ガチャ
唯「ただいまー」
唯「って言っても誰もいないよね」
唯「はあ・・・今日も家で一人ぼっちか」
唯「もし兄弟とかいたら、親が家にいなくても楽しいんだろうなあ」
唯「暇だなあ。でも軽音部に入ったし、これからは楽しくなるよね」
ギュオン!
唯「な、何この音!?」
???「やあ」
唯「だ、誰ですか!?警察を・・・」
???「待ちなさい。私はアンプの魔人だ。君の願いを叶えに来た」
唯「えぇ!ホントに!?」
魔人「うむ」
唯「確かに、よく見たらなんか浮いてるし・・・人間に見えないかも」
魔人「だから魔人だって」
唯「でもアンプの魔人って、ランプじゃないの?アンプって何?」
魔人「君は軽音部のくせにアンプも知らんのか?」
唯「えへへ、入ったばかりなもので」
魔人「まあいい。とにかく君の願いを一つだけ叶えてあげよう。私はそのために来たのだ」
唯「えぇー。普通願い事って3つじゃん」
魔人「事業仕分けで予算が減ったんだよ」
唯「?」
魔人「とにかく!早く願いを1つ言いなさい!」
唯「だったら私は・・・」
唯「妹が欲しい!」
魔人「よかろう。ただし、願いの効力は1年後の5月1日の午後4時13分までだ」
唯「なんか細かいね」
魔人「とにかくそれでいいか?」
唯「うん!1年間でもいいから妹が欲しいよ」
魔人「わかった。その願い叶えてやろう」
唯「ありがとう!」
----------------------------------------------------------------------
次の日
唯「う~ん・・・いつの間にか寝ちゃってたのか」
唯「魔人は夢だったのかな。あんなことあるわけ」
憂「お姉ちゃん!そろそろ起きないと」
唯「えっ!?」
憂「あ、お姉ちゃんおはよう。ご飯出来てるよ」
唯「い、いいいいい妹!?」
憂「お姉ちゃんどうしたの?」
唯「いもうとだ~!」ガバッ
憂「ちょっと、お姉ちゃん///」
唯「いもうと~」スリスリ
憂「ほら、早くご飯食べないと遅刻しちゃうよ」
唯「え、ご飯作ってくれたの?」
憂「なんで驚いてるの?早く食べようよ」
唯「う、うん!・・・これは!」
憂「どうしたの?」
唯「すごい!すごいおいしそうだよ!」パクッ
唯「やっぱりおいしいいいい!」パアァ
憂「もう、いつも通りなのにそんなに褒めないで//」
唯「最高の妹だよお」
通学路
唯「ふんふんふん♪」
憂「ずいぶん上機嫌だね、お姉ちゃん」
唯「うん。かわいい妹と一緒に登校できるんだもん」
憂「は、恥ずかしいよ」
唯「かっわいいなあもう!」
律「おーい唯」
澪「おはよう」
唯「あ、りっちゃんと澪ちゃん。おはよう!」
憂「おはようございます。初めまして、妹の憂です。姉がお世話になってます」
唯「(ういって名前なんだ・・・そういえば聞くの忘れてた)」
律「で、出来た子だな。私は田井中律でこっちは秋山澪。よろしくね」
澪「よ、よろしく」
唯「2人は軽音部の仲間なんだよ~」
律「唯が入ってくれたおかげで軽音部は廃部にならずにすんだからなー感謝してるよ」
憂「そうなんですか」
律「まったく、部員が全然見つからないときはどうなることかと・・・」
澪「おい律!無駄話してると遅刻するぞ!」
律「あ、澪待って~」
憂「楽しそうな人たちだね」
唯「うん!」
放課後
紬「へ~、妹さんがいたんだ」
律「うん。見た目は唯に似てたけどすごく出来た子だった」
ガチャ
唯「おまたせー」
律「おーっす」
澪「おー」
紬「こんにちは♪」
澪「ところで平沢さん」
唯「唯でいいよ~」
澪「ゆ、唯//」
唯「かわいい」
律「唯は楽器なにやるんだ?」
唯「え、楽器?そうかここ軽音部だっけ」
澪「軽音部は喫茶店じゃないぞ」
唯「でも私、楽器なんてやったことないよ」
律「え!?まじで?」
紬「だったら、この機会にギターを初めて見たらどうかしら?」
澪「うん。ちょうどギターいないしね」
唯「ギター、かあ」
律「しかし唯が楽器経験皆無だとは・・・」
澪「律!」
律「あっ」
唯「ご、ごめん」
律「ああ、いいんだよ!私が勝手に経験あるって思いこんでただけだから!」
唯「でもギターっていくらするのかなあ」
律「よし!じゃあ今度の休みにみんなで唯のギター見に行こうぜ!」
唯「ほんと!?ありがとう!」
唯の家
憂「おかえり、お姉ちゃん」
唯「ただいまー!あれ、いい匂い!」
憂「夕飯、もうすぐできるよ」
唯「おおー!夕飯まで作ってくれるんだ!ありがとう憂!」
憂「おおげさだよー」
唯「おいしい!」
憂「えへへ、ありがとう」
唯「憂と出会えてよかったよ~!」ギュー
憂「だから大げさだよぉ//」
唯「憂、一緒にお風呂入ろうか!」
憂「ええ!」
唯「それで、一緒にテレビ見て、一緒に寝ようよ!私妹とこういうことするのが夢だったんだあ」
憂「それなら小さい頃に・・・あれ、なんか昔のことが思い出せない」
唯「あー!とにかくお風呂入ろうお風呂!ほら早く!」グイグイ
憂「あ、ちょっと!」
唯「(憂が私の願いで現れたなんて、言うわけにはいかないもんね・・・)」
街中
律「おーい!唯こっちこっち」
唯「あーみんなー!遅れてごめーん」
律「まったく!遅いぞ!」
澪「律も遅刻してきただろ・・・」
律「あれー?そうだっけ?」
澪「こいつは・・・」
紬「まあまあまあまあまあまあ、行きましょ?」
楽器屋
唯「これ欲しいなー」
律「でもこれめちゃくちゃ高いぞ」
唯「うわ!全然お金足りないよ」
律「よし、じゃあみんなでバイトしてこれを買おうぜ!」
澪「そうだな」
紬「アルバイト、楽しみ♪」
唯「え、そんな悪いよ~」
澪「気にすることないよ」
律「そうそう、私らが唯を軽音部に入れた責任っていうかね」
唯「そんな・・・」
律「とにかく!バイト探すぞ!」
紬「おー!」
唯の家
唯「じゃーん!」
憂「お姉ちゃんギター似合ってるよ!かっこいい!」パチパチ
唯「えへへ~」
憂「でもギターって高いんでしょ?よく買えたね」
唯「軽音部のみんなで私のためにバイトしてくれたんだー。
結局そのお金はみんなに返したんだけど、ムギちゃんが色々なんとかしてくれて・・・」
憂「軽音部のみなさん、すごく優しいんだね」
唯「うん。私もギター頑張らないとね!」
憂「頑張ってね、お姉ちゃん」
唯「でも、憂との時間も大切にするからねー!」ギュ
憂「あ、ありがとう//」
唯「ただいまー」
憂「お帰りなさい、お姉ちゃん」
唯「帰ったら迎えてくれる人がいるっていいなあ・・・」
憂「今日の部活はどうだった?」
唯「今日はねー澪ちゃんにコードって言うの教えてもらったんだ」
憂「へー」
唯「それでね、初心者用のギターの本ももらったんだよー」
憂「良かったね、お姉ちゃん」
唯「うん、それでねー」
唯「ただいまー」
憂「おかえり・・・あれ」
律「おっす!憂ちゃん久しぶりー」
澪「いきなり来てごめんね」
紬「おじゃましまーす」
唯「今日は軽音部のみんなに中間テストの勉強教えてもらうんだー」
憂「そうなんだ。みなさんすいません」ペコリ
律「相変わらず出来た子だなー」
唯「私の部屋はこっちだよー」
律「すごい良い家に住んでるんだな」
紬「ご両親はいないの?」
唯「お父さんとお母さんは仕事でいつも家にいないんだー」
澪「そうなんだ、大変だな」
唯「でも今は憂がいるから寂しくないよ!」
律「今は?」
唯「あ、なんでもない!えへへ」
律「しかしそれにしてもなんでこんな良い家に・・・」
澪「しつこいぞ」
澪「それでxに代入して・・・」
紬「この関数は・・・」
唯「へ、へえーなるほどー」
澪「本当にわかってるのか?」
律「ごろごろー」
ガチャ
憂「みなさん、お茶とお菓子持って来ましたよー」
唯「おー!待ってました!」
澪「わざわざありがとう」
憂「いえいえ」
律「あ、憂ちゃんちょっと」
憂「どうしたんですか?」
律「私、勉強教えたり出来ないから暇なんだよね。なんか遊ばない?」
憂「あ、じゃあゲームでもしましょうか?」
律「お、いいねー!澪~、ちょっと憂ちゃんとゲームしてくるわー」
澪「おい!迷惑かけるなよ!」
憂「大丈夫ですよ、私が誘ったんです」
澪「そ、そうなの」
紬「りっちゃんってすぐに人と仲良くなれるのね」
澪「昔からそういうやつだったからな・・・」
ピコピコ
律「うおっまた負けた!」
憂「ふふふ、もう一回やります?」
律「もちろん!憂ちゃんはなんでも出来るんだなー」
憂「そんなことないですよー」
律「唯から聞いたよ?家事もほとんど憂ちゃんがやってくれるって」
憂「私が好きでやってるんですよ」
律「中学生なのにすごいよなー・・・あ」
憂「どうしました?」
律「唯ってどういう中学時代過ごしてたのかな?憂ちゃんと同じところだよね?」
憂「私とお姉ちゃんの中学時代ですか、そうですね」
律「うんうん」
憂「お姉ちゃんの中学時代は・・・えーっと」
律「?」
憂「あれ?えっと、なんだろう・・・」
律「どうした?」
憂「すいませんなんか・・・思い出せないというか、もやもやしてるっていうか・・・おかしいな」
律「あ、そんな無理に思い出そうとしなくていいよ別に」
憂「すいません・・・」
律「いや、私が聞いたことだから、ごめんね」
唯「みんな今日はありがとう。おかげで明日はなんとかなりそうだよ」
律「いやーまあな」
澪「お前は何もしてないだろ!」
憂「みなさんお姉ちゃんのために、本当にありがとうございました」
紬「いいのよ」
律「そうそう、我ら軽音部の可愛い唯ちゃんのためだもんな」
澪「だからお前は・・・」
唯「本当に、軽音部に入ってからみんなの世話になってばかりで、ありがとう」
澪「何回も言わなくていいよ、私たちも唯の力になれてうれしいんだ」
律「じゃーなー」
紬「おじゃましましたー」
バタン
憂「良い人たちだね、本当に」
唯「うん。みんなや憂と出会えて私は本当に幸せだよ」
憂「じゃあ、ちょっと遅くなったけどご飯作るね!」
唯「わーい!」
憂「あ、お姉ちゃん」
唯「え?なに」
憂「私とお姉ちゃんが同じ中学に通ってた時のこと・・・
あ、やっぱりなんでもないよ!すぐ作るね!」
唯「うん!」
唯「ただいまー」
憂「おかえりー」
唯「もうすぐ夏休みだねー」
憂「そうだねー」
唯「あのね、今度軽音部で合宿に行くことになったんだ」
憂「へえ。楽しそうだね!」
唯「ごめんね」
憂「え、なんで謝るの?」
唯「せっかくの夏休みなのに、憂と過ごせる時間が減っちゃうから」
憂「大丈夫だよ!夏休みは長いんだし!」
唯「そうか!そうだよね!」
憂「合宿楽しんできてよ!」
唯「ありがとー!」
部室
律「唯ー合宿どこ行きたい?」
唯「うーん。みんなで行くならどこでも楽しそうだよね」
律「そうか?行きたいところあるなら遠慮なく言っていいんだぞ」
唯「そうだなあ、海、とか?」
律「海かーいいねー!よし海に決定!」
唯「え!?そんな簡単に決めちゃうの?私責任とれないよー」
澪「私も海、いいと思うな」
紬「私も。ちょうどスタジオ付きで海の近くの別荘があるんだけど、よかったら使わない?」
律「別荘あるの!?」
唯「ムギちゃんすごいね!」
ザザーン
唯「おー海だ!」
澪「綺麗だなー」
紬「本当はもっと大きいところを借りたかったんだけど・・・」
澪「十分大きいと思うんだけど」
律「よっしゃー!泳ぐぞ!!」
澪「あ、練習」
唯「よーし泳ごう!」
律「ほら、唯も言ってるぞ」
澪「う・・・」
紬「澪ちゃん、私たちもいきましょ?」
澪「しょうがないな」
律「いやー食った食った」
唯「遊んだ遊んだ」
澪「あとはれんしゅ」
律「風呂入って寝るぞ!」
唯「おー!」
澪「おい」
律「まだ明日があるじゃーん」
澪「私たちは軽音部だろ!唯、みんなで合わせてみないか?きっと楽しいよ」
唯「おお!楽しそうだね!やろうよ!」
律「しゃーないな、やるか」
紬「スタジオはこっちよー」
カポーン
律「まさか露天風呂まであるとは」
唯「ふー極楽極楽」
澪「演奏、いい感じだったな」
律「唯、いつの間にか上手くなったなー」
紬「うん、驚いたわ」
唯「えへへ、毎日練習してるからねー!
でも楽しかった!みんなで演奏するの!」
律「だな!」
唯「海も楽しかったし、また来年も絶対合宿やろうね!」
唯「あ・・・」
律「えっ?」
澪「ゆ、唯?」
唯「(来年はもう憂がいないんだ・・・)」
紬「どうしたの?」
唯「う、ううん。なんでもないよ!先あがってるね!」ザパア
澪「なあ、唯の様子・・・」
紬「ええ、心配ね」
律「だ、大丈夫だろ、たぶん」
唯「ただいまーーーーー!」
憂「あ、お帰りお姉ちゃん。合宿はたのしか」
唯「ういぃーー!」ガバッ
憂「うわわっ!どうしたのお姉ちゃん」
唯「憂、ごめんね」ウルウル
憂「えっ?」
唯「私、もっと憂との時間を大切にするよ」スリスリ
憂「いきなりどうしたの?」
唯「ううん、なんでもないよ」
唯「ねえ憂」
憂「なに?」
唯「2人でどこか行かない?旅行とかさ(憂と過ごせる夏休みはもう今回だけだもんね・・・)」
憂「そんなお金ないよ・・・」
唯「う、だったら日帰りでもいいから!どこか一緒に行こうよ!」
憂「うん、じゃあどこいこうか」
唯「憂の行きたいところならどこでも!」
憂「私はお姉ちゃんと一緒ならどこでもいいよ~」
唯「これじゃあ話が進まないよ~」
憂「えへへ、ごめん」
唯「・・・結局ひたすら歩くだけになったけど、これで良かったの憂?」
憂「うん!お姉ちゃんと一緒だし、それにあてもなく歩いてどこかに向かうって、ワクワクしない?」
唯「うん!するする!」
憂「ねっ?」
唯「もうどのくらい歩いたかなー。ここどのへんだろ」
憂「携帯で調べようか?」
唯「ううん!どこかわからない方が楽しいし!」
憂「そうだね!」
唯「ふいーつかれた。もう県境は越えてるんじゃないかな・・・」
憂「さすがにそれは無いと思うよ・・・」
唯「もう夕方になっちゃったね」
憂「そうだねー、そろそろ帰ろうか」
唯「えー!もったいないよお」
憂「でも夕飯も作らないといけないし」
唯「だったら、どこかお店探してご飯食べて帰ろうよ!」
憂「お姉ちゃんがそう言うならそうしよっか」
唯「ありがとーういー
(今日くらい少し贅沢してもいいよね・・・憂と過ごす最後の夏なんだし)」
部室
唯「みんなー久しぶり!」
澪「お、唯」
律「ついに夏休みが終わってしまったなー」
唯「悲しいですなー」
紬「でも、こうして部活ができるじゃない」
律「おう!さすがムギ!」
唯「あ、あの!」
澪「ん?」
唯「部活のことなんだけどさ・・・」
律「・・・週に何回かは部活やらずに帰りたい!?」
澪「ど、どうして?」
唯「ごめん・・・」
紬「よかったら理由教えてくれる?」
唯「憂と過ごす時間がもっと欲しいの。これから部活が始まったら家に帰るの遅くなるし、憂の家事の負担も増えちゃうし」
律「でも、それは夏休み前も同じだったじゃん!」
澪「ちょっと律!」
唯「ごめんね、今年だけはどうしても憂との時間を大切にしたいんだ」
律「・・・!」
澪「今年だけって、なんで?」
唯「それは・・・言えないよ」
律「言ってくれなきゃ分かんないだろ!」
澪「落ち着けって、律!」
唯「言ったって・・・たぶん笑われるもん」
紬「私たちは絶対、唯ちゃんを笑ったりしないわ」
澪「うん、唯のこと信じるよ」
律「私も・・・」
唯「・・・」
唯「本当に?」
律「本当だよ!」
唯「普通じゃ絶対に信じられないような話だよ・・・?」
澪「唯はそんな嘘つくようなやつじゃないってわかってるから、大丈夫だよ」
唯「笑わないで聞いてくれる?」
紬「ええ、ちゃんと聞くわ」
唯「わかった・・・話すよ」
唯「憂はね・・・」
-------------------------------------------------------
律「・・・」
澪「・・・」
紬「・・・」
唯「ごめんね、やっぱ変だよねこんなこと話して」
律「・・・あ、いや」
澪「私は・・・信じるよ!」
紬「え、ええ。魔人とか言われてすこし驚いちゃったけど」
律「そうだな。唯が嘘つくとは思えないし」
唯「え?信じてくれるの」
律「おう。それにいくら唯でも嘘つくならもっと現実的な話作るだろ?」
唯「みんな・・・ありがとう!」
唯「ただいまー!」
憂「おかえり。なんか元気だね、お姉ちゃん」
唯「軽音部でいいことがあったからね♪」
憂「そうなんだ~」
唯「憂、これからは一緒にいられる時間が増えるからね!」
憂「え?」
唯「私、家事も頑張って手伝うから!」
憂「部活はどうするの?」
唯「その分普段の練習の量を多くすればなんとかなるよ~
いつもはほとんどティータイムだから」
憂「でも・・・どうして?」
唯「憂は私の大好きな大切な妹だからだよ!」
憂「もう//それじゃ説明になってないよ」
唯「ただいまー」
憂「おかえりなさい。あ、みなさんも一緒なんですね」
律「おーっす憂ちゃん」
澪「久しぶり」
紬「おじゃましまーす」
唯「今日はみんなでムギちゃんの作曲を手伝うんだ!」
憂「そうなんだ。楽しそうだね!」
紬「よかったら憂ちゃんも手伝ってくれる?」
憂「いいんですか?」
紬「ええ。いろんな人の意見を聞きながらやりたいから」
憂「じゃあ、私も参加させてもらおうかな」
唯「やったあ!」
唯「ただいまー」
憂「おかえり。遅かったね」
唯「ごめんね、今日は部活頑張る日だから・・・」
憂「ううん!大丈夫だよ!ごはん用意してあるよ~」
唯「おお!アイスは?」
憂「あるけど、ご飯食べてからね」
唯「わかってるよ~」
唯「憂のごはんは美味しいなあ」モグモグ
憂「お姉ちゃん、それ毎日言ってるよ」
唯「毎日おいしいから当然だよ!」
憂「えへへ・・・練習はどうだった?」
唯「すごく頑張ったよ!憂も一緒に考えたオリジナル曲がすごくカッコ良くてね!」
憂「さすが紬さんだね」
唯「澪ちゃんが歌詞を考えてきてくれるんだ」
憂「へえ。楽しみだねー」
唯「うん!」
唯「ただいまー!」
憂「おかえり、お姉ちゃん」
唯「澪ちゃんの考えてくれた歌詞、すごく良かったよ!」
憂「澪さんってカッコよくて優しくて作詞まで出来ちゃうんだね」
唯「それでね、重大な発表があります!」
憂「なになに?」
唯「私、学園祭のライブでボーカルをやることになったよ!」
憂「ええ!お姉ちゃんすごい!」
唯「えへへー、絶対見に来てね!」
憂「もちろん!学園祭が楽しみだなあ」
唯「だだいまーげほっ」
憂「おかえりーってお姉ちゃんどうしたのその声!」
唯「ざわごぜんぜいとぼーがるのどっぐんじずぎでごうなっぢゃっだ」ガラガラ
憂「い、今お水持って来るね!」
唯「ありがどう、げほっ」
憂「はい、お水」
唯「」ゴクゴク
憂「お姉ちゃん、もうすぐ学園祭だけど大丈夫?」
唯「ぶはっ、ぼーがるはみおぢゃんにやっでもらうよ、げふん」
憂「そうなんだ。でもお姉ちゃんの演奏楽しみにしてるからね!」
学園祭当日
ガヤガヤ
憂「ここで演奏するんだよね・・・混んでるなあ」
憂「もうすぐ始まるみたいだけど、席あいてないかも」
律「憂ちゃーん!こっちこっち!」
憂「あ、律さん!どうしたんですか?」
律「憂ちゃんのために一番前の席をとっておいたのさ!」
憂「そんな・・・わざわざすいません」
律「いいって。みんな憂ちゃんにたっぷり楽しんでもらいたいからね
じゃ、私は準備に戻るから!」
憂「あ、ありがとうございます!」
「まもなく、軽音部によるバンド演奏です」
ガヤガヤ
憂「きた!」
ガー
唯「♪」
紬「・・・」
律「よっし」
澪「うぅ」フルフル
憂「(お姉ちゃんもみなさんも頑張って!)」
律「1,2,3,4!」
唯「ただいまー!」
憂「おかえりなさい!みなさんも!」
律「おーっす!」
紬「学園祭の打ち上げ、ここでやっちゃっていいの?」
憂「はい、大歓迎ですよ。みなさんお疲れ様です。あの、澪さんは・・・」
澪「」
律「あーしばらくそっとしといてあげて。憂ちゃんも見てたと思うけど」
憂「はい、一番前で・・・」
澪「」
憂「で、でも澪さんのボーカルすごくカッコ良かったですよ!もちろんお姉ちゃんも」
澪「・・・ありがと」ボソッ
唯「ただいまー!」
憂「おかえりー」
唯「もうすぐクリスマスだねー」
憂「そうだね。クリスマスツリー出さなきゃ」
唯「あのね、軽音部のクリスマス会をうちでやってもいい!」
憂「もちろん!私も参加していいの?」
唯「うん!むしろ参加してもらわないと困るよ。みんな憂が大好きだからね~」
憂「あ、ありがと//私、はりきって料理作るね!」
唯「私もはりきって手伝うよ!」
律「あー」
澪「どうした?」
律「もうすぐ新歓ライブだなーって」
紬「うん」
律「4月は新歓でいろいろ忙しいから、すぐ5月になっちゃうよな」
澪「やめろよ・・・その話は」
紬「でも、憂ちゃんが桜高に受かったから新歓で私たちの演奏聴いてもらえるね」
律「だな。悲しんでも仕方ないしな」
澪「唯のいるところでこの話あまりするなよ?」
律「わかってるよ」
ガチャ
唯「みんなー遅れてごめーん!」
ジャーン♪
唯「ふいー」
律「今の良くなかった!?」
紬「うん、息がぴったりだったかも」
澪「でも今回は新曲が3曲もあるからな。まだまだ油断できないぞ」
唯「そうだね!憂のためにも頑張るよ!」
律「だな!でもちょっと休憩~」
紬「お茶淹れるわね~」
澪「まったく・・・」
律「よく考えたら、新歓ライブは新入生獲得のためにやるんだよな」
澪「そりゃそうだろ」
唯「そっかー憂のことばっかり考えちゃってたよ」
紬「どっちにしろ頑張らないとね」
唯「新入生入ってくれるかなあ。そしたら私たち先輩になるんだよね」
律「うん・・・だな」
唯「かわいい後輩が入ってきたらいいなあーでも後輩ならみんなかわいいよね!」
唯「ただいまー!」
憂「おかえり~」
唯「明日は入学式だね!」
憂「うん!楽しみ!でもお姉ちゃんたちの新歓ライブはもっと楽しみだよー!」
唯「ありがとー!頑張るからね!」
憂「応援してるよ!」
唯「ねえ憂、お願いがあるんだけど・・・」
憂「なに?」
唯「4月の間、一緒に寝ていいかな?」
憂「え、い、いいけどなんで?」
唯「えへへ、秘密」
ガヤガヤ
憂「もうすぐお姉ちゃんたちのライブ・・・相変わらず混んでるなあ」
憂「あ、ここ空いてる。今回は早く来てよかった」
憂「あれ・・・あの子は」
梓「・・・」キョロキョロ
憂「確か同じクラスの・・・中野さん!」
梓「え!?」ビクッ
憂「あの、同じクラスだよね」
梓「えっと、平沢さん、だっけ?」
憂「うん。ここ席空いてるから良かったらどうぞ」
梓「あ、ありがとう!」
憂「(可愛い子だなあ)」
憂「軽音部に興味あるの?」
梓「うん、ギターをやってるから。どこか音楽系の部活に入りたいなって」
憂「へえ、ギターやってるんだ。あのね、私のお姉ちゃんが軽音部でギターやってるんだよ!」
梓「そうなんだ」
ガー
憂「きたー!」
唯「どうもー軽音部でーす!」
梓「あの人がお姉ちゃん?」
憂「そうそう!よくわかったね。やっぱり似てるからかなあ」ニコニコ
梓「(いや、ギター持ってるのあの人だけだし・・・ずいぶんお姉さんが好きなんだなあ)」
唯「というわけで聴いてください!私の恋はホッチキス!」
唯「ただいまーーー!ういー!」
憂「いつになく上機嫌だね!お姉ちゃん」
唯「新入部員が入ったんだよ!」
憂「ほんと?良かったね!」
唯「梓ちゃんって言うんだけどね、すごく可愛いんだあ」
憂「へえ!梓ちゃん入ったんだ」
唯「え、知ってるの?」
憂「うん、クラスメイトだよ」
唯「そうなんだ!やったね!」
律「というわけで!梓の歓迎会を行う!」
唯「おー!」
紬「おー!」
梓「そんな、いいですよわざわざ」
律「可愛げのない奴だなあ、こういう時は素直になれって」
梓「な・・・!」
唯「場所はうちでいいかな?」
律「そうだな、憂ちゃんもいることだし」
澪「で、いつやるんだ?」
律「今度の土曜だな」
澪「土曜ってことは、えーっと」
紬「4月30日・・・」
唯「あ・・・」
梓「どうしたんですか?」
唯「ううん、なんでもない」
唯「(そうか・・・憂がいなくなる前日だから、みんなで集まってくれるんだね)」
律「みんな大丈夫だな?じゃあけーってーい」
唯「ただいまあ・・・」
憂「おかえり、お姉ちゃんどうしたの?」
唯「今度の土曜にあずにゃんの歓迎会やることになったんだ」
憂「そうなんだ!じゃあ私も料理」
唯「ういぃ・・・」ギュ
憂「お姉ちゃん?」
唯「土曜日は思いっきり楽しもうね」
憂「うん」
唯「次の日は私とずっと一緒にいようね」
憂「うん・・・」
「おじゃましまーす!」
唯「みんなーいらっしゃい!」
憂「こんにちは。梓ちゃんも♪」
梓「お邪魔します」
唯「あずにゃんは私たちの家はじめてだったね!我が家だと思ってくつろいでね~」
律「ほお、さっそくいい匂いがするな」
澪「食い意地の張ったやつだな・・・」
唯「今回は私も結構頑張って料理作ったんだよ!」
唯「はいっ!」
律「よっしゃあ!」
唯「りっちゃん!そんな喜んだら私がババ引いたってばれちゃう!」
梓「自分で言ってるじゃないですか・・・」
唯「あっ」
憂「ふふ、お姉ちゃんったら」
澪「・・・これかな」
唯「やったー!澪ちゃんババ引いたー!」
澪「だから言うなって!」
紬「あら、もうこんな時間」
澪「そろそろ帰らないと・・・」
唯「ええ、もう帰っちゃうの?」
律「しょうがないだろー?」
唯「帰らないでよ・・・」
梓「え?」
唯「みんなが、帰ったら、ぐすっ、明日になっちゃう・・・」
憂「ちょっと、お姉ちゃんなんで泣いてるの?」
唯「うわあああん!」
律「・・・行こうか」
澪「・・・そうだな」
梓「え、ちょっといいんですか?唯先輩が」
紬「いいのよ、行きましょう」
律「唯、それに憂ちゃん。今日は本当に楽しかったよ」
澪「うん。ありがとう」
唯「ひっぐ、わだじも・・・楽しかった」ポロポロ
紬「じゃあ、私たち帰るからね。2人とも明日は仲良く、ね?」
唯「う、うわああぁあん!」
梓「えっと、おじゃましました!」
梓「(唯先輩のあの様子・・・先輩たちもなんか変な感じだし)」
澪「じゃあ・・・また」
憂「今日はありがとうございました!お姉ちゃんどうしたんだろ・・・」
唯「うぅう・・・」
律「じゃあ私と澪はこっちだから・・・」
紬「ええ、じゃあまたね」
梓「あの!」
澪「どうした?」
梓「先輩達、何か隠してませんか?」
律「・・・」
梓「帰り際の唯先輩とみんなの雰囲気、なにかおかしかったですよ。尋常じゃないというか」
澪「・・・どうするんだ?」
律「私に振るなよ」
梓「やっぱり何かあるんですね!?教えてください!」
律「梓ってさ、幽霊とか伝説とかオカルトとか信じなさそうだよな」
梓「いきなり何の話です?」
律「私が話すことを絶対に信じるって約束するなら、話すよ」
梓「・・・わかりました。信じます。だから話して下さい!」
律「じゃあまず・・・唯が泣いてた理由から話そうか」
--------------------------------------------------------------------------------
梓「・・・つまり、憂は唯先輩の願いで生まれた存在で、明日消えてしまうんですね」
律「信じるのか?」
梓「はい、律先輩ならともかく澪先輩やムギ先輩までこんな嘘つくとは思えませんし」
律「おい」
紬「まあまあ」
梓「なんでもっと早く教えてくれなかったんですか!」
澪「ごめんな、こんな話そう信じられるものじゃないからさ」
梓「でも先輩たちも唯先輩から話を聞いただけなんですよね?もしかしたら唯先輩の嘘かもしれないですよ」
紬「・・・」
梓「例えば、両親が離婚して憂と離れ離れになるとか。それで離婚のこと話したくなくて」
澪「梓、違うんだ。唯の言ってることは本当だよ」
梓「だからなんでわかるんですか!?」
澪「それは・・・」
律「澪、私から言うよ」
梓「え・・・?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1年前
律『ああ・・・ついに5月になってしまった』
澪『部員が1人足りずに廃部・・・か』
紬『残念ね・・・』
律『ま、まだだ!何か打開策があるはず!』
澪『打開策って・・?』
律『例えば!この音楽準備室を毎日掃除する代わりに使うのを認めてもらうとか!』
澪『そんなばかな・・・』
律『うるさい!そうと決まれば倉庫から掃除だ!』ガチャ
澪『うわ、これは酷いありさまだな』
律『なんだよこれ・・・めちゃめちゃじゃん。このアンプとか何年も使ってなさそうだな』
紬『でも、ちゃんと拭けばまだ使えそうね』
律『そうかなあー』キュッキュッ
ギュオン!
律『なんだ!?』
魔人『ふう・・・久々の人間界だ。私はアンプの魔人!』
澪『きゃ、きゃあああ!』
紬『お、落ち着いて!』
魔人『失礼だな。君らがアンプをこすったから願いを叶えに来てやったというのに』
律『え!願い叶えてくれるの?』
魔人『うむ。3つだけだがな。それと願いの効力は私が出現してから1年間だ。今何時だ?』
紬『4時13分です』
魔人『つまり1年後の4時13分までだ』
魔人『さあ、願いを言うんだ』
律『だ、だったら、軽音部にもう一人部員が欲しい!』
魔人『よかろう。作ってやる』
律『え、いいの?』
魔人『少し待っていなさい』
ヒュンッ
律『消えた・・・』
澪『怖かったあ』
紬『本当に部員ができるのかしら・・・』
ガチャ
律『はい?』
唯『やっほー。遅れてごめーん』
律『へ?』
紬『あの、どちら様でしょうか?』
唯『やだなームギちゃん、私だよ、唯』
澪『えっと?』
唯『もう、澪ちゃんまで。同じ軽音部の仲間の顔忘れるなんて、冗談でもやめてよお』
律『ぶ、ぶ、ぶ・・・』
律『部員だーーーー!』
唯『りっちゃんどうしたの?』
律『お前、軽音部の部員なんだな?』
唯『?うん、そうだけど』
律『ああいや、なんでもない!まあお茶でも飲めよ!』
唯『ありがとう!あ、先にトイレ行って来るね!』
ガチャ バタン
澪『まさか・・・』
紬『すごい』
ギュオン!
魔人『どうだった?では残り2つの願いを言ってくれ』
律『どうする?本物だよ本物!私の願いは叶ったから残りは2人が決めてよ』
澪『わ、わたしはいいよ・・・!なんか怖いし』
紬『私もちょっと・・・』
魔人『なんだ。早く決めてくれ』
澪『だって・・・あの子は願いのためにわざわざ作られたんでしょ?』
魔人『そうだ』
澪『どう見ても人間だったし・・・それで1年後に消えちゃうなんて、かわいそう・・・』
律『・・・』
律『じゃ、じゃあさ、残りの願いはあの子にあげようよ!』
紬『私もそれでいいと思う』
澪『うん、私も』
魔人『叶えられるのは私を呼び出した者の願いだけだぞ?』
律『そこをなんとか!』
魔人『まあ、"残りの願いは平沢唯のを叶えてほしい"という願いを君がすれば出来ないこともない。もちろん残りは1つになってしまうが』
律『・・・わかった!じゃあそれでお願い!』
魔人『魔人は3つの願いを叶えるのが常識だが、それについて突っ込まれたらどうする?』
律『事業仕分けで予算が減ったとか言えばいいんじゃない?』
魔人『事業仕分け?なんだそれは』
律『さあ?私もよくわからないけどニュースでよく聞くから』
魔人『まあいい。願いはわかった。彼女が1人になったら現れるとしよう』
ヒュンッ
律『また消えた・・・』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
律「・・・というわけだ」
梓「じゃ、じゃあ・・・明日になれば2人とも」
澪「うん、唯と憂ちゃんは一緒に消えるはずだ」
紬「悲しいけど・・・せめて一緒に消えることが唯ちゃんと憂ちゃんにとって一番いいことだと思うの」
律「だから2人をそっとしておいたんだ」
梓「そうなんですか・・・」
律「全部私が悪いんだ・・・こんな思いさせてごめん、みんな」
澪「それはもういいって言っただろ?」
紬「2人と作った思い出が間違ってるなんて、絶対思わないわ」
梓「・・・うーん」
梓「もう外が明るい・・・爆睡しちゃった。昨日の夜ずっと泣いてたからかな」
梓「あと、何時間かで、唯先輩と憂が・・・」
梓「2人とも、自分が消えることは知らないんだよね・・・」
梓「先輩たちはそっとしておけって言ったけど」
梓「すいません律先輩、ちょっと反抗しちゃいます」
唯「ういー」
憂「お姉ちゃん、どうしたの?今日はずっと私に抱きついて・・・」
唯「嫌かなあ?」
憂「ううん。嬉しいよ」
唯「よかったあ。今日はずっとこうしてたいんだ」ギュ
憂「まあ、こういう休みの日があってもいいかな」
唯「(あと1時間、かあ)」
梓「はあっ、はあっ!」
梓「道に迷ったらもうこんな時間!」
ピンポーン
憂「お姉ちゃん、誰か来たよ」
唯「いいよ、今日くらいはほっとこうよ」
梓『唯先輩!憂!』
唯「!」
憂「梓ちゃんの声だ!」
唯「・・・私が行くよ!憂はちょっと待っててね」
ガチャ
唯「あずにゃん、どうしたの?」
梓「唯先輩、話は聞きました」
唯「そっか、それで憂にお別れを言いに来てくれたんだね」
梓「いえ、2人にです」
唯「どういうこと?」
梓「辛いかもしれませんが、やっぱり唯先輩は知っておくべきだと思うんです」
-----------------------------------------------------------------------
梓「・・・これが先輩たちに聞いた話です」
唯「・・・そっかあ、やっぱりそうなんだ」
梓「え?」
唯「薄々ね、感じてたんだ。高校に入る前の記憶が思い出せそうで思い出せないし」
梓「・・・」
唯「よく考えたら、お父さんとお母さんの顔もわからない・・・
だからね、なんとなくわかってた」
梓「すいません・・・」
唯「ありがとうあずにゃん」ギュ‐
梓「・・・」
唯「私、憂と一緒に消えれるならすごく幸せだよ。あずにゃんやみんなと別れるのは辛いけどね」
梓「唯、先輩ぃ・・・ぐすっ」ギュ
唯「よしよし、みんなにも伝えておいてくれるかな。私を作ってくれてありがとうって。
みんなと過ごした1年間、とっても楽しかったって」
梓「はい・・・」
唯「そろそろ時間だから、憂のところに行くね。ありがとうあずにゃん。大好き」
梓「私もです。唯先輩も憂も大好きです」
唯「えへへ、ありがと。じゃあ・・・バイバイ」
バタン
梓「・・・」
唯「ただいま、憂」
憂「おかえりなさい、お姉ちゃん」
唯「あずにゃん、憂が大好きだって」
憂「梓ちゃん、わざわざそれを言いに来てくれたの?」
唯「そういうところがかわいいよね」
憂「そうだね」
唯「えへへー私も憂大好きー!」ギュ
憂「お姉ちゃん、ありがとう。私も大好きだよ」
唯「ずっと一緒にいようね」
憂「うん・・・」
唯「ずっと、ずっと一緒に・・・」
おわり
288 : 以下、名... - 2010/05/25(火) 04:59:33.28 pFGEyVac0 84/92
読んでくれた人ありがとうございます。
このまま後日談も書こうと思ったけど、さる増えてきたし眠いので4時間ほど寝かせてくだせえ
あの日ほど悲しい日は無かっただろう。唯先輩がドアを閉めた後、私はずっと泣いていた。
次の日先輩たちにこのことを話して、またみんなで泣いた。
先輩たちと共に唯先輩の家に再び来ると、そこは空き地になっていた。
あれから半年近く経ち、私たちは学園祭に向け練習に励んだ。唯先輩と憂に聴いてもらうという想いで。
ある休日。久々に両親が帰って来たので、家族で大晦日に出来なかった大掃除をすることになった。
私の担当は家の古い物置だ。
梓「うわ・・・酷い埃」
私にはこの物置を使った記憶はほとんどない。
でも、奥に見えた埃を被ったアンプに何かを感じた。
梓「よいしょっと・・・」
アンプを持ってきてみる。掃除のあてもないのでとりあえずこれからでいいか。
そう思って私はアンプを拭いた。すると・・・
唯「やっほー!私はアンプの魔人だよ!初仕事がんばっちゃうぞ!」
ギュオンという音と共に、見慣れた顔が現れた。
梓「何やってるんですか・・・唯先輩」
唯「さて願いを3つ・・・え」
唯「ああああああずにゃん!?」
唯先輩によると、願いの効力が切れた後、2人は魔人として魔界で生きているそうだ。
私たちはてっきり2人とも消滅してしまったと思っていたのだが・・・
唯「1度生み出した命を消しちゃうほど魔人は非道じゃないよ~」
とのことだ。
今は唯先輩と憂は2人暮らしで、相変わらず家事はほとんど憂にまかせっきりらしい。
そこで唯先輩は、憂を養うために仕事に就くことにした。
それが、アンプの魔人というわけだ。
唯「あずにゃん、どこ行くの?」
今私は先輩たちに、大変な事が起きたからすぐに集まってくれと連絡した。
集合場所はもちろん部室だ。
梓「ふふ、言わなくてもわかってますよね?」
唯「みんなに会わせてくれるんだね!」
唯先輩はふわふわ浮きながら私に付いてくる。
前からふわふわしている人だと思っていたが今は本当に浮いてるのだからどうしようもない。
唯「そうだ、まだこれしてなかったね。あーずにゃん♪」ギュ
梓「あ・・・」
抱きつかれた感触は、依然と変わらなかった。
唯「お金がたまって生活に余裕ができたら、憂と一緒に人間界に旅行に来ようと思ってるんだ!」
梓「そんなこともできるんですか。意外と魔界って柔軟なんですね」
唯「憂より一足先にみんなに会うのはちょっと悪いかな」
梓「帰って話してあげれば、憂も喜びますよ」
唯「そうだね!ところで、私が願いを叶えに来たって覚えてる?」
梓「それなんですが・・・願いを言わなければ、ずっと一緒にいてくれるんですか?」
唯「えぇ?うれしいけどそれは困るよお」
梓「ふふ、冗談です」
唯先輩とくだらないおしゃべりをしてるうちに、部室の前まで来た。
中からにぎやかな話し声が聞こえてきて、全員揃ってるとわかった。
唯「この中にみんながいるんだね。ちょっと緊張するよお」
梓「唯先輩はこんなことで緊張するようなキャラじゃないでしょ?」
唯「むー!私だって緊張ぐらいするもん!」
梓「はいはい、じゃあ入りますよ」
唯「う、うん!」
先輩たちはどんな顔をして驚くだろうか・・・楽しみにしながら、私はドアを開けた。
おわり
334 : 以下、名... - 2010/05/25(火) 11:17:02.75 pFGEyVac0 92/92
これで本当に終わり。後日談で余韻壊しちゃってたらすいません。
後日談はもともとない予定だったけど、終わり方が前に書いたSSとかぶってる気がして追加した
では、みなさん読んでくれてありがとうございました。