兄「はぁ……」
友人「どうした?」
兄「妹がドMすぎるんだ……」
友人「マジかよ。どのくらいMなんだ?」
兄「あそこにいる」
妹「ホッ! ホッホー! ヤッフー! ハッハー!」
友人「Mすぎる……」
元スレ
兄「妹がドMすぎる……」友人「マジかよ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1559144086/
妹「ヤッフー!」ピョーンッ
友人「たっけえ!」
友人「10メートルぐらいジャンプしてねえか!?」
友人「しかもパンツ丸見え! パンツにもMって書いてある!」
兄「みっともないったらありゃしない……」
友人「お前の妹、たしか昔は普通じゃなかったか?」
友人「お前のこと、“お兄ちゃん”だなんて呼ぶような……」
兄「ああ……」
兄「だけどあいつ、趣味でアマチュア配管工みたいなことしてたんだけど」
友人「変わった趣味だな……」
兄「そのうち、ああなっちゃったんだ。妙にテンション高くなって、ジャンプ力が増して……」
友人「なりきっちゃったってやつか……」
妹「!」ピクッ
妹「……」ムシャムシャ
友人「あ、道端のキノコ食べてる!」
兄「好物なんだ」
友人「絶対腹壊すから止めなきゃ!」
兄「いや、お腹を壊したりはしない。ただ……」
巨大妹「……」モリモリモリ
友人「でっかくなった!」
兄「蹴飛ばして小さくしなきゃ……」
妹「……」ムシャムシャ
友人「今度は道端の花を食べ始めた!」
妹「ホッホー」ポッポッポッ
友人「ファイアボール出してきた!」
妹「ハッハー」ポッポッポッ
友人「うわあ、すっげえバウンドしてくる!」
兄「ったく、火事になったらどうするんだ……!」
妹「……」キラキラ
友人「突然光り始めた!」
妹「……」キラキラ
友人「キレイだな~……」
兄「待て! 触るな!」
友人「へ?」
友人「うぎゃ!!!」ポコッ 100
友人「いてて……!」
兄「光ってる時は無敵なんだ。触ったらたちまち倒される」
友人「得点がたった100点だったのが地味にショックだわ……」
妹「ヒァウィゴー!」バサッ
友人「今度は風呂敷を首に巻いた!」
兄「飛ぶつもりだな」
妹「……」ウィンウィンウィン
友人「ムササビ状態でどこまでも飛んでいく!」
兄「屋外のコースは大抵あれでクリアできちゃうよな……」
妹「……!」
亀「……」モゾモゾ
友人「今度は亀に興味を示したぞ」
兄「さてはあれをやるつもりだな」
妹「ホッ」ポコッポコッポコッポコッポコッ
ピロリロリン♪ ピロリロリン♪ ピロリロリン♪ ピロリロリン♪ ピロリロリン♪
友人「無限1UP!?」
兄「やりすぎると意味なくなるから気をつけろよー」
友人「お、自転車に乗ってる!」
妹「ヤッフー!」シャ-ッ
ピョーンッ
ピョーンッ
友人「自転車を乗り捨てて二段ジャンプした!」
兄「ったく、また自転車壊しやがって……」
妹「ヤッフー! ハッハー! オーキードーキー!」ピョーンピョーン
兄「どうすれば元に戻るんだろ……」
友人「うーん……見当もつかないな」
友人「それに、ものは考えようだよ」
友人「あれだけ能力があるなら、たとえば誘拐犯なんかにさらわれる心配もないしさ」
兄「それもそうか」
ある日――
誘拐犯「ぐへへへ……」
兄「なんだお前は!?」
誘拐犯「お前をさらわせてもらうぜ!」ガシッ
兄「わっ、何するんだ!」
誘拐犯「大人しくついてこい!」
兄「ちくしょう、はなせえ!」ジタバタ
ブロロロロ…
兄「なんで俺をさらうんだ! 普通、こういう時は女の子をさらうもんだろう!?」
誘拐犯「俺は男が好みなんでな」
兄「なにいっ!?」
誘拐犯「さらって、俺流のやり方でじっくり調教してやるぜ……」ジュルリ…
兄「ひいい……誰か助けてくれーっ!」
誘拐犯「アジトに着いたぞ」
兄「くそっ! ふざけんな! はなせーっ!」ジタバタ
誘拐犯「反抗的な奴だ……しばらくこっちの部屋に閉じ込めてやる!」
誘拐犯「汚くてネズミも出るからな……さっさと降参した方が身のためだぞ」
バタンッ!
兄「ぐっ!」
兄「出せーっ!」ドンドン
チューチュー…
兄(ひええ……ホントにいやがる! 最悪だ……!)
妹「マンマミーヤ!」
友人「どうしたんだ、妹ちゃん!」
妹「イッツミーマーリオ!」
友人「な、なんだって!? あいつが誘拐された!? なんてこった!」
妹「レッチゴー!」ピョーンッ
友人「俺も行くよ!」
誘拐犯「ぐへへへへ……そろそろ大人しくなった頃か」ギィィィ…
兄「くっ!」
誘拐犯「さあ、出ろ! たっぷりと楽しませてもらうぜ!」グイッ
兄「ちくしょう……! 誰か……!」
ネズミ「チューチュー!」
誘拐犯「わめいても無駄だ! 誰も助けになんかきやしねえよ!」
妹「ヤフー!」ピョーンッ
友人「助けにきたぞ!」
誘拐犯「うわっ!? なんだお前らは!?」
兄「二人とも……!」
ネズミ「チューチュー!」
誘拐犯「何しに来やがった!」
妹「イッツミーマーリオ!」
誘拐犯「さらわれた兄貴を取り戻しに来ただとぉ~? おもしれえ、返り討ちにしてやる!」
妹「ホッ!」ポコッ
誘拐犯「いだっ!」
妹「ヤッフー!」ポコッ
誘拐犯「ぎゃん!」
誘拐犯「くそぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
妹「ヒァウィゴー!」ポコッ
誘拐犯「つ、つええ……」ドサッ 1000
友人「やったぜ! 三回踏んで誘拐犯を倒した!」
兄「妹! ありがとう!」
妹「お兄ちゃん! 無事でよかった!」
兄「……あれ?」
妹「……あれれ?」
兄「どうして……Mじゃなくなったんだ?」
妹「どうしてだろ……?」
友人「……」
友人「そうか、分かったぞ!」
友人「妹ちゃんは“さらわれた大切な人を助ける”という目的を果たしたから、Mじゃなくなったんだ!」
友人「ゲームでいうと、エンディングにたどり着いたようなもんだからな」
兄「そういうことか……」
妹「お兄ちゃん……」
兄「配管工をやるのはいいが、これからはのめり込みすぎてあまりMにならないようにしろよ」
妹「はーい、程々にしまーす!」
友人「よっしゃ、じゃあ帰ろうぜ!」
ネズミ「チューチュー!」
兄「よしよし、お前も連れて帰ってやるよ」
友人「ハハ、いつの間にかネズミと友達になってやがる」
……
……
妹「あのー」
友人「君は妹ちゃん! どうしたの?」
妹「相談があるんです」
友人「相談?」
妹「お兄ちゃんが……お兄ちゃんが……あの誘拐事件以来……」
妹「ドSすぎるの!」
兄「いくぞピカチュウ! 絶対ポケモンマスターになるんだ!」
ネズミ「チュー!」
友人「こりゃ元に戻るのは時間がかかりそうだ……」
おわり