーズンが混ぜてあって、なんかひと手間かけたような高級感があって、あと、あの甘味がカレーに合って…、ってあれ?みんなどうしたんだ?」
まほ「お父さまのバカぁぁぁ!」
みほ「お父さんなんか大っ嫌い!」
常夫「おっ、おい!二人ともどうしたんだ!?」
しほ「あなた、申し訳ありませんが今夜は離れで寝てください。菊代さん、準備して」
菊代「はい」
常夫「君までなにを言い出すんだ!?せっかく帰りにその手の店でいやらしいデザインの下着とローションを買って帰ったのに!」
しほ「私だって…、私だって常夫さんの大好きなセーラー服やブルマや大事なところに穴が開いたスクール水着を用意して待ってました!でも…、でもあなたがカレーの付け合わせにレーズンを選ぶ人だったなんて!」
菊代「あ…あの、お子さんの前でその手の話題はどうかと…」
こうして、レーズンという共通の敵の出現によって姉妹は和解することができた。
だが数年後、『カレーのトッピングはハンバーグがいいかトンカツやエビフライなどの揚げ物がいいか』という問題で再び骨肉の争いを繰り広げることとなる。
なお、その際に常夫が「お父さんは納豆がいいなあ」と発言して再び叩き出されるのだが、それはまた別の話である。
みほ「ということが以前あったんです…」
杏「ふーん、そうなんだ、大変だったんだねえ」
みほ「ええ、今でこそこうして笑い話にしてますが、あの頃は両親が離婚寸前までいってしまって…」
杏「でも、カレーの付け合わせって言ったらやっぱ干し芋っしょ」
みほ「えっ」
桃「えっ」
柚子「えっ」
杏「あ、あれ?我が家でも大洗町の叔父さん一家でもみんなそうしてたからそれが普通だと思ってたけど、これって大洗だけの風習なのかな?」
柚子「会長の一族限定だと思います」
みほ「…」
沙織「うちは付け合わせなんかはナシかなあ、代わりにスープとサラダかなにか一品つけて」
優花里「洒落てていいですね、いかにも洋食って感じで。ウチはザーサイかメンマかキムチです」
沙織「チャーハンじゃないんだから」
みほ「…」
優花里「両親が学生時代に中華料理店でバイトしてたんですが、母が作った賄いのカレーがおいしかったのが二人の馴れ初めだそうで、その名残りなんだそうです」
沙織「そんなロマンチックな謂れがあるんだ」
華「人に歴史ありですね」
みほ「…」
麻子「付け合わせといえばこの間はカレーの皿に入れ歯が乗ってたぞ。おばあは『おや、見当たらないと思ったらこんなとこにあったのかい』って言ってたが」
沙織「あはは、ドリフのコントみたい」
麻子「笑いごとじゃないぞ」
みほ「…」
華「カレーの付け合わせといえばやはりゆで卵ではないでしょうか」
沙織「あれは付け合わせというよりトッピングの具材じゃない?」
みほ「…」
杏「あれ?西住ちゃんどうしたの?ハイライト消えてるよ?そんなレイプされたような絶望的な表情で」
みほ「どうしよう…、知らなかったとはいえ、こんな人たちと友達付き合いしてたなんて…」
沙織「ちょっと!なにそれひどい!」
優花里「西住殿の中ではそこまで打ちのめされるようなことだったんですね…」
エリカ「…で、ハンバーグにかけるのはやはりデミグラスソースしかないと思うんです。まあ百歩譲ってグレービーソースまでは許しますが。でもウチのバカ姉はよりによって大根おろしとポン酢がいいなんて言うんです。そんなの絶対に許せませんよね?それでこの間はとうとうつかみ合いのケンカになってしまって…」
まほ「そんなもん別になんだって構わないだろう、お前の家ではそんなくだらないことで大騒ぎしてるのか?」
エリカ「…」
終