兄「妹さん、妹さん」
妹「何?」
兄「お菓子はいらんかね?」
妹「いらない」
兄(不可思議。昔はお菓子といえば飛び付いたものだが)
兄「で、では、ジュースでも」
妹「い・ら・な・い!」
兄(なにゆえ)
妹「急にベタベタしてくるな、きもい」
兄「今日はそのような気分なのでございます」
元スレ
兄「妹を可愛がりたい」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1303919015/
妹「あっそ」
兄「……」 うずうず
妹「……」
兄「かーわーいーいー!」 くしゃくしゃ
妹「わわっ、私に触んな!!!」 ぶんぶんっ
兄「怒った妹もかーわーいーいー!」
妹「すっごい腹立つんだけど。お前、そこに正座」
兄「あーん、お前だなんてー」
妹「うっざっ!! 超うっざ!!」
兄「兄、反省」
妹「で、今度は何なの?」
兄「妹を可愛がる気分だったのです」
妹「へえ。次やったら二階から突き落とすよ」
兄「それ前にやったじゃーん。腕の骨折れたじゃーん」
妹「今度は頭から落ちなよ」
兄「ひーどーいー!」
妹「……」 いらっ
兄「怖い。落ち着いて妹ちゃん、私と妹ちゃんの仲でしょ!」
妹(落ち着け私。兄相手にマジになってもしょうがない、疲れるだけ。落ち着け私)
兄「妹ちゃんの大人な態度に惚れちゃいそう」
妹「何考えてるかわかるなら少しは自重しろ……」
兄「無理」
妹「……」 ぷっつーん
兄「でもないかも、今度から気をつけようと思わなくもない。本当だって! 目が怖いよ!」
妹「もう私に構わないで」
兄「……」 うずうず
妹「触ったら……殺す」
兄(命を取るべきか、衝動に身を任せるべきか、それが問題だ)
妹「迷うなっ!」
兄「だってー」
妹「はぁ。今度は何をどうすれば満足なわけ?」
兄「妹ちゃんを可愛がりきったら」
妹「何それ」
兄「気分次第的な?」
妹(突き落とした方が早いかも)
兄「あ、ごめん嘘、今日いっぱい可愛がったら終わる。マジで」
妹「具体的には?」
兄「妹さん、おなかは空きませんか?」
妹「お昼時だし空いてるけど」
兄「お兄ちゃんが特製料理を作ってあげましょう」
妹「やめて。どうせ後片付けするのは私なんだから」
兄「台所は使わない特製料理にしましょー。期待しててくださいな」 バタバタっ
妹「ちょっと!」
兄「かかかかか完成しましたしたよー!」
妹「特製料理?」
兄「チーズを載せた兄特製トーストですよー、よー、よー」
妹「変な物入れてないでしょうね」
兄「もちもちのろんろん」
妹「ウザいって言わなきゃわかんない?」
兄「ごめんなさい。さあ、食べましょー!」
妹「いただきま」
ひょい
妹「……何のつもり?」
兄「あーんして、あーん」
妹「は?」
兄「可愛がりの基本でしょ、あーん」
妹「で、で、で、できるわけないでしょ!?」
兄「その喋り方は俺の特許ー! 真似したらダメだって、キャラ被っちゃうだろ?」
妹「はぁ、はぁ、はぁ……怒るな私、怒ったら負け、喜ばせるだけ……っ」
兄「なんかー、妹ちゃんの息遣いがー、え・ろ・い」
妹「でぇぇぇい!」 バシっ!
兄「痛っ、痛い! 殴ったね!」
妹「殴らせるな。黙れ。あんたに付き合ってあげてるだけありがたいと思え」
兄「妹は優しい子だね」
妹「ほっ、微笑みかけるなっ! きもい! ぞわっとする!」
兄「はいはい。あーんして」
妹「……」
兄「あーんして、あーん」
妹「あーん」 もぐっ
兄「美味しい?」
妹「まずくはない」
兄「良かったー。特製白ジャムが効いたのかな」
妹「白ジャム?」 きょとん
兄(天然の純朴さに敗北感が。違う、俺は薄汚れてなんかいない!)
妹「何でもないなら早くしてよ」
兄「大きく口を開いてー」
妹「あー、んむぅっ?!」
兄「はいぐいぐい押し込んで、ぐっと飲み込むぇぶっ!」 ばたっ
妹「うべっ、べっ! あっ、あんたを信用した私がバカだったっ、人の口にトースト突っ込みやがって!」
兄「事故でひでぶっ!」 ばたっ
妹「窒息死させるつもり? そうなんでしょ? なら正当防衛よね、ねぇ?」
兄「ノー! ノー! 異物を喉奥に突っ込まれて喘いでる妹さんの顔が見たかっただけなのです! エロかったです!」
妹「地獄に堕ちろ」 ガツンっ
兄「ひぎぃ」 ばたんっ
妹「はぁ、はぁ、はぁ……どうして私がバカの相手をしなくちゃいけないわけ……」
兄「なんだかんだで付き合ってくれる所は妹の可愛い所だと俺は思うよ」
妹「復活早いって、のっ!」 ブンっ
兄「ごめん、少しやりすぎた。苦しいのはダメだね。俺が悪かった」 ぺこり
妹「ずいぶん素直ね」
兄「悪いと思った事は謝る。当然だろ」
妹「悪いと思わなきゃ少しも謝らないわけね」
兄「当然だろ!」
妹「あっそう。あんたと話してると疲れるわ」
兄「あはははは」
妹「謝りなさいよっ!」 ブンっ
兄「あはははは」
兄「一汗かいた所で出かけるとしようか」
妹「はぁ、はぁ……どこに?」
兄「プールに行こうか」
妹「市民プール? 絶対に嫌」
兄「国道のバス乗って二十分くらいの所にあるじゃん」
妹「もっと嫌! なんで兄に構うだけで何千円も払わなきゃいけないの!?」
兄「? 何言ってんだ、おごるに決まってるだろ」
妹「え。で、でも水着もないし」
兄「あそこに売ってるだろ。バブルの頃に勘違いしてホテルまで併設してるくらい充実してるし」
妹「お金ないし」
兄「買ってやるって。いいから行くぞ、休日は短いからな」
妹「え? え?」
兄「とうちゃーく。無駄にでかいねー。ほらな、水着売ってるだろ?」
妹「う、うん」
兄「なんだよー。せっかく遊びに来たんだから楽しもうぜー」
妹「自分の胸に手を当てて、前科を思い出してから言ってよ」
兄「まるで俺が今まで何度も妹を散々な目に合わせてきたみたいな言い方だな」
妹「その通りでしょうが」
兄「悪気はなかった」
妹「悪戯心はあった。前に同じ事言ってたね……」 イラっ
兄「それより水着選ぼうぜ。この貝殻のとかすっげえオススメ」
妹「そんなの着れるわけないでしょ!」
兄「ま、そうか。妹のあられもない姿は他の男には見せたくないしな」
妹「ふ、ふーん」
兄「これとか似合うんじゃないか?」
妹「もう少し明るめの色の方がいい」
兄「ああ、お前そういうの好きだもんな。じゃ、こっちか?」
妹「それすっごくいい!」
兄「じゃ、試着して来いよ。待ってるから」
妹(絶対に途中で試着室に乱入してくるつもりだ……)
兄「試着しないのか? やっぱ気に入らないか?」
妹「す、する。するけど、そこ動かないでね?」
兄「ん、ああ」
ぱたぱたっ しゃー
妹(近づく気配がしたら思いきり蹴り飛ばしてやる)
兄「おっ、どうだった? 気に入ったか?」
妹(最初の位置から本当に動いてない) こくりっ
兄「じゃ会計済ませて早く行こうぜ。妹も早く泳ぎたいだろ?」
妹「うん」
兄「店員さーん、会計お願いしまーす」
妹(大人しすぎて逆に怖い)
兄「さて、水泳で勝負と行こうか。負けた方は水着を脱いでロードを最後まで歌いきる、ってフライングー!」
妹(やっぱり兄は兄か) ばしゃばしゃ
妹「歌い終わるまで私に近づかないでね」
兄「ちょうど一年前に~♪」
兄「感動した……ロードやばい。ロード凄い。俺も印税で儲けたい」
妹「少しは恥ずかしがるとかしたら? 人集まってたでしょ」
兄「見られて恥ずかしい体してないもん!」
妹「私はあんたが身内なのが恥ずかしい」
兄「恥らう妹もえー」
妹「うっざ!」
兄「次、ウォータースライダー行こうぜ!」 きゃっきゃ
妹「はぁ」
兄「一人用スライダーと二人乗りボート、どっちにするー?」
妹「一人用スライダー」
兄「おっけー、二人用乗りボートだな」
妹「人の話を聞け」
兄「せっかく二人で遊びに来たのに別々じゃ寂しいだろ」
妹「それは、そうかも、しれないけど」
兄「じゃ行こうぜー」
兄「回れー!!!」
妹「ひっ、ひやっ、やぁぁっ!!?」
ざっばーん
兄「耳に水がー!」
妹「兄ぃぃ!!」 がしっ
兄「がぼっ!? がぼぼぼっ!?」 ばしゃばしゃ
兄「遊んだー!」
妹「はぁ、はぁ」
兄「妹も遊び疲れたみたいだのぅ。風呂に入って帰るとするか」
妹「あんたが余計な事ばっかするからでしょうが!」
兄「水着の妹が可愛いから、ついからかいたくなるんだよ」 キリっ
妹「なっ、何それっ、バカじゃないのっ」
兄「バカになれる方が人生楽しいぞ。ほら、とっとと風呂行こうぜ」
兄「大変だ妹!」
妹「なに?」
兄「俺は女風呂に入れない。妹は男風呂に入れない。これじゃ一緒のお風呂に入れないじゃないか!」
妹「お風呂から上がっても兄がいなかったら先帰るから」 すたすたっ
兄「じーざす、おうまいがっ!」
かぽーんっ
妹(疲れた)
妹(兄のペースに巻き込まれると、いっつもこうだもん)
妹(他の人がお兄ちゃんだったら、もっと優しくて、もっと頼りがいがあって……)
妹「でも、なんか嫌かも」
妹(兄と一緒にいる方が楽しくて、ドキドキして……) ぶくぶくっ
妹「あーもうあっつい! もっとぬるいのに入るっ!」
兄(あの垣根の向こうが女風呂……っ! あまりに巨大っ! 圧倒的っ!)
兄「しかし、越えられぬ壁などあるはずがないっ!」
タッタッタッタッ
兄「でやぁっ!」 ビターンっ
兄「無念……」 がくり
『あっ』
兄「同時に出てくるなんて、これが運命ってやつ?」
妹「偶然でしょ。それより何かおごってよ。のど渇いちゃった」
兄「俺のカルピスと俺のレモンティーなら」
妹「? じゃカルピス」
兄「妹がノーマルでオーラルみたいでお兄ちゃんほっとしたよ」
妹「え? どういうこと?」 きょとん
兄「ち、違う、俺は汚れてなんかない! そんな無垢な瞳で見るなぁ!」
妹「え? え?」
妹「もう夜だね。風、気持ち良い」
兄「ああ、うん」
妹「まだへこんでんの?」
兄「いずれ大人になった時に自分の言葉を思い出して悶えるがいい……」
妹「よくわかんないけど」
兄(天然怖い)
妹「えと、今日は楽しかった」
兄「それは良かったです」
妹「その……ありがと、連れてきてくれて」
兄「……か」
妹「か?」
兄「かーわーいーいー!!」 くしゃくしゃ
妹「や、ちょ、兄!」
兄「先手必勝、ごめんなさい!」
妹「みんな、見てるから。……恥ずかしいって」 てれっ
兄「あれー?」
妹「ば、バスの時間、そろそろでしょ。急がないと!」
兄「あ、うん。……そういう系かー」
兄「ただいまー」
妹「ふぁー、あっ」
兄「それでは兄特製晩御飯を作るぞー」
妹「ごめん……眠い……」
兄「えぇー、大人の時間はこれからですぞ?」
妹「むり……」
兄「仕方ないか。ゆっくり眠って疲れを取らなきゃな」
妹「うん……おやすみ……」 トテトテっ
妹(兄……いつもより優しかったなー……) バタンっ
ぽふっ
妹「ベッド、気持ち良いー」
ぽふっ
兄「妹のベッド最高-」
妹「なっ、なんで私の部屋にいるの!?」
兄「妹の枕、良い匂いするなー。女の子の匂いってやつ? すぅー、はぁー、すぅー、はぁー」
妹「嗅ぐなぁっ!!」
兄「あーん、い・け・ず」
妹「はぁ、はぁ、はぁ」
兄「おっと、今は妹を怒らせたいわけじゃないのね」
妹「じゃあ何!?」
兄「添い寝しに来ました」
妹「え、えぇぇ!?」
兄「ダメ?」
妹「ダメに決まってるでしょっ!?」
兄「どうしても?」 じぃ
妹「ど、どうしてもっ!」
兄「俺、まだ可愛がり足りないんだよ。今日の妹、すっごく可愛かったからさ」
妹「なななななっ、何それっ! そっ、そんな風に言われても全然嬉しくないしっ!」
兄「妹が眠ったら出てくから。それでもダメ?」
妹「でも」
兄「嫌ならいいよ。そうだよな、妹は俺のこと嫌いだもんな。嫌いな奴が側にいて眠れるはずないよな」
妹「きっ、きらいじゃ……ない」 ぽっ
兄「無理に言ってないか?」
妹「ううん、嫌いじゃないよ。嫌いなら兄のこと、ずっと無視してるもん」
兄「そっか」
妹「いいよ。寝るまでなら側にいても。信用、してるから」
兄「ありがとな、妹」 なでなで
妹「うん……」 かぁっ
兄「……」 なで なで
妹「すぅ、すぅ」
兄「妹、起きてるか?」
妹(眠れるわけないじゃん!) ドキドキ
兄「昔はよくこうして二人で寝たよな」
妹(子供の頃の話でしょ)
兄「いつからだろうな、別々に寝るようになったのって」
妹(兄が油性ペンで私の全身に超人の名前を書き尽くした時からね)
兄「兄妹ってさ、なんか寂しいよな。
年取る毎にどんどん離れてって、話さなくなって、バラバラになって」
妹(……うん)
兄「もっと近くにいられたらいいのにな」
妹(……うん)
兄「もっと近くに……」
妹(え、ちょっと、近いって)
兄「嫌なら拒んでいいんだぞ」 なでなで
妹(起きてるって知ってて……!)
兄「キス、するからな」
妹(あ。ダメ、ダメなのに……あ、あ)
兄「おーわり」
妹「えっ?」
兄「ほら、時間」
妹「12時?」
兄「“今日いっぱい可愛がったら終わる”。で、今日はおわり」
妹「え? えぇぇ!?」
兄「おやすみバイバイまた明日ー」 ばたんっ
妹「なっ、なっ、何それっ、信じらんないっ!! 兄のバカっ!!」
妹「ま、まさか……わっ、私の気持ち全部わかってて、あんな風に……うわぁぁっ!!」 じたばた
妹「うぅぅぅ! またっ、また兄にからかわれたっ! 絶対にっ、もう絶対に信じないんだからっ!!」
兄「今頃妹、怒ってるんだろうなぁ」
兄「何度騙されても信用してくれるし、良い反応してくれるし」
兄「妹みたいな相方がいればいればいいのになー」
兄「……そうか、妹と結婚すればいいのか!!」
兄「よーし、明日からは妹と結婚するために頑張ろーっと」
こうして妹の苦難の日々は続く
59 : 以下、名... - 2011/04/28(木) 03:14:23.68 Co9l0HnI0 31/31
ちなみにこのスレは俺が妹を可愛がる妄想をしたかっただけなので、
エロ展開なんてありません。そして寝ます。じゃーねー