炬燵少女「うーん…」
炬燵少女「あ、いえ何でもないです」
炬燵少女「…どうしようかなぁ」
炬燵少女「あ、気にしないでください」
炬燵少女「はふぅ…」
炬燵少女「……………」
炬燵少女「……………」
炬燵少女「ちょ、ちょっとは気にして欲しいんですが…」
元スレ
炬燵少女「そろそろ衣替え」
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炬燵少女「はい、回りくどくてすみませんでした」
炬燵少女「ええ、いやあ悩みという程のことでもないんですが」
炬燵少女「そろそろ暖かくなってきたのでね」
炬燵少女「衣替え、しなきゃなあと思いまして」
少女「ええ、衣替え」
少女「あなたも昼間は半袖で過ごしているでしょう?」
少女「そうそう、でも夜や早朝がねえ。冷えるんですよねえ。変に薄着にしちゃうと」
少女「それが悩み所」
少女「うーん…」
少女「え?ええはい勿論」
少女「炬燵布団の話ですよ?
少女「この、今の炬燵布団。これ、ワタシすごおく気に入ってるんですよ!」
少女「ほどよいフワフワ感」
少女「落ち着いた色合い」
少女「この冬を共に過ごした、かけがえのない思い出が詰まっているわけですよ!」
少女「毎日食べた蜜柑の汁も染み込んで…」ぼそっ
少女「いえ?何でもないですっ」
少女「まあワタシの衣替えはいいとして」
少女「最近どうなんですかあ?」
少女「ほほほ、またまたぁとぼけちゃってえ、彼女さんですよう」
少女「…おう…そこまで露骨に顔がニヤケると、逆に清々しいですね…」
少女「え?明日?家…ここに遊びにいらっしゃるんですか」
少女「へ、へえ~…」
少女「に、逃げたりしませんよう。人聞き悪いですね!」
少女「いやいや、別に嫌ってるとかじゃないですよ」
少女「実際にお会いしたことないですしね」
少女「でも、何か…」
少女「妹ってことになってるんですよね?ワタシ…」
少女「…つまり、アナタとワタシは兄妹」
少女「…………………」
少女「ワタシは、何て呼べばいいんですか?アナタのこと」
少女「だ、だだって、今までずっとアナタとしか呼んでないんですから!」
少女「おっ…おおおおに、おにっおおににいいいににっちゃ、ちゃちゃああああ………お、にい、ちゃ、ちゃん…」
少女「……………………」
少女「あ、ああああああうううううう!」
少女「むむむ、ムリムリムリです絶対っ!!!ひいぃ…」
少女「顔が赤いとか言わなくていいです!!」
少女「うううううう…」
少女「なんで妹なんて設定にしたんですかあ…」
少女「はい?名前?」
少女「名前呼ぶとか!そっちの方がムリですよう!」
少女「もう、仕方ないですね…」
少女「ええ、これしかありません」
少女「呼びかけなきゃいいんですよね!」
少女「ほわああぁ…あぁ、おはようごぜいまし…お早いですねい」
少女「でえとの日は、いつも早起きですねえ。気合い入りまくりですね」
少女「わ、わかってますよう」
少女「ワタシも彼女さん見てみたいですから、頑張りますよ」
少女「お、」
少女「…おうおおお」
少女「おっ!!!」
少女「おごっぎいいぃぃじゅゃん!!!」
少女「…………………」
少女「練習しておきます」
少女「おにいちゃん」
少女「おにーちゃん」
少女「にーちゃん」
少女「にいさん」
少女「にいや」
少女「あにき」
少女「あに」
少女「おにいさま」
少女「あにさま」
少女「にーに」
少女「……………………」
少女「あの人がいなければ、こんなにスラスラ言えるのに…」
少女「はぁ…」
少女「うぅ…」
少女「ふー…」
ピンポーン
少女「!!!」ビクッ
少女「き、きた…」
少女「どきどきどきどきどきどきどきどきどきどき…」
少女「口でどきどき言っちゃうほど緊張している!」
少女「深呼吸!すーはー!すすー!はっはああ!!」
少女「よ、よよし!」
ガチャッ
少女「っ!お、おかえりなさあい!」
少女「………」ホケー
少女「はっ!?あああ、初めまして兄のつまり妹であるワタシです!」
少女「兄の、妹の兄がお世話になっています!」
少女「立ち話もなんですから!」
少女「どうぞ中へ!」
少女「さあ!どうぞこちらへ!」
少女「炬燵をどうぞ!」
少女「」
少女「」
少女「」
少女「へ、へえ…」
少女「」
少女「」
少女「はは…」
少女「あ、ういいやるんですか?」
少女「え?ワタシも一緒にやっていいんですか?でも…」
少女「!?ど、どうしましたいきなり爆笑して…」ビクッ
少女「あ、ああ!そのキャラそっくりですよね、本当!おに、おにいちゃんに!」
少女「そうそう、頑張って作ってたんですよお」
少女「あはははははははひひゃふぁひはぃれふ」
少女「彼女さんゲーム得意なんですねえ」
少女「あ、対戦ゲームもいいですけど、アレやりませんか?」
少女「あの、相性ゲーム!」
少女「以前やった、全問不正解は良い思い出です」
少女「お二人は全問正解とか楽勝なのでは?」ニヤニヤ
少女「…お、にいちゃん、顔が気持ち悪いです」
少女「えっ」
少女「……………………」
少女「えっ?」
少女「えっ?」
少女「えっ?」
少女「……………………」
少女「ぜ、全問正解」
少女「ワタシとおに、いちゃんが」
少女「それで…」
少女「お二人が全問不正解とは…」
少女「……………………ええと」
少女「しょせんはゲームですから」
少女「はい、あの、あの」
少女「……………………ううう」
少女「え?別に気にしてないですか?」
少女「彼女さん…優しいですね」
少女「これは惚れる筈ですね!おにいちゃん!」ニヤニヤ
少女「ほ、ほんろーろころららいれふかぁ!」
少女「え?もう帰るんですか?」
少女「あぁ、もうこんな時間ですか」
少女「はい、しっかり送ってさしあげてください」
少女「で、ではまた」
少女「こちらこそ!楽しかったです」
少女「とっても好い人で、嬉しいです。おにいちゃんにはもったいないです」
少女「えへへ。ってなんでおにいちゃんが照れてるんですか…」
少女「はい、ではお気をつけて」
パタン
少女「……………………」
少女「……………………はああーーーー」
少女「緊張したあ…」
少女「あ、おかえりなさあい」
少女「いやあ、好い人じゃあないですかあ」
少女「安心しましたよ、本当」
少女「え?なんですか、黙って近づいてき…はっ!またほっぺたツネル気で」ワシャワシャ
少女「へっ?わ、なにっ?」ワシャワシャ
少女「なあっいきなり何をするんですか!?髪グシャグシャになったじゃあないですかあ!」
少女「え?頑張った?」
少女「妹の、フリ?褒めてくれてるんですかあ?」
少女「できてましたか?ワタシ、ちゃんと」
少女「お、おにいちゃんって言えてましたか」
少女「本当の兄妹みたいでしたか」
少女「そういうの、よくわからないですけど」
少女「えへへ」
少女「なんか、ちょっと楽しかったです」
少女「あ、蜜柑!」
少女「帰りに買ってきてくれたんですか」
少女「はい、食べましょう食べましょう!」
少女「ええ勿論炬燵で!」
少女「えへへへへ」
少女「あ、衣替えのことですけど」
少女「明日辺り替えようかなと」
少女「はい、このちょっと薄い掛け布団に!」
少女「え?夏になったらどうするかと?」
少女「んー」
少女「まあ、アレですよ」
少女「それはまた、その時に考えればいいんですよ」
少女「え?居座る気かと?」
少女「ま、まさか今になって警察沙汰にしようなどと…!?」
少女「ですよねー。って、それでいいんですかね。自分でいうのもなんですが」
少女「いいんですか」
少女「ワタシ、居座っててもいいんですかあ」
少女「…冬も春も」
少女「夏も秋も?」
少女「えへへ」
少女「炬燵と蜜柑があれば…あ、いや、たまには雪見大福も食べたいです!」
少女「え?甘い物は控えてる?」
少女「まだ虫歯治ってなかったんですかあ!?」
炬燵少女「夏仕様!」
炬燵少女「薄い生地。しかし柔らかい肌触り」
炬燵少女「ぬくぬくではなくゴロゴロしたくなる居心地の良さ」
炬燵少女「はぁ~」
炬燵少女「あ、おかえりなさあい」
炬燵少女「ごはんにします?お風呂にします?それとも、こ・」
炬燵少女「あ!何で先に言うんですかあ!」
炬燵少女「なに笑ってるんですかあ」
炬燵少女「あ、蜜柑食べたいです!」
炬燵少女「はい、ゴロゴロしながら食べましょう食べましょう!」
炬燵少女「あ~幸せですねー!」
炬燵少女「はい、えへへ」
おわり