黒子『喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めますわ。タバコの煙は、あなたの周りの方の健康に悪影響を及ぼしますの。喫煙の際には、周りの人の迷惑にならないように注意して下さいませ』
=上条自室=
インデックス「ごはんー、ごはんー。ご・は・んー。ステイル、今日は何かな?」
ゴソゴソ
ステイル「この冷蔵庫の中身なら……焼きそばにでもしようかね」
インデックス「焼きそば!?やったー、お肉大目にしてね」
ステイル「かしこまりました、姫君。この命に代えても」スパー
元スレ
上条「ウチでの喫煙はお断りだ」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267621231/
上条「ウチでの喫煙はお断りだ」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267786217/
ガチャリ
上条「ただいま~、ふぅ疲れたぜ」
インデックス「おかえり当麻。今日は焼きそばだよ~」
ステイル「ほら、そんなところで突っ立ってないで早く上がったらどうだい」スパー
ブワァァァ…
上条「……なぁステイル、水くれないか」
ステイル「ん?あぁ、少し待ってくれよ…ほら」サッ
インデックス「喉が乾いたんならジュースがまだ残って…」
上条「ウォリァァ!」ブン
バッシャーン!
ポタポタポタ…
ステイル「……これはなんのつもりだい?キミがその気なら」スッ
シュバ!
ステイル「僕の操る炎がキミの身体を焼き尽く…」スパー
ガシッ
上条「さっさと出ていけぇ、どおりゃぁぁ!」ブン
ステイル「ぐふっ!」ドサッ
ガチャリ
インデックス『ちょっと当麻ー、なにするの?折角ステイルが』
ステイル「ふふ…いい度胸だね。この僕にこんな事をしてタダで済むわけが…」ガチャガチャ
インデックス『お腹すいたよー』
ステイル「ちょっと、もしかしてカギをかけたのかい?上条当麻キミはよほどの命知らずかもしくわ…」ガチャガチャ
上条『ガチャガチャうるさい!ステイル、お前は暫くウチの出入りは禁止だ』
ステイル「な…なんだって、どういうつもりなんだ」
ステイル「『暫く外を歩いてれば分かる!』だって…。全く、彼は僕の恐ろしさを全然分かってないな」
学生A「今日は何食べる?」
学生B「ファミレスでいいんじゃない?」
ステイル「ファミレス…か。少し空腹だし、僕もたまには行ってみるか」
スタスタ
=ファミレス=
店員「いらっしゃいませ~、こちらへどうぞ」
ステイル「(ほぅ、中々可愛い子じゃないか。今日はツイてるな)」
ステイル「あ、すいません灰皿下さい」
店員「チッ!……申し訳ありません、当店は全席禁煙になってまーす」
ステイル「あ…あぁ、そうなんだ。それじゃヤキソバ下さい(なんか今舌打ちしなかったか…)」
学生A「あの人タバコだって…」ボソボソ
学生B「うっそ~マジ?知らないのかしら…」ボソボソ
ステイル「………、なんだか店内から視線を感じる気が…」
ステイル「味は悪く無かったけど、やっぱりタバコが無いとな…。まぁ食後のタバコで我慢するか」シュ!
キュイーン、キュイーン
ステイル「ん?なんだ、なんで警備ロボットが僕の回りに」
『コノバショキンエン、コノバショキンエン』
ステイル「む…仕方ないな、それじゃコンビニの前で」
スタスタ
店員「ちょっと兄ちゃん!店の前でタバコは止めてくれる」
ステイル「えっ…、あぁすいません」
「ちょっと、こんな所で止めて」
「煙てぇんだよバカヤロウ!」
………
……
…
ステイル「一体どうなってるんだ、この学園都市は…、どこもかしこも禁煙…禁煙」フラフラ
アナウンサー『それでは次はアレイスター統括理事長からのお知らせです』
ステイル「ん……?」
アレイスター『学園都市の大気汚染は年々深刻になってきているのは諸君も知っての通りだ。オゾン層破壊や楽園の創造などそういう大きな課題は置いておいて、まずは目先の小さい事から始めていくのが大切だと私は思う、よって……』
ステイル「一体なにを考えているんだあの人は…まさかまた新たな戦いの火種が…」スパー
アレイスター「今日から一週間、学園都市一体に禁煙令を遂行することにする」
ステイル「……………」ポロ
ウィーン、ウィーン
『キツエンシャ、ハッケン…タダチニハイジョシマス』ガチャ
ステイル「くっ、焼き尽くせイノケンティウスッ!」バッ
ドゴォォォォ!
『テイコウヲカクニン、シキュウオウエンヲ』
ステイル「なんだと!イノケンティウスが避けられただと」
『ヒョウテキロック、イッセイシャゲキ』ガチャ
ドドドドド!
ステイル「ぐわぁぁぁぁぁぁ…」ドサッ
『タバコカイュウカクニン、キカンシマス』
ウィーン、ウィーン
ステイル「ぼ、僕のタバコが…。これが上条当麻の言っていた事なのか…」
ステイル「ふん、まぁいい、この際丁度いい機会だ。禁煙したらいいのさ」フラフラ
ピンポーン!
上条『はいどちら様ですかー』
ステイル「あのイギリス聖教のステイルですけど、上条くん開けてくれる?」
上条『あ、いえウチいまそういうの間に合ってるんで』
ステイル「ちょっと待って、僕タバコ止めたんだよ!だから開けてって」
ガチャリ
上条「本当か…?それならいいんだけどさ」
インデックス「あ、ステイルおかえりー心配したんだよ!早く上がって」グイグイ
ステイル「おっと、引っ張らないでくれよ」
インデックス「大変だったんだよー、当麻ったらヤキソバ真っ黒に焦がしちゃうし」
ステイル「全く、これだからキミは、ヤキソバくらいまともに作れないのかい」ガンッガンッ!
インデックス「そうだよね、当麻もステイルくらい料理が上手だったらいいのに」
ステイル「ふふ、それは少し酷じゃないかな。僕の料理の腕は並のレベルじゃないからね」ガンッガンッ!
上条「………………」
インデックス「ねぇ当麻聞いてるのかな!」
ステイル「きっと嫉妬しているんだよ、この炎の魔術師がまさか料理も…」ガンッガンッ!
上条「いや……つかなんでお前さっきからテーブルに頭ぶつけてんの……」
インデックス「最近女子中学生の間で流行ってる顔ドラムだよ。当麻知らないのかな?」
ステイル「…バコ……タバコ……タバコ…」ガンッガンッ!
上条「いや違うよね……明らかにこの人タバコって呟いてるよね…」
インデックス「違うよー顔ドラムだって、当麻もやってみる?」
上条「いややめとく…」
上条「いい加減止めろよ、ウチの家具が壊れちまうだろが」ガバッ
ステイル「は、離してくれ…タバ…タバ…タバ……」バタバタ
インデックス「止めて当麻!きっとステイルは身体中のニコチンが切れてくると顔ドラムしたくなるだけだよ、だから大丈夫なんだよ」ニコ
ステイル「そう、大丈夫なんだよ!」ニコ
上条「大丈夫じゃねぇよ!それ完全にタバコ依存症じゃねぇかッ!!」
ステイル「………………」ピクピク
インデックス「なんだか急に倒れちゃったね」
上条「はぁ、まさかニコチンによる依存症がこんなに酷いなんて…」
インデックス「ステイルが可哀相だよなんとかならないのかな。禁煙っていうのは徐々に本数を減らしていって身体のニコチンを減らしていくのが常套手段なのに……」
上条「何?なんでお前いきなり真面目になってんの、なんでそんな詳しいの」
インデックス「私の頭の中には一万三千冊の魔導書が入ってるからね、エッヘン!」
上条「でもタバコなんて今の学園都市じゃ影も形もないぜ」
インデックス「うーん、売ってるお店は無いかもしれないけど持ってる人ならいるかも」
上条「そうだな…ちょっと小萌先生に電話掛けてみるか」
プルルルルル
小萌『はぁぁい!上条ちゃぁん、どうしたんですかぁ!』
上条「な、なんだかテンション高いですね、あのちょっと相談が」
小萌『そ、相談ですかぁ…ガンッガンッ!上条ちゃぁんの頼みならガンッガンッ!わたぁし、なんでも…タブァコォ!!』
ピッ
上条「………………」
インデックス「どうだったの?当麻」
上条「いや、留守電みたい、繋がらなかった、俺なにも聞いて無かった…」
ステイル「ふ…アレイスター統括理事長、中々味な真似をしてくれるじゃないか…」スタッ
インデックス「ステイル、大丈夫なのかな。もう少し横になってないと」
ステイル「心配をかけた、もう大丈夫だ。なにせ僕は魔術師だからね、ニコチン中毒を抑える術の一つや二人心得てるよ」
インデックス「凄いよ、一体どんな魔術を使ったの!?」
ステイル「あぁ、僕の感覚中枢の一部を…」
イノケンティウス『ゴォギャアァァ!!』バギィン、ドゴォ!
ステイル「イノケンティウスに移植させたのさ、ふっ」
上条「ふっ、じゃねぇよ!イノケンさん表で目茶苦茶暴れてるじゃねぇか!?」
ステイル「くっ、早くタバコを手に入れなければ被害が広まってしまうね」
インデックス「た、大変だよ、当麻!早く、早く」
上条「インデックスお前の力でヤツを抑えられな…」
インデックス「早くタバコを探しに行こうよ!」
上条「え……?そっちなんだ」
ステイル「やれやれ、何をしているんだい、刻一刻と時間は過ぎていっているんだよ」
上条「あぁもうどうにでもなれだ、行くぞお前ら!」ダッ
インデックス「うーん、駄目だねこの辺りの自販機も全て稼動してないよ」
ステイル「一応、魔術ピッキングで中身を確認してみたけど、全て空だったよ」ジャラ
インデックス「さすがステイル、抜かりがないんだよ!」
ステイル「こんなこともあろうかとってヤツさ」
インデックス「当麻の方々はどうだった、コンビニで売ってくれた?」
上条「…………無言で唾をかけられた」
インデックス「うーん、他にタバコのある所といえば」
上条「あんまり乗り気じゃないが、心当たりが一つあるぜ…」
ステイル「僕達に手段を選んでいる暇などないさ、罪も無い一般市民が犠牲になってもいいというのかい?…いや駄目に決まっている」グッ
インデックス「ス…ステイル…」
上条「誰のせいだよ、誰のッ!つかオマエはもうちょっと手段を考えろ!!」
=路地裏=
インデックス「なんだか人気の無い所だね」
上条「そりゃ………」
「あぁ、なんだテメェら!」
「ガキの来る所じゃねぇぜ、帰りな」
上条「不良の溜まり場だからな…」
ザッ
インデックス「そ、そうか!当麻の考えている事が分かったよ」
上条「あぁ、こういう奴等なら」
インデックス「草を乾燥、発酵、そして乾燥という過程を経て喫煙できる状態のタバコにまで持っていく労働力にするつもりだね!」
上条「いや、違う。…つかなんでそんな回りくどいの?」
上条「あ、気にしないで下さい、俺達何もしませんから」
不良D「あんだぁ、ここを俺達グループの縄張りだってのを知らねぇのか」ブォン
インデックス「当麻、危ないよ!」
上条「正当防衛って事で…おりゃぁ!」バギィ
不良E「ふ、ふざけやがって!」ダッ
ステイル「インデックスキミは下がって!…魔術師殺しの紅頭突き!」ガンッガンッ!
不良E「ギャアぁぁ頭が!」
インデックス「ステイル…いつの間にそんな強力な魔術を」ゴクッ
ガサガサ
上条「ん…おかしいな、タバコ所かライター一つ持ってないぜ」
インデックス「カード類は足が付くから現金だけ抜き取るんだよ」ゴソゴソ
ステイル「なるほど、Suicaなどは彼等が帰れなくなったら困るから残しておいてあげよう」ゴソゴソ
上条「何その中途半端な優しさ!?マジでシャレにならないから止めろって、ジャッジメントされちまうだろうが!」
不良H「ふふ…貴様らの目的も煙草か…。だが一足遅かったな……あの煙草は全てアクセラレータ様に」ガクッ
ステイル「な…なんだって…、まさか一方通行が彼等の黒幕だったとでもいうのか」
インデックス「どうやら私達の次の目的は決まったみたいだよ!当麻」
上条「………もう俺帰っていいかな」
=いままでのあらすじ=
黒子『アレイスター統括理事長の禁煙令に端を発したステイルさんのニコチン依存症を抑える為のタバコを求める旅は苦難を窮めましたの。しかし、学園都市に残されたタバコは全て一方通行さんの手に渡っていたことが分かりました。』
ガチャ
御坂「ん……黒子お風呂で服着たまま、何やってるの?」
黒子『罪の無い人々に刻一刻と迫る、炎の怪物イノケンティウスの脅威…、怒りを力に変えて、ステイルさんは今最後の戦いに赴くのでありましたの…』
御坂「ねぇだから何を?」
上条「あいつらの言ってた事が本当ならアクセラレータとやり合う可能性もあるって事か…」
ステイル「知っているのか、上条!?」
上条「一度闘った事があるが、仲間の力を借りて奇跡的に勝ったようなもんだ…」
インデックス「大丈夫だよ、いくら超能力で一位だからっていっても、こっちには魔術師が二人もいるんだよ!」
ステイル「そうさ、キミは何も心配する事はない」
上条「だから余計心配なんだってば」
上条「そもそも魔術師ってくらいなんだから、その辺の雑草をタバコに変えれないのか?」
インデックス「そんなの無理に決まってるよー、メルヘンじゃないんだから」
ステイル「ま、そう世の中上手くいかないって事だね。僕に出来る事いったら」ブォォォン…
インデックス「ス…ステイルの両手から凄い魔力を感じるんだよ!」
シュバァァッ!
ステイル「こ、この雑草をドクゼリに変える…くらいだね…ハァ…ハァ」ダラダラ
上条「…なんで毒草?つかなんでそんなに疲れてんの」
ステイル「こ、この魔術は体力の三分の一は持っていかれるからね、こ、困ったものさ…」ダラダラ
上条「困ってんのはお前だ!何無駄に体力消耗してんだよ」
インデックス「ううん無駄なんかじゃないよ、ステイルのドクゼリを私が…」サッ
ブォォン
ステイル「そうか、インデックスは魔術こそ使えないがその魔力を操作することが出来る。僕の魔力を利用して…!」
インデックス「ハァ…ハァ…」ブォン
上条「おい大丈夫かよ、インデックス」
インデックス「ご覧の通りヤマトリカブトに変わったよ、エッヘ…げぼうっ!」
上条「余計猛毒になっただけだろうが…つかなんで吐血?体力温存っていってるだろが」
インデックス「大丈夫だよ、体力じゃ無くて命が減っただけなんだよ」ニコ
上条「大丈夫じゃねぇよッ!余計質が悪いわ」
ステイル「仕方ない、あのコンビニでインデックスの傷と空腹を癒そうか」
=コンビニ=
インデックス「あ、うまい棒が沢山あるよー、一つ買ってもいい?」ゴソゴソ
ステイル「勿論…と言いたいところだけど、チョコ味は中身が少ないから止めておいたほうがいいな」
インデックス「本当だ、ステイルって物知りなんだねー」サクサク
スタスタ
上条「一方通行相手じゃ役立つか分からないが、何か武器の様なものは無いか…」ゴソゴソ
インデックス「すいませーん、オデン下さいー」
上条「あいつらは役にたちそうも無いし…俺が気合いを入れないとな」ドンッ
一方通行「あ……ワリィ、前みてなかったわ」
上条「いえこっちこそ、すいませ…」
一方通行「あン?上条じゃねェか……お前も買い物か」
上条「まぁそんなとこだ…。それは数珠か?葬式にでもいくのか」
一方通行「ン……いや、行くっつーか…そうなる予定てか…」
上条「あ、ゴメン、変な事聞いちまって……」
一方通行「いやいい、気にしてねェから…」
上条・一方通行「……………」
上条「(やべぇ…俺なんか地雷踏んだ?目茶苦茶空気重いって、つか今日に限ってなんでコイツこんな元気無いんだよ!?)」
一方通行「お前知ってンか…人の夢ってェ書いて儚いってェ読むんだぜ…。人の命なんてそんなもンだよな…」
上条「あぁ、そうなんだ?なんか深いよね…(できえねぇ!今のコイツに勝負を挑むなんて俺には…)」
ダッダッダッ
インデックス「当麻ーお勘定するからサイフ貸してー」
ステイル「喜びたまえ、キミにはチクワとハンペンを買っておいたぞ」
一方通行「あン?オマエの連れか?」
上条「ちょっと待てインデックス!こっちには…」
ステイル「ふっ、ようやく見つけたよ…その肌と髪の色、キミがアクセラレータだね」
一方通行「ン…そうだけど、すィませン…俺ちょっと急いでるンで…」
上条「いや急いでるみたいだから俺達も今日の所は…」
ステイル「数少ない、学園都市のタバコを独占しようなどと、このイギリス聖教の僕が許しはしないよ。死を持って償うかい」
インデックス「当麻の右手は幻想殺しなんだよー、あなたの野望もぶち殺すんだから!」
一方通行「………………」
上条「ちょっと止めて!いまこの人、死とか殺すとかそういうワードに敏感だから!デリケートな状態だから!!」
一方通行「…ど……どいつもこいつも…タバコ…タバコ…だァ?」ブルブル
上条「いや違うんだ、一方通行!子供の言う事だから気にしないで欲しいというか御免なさいというか…」
ステイル「おや?恐怖の余り声も出ないようだね、イギリス聖教の名がここまで知れ渡っていたなんて光栄だ」
インデックス「そうだほ、イギヒフせいほうはむへひなんだほ」サクサク
一方通行「じ、上等じゃねェか…うまい棒食べながらこのアクセラレータ様を殺せるもンなら殺してみやがれ…」ゴゴゴゴゴ
上条「あぁ…なんかもう不幸だ…」
=コンテナ倉庫=
インデックス「どこまで行くのーなんだか変な匂いしてきたし、オデンも冷めちゃうんだよ!」
一方通行「…付いたぜ、ここなら誰にも迷惑がかからねェ。タバコが欲しィんなら俺から力づくで奪うンだな」ザッ
ステイル「望む所さ…、イノケンティウスが使えなくとも魔術師殺しの紅頭突きで」ブォン
インデックス「そうだよー、この神の加護を受けた聖剣エクスカリパーで」スチャ
上条「いや…それさっきそこに落ちてた普通の鉄パイプだから…」
一方通行「ワリィ事はいわねェ、やめてとけ魔術師さん達よォ…」
インデックス「ここまで来て命乞いなのかな?でもタバコ渡すまで許さないもん」ブォンブォン!
上条「命乞いじゃねぇよ、俺は一度闘ったから知ってるが、アイツに攻撃を仕掛けてその威力が倍になって返ってくるんだよ!」
インデックス「ば…倍になって返ってくる?そんな…そんな事って…」
一方通行「それが俺の能力ベクトル操作だ。金属バットだろうがエクスカリパーだろうが例外じゃねェ、怪我しねェ内に止めときな…」
ステイル「それは中々厄介な能力だ…だかこちらは魔術師。手段はいくらでもある」
インデックス「そうなんだよ!えいッ」ブン
上条「馬鹿止めろ、インデックス!」
ポン!……コロコロ
インデックス「あ…あれ、おかしいな?もう一回いくんだよ!」ブン
ポン!…コロコロ
一方通行「あン……、何投げてンだオマエ?」
インデックス「当麻の嘘つきー!アイツに栗饅頭投げても倍になって返ってこないんだよ」
一方通行「倍ってそうィう意味じゃねェよッ!どこのネコ型ロボットだ俺は!?」
インデックス「く、栗饅頭が……地面に落ちて土だらけになったん…だよ…」
ステイル「くっ…なんて酷いんだ、これが学園都市第一位…」グッ
上条「第一位とか関係ねぇよ!酷いのはオマエらの頭だ、いいからさっさと拾え栗饅頭!」
インデックス「く…栗饅頭…まだフーフーしたら食べれるかな」ゴソゴソ
上条「さて、もう茶番はいいだろ…一方通行。そろそろ本当の事を教えてくれないか?その数珠と何か関係があるのか」
一方通行「へっ、やっぱりテメェの目は誤魔化せねェ……か」
上条「オマエが本気でやってたんなら俺達は今頃地面に平伏してるさ」
ステイル「そうだね、まぁ僕には分かっていたけど。キミが本気をだせばインデックスが拾う前にベクトルを操作し、栗饅頭を手に入れる事が出来た…違うかい?」
一方通行「違ェよッ!つかそんな土まみれの栗饅頭なンかいらねェし!」
上条「御免ステイル…向こうで栗饅頭喰ってて……」
一方通行「変わってねェな…その瞳。例の実験を止めに来た時と何一つ変わっちゃいねェ…」
上条「あ、あの時は必死だったからな、何も考えて無かったっていうか…」
一方通行「何も考えずに人の為に、あンだけの事が出来る…、そんなオマエだからこそ、いやそんなオメェだからこそ…俺は」
上条「ア、アクセラレータ…?」
インデックス「…………………」
ガシッ
上条「え?何……インデックスいつの間」
インデックス「幻想飛しぃぃぃぃぃ(イマジン・バスター)ッ!」ブォン!
ベキィィィィィッ!
一方通行「ッてェな!話の途中だろうが、なにすンだよ」
インデックス「それはこっちの台詞だよ、こんな寒い所にずっといるからオデンが冷めちゃったんだよ!それになんで『だからこそ』二回言ってるんだよ」
ステイル「早くしないとインデックスが風邪をひいてしまう、早くタバコを渡してくれないかい。それに街の人達が心配だ…」
上条「おかしくない?心配する優先順位おかしくない?」
一方通行「テメェらの欲しがってたタバコならあそこだ……」スッ
インデックス「ん……あっちはさっきから変な匂いと煙りが出てた所だよね」
スタスタ
ステイル「なっ……これは一体なんだっていうんだ!?」
ブォォォォォッ!
一方通行「見ての通りだ、この学園都市に残ってるタバコ全てを燃やしてンだよ」
上条「お前その為にタバコを……?でも一体なんで」
ステイル「……バコ……タバコ……バコ…」ブツブツ
上条「…ん?なにステイル、いつの間に後に」
ガシッ
ステイル「幻想徒手空拳(イマジン・ストレート)ッッ!!」ブォンブォン
ベキィ!バキィ!
一方通行「ぐふっ!げばっ」
上条「だから勝手に人の右手で使ってんじゃねぇよ!痛ぇってば!」
インデックス「大変だよ、きっと感覚中枢を移植したイノケンティウスの身に何かが…。大丈夫かな」
ステイル「バコ…タバコ…タブォコォ!!」ブォンブォン
ベキィ!バギンッ!
上条「イノケンさんの心配はいいからこっちの心配をしろぉ!さっさとコイツ止めろ、手がいてぇ!」
上条・一方通行「ハァ……ハァ……ハァ……」ドサッ
ステイル「おっと、すまない少し取り乱してしまったようだ…僕らしくないね」ダラダラ
インデックス「やっぱりイギリス聖教に伝わる伝説の聖剣、エクスカリパーの威力は絶大だね」ニコッ
ステイル「あぁ、ナイス判断だ、さすが我が姫君」ニコッ
一方通行「……オメェも大変だな」
上条「……分かってもらえて何よりだ」
インデックス「さぁ全てを洗いざらい話してくれないかな?なんでタバコを」
サッ
ステイル「だがその前に一つ言わせてくれ……、殴られた身体は痛いと思う…だが。殴った拳はもっと痛い、これだけは忘れないで欲しい」
インデックス「ス…ステイル…カッコいいんだよ」
上条・一方通行「だからオメェは殴られても、殴ってもいねェだろうがァァァッ!」
=病院=
一方通行「ここだ、入ってくれ…」
スタスタ
打ち止め「………………」
上条「女の子?…なんだかビリビリに似てるな」
インデックス「一体どうしたのこの子?点滴までされてるんだよ」
一方通行「あァ…実は昨日コイツと公園を散歩してたンだが…」
………
……
…
=公園=
『何っ、イノケンティウスが避けられただと!』
ドドドドドッ!!
打ち止め『んー何の音なのかな、とミサカはミサカは聞いてみたり』
一方通行『また喫煙者がやられてンだろ…全く、喧しくてかなわねェ』
パラパラパラパラ
打ち止め『あれ、何か落ちてきたよ?ミサカはミサカは味見をしてみたり』パクッ
一方通行『おいコラ!なんでも道に落ちてるからって食べたら駄目だっていつも言ってェんだ……』
打ち止め『………………』ピクピク
一方通行『お、おいどうしたってェんだよ…おいッ!しっかりしろ!』ガッ
一方通行「急いで病院に連れていったンだが、診断の結果…タバコの誤飲が原因だそうだ」
上条「それで、お前はこれ以上この子の様な犠牲者が出ない為にタバコを…?」
一方通行「へっ、俺がそんな善人にみえるか?…コリャ罪滅ぼしだ、俺は自分で自分を許す為に全てのタバコを消し去ろうとしてンのさ…」
上条「あ、アクセラレータ……、お前」
ステイル「しかし少し不自然だとは思わないか…いくら子供とはいえ、道端に落ちていたタバコをそう簡単に飲み込むだろうか…?これは何か異能の力が働いているのでは」モシャモシャ
インデックス「そうはよね、いふはなひんたひよぬっ!」モシャモシャ
上条「地面に落ちた栗饅頭を平気で喰ってるヤツラに言われたくねぇよッ!!」
インデックス「それでこの子の容態はどうなのかな?タバコの誤飲は直ぐに病院で胃洗浄を行えばそんなに深刻な事態にはならないんだよ」
一方通行「なンでテメェ、いきなり真面目になってンの?なンでそんなに詳しいの…」
打ち止め「………………」
一方通行「勿論、胃洗浄はした…。だが何故か体内のタバコが洗い流せねェらしい」
上条「な…なんでなんだよ、なんでそんな事が!?」
一方通行「コイツの身体は普通じゃねェ、恐らく体細胞とニコチンがなんらかの作用を引き起こしているンだろう…」
ステイル「そ、それじゃぁこの子はどうなってしまうんだい…」
一方通行「人の命ってもンは……人の命ってェのは、儚いもンなンだよ」グッ
打ち止め「ミサカは…サカは………ミサカは…ミサ…」ガタガタ
上条「な、なんだいきなり苦しみだしたぞ、この子!?はやくナースコールを」
一方通行「…ま、まさか……嘘だろォオイ…」
上条「どうしたんだ、一方通行聞いてるのか!」
一方通行「マジィ……、またネットワークの暴走を引き起こそうってェのか!?一体なんでだってンだ」
上条「ネットワーク…?暴走…お前一体何を」
一方通行「説明は後だ、早く専用の治療を行わねェと……大勢の人間が死ぬ事になる…!」
打ち止め「ミサ……ミサカ…は…ミサ……サミ…」ブツブツ
一方通行「くそっ、エラーコードを聞き逃しちまったぜ!」
上条「エラーコード…?さっきからこの子が呟いてる言葉か?インデックス!」
インデックス「分かってるよ、当麻!」
一方通行「一体そのチビがなンだってンだよ」
上条「インデックスは瞬間記憶能力ってヤツを持ってんのさ!一度見たり聞いたりしたことは忘れねぇ、頼んだぜ」
インデックス『ゆうていみやこうきむこうほりいゆうじとりやまあきらぺぺ……』
ステイル「これはまさか悪魔神官ハーゴンの仕業…恐ろしいヤツに目をつけられたものだ」
一方通行「なァ、頼むからコイツら連れて帰ってくンない……」
上条「誰かこの魔術師どもの口に、ドラゴンクエスト2のROMカードリッジを突っ込んでくれぇぇッ!!」
上条「ニコチン…体内のニコチンさえ取り除けばこの子は元に戻るのか?」
一方通行「絶対…とはいえねェがその確率は極めて高い…。だが手術で取り除くにしても時間がねェ…。後は……」
上条「この子が死ぬか…だな、アクセラレータ」
一方通行「…………………」
インデックス「と、当麻…それはまさか」
上条「ステイル、さっきの毒草に変化させる魔術…、体内に目標があっても使えるか」
ステイル「別に問題は無いが…本当にいいのかい?」
一方通行「毒草だァ!?テメェそれで、こいつの命を確実に止めるつもりか!応えろ」ガッ
上条「時間がねぇんだろ…頼む、俺を、俺を信じてくれ……!」
バッ
一方通行「くっ、好きにしろ!……そんな瞳をしてるヤツを信じねェワケにはいかねェだろ」
インデックス「大丈夫だよ、当麻なら…当麻ならきっと、『もょもと』ちゃんを救ってくれるんだよ」
一方通行「…いや違うから、ラストオーダーだから。つか、なンて発音すンだよソレ」
ステイル「それじゃいくよ、上条当麻!このステイル・マグヌス最大の秘術…」ブォン
打ち止め「ミサ…ミサ……ガンッ!…ミサカは…ガンッ……ミサタバァコ!!」ガクガク
一方通行「打ち止めッしっかりしろ…!くそっ、俺ァ見ているだけしかできねェってのか!」
インデックス「私なら…私なら。ステイルの魔術を操って毒草を猛毒草に変える事ができるよ、エッヘン!」
一方通行「ちょっとォォ!誰かこの幼女部屋から叩き出してくれないィ!?」
バッ!
上条「俺の右手は幻想殺し……。俺は人は殺さねぇ、その幻想を殺すッ!」
………
……
…
一方通行「医者の話じゃァ、あれほどこびりつていたタバコが綺麗さっぱり消えてたようだ。…ほらよ」ブン
パシッ
上条「マカデミアンナッツか…あのカエル先生、有給使ってハワイ行ってたのか」
一方通行「ッたく、今さら帰って来てもおせェンだよ…」ボリボリ
上条「ま、なにはともあれ容態も落ち着いたみたいだし、後は退院するだけだな」
一方通行「お陰様でな…しっかしテメェも無茶しやがンぜ。体内のタバコを魔術で毒草に変化させ魔力を帯びさし…」
上条「その瞬間俺の右手で消し去ったって訳だ。普通のタバコなら無理だが魔力を帯びれば異能の物体だからな」
一方通行「相変わらず無茶しやがるぜ…テメェはよ」
=上条自室=
インデックス「ごはんー、ごはんー。ご・は・んー。ステイル、今日は何かな?」
ゴソゴソ
ステイル「この冷蔵庫の中身なら……今日こそはヤキソバを作ろうかね」
インデックス「ヤキソバ!?やったー、焦がさないようにしてね」
ステイル「ふっご安心を、姫君。この命に代えても」スパー
=学校=
青髪「それにしても小萌先生、もう一週間も休んでるで。大丈夫かいな」
上条「ん…?そういやアレイスター統括理事長の禁煙令は今日で終わりだったっけか」
土御門「そうだが、それがどうかしたのか、カミやん?」
上条「だったら今日辺りにでも来るんじゃないか」
ガラガラ
小萌(包帯)「はぁーい皆さん席に付いて下さいよー。私が居ない間ちゃんと勉強してましたかぁ」
青髪「ほんまや、なんで分かったんやカミやん?てかなんやろあの包帯」
上条「はは…色々あったんだろ…色々な」
姫神(包帯)「……おはよう」
青髪「お、姫やんおはようさんー!」
上条「………お、おはようございます、姫神さん」
土御門「ん?なんで敬語なんだカミやん」
上条「ふぅ…疲れたぜ、まさかパンデモニウムさんが…」
モワァァァァ…
ステイル「ん、どうしたんだい?早く上がったらどうだ」スパー
上条「やれやれ、まぁあの子が助かったのもお前のお陰でもあるし…我慢するか」
インデックス「今日こそはステイルのヤキソバが食べれるよー、楽しみだなぁ」
ステイル「ふふ、そこまで楽しみされるとこっちまで嬉しくなるね」ジュゥゥゥゥ
インデックス「でも、タバコってそんなに美味しいの」
ステイル「それはもう。特に合法的に吸うタバコは……ね」スパー
上条「駄目だぞ、インデックス。タバコなんかに興味持ったら、あんなもん百害あって一利無しだ」
ステイル「ま、この味を知らぬ者には分かるまいよ。大人の味ってやつさ」
上条「へいへい、そうですか……。そういやお前歳いくつだっけ?」
ステイル「じゅうよんさいだけど?」
上条「それって、思いっきり非合法だろうがぁぁぁぁぁぁッ!!」ブォン
バリィーーーンッ!!
ステイル「げっぶぉぉぉッ!」
インデックス『なにするのー当麻、ステイルのヤキソバがー』
ドサッ!
打ち止め「空から人が降ってきたよ!ってミサカはミサカは驚いてみたり」
一方通行「あン?もう拾い食いすンじゃねェぞ」
打ち止め「私だって学習するんだよーってミサカはミサカは憤慨してみたり」
ステイル「………………」ピクピク
=おしまい=
黒子『喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めますわ。また、未成年者の喫煙は健康に対する悪影響や、タバコへの依存をより強めるので法律で固く禁じられていますわ。未成年者は回りの方からすすめられても絶対に吸ってはいけませんわ。わかりましたの?』
御坂「ちょっとーく・ろ・こ。ヘッドフォン外すわよ」サッ
黒子「あらお姉様おりましたの?わたくし今回はナレーションでして。お風呂の方がエコーが掛かっていい感じなんですのよ」
御坂「へ、へぇ…そうなんだ」